JPH09275285A - フレキシブルプリント基板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラ等の内部前面側に装着するフレキシブ
ルプリント基板をバランスよくかつ他部材と干渉しない
ように係止保持可能にする。 【解決手段】 カメラ本体内の前面にフレキシブルプリ
ント基板１１をカバーレイフイルムの開口部を中心にし
て折り返して組む込む時に、カメラ本体の受け面２１に
ビス２３で固着する固定側の面１１ａに軸２２に係合す
る穴１４を、折り返し側の面１１ｂに軸２２に係合する
穴１５を同一線上にそれぞれ設け、その折り返し中心線
１２に対してそれぞれの穴１４，１５までの距離Ｌ₁，
Ｌ₂を変え、その一方の距離が他方の距離よりフレキシ
ブル基板外形とカバーレイフイルムとの位置ずれ分０．
６ｍｍ以上大きくするように設定することで、組み込み
時に折り返し側の面１１ｂが軸２２に引き掛るように係
止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カメラの前面側で
撮影光学系近傍に配置して係止されるフレキシブルプリ
ント基板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、カメラのパトローネ室やスプール
室前面に配設されたフレキシブルプリント基板は図５に
示すように配設されていた。すなわち、パトローネ室や
スプール室前面に折り返されたフレキシブルプリント基
板５はカメラ本体１の前面側で撮影光学系２の近傍に配
設されており、このフレキシブルプリント基板５は通常
図示しないシーケンスコントローラや主たる回路パター
ンが搭載されており、比較的大きなスペースが必要とな
るので、前記のように撮影光学系２近傍の両側部やＡＦ
ブロック４の上部といったまとまったスペースがある場
所に配設されている。また、主たる回路パターンに従属
する多数の面実装部品を効率よく配置するために、フレ
キシブルプリント基板５は内側に面実装部品を配設でき
るある一定以上の空間スペースを有して折り返して組み
込まれている。このフレキシブルプリント基板５の折り
返された面は他の部材との係止部６の個所にて半田付け
されて浮き上がり防止を含めて固定されている。さら
に、撮影光学系２を移動するために回動させているカム
筒３にフレキシブルプリント基板５が干渉しないように
十分な隙間が形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述従来例
では折り返されたフレキシブルプリント基板５の浮き上
がり防止を、フレキシブルプリント基板と他の固定部材
とを係合させることで防止しようとしているので、以下
のような欠点があった。すなわち、図５に示すような係
止部６と半田付けするような手段であると、折り返した
位置に対しある一方向に片寄り過ぎてバランスが悪く、
他の部品特に回動するカム筒３との干渉を避けるため、
十分な間隔を必要とするとともに、固定手段や部品追加
により安価に抑えることができない。

【０００４】また、図示した以外の場所でバランスよく
抑えようと、フレキシブルプリント基板の形状に新たに
抑え部材との係合のための形状変更したりするので、フ
レキシブルプリント基板自体が大きくなり、コストアッ
プするといった問題点があった。

【０００５】本発明は、前述従来例の欠点を除去し、フ
レキシブルプリント基板を折り返してカメラ本体に配設
する場合に他の部材に干渉しない保持を可能にしたフレ
キシブルプリント基板を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明はフレキシブルプリント基板の折り返えす
時の折り返し位置を中心にして、その固定側の面と折り
返し側の面の同一線上に、折り返し中心線からの距離を
互いに変えてそれぞれ穴を設け、これらの穴を取付受け
面から突出する軸に係合させたものである。

【０００７】

【発明の実施の態様】請求項１に示す本発明はカメラ本
体内の前面に折り返して組み込まれかつ面実装部品が半
田付けされたフレキシブルプリント基板において、折り
返し位置を中心にしてその固定側と折り返し側との同一
線上に穴を折り返し中心線からの距離を変えてそれぞれ
形成し、該それぞれの穴を前記前面に形成された軸に係
合して組み込まれることで、折り返される側の穴位置は
固定側の穴位置に対して折り曲げ中心を基準に長さが違
うので、組み込み時にカメラ本体の軸に引っかかるよう
に係止され、簡単にフレキシブルプリント基板を組み付
けることができる。また、係止用の軸をフレキシブルプ
リント基板の中心近傍に配設することで、係止した時に
特に位置ずれや浮き上がりも発生しない。

【０００８】請求項２に示す本発明はフレキシブルプリ
ント基板はカメラのパトローネ室またはスプール室前面
でかつ撮影光学系の近傍に左右がほぼ対称形状をなして
配置され、かつカバーレイフイルムの開口部を中心に折
り返され、その折り返し中心に対して、該折り返し中心
から固定側の穴までの距離Ｌ₁と該折り返し中心から折
り返し側の穴までの距離Ｌ₂との関係がフレキシブルプ
リント基板外形とカバーレイフイルムとの位置ずれをα
として、 Ｌ₁＞Ｌ₂＋α もしくは Ｌ₁＋α＜Ｌ₂ のように設定することで、組み込み時に折り返される側
の穴がカメラ本体の軸に引っかかるように係止され、簡
単にフレキシブルプリント基板を組み付けることができ
る。請求項３に示す本発明は該α値が０．６ｍｍ以上と
することで、折り返し側の面の保持が確実にできる。請
求項４に示す本発明は該カメラのパトローネ室またはス
プール室前面に形成された軸に係合する係合するフレキ
シブルプリント基板の固定側の穴と折り返し側の穴の穴
径が異なることで、さらに簡単にフレキシブルプリント
基板を組み付けることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の第１実施例を図１及び図２に
基づいて説明する。図１はフレキシブルプリント基板の
穴位置を示す要部展開平面図、図２はその折り返し時の
係止状態の側面図である。図１において、１１はフレキ
シブルプリント基板で、その折り返し中心線１２に対し
て平面設置側となる固定側の面１１ａと折り返し側の面
１１ｂとを形成している。１３は該フレキシブルプリン
ト基板１１の固定側の面１１ａと折り返し側の面１１ｂ
との間でその折り返し中心線１２を基準として形成され
るカバーレイフイルムの開口部である。１４は該フレキ
シブルプリント基板１１の固定側の面１１ａに設けた
穴、１５は同じく折り返し側の面１１ｂに設けた穴で、
ともに同一径であって、それぞれの面のほぼ中心近傍で
かつ同一線Ａ上に配設されている。また図２において、
２１はカメラ本体における該フレキシブルプリント基板
１１の受け面、２２は該受け面２１上に突設する軸で、
その上部には該フレキシブルプリント基板１１を取付け
た場合に折り返し側の面１１ｂの穴１５を係止する係止
溝２２ａが折り返し部分側と反対側に形成されている。
２３は該フレキシブルプリント基板１１の固定側の面１
１ａをカメラ本体に固定するビス、２４は該ビス２３に
嵌合して該フレキシブルプリント基板１１の固定側の面
１１ａを押える押え板である。

【００１０】以上の構成の本実施例において、不図示の
所定の回路パターン及び面実装部品の半田付けランド等
を形成しているフレキシブルプリント基板１１は折り返
し中心線１２に対して左右対称に近い形状が形成されて
いる。これは平面設置側となる固定側の面１１ａと折り
返し側の面１１ｂをほぼ同じ大きさに設定して折り返し
て使うことで、固定側の面１１ａの設置スペースを立体
的に使って有効利用できるためである。当然、この二つ
の面が全く違う形状であってもよい。また、該フレキシ
ブルプリント基板１１の固定側の面１１ａと折り返し側
の面１１ｂとの間に形成されるカバーレイフイルムの開
口部１３は図２に示すような内曲げＲを形成する時の半
円周の長さに相当するように設定されていて折り返され
てできる空間スペースＳの間に図示しない実装部品が上
下の面に配置できるようになっている。

【００１１】さらに該フレキシブルプリント基板１１の
固定側の面１１ａ及び折り返し側の面１１ｂにそれぞれ
形成した穴１４及び１５は、折り返し中心線１２からの
距離がそれぞれＬ₁及びＬ₂になるような位置に形成され
るいると、このＬ₁とＬ₂の関係はカバーレイフイルムと
外形の位置ずれαを許容し、 Ｌ₁＞Ｌ₂＋α と設定さ
れている。そして、該穴１４及び１５は同一径であると
ともに、それぞれの面のほぼ中心近傍に配設されてい
る。

【００１２】そこで、図２に示すようにカメラ本体にフ
レキシブルプリント基板１１を折り返して配設する場合
は、まず、フレキシブルプリント基板１１上の固定側の
面１１ａの穴１４をカメラ本体の受け面２１の軸２２に
係合させて、カメラ本体の受け面２１上にフレキシブル
プリント基板１１の固定側の面１１ａを配設し、この固
定側の面１１ａ上に押え板２４を置いてビス２３でカメ
ラ本体に固着する。次に、フレキシブルプリント基板１
１上のカバーレイフイルムの開口部１３を折り返し中心
として折り返すことで、カバーレイフイルムの開口部長
さを円弧とするＲが形成され、折り返し側の面１１ｂに
形成された穴１５を前記軸２２に係合させる。

【００１３】この時、折り返しのカバーレイフイルムの
開口部１３からそれぞれの穴１４と穴１５までの距離は
前述のようにＬ₁＞Ｌ₂であって、かつフレキシブルプリ
ント基板１１上の固定側の面１１ａはカメラ本体の受け
面２１に固着されているので、穴１５は常に折り返し側
のＲ部に向かって引張られようとしており、カメラ本体
の受け面２１の軸２２の係止溝２２ａに係止されること
になる。また、フレキシブルプリント基板１１の折り返
し側の面１１ｂは折り返しのＲ部を中心として浮き上が
ろうとしているので、折り返しのＲ部を基準とした空間
スペースＳが形成され、不図示の実装部品の配設が可能
となる。

【００１４】このように、フレキシブルプリント基板１
１上の固定側の面１１ａと折り返し側の面１１ｂのそれ
ぞれ形成された穴１４及び１５の壱を折り返し中心線１
２より変えることで、折り返し側の穴１５がカメラ本体
の受け面２１の軸２２に対して自然と引掛るようになる
ので、特に独立した他の部品を使うことなく、フレキシ
ブルプリント基板１１を係止するとともに空間スペース
Ｓを確保することができる。

【００１５】図３は本発明の第２実施例を示すものであ
る。説明を簡単にするために前述第１実施例と同一部分
には同一符号を付して相違する点を説明する。本実施例
ではフレキシブルプリント基板１１の折り返し中心線１
２から固定側の面１１ａの穴１４と折り返し側の面１１
ｂの穴１５までの距離Ｌ₁及びＬ₂の関係を Ｌ₁＋α＜
Ｌ₂ と設定し、かつ該穴１４及び１５を係合させるカ
メラ本体の受け面２１の軸２２の上部には該穴１５を係
止する係止溝２２ｂが折り返し部分側に形成されてい
る。その他の取付構成は前述第１実施例と同様である。

【００１６】以上の構成の本実施例において、フレキシ
ブルプリント基板１１の固定側の面１１ａの穴１４から
折り返し中心線１２までの距離Ｌ₁よりも折り返し中心
線１２から折り返し面１１ｂの穴１５までの距離Ｌ₂が
長いので、固定側の面１１ａの穴１４をカメラ本体の受
け面２１の軸２２に係合して固定側の面１１ａを組み付
け、押え板２４及びビス２３で固着した後、フレキシブ
ルプリント基板１１を折り返して折り返し側の面１１ｂ
の穴１５を軸２２の係止溝２２ｂに係合すると、穴１５
は折り返し部分のＲ部より押し出されようとするので、
軸２２の係止溝２２ｂに係止される。このように、前述
第１実施例とは距離Ｌ₁，Ｌ₂の関係を逆にしてもカメラ
本体の受け面２１の軸２２の係止溝２２ｂに係止するこ
とが可能で、空間スペースＳも同様に確保できる。

【００１７】なお、フレキシブルプリント基板の外形と
カバーレイフイルムの位置ずれについて特定した第１実
施例と第２実施例の値は、メーカーカタログデータで下
記により決定した。 回路パターンとフレキシブルプリント基板の外形のずれ＝０．３ｍｍ 回路パターンとカバーレイフイルムのずれ ＝０．３ｍｍ この時、フレキシブルプリント基板１１の外形の一つで
ある穴１４もしくは穴１５通り返し部のカバーレイフイ
ルムの位置ずれは最大０．６ｍｍであり、これ以上に相
互の穴を設定することで折り返し側の面１１ｂの保持が
確実となる。

【００１８】図４は本発明の第３実施例を示すものであ
る。本実施例では前述第１及び第２実施例のように軸２
２に係止溝２２ａ又は２２ｂを設けない代わりに、フレ
キシブルプリント基板１１の固定側の面１１ａの穴１４
の径を軸２２の径よりやや大きくし、折り返し側の面１
１ｂの穴１５の径を軸２２に嵌合もしくは圧入できるよ
うな径にして、両穴径を互いに異ならせたものである。
その他の取付構成は前述第１実施例と同様である。

【００１９】以上の構成の本実施例において、フレキシ
ブルプリント基板１１の固定側の面１１ａに形成された
穴１４をカメラ本体の受け面２１に設けた軸２２に係合
し押え板２４及びビス２３でカメラ本体に固着する。一
方、折り返し側の面１１ｂの穴１５の径は穴１４の径よ
りも小さいので、フレキシブルプリント基板１１を折り
返し中心近傍となるＲ部より折り返して折り返し側の面
１１ｂの穴１５を軸２２に嵌合させる。この嵌合により
カメラ本体の軸２２にフレキシブルプリント基板１１が
係止され、空間スペースＳが形成される。この時のそれ
ぞれの穴１４，１５と折り返し中心線１２までの距離の
関係はＬ₁＜Ｌ₂ またはＬ₁＞Ｌ₂のどちらでもよい。こ
のようにして、折り返し側の面１１ｂの穴１５をカメラ
本体の軸２２に嵌合もしくは圧入することで、フレキシ
ブルプリント基板１１の係止ができかつ係止位置を変え
ることで空間スペースＳを自由に設定できる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に示す本
発明はカメラ本体内の前面に折り返して組み込まれかつ
面実装部品が半田付けされたフレキシブルプリント基板
において、折り返し位置を中心にしてその固定側と折り
返し側との同一線上に穴を折り返し中心線からの距離を
変えてそれぞれ形成し、該それぞれの穴を前記前面に形
成された軸に係合して組み込まれることで、折り返され
る側の穴位置は固定側の穴位置に対して折り曲げ中心線
を基準に距離が違うことにより、簡単にフレキシブルプ
リント基板に組む付けることが可能となる。また、これ
らの穴をフレキシブルプリント基板の中心近傍に配設す
るので、取付時にフレキシブルプリント基板の位置ずれ
が起こりにくく、他の部材や機構部品と干渉することを
防止できる。

【００２１】請求項２に示す本発明はフレキシブルプリ
ント基板はカメラのパトローネ室またはスプール室前面
でかつ撮影光学系の近傍に左右がほぼ対称形状をなして
配置され、かつカバーレイフイルムの開口部を中心に折
り返され、その折り返し中心に対して、該折り返し中心
から固定側の穴までの距離Ｌ₁と該折り返し中心から折
り返し側の穴までの距離Ｌ₂との関係がフレキシブルプ
リント基板外形とカバーレイフイルムとの位置ずれをα
として、 Ｌ₁＞Ｌ₂＋α もしくは Ｌ₁＋α＜Ｌ₂ のように設定することで、組み込み時に折り返される側
の穴がカメラ本体の軸に引っかかるように係止され、確
実にフレキシブルプリント基板を組み付けることができ
る。請求項３に示す本発明は該α値が０．６ｍｍ以上と
することで、折り返し側の面の保持がより確実にでき
る。請求項４に示す本発明は該カメラのパトローネ室ま
たはスプール室前面に形成された軸に係合する係合する
フレキシブルプリント基板の固定側の穴と折り返し側の
穴の穴径が異なることで、簡単にフレキシブルプリント
基板を組み付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施例のフレキシブルプリン
ト基板の要部展開図である。

【図２】その折り返し取付時の側面図である。

【図３】本発明の第２実施例のフレキシブルプリント基
板の折り返し取付時の側面図である。

【図４】本発明の第２実施例のフレキシブルプリント基
板の折り返し取付時の側面図である。

【図５】従来例のフレキシブルプリント基板の取付構造
を有するカメラの構成図である。

【符号の説明】

１１・・フレキシブルプリント基板、１１ａ・・固定側
の面、１１ｂ・・折り返し側の面、１２・・折り返し中
心線、１３・・カバーレイフイルムの開口部、１４・・
固定側の穴、１５・・折り返し側の穴、２１・・カメラ
本体の受け面、２２・・軸、２２ａ，２２ｂ・・係止
溝、２３・・ビス、２４・・押え板、Ｓ・・空間スペー
ス。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラ本体内の前面に折り返して組み込
   まれかつ面実装部品が半田付けされたフレキシブルプリ
   ント基板において、折り返し位置を中心にしてその固定
   側と折り返し側との同一線上に穴を折り返し中心線から
   の距離を変えてそれぞれ形成し、該それぞれの穴を前記
   前面に形成された軸に係合して組み込まれることを特徴
   とするフレキシブルプリント基板。
2. 【請求項２】 該フレキシブルプリント基板はカメラの
   パトローネ室またはスプール室前面でかつ撮影光学系の
   近傍に左右がほぼ対称形状をなして配置され、かつカバ
   ーレイフイルムの開口部を中心に折り返され、その折り
   返し中心に対して、該折り返し中心から固定側の穴まで
   の距離Ｌ₁と該折り返し中心から折り返し側の穴までの
   距離Ｌ₂との関係がフレキシブルプリント基板外形とカ
   バーレイフイルムとの位置ずれをαとして、 Ｌ₁＞Ｌ₂＋α もしくは Ｌ₁＋α＜Ｌ₂ に設定することを特徴とする請求項１記載のフレキシブ
   ルプリント基板。
3. 【請求項３】 該α値が０．６ｍｍ以上であることを特
   徴とする請求項２記載のフレキシブルプリント基板。
4. 【請求項４】 該カメラのパトローネ室またはスプール
   室前面に形成された軸に係合する係合するフレキシブル
   プリント基板の固定側の穴と折り返し側の穴の穴径が異
   なることを特徴とする請求項１，２，３記載のフレキシ
   ブルプリント基板。