JPH09275601A - ハイブリッド電気自動車 - Google Patents

ハイブリッド電気自動車

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JPH09275601A
JPH09275601A JP7859296A JP7859296A JPH09275601A JP H09275601 A JPH09275601 A JP H09275601A JP 7859296 A JP7859296 A JP 7859296A JP 7859296 A JP7859296 A JP 7859296A JP H09275601 A JPH09275601 A JP H09275601A
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battery
intake
electric vehicle
engine
air intake
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Yusuke Horii
裕介 堀井
Nobuaki Takeda
信章 武田
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイブリッド電気自動車において、バッテリ
の温度環境の変化に対して加熱あるいは冷却することで
バッテリの性能低下を抑制する。 【解決手段】 バッテリ15を収納するバッテリボック
ス18に温度センサ48を設け、このバッテリボックス
18の前部にエンジン周囲の空気を取り込む暖機取入口
61と車外空気を取り込む冷気取入口63とを形成して
空気取入通路65を介してバッテリ収容室18aへ連通
すると共に、この暖機取入口61と冷気取入口63とを
選択的に切換可能な切換ダンパ66を設け、バッテリ温
度が第1所定値以下であるときには切換ダンパ66によ
って暖機取入口61に切換え、エンジンの暖気をバッテ
リ収容室18aに取込んでバッテリ15を暖機する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機を有する発
電機が発電した電力、あるいはバッテリに蓄電された電
力を使用して電動機を駆動することで走行を行うハイブ
リッド電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の問題から排気ガスの発
生を抑制するような、例えば、ハイブリッド電気自動車
の実用化が望まれており、特に、環境問題の厳しい都市
内での配送作業を行うトラックへの適用が望まれてい
る。このハイブリッド電気自動車は原動機及び発電機、
バッテリ、電動機などを搭載しており、このバッテリに
蓄電された電力、あるいは、原動機が駆動することで発
電機が発電する電力を選択的に使用し、この電力によっ
て電動機を駆動し、この電動機の出力軸に駆動連結され
た駆動輪を回転駆動することで車両を走行させるもので
ある。
【0003】図7に一般的なハイブリッド電気自動車に
おける走行モードを説明するための走行距離に対するバ
ッテリ充電率の変化を表すグラフを示す。図7のグラフ
に示すように、電気自動車の走行開始前は充電機等によ
って予めバッテリに電力を蓄電することで、バッテリ充
電率は100%となっている。この状態からバッテリに
蓄電された電力によって電動機を駆動し、バッテリ走行
モードにて電気自動車の走行を開始する。すると、走行
距離の増加に伴ってバッテリ充電率が低下し、このバッ
テリ充電率が、例えば、50%まで低下すると、エンジ
ン走行モードとバッテリ走行モードが交互に切り換わる
ハイブリッド走行モードに切り換わる。このハイブリッ
ド走行モードでは、まず、エンジン走行モードとなり、
原動機を駆動して発電機による発電を開始する。このよ
うに発電を開始すると、発電された電力は電気自動車の
電動機に供給されると共にバッテリに蓄電される。そし
て、バッテリ充電率が55%まで上昇すると、バッテリ
走行モードとなり、原動機の駆動を停止して発電機によ
る発電を止め、再び、バッテリの電力のみで電動機を駆
動して電気自動車を走行する。そして、その後はエンジ
ン走行モードとバッテリ走行モードが交互に切り換わる
こととなる。また、原動機がガソリンエンジンであった
場合には、途中で給油することで電気自動車の走行が継
続される。更に、充電機等によってバッテリの充電率を
100%とすることで、原動機を駆動させないバッテリ
走行モードでの静かな連続走行が可能となる。
【0004】このように充電機等によって予めバッテリ
に電力を蓄電して充電率を100%とすることで、原動
機を駆動させないでバッテリの電力によって電動機を駆
動して電気自動車を静かに走行することができ、一方、
バッテリ充電率が所定値まで低下したときには、原動機
を駆動して発電機によって発電された電力をバッテリに
蓄電すると共に、電動機を駆動して電気自動車を走行す
ることができる。この場合、原動機がガソリンエンジン
であれば、このエンジンを一定回転で駆動することで、
排ガス特性が良好となる。
【0005】ところで、上述したハイブリッド電気自動
車において、バッテリへの蓄電中やこのバッテリに蓄電
された電力によって電動機を駆動する際にはこのバッテ
リが発熱する。バッテリは、一般的に、高温となると、
性能の低下が著しく、また、寿命も低下してしまう。そ
のため、バッテリが高温となると、このバッテリを外気
によって冷却するようにしたものが、例えば、特開平5
−169981号公報に開示されている。
【0006】この特開平5−169981号公報に開示
された電気自動車におけるバッテリ冷却装置は、車体の
前後に延びる中空のサイドフレームとバッテリが収容さ
れバッテリ収容室の前後とを接続し、このサイドフレー
ムの前後に吸気ダクトと排気ダクトを接続することによ
り、吸気ダクトの前端開口から吸入された外気をサイド
フレームを通してバッテリ収容室に導くことでバッテリ
を冷却し、冷却後の空気を排気ダクトを通して後端の開
口から排出するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電気自
動車におけるバッテリ冷却装置にあっては、外気をバッ
テリ収容室に導入してバッテリを冷却しており、それに
よってバッテリの発熱による温度上昇を抑制し、性能や
寿命の低下を防止している。ところで、バッテリは一般
的にその温度環境によってその性能が変化するため、温
度管理が重要な問題となる。この場合、バッテリ性能の
低下の要因としては、前述したバッテリの発熱による温
度上昇の他に、冬季のバッテリ極低温状態が考えられ
る。従来の電気自動車におけるバッテリ冷却装置では、
バッテリの温度上昇は抑制できるものの、バッテリの極
低温に対する対策はなく、性能の低下を抑制することは
できず、車両の駆動力が不十分となってしまうという問
題があった。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、バッテリの温度環境の変化に対して加熱あるい
は冷却することでバッテリの性能低下を抑制し、バッテ
リ性能の安定化を図ったハイブリッド電気自動車を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のハイブリッド電気自動車は、エンジンを運
転させて走行するエンジン走行モードとバッテリの電力
によって走行するバッテリ走行モードとを有するハイブ
リッド電気自動車において、前記バッテリの温度を検出
するバッテリ温度検出手段と、前記エンジン周囲の空気
を取り込む第1取入口及び車外空気を取り込む第2取入
口を有して前記バッテリが収容されるバッテリ収容室へ
連通する空気取入通路と、該空気取入通路に設けられて
前記第1取入口と前記第2取入口とをの開度を切換可能
な空気取入口切換手段と、前記バッテリ温度検出手段に
よって検出されるバッテリ温度が第1所定値以下である
ときに前記空気取入口切換手段によって前記第2取入口
の開度に対する前記第1取入口の開度を増大させる制御
手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0010】従って、車両がエンジン走行モードあるい
はバッテリ走行モードにて走行する場合、バッテリが極
低温であるとき、即ち、バッテリ温度検出手段によって
検出されたバッテリ温度が第1所定値以下であるとき
に、空気取入口切換手段によって第1取入口側の開度が
増大され、第1取入口から空気取入通路を通してバッテ
リ収容室へ導入されるエンジン周囲の空気の風量が増大
することとなり、極低温のバッテリは暖機され、性能の
低下が抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0012】本発明のハイブリッド電気自動車は、エン
ジン及び発電機、バッテリを搭載しており、エンジンを
運転させて走行(エンジン走行モード)可能であると共
に、バッテリの電力によって走行(バッテリ走行モー
ド)可能となっている。このハイブリッド電気自動車は
バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段として
の温度センサを有し、前端部にエンジン周囲の空気を取
り込む第1取入口が形成されると共に、車外空気を取り
込む第2取入口が形成された空気取入通路が設けられ、
この空気取入通路の後端部はバッテリが収容されている
バッテリ収容室へ連通している。そして、この空気取入
通路には空気取入口切換手段としての、例えば、第1取
入口と第2取入口とを選択的に切換可能な切換ダンパが
設けられている。制御手段としてのコントロールユニッ
トは、温度センサが検出したバッテリ温度が入力され、
且つ、切換ダンパを操作可能となっており、このバッテ
リ温度が予め設定された第1所定値以下であるときに、
切換ダンパによって第1取入口に切換えるようになって
いる。
【0013】従って、車両がエンジン走行モードあるい
はバッテリ走行モードにて走行しているとき、バッテリ
の初期充電時や寒冷時などで、このバッテリが極低温、
即ち、温度センサによって検出されたバッテリ温度が第
1所定値以下であるときには、切換ダンパによって第1
取入口に切換えることにより、第2取入口の開度に対す
る第1取入口の開度が増大され、第1取入口から空気取
入通路を通してバッテリ収容室へ導入されるエンジン周
囲の暖かい空気の風量が増大することとなり、極低温の
バッテリは暖機され、走行性能の低下が抑制される。
【0014】また、本発明のハイブリッド電気自動車に
おいて、コントロールユニットは、バッテリ温度が第1
所定値以下であるときに、エンジン走行モードに強制的
に切り換えるようにしている。
【0015】従って、バッテリ走行モードにてバッテリ
が極低温であるときは、エンジン走行モードに強制的に
切り換えられることで、エンジンが作動して周囲の空気
温度も上昇することから、この暖まった空気がバッテリ
収容室へ導入されることとなり、バッテリの暖機を効率
よく促進して走行性能の低下が抑制される。
【0016】また、本発明のハイブリッド電気自動車に
おいて、バッテリ収容室にこの内部の換気を行う換気用
ファンが設けられ、コントロールユニットは、バッテリ
温度が第1所定値以下であるときに、切換ダンパによっ
て第2取入口の開度に対する第1取入口の開度を増大さ
せると共に、この換気用ファンを作動させるようにして
いる。
【0017】従って、バッテリが極低温であるときは、
切換ダンパによって第1取入口側の開度が増大すると共
に換気用ファンが作動することで、第1取入口から空気
取入通路を通してバッテリ収容室へ導入されるエンジン
周囲の暖かい空気の風量が増加することとなり、バッテ
リの暖機が効率よく促進される。
【0018】また、本発明のハイブリッド電気自動車に
おいて、コントロールユニットは、バッテリ温度が高
温、即ち、第1所定値より高い第2所定値以上であると
きに、切換ダンパによって第1取入口の開度に対する第
2取入口の開度が増大煤するようにしている。
【0019】従って、バッテリは充電が長時間にわたっ
て行われると発熱して高温となることから、温度センサ
によって検出されたバッテリ温度が第2所定値以上であ
るときには、切換ダンパによって第2取入口側の開度が
増大され、第2取入口から空気取入通路を通してバッテ
リ収容室へ導入される車外の冷たい空気の風量が増大す
ることとなり、高温のバッテリは冷却され、バッテリの
劣化を防止してバッテリ性能を安定して引き出すことが
できる。
【0020】また、本発明のハイブリッド電気自動車に
おいて、バッテリ収容室内の換気を行う換気用ファンが
設けられ、コントロールユニットは、バッテリ温度が第
2所定値以上であるときに、切換ダンパによって第1取
入口の開度に対する第2取入口の開度が増大するると共
に、この換気用ファンを作動させるようにしている。
【0021】従って、バッテリが高温であるときは、切
換ダンパによって第2取入口側の開度が増大すると共に
換気用ファンが作動することで、第2取入口から空気取
入通路を通してバッテリ収容室へ導入される車外の冷気
の風量が増加することとなり、バッテリの冷却が効率よ
く促進され、バッテリの耐久性が向上する。
【0022】また、本発明のハイブリッド電気自動車に
おいて、エンジンの後方にバッテリ収容室が配設され、
第1取入口はこのバッテリ収容室の前方に形成され、第
2取入口はバッテリ収容室の側方に形成されている。
【0023】従って、切換ダンパによって第1取入口に
切換えられると、バッテリ収容室の前方に形成された第
1取入口からエンジン周囲の空気が空気取入通路を通し
てバッテリ収容室へ導入されることとなり、一方、切換
ダンパによって第1取入口に切換えられると、バッテリ
収容室の側方に形成された第2取入口から車外空気が空
気取入通路を通してバッテリ収容室へ導入されることと
なり、暖気と冷気を効果的にバッテリ収容室へ導入する
ことが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】図1に本発明一実施例に係るハイブリッド
電気自動車の制御構成、図2に本実施例のハイブリッド
電気自動車によるバッテリ温度制御の流れを表すフロー
チャート、図3に本実施例のハイブリッド電気自動車と
してのトラックの概略構成、図4に本実施例のバッテリ
ボックス及びその収納部の側面視、図5にバッテリボッ
クスの平面視、図6にバッテリボックスの後面視を示
す。
【0026】本実施例のハイブリッド電気自動車として
のトラックにおいて、図3に示すように、車両11のシ
ャシフレーム12に搭載される原動機としてのエンジン
13は燃料にガソリンを使用する内燃機関(LPGやメ
タノールエンジンでもよい。)であり、このエンジン1
3の出力軸に発電機14が駆動連結されている。このエ
ンジン13と発電機14とでハイブリッド電気自動車の
発電システムを構成しており、発電機14には発電した
電力を蓄電するバッテリ15及び電動機としてのモータ
16が電気的に接続されている。そして、このモータ1
6の出力軸には駆動輪17が連結されている。
【0027】本実施例にあっては、多数のバッテリ15
をバッテリボックス18内に収容することができ、この
バッテリボックス18をシャシフレーム12上に前後方
向に沿って装着されて荷箱19を支持する左右の縦根太
20の間に形成されたバッテリボックス収納部21内に
収納可能であり、このバッテリボックス18は車両後方
へ引出せるようにスライド機構22によってスライド自
在となっている。また、この多数のバッテリ15を収容
したバッテリボックス18には、各バッテリ15に充電
可能に接続されると共に車外の図示しない充電設備に接
続可能な充電コネクタ23が装備されている。
【0028】従って、充電率が低下したバッテリ15に
対して発電機14からバッテリ15に電力が供給されて
充電が可能となっている。また、バッテリ15をバッテ
リボックス18と共に車体から取り外したときには、充
電設備からの図示しないコネクタをバッテリボックス1
8の充電コネクタ23に接続し、この充電設備から充電
コネクタ23を介してバッテリ15に電力が供給されて
充電が可能となっている。
【0029】ここで、前述したバッテリボックス18の
スライド機構22について説明する。図3及び図4に示
すように、枠型をなすシャシフレーム12上にはその両
側に前後方向に沿って左右一対の縦根太20が延設する
ように装着されている。この縦根太20は断面がコ字形
状をなして互いの開口が対向するように配設され、多数
の固定ボルト31によってシャシフレーム12に固定さ
れている。そして、この左右一対の縦根太20の互いに
対向する内面には水平支持面を有する第1レール32が
それぞれ固定されると共に、長手方向後端部(図4にて
右端部)に第1ローラ33がそれぞれブラケット34に
よって取付けられている。
【0030】一方、多数のバッテリ15を収容自在なバ
ッテリボックス18は上方が開口した箱型をなし、左右
一対の縦根太20の内面に対向するバッテリボックス1
8の左右の側面には、水平支持面を有する第2レール3
5がそれぞれ固定されると共に、長手方向前端部(図4
にて左端部)に第2ローラ36がそれぞれブラケット3
7によって取付けられている。
【0031】従って、バッテリボックス18の各第2ロ
ーラ36が左右の縦根太20の第1レール32上をそれ
ぞれ転動自在で、且つ、各第2レール35が縦根太20
の第1ローラ33上を移動自在に支持されており、バッ
テリボックス18はこの各レール32,35及び各ロー
ラ33,36からなるスライド機構22によって縦根太
20の長手方向、即ち、車両前後方向に沿って移動自在
となっている。
【0032】また、縦根太20の第1レール32は前端
部に段部32aが形成される一方、バッテリボックス1
8の第2レール35は後端部に段部35aが形成されて
いる。そして、前述したように、シャシフレーム12の
上方には左右の縦根太20によってバッテリボックス収
納部21が形成されており、このバッテリボックス収納
部21は車両後方に開口している。
【0033】従って、このバッテリボックス18をスラ
イド機構22によって車両前方移動し、バッテリボック
ス収納部21の前端まで移動すると、縦根太20の第1
レール32上を転動するバッテリボックス18の第2ロ
ーラ36が段部32aから脱落し、且つ、縦根太20の
第1ローラ33上を移動するバッテリボックス18の第
2レール35が段部35aによって脱落する。このと
き、縦根太20の第1レール32の上面に対してバッテ
リボックス18の第2レール35の下面が密着すること
で、互いの摩擦抵抗によってバッテリボックス18は縦
根太20に拘束される。このように多数のバッテリ15
を収容したバッテリボックス18はバッテリボックス収
納部21内で、第2レール35が第1レール32に密着
して多数のバッテリ15の総重量によって発生する摩擦
抵抗により、確実に拘束されて位置決め収納することが
できる。
【0034】一方、バッテリボックス18がバッテリボ
ックス収納部21に収納された状態から、バッテリボッ
クス18の第2ローラ36を段部32aから縦根太20
の第1レール32上に引上げ、且つ、第2レール35を
段部35aから第1ローラ33上に引上げた後に、バッ
テリボックス18をスライド機構22によって車両後方
に移動させ、バッテリボックス収納部21の後部開口か
ら車両後方へ引出すことで、バッテリボックス18を車
両から取り出すことができる。このように多数のバッテ
リ15を収容したバッテリボックス18をスライド機構
22によって容易にバッテリボックス収納部21の後部
開口から車両後方へ引出して車両から取り出すことがで
き、バッテリ15のメンテナンス等を効率よく行うこと
ができる。
【0035】ここで、このバッテリボックス18の内部
の構造について説明する。図5及び図6に示すように、
バッテリボックス18内には複数前後方向に沿って縦列
されたバッテリ15が4列設けられており、前後に隣接
するバッテリ15同士はそれぞれ接続プレート41によ
って接続され、絶縁カバー42によって被覆されてい
る。バッテリボックス18の後端部では左右に並設する
バッテリ15同士がそれぞれ接続ケーブル43によって
接続され、バッテリ15の接続部には絶縁カバー44が
取付けられている。一方、バッテリボックス18の前端
部では左右に並設するバッテリ15同士が接続ケーブル
45によって接続されており、このバッテリ15には配
電盤46を介して充電コネクタ23が接続されると共
に、バッテリボックス18の車体搭載時にモータ16及
び発電機14に接続可能な給電コネクタ47,48が接
続されている。
【0036】また、バッテリボックス18内にはバッテ
リ15の温度を検出するバッテリ温度検出手段としての
温度センサ49が設けられている。この温度センサ49
は左右に並設するバッテリ15の間に配設され、バッテ
リボックス18内の所定の位置に複数設けられている。
そして、各温度センサ49は接続ケーブル50によって
接続コネクタ51に接続されている。更に、バッテリボ
ックス18の後部には一対の電動モータ52によって回
転可能な一対の換気用ファン53及びダクト54が装着
されている。
【0037】本実施例のハイブリッド電気自動車にあっ
ては、バッテリ15の温度が極低温であった場合には、
エンジン周囲の暖かい空気をバッテリボックス18内取
り込んでこのバッテリ15を暖機し、バッテリ15の温
度が高温であった場合には、車両外部の冷たい空気をバ
ッテリボックス18内取り込んでバッテリ15を冷却す
るようにしている。
【0038】即ち、図1に示すように、バッテリボック
ス18の前面部の両側には前方に位置するエンジン13
の周囲の空気を取り込む暖気取入口(第1取入口)61
が形成されると共に、ガイド板62が取付けられてい
る。また、バッテリボックス18の前端両側部には車外
空気を取り込む冷気取入口(第2取入口)63が形成さ
れると共に、ガイド板64が取付けられている。この暖
気取入口61及び冷気取入口63は空気取入通路65に
よってバッテリ15が収容されているバッテリ収容室1
8aに連通している。そして、この空気取入通路65に
は暖気取入口61と冷気取入口63とを選択的に切換可
能な空気取入口切換手段としての切換ダンパ66が回動
自在に設けられ、駆動モータ67によって作動できるよ
うになっている。一方、バッテリボックス18の後面部
の両側には各ファン53に対向して取り込んだ暖気ある
いは冷気を外部に排出する排出口68が形成されてい
る。
【0039】制御手段としてのバッテリコントロールユ
ニット69は各温度センサ49と接続され、この温度セ
ンサ49が検出したバッテリ温度が入力されるようにな
っている。また、バッテリコントロールユニット69は
切換ダンパ66の駆動モータ67と接続され、入力され
たバッテリ温度に基づいて駆動モータ67を駆動し、切
換ダンパ66を回動して暖気取入口61と冷気取入口6
3とを選択的に切換する。この場合、温度センサ49が
検出したバッテリ温度が予め設定された第1所定値以下
であるときに、切換ダンパ66を冷気取入口63側に回
動して閉じ、暖気取入口61を開放して空気取入通路6
5と連通する。一方、バッテリ温度が予め設定された第
2所定値以上であるときに、切換ダンパ66を暖気取入
口61側に回動して閉じ、冷気取入口63を開放して空
気取入通路65と連通する。本実施例では、バッテリ1
5の安定した性能を確保するために、第1所定値を約1
5℃、第2所定値を約40℃と設定しているが、この数
値に限定されるものではない。
【0040】また、バッテリコントロールユニット69
には換気用ファン53の電動モータ52が接続されてお
り、バッテリ温度が予め設定された第1所定値以下であ
るとき、または、第2所定値以上であるときに、この電
動モータ52を駆動してファン53を作動するようにな
っている。更に、バッテリコントロールユニット69に
はエンジンコントロールユニット69が接続されてお
り、バッテリ温度が予め設定された第1所定値以下であ
るときはエンジン13を強制始動し、バッテリ温度がこ
の第1所定値以上になったときにはエンジン13の強制
始動を解除するようにしている。
【0041】以下、このバッテリ温度制御について、図
2のフローチャートに基づいて説明する。図2に示すよ
うに、車両がエンジン走行モードかバッテリ走行モード
にて走行しているとき、温度センサ49は常時バッテリ
15の温度を検出している。このとき、ステップS1に
おいて、バッテリ15の温度が第2所定値である40℃
以上かどうかを判定する。バッテリ15の極低温時、ス
テップS2に移行する。このステップS2にて、バッテ
リ15の温度が第1所定値である15℃以下かどうかを
判定するが、前述したように、バッテリ15は極低温で
あるため、ステップS3に移行する。
【0042】このステップS3では、バッテリコントロ
ールユニット69がエンジンコントロールユニット69
に指令し、エンジン13が始動していない場合には、こ
のエンジン13を強制始動する。そして、ステップS4
にて、切換ダンパ66を切り換えて暖気取入口61を開
放して空気取入通路65と連通すると共に、電動モータ
52を駆動してファン53を作動させる。すると、図1
に示すように、エンジン周囲の暖かい空気(黒塗りの矢
印)が暖気取入口61から空気取入通路65を通してバ
ッテリ収容室18aへ導入される。従って、極低温のバ
ッテリ15は暖機され、走行性能の低下が抑制される。
【0043】バッテリ15が暖機された状態で、車両が
エンジン走行モードかバッテリ走行モードにて走行して
いるとき、バッテリ15の温度が上昇して15℃より高
くなると、このステップS2からステップS6に移行す
る。このステップS6では、エンジンコントロールユニ
ット69に指令し、エンジン13の強制始動を解除し、
ステップS7にて、電動モータ52の駆動を停止してフ
ァン53の作動を停止する。
【0044】そして、車両が走行しながら、バッテリ1
5の充電が連続して行われていくと、このバッテリ15
が発熱して温度が上昇する。そして、ステップS1に
て、バッテリ15の温度が第2所定値である40℃以上
になると、ステップS8に移行する。このステップS8
では、切換ダンパ66を切り換えて冷気取入口63を開
放して空気取入通路65と連通すると共に、電動モータ
52を駆動してファン53を作動させる。すると、図1
に示すように、車両外部の冷たい空気(白抜きの矢印)
が冷気取入口63から空気取入通路65を通してバッテ
リ収容室18aへ導入される。従って、高温のバッテリ
15は冷却されると共に、バッテリ収容室18aの温度
が均一となって各バッテリ15の充電、給電効率が良く
なり、また、バッテリ損傷も低減して寿命が延びる。
【0045】そして、バッテリ15が冷却され、ステッ
プS1にて、バッテリ15の温度が40℃より低くなる
と、ステップS2,S6,S7に移行し、電動モータ5
2の駆動を停止してファン53の作動を停止する。
【0046】このように本実施例のハイブリッド電気自
動車にあっては、バッテリ15の極低温状態では、エン
ジン周囲の暖気を取り込んでバッテリ15を暖機する一
方、バッテリ15の高温状態では、外部の冷気を取り込
んでバッテリ15を冷却することとなり、バッテリ15
を適温に保持して安定した性能を発揮させることがで
き、車両の動力性能を安定させることができる。
【0047】なお、上述した実施例にあっては、暖気取
入口61と冷気取入口63とを選択的に切り換えるもの
としたが、暖気取入口61と冷気取入口63との開度の
割合を制御することで、バッテリ15の温度を適温に保
持するようにしてもよい。また、上述した実施例は、本
発明のハイブリッド電気自動車を、エンジン走行モード
時にエンジンによって発電機を駆動して得られる電力で
モータを駆動するシリーズ式ハイブリッド電気自動車に
適用した例を挙げて説明したが、エンジン走行モード時
にはエンジン出力で車輪を直接駆動するパラレル式ハイ
ブリッド電気自動車に適用しても同様の作用効果を奏す
ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて説明したように本
発明のハイブリッド電気自動車によれば、バッテリの温
度を検出するバッテリ温度検出手段を設け、エンジン周
囲の空気を取り込む第1取入口及び車外空気を取り込む
第2取入口を有してバッテリが収容されるバッテリ収容
室へ連通する空気取入通路を設けると共に、この第1取
入口と第2取入口との開度を切換可能な空気取入口切換
手段を設け、制御手段により、バッテリ温度が第1所定
値以下であるときに空気取入口切換手段によって第2取
入口の開度に対する第1取入口の開度を増大するように
したので、バッテリが極低温であるときは第1取入口か
ら空気取入通路を通してバッテリ収容室へ導入されるエ
ンジン周囲の暖かい空気の風量が増大することとなり、
極低温のバッテリを暖機することで、バッテリ性能の低
下を抑制し、バッテリ性能の安定化を図ることができ
る。
【0049】また、請求項2の発明のハイブリッド電気
自動車によれば、バッテリ温度が第1所定値以下である
ときに、エンジン走行モードに強制的に切り換えるよう
にしたので、バッテリ走行モードにてバッテリが極低温
であるときは、エンジン走行モードに強制的に切り換え
られることとなり、エンジンが作動して周囲の空気温度
も上昇することから、この暖まった空気がバッテリ収容
室へ導入され、バッテリの暖機を効率よく促進して走行
性能の低下を抑制することができる。
【0050】また、請求項3の発明のハイブリッド電気
自動車によれば、バッテリ収容室にこの内部の換気を行
う換気用ファンを設け、バッテリ温度が第1所定値以下
であるときには切換ダンパによって第1取入口の開度を
増大すると共にこの換気用ファンを作動させるようにし
たので、第1取入口から空気取入通路を通してバッテリ
収容室へ導入されるエンジン周囲の暖気の風量が増加す
ることとなり、バッテリの暖機を効率よく促進すること
ができる。
【0051】また、請求項4の発明のハイブリッド電気
自動車によれば、バッテリ温度が第1所定値より高い第
2所定値以上であるときに、切換ダンパによって第2取
入口の開度を増大するようにしたので、バッテリが連続
充電によって発熱して高温となったときには第2取入口
から空気取入通路を通してバッテリ収容室へ導入される
車外の冷たい空気の風量が増大することで、高温のバッ
テリを冷却し、バッテリの劣化を防止してバッテリ性能
を安定して引き出すことができる。
【0052】また、請求項5の発明のハイブリッド電気
自動車によれば、バッテリ収容室内の換気を行う換気用
ファンを設け、バッテリ温度が第2所定値以上であると
きには切換ダンパによって第2取入口の開度を増大する
と共に、この換気用ファンを作動させるようにしたの
で、第2取入口から空気取入通路を通してバッテリ収容
室へ導入される車外の冷気の風量が増加することとな
り、バッテリの冷却を効率よく促進してバッテリの耐久
性を向上することができる。
【0053】また、請求項6の発明のハイブリッド電気
自動車によれば、エンジンの後方にバッテリ収容室を配
設し、第1取入口をこのバッテリ収容室の前方に形成
し、第2取入口をバッテリ収容室の側方に形成したの
で、暖気と冷気を効果的にバッテリ収容室へ導入するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例に係るハイブリッド電気自動車
の制御構成図である。
【図2】本実施例のハイブリッド電気自動車によるバッ
テリ温度制御の流れを表すフローチャートである。
【図3】本実施例のハイブリッド電気自動車としてのト
ラックの概略構成図である。
【図4】本実施例のバッテリボックス及びその収納部の
側面図である。
【図5】バッテリボックスの平面図である。
【図6】バッテリボックスの後面図である。
【図7】一般的なハイブリッド電気自動車における走行
モードを説明するための走行距離に対するバッテリ充電
率の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
11 車両 13 エンジン 14 発電機 15 バッテリ 16 電動機 18 バッテリボックス 18a バッテリ収納室 21 バッテリボックス収納部 22 スライド機構 49 温度センサ(バッテリ温度検出手段) 52 電動モータ 53 換気用ファン 61 暖気取入口(第1取入口) 63 冷気取入口(第2取入口) 65 空気取入通路 66 切換ダンパ(空気取入口切換手段) 69 バッテリコントロールユニット(制御手段) 70 エンジンコントロールユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを運転させて走行するエンジン
    走行モードとバッテリの電力によって走行するバッテリ
    走行モードとを有するハイブリッド電気自動車におい
    て、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手
    段と、前記エンジン周囲の空気を取り込む第1取入口及
    び車外空気を取り込む第2取入口を有して前記バッテリ
    が収容されるバッテリ収容室へ連通する空気取入通路
    と、該空気取入通路に設けられて前記第1取入口と前記
    第2取入口とをの開度を切換可能な空気取入口切換手段
    と、前記バッテリ温度検出手段によって検出されるバッ
    テリ温度が第1所定値以下であるときに前記空気取入口
    切換手段によって前記第2取入口の開度に対する前記第
    1取入口の開度を増大させる制御手段とを具えたことを
    特徴とするハイブリッド電気自動車。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド電気自動車
    において、前記制御手段は、前記バッテリ温度が第1所
    定値以下であるときに前記エンジン走行モードに強制的
    に切り換えることを特徴とするハイブリッド電気自動
    車。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のハイブリッド電気自動車
    において、前記バッテリ収容室内の換気を行う換気用フ
    ァンが設けられ、前記制御手段は、前記バッテリ温度が
    第1所定値以下であるときに、前記空気取入口切換手段
    によって前記第2取入口の開度に対する前記第1取入口
    の開度を増大させると共に、前記換気用ファンを作動さ
    せることを特徴とするハイブリッド電気自動車。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のハイブリッド電気自動車
    において、前記制御手段は、前記バッテリ温度が第1所
    定値より高い第2所定値以上であるときに前記空気取入
    口切換手段によって前記第1取入口の開度に対する前記
    第2取入口の開度を増大させることを特徴とするハイブ
    リッド電気自動車。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のハイブリッド電気自動車
    において、前記バッテリ収容室内の換気を行う換気用フ
    ァンが設けられ、前記制御手段は、前記バッテリ温度が
    第2所定値以上であるときに、前記空気取入口切換手段
    によって前記第1取入口の開度に対する前記第2取入口
    の開度を増大させると共に、前記換気用ファンを作動さ
    せることを特徴とするハイブリッド電気自動車。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のハイブリッド電気自動車
    において、前記エンジンの後方に前記バッテリ収容室が
    配設され、前記第1取入口は該バッテリ収容室の前方に
    形成され、前記第2取入口は該バッテリ収容室の側方に
    形成されたことを特徴とするハイブリッド電気自動車。
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