JPH09273078A - 合成繊維用処理剤及び該処理剤が付着したポリアミド繊維 - Google Patents

合成繊維用処理剤及び該処理剤が付着したポリアミド繊維

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JPH09273078A
JPH09273078A JP8083905A JP8390596A JPH09273078A JP H09273078 A JPH09273078 A JP H09273078A JP 8083905 A JP8083905 A JP 8083905A JP 8390596 A JP8390596 A JP 8390596A JP H09273078 A JPH09273078 A JP H09273078A
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JP
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treating agent
component
weight
fiber
agent
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JP8083905A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Terasawa
裕之 寺澤
Hideo Nagahara
秀夫 長原
Eiji Otsubo
栄治 大坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 延伸性、発煙性、耐熱性、平滑性、処理剤安
定性および乳化安定性が良好で、水系処理剤としてポリ
アミド繊維に付着させた場合に、製糸安定性が良好、且
つ物理的、化学的加工に耐え、繊維への水の浸透を抑制
でき、均一な表層結晶層を形成することが可能な繊維用
処理剤の提供。 【解決手段】 分子量400〜1000の平滑剤成分
(A)を40〜80重量%、多価アルコールのエチレン
オキサイド付加物を脂肪酸でエステル化してなる分子量
800〜3000の非イオン活性剤成分(B)を15〜
55重量%、及び、炭素数8〜20のアルコールの燐酸
エステルと炭素数8〜20のアルキルアミン又はそのエ
チレンオキサイド付加物との塩の成分(C)を0.5〜
5重量%含有し、かつ、前記成分(A)、(B)、
(C)の合計が、処理剤全体の85重量%以上を占める
繊維用処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、合成繊維、特にポ
リアミド繊維の製糸工程で付与されるための処理剤の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合繊繊維の製造においては、工程安定化
のために繊維に処理剤を付与している。その処理剤は、
水系処理剤と非水系処理剤とに大別され、合成繊維の性
質や用途によって使い分けられている。水系処理剤は非
水系処理剤に比較して、コスト面、防災面および安全面
などで有利であり、しかも、温度による粘度変化が少な
く、均一な品質の繊維が得られ易いことから、ポリエス
テル繊維などの吸水性の低い合繊繊維を製造する場合に
広く使用されている。
【0003】ところが、ポリアミド繊維などの吸水性の
高い結晶性ポリマーを製造する際に水系処理剤を適用す
ると、水の影響により繊維表面に結晶層が形成され易く
原糸強度が低下すること、および製糸時に水によるポリ
マーの膨潤が起こり易く、工程通過性が著しく低下する
ことなどの問題が生じる。そのため、特に高強力糸の製
造工程では非水系処理剤が多く使われてきた。
【0004】また、高強力糸以外のポリアミド繊維の製
造において水系処理剤を用いる方法としては、特開平3
−19968号公報に記載の方法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の水系処
理剤では、製糸工程中の糸揺れ等のトラブルを抑えるこ
とが難しく、延伸斑などをのトラブルが生じ、製糸性が
低下するし、さらに、得られる合成繊維に毛羽、太さ斑
などが生じ易く、高次加工においても撚糸後のコード強
力およびRFLで処理したコードの強力などが不十分と
なるという問題があった。
【0006】このように、ポリアミド繊維のような吸水
性の高い合成繊維から高強力糸を製造しようとする場合
に水系処理剤を用いると、延伸前にポリマーが膨潤して
糸揺れが発生し延伸斑などのトラブルが生じ、さらに、
表層の不均一な結晶化により延伸性が低下して原糸強度
が低下することになるため、非水系処理剤を適用せざる
を得なかった。しかし、非水系処理剤は、コスト面、防
災面および安全面などにおいて問題があり、水系液にし
て適用可能な処理剤が望まれていた。
【0007】そこで、本発明は、上述した従来技術にお
ける問題点を解決し、延伸性、発煙性、耐熱性、平滑
性、処理剤安定性および乳化安定性が均衡してすぐれる
と共に、水系処理剤として合成繊維に付着させた場合
に、引取りローラー上での糸揺れ、糸たるみ及び糸切れ
が少なく製糸安定性にすぐれるとともに、毛羽、太さ斑
が少なく、しかも高次加工において撚糸後の強力低下が
少なく、またレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液
(以下、RFL液と称する)で処理した後の強力低下も
少なく、合成繊維への水の浸透を抑制でき、均一な表層
結晶層を形成することが可能な合成繊維用処理剤の提供
を主たる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の合成繊維用処理剤は、分子量400〜10
00の平滑剤成分(A)を40〜80重量%、多価アル
コールのエチレンオキサイド付加物を脂肪酸でエステル
化してなる分子量800〜3000の非イオン活性剤成
分(B)を15〜55重量%、及び、炭素数8〜20の
アルコールの燐酸エステルと炭素数8〜20のアルキル
アミン又はそのエチレンオキサイド付加物との塩の成分
(C)を0.5〜5重量%含有し、かつ、前記成分
(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計が、
処理剤全体の85重量%以上を占めることを特徴とす
る。
【0009】そして、前記成分(A)、前記成分(B)
及び前記成分(C)の合計が、処理剤全体の85〜98
重量%を占めることが好ましく、固形分濃度5〜30重
量%の水系エマルジョン用の処理剤であることが好まし
い。
【0010】また、上記合成繊維用処理剤は、繊維に対
する付着量が0.3〜2.0重量%でポリアミド繊維に
付着していることが効果的である。
【0011】このような本発明は、含水給油してもポリ
マーへの吸水を抑制することができ、しかも、製糸用処
理剤に要求される他の特性も満足できる処理剤組成を見
出すことによりなされたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の合成繊維用処理剤は、分
子量400〜1000の平滑剤成分(A)を40〜80
重量%、多価アルコールエチレンオキサイド付加物を脂
肪酸でエステル化してなる分子量800〜3000の非
イオン活性剤成分(B)を15〜55重量%、炭素数8
〜20のアルコールの燐酸エステルと炭素数8〜20の
アルキルアミンまたはそのエチレンオキサイドとの塩の
成分(C)(以下、油膜強度向上剤成分(C)、又は、
(C)成分という)を0.5〜5重量%以下含有し、か
つ(A)、(B)及び(C)成分の合計が85重量%以
上であることを特徴とする。
【0013】上記平滑剤成分(A)(以下(A)成分と
いう)としては、1・6ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグライコール、ネオペンチルグライコールオキシピバ
レートなどと一塩基脂肪酸、例えばオレイン酸、エルシ
ン酸、イソステアリン酸およびラウリン酸などとの二価
エステル、ジオレイルアジペート、ジイソステアリルア
ジペートなどのアジピン酸エステル、およびジオレイル
チオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジプロピ
オネートなどのチオジプロピオン酸エステルなどが挙げ
られる。
【0014】上記(A)成分のなかでも、ジオレイルア
ジペート、ジイソステアリルアジペート、ジオレイルチ
オジプロピオネートおよびジイソステアリルチオジプロ
ピオネートが好ましく使用される。
【0015】この(A)成分は平滑剤として機能し、そ
の処理剤固形分中に占める含有量は40〜80重量%で
あり、特に45〜75重量%が好ましい。上記(A)成
分の含有量が40重量%未満では、処理剤の平滑性が不
十分になって糸切れが多発する傾向となり、一方、80
重量%を越えると、処理剤の乳化性および乳化安定性が
低下するため不適当である。
【0016】また、(A)成分の分子量を400〜10
00とすることによって製糸性を安定させて、高強力の
合成繊維を得ることができる。これに対し、分子量が4
00未満では、合成繊維の極圧性が低く、製糸性が低下
して高倍率延伸ができなくなる。逆に、分子量が100
0を越えると延伸ロール等との摩擦(即ち、対金属摩
擦)が高くなり、高倍率延伸する際にローラー表面と繊
維各単糸との摺動が円滑に行われ難くなり単糸切れが生
じる。
【0017】非イオン活性剤成分(B)(以下(B)成
分という)としては、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド
(EO)5〜25モル付加物トリオレート、硬化ヒマシ
油エチレンオキサイド(EO)5〜25モル付加物ジオ
レート、ヒマシ油エチレンオキサイド(EO)5〜25
モル付加物トリオレート、ヒマシ油エチレンオキサイド
(EO)5〜25モル付加物ジオレート、硬化ヒマシ油
エチレンオキサイド(EO)5〜25モル付加物ジステ
アレート、ヒマシ油エチレンオキサイド(EO)5〜2
5モル付加物トリステアレート、ヒマシ油エチレンオキ
サイド(EO)5〜25モル付加物ジステアレート、ト
リメチロールプロパン(EO)15〜25モル付加物ジ
オレート、トリメチロールプロパン(EO)15〜25
モル付加物ジステアレート、ソルビトール(EO)15
〜40モル付加物ペンタオレート、ソルビトール(E
O)15〜40モル付加物テトラステアレート、ソルビ
トール(EO)15〜40モル付加物トリオレート、ペ
ンタエリスリトール(EO)15〜40モル付加物トリ
オレート、およびペンタエリスリトール(EO)15〜
40モル付加物トリステアレートなどが挙げられる。
【0018】上記(B)成分のなかでも、とくに硬化ヒ
マシ油エチレンオキサイド(EO)5〜25モル付加物
トリオレート、トリメチロールプロパン(EO)15〜
25モル付加物ジステアレート、およびソルビトール
(EO)30〜40モル付加物ペンタオレートが好まし
く使用される。
【0019】この(B)成分が処理剤固形分中に占める
含有量は、15〜55重量%であり、好ましくは、20
〜60重量%、特に30〜50重量%であり、上記
(B)成分の含有量が15重量%未満では、合成繊維ポ
リマーに対する水の浸透防止効果が乏しく、55重量%
を越えると、処理剤が疎水性となり乳化が困難となるた
め不適当である。
【0020】また、この(B)成分の分子量が800未
満になると処理剤の耐熱性が不足する。逆に、分子量が
3000を越えると熱ローラと糸条の摩擦が大きくなり
平滑性が低下するし、さらに、処理剤自体の始濁点が上
がったり半固体になったりして処理剤安定性が低下す
る。
【0021】油膜強度向上剤成分(C)は、炭素数8〜
20のアルコールの燐酸エステルと炭素数8〜20のア
ルキルアミン又はそのエチレンオキサイド付加物との塩
であり、(A)成分及び(B)成分と併用することによ
り、油膜強度を向上させ、糸に付着した油剤の油膜切れ
を減少させ、ローラーなどによる擦過を軽減し、糸切れ
を減少させることができ、油膜強度向上剤として機能す
る。
【0022】この(C)成分における炭素数8〜20の
アルコールとしては、オクチルアルコール、2−エチル
ヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアル
コール、イソセチルアルコール、オレイルアルコールお
よびイソエイコサノールなどが挙げられる。そのアルコ
ールの炭素数が8未満では、分子量が小さいため、製糸
工程の熱により揮発して発煙発生の原因となり、また2
0よりも大きくなると、極圧性が低下して、延伸ローラ
ーとの糸条の摩擦が増大し、毛羽や糸切れが多発する傾
向となるため不適当である。
【0023】また、(C)成分において、上記アルコー
ル燐酸エステルとともに塩を形成する炭素数8〜20の
アルキルアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルア
ミン、ラウリルアミン、ラウリルモノメチルアミン、オ
レイルアミン、およびジメチルステアリルアミンなどが
挙げられる。そのアルキルアミンの炭素数が8未満で
は、処理剤から発生する臭気が著しくなって環境を悪化
を招き、また20を越えると、極圧性および潤滑性が低
下して操業性が悪化するため不適当である。
【0024】また、そのアルキルアミンのエチレンオキ
サイド付加物の付加モル数は1〜10モルであることが
好ましい。
【0025】なお、燐化合物の金属塩、例えばナトリウ
ム塩およびカリウム塩などは、他の処理剤成分との相溶
性に劣ることから、延伸ローラー上に堆積して、延伸ロ
ーラーの清掃周期の短縮、操業性の低下を招き易いため
好ましくない。
【0026】(C)成分の処理剤中に占める割合は0.
5〜5重量%であり、特に1〜3重量%が好ましい。
0.5重量%未満では極圧性および潤滑性の効果が不足
し、また5重量%を越えると耐熱性が悪化し、さらには
糸条と金属との摩擦係数が増大して糸切れが増加する傾
向となるため不適当である。
【0027】また、本発明の合成繊維用処理剤におい
て、上記(A)、(B)及び(C)の各成分の合計の含
有量は85重量%以上とすべきであり、85〜98重量
%、特に85〜95重量%が好ましい。85重量%未満
になると配合系全体の疎水性が不足するため、ポリマー
への水の浸透防止効果が十分でない。一方、あまりにも
多過ぎると乳化が困難となるため好ましくない。
【0028】本発明の合成繊維用処理剤においては、上
記(A)、(B)及び(C)の各成分とともに、非イオ
ン活性剤、アニオン活性剤、アミド化合物、酸化防止剤
などの他の乳化剤成分(D)を使用することができる。
これらの成分(D)のうちで非イオン活性剤としては、
アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、PE
Gエステル、および多価アルコールエステルエチレンオ
キサイド付加物などが挙げられる。
【0029】そのアニオン活性剤としては、脂肪酸石鹸
(オレイン酸石鹸、エルシン酸石鹸など)が挙げられ
る。また、アミド化合物としては、脂肪族アルカノール
アミド(ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジ
エタノールアミドなど)、および脂肪族アミンエチレン
オキサイド付加物(ラウリルアミンエチレンオキサイド
付加物、オレイルアミンエチレンオキサイド付加物な
ど)が挙げられる。
【0030】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン酸系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、およ
びイオウ系酸化防止剤が挙げられる。これら他の乳化剤
成分(D)の使用量は、通常2〜15重量%であればよ
い。本発明の合成繊維用処理剤は、ポリアミド繊維等の
合成繊維を製造するための溶融紡糸工程において、水で
乳化したエマルジョン処理液にして紡出糸条に給油され
ればよい。そのエマルジョン濃度は、通常5〜30重量
%、好ましくは10〜25重量%である。給油方法につ
いては、特に限定はなくノズル給油およびローラー給油
などが適用可能である。
【0031】油剤の付着量は合成繊維に対して通常純分
0.3〜2.0重量%、好ましくは、0.5〜1.5重
量%であればよい。
【0032】本発明の合成繊維用処理剤はポリアミド繊
維、特に、高粘度(98%硫酸相対粘度3.5以上)を
有するポリアミド繊維に対し有効であり、このポリアミ
ド繊維の製糸工程において水エマルジョン処理液にして
給油される。また、糸条繊度500デニール以上の産業
資材用ポリアミド繊維に好適である。
【0033】本発明に係る合成繊維用処理剤、とくに水
エマルジョン処理剤を工程的に有利に付与された合成繊
維、とくにポリアミド繊維は、とくに耐熱性、延伸性が
すぐれており、高次加工において撚糸後の強力低下が少
なく、またRFL液で処理した後の強力低下も少なく、
合成繊維への水の浸透を制御して、均一な表層結晶層を
形成することが可能であることから、タイヤコード、シ
ートベルト、重布、漁網、ロープ、およびVベルトなど
の糸条繊度500デニール以上の各種産業資材用ポリア
ミド繊維としてのすぐれた特性を発揮する。
【0034】
【実施例】以下の実施例および比較例における評価は、
次の方法によった。 [延伸性]ポリマー重量で1トン分のナイロンフィラメ
ントを延伸する間に発生した糸切れ回数(回/t)で示
す。
【0035】[発煙性]延伸時にホットローラーにおけ
る発煙状態を肉眼で観察し、次の基準で評価する。 ○;発煙がない、 △;発煙が少ない、 ×;発煙が多
【0036】[ホットローラの汚れ]延伸時のホットロ
ーラーにおける汚れの状態を観察し、次の基準で評価す
る。 ○;汚れがない、 △;汚れが少ない、 ×;汚れが多
い。 [平滑性]糸と金属との摩擦係数を測定する。
【0037】[処理剤安定性]処理剤を40℃で配合
後、25℃で3時間静置後の安定性を、次の基準で評価
する。 ○;透光性が良く、配合時の安定状態を維持し極めて良
好、 △;透光性はやや劣るが、分離、その他の性質の変化が
みられず良好、 ×;透光性が悪く、平滑性と非イオン活性剤との分離が
みられ不良。
【0038】[乳化剤安定性]処理剤配合後、O/W型
エマルジョンになるように乳化させ、3日間静置した後
の安定性を、次の基準で評価する。 ○;乳化時の状態を維持し極めて良好、 ×;乳化バランスが崩れ非イオン活性剤の分離やゲル化
がみられ不良。
【0039】[加硫後強力保持率]下撚数40t/10
cm、上撚数40t/10cmの未処理コードをリツラ
ー社製の“コンピュートリータ”ディッピング機を用い
て、接着剤を付与し、引続いて熱処理する。接着剤とし
ては下記の組成のRFL液を用い、液付着量が約5重量
%となるように液濃度および液絞り条件を調整する。 RFL液組成: レゾルシン 1.4重量部 ホルマリン(37%) 2.1 〃 水 25.3 〃 カセイソーダ(10%) 0.4 〃 ビニルピリジン・スチレン・ブタジェン・ターポリマラ
テックス(40.5%)44.4重量部 水 26.4 〃
【0040】熱処理条件は、乾燥ゾーンを160℃で1
20秒間定長で通過させた後、235℃の熱処理ゾーン
を40秒間で通過させる。その熱処理ゾーン出口の応力
(張力をディップコードの繊度で除した値)が1g/d
となるようストレッチをかける。次いで、ノルマライジ
ングゾーンで230℃で40秒間、1%の弛緩を与えて
熱処理する。ディップコードを未加硫ゴムシートに平行
に並べ、別の未加硫ゴムシートと合せてモールドにセッ
トし、175℃に設定したヒートプレス機で30分間加
硫処理した。ヒートプレス機からモールドを取り出した
後直ちにモールドを水冷し、ゴム中のコードを急激に自
由収縮させる。次いでゴムシートからコードを取り出
し、20℃、65%RHの温湿度調整室に24時間以上
放置した後、加硫コードの強力を測定し、加硫前のコー
ド強力との比を求める。
【0041】[接着力]下撚数32t/cm、上撚数3
2t/cmの未処理コード(1890d/2)を前記し
たRFL処理液及び熱処理条件で処理してディップコー
ドとなし、次の組成からなる未加硫ゴムに埋め込み、1
50℃×30分間加硫した後、強伸度引張り測定機を用
いて300mm/分の速度でゴムから剥離する力(1本
あたりの剥離抵抗力)を測定し、これを接着力(kg/
本)とする。 未加硫ゴムの組成: NRゴム 70部 SBRゴム 30〃 カーボンブラツク 40〃 亜鉛華 5〃 老化防止剤 25〃 プロセスオイル 3〃 硫黄 25〃 加硫促進剤 1〃
【0042】[実施例1、2及び比較例1〜6]189
0デニール、304フィラメントのナイロン6フィラメ
ント(相対粘度ηr 3.60)を通常の方法で溶融紡糸
し、得られた糸条に表1の組成からなる水系エマルジョ
ン型処理液をローラー給油法により糸条に対して1重量
%(原液量)付与した後、巻き取ることなく200℃で
延伸倍率5倍にホットローラーを用いて多段熱延伸し
た。
【0043】なお、表1における処理剤成分の各記号の
詳細は下記に示すとおりである。 A1…ジイソステアリルアジペート(分子量約650) A2…ジオレイルチオジプロピオネート(分子量約68
0) A3…2エチルヘキシルパルミテート(分子量約30
0) A4…トリメチロールプロパンモノステアレート・トリ
ラウレート(分子量約1600)
【0044】 B1…硬化ヒマシ油EO(15)トリステアレート(分
子量約2400) B2…オレイルアルコールEO(15)付加物(分子量
約930) B3…ステアリルアルコールE0PO付加物(分子量約
1400) C1…イソステアリルホスフェートステアリルモノメチ
ルアミン C2…オレイルホスフェートラウリルアミンEO(2)
付加物 C3…ラウリルホスフェートK塩 D1…ラウリルアミンEO(15)付加物 D2…“イルガノックス”245
【0045】
【表1】
【0046】処理して得られた各ポリアミド繊維につい
て、前記の評価を行ったところ、表2に示すとおりの結
果が得られた。表2から明らかなごとく、実施例1、2
の場合は、延伸性、加熱後強力保持率、接着性、発煙
性、耐熱性、平滑性、処理剤安定性及び乳化安定性の全
てにおいて優れていた。これに対し、比較例1〜6の場
合は、延伸性、加熱後保持率、接着性等が劣っていた。
【0047】
【表2】
【0048】[実施例3、4及び比較例7〜9]水系エ
マルジョン型処理液の組成を表3の組成に変更した以外
は、実施例1と同様にナイロン6繊維を製造した。
【0049】なお、表3における処理剤成分の各記号の
詳細は下記に示す通りである。 A5…ジオレイルアジペート(分子量約650) A6…ジイソステアリルチオジプロピオネート(分子量
約680) B1…硬化ヒマシ油EO(15)トリステアレート(分
子量約2400) B4…オレイルアルコールEO(15)付加物(分子量
約930) C1…イソステアリルホスフェートステアリルモノメチ
ルアミン C2…オレイルホスフェートラウリルアミンEO2モル
付加物 D1…ラウリルアミンEO(15)付加物 D2…イルガノックス245
【0050】
【表3】
【0051】処理して得られた各ポリアミド繊維につい
て、前記の評価を行ったところ、表4に示すとおりの結
果が得られた。
【0052】表4から明らかなごとく、実施例3、4の
場合は、延伸性、加熱後強力保持率、接着性、発煙性、
耐熱性、平滑性、処理剤安定性及び乳化安定性の全てに
おいて優れていた。これに対し、比較例7〜9の場合
は、延伸性、加熱後保持率、接着性等が劣っていた。
【0053】
【表4】
【0054】[実施例5、6及び比較例10〜13]水
系エマルジョン型処理液の組成を表5の組成に変更した
以外は、実施例1と同様にナイロン6繊維を製造した。
【0055】なお、表5における処理剤成分の各記号の
詳細は下記に示す通りである。 A1…ジイソステアリルアジペート(分子量約650) A3…2エチルヘキシルパルミテート(分子量約37
0) B6…硬化ヒマシ油EO(15)トリステアレート(分
子量約2400) B7…硬化ヒマシ油EO(25)付加物(分子量約20
50) C2…オレイルホスフェートラウリルアミンEO2モル
付加物 C4…イソステアリルホスフェートジメチルアミン D2…イルガノックス245 D3…ステアリルアミンEO(10)付加物
【0056】
【表5】
【0057】処理して得られた各ポリアミド繊維につい
て、前記の評価を行ったところ、表6に示すとおりの結
果が得られた。
【0058】表6の結果から明らかなごとく、実施例
5、6の場合は、延伸性、加熱後強力保持率、接着性、
発煙性、耐熱性、平滑性、処理剤安定性及び乳化安定性
の全てにおいて優れていた。これに対し、比較例10〜
13の場合は、延伸性、加熱後保持率、接着性等が劣っ
ていた。
【0059】
【表6】
【0060】
【発明の効果】本発明の合成繊維用処理剤は、ポリアミ
ド繊維のような吸水性の高い合成繊維を製造する際に付
与する水系処理剤として用いても、付与時にポリマー内
部への水の浸透が抑制でき、引取りローラー部での糸揺
れが少なく、均一な表層結晶層を形成し、製糸時の糸切
れ、単糸切れの少ない効果を奏する。
【0061】特に、均一な表層結晶層が形成されて、後
加工工程での熱的あるいは機械的な刺激に対し安定とな
り、高次加工において撚糸後の強力低下が少なく、また
RFL液で処理後の強力低下も少ない。
【0062】したがって、本発明の合成繊維用処理剤、
とくに水エマルジョン系処理剤を工程的に有利に付与さ
れた合成繊維、とくにポリアミド繊維は、耐熱性、延伸
性および染色性がすぐれており、高次加工において撚糸
後の強力低下が少なく、またRFL液で処理した後の強
力低下も少なく、合成繊維への水の浸透が抑制され、均
一な表層結晶層を形成することが可能であることから、
タイヤコード、シートベルト、重布、漁網、ロープ、お
よびVベルトなどの繊度500デニール以上の各種産業
資材用ポリアミド繊維としてのすぐれた特性を発揮す
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/325 D06M 15/27 15/27 13/32 13/44

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量400〜1000の平滑剤成分
    (A)を40〜80重量%、多価アルコールのエチレン
    オキサイド付加物を脂肪酸でエステル化してなる分子量
    800〜3000の非イオン活性剤成分(B)を15〜
    55重量%、及び、炭素数8〜20のアルコールの燐酸
    エステルと炭素数8〜20のアルキルアミン又はそのエ
    チレンオキサイド付加物との塩の成分(C)を0.5〜
    5重量%含有し、かつ、前記成分(A)、前記成分
    (B)及び前記成分(C)の合計が、処理剤全体の85
    重量%以上を占めることを特徴とする合成繊維用処理
    剤。
  2. 【請求項2】 前記成分(A)、前記成分(B)及び
    前記成分(C)の合計が、処理剤全体の85〜98重量
    %を占めることを特徴とする請求項1記載の合成繊維用
    処理剤。
  3. 【請求項3】 固形分濃度5〜30重量%の水系エマ
    ルジョン用の処理剤であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の合成繊維用処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の合成繊維用
    処理剤が付着していることを特徴とするポリアミド繊
    維。
  5. 【請求項5】 合成繊維用処理剤の付着量が、ポリア
    ミド繊維に対して0.3〜2.0重量%であることを特
    徴とする請求項4記載のポリアミド繊維。
JP8083905A 1996-04-05 1996-04-05 合成繊維用処理剤及び該処理剤が付着したポリアミド繊維 Pending JPH09273078A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000017573A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Toray Ind Inc 合成繊維用処理剤および合成繊維
CN102947501A (zh) * 2010-06-24 2013-02-27 松本油脂制药株式会社 气囊用合成纤维处理剂、气囊用合成纤维纤丝及气囊用基布
WO2022255435A1 (ja) * 2021-06-04 2022-12-08 竹本油脂株式会社 合成繊維用処理剤、及び合成繊維

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