JPH09275829A - 水耕栽培方法 - Google Patents

水耕栽培方法

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JPH09275829A
JPH09275829A JP8098923A JP9892396A JPH09275829A JP H09275829 A JPH09275829 A JP H09275829A JP 8098923 A JP8098923 A JP 8098923A JP 9892396 A JP9892396 A JP 9892396A JP H09275829 A JPH09275829 A JP H09275829A
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JP
Japan
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panel
cultivation
seedling raising
planting
cultivated
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JP8098923A
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English (en)
Inventor
Masato Kashiwabara
正人 柏原
Kiichiro Akamine
紀一郎 赤嶺
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 栽培物の根切れや株の損傷を起こすことな
く、一定の栽培面積、施設面積等を有効に活用すること
のできる水耕栽培方法を提供する。 【解決手段】 栽培物の種子の径よりも大きな幅の開口
部16を有する支持部材14,19と、該支持部材1
4,19の上記開口部16の位置に設けられ上記種子を
保持する繊維形成体15,18とを有する栽培物保持器
10,11を用いる水耕栽培方法で、複数の開口部2を
密間隔に有する育苗パネル1aの上記複数の開口部2
に、栽培物を保持させた上記栽培物保持器10,11を
載置して水耕栽培を行う育苗工程と、上記育苗パネル1
aの開口部2に載置した上記栽培物保持器10,11
を、上記育苗パネル1aの上記複数の開口部2の間隔よ
りも粗な間隔の開口部2を有する定植パネル1bの上記
複数の開口部2に移載する工程と、該定植パネル1bを
用いて培養液上にて水耕栽培を行う定植栽培工程とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、葉菜類等の栽培物
を保持して生育させる栽培物保持器を載置した状態で培
養液上に浮かべられる水耕栽培用の栽培パネルを用いた
水耕栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】葉菜類等の栽培物を栽培する方法の一つ
に、土の代わりに培養液を用いて、栽培物に必要な養分
を供給する水耕栽培がある。上記の水耕栽培では、栽培
物の種子を育苗し、その苗や栽培物を支持するために水
耕栽培用の栽培物保持器が用いられている。
【0003】従来の栽培物保持器は、含水量を増大させ
て、栽培物に充分な養分や水分を供給するように空隙率
の高いウレタンチップ等が用いられている。このような
栽培物保持器を用いた従来の水耕栽培方法は、先ず、育
苗工程にて、ウレタンマットの表面に適量の種子を播種
し、それが発芽して適度の大きさの幼苗になるまで生育
させる。次いで、定植栽培工程にて、適度な大きさに成
長した幼苗を保持した上記ウレタンマットをブロック状
に切り離し、切り離したブロック状ウレタンマットを栽
培パネルに形成された開口部に嵌め込むことによって幼
苗を栽培パネルに移植した後、培養液上に上記栽培パネ
ルを浮かべて収穫まで水耕栽培に供される。図9は、上
記の定植栽培工程の前期工程を示している。このよう
に、適度な大きさに成長した栽培物の幼苗13を含むウ
レタンマット22をブロック状に切り離したブロック状
ウレタンマット22aを、開口部23の列毎に切り込み
25を入れた栽培パネル26の開口部23に移植して比
較的狭い間隔での栽培を可能にし、上記栽培パネル26
を培養液12上に浮かべて水耕栽培に供している。図1
0は、上記の定植栽培工程の後期工程を示している。こ
のように、切り込み25に沿って上記栽培パネル26を
分割して、比較的幅が狭く長さの長い帯状状態に形成
し、この帯状栽培パネル26aを、支持パネル27に開
口した開口部24に移載して比較的広い間隔で生育中期
に差しかかった幼苗13の栽培を可能にし、その支持パ
ネル27を培養液12上に浮かべて収穫まで水耕栽培に
供している。
【0004】しかしながら、このような水耕栽培方法に
よると、作業者にとって育苗工程の幼苗13を栽培パネ
ルに移植する手間が生じるという問題点、さらに、ウレ
タンを栽培物保持器として用いると、ウレタン内に根入
した根を保持しているだけで株を保持することができな
いため、栽培物の位置が不安定になり生育した栽培物が
不揃いとなりやすいという問題点、さらに、ウレタンマ
ット内に根入した栽培物の根は隣接の栽培物の根と絡み
合っているため、栽培パネルへの移植時にブロック状に
ウレタンマットを切り離すと絡み合った根が切断され、
栽培物の生育に悪影響を与えるという問題点、さらに、
栽培物の根元が含水したウレタンマットに接触すること
により根元が過湿状態となり、株の損傷が起こりやすい
という問題点が生じるものであった。
【0005】そこで、この問題点を解決するために、例
えば実公平8−6445号公報や特願平7−19462
8号公報には、培養液上に浮かべた栽培パネルに載置し
て使用する水耕栽培用の栽培物保持器が開示されてい
る。図5は、実公平8−6445号公報に開示されてい
る栽培物保持器を示す図である。図において、10は栽
培物保持器を示しており、支持部材としての支持パネル
14と、この支持パネル14の下面を覆う不織布15と
からなっている。支持パネル14は、例えば発泡ポリス
チレンシート等が略長方形平板状に形成されている。こ
の支持パネル14の中央部には、開口部16が、種子の
径よりも大きくなるように形成され、支持パネル14の
下面には保水性繊維材料である不織布15が全面に形成
されている。従って、種子の播種時に上記開口部16上
に投入された種子は、不織布15上で保持されることに
なる。このように不織布15上に保持された種子が発芽
すると、根が不織布15を突き抜けて培養液に向けて成
長する。また、支持パネル14には折目線17が、その
延長線が開口部16上を通過するように形成されてお
り、この折目線17にそって断面略V字形状に折り曲げ
られた栽培物保持器10が、栽培パネルの開口部に対し
て載置される。
【0006】図6は、特願平7−194628号公報に
開示されている栽培物保持器を示す図である。図におい
て、11は栽培物保持器であり、栽培物を保持する保水
性繊維材料であるシードテープ18と、該シードテープ
18を保持すると共にシードテープ18上の栽培物を保
持するための支持部材である網状の支持ネット19とか
らなっている。シードテープ18は、生分解性を有する
コットン繊維等の集合体であり、複数の種子9を繊維間
に絡めて互いに所定間隔にて内部で担持するものであ
る。網状の支持ネット19は、耐侯性および可撓性を有
する樹脂として例えばポリエチレン樹脂等が、略長方形
シート状に成形され、さらに、栽培物の種子9の大きさ
より大きな隙間となる網目20が、射出成形、押出成形
等によって成形される。支持ネット19の大きさは、水
耕栽培用の栽培パネル10の開口部2に嵌め込むことが
できる大きさに設定されている。支持ネット19は、長
さ方向に沿った中心線を折り線として折り曲げられ、こ
のように折り曲げられた支持ネット19上に上記シード
テープ18は載置される。種子9の発芽時には、上記栽
培物保持器11は、栽培パネル1dの開口部2に対し載
置され、シードテープ18に担持された種子9が発芽す
ると、種子9の根は、シードテープ18から支持ネット
19の網目20を通って培養液に向かって伸びる。生育
が進みより多くの根が発根すると、各根が支持ネット1
9に絡みつくことにより、上記幼苗はより強固に支持ネ
ット19に支持され、多くの根が培養液に安定に達して
上記培養液から養分を安定に補給される。
【0007】そして、上記のような栽培物保持器10,
11は、例えば実公平7−48054に開示されている
水耕栽培用の栽培パネルに組付けて水耕栽培に供してい
る。図7は、該栽培パネルを示す平面図である。図にお
いて、1cは上記栽培パネルであり、例えば発泡ポリス
チレン等により形成されており、栽培物保持器10,1
1を載置するための開口部2を相互に平行に複数個有し
ており、開口部2は所定の間隔3で、例えば小松菜の場
合には180mmの間隔3で配列されている。上記の開口
部2のA−A線断面図を図8(a)に、B−B線断面図
を図8(b)に示す。開口部2は、図8(a)に示すよ
うに、栽培パネル1cの表面から裏面に貫通しており、
開口部2の下部は栽培パネル1cの裏面に行くほど広が
るように形成されている。さらに、開口部2には、図8
(b)に示すように、栽培物保持器10,11を保持す
る保持部4が長手方向の両端部に形成されている。栽培
パネル1cの表面には、上側突起部5が開口部2の外縁
に形成されている。また、栽培パネル1cの表面には、
開口部2と同数の凹部8が形成されている。一方、栽培
パネル1cの裏面には、開口部2と同数の下側突起部6
が、開口部2と同ピッチで形成されている。
【0008】上記のような栽培物保持器10,11や栽
培パネル1cを用いて水耕栽培を行う際、まず栽培パネ
ル1cの開口部2に保水性繊維材料からなる上記栽培物
保持器10,11が載置される。栽培物保持器10,1
1に種子が播種されると、発芽のために散水が行われ、
栽培パネル1cの表面の凹部8に水が溜まる。散水後、
栽培パネル1cは180度づつ回転されて複数枚交互に
積み重ねられ、発芽を促進させるために育苗室に置かれ
る。栽培パネル1cを積み重ねたとき、一方の栽培パネ
ル1cの開口部2に他方の栽培パネル1cの下側突起部
6が遊嵌するようになっており、一方の栽培パネル1c
の開口部2の真下に他方の栽培パネル1cの凹部8が位
置する。これにより、発芽後、幼苗の根がある程度成長
して栽培物保持器10,11の下方にさらに成長したと
き、開口部2の真下に別の栽培パネル1cの凹部8が位
置しているので、根はこの凹部8に溜まった水を吸収し
て成長する。この状態で、約2〜3日間育苗室にて育苗
が続けられた後、栽培パネル1cは1枚づつ培養液上に
浮かべられる。そして、栽培物の根は栽培パネル1cの
開口部2を通過し、培養液から養分を吸収して成長し、
収穫されるまで上記栽培パネル1cにて水耕栽培され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような栽培パネ
ル1cを用いた水耕栽培方法では、栽培パネル1cの複
数の開口部2の間隔3は、栽培パネル1cの開口部2に
載置された栽培物保持器10,11に播種された各種子
が発芽、生育してそれぞれ栽培物となった時に、各栽培
物の間隔が過密とならないように設定されおり、播種か
ら収穫までの栽培期間を、このような栽培パネルを用い
て画一的に対応している。従って、栽培物が幼苗の段階
では、栽培パネル1cの開口部2の間隔3が収穫段階の
栽培物を考慮して設定されているため、1株当たりの栽
培スペースが十分に余裕のある状態であり、一定の栽培
面積、施設面積等を有効に活用できていないという問題
が生じるものであった。
【0010】この発明は、上記の問題に鑑みなされたも
のであり、栽培物の根切れや株の損傷を起こすことな
く、また一定の栽培面積、施設面積等を有効に活用する
ことのでき、しかも作業者にとって栽培物の移植の作業
の手間を比較的容易なものにすることのできる水耕栽培
方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる水耕栽培
方法は、栽培物の種子の径よりも大きな幅の開口部を有
する支持部材と、該支持部材の上記開口部の位置に設け
られ上記種子を保持する繊維形成体とを有する水耕栽培
用の栽培物保持器を用いる水耕栽培方法であって、複数
の開口部を密間隔に有する育苗パネルの上記複数の開口
部に、栽培物を保持させた上記栽培物保持器を載置し、
該育苗パネルを用いて水耕栽培を行う育苗工程と、上記
育苗工程の後、上記育苗パネルの開口部に載置した上記
栽培物保持器を、上記育苗パネルの上記複数の開口部の
間隔よりも粗な間隔で複数の開口部を有する定植パネル
の上記複数の開口部に移載する工程と、該定植パネルを
用いて、培養液上にて水耕栽培を行う定植栽培工程とを
含むことを特徴とする水耕栽培方法である。
【0012】本発明(請求項1)に係わる水耕栽培方法
は、上記育苗工程において、栽培物の種子から発芽した
幼苗を生育させるのは、上記育苗パネルを複数個、ライ
ン状に配設してなる育苗ラインで水耕栽培により行い、
上記定植栽培工程は、上記定植ラインを複数個、ライン
状に配設してなる定植ラインで水耕栽培により行うこと
を特徴とする水耕栽培方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1. 構成1.本発明の実施の形態1における水耕栽培方法
は、図4に示すように、栽培物の種子の径よりも大きな
幅の開口部を有する支持部材と、該支持部材の上記開口
部の位置に設けられ上記種子を保持する繊維形成体とを
有する水耕栽培用の栽培物保持器を用いる水耕栽培方法
であって、複数の開口部を密間隔に有する育苗パネルの
上記複数の開口部に、栽培物を保持させた上記栽培物保
持器を載置し、該育苗パネルを用いて水耕栽培を行う育
苗工程と、上記育苗工程の後、上記育苗パネルの開口部
に載置した上記栽培物保持器を、上記育苗パネルの上記
複数の開口部の間隔よりも粗な間隔で複数の開口部を有
する定植パネルの上記複数の開口部に移載する工程と、
該定植パネルを用いて、培養液上にて水耕栽培を行う定
植栽培工程とを含むことを特徴とする水耕栽培方法であ
る。
【0014】構成2.本発明の実施の形態1における水
耕栽培方法は、図4に示すように、上記育苗工程におい
て、栽培物の種子から発芽した幼苗を生育させるのは、
上記育苗パネルを複数個、ライン状に配設してなる育苗
ラインで水耕栽培により行い、上記定植栽培工程は、上
記定植ラインを複数個、ライン状に配設してなる定植ラ
インで水耕栽培により行うことを特徴とする水耕栽培方
法である。
【0015】実施例1.図1は、本発明の実施の形態1
における一実施例による水耕栽培方法で用いる水耕栽培
用の育苗パネルの平面図である。図において、1aは栽
培物の育苗工程において用いる育苗パネルであり、従来
の栽培パネル1cとほぼ同様の構造であるが、育苗パネ
ル1aの相互に平行に複数個形成された開口部2は、そ
の間隔3が従来の栽培パネル1cの開口部2の間隔3よ
りも狭く設定されている。例えば小松菜の場合では、従
来の栽培パネル1cの開口部2は、間隔3が180mmで
配列されているが、上記育苗パネル1aの開口部2は、
間隔3が56mmで配列されている。なお、この育苗パネ
ル1aの開口部2の間隔3は、育苗工程の各栽培物の間
隔が、過密とならない程度に設定すればよい。
【0016】本発明の一実施例による水耕栽培方法で用
いる水耕栽培用の定植パネルは、栽培物の育苗工程の後
の段階から収穫まで用いられている。このような定植パ
ネル1bは、従来の栽培パネル1cとほぼ同様の構造で
あり、開口部2の間隔3も同様であるが、上記育苗パネ
ル1aの開口部2の間隔3よりも広くなるように設定さ
れている。例えば小松菜の場合には、育苗パネル1aの
間隔3は56mmであり、定植パネル1bの間隔3は18
0mmである。また、図には示していないが、従来の栽培
パネル1cの開口部2の外縁には、散水時の余分な水分
の流入を堰き止める上側突起部5が形成されているが、
上記定植パネルは、なだらかな斜面状のスロープ部7
(図3参照)を形成することにより、余分な水分の開口
部2への流入を回避している。
【0017】次に、本発明の一実施例について説明す
る。本発明の水耕栽培方法は、種子を発芽させる発芽工
程と、発芽した幼苗を生育させる生育工程とからなる育
苗工程と、該育苗工程の後の定植栽培工程からなってい
る。上記育苗工程は、先ず、発芽工程として、従来例と
同様の図5,6に示した栽培物保持器10,11を上記
育苗パネル1aの開口部2に嵌め込み、このように載置
された栽培物保持器10,11に種子が播種され、種子
の発芽を促進させるために散水が行われる。散水時、栽
培物保持器10,11は発芽に必要な水を吸水すると共
に、育苗パネル1aの表面の凹部8に水が溜まる。散水
後、図2に示すように、育苗パネル1aを180度づつ
交互に回転させて上下方向に複数枚積み重ねた状態で、
発芽を促進するために適度な温度と湿度に保たれた育苗
室に置かれる。このように、一方の育苗パネル1aの開
口部2の真下に他方の育苗パネル1aの凹部8が位置す
る。また、図には示していないが、一方の育苗パネル1
aの開口部2に他方の育苗パネル1aの下側突起部6が
遊嵌している。発芽後、根がある程度成長して栽培物保
持器10,11に根入すると、種子9は栽培物保持器1
0,11に充分保持され、動かないようになる。根が栽
培物保持器10,11の下方にさらに成長したとき、開
口部2の真下に別の育苗パネル1aの凹部8が位置して
いるので、根はこの凹部8に溜まった水を吸収できる。
これにより、根の成長点が乾燥のために壊死することが
なくなり、発芽率がさらに向上する。約2〜3日間種子
が発芽するまで上記育苗室で育苗が続けられた後、生育
工程として、育苗室から育苗パネル1aを出してきて、
該育苗パネル1aは1枚づつ培養液上に浮かべられ、栽
培物の幼苗13は培養液から養分を吸収して成長する。
【0018】育苗工程の後、上記育苗パネル1aで栽培
された栽培物の幼苗13の生育が進み、生育中期前半部
に差しかかると、育苗パネル1aにおける栽培物の葉茎
が徐々に繁茂し密生してくる。この生育中期前半部に差
しかかった段階で、育苗パネル1aの開口部2に載置さ
れた栽培物保持器10,11を取り出し、定植パネルの
開口部2に上記栽培物保持器10,11を移載する。こ
のとき、育苗パネル1aは、開口部2の下部を育苗パネ
ル1aの裏面に行くほど広がるように形成されているの
で、生育不良の栽培物を保持している栽培物保持器1
0,11を裏面から指で押し出すことにより容易に取り
出すことができ、栽培物保持器10,11の差換えがき
わめて楽になる。
【0019】図3は、定植栽培工程の定植パネルを培養
液12上に浮かべた状態を示す図である。図において、
1bは定植パネルであり、栽培物保持器10,11が移
載された定植パネル1bは1枚づつ培養液12上に浮か
べられている。生育中期前半部以降の栽培物は、生育に
伴ってさらに繁茂して密生してくるが、上記栽培物保持
器10,11の断面が略V字形状やU字形状になってい
るため、栽培物の位置が安定に保たれる。従って、栽培
物の多くの根が培養液12に安定に達して上記培養液1
2から養分を安定に補給されると共に、栽培物保持器1
0,11が載置された開口部2から定植パネル1bの上
方に伸長し、光を安定に吸収して迅速に生育し、収穫さ
れる栽培物となる。
【0020】図4は、本発明の一実施例による水耕栽培
方法の育苗ラインと定植ラインを示すものである。図に
おいて、21は養分補給のために循環している培養液1
2を保持する培養液槽であり、培養液12の循環方向に
沿って長尺に形成されている。培養液12は、循環のた
めに培養液槽21の長さ方向の一方向に常時流れてい
る。このような培養液槽21は、複数個の育苗パネル1
aのみが、上記培養液槽22の長手方向へ次々と突き合
わせて連設された育苗ライン21aと、このような育苗
パネル1aのみからなる育苗ライン21aとは別に、複
数個の定植パネル1bのみが、上記培養液槽21の長手
方向へ次々と突き合わせて連設された定植ライン21b
とからなっている。上記育苗ライン21aが2ライン以
上配設され、その育苗ライン21aのエリアに隣接して
定植ライン21bが2ライン以上配設されており、育苗
パネル1aから定植パネル1bに移植する際、作業者の
手間を回避できるようになっている。また、上記育苗ラ
イン21a及び定植ライン21bの培養液12上に浮い
た各育苗パネル1a及び定植パネル1bには、培養液1
2の流れ方向の力が加わっていることになり、育苗パネ
ル1a及び定植パネル1bの流れ方向に空きが生じる
と、その空きを埋めるように育苗パネル1a及び定植パ
ネル1bが流れ方向に、特に障害物や意図的な制止がな
いかぎり自動的に移動するようになっている。
【0021】種子の播種後、発芽した幼苗13がある程
度の大きさに成長すると、育苗室に置かれた育苗パネル
1aが、上記育苗ライン21aの培養液12上に浮かべ
られる。このような育苗ライン21aで栽培されている
幼苗13は、太陽光等の光が、1日当たり所定時間照射
され、かつ、培養液12から養分や水分が供給されるこ
とにより、順次生育して幼苗13よりも成長した生育中
期の苗13aとなり、育苗ライン21aの下流側から育
苗パネル1aごと取り出される。次いで、育苗パネル1
aの開口部2から、生育中期の苗13aを保持している
栽培物保持器10,11が取り出され、定植パネル1b
の開口部2に載置され、このような定植パネル1bは、
育苗ライン21aに隣接して配設された定植ライン21
bの培養液12上に浮かべられる。苗13aがさらに生
育して収穫可能な生育後期の苗13bとなると、その栽
培物13bはその定植パネル1bごと、定植ライン21
bの下流側から取り出されて収穫される。
【0022】本実施例1においては、上記のように不織
布15やシードテープ18等の保水性繊維材料からなる
栽培物保持器10,11上で栽培物の播種から収穫まで
の育苗を行っているため、従来のように幼苗を栽培パネ
ルに移植する際に生じた栽培物の根切れや株の損傷、栽
培物の位置が不安定になり生育した栽培物が不揃いとな
りやすいという問題点を回避でき、さらに、従来のよう
に栽培パネル26を分割し、分割された帯状栽培パネル
26aを支持パネル27の開口部24に移植する作業に
比べて、本発明では、栽培物保持器10,11を育苗パ
ネル1aの開口部2から取り出すだけで定植パネル1b
の開口部2に移植でき、育苗ライン21aと定植ライン
21bは隣接して配設されているので、作業者にとって
移植の作業が比較的容易なものとなっている。
【0023】また、このような水耕栽培方法は、栽培物
の幼苗工程では、密な間隔で生育を可能にする育苗パネ
ル1aと、栽培物の定植栽培工程では、各栽培物の間隔
が過密とならないように粗な間隔にて生育を可能にする
定植パネル1bを用いて、段階方式による水耕栽培方法
としたので、従来のように、栽培物の播種から収穫まで
の栽培工程を一つの栽培パネル1cを用いて画一的に対
応していた水耕栽培方法よりも、一定の栽培面積、施設
面積等の有効に活用できるものとなり、単位栽培面積当
たりの栽培収穫量が30〜35%増収させることが可能
になっている。
【0024】また、上記水耕栽培方法の育苗工程は育苗
ライン21aで水耕栽培し、育苗工程の後の定植栽培工
程は、育苗ライン21aと隣接して配設された定植ライ
ン21bで水耕栽培するという工程別の水耕栽培ライン
を形成して水耕栽培しているため、育苗パネル1aから
定植パネル1bへの移植が容易になり、また、幼苗段階
の栽培、育苗パネル1aから定植パネル1bへの幼苗の
移植、収穫までの栽培の過程を効率的に回転させること
ができる。
【0025】なお、上記実施例では、栽培物として小松
菜を用いた例を挙げたが、上記に特に限定されるもので
はなく、他の葉菜類として春菊やほうれんそうやちんげ
ん菜や中国野菜であるターサイ類に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の水耕栽培方法で用いた育苗パ
ネルを示す平面図。
【図2】 上記実施例の水耕栽培方法で用いた育苗パネ
ルを180度づつ交互に回転させて複数枚積み重ねた状
態を示す断面図。
【図3】 上記実施例の水耕栽培方法で用いた定植パネ
ルを培養液上に浮かべている状態を示す断面図。
【図4】 上記実施例の水耕栽培方法の育苗ラインと定
植ラインを示す図。
【図5】 従来の、水耕栽培方法で用いた栽培物保持器
を示す斜視図。
【図6】 従来の、水耕栽培方法で用いた栽培物保持器
を示す斜視図。
【図7】 従来の、水耕栽培方法で用いた栽培パネルを
示す平面図。
【図8】 図7の栽培パネルのA−A断面図((a) )。
図7の栽培パネルのB−B断面図((b) )。
【図9】 従来の、水耕栽培方法の生育前期工程を示す
図。
【図10】 従来の、水耕栽培方法の生育中期以降の工
程を示す図。
【符号の説明】
1a 育苗パネル、1b 定植パネル、1c栽培パネ
ル、1d栽培パネル、2開口部、3 開口部の間隔、4
保持部 5 上側突起部、6 下側突起部、7 スロ
ープ部、8 凹部、9 種子、10 栽培保持器、11
栽培物保持器、12 培養液、13 幼苗、13a
生育中期の苗、13b 生育後期の苗、14支持パネ
ル、15 不織布、16 栽培物保持器の開口部、17
折目線、18 シードテープ、19 支持ネット、2
0 網目、21 培養液槽、21a育苗ライン、21b
定植ライン、22 ウレタンマット、23 開口部、
24 開口部、25 切り込み、26 栽培パネル、2
6a 帯状栽培パネル、27 支持パネル。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】そこで、この問題点を解決するために、例
えば実公平8−6445号公報や特願平7−19462
号には、培養液上に浮かべた栽培パネルに載置して使
用する水耕栽培用の栽培物保持器が開示されている。図
5は、実公平8−6445号公報に開示されている栽培
物保持器を示す図である。図において、10は栽培物保
持器を示しており、支持部材としての支持パネル14
と、この支持パネル14の下面を覆う不織布15とから
なっている。支持パネル14は、例えば発泡ポリスチレ
ンシート等が略長方形平板状に形成されている。この支
持パネル14の中央部には、開口部16が、種子の径よ
りも大きくなるように形成され、支持パネル14の下面
には保水性繊維材料である不織布15が全面に形成され
ている。従って、種子の播種時に上記開口部16上に投
入された種子は、不織布15上で保持されることにな
る。このように不織布15上に保持された種子が発芽す
ると、根が不織布15を突き抜けて培養液に向けて成長
する。また、支持パネル14には折目線17が、その延
長線が開口部16上を通過するように形成されており、
この折目線17にそって断面略V字形状に折り曲げられ
た栽培物保持器10が、栽培パネルの開口部に対して載
置される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】図6は、特願平7−194628号に開示
されている栽培物保持器を示す図である。図において、
11は栽培物保持器であり、栽培物を保持する保水性繊
維材料であるシードテープ18と、該シードテープ18
を保持すると共にシードテープ18上の栽培物を保持す
るための支持部材である網状の支持ネット19とからな
っている。シードテープ18は、生分解性を有するコッ
トン繊維等の集合体であり、複数の種子9を繊維間に絡
めて互いに所定間隔にて内部で担持するものである。網
状の支持ネット19は、耐侯性および可撓性を有する樹
脂として例えばポリエチレン樹脂等が、略長方形シート
状に成形され、さらに、栽培物の種子9の大きさより大
きな隙間となる網目20が、射出成形、押出成形等によ
って成形される。支持ネット19の大きさは、水耕栽培
用の栽培パネル10の開口部2に嵌め込むことができる
大きさに設定されている。支持ネット19は、長さ方向
に沿った中心線を折り線として折り曲げられ、このよう
に折り曲げられた支持ネット19上に上記シードテープ
18は載置される。種子9の発芽時には、上記栽培物保
持器11は、栽培パネル1dの開口部2に対し載置さ
れ、シードテープ18に担持された種子9が発芽する
と、種子9の根は、シードテープ18から支持ネット1
9の網目20を通って培養液に向かって伸びる。生育が
進みより多くの根が発根すると、各根が支持ネット19
に絡みつくことにより、上記幼苗はより強固に支持ネッ
ト19に支持され、多くの根が培養液に安定に達して上
記培養液から養分を安定に補給される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】そして、上記のような栽培物保持器10,
11は、例えば実公平7−48054号公報に開示され
ている水耕栽培用の栽培パネルに組付けて水耕栽培に供
している。図7は、該栽培パネルを示す平面図である。
図において、1cは上記栽培パネルであり、例えば発泡
ポリスチレン等により形成されており、栽培物保持器1
0,11を載置するための開口部2を相互に平行に複数
個有しており、開口部2は所定の間隔3で、例えば小松
菜の場合には180mmの間隔3で配列されている。上記
の開口部2のA−A線断面図を図8(a)に、B−B線
断面図を図8(b)に示す。開口部2は、図8(a)に
示すように、栽培パネル1cの表面から裏面に貫通して
おり、開口部2の下部は栽培パネル1cの裏面に行くほ
ど広がるように形成されている。さらに、開口部2に
は、図8(b)に示すように、栽培物保持器10,11
を保持する保持部4が長手方向の両端部に形成されてい
る。栽培パネル1cの表面には、上側突起部5が開口部
2の外縁に形成されている。また、栽培パネル1cの表
面には、開口部2と同数の凹部8が形成されている。一
方、栽培パネル1cの裏面には、開口部2と同数の下側
突起部6が、開口部2と同ピッチで形成されている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栽培物の種子の径よりも大きな幅の開口
    部を有する支持部材と、該支持部材の上記開口部の位置
    に設けられ上記種子を保持する繊維形成体とを有する水
    耕栽培用の栽培物保持器を用いる水耕栽培方法であっ
    て、 複数の開口部を密間隔に有する育苗パネルの上記複数の
    開口部に、栽培物を保持させた上記栽培物保持器を載置
    し、該育苗パネルを用いて水耕栽培を行う育苗工程と、 上記育苗工程の後、上記育苗パネルの開口部に載置した
    上記栽培物保持器を、上記育苗パネルの上記複数の開口
    部の間隔よりも粗な間隔で複数の開口部を有する定植パ
    ネルの上記複数の開口部に移載する工程と、 該定植パネルを用いて、培養液上にて水耕栽培を行う定
    植栽培工程とを含むことを特徴とする水耕栽培方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水耕栽培方法におい
    て、 上記育苗工程において、栽培物の種子から発芽した幼苗
    を生育させるのは、上記育苗パネルを複数個、ライン状
    に配設してなる育苗ラインで水耕栽培により行い、 上記定植栽培工程は、上記定植ラインを複数個、ライン
    状に配設してなる定植ラインで水耕栽培により行うこと
    を特徴とする水耕栽培方法。
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