JP2000004715A - 脊椎動物への遺伝子導入発現方法 - Google Patents

脊椎動物への遺伝子導入発現方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脊椎動物の筋肉内等に注入した発現プラスミ
ドDNAを安全かつ効率良く細胞内に導入し、導入遺伝
子を高レベルで発現させることのできる方法を提供す
る。 【解決手段】 脊椎動物の体組織内に発現プラスミドD
NAを注入して組織細胞内に導入し、この発現プラスミ
ドDNAが保持する遺伝子を細胞内で発現させる方法に
おいて、組換えプラスミドを注入した体組織に電気パル
スを印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、精製され
た発現プラスミドDNAを脊椎動物の体組織内に直接注
入してその組織細胞に導入し、発現プラスミドDNAが
保持する遺伝子を細胞内で発現させることによって、各
種の疾患に対する予防もしくは治療効果を発揮させるD
NAワクチン技術または遺伝子治療技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、体組織内への遺伝子直接導入(di
rect gene transfer)によるin vivo遺伝子発現の医療
技術への応用が注目を集めている。例えば、特表平4-50
4125号公報には、発現プラスミドDNAを哺乳動物の骨
格筋、皮膚または心筋内に直接注入し、プラスミドDN
Aに組み込まれた遺伝子がコードする蛋白質やポリペプ
チドを細胞内で発現させる方法が開示されている。
【0003】この方法は、Wolff等によって報告された
プラスミドDNAの興味深い特性に基づいている。すな
わち、Wolff等は、種々の酵素(β−カラクトシター
ゼ、ルシフェラーゼなど)をコードする遺伝子によって
組換えたプラスミドDNA(発現プラスミドDNA)を
哺乳動物の筋肉内に直接注射すると、プラスミドDNA
は複製されたり宿主のゲノムに組み込まれたりせずに、
エピゾーム(染色体外要素)として長期にわたり(数ヶ
月間)筋肉細胞内に存在し、インサート遺伝子にコード
された酵素を発現し続けることを報告している(Scienc
e, 247:1465-1468, 1990)。
【0004】以来、このプラスミドDNAの筋肉内注射
による遺伝子導入発現法は、組換えウイルスベクター等
に代わって、今後の遺伝子治療の主流となるものと期待
され、その応用範囲が様々に検討されている。例えば、
抗原性蛋白質をコードするDNA断片を組み込んだプラ
スミドDNAを筋注することによって筋肉細胞内に抗原
を発現させ、この抗原特異的な免疫応答を刺激して宿主
に免疫防御能を獲得させる方法が開発されている。この
手法は「DNAワクチン」と名付けられ、従来の不活化
または弱毒化ウイルスワクチンに比較して費用や安全性
の面で優れているため、次世代のワクチンとして注目さ
れている。
【0005】なお、このようなDNAワクチンにおける
免疫原としては、HIV等のウイルス蛋白質(特表平4-
504125号公報、米国特許第 5,620,896号、米国特許第
5,593,972号、WO-9421797号公報、特開平8-198774号
公報、WO-9700322号公報、WO-972855 号公報な
ど)、腫瘍関連抗原(WO-9504548号公報、WO-96140
74号公報、WO-9639524号公報など)、虫歯の防止また
は治療のためのリンパ球刺激ポリペプチド(WO-96238
86号公報)、筋肉特異的に発現制御するDNAにコード
された免疫原性ポリペプチド(WO-9711190号公報)、
水生生物の病原体ゲノムから選択された免疫原性ポリペ
プチド(EP-773295 号公報)などが知られている。
【0006】一方、免疫防御能獲得のためのDNAワク
チンとしての使用のほか、発現プラスミドDNAの直接
導入法は、生理活性物質等による全身機能の調節にも有
効であることが示されている。例えばサイトカイン(I
L−2、IL−4、TGFβ1)をコードする発現プラ
スミドDNAをマウスの筋肉内に注射することによっ
て、筋肉細胞内で発現されたサイトカインが体循環に入
り、全身性に作用することが報告されている(Pro. Nat
l. Acad. Sci. USA, 93:10876-10880, 1996 )。
【0007】従来、サイトカイン等の生理活性物質を治
療手段として用いる場合には、組換え型蛋白質を皮下ま
たは静脈内に投与する方法が採られてきた。しかし、例
えばサイトカインの多くはその半減期が極めて短時間で
あるため(例えばIL−10は約20分間)、大量の組
換え型サイトカインを作製、精製しなければならないこ
とや、投与後の血中濃度が非常に高い濃度から生理的な
濃度以下まで大きく変動するなどが問題となっていた。
これに対して、遺伝子直接導入法による生理活性物質の
投与は、手間や費用を大幅に低減するばかりか、生理的
な濃度で生理活性物質を持続的に供給可能である点にお
いて優れた手段である。
【0008】しかしながら、他方では、筋肉内注射され
たサイトカインは全身性には作用せず、筋肉局所でのみ
作用することを示唆する報告もあり、遺伝子の直接導入
法をサイトカイン等の生理活性物質を全身性に供給する
ための手法として確立するためには解決すべき課題が残
されている。すなわち、従来の遺伝子直接導入法は、精
製した発現プラスミドDNAを水溶液のまま筋肉内に注
射するという極めて単純がものであるため、筋肉細胞へ
の遺伝子導入は非常に低効率であるのが実状であった。
このため、導入遺伝子の発現量が比較的低くても効果の
あるDNAワクチンとしては有効であるが、生理活性物
質を全身性に作用させるためには、細胞内への遺伝子導
入効率を大幅に向上させる必要がある。この点に関して
は、局所麻酔剤(ブピバカイン等)や毒素(カルディオ
トキシン等)で前処置して筋肉に損傷を与え、その再生
過程においてプラスミドDNAを注入すると遺伝子導入
の効率が増強されることが報告されている(Hum. Gene.
Ther., 5:11-18, 1994; FEBS Lett., 332:179-182, 19
93)。事実、この出願の発明者等は、ブピバカインで前
処置したマウス筋肉中に、サイトカイン(IL−5)を
コードする発現プラスミドDNAを注入することによっ
てマウス血清中のIL−5量が著しく上昇し、IL−5
が全身性に作用したことを見出している(Biochem. Bio
phys. Res. Commun., 233:527-531, 1997 )。
【0009】なお、細胞内にプラスミドDNA等の核酸
分子を導入する方法としては、リン酸カルシウム法、マ
イクロインジェクション法、細胞融合を利用した方法
(リポソーム融合法等)、エレクトロポーレーション
(電気穿孔)法等が知られているが、これらは全てin v
itroの系(培養細胞)を対象とする遺伝子導入法であ
る。ただしエレクトロポーレーション法は、近年、ニワ
トリ胚や腫瘍細胞に対してinvivo で遺伝子導入可能で
あることが報告されている(Biochem. Biophys. Res.Co
mmun., 230:376-380, 1997; Cancer Res., 56:1050-105
5, 1996; Biochem. Biophys. Res. Commun., 220:633-6
36, 1996 )。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、局所麻
酔剤や毒素の前処置により筋肉細胞への遺伝子の導入効
率を上昇させることが可能であるが、このような処置は
生体組織に対して有害に作用する危険性がある。また、
これらの有害物質による前処置によっても、遺伝子導入
効率の上昇は約10倍程度である(Hum. Gene. Ther.,
5:11-18, 1994; FEBS Lett., 332:179-182, 1993)。
【0011】ヒトを含めた大型動物を対象として、遺伝
子の直接導入によりサイトカイン等の生理活性物質を全
身性に作用させるためには、安全で、しかも遺伝子導入
効率を飛躍的に向上させることのできる手段を確立する
ことが不可欠である。また、このような遺伝子導入効率
の向上は、DNAワクチンにおいてもその注入量の大幅
な低減と、より強い免疫防御能の獲得を可能とするもの
と期待される。
【0012】この出願の発明は以上のとおりの事情に鑑
みてなされたものであって、筋肉等の生体組織内に注入
された発現プラスミドDNAの細胞内導入と遺伝子発現
効率を飛躍的に向上させることのできる新規な遺伝子導
入発現方法を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決する発明として、脊椎動物の体組織内に発現プラ
スミドDNAを注入して組織細胞内に導入し、この発現
プラスミドDNAが保持する遺伝子を細胞内で発現させ
る方法において、組換えプラスミドを注入した体組織に
電気パルスを印加することを特徴とする脊椎動物への遺
伝子導入発現方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の方法に使用する発現プ
ラスミドDNAは、動物細胞用のプラスミドベクターに
遺伝子を組み込んだDNA分子である。プラスミドベク
ターは注入組織の細胞との適合性等を考慮して任意のも
のを使用することができる。また、遺伝子の種類によっ
ては、プロモーター/エンハンサー配列、スプライシン
グ領域、ポリ(A)付加部位等を適宜に組み合わせて用
いるようにする。特に、プロモーター/エンハンサー配
列は細胞内での遺伝子発現効率を考慮し、導入細胞にお
いて強力に発現調節するものを使用することが好まし
い。
【0015】プラスミドDNAに組み込む遺伝子は、従
来のDNAワクチンにおいて使用されているような種々
の免疫原をコードする遺伝子、サイトカイン等の生理活
性物質をコードする遺伝子など、各種の疾患に対して何
らかの予防効果、治療効果を発揮する蛋白質またはポリ
ペプチドをコードする遺伝子とすることができる。これ
らの遺伝子は、ゲノム遺伝子をそのまま用いることがで
き、あるいは真核生物の場合はそのcDNAを用いるこ
ともできる。また、短鎖のペプチドをコードする遺伝子
の場合には、合成ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレ
オチドを用いることもできる。
【0016】プラスミドDNAに組み込む遺伝子は、ま
た、疾患遺伝子の転写・発現に対する抑制分子をコード
する遺伝子であってもよい。例えば、疾患遺伝子のmR
NAに対するアンチセンス配列やリボザイム等をコード
する遺伝子である。あるいは疾患遺伝子の転写調節因子
に対する拮抗分子等をコードする遺伝子を用いることも
できる。
【0017】プラスミドDNAへの遺伝子の挿入結合
は、公知の方法に従って行うことができる。この発明の
方法は、DNAワクチン等に関する前記の従来技術と同
様に、脊椎動物を対象として実施することができる。ま
た、発現プラスミドDNAを注入する体組織および注入
方法も従来方法と同様とすることができる。すなわち、
脊椎動物(円口類、棘魚類、板皮類、軟骨魚類、硬骨魚
類、両生類、は虫類、鳥類、哺乳類)に属する動物個体
の骨格筋、皮膚等に精製した発現プラスミドDNA溶液
(例えば、生理食塩水溶液)を注射針等を介して注射す
ればよい。
【0018】そして、この発明の方法においては、以上
のとおりに発現プラスミドDNAを注入した体組織に電
気パルスを印加し、エレクトロポーレーション現象を利
用して発現プラスミドDNAを高効率で細胞内に導入す
ることを特徴とする。電気パルスは、例えば、任意のパ
ルス形状、パルス幅、パルス頻度、電圧等からなるDC
パルスであり、これらのパルス変数およびパルス印加時
間等は対象動物の種類、発現プラスミドDNAの注入部
位、注入量等に応じて適宜に設定することができる。
【0019】電気パルスの印加は、発現プラスミドDN
Aを注入した体組織に一対の電極を接触させて行うこと
ができる。例えば、筋肉組織へ針電極を刺入するなどの
方法を採用することができる。電極のサイズ、形状、電
極間の間隔、両電極の配置方向等は、対象動物の種類、
発現プラスミドDNAの注入部位、注入量等に応じて適
宜に設定することができる。
【0020】この発明の方法によれば、以上のとおりの
電気パルス印加によるエレクトロポーレーションによっ
て、体組織に注入された発現プラスミドDNAの細胞内
への導入、および導入遺伝子の発現効率を従来方法に比
して100倍程度も増加させることが可能となる。以
下、実施例を示して、この出願の発明についてさらに詳
細かつ具体的に説明するが、この出願の発明は以下の例
に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】実施例1 筋肉中で特に活性の高いプロモーターCAG(Gene, 10
8:193-200, 1991 )を有するpCAGGS発現ベクター
のEcoRI部位にマウスIL−5cDNA(Gene, 7
9:269-277, 1989)を組み込んで発現プラスミドDNA
(pCAGGS−IL−5)を調製した。このプラスミ
ドDNAを大腸菌HB101株に導入して増幅し、抽出
したのち、2回の遠心分離によって精製し、さらにイソ
プロパノール沈殿、フェノールおよびフェノール/クロ
ロホルム抽出およびエタノール沈殿により精製した。こ
の精製プラスミドDNAを生理食塩水に溶解し、8週齢
のC57BL/6マウスの両側下腿部筋肉(前脛骨筋)
に各々50μg (濃度1.5 μg/ml )を筋注した(IL−
5群)。また、コントロールとして、pCAGGSを同
様にして注入した(コントロール群)。
【0022】プラスミドDNAの注入の直後に、注射部
位を挟むようにして、一対の針電極(27ゲージ)を5
mm間隔で筋肉内に刺入し、以下の条件で電気パルスを
印加した。 波 形 :矩形波 電 圧 :50V パルス幅 :50m秒 パルス頻度:1パルス/秒 回 数 :3パルス+逆方向3パルス なお、電気パルスの印加に使用した装置は次のとおりで
ある。
【0023】 電場発生装置:Electro Square Porator T820M; BTX, I
nc., San Diego,CA 切替装置 :MBX-4; BTX, Inc., San Diego,CA 波形分析装置:OptimizorI500; BTX, Inc., San Diego,
CA 発現プラスミドDNAの注入から5日後、マウスの尾部
血管から血液を採取し、血清中のIL−5レベルをEL
ISAキット(Endogen, Woburn, MA )により分析し
た。
【0024】その結果、IL−5群マウスのうち、電気
パルスを印加しない条件(n=3)では、IL−5レベ
ルは 210pg/ml であったのに対し、電気パルスを印加し
た条件(n=6)では12,000pg/ml と著しく上昇した。
なお、コントロール群(n=4)のIL−5レベルは検
出感度以下であった。 実施例2 電気パルスの電場方向の違いによるエレクトロポーレー
ション効果を比較した。
【0025】電気パルスの電圧を60Vとし、電場方向
が筋繊維に対して垂直または平行となるように3mm間
隔で針電極を刺入した以外は、実施例1と同様にして発
現プラスミドpCAGGS−IL−5をマウス細胞に導
入した。結果は図1に示したとおりであり、実施例1と
同様のELISA法により測定した血清IL−5レベル
は、筋繊維に対して平行に電極を配置した場合(n=
3)は3,100 ±1,390pg/ml、垂直に配置した場合(n=
3)は4,000 ±1,730pg/mlであり、統計的な有意差は認
められなかった。
【0026】ただし、この実施例2と前記実施例1の結
果から、これらの実施例で採用した条件下では、電極の
間隔を5mmとしたほうが、3mmの場合より遺伝子の
導入・発現量を増大させることが確認された。 実施例3 局所麻酔剤であるブピバカインの前処置によるエレクト
ロポーレーションの効果を試験した。
【0027】ブピバカインをマウスの両側下腿部筋肉に
投与し、3日後に実施例1と同様にしてプラスミドDN
Aを注入し、電気パルスを印加し、5日後の血清中IL
−5レベルを測定した。なお、電極は筋繊維に対して平
行に刺入した。また、ブピバカイン非処置マウスをコン
トロールとした。結果は図2に示したとおりである。す
なわち、IL−5量はブピバカイン前処置マウス(n=
3)が13,800±3,280pg/ml、非処置マウス(n=3)が
15,000±1,710pg/mlであり、両者には統計的な有意差は
認められなかった。また、3週間後のIL−5レベル
は、非処置マウス(1,930 ±580pg/ml)のほうがブピバ
カイン処置マウス(880 ±420pg/ml)よりも有意に高か
った。
【0028】以上の結果から、従来方法においてプラス
ミドDNAの細胞導入効率を増加させるために用いられ
てきたブピバカイン前処置は、この発明方法においては
有効ではなく、むしろ導入遺伝子の長期的な発現を抑制
する傾向にあることが確認された。 実施例4 電気パルス強度の違いによるエレクトロポーレーション
効果を比較した。
【0029】電気パルス強度を0V(コントロール)、
30V、50V、80V、100V、150V、200
Vとした以外は、実施例1と同様にしてプラスミドDN
Aを注入し、5日後および3週間後の血清IL−5レベ
ルを測定した。結果は図3に示したとおりである。この
図3から明らかなとおり、IL−5レベルは電気パルス
強度100Vまでほぼ電圧依存的に上昇した。しかしな
がら、100Vを超える強度ではIL−5レベルは急激
に減少した。
【0030】以上の結果から、この実施例で採用した条
件においては、電気パルス強度を100Vとすること
が、プラスミドDNAの導入・発現効率に対して最も効
果的であることが確認された。また、この100Vでの
IL−5レベル(24,900±2,200pg/ml)と0V(210 ±
120pg/ml)を比較すると、この発明方法による電気パル
スの印加によって、導入遺伝子の発現効率が約100倍
増加することが確認された。
【0031】一方、3週間後のIL−5レベルは、図3
にも示したように、100Vではなく、80Vの電気パ
ルスを印加したマウスにおいて最も高かった。このこと
から、この実施例で採用した条件においては、導入遺伝
子の長期発現には80Vの電気パルスを印加することが
好ましいことが確認された。なお、この80V電位パル
スを印加したマウスのIL−5レベルは、6週間後にお
いても1,000pg/ml以上の高い値を示した。 実施例5 電気パルス強度を100Vに統一した他は、実施齢1と
同様にして導入遺伝子の経時的な発現量の変化を測定し
た。
【0032】結果は図4に示したとおりであり、血清I
L−5レベルはプラスミドDNAの注入および電気パル
スの印加から5〜7日目に最大に達し、その後徐々に減
少してて、3週間後には最大値の約10%まで減少し
た。以上の結果から、この実施例で採用した条件におい
ては、1週間から2週間間隔でプラスミドDNAの注入
および電気パルス印加を繰り返すことによって、導入遺
伝子の発現量を常に高いレベルで維持することが可能で
あることが確認された。 実施例6 大腸菌のlacZ遺伝子をpCAGGSのEcoRI部
位に挿入結合してlacZ発現プラスミドDNA(pC
AGGS−lacZ)を作製し、実施例1と同様にして
マウス両側下腿部筋肉に注入し、電気パルスを印加し
た。なお、電気パルスのパラメータは、強度を100V
とした以外は実施例1と同様にした。
【0033】プラスミドDNAの注入から5日後に筋組
織を取り出し、lacZ遺伝子が発現するβ−ガラクト
シダーゼ活性をX-gal染色法により測定した。結果は図
5に示したとおりである。電気パルスを印加しない条件
では、β−ガラクトシダーゼ活性を示す筋繊維(X-gal
で染色された筋原線維)の数はごく少数(図5b、d)
であるのに対し、電気パルス印加条件では、X-galで染
色された筋繊維の数と染色濃度の大幅な増加が観察され
た(図5a、c)。
【0034】以上の結果から、プラスミドDNAの筋組
織内注入後の電気パルスの印加(エレクトロポーレーシ
ョン)は、プラスミドDNAを取り込む筋繊維の数を増
加させ、さらに個々の筋細胞に導入されるプラスミドD
NAのコピー数を増加させることが確認された。
【0035】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、脊椎動物の筋肉内等に注入した発現プラ
スミドDNAを安全かつ効率良く細胞内に導入し、導入
遺伝子を高レベルで発現させることが可能となる。これ
によって、サイトカイン等の各種生理活性物質による生
体機能の調節を目的としたDNA医薬の開発、あるいは
欠損遺伝子や疾患遺伝子に対する遺伝子直接導入法によ
る遺伝子治療の発展等に新たな可能性をもたらす。ま
た、発現プラスミドDNAをDNAワクチンとして使用
する場合には、プラスミドDNAの注入量を低減し、し
かもさらに強い免疫防御能を宿主に付与することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電場方向が筋繊維に対して垂直(transverse)
または平行(longitudinal)となるように針電極を刺入
した場合のマウス血清IL−5レベルを示したグラフ図
である。
【図2】ブピバカイン前処置の有無によるマウス血清I
L−5レベルを示したグラフ図である。
【図3】各々の電気パルス強度におけるマウス血清IL
−5レベルを示したグラフ図である。
【図4】電気パルス印加後のマウス血清IL−5レベル
の経時的変化を示したグラフ図である。
【図5】電気パルスの印加(a、c)および電気パルス
無処置(b、d)における導入lacZ遺伝子の発現の
程度を示す写真図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脊椎動物の体組織内に発現プラスミドD
    NAを注入して組織細胞内に導入し、この発現プラスミ
    ドDNAが保持する遺伝子を細胞内で発現させる方法に
    おいて、組換えプラスミドを注入した体組織に電気パル
    スを印加することを特徴とする脊椎動物への遺伝子導入
    発現方法。
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