JP2002065112A - 遺伝子導入動物の製造方法 - Google Patents

遺伝子導入動物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発生期の特定の器官に目的の外来遺伝子を導
入し、これを正常に発生、発育させるための最初の手法
を提供する。 【解決手段】 子宮から胎児を摘出することなく子宮内
の哺乳類の胎児の特定の部位に、電気穿孔法により外来
遺伝子を導入し、遺伝子が導入された胎児をそのまま子
宮内で発生させることからなる遺伝子導入哺乳動物の製
造方法、及び当該方法により製造された遺伝子導入哺乳
動物に関する。また、子宮から胎児を摘出することな
く、子宮内の哺乳類の胎児の特定の部位に、電気穿孔法
により外来遺伝子を導入する方法、及び当該方法で外来
遺伝子が導入された哺乳類の胎児を、そのまま子宮内で
発育させる方法に関する。さらに、外来遺伝子が導入さ
れ子宮内で発育させている胎児又は出生後の子孫を測定
又は解析して、導入した外来遺伝子の機能を分析する方
法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、子宮から胎児を摘
出することなく子宮内の哺乳類の胎児の特定の部位に、
電気穿孔法により外来遺伝子を導入し、遺伝子が導入さ
れた胎児をそのまま子宮内で発生させることからなる遺
伝子導入哺乳動物の製造方法、当該方法で製造される遺
伝子導入哺乳動物に関する。本発明は、胎児を子宮から
取り出すことなく、発生中期〜後期の胎児の特定の部位
に目的の外来遺伝子を簡便にかつ効率よく導入する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子の発現の特異性や、遺伝子産物の
生理作用の解明や、疾患モデルを作成するなどのために
動物に外来遺伝子を導入する方法が開発されている。外
来遺伝子を導入された動物としては、トランスジェニッ
クマウスが有名である。トランスジェニックマウスは、
通常はマイクロインジェクション法により、受精卵に外
来遺伝子を導入して作成されている。また、ウイルスに
外来遺伝子を組み込んで感染させることにより遺伝子を
導入する方法も広く行われている。しかし、ウイルスを
用いる方法は、ウイルスベクターを製作するに非常に多
くの時間が必要であり、ウイルスの取扱いにも熟練を要
する。操作者への感染の危険性などの問題もあった。こ
のようなウイルスを用いる方法に代えて、電気穿孔法に
より胚に直接外来遺伝子を導入方法が、特にニワトリに
おいて開発されてきた(Muramatsu,T., et al., Bioche
m. Biophys. Res. Commun., 230, 376-380 (1997)な
ど)。この電気穿孔法は、従来のウイルスを用いる方法
に比べて簡便であり、多数の外来遺伝子の導入に利用さ
れてきた。また、この電気穿孔法は、DNAがマイナス
に帯電していることを利用して、導入した遺伝子を陽極
の方向に移動させることができ、胚の目的とする特定の
位置に外来遺伝子を導入することも可能であるという大
きな利点を有している。さらに、この方法は物理的な現
象に基づくものであることから、ほとんどどの細胞にも
適用できるという適用の容易性も有している。
【0003】また、受精卵に外来遺伝子を導入した場合
には、個体の全ての細胞に外来遺伝子が組み込まれ、個
体の特定の部位に外来遺伝子を導入することはできなか
った。例えば、中枢神経系(CNS)に特異的に外来遺
伝子を導入し、CNS細胞の分化、発生をみようとする
場合には、中枢神経系が形成される初期の時期に、外来
遺伝子を導入することが必要であるが、このような手法
は上記のウイルスベクターをもちいる方法と、ニワトリ
における電気穿孔法以外に未だ開発されていない。ま
た、受精卵に外来遺伝子を導入する際、CNS特異的に
発現するプロモーターを利用して、遺伝子そのものはC
NS以外にも導入されるもののCNSのみに目的遺伝子
を発現させる方法も試みられているが、プロモーターの
特異性の厳密さが問題となり、信頼性に欠ける。そこ
で、マウスの発生初期(胎生8〜9日等)の胎児を子宮
外に取り出して直接CNSに遺伝子導入し、全胚培養に
よりその後の影響を解析する手法も報告されている(Ak
amatsu, et al., Proc.Natl.Acad.Sci. USA. 1999; 96
(17): 9885-9890)。この方法は、中枢神経系の発生初
期の短時間の状況解析には有用ではあった。しかしなが
ら、この方法では、全胚培養はせいぜい2日間程度しか
続けることができないとか、培養はあくまでも人工的な
環境であり、本来の子宮内での発生過程とは異なる可能
性がある、などの限界があった。
【0004】このように、受精卵に外来遺伝子を導入し
た場合には、特定の器官での特定の遺伝子の役割を解析
することはできない(外来遺伝子に特定の器官で発現す
るプロモーターをつないだ場合もあるが、この方法では
信頼性を欠き実用性は低かった。)ので、発生期の特定
の器官のみに目的の外来遺伝子を導入し、これを正常に
発生、発育させるための技術開発が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発生期の特
定の器官に目的の外来遺伝子を導入し、これを正常に発
生、発育させるための最初の手法を提供するものであ
る。即ち本発明は、受精卵から分化がはじまり、器官が
発生してきた段階で、当該器官に特異的に目的の外来遺
伝子を導入し、かつ外来遺伝子が導入された個体を正常
に発生、発育させることができる方法を初めて提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電気穿孔
法を用いる外来遺伝子の新たな導入方法を検討してきた
ところ、哺乳類の発生中期〜後期の胎児の特定の器官
に、ガラス毛細管を用いて目的の遺伝子を組み込んだ哺
乳類発現プラスミドベクターを子宮筋越しに注入し、遺
伝子を導入したい領域にピンセット型の電極をあて、適
当な電圧パルスをかけることにより特定の部位に目的の
外来遺伝子を導入することができ、当該外来遺伝子を導
入された胎児が子宮内で正常に発育することを見出し
た。これは電気穿孔法により、子宮から胎児を摘出する
ことなく特定の部位に目的の外来遺伝子を導入すること
ができるということを初めて見出したものであり、また
更に遺伝子が導入された胎児がそのまま子宮内で発生を
続けることができるということを初めて見出したもので
ある。
【0007】即ち、本発明は、子宮から胎児を摘出する
ことなく子宮内の哺乳類の胎児の特定の部位に、電気穿
孔法により外来遺伝子を導入し、遺伝子が導入された胎
児をそのまま子宮内で発生させることからなる遺伝子導
入哺乳動物の製造方法、及び当該方法により製造された
遺伝子導入哺乳動物に関する。また、本発明は、子宮か
ら胎児を摘出することなく、子宮内の哺乳類の胎児の特
定の部位に、電気穿孔法により外来遺伝子を導入する方
法、及び当該方法で外来遺伝子が導入された哺乳類の胎
児を、そのまま子宮内で発育させる方法に関する。さら
に、本発明は、外来遺伝子が導入され子宮内で発育させ
ている胎児又は出生後の子孫を測定又は解析して、導入
した外来遺伝子の機能を分析する方法に関する。
【0008】本発明の方法は、脳内の神経細胞が発生過
程でさかんに産生され移動する時期(マウスでは胎生1
5日頃)において、子宮から胎児を摘出することなく電
気穿孔法による遺伝子導入を行い、更にそのまま子宮内
で発生を続けさせることを可能にする全く新しい方法で
ある。本発明の方法により、現在脳への遺伝子導入法と
して一般的に使われているウィルスベクターを用いた方
法よりもきわめて簡単に、任意の遺伝子をプラスミドの
状態で生きた胎児の脳に導入し、その後の影響を正常の
子宮内での発生を経た形(出産させ、そのまま育てるこ
とも可能)で観察することができることを可能とするも
のである。
【0009】つぎに本発明をより具体的に説明する。本
発明者らは、胎生12.5〜17日のマウスの胎児の脳
室に子宮外から5〜10μg/μlの1〜2μlのプラ
スミドベクターを注入した。そして、子宮の外側から直
径5mmの電極を用いて30〜35Vの電気パルスをあ
てた。このときの電気抵抗は、600〜1000mΩで
あった。この結果、例えば、胎生14日で処置を行った
58の胎児のうちから、47匹の外来遺伝子が発現して
いる子供が生まれた(出生率81%)。これは非常によ
いバイアビリティー(viability)であり、遺伝子導入
が効率よく行なわれたことを示している。
【0010】本発明者らは、この方法を種々のプラスミ
ドベクターによりさらに検証した。まず最初に、CMV
プロモーターの制御下で強化緑色蛍光蛋白質(enhanced
green fluorescent protein(EGFP))を発現するp
EGFP−N1(クローンテック社製)を用いた。胎生
14日のマウスの胎児の脳にpEGFP−N1を導入
し、胎生15日に固定したところ、脳室帯及び放射状線
維(radial fibers)にEGFPの蛍光を観察すること
ができた(図1A参照)。特に、細胞体や線維のみなら
ず、軟膜下の放射状線維の末端(エンドフィート)にお
いても強い蛍光を観察することができた(図1F参
照)。電気穿孔法から2日後(電気穿孔法を行ったのが
胎生14日であるから、胎生16日に固定した。)に
は、中間帯を移動する多数の神経芽細胞の蛍光像が観察
された(図1B参照)。3日後には、皮室板内を活発に
移動する神経芽細胞にも発現が観察された。皮質板と
は、将来神経細胞が層状に配列して大脳皮質を形成する
部分である。3日後の写真はここには記載してないが、
同様のことは、CMVプロモーターによる修飾赤色蛍光
蛋白質(modified red fluorescent protein(DsRe
d))を発現するpDsRed−N1(クローンテック
社製)を用いた実験によっても示された(図1E参
照)。図1Eでは、赤色になっている細胞が、観察され
たDsRed陽性の細胞である。この観察結果は、ブロ
モデオキシウリジン(BrdU)やトリチウムチミジン
の取り込み分析によって明らかにされてきた成長過程に
おける神経芽細胞の移動の様式(Angevine, J. B., et
al., Nature, 192, 766-768 (1961) ; Altman, J., et
al., Exp. Neurol., 107, 36-47 (1990)など)に完全に
対応しており、今回の電気穿孔法による遺伝子導入は、
正常な発生過程を阻害しないことがわかった。
【0011】さらに、胎生15日にpEGFP−N1を
導入し、生後3日目((P)3)に固定したところ、こ
れらの部分においてまだ蛍光陽性の神経芽細胞の移動を
観察することができた(図2a参照)。しかし、移動す
る細胞の数はこの時期では劇的に減少することがわかっ
た。実験に用いたEGFPは、細胞の全体に分布するた
め、導入された細胞の全形状を明瞭に目視することがで
きる(図2C参照)。同じ部位において、多数のEGF
P陽性の神経芽細胞が、脳辺縁帯のすぐ下に並んで観察
された。観察された神経芽細胞は、移動を終えて、成熟
神経細胞への分化が開始している。これらの神経芽細胞
における最初のプロセスは、辺縁帯において一次樹状突
起に対応する枝分かれ構造の形成であった(図2D〜F
参照)。EGFPの蛍光は、放射状線維の束にも観察さ
れた。EGFP蛍光のある放射状線維は、内側の皮質よ
りも外側の皮質においてより多く観察された。EGFP
の蛍光により、一部の放射状線維は、大脳基底核原基と
新皮質の境界を外側に向かって走り、その後急激に方向
を変えて辺縁帯にむかって走ることが観察された(図2
A〜B参照)。EGFPは各放射状線維の末端部に至る
までその構造を明らかにした(図2B参照)。胎生期に
pEGFP−N1を導入した生後の脳において、EGF
P陽性の成熟神経細胞はまったく見られなかった。さら
に、胎生15日目において遺伝子導入し、生後11日目
に固定した脳では、EGFP陽性の成熟神経細胞及び神
経芽細胞は全く認められず、形態学的にグリアと考えら
れる少数の細胞のみが陽性であった(図3K参照)。こ
の実験結果の解釈として、神経芽細胞が移動を終了して
成熟神経細胞へと分化すると、CMVプロモーターが作
動しなくなることが考えられた。現在、成熟神経細胞を
ラベルせずに移動神経芽細胞のみをラベルして可視化す
る手法は全く知られていないことから、CMVプロモー
ターを使用した本手法は、神経芽細胞の移動過程及び配
置決定機構を解析する上で非常に有用であると考えられ
た。
【0012】次に、EGFP遺伝子がヒトEF1αプロ
モーターで発現制御されるプラスミドであるpEFBO
S−EGFPを作成して実験をした。pEFBOS−E
GFPの発現パターンは、胎生期においてはpEGFP
−N1のそれとほぼ同じであった。すなわち、胎生14
日目にpEFBOS−EGFPを脳内に注入し、1〜3
日後に固定した場合、標識された細胞群は、pEGFP
−N1の場合と同様なパターンで移動した(図1C〜E
参照。Eにおいては、緑色の細胞がそれである)。しか
しながら、生後においては、pEFBOS−EGFPで
得られた結果とpEGFP−N1のそれとはまったく異
なるパターンであった。図3A及びFは、胎生14日目
にpEFBOS−EGFPを注入した、生後21日目の
脳から作成した、異なる2枚の切片のパターンを示して
いる。生後21日目においても、明確にEGFPの発現
が観察された。NeuN−陽性の成熟神経細胞にEGF
Pの強い発現が見られた(図3H〜J参照)。標識され
たニューロンは脳皮質における第2層/第3層に集まっ
て配置していた(図3E参照)。これは、胎生14日目
に発生した神経芽細胞の運命についての報告と一致して
いる。
【0013】皮質のより内側において標識されたニュー
ロンは、より深い位置に観察された(図3A、C、D、
F参照)。この相違は、脳皮質の部位間の神経細胞発生
の経過の違い、すなわち、外側の方が内側よりも発生が
早いことを反映している。EGFPの蛍光は、細胞体の
みならずその樹状突起や軸索においても強く観察され
た。これらの細胞の頂部樹状突起は辺縁帯に向かって発
達し、軸索は深層部で見事に分岐している様子が明確に
目視できた。脳梁を通過している交連線維(図3A、
B、F)及び反対側の皮質における分岐(図3G)もま
た明確に目視できた。EGFPを発現するために、汎神
経マーカーであるTα1α−チューブリンのプロモータ
ーを使用した場合にも、生後5日目において脳梁線維の
同様なパターンを観察することができた(図3L参
照)。
【0014】前記で説明してきた本発明の方法を要約す
れば、妊娠母体(マウス)を麻酔して開腹する。子宮を
露出させ、ガラス毛細管を用いて、目的の遺伝子を組み
込んだ哺乳類発現プラスミドベクターを胎児の脳室へ子
宮筋越しに注入する。遺伝子を導入したい領域を考慮し
てピンセット型の電極をあて、適当な電圧パルスをかけ
ることにより遺伝子導入する。閉腹して、そのまま発生
を継続させるということである。このように本発明の新
規な電気穿孔法は、マウスの胎児における細胞の運命、
神経細胞の移動、位置決定及び軸索の伸長を決定するな
どの発生中期または終期における遺伝子の機能及び発現
を解析するために非常に有用なものである。このシステ
ムの大きな利点は簡便なことである。複数の遺伝子を多
数構築して生体内で簡単に実験を行うこともできる。さ
らにEGFP発現プラスミドベクターを用いれば、おの
おのの神経細胞の全形態及び線維連絡パターンを目視す
ることができる。したがってこの方法は、突然変異マウ
スのフェノタイプの分析にも役立つ。そして、特定の遺
伝子とEGFPの共発現ベクターを用いて、その遺伝子
の過剰発現の結果生じる形態学的な変化を研究すること
もできる。この方法は、中期又は後期の神経発生におけ
る分子メカニズムの研究に非常に役立つものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の遺伝子導入哺乳動物の製
造方法は、第一に子宮から胎児を摘出することなく胎児
に外来遺伝子を導入できることを特徴にするものであ
り、遺伝子が導入された胎児をそのまま子宮内で発生さ
せることを第二の特徴とするものである。本発明の哺乳
類としては、ヒトを除く哺乳類動物であればラット、マ
ウス、ハムスター、ウサギ、犬、猿などのいずれでもよ
いが、実験用としてはマウスやラットが好ましい。本発
明の外来遺伝子としては、発現又は機能を測定できるも
のであれば特に制限はなく、広範囲のものを使用するこ
とができる。これらの外来遺伝子は各種のプロモーター
と併せて使用するのが好ましい。外来遺伝子を組み込む
ベクターとしては、発現ベクターであれば種々のものを
使用することができる。これらのベクターには必要に応
じて、マーカーやタグなどの標識を組み込むこともでき
る。外来遺伝子を哺乳類発現プラスミドベクターに組み
込む方法は通常の方法により行うことができる。
【0016】本発明の電気穿孔法としては、通常の電気
穿孔法の方法により行うことができる。好ましい例とし
ては、マイクロインジェクションにより外来遺伝子を注
入し、次いで電極を当てて注入された遺伝子を細胞に取
り込ませる方法が挙げられる。本発明の外来遺伝子を導
入する器官としては、前述した例では脳であったが、脳
に限定されるものではなく、脊髄、心臓、肝臓などの各
種の器官に適用することができる。目的とする器官に応
じて、また発生を観察すべき細胞に応じて導入場所を適
宜設定することができる。例えば、脳などの中枢神経系
の場合には、多くの場合脳室への注入が好ましいが、目
的・部位によっては脳表側(髄膜側)から導入すること
も可能である。
【0017】本発明の方法を適用する胎児は、器官形成
の初期段階が好ましいが、これに限定されるものではな
い。一般的には、発生中期〜後期の胎児が好ましいが、
発生初期であってもよい。哺乳動物がマウスである場合
には、胎生11〜19日の胎児である場合が好ましい。
【0018】本発明は、前記した本発明の方法により製
造された哺乳動物を包含する。即ち、本発明の方法によ
り外来遺伝子が導入された遺伝子導入動物を包含するも
のである。
【0019】また、本発明は、子宮から胎児を摘出する
ことなく、子宮内の哺乳類の胎児の特定の部位に、電気
穿孔法により外来遺伝子を導入する方法を提供するもの
でもある。本発明のこの方法は、前記した本発明の遺伝
子導入動物の製造方法における遺伝子注入方法と同様に
行うことができる。前記した遺伝子導入哺乳動物の製造
方法は、子宮内において動物を発育することを含有する
ものであるが、本発明のこの方法は遺伝子注入動物の出
生を必要としない場合に適用されるものである。したが
って、本発明は、前記した本発明の方法により遺伝子が
導入された胎児を子宮内で発育させる方法を包含するも
のである。
【0020】さらに、本発明は、前記した本発明の方法
により外来遺伝子が導入された胎児を子宮内で発育さ
せ、発育している胎児(出生後の子供を含む)を測定又
は解析して、導入した外来遺伝子の機能を分析する方法
を提供するものである。即ち、本発明のこの方法は、遺
伝子が導入されて正常に子宮内で発育している状態にお
いて、外来遺伝子の機能を分析することが新規な方法を
提供するものである。本発明のこの方法により、現在脳
への遺伝子導入法として一般的に使われているウィルス
ベクターを用いた手法よりもきわめて簡単に、任意の遺
伝子をプラスミドの状態で生きた胎児の脳に導入し、そ
の後の影響を正常の子宮内での発生を経た形(出産さ
せ、そのまま育てることも可能)で観察することができ
る。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0022】実施例1 遺伝子の導入 妊娠ICRマウスは、SLC社(静岡県)から購入し
た。妊娠マウス手術法や胚の操作方法はすでに報告され
ている方法に準じて行った(Nakajima, K., Mikoshiba,
K., Miyata, T., Kudo, C., and Ogawa, M. (1997) 9
4, 8196-8201)。胎生14日または15日目に、妊娠マ
ウスをペントバルビタールで深麻酔し、子宮を露出し
た。QIAGENプラスミドマキシキットで精製したプ
ラスミドDNAを、濃度5〜10μg/μlになるよう
に10mMトリス−HCl(pH8.0)に溶解した。
ファーストグリーン溶液(0.1%)をそのプラスミド
溶液に1:10の比になるように添加した。プラスミド
溶液の約1〜2μl(胎生12.5〜13日に対して
0.8μl、胎生14日〜15日に対して1.2μl、
胎生16日〜17日に対して2μl)を、マイクロキャ
ピラリーチューブ(GD−1;ナリシゲ社、東京)から
作ったガラスマイクロピペットにより、側脳室に注入し
た。胎児を子宮外から挟むように、先端直径5mmの電
極板を有しているトゥイザーズ型電極(CUY650−
5;トキワ科学、福岡)を配置した。陽極と陰極で子宮
外から胎児の頭部をはさむように固定する。その際、陽
極側が、遺伝子を導入したい部位側になるようにする。
電気パルス(胎生12.5日〜13日に対して30V、
胎生14日に対して32〜35V、胎生15日及びその
後に対して35V;50ミリ秒)をエレクトロポーレイ
ター(CUY21E;トキワ科学)により950ミリ秒
の間隔で5回かけた。すべての胎児について導入が終了
したら、子宮を腹腔内に戻し、閉腹して、胎児の正常な
発生が続けられるようにした。CMVプロモーターの下
流にEGFPの遺伝子を結合させたpEGFP−N1
(クローンテック)プラスミドの他に、異なるベクター
として、pDsRed1-N1(クローンテック)及びpEFBO
S−EGFP(pEGFP−N1のEGFPの部分を切り出
し、pEFBOSに組み換えたもの)を用いて同様な実験を行
った。
【0023】実施例2 組織の調整及び観察 すべての動物は氷上又はペントバルビタールで麻酔し、
胎生期又は生後の段階で、0.1Mのリン酸ナトリウム
バッファー(pH7.4)の4%パラホルムアルデヒド
(PFA)で固定した。脳を摘出し、4%PFAで4℃
で2〜16時間さらに後固定した。PBSで1時間洗浄
後、サンプルをPBS中の30%ショ糖溶液に平衡化し
た。生後21日の脳のサンプルは、OCT化合物(サク
ラ社、東京)に包埋し、液体窒素で凍結した。冠状断の
凍結切片(20μm)をクリオスタット(CM190
0;ライカ社)で作成した。切片は、シランでコーティ
ングされたガラススライド(マツナミ社、日本)に貼り
付けた。0.01%トライトンX−100を含有するP
BS(シグマ)(PBST)中でOCT化合物を除いた
後、パーマフロアー(イミュノン社;ピッツバーグ、P
A)を用いてカバースリップをのせた。これを、蛍光顕
微鏡で直接観察した。MAP2染色の場合には、切片は
抗MAP2抗体(1:100、ケミコン社、テメキュー
ラー、CA)で反応し、ついでTRITCラベルされた
抗マウスIgG抗体(1:10、カペルオーロラ社、O
H)で免疫染色した。
【0024】一方、生後21日目の脳は、クリオスタッ
トの標本ディスク上で凍結し、50μmにスライスし
た。このスライスをPBS中にとり、抗NeuN抗体
(1:100、ケミコン社、テメキューラー、CA)及
びTRITCラベルされた抗マウスIgG抗体(1:1
0、キャペルオーロラ社、OH)を用いて免疫染色し
た。染色されたスライスをシランコーティングされたス
ライドにのせ、蛍光イメージをCCDカメラ又は共焦点
レーザー蛍光顕微鏡を用いて観察した。
【0025】
【発明の効果】本発明は、発生途中の哺乳類の胎児の特
定の器官を対象として外来遺伝子を導入することができ
る新規な方法を提供するものである。本発明の方法によ
れば、特定の神経細胞で遺伝子を発現させるためのプロ
モーターのスクリーニング、あるいは人工タンパク質の
モデリング等において、いくつものプラスミドを生体内
で発現させ、それを解析する作業を行う場合、それを短
時間で行えるようになる。ニワトリ胚で行われている電
気穿孔法を、よりヒトに近い哺乳動物に対して行う。全
胚培養において問題となる培養可能な胎児の発生段階の
限界、正常発生を再現できる期間の限定を解消できる。
また、ウィルスベクターやトランスジェニックマウスの
作製に伴う操作の煩雑さや危険性、それにかかる時間、
費用を解決できる。また、本発明の方法は、遺伝子治療
などにも応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、マウスの中枢神経系に導入されたEG
FPの発現による蛍光を観察した図面に代わる写真であ
る(Eの赤色の細胞は、RFPの発現による蛍光を観察した
ものである)。
【図2】図2は、マウスの中枢神経系に導入されたEG
FPの発現による蛍光を観察した図面に代わる写真であ
る。
【図3】図3は、マウスの中枢神経系に導入されたEG
FPの発現による蛍光を観察した図面に代わる写真であ
る。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 子宮から胎児を摘出することなく子宮内
    の哺乳類の胎児の特定の部位に、電気穿孔法により外来
    遺伝子を導入し、遺伝子が導入された胎児をそのまま子
    宮内で発生させることからなる遺伝子導入哺乳動物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 外来遺伝子が哺乳類発現プラスミドベク
    ターに組み込まれている請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 哺乳類発現プラスミドベクターが、導入
    された遺伝子の発現を検出又は同定することができる標
    識可能な配列を含んでいる請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 標識可能な配列が、マーカー、又はタグ
    である請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 電気穿孔法による外来遺伝子の導入が、
    マイクロインジェクションにより外来遺伝子を注入し、
    次いで電極を当てて遺伝子が導入された細胞を移動させ
    ることからなる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 外来遺伝子が導入される部位が、脳室壁
    である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 胎児が、発生中期〜後期の胎児である請
    求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 哺乳動物が、マウスである請求項1〜7
    のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 発生中期〜後期の胎児が、胎生11〜1
    9日の胎児である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の方法
    により製造された哺乳動物。
  11. 【請求項11】 哺乳動物が、マウスである請求項10
    に記載の哺乳動物。
  12. 【請求項12】 子宮から胎児を摘出することなく、子
    宮内の哺乳類の胎児の特定の部位に、電気穿孔法により
    外来遺伝子を導入する方法。
  13. 【請求項13】 外来遺伝子が哺乳類発現プラスミドベ
    クターに組み込まれている請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 哺乳類発現プラスミドベクターが、導
    入された遺伝子の発現を検出又は同定することができる
    標識可能な配列を含んでいる請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 標識可能な配列が、マーカー、又はタ
    グである請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 電気穿孔法による外来遺伝子の導入
    が、マイクロインジェクションにより外来遺伝子を注入
    し、次いで電極を当てて遺伝子が導入された細胞を移動
    させることからなる請求項12〜15のいずれかに記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 外来遺伝子が導入される部位が、脳室
    である請求項12〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 胎児が、発生中期〜後期の胎児である
    請求項12〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 哺乳動物が、マウスである請求項12
    〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項12〜19のいずれかに記載の
    方法で外来遺伝子が導入された哺乳類の胎児を、そのま
    ま子宮内で発育させる方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の方法により子宮内
    で発育させている胎児又は出生後の子孫を測定又は解析
    して、導入した外来遺伝子の機能を分析する方法。
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