JPH09277089A - 大脚長水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

大脚長水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法

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JPH09277089A
JPH09277089A JP11439296A JP11439296A JPH09277089A JP H09277089 A JPH09277089 A JP H09277089A JP 11439296 A JP11439296 A JP 11439296A JP 11439296 A JP11439296 A JP 11439296A JP H09277089 A JPH09277089 A JP H09277089A
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slag
wire
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Rikiya Takayama
力也 高山
Masao Kamata
政男 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状、外観が良好で溶接欠陥が発生しにくい
脚長10mm以上の大脚長ビードが高能率な1パス溶接
で得られる水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法を提
供する。 【解決手段】 フラックス入りワイヤを用いて行う2電
極2プール方式の水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方
法において、TiO2 :3.5〜7.5%、SiO2
2.1〜3.5%、MgO:1.6〜3.5%、ZrO
2 :0.5〜1.5%、Al23 :0.1〜1.0%
を含有し、さらにこれら成分の比率と総量を規定したフ
ラックス入りワイヤを少なくとも先行電極に用いて、先
行電極のワイヤ先端狙い位置を下板と立板とのコーナー
部から−3〜+6mm、トーチ角度を下板から10〜4
0゜として溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は船舶や橋梁等の溶接構造
物の建造において、特に厚鋼板部材の水平すみ肉溶接に
適用する大脚長水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種溶接構造物の建造において、
溶接能率向上のためにフラックス入りワイヤを用いたガ
スシールドアーク溶接法の適用が増大している。特に全
溶接長に占める水平すみ肉溶接の比率が高い造船や橋梁
等の分野では、水平すみ肉溶接の高能率化が最大の課題
となっている。これに対し、特公平7−29205号公
報、特公平7−90367号公報等は、造船のロンジパ
ネル溶接に代表される脚長4〜6mm程度の小脚長部材
の高速化に適した2電極1プール方式の高速水平すみ肉
ガスシールドアーク溶接方法を提案したものであり、各
所で実用化されつつある。
【0003】最近、さらに施工現場からの要望として、
脚長10mm以上の大脚長ビードが必要な厚鋼板部材の
水平すみ肉溶接の高能率化がある。現状一般的な大脚長
溶接は1電極で2パス以上で行う多パス盛りで実施さ
れ、工数増となっている。大脚長溶接に上記2電極1プ
ール方式による溶接方法を適用した場合、溶着量確保の
ために必然的に大電流溶接となり溶融プールが大きくな
りすぎて溶融スラグが下板側に流れビード止端部のオー
バーラップ、立板側には脚長不足やアンダーカットが発
生する。
【0004】また上記提案で用いているフラックス入り
ワイヤは大脚長溶接性を配慮したものではない。このた
め溶接速度を遅くしたとしても脚長限界は7mm程度で
ある。また特開平4−300091号公報は1電極溶接
で脚長8〜10mmが可能なフラックス入りワイヤを提
案しているが、低速溶接であるとともに脚長の増大にと
もないビード形状、外観不良、下板と立板とのコーナー
部に溶け込み不足やスラグ巻き込みが発生しやすくな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形状、外観
が良好で溶接欠陥が発生しにくい脚長10mm以上の大
脚長ビードが高能率な1パス溶接で得られる水平すみ肉
ガスシールドアーク溶接方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、フラックス入りワイヤを用いて行う
2電極2プール方式の水平すみ肉ガスシールドアーク溶
接方法において、スラグ形成剤成分としてワイヤ全重量
に対し重量%で(以下同様)、TiO2 :3.5〜7.
5%、SiO2 :2.1〜3.5%、MgO:1.6〜
3.5%、ZrO2 :0.5〜1.5%、Al23
0.1〜1.0%を含有し、さらに、 (MgO+ZrO2 +Al23 )/(TiO2 +Si
2 +MgO+ZrO2+Al23 )=0.20〜
0.45、 TiO2 +SiO2 +MgO+ZrO2 +Al23
8.5〜14.5% を満足するフラックス入りワイヤを少なくとも先行電極
に用いて、先行電極のワイヤ先端狙い位置を下板と立板
とのコーナー部から−3〜+6mm、トーチ角度を下板
から10〜40゜として、先行電極ビードでコーナー部
の溶け込みおよび立板側の脚長を確保して行い、形状と
外観が良好な大脚長ビードが高能率な1パス溶接で得ら
れることを特徴とする大脚長水平すみ肉ガスシールドア
ーク溶接方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは大脚長水平すみ肉ビ
ード形成に及ぼすフラックス入りワイヤの種類および溶
接施工条件の影響について、実験により詳細に検討し所
期の目的を達した。図2はフラックス入りワイヤを用い
た1電極1パス溶接による大脚長溶接状況を示したもの
である。図中8、9はそれぞれ下板側、上板側の脚長で
ある。ワイヤ1の先端狙い位置はまず下板側の脚長8を
確保するために、下板2と立板3とのコーナー部10か
ら目標脚長に見合った距離Lだけ引き離す必要がある。
目標脚長の増大に伴いその距離は大きくしなければなら
ない。
【0008】一方、ワイヤ先端狙い位置のコーナー部か
らの距離が大きくなるにつれて、アークによるコーナー
部母材の掘り下げ力が弱まり、コーナー部10は溶込み
不足や未溶融となってしまう。また大脚長ビード形成に
必要な溶着量を確保するために高電流で溶接速度を遅く
して溶接しなければならず、このような大入熱溶接では
溶融スラグの一部がアークよりも溶接進行方向に先行
し、先行した溶融スラグがアークによりコーナー部に吹
き付けられ浮上しきれずにスラグ巻き込みとなる。
【0009】次に能率的な2電極溶接による大脚長化を
検討した。図3は従来一般的な先行電極ビード11で下
板2側の脚長を確保し、後行電極ビード12で立板3側
の脚長を確保して大脚長ビードを得る2電極2プール方
式による積層法を示したものである。2電極にしたこと
により1電極当たりの溶接電流を低め目にできるので、
溶融スラグの先行によるスラグ巻き込みは少なくなる。
しかし目標脚長が10mmを超えると上記1電極溶接と
同様に先行電極のワイヤ先端狙い位置に起因したコーナ
ー部の溶込み不足及びスラグ巻き込みが発生しやすくな
る。またビード形状が2段になりやすい。
【0010】図1に本発明の2電極2プール方式による
溶接状況を示す。本発明の特徴は図1(a)に積層法を
示すように先行電極に後に記載する特定のスラグ形成剤
を含有するフラックス入りワイヤを用いて、先行電極ビ
ード4で立板側の脚長を確保し、後行電極ビード5で下
板側の脚長を確保することにある。用いるフラックス入
りワイヤの作用を活かしてこのような積層法の2電極2
プール方式にすることにより、大脚長溶接において最大
の問題点であるコーナー部の溶け込み不足及びスラグ巻
き込みを防止することができる。
【0011】このとき先行電極のトーチ角度およびワイ
ヤ先端狙い位置は重要である。先行電極でコーナー部を
十分溶け込ませるために先行電極のワイヤ6の先端狙い
位置は図1(b)に示すようにコーナー部からの距離L
1を−3〜+6mmにし、かつ立板3側の脚長を確保す
るためにトーチ角度α1を10〜40゜にする。ワイヤ
先端狙い位置とトーチ角度をこれら範囲にした場合、溶
融プール面は立板側に大きく傾斜し、立板側の脚長が大
きい不等脚性ビードが形成される。
【0012】先行電極のワイヤ先端狙い位置L1が−3
mmよりも小さい場合、つまりあまり立板の上方を狙う
とコーナー部の溶け込み不足、スラグ巻き込みとともに
立板側ビ−ド止端部に連続したアンダーカットが発生す
る。一方+6mmを超えると、コーナー部の溶け込み不
足、スラグ巻き込みの他、立板側の脚長が確保できにく
くなる。トーチ角度α1が10゜未満では溶接装置上の
問題とともに立板へのアークの吹き付けが強く立板の堀
り込みが大きくなり、40゜を超えると溶融プール面の
傾斜が小さくなり立板側の脚長が確保できない。なお、
溶接進行方向に対するトーチ角度は立板に直角(0゜)
で問題ないが、±20゜の範囲が好ましい。トーチ角度
の前進角が大きすぎるとスラグ巻き込み、後退角が大き
すぎると立板側の脚長確保が困難となりビード形状も劣
化する。
【0013】後行電極のワイヤ7の先端狙い位置および
トーチ角度については目標脚長および先行電極ビードの
形状によって調整すれば良く特に限定するものでない
が、ワイヤ先端狙い位置L2は後行ビード5が先行電極
ビード4に重なり形状が極端な2段ビードにならないよ
うにする。トーチ角度α2は50〜75゜にすることに
より下板側の脚長が容易に確保でき、母材とのなじみの
よいビード止端部が形成できる。
【0014】先行電極と後行電極間の極間距離は基本的
に2プールとなるように配置するが、先行電極により生
成したスラグが半溶融状態もしくは凝固したスラグがビ
ード表面から剥離しない状態で後行電極の溶接を行える
ように50mm程度まで近接させてもよく、凝固スラグ
を除去した後に溶接できるように引き離してもよい。
【0015】本発明では、先行電極にスラグ形成剤成分
の含有量が多く、かつ高融点酸化物を相当量含有させ溶
融スラグの凝固温度及び粘性を調整したフラックス入り
ワイヤを用いる。以下に先行電極に用いるフラックス入
りワイヤの成分限定理由を述べる。
【0016】TiO2 はスラグ形成剤の主要成分として
ビード全体を均一に被包し、ビード形状、外観を整える
ために含有させる。TiO2 が3.5%未満では溶融ス
ラグによるビードの被包性が不十分となり形状、外観が
劣化する。一方、7.5%を超えるとスラグの凝固が遅
くなり先行電極ビードによる立板側の脚長確保が困難と
なり、またスラグ生成量が過剰となりスラグ巻き込みが
発生しやすくなる。
【0017】SiO2 も溶融スラグの凝固温度、粘性を
調整しビード形状・外観を整えるために2.1%以上含
有させる。SiO2 が2.1%未満ではビード表面のざ
らつきが目立つようになり、一方3.5%を超えると溶
融スラグの凝固温度が低下し、立板側の脚長確保ができ
ずアンダーカットも発生しやすくなる。また後行電極に
用いた場合においては、下板側ビードの止端部のオーバ
ーラップ傾向が顕著となる。
【0018】MgOを1.6〜3.5%含有させること
により、凝固温度が高く、かつ凝固直前までの高温度域
において粘性が小さく流動性の良好な溶融スラグとな
る。このような溶融スラグは溶融金属を良く被包し下板
側への垂れ落ちを抑制するので、立板側にアンダーカッ
トを生じさせることなく大脚長ビードを形成する。Mg
Oが1.6%未満では先行電極ビードによる立板側の脚
長確保が困難となり、一方3.5%を超えると溶融スラ
グの流動性が過剰になり、ビード表面にスラグの凝固む
らが生じビード形状・外観が劣化する。
【0019】ZrO2 も高融点酸化物であり溶融スラグ
の凝固を早め立板側の脚長確保に効果的に作用するほ
か、スラグ被包性を向上させ表面が滑らかで光沢のある
ビード外観にする。ZrO2 が0.5%未満ではこれら
効果が得られず、ZrO2 が1.5%を超えるとビード
形状が全体的に丸みを帯び、また緻密な結晶質のスラグ
となりスラグ剥離性が悪くなる。
【0020】Al23 は0.1%以上の少量添加でビ
ード形状を整え外観を良好にし、またスラグ剥離性の改
善に効果的である。しかし、1.0%を超えると溶融ス
ラグが垂れ落ちやすくなり立板側にカットが発生しやす
く、ビード形状も凸状となる。
【0021】スラグ形成剤成分の合計に対する高融点酸
化物(MgO、ZrO2 、Al23 )の合計の比は
0.20〜0.45の範囲でなければならない。この比
が0.20未満では立板側にアンダーカットが発生し脚
長が確保できず、一方0.45を超えるとビード外観、
スラグ剥離性の劣化およびスラグ巻き込みが発生しやす
くなる。また後行電極にも用いた場合、上記高融点酸化
物の割合が少なすぎると下板側ビード止端部がオーバー
ラップとなり、逆に多すぎると後行電極ビードが凸状に
なったり下板側の脚長が大きい極端な2段ビードとなる
など形状・外観が劣化する。
【0022】さらに上記スラグ形成剤成分は合計で8.
5〜14.5%含有させる。スラグ形成剤成分の合計が
8.5%以上であれば全体的なスラグ被包性が良好で、
また先行電極ビードの止端部側にも十分なスラグ溜まり
が生じるので、溶融金属の垂れ落ちがなくなり立板側大
脚長を確保できる。スラグ形成剤成分の合計が14.5
%を超えると、先行電極によるスラグ生成量が過剰とな
り、コーナー部および後行電極により下板側ビードを形
成する際にもスラグ巻き込みが発生しやすくなる。
【0023】これらのスラグ形成剤成分以外に、酸化鉄
(0.3〜1.5%)、CaF2 やNaF等の弗化物
(F換算で0.02〜0.50%)、Na、K等のアル
カリ金属(0.05〜0.35%)、Si、Mn、A
l、Ti、Mg等の脱酸剤、Ni、Mo、Cr等の合金
剤、鉄粉などを適宜添加できる。
【0024】本発明では高溶着性およびアーク安定性や
スパッタ低減等の溶接作業性の面から後行電極にもフラ
ックス入りワイヤを用いる。フラックス入りワイヤの種
類については特に限定するものではなく、前記スラグ形
成剤成分を限定した先行電極と同一ワイヤ、水平すみ肉
溶接性に優れたルチル系フラックス入りワイヤあるいは
スラグ形成剤をほとんど含有しないメタルコアドワイヤ
を用いることができる。なお、メタルコアドワイヤを後
行電極に用いる場合には、先行電極により生成したスラ
グを除去しないで溶接することにより、スラグ形成剤を
含有したフラックス入りワイヤと同様に形状・外観が良
好な下板側ビードが得られる。
【0025】ワイヤ径は電流密度を高くし高溶着性を得
るために細径の1.2〜2.4mmが好ましい。ワイヤ
断面形状は図4に示すような従来一般的な形状のもので
よいが、外皮部20に開口部がないシームレスタイプの
図4(a)のものはワイヤ送給性、直進性に優れている
のでアークおよびワイヤ先端狙い位置が安定し、コーナ
ー部の溶け込みや立板側および下板側のビード止端部の
揃いが良好になる。またフラックス21の吸湿がなく厚
鋼板の溶接で問題となる耐割れ性も良好である。
【0026】シールドガスはCO2 ガスがコスト的にも
安価で一般的であるが、Ar−CO2 混合ガスやArガ
スを使用してもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づい
て説明する。軟鋼外皮にフラックスを充填し表1に示す
成分のフラックス入りワイヤを製作した。これらのワイ
ヤを用いて、図1に示す形状のT型すみ肉試験体(SM
490B、板厚20mm×100mm×1000mm、
無機ジンクプライマ塗装、膜厚約20μm)を作製し、
2電極2プール方式による水平すみ肉溶接試験(目標脚
長12、15mm)を行った。表2ないし表4に溶接試
験結果を示す。これらの表に記載以外の溶接条件は、ト
ーチの前進・後退角は先行電極0°、後行電極0°で、
ワイヤのチップ−母材間距離は先行電極:25mm、後
行電極30mmである。また極間距離はすべて70mm
である。また試験結果の判定はビード形状・外観は○
印:良好、×印:不良で、コーナー部の溶込みは○印:
安定して2mm以上の溶込み、×印:2mm未満または
未溶融とした。またスラグ巻き込みは○印:発生無し、
×印:発生有りで、脚長は○印:目標脚長確保可、×
印:目標脚長確保不可とした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】本発明による試験No.1〜5、No.1
4〜16はビード形状・外観が良好で、コーナー部の溶
け込み不足やスラグ巻き込みがなく目標脚長12〜15
mmを安定して確保した。これに対し、試験No.6〜
10およびNo.17〜18は比較例である。
【0033】No.6、No.7は先行電極ビードで下
板側の脚長を、後行電極ビードで立板側の脚長を確保す
る従来の積層法で行ったため、コーナー部の溶け込み不
足およびスラグ巻き込みが発生した。
【0034】No.8は先行電極に用いたフラックス入
りワイヤのMgOが少なすぎるため、立板側にカットが
発生し脚長が確保できない。またNo.9は先行電極に
用いたフラックス入りワイヤのZrO2 およびAl2
3 が少なすぎるためにビード形状・外観が劣化した。
【0035】No.10は先行電極に用いたフラックス
入りワイヤのMgOが多すぎるために、スラグの凝固む
らが生じてスラグ剥離、ビード形状・外観が不良となっ
た。またNo.11は先行電極に用いたフラックス入り
ワイヤのTiO2 およびスラグ形成剤量が多すぎるため
に立板側の脚長が確保できず、またコーナー部および後
行ビード中にもスラグ巻き込みが発生した。
【0036】No.12は先行電極に用いたフラックス
入りワイヤのMgOが少なすぎてZrO2 およびAl2
3 が多すぎるために、先行電極ビードで立板側の脚長
が確保できず、またスラグ剥離性、ビード形状が劣化し
た。またNo.13は先行電極に用いたフラックス入り
ワイヤのSiO2 が多すぎるために、立板側にアンダー
カットが発生し脚長が確保できず、下板側ビード止端部
はオーバーラップとなった。
【0037】No.17は先行電極のワイヤ先端が立板
の上方を狙いすぎたためにコーナー部の溶け込み不足、
スラグ巻き込みが発生した。またNo.18は先行電極
のトーチ角度が大きすぎるためにコーナー部が未溶融で
スラグ巻き込みが多発し、さらに立板側の脚長も確保で
きない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は厚鋼板部
材の水平すみ肉溶接において脚長の増大に伴い発生しや
すくなる溶接欠陥を防止し、かつ形状、外観が良好な大
脚長ビードを1パス溶接で行う大脚長水平すみ肉ガスシ
ールド溶接方法を提案したものであり、溶接の高能率
化、低コスト化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接方法を説明する、(a)ビード断
面図、(b)ワイヤ狙い位置を示す断面図
【図2】1電極溶接による大脚長溶接状況を示した断面
【図3】従来の2電極2プール方式による大脚長溶接の
積層法を示した断面図
【図4】(a)(b)(c)はそれぞれフラックス入り
ワイヤのワイヤの断面構造の例を示す図
【符号の説明】
1 ワイヤ 2 下板 3 立板 4 先行電極ビード 5 後行電極ビード 6 先行電極ワイヤ 7 後行電極ワイヤ 8 下板側の脚長 9 上板側の脚長 10 コーナー部 11 先行電極ビード(従来法) 12 後行電極ビード(従来法) 20 外皮金属 21 充填フラックス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラックス入りワイヤを用いて行う2電
    極2プール方式の水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方
    法において、スラグ形成剤成分としてワイヤ全重量に対
    し重量%で、 TiO2 :3.5〜7.5%、 SiO2 :2.1〜3.5%、 MgO :1.6〜3.5%、 ZrO2 :0.5〜1.5%、 Al23 :0.1〜1.0% を含有し、さらに、 (MgO+ZrO2 +Al23 )/(TiO2 +Si
    2 +MgO+ZrO2+Al23 )=0.20〜
    0.45、 TiO2 +SiO2 +MgO+ZrO2 +Al23
    8.5〜14.5% を満足するフラックス入りワイヤを少なくとも先行電極
    に用いて、先行電極のワイヤ先端狙い位置を下板と立板
    とのコーナー部から−3〜+6mm、トーチ角度を下板
    から10〜40゜として、先行電極ビードでコーナー部
    の溶け込みおよび立板側の脚長を確保して行い、形状と
    外観が良好な大脚長ビードが高能率な1パス溶接で得ら
    れることを特徴とする大脚長水平すみ肉ガスシールドア
    ーク溶接方法。
JP11439296A 1996-04-12 1996-04-12 大脚長水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法 Withdrawn JPH09277089A (ja)

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