JPH09275849A - 卵管粘膜に外来遺伝子を導入した産卵鶏 - Google Patents

卵管粘膜に外来遺伝子を導入した産卵鶏

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JPH09275849A
JPH09275849A JP8095178A JP9517896A JPH09275849A JP H09275849 A JPH09275849 A JP H09275849A JP 8095178 A JP8095178 A JP 8095178A JP 9517896 A JP9517896 A JP 9517896A JP H09275849 A JPH09275849 A JP H09275849A
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JP
Japan
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gene
fallopian tube
egg
mucous membrane
laying hen
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JP8095178A
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English (en)
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Kiman Boku
煕万 朴
Takashi Imai
崇 今井
Hiroshi Ochiai
浩史 落合
Sumiichi Okumura
純市 奥村
Tatsuo Muramatsu
達夫 村松
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Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸卵管膨大部粘膜に外来遺伝子を導入し発現
させた産卵鶏を提供することにある。 【解決手段】 目的とする外来遺伝子を発現性ベクター
に組込み、輸卵管膨大部粘膜にエレクトロポーレーショ
ン法により導入することにより、目的遺伝子が粘膜内で
発現していることを確認した。 【効果】卵内で目的とする遺伝子産物を組換えたんぱく
質の形で作らせる新しい生産システムとして期待され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニワトリの輸卵管膨
大部粘膜に目的とする蛋白質の遺伝子を導入、発現させ
た産卵鶏に関する。
【0002】
【従来の技術】トランスジェニックバード、とくにニワ
トリへの遺伝子導入法については、基礎研究、産業への
応用の両面において、強くその技術の確立が要求されて
いる。現在、マウス、ウシなどで盛んにトランスジェニ
ック個体が作られ、研究用や微量成分生産用に利用され
ている。一方、ニワトリに関しては、1986年Salterらが
(Salter,D.W.et al., Poulty Sci., 65, 1445-1458, 1
986)レトロウイルスベクターを用いてトランスジェニッ
クニワトリの作成を報告したが、この方法には多くの問
題点が存在することが指摘され、より安全で確実な遺伝
子導入法の開発がこれまでいろいろと試みられてきた。
受精卵へのマイクロインジェクション、胚盤葉細胞への
トランスフェクションやレトロウイルスを用いる方法、
始原生殖細胞への遺伝子導入など、非常に多くの方法が
試みられているが染色体へのインテグレイション頻度の
問題や安全性の問題など克服しなければならない問題点
が多くいまだ成功に至っていない。
【0003】トランスジェニックニワトリ作成の目的の
ひとつに、卵は非常に高濃度の蛋白質を蓄積することか
ら、卵内で目的とする遺伝子産物を組み換え蛋白質の形
で作らせ、毎日産み落とされる卵を回収するだけで、例
えば貴重な医薬品などを大量に生産できる新しい生産シ
ステムが可能となる。しかしながらいまだ成功していな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輸卵
管膨大部粘膜に外来遺伝子を導入し発現させた産卵鶏を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】卵巣から排卵された卵子
は卵管に取り込まれ、卵管膨大部で卵白の形成がなされ
る。本発明者らは目的とする外来遺伝子を膨大部粘膜内
にエレクトロポーレーション法により導入することを鋭
意研究し、目的遺伝子が粘膜内に導入され、目的蛋白質
が発現していることを確認し本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、ニワトリの輸卵管膨大
部粘膜に外来遺伝子を組み込んだ産卵鶏であって、目的
外来遺伝子がエリスロポエチン遺伝子またはルシフェラ
ーゼ遺伝子である産卵鶏に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0008】外来遺伝子としてホタルルシフェラーゼ遺
伝子、ヒトエリスロポエチン遺伝子など目的とする蛋白
質の遺伝子を選択し、常法に従い、発現ベクターに組み
込む。例えば、目的遺伝子をその発現に適したベクター
のプロモーター下流に制限酵素とDNAリガーゼを用い
る公知の方法により再結合して組み換え発現ベクターを
作成することができる。ベクターとしては、例えば pBR
322 にSV40の oriの挿入されたpSV2-X,pcD-X などが掲
げられるが、特に限定されない。プロモーター、シグナ
ル配列およびターミネーターに関しても粘膜での導入遺
伝子の発現に適したものであれば特に限定されず、プロ
モーターとしてはSV40由来のプロモーター、レトロウイ
ルス由来のプロモーターあるいはニワトリ自身の遺伝子
のプロモーターなどが掲げられる。このようにして構築
された、目的遺伝子を保持するプラスミドはエレクトロ
ポーレーション法(Tur-Kaspa,R.et al.,Molecular and
Cellular Biology, , 716-718,1986)によりニワトリ
輸卵管膨大部粘膜に導入することができる。
【0009】17ケ月齢の産卵鶏をエーテル麻酔下、手術
により卵管を露出し、プラスミドを注射後、電気パルス
処理して粘膜内へ導入することができる。粘膜に保持さ
れたことの確認は、トランスフェクションの24時間後、
粘膜を摘出し、その粘膜組織を培養した上澄液または粘
膜組織ホモジナイズ抽出液を分離調製し、目的蛋白質が
発現しているか否かを定量する。定量法は目的蛋白質に
応じて通常の蛋白質定量法を適用すればよく、例えば抗
体を用いる ELISA法などを採用することができる。
【0010】
【実施例】以下の実施例により本発明を詳細かつ具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0011】実施例1:ニワトリ輸卵管膨大部粘膜への
プラスミドの導入 外来遺伝子として、ホタルルシフェラーゼ遺伝子および
ヒトエリスロポエチン遺伝子を選択した。ホタルルシフ
ェラーゼ遺伝子をプラスミド pSVβGal のHindIIIと Ba
mII部位に挿入し、該遺伝子の上流にウシα−ラクトア
ルブミンのシグナルペプチドをコードするDNA配列を
付加し分泌機能を持たせたプラスミド(pSVsecluc),お
よび分泌機能を持たないプラスミド(pSVluc) を作製し
た。両プラスミドともプロモーターにはSV40を用いた
(図1)。ヒトエリスロポエチン遺伝子を含むプラスミ
ドも同様に作製し、この場合プロモーターを三種類変え
たもの、すなわちSV40(pSVhEPX) 、ニワトリOvalbumin
promoter-1350 領域(pOVEPO-1.35) 、およびMiw promot
er(pMiwEPO) を用いた(図2)。ホタルルシフェラーゼ
遺伝子を含むプラスミドpMiwluc を作製し、エリスロポ
エチンプラスミドと卵管粘膜へ共導入した。 17ケ月齢
の産卵鶏(産卵率約70%)をエーテル麻酔下、卵管を手
術により露出し、膨大部粘膜へプラスミドDNA を注射後
in vivoエレクトロポーレーション法(図3)を用いて
25V, 50msec, 8 回パルスの条件で遺伝子を導入し、外
来遺伝子を保持した産卵鶏を作製した。
【0012】実施例2:発現蛋白質の確認 in vivo トランスフェクションの24時間後に産卵鶏を屠
殺し、遺伝子導入した粘膜部位を取り出した。ルシフェ
ラーゼを遺伝子導入した場合は、摘出した組織を37℃の
生理食塩水溶液中で1時間培養し、培養液を濾取した。
組織は再び新鮮な37℃の生理食塩水に移し、濾液及び組
織を生物発光分析に供した。ヒトエリスロポエチン遺伝
子を導入した場合は、取り出した卵管組織はただちにホ
モジナイズした。そのホモジネートを超音波破砕した
後、遠心分離をして細胞内蛋白質を抽出してエリスロポ
エチンの定量に供した。
【0013】組織及び培養液の生物発光像はSingle pho
ton imaging system(浜松ホトニクス)によって得た。
抽出液中の蛋白質含量はBCA Protein Reagent(Pierce
社)キットによって測定し、ホタルルシフェラーゼ活性
はルミノメーターによって測定した。ヒトエリスロポエ
チンはELISA 法により測定した。
【0014】ルシフェラーゼ遺伝子導入の結果は、図4
に、pSVsecluc,pSVlucまたはpSVGalを導入した組織片及
び培養濾過液の光学イメージ、生物発光イメージならび
に両者の重複イメージ画像で示した。発光イメージから
明らかなように、シグナル配列を持ったpSVsecluc では
組織の回りにも弱い発光が見られ、さらに培養液のみに
も発光が観察された。これに対し、シグナル配列を持た
ないpSVlucでは、発光像は組織部分に集中しており、培
養液中には発光は見られなかった。また、negative con
trolとしてのpSVGalや無処理の組織及び培養液では発光
はまったく観察されなかった。したがって、生態卵管へ
の遺伝子導入によって発現蛋白質を検出することのみな
らず、分泌させることも可能であることが判明した。
【0015】エリスロポエチン遺伝子導入の結果として
表1に、エリスロポエチン濃度と、共導入したルシフェ
ラーゼ活性を併せて示した。エリスロポエチン濃度は低
いながらもpMiwEPO およびpOVEPO-1.35 でそれぞれ5.0
および0.8mU/ml検出された。また同時に導入したルシフ
ェラーゼ活性も、エリスロポエチン濃度とほぼ比例した
値が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】以上の結果より、産卵鶏の卵管においてin
vivo の状態で導入したホタルルシフェラーゼ遺伝子の
発現と発現産物分泌、ならびにエリスロポエチンの生産
が可能であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ルシフェラーゼ遺伝子挿入プラスミドを示す
図である。
【図2】 エリスロポエチン遺伝子挿入プラスミドを示
す図である。
【図3】 エレクトロポーレーション法による粘膜への
遺伝子導入を説明する図である。
【図4】 ルシフェラーゼ遺伝子導入粘膜の光学イメー
ジを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニワトリの輸卵管膨大部粘膜に外来遺伝
    子を導入した産卵鶏。
  2. 【請求項2】 ニワトリの輸卵管膨大部粘膜に外来遺伝
    子をエレクトロポーレーション法により導入した請求項
    1に記載の産卵鶏。
  3. 【請求項3】 外来遺伝子がエリスロポエチン遺伝子で
    ある請求項1又は2に記載の産卵鶏。
  4. 【請求項4】 外来遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子であ
    る請求項1又は2に記載の産卵鶏。
JP8095178A 1996-04-17 1996-04-17 卵管粘膜に外来遺伝子を導入した産卵鶏 Pending JPH09275849A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999010505A3 (en) * 1997-08-22 1999-05-20 Univ Guelph Production of proteins in eggs
JP2002065112A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Japan Science & Technology Corp 遺伝子導入動物の製造方法

Cited By (3)

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WO1999010505A3 (en) * 1997-08-22 1999-05-20 Univ Guelph Production of proteins in eggs
JP2002065112A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Japan Science & Technology Corp 遺伝子導入動物の製造方法
JP4536233B2 (ja) * 2000-09-01 2010-09-01 独立行政法人科学技術振興機構 遺伝子導入動物の製造方法

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