JPH09272986A - 高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線及びその製造方法 - Google Patents

高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線及びその製造方法

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JPH09272986A
JPH09272986A JP10871496A JP10871496A JPH09272986A JP H09272986 A JPH09272986 A JP H09272986A JP 10871496 A JP10871496 A JP 10871496A JP 10871496 A JP10871496 A JP 10871496A JP H09272986 A JPH09272986 A JP H09272986A
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plating
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aluminum
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Masaaki Tsuchiya
正明 土屋
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高耐食性、耐曲げ等の加工性が要求されるか
ごマットや鋼より線、支持線、操作用ケーブルさらには
一般ロープ用等の素線。 【解決手段】 前処理ずみ線条材1にZnめっき6を施
し、この出口で付着している溶融状態のZnの表面側を
絞り落としてFe−Zn合金層に形成した後、Al濃度
8〜11wt%に保ってZn−Al合金めっき10を施
し、この立ち上がりで不活性ガスシールによって絞り1
1、制御した冷却スピードで冷却して、下層めっき2を
Fe−Zn−Al合金の組織とし上層めっき3をアルミ
リッチ相3aが点在した粒状組織に構成する、線条材1
に1浴目でZnめっきを施した後に2浴目でZn−Al
合金めっきを施した2浴めっき法による高耐食性亜鉛−
アルミニウム合金めっき線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐食性、耐曲げ
等の加工性が要求されるかごマットや鋼より線、支持
線、操作用ケーブルさらには一般ロープ用等の素線とし
て使用される高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線
及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、線条材(鋼線材)に1浴目でZn
(亜鉛)めっきを施し、この出口で軽く絞つた後、2浴
目でZn−Al(アルミニウム)合金めっき(Al濃度
5wt%近傍)を施し、この立ち上がりで不活性ガスシ
ールで絞つた後に冷却して、線条材に下めっき及び上層
めっきを施す2浴めっき法により製造して耐食性を高め
た高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線が開発され
ているが、この従来の製造方法では、1浴目のZn浴の
出口で付着した溶融Znを軽く絞り、2浴目は、Zn−
Al合金めっきのAl濃度の管理がし易いことや、Zn
単独のめっきに比較して良好な耐食性を有することか
ら、Al濃度4〜6wt%のZn−Al合金の共晶領域
でめっきが施されている。この組成で製造された高耐食
性亜鉛−アルミニウム合金めっき線の上層めっきは、完
全な共晶組成の場合は図5Aで示すようにα相(アルミ
リッチ相)とβ−Zn相の層状(パーライト)組織を呈
する。完全な共晶組成より若干ずれた亜共晶や過共晶組
成では、図5Bで示すように各々β−Zn相やα相を初
晶としてその間隙を上記パーライト組織が埋める混合組
織のめっき層を呈する。図5においてaは線条材、bは
下層めっき、c,c1は上層めっきを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の高耐食性亜鉛−
アルミニウム合金めっき線は、前記のようにZn浴の出
口で付着している溶融状態のZnを軽く絞り、比較的に
低いAl濃度4〜6wt%でZn−Al合金めっきを施
し急冷して製造されるため、上層めっきが図5のような
層状組織になつてこの層状の境界に沿い腐食が進行す
る。曲げ等の加工でクラックが発生して伝播し易い。ま
た、線条材に付着したZnがZn−Al合金に持ち込ま
れてAl濃度が低下しバラツキが生じ易いなど耐食性や
その信頼性、加工性等に課題がある。
【0004】本発明は、前記のような課題を解決するた
めに開発されたものであり、その目的とする処は、1浴
目で付着した溶融Znを適度に強く絞り落とし、2浴目
のZn−Al合金のAl濃度を適度に増量し冷却スピー
ドを制御して、下層めっきをFe−Zn−Al合金の組
織とし上層めっきをアルミリッチ相が点在した粒状組織
として、耐食性やその信頼性、加工性を向上した高耐食
性亜鉛−アルミニウム合金めっき線及びその製造方法を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、線条材に1浴
目でZnめっきを施した後に2浴目でZn−Al合金め
っきを施した2浴めっき法による高耐食性亜鉛−アルミ
ニウム合金めっき線において、線条材の下層めっきをF
e−Zn−Al合金の組織とし、上層めっきをAl濃度
8〜11wt%のZn−Al合金によつてアルミリッチ
相が点在した粒状組織に構成した高耐食性亜鉛−アルミ
ニウム合金めっき線に特徴を有し、下層めっきをFe−
Zn−Al合金の組織とし線条材及び上層めっきとの接
合性を高め、上層めっきをAl濃度8〜11wt%のZ
n−Al合金でアルミリッチ相が点在した粒状組織とし
て、腐食の進行を防止し曲げ等の加工による剥離やクラ
ックの発生等を効果的に低減するなど、優れた腐食性や
信頼性を発揮する。
【0006】また、前処理ずみ線条材にZnめっきを施
し、この出口で付着している溶融状態のZnの表面側を
絞り落としてFe−Zn合金層に形成した後、Al濃度
8〜11wt%に保つてZn−Al合金めっきを施し、
この立ち上がりで不活性ガスシールによつて絞り、制御
した冷却スピードで冷却して、下層めっきをFe−Zn
−Al合金の組織とし上層めっきをアルミリッチ相が点
在した粒状組織に構成する高耐食性亜鉛−アルミニウム
合金めっき線の製造方法に特徴を有し、Zn浴の出口で
付着した溶融Znの表面側を絞り落してFe−Zn合金
層に形成することにより、下層めっきをFe−Zn−A
l合金の組織として線条材及び上めっきとの結合性を高
め、Zn−Al合金浴へのZn持ち込みを防止してAl
濃度のバラツキを解消し、また、Zn−Al合金浴のA
l濃度8〜11wt%に増量して精度を保ち、かつ冷却
スピードを制御して、上層めっきを前記のようなアルミ
リッチ相が点在した粒状組織とし、前記のように優れた
耐食性やその信頼性を有する耐食性亜鉛−アルミニウム
合金めっき線に能率、精度良く連続して製造するなど加
工性を高めている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1Aに本発明の一実施例を示す
高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線のめっき層の
拡大模式図、図1Bにその製造工程、図2にその製造ラ
イン、図3,4にその特性図を示している。図1Aにお
いて1は前処理ずみの線条材(鋼線材等)、2は線条材
に施した下層めっき、h2は下層めっきの厚み、3は点
在したアルミリッチ相3aとβ−Zn相3bとの混在組
織の上層めっき、h3は上層めっきの厚み、hは下層め
っきと上層めっきとの総合めっき厚み(h2+h3)、
5は本発明の高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線
である。また、図1B及び図2に示した製造工程、製造
ラインにおいて、6,6aは前処理(洗浄等)ずみの線
条材1のZnめっきの工程及び浴槽、7,7aは絞りの
工程及び絞り装置(例えばアスベスト絞り)、8,8a
は冷却の工程及びスプレー装置(例えば水冷)、9,9
aはフラツクスと乾燥の工程及び乾燥炉9b付きフラツ
クス・乾燥装置、10,10aはZn−Al合金めつき
の工程及び浴槽、11,11aは不活性ガスシールによ
る絞りの工程及び絞り装置(例えば窒素ガス)、12,
12aは冷却の工程及びスプレー装置(例えば水冷)、
13は高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線5の巻
取の工程である。
【0008】図1Aに示す実施例は、線条材1に1浴目
でZnめっきを施した後に2浴目でZn−Al合金めっ
きを施した2浴めっき法による高耐食性亜鉛−アルミニ
ウム合金めっき線において、線条材1の下層めっき2を
Fe−Zn−Al合金の組織とし、上層めっき3をAl
濃度8〜11wt%のZn−Al合金によつてアルミリ
ッチ相3aが点在した粒状組織に構成した高耐食性亜鉛
−アルミニウム合金めっき線5になつている。
【0009】また、図1Bと図2に示す実施例は、前処
理ずみ線条材1にZnめっき6を施し、Zn浴の出口で
付着している溶融状態のZnの表面側を絞り落としてF
e−Zn合金層に形成した後、Al濃度8〜11wt%
に保つてZn−Al合金めっき10を施し、Zn−Al
合金浴の立ち上がりで不活性ガスシールによつて絞り1
1、制御した冷却スピードで冷却して、下層めっき2を
Fe−Zn−Al合金の組織とし上層めっき3をアルミ
リッチ相3aが点在した粒状組織に構成する高耐食性亜
鉛−アルミニウム合金めっき線5の製造方法になつてい
る。
【0010】さらに詳述すると、前記の高耐食性亜鉛−
アルミニウム合金めっき線5は、図1B及び図2に示す
製造工程、製造ラインによる2浴めっき法で製造され
る。即ち、前処理(洗浄等)ずみの線条材1は、20〜
35m/分程度の速度で通線され、先ず線条材1を浴槽
6aでZnめっき6し(Znめっき工程)、この出口の
絞り装置7aで強くアスベストにより絞り7(絞り工
程)、直後にスプレー装置8aで冷却8した後に(冷却
工程)、乾燥炉9b付きフラツクス・乾燥装置9aでフ
ラツクス9をつけて乾燥9bする(フラツクス・乾燥工
程)。具体的には、絞り工程7で線条材1に付着してい
る溶融状態のZnの表面側を比較的に強く絞り落し、F
e−Zn合金層のみを残存せしめ厚みを均等化して表面
を平滑とし、冷却工程8でそのFe−Zn合金層を適度
に冷却して、線条材1の表面に適度の厚さH2のFe−
Zn合金層が精度良く形成される。この線条材1表面の
下層めっき2の精度が高められて不めっきが防止され、
次工程のZn−Al合金10へのZn持ち込みが防止さ
れている。さらに、フラツクス・乾燥工程9によつて、
前記のFe−Zn合金層の表面に例えば塩化亜鉛を主成
分とするフラツクス9をつけて乾燥することにより、F
e−Zn合金層を適度の薄い厚み(h2:5〜20μ
m)に確定し、次工程のZn−Al合金10へのZn持
ち込みを防止して、上層めっき3との結合性を高めてい
る。浴槽10aにはAl濃度を8〜11%の範囲内に保
つたZn−Al合金が収容されている。
【0011】次に、下層めっきにフラツクスをつけて乾
燥した線条材1は、Zn−Al合金めっき10され(Z
n−Al合金めっき工程)、この立ち上がりで絞り装置
11aにより不活性ガスシールで絞り11された後(例
えば窒素ガスを使用,ガス絞り工程)、スプレー装置1
2aで冷却12(例えば水冷)して付着したZn−Al
合金を凝固し(冷却工程)、線条材1の表面に適度の厚
みh2:5〜20μmでFe−Zn−Al合金の下層め
っき2を形成し、Zn−Al合金の上層めっき3を適度
の厚みh3:35〜55μmに形成した高耐食性亜鉛−
アルミニウム合金めっき線5に連続して製造され、巻取
機で巻き取られる(巻取工程13)。
【0012】Zn−Al合金めっき工程10は、前記の
ようにZn−Al合金へのZn持ち込みが効果的に防止
されてAl濃度の低下が殆んどなくなり、Zn−Al合
金の持出量に対応させて同様なAl濃度のZn−Al合
金を補給する程度で、Zn−Al合金のAl濃度は8〜
11wt%の範囲内に精度良く保たれる。また、ガス絞
り工程11では、下層めっき2に付着したZn−Al合
金を不活性ガスシールによつて絞り(好ましくは窒素ガ
ス)で適量の厚みに調整して平滑化する。さらに、冷却
工程12は、図示省略した適宜の手段で線条材1の線速
等に対応させて冷却能力(例えば冷却水の温度等)に調
整される。具体的には、冷却スピードを200〜500
℃/秒に制御し付着しているZn−Al合金を適度の速
度で冷却して、線条材1に施した下層めっき2は比較的
に薄厚のFe−Zn−Al合金の組織に構成されるとと
もに、上層めっき3はアルミリッチ相3aが点在した粒
状組織に構成される。
【0013】前記の高耐食性亜鉛−アルミニウム合金め
っき線5は、図1Aに示す拡大模式図(顕微鏡写真)の
ように、線条材1の表面に下層めっき2が適度に薄い厚
みh2:5〜20μmでFe−Zn−Al合金の組織と
して一体的に精度良く構成されるとともに、下層めっき
2に上層めっき3が適度の厚みh3:30〜70μmで
アルミリッチ相3aが点在しその間をβ−Zn相3bで
埋めた粒状組織に一体的に形成される。
【0014】即ち、線条材1の表面には、適度に薄い厚
みh2でFe−Zn−Al合金の組織に構成された下層
めっき2が一体的に形成されて結合性が高められ、さら
に、適度の厚みh3でアルミリッチ相3aが点在した粒
状組織に構成された上層めっき3が下層めっき2に一体
的に形成されて結合性を高めた構造となり、総合的に下
層めっき2及び上層めっき3は、線条材1に結合された
厚さh(h2+h3)のめっき層に構成されて、腐食液
の進行や曲げ等の加工による剥離やクラツクの発生、伝
播等が著しく低減されている。また、上層めっき3は適
度の厚みh3に形成されて耐食性が十分に確保され、従
来の層状組織(図5参照)に比べ耐食性がほぼ2〜3倍
に改善される。例えば、かごマツトの編成用線材として
も好適な耐用年数が得られるなど、優れた耐食性、信頼
性及び耐久性が得られる。
【0015】
【実施例】線条材(5mmφ鋼線)に、Znめっきを施
した亜鉛めっき線(従来例a)、及び2浴めっき法でZ
n−Al合金のAl濃度と厚みを変えてそれぞれ複数の
高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線(従来例b,
比較例1〜4,実施例a)を製造して、これらを試料と
して塩水噴霧試験を実施し、図3のような上層めっきの
Al濃度とその厚みとの関連図、及び図4のような塩水
噴霧試験(海水に対応)による腐食減量の特性図が得ら
れた。さらに、線条材(2.6mmφ鋼線)に、従来の
2浴めっき法によりZn−Al合金のAl濃度4.5w
t%で製造して従来例c、及び本発明の2浴めっき法に
よりZn−Al合金のAl濃度9.5wt%で製造して
実施例bとし、この試料を屈曲(90度)し反復するこ
とによつてめっき層に割れ剥離が生じるまでの回数を測
定する屈曲試験をして表1が得られた。この表1は代表
例のみ示したものである。
【0016】
【表1】
【0017】図示において、従来例aは亜鉛めっき線で
ある。また、高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線
において、従来例bは従来製法によるAl濃度4〜6w
t%で厚みh3:30〜60μm、比較例1は本発明の
製法によるAl濃度7〜8未満wt%で厚みh3:30
〜70μm、比較例2は同製法によるAl濃度8〜11
wt%で厚みh3:20〜30未満μm、実施例a,b
は同製法によるAl濃度8〜11wt%で厚みh3:3
0〜70μm、比較例3は同製法によるAl濃度8〜1
1wt%で厚みh3:70超〜80μm、及び比較例4
は同製法によるAl濃度11超〜12wt%で厚みh
3:30〜70μmのみを各数例ずつ示している。
【0018】図4に示す塩水噴霧試験から明らかなよう
に、従来例bや各比較例及び実施例は、従来例aの亜鉛
めっき線に比べ耐食性が高くなつている。また、各高耐
食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線において、腐食減
量は、Zn−Al合金のAl濃度11wt%まで増加す
ることで低下し11wt%を越えると逆に増加する。さ
らに、比較例2は、めっき層が薄いため早期に発錆し、
比較例3は、めっき層が厚くなり過ぎてめっき割れが生
じ易いなどの評価が得られた。
【0019】また、表1から明らかなように、実施例b
は比較例cに比べ曲げ加工等による剥離やクラック等が
発生し難いなどの評価が得られた。さらにまた、前記の
各比較例及び実施例のめっき層を詳細に検査した結果、
好ましくはZn−Al合金めっき後の冷却スピードを2
00〜500℃/秒に制御することによつて、下めっき
2は、比較的に薄い厚みh2:5〜20μm程度でFe
−Zn−Al合金層の組織に精度良く形成されて、線条
材1及び上めっき3との結合性が高められる。また、上
めっき3は、厚みh3:30〜70μm程度でアルミリ
ッチ相3a(20%程度のAlを含む)が適度の微細な
点状になつてほぼ均等に配置され、加工の信頼性が高め
られることが確認された。なお、Zn−Al合金めっき
後の冷却スピードが500℃/秒を越えるとアルミリッ
チ相3aの点状形成に支障を来たし、200℃/秒より
も遅くなるとアルミリッチ相が大きくなり過ぎて耐食性
が低下することも確認された。
【0020】前記のような試験、検査等の結果、総合的
に図3に点線で示す範囲内の実施例において、下めっき
2は前記のようなFe−Zn−Al合金層の組織に精度
良く形成され、上層めっき3はAl濃度8〜11wt%
のZn−Al合金めっきで図1Aに示すような粒状組織
に精度良く形成されて、基本的に優れた耐食性、信頼性
及び耐久性が得られる評価が得られた。さらに、下めっ
き2は好ましくは比較的に薄い厚みh2:5〜20μm
程度とし、上層めっき3は好ましくはこの厚みをh3:
30〜70μm程度とし、あるいはまた、好ましくはZ
n−Al合金めっき後の冷却スピードを200〜500
℃/秒に制御することによつて、総合的に耐食性、信頼
性及び耐久性がさらに高められることも確認されてい
る。
【0021】
【発明の効果】本発明は前述のように構成され、線条材
にZnめっきを施した後にZn−Al合金めっきを施し
た2浴めっき法による高耐食性亜鉛−アルミニウム合金
めっき線において、線条材に施した下層めっきは、Fe
−Zn−Al合金の組織で適度に薄く精度良く形成され
て線条材及び上層めっきとの接合性が高められ、上層め
っきは、Al濃度8〜11wt%のZn−Al合金でア
ルミリッチ相が点在した粒状組織に構成され精度良く形
成されて、腐食液の進行や曲げ等の加工による剥離やク
ラックの発生等が効果的に低減されるなど、総合的に腐
食性や信頼性を著しく向上している。
【0022】また、その製造方法は前述のように構成さ
れ、少なくともZn浴の出口で付着している溶融状態の
Znの表面側を絞り落としてFe−Zn合金のみに形成
することにより、Zn−Al合金へのZn持ち込みを効
果的に防止し、下層めっきはFe−Zn−Al合金の組
織に精度良く形成されて線条材及び上層めっきとの接合
性が高められる。また、Al濃度8〜11wt%に保つ
てZn−Al合金めっきを施し、この立ち上がりで不活
性ガスシールによつて絞り、制御した冷却スピードで冷
却することにより、前記のZn持ち込みの防止とともに
Al濃度8〜11wt%に増量しこの精度が容易に保た
れて、上めっきは、アルミリッチ相が点在した粒状組織
に精度良く形成されるなど、総合的に前記のような高耐
食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線に能率、精度良く
製造されて、施工性、信頼性が著しく向上されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す下層及び上層めっきの
拡大模式図(A)及びその一製造工程図(B)
【図2】本発明の製造ライン図
【図3】上層めっきのAl濃度と厚みとの分布図
【図4】塩水噴霧試験による経過時間と腐食減量との特
性図
【図5】従来の高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき
線の下層及び上層めっきの拡大模式図(A)及び他の拡
大模式図(B)である。
【符号の説明】
1 線条材 2 下層めっき(Fe−Al−Zn合金) 3 上層めっき 3a アルミリッチ相(上層めっき) 3b β−Zn相(上層めっき) 5 高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線 6 Znめっき 7 絞り 8,12 冷却 9 フラックス 10 Zn−Al合金めっき 11 不活性ガスシールによる絞り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線条材に1浴目でZnめっきを施した後
    に2浴目でZn−Al合金めっきを施した2浴めっき法
    による高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線におい
    て、線条材の下層めっきをFe−Zn−Al合金の組織
    とし、上層めっきをAl濃度8〜11wt%のZn−A
    l合金によつてアルミリッチ相が点在した粒状組織に構
    成したことを特徴とする高耐食性亜鉛−アルミニウム合
    金めっき線。
  2. 【請求項2】 前処理ずみ線条材にZnめっきを施し、
    Zn浴の出口で付着している溶融状態のZnの表面側を
    絞り落としFe−Zn合金層に形成した後、Al濃度8
    〜11wt%に保つてZn−Al合金めっきを施し、Z
    n−Al合金浴の立ち上がりで不活性ガスシールによつ
    て絞り、制御した冷却スピードで冷却して、下層めっき
    をFe−Zn−Al合金の組織とし上層めっきをアルミ
    リッチ相が点在した粒状組織に構成することを特徴とす
    る高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線の製造方
    法。
JP10871496A 1996-04-05 1996-04-05 高耐食性亜鉛−アルミニウム合金めっき線及びその製造方法 Pending JPH09272986A (ja)

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