JPH09272927A - パラジウム含有溶液からNOxの除去方法 - Google Patents

パラジウム含有溶液からNOxの除去方法

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JPH09272927A
JPH09272927A JP11118396A JP11118396A JPH09272927A JP H09272927 A JPH09272927 A JP H09272927A JP 11118396 A JP11118396 A JP 11118396A JP 11118396 A JP11118396 A JP 11118396A JP H09272927 A JPH09272927 A JP H09272927A
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JP
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solution
palladium
gold
hydrochloric acid
nitric acid
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JP11118396A
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English (en)
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Takahiro Yamada
高裕 山田
Naoyuki Tsuchida
直行 土田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金、白金、ロジウム、パラジウム、卑金属を主
として含む塩酸−硝酸溶液から金と硝酸とを確実に除去
することができる除去方法を提供すること。 【解決手段】 金、白金、ロジウム、パラジウム、卑金
属を主として含む塩酸−硝酸溶液を、塩酸濃度3N以上
として80℃以上に加温し、その溶液の酸化還元電位
が、800mV以下となるように、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒドおよび蟻酸からなる群から選ばれ
た少なくとも1種類を添加するようにしたパラジウム含
有溶液からNOxの除去方法である。 【効果】 簡単に溶液中の硝酸根と金とを完全に沈殿分
離し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金、白金、ロジウ
ム、パラジウム、卑金属を主として含む塩酸−硝酸溶液
からNOxを容易かつ完全に除去することができるパラ
ジウム含有溶液からNOxの除去方法に関するものであ
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】銅精錬において電解工
程で生じる銅電解スライム中には、金、銀、白金族など
の貴金属を含有している。この銅電解スライムから貴金
属を回収するための一般的な方法としては以下の方法が
ある。
【0003】すなわち、まず銅とセレンを分離除去し、
その後還元溶解して貴金属と鉛との合金である貴鉛を
得、この貴鉛を酸化精製して鉛やビスマスなどを除去
し、粗銀を得る。次いで、この粗銀を溶解鋳造してアノ
ードを得て、これを用いて電解精製して電気銅と銀電解
スライムとを得る。この銀電解スライムを硝酸に溶解し
て銀を除去した後、塩酸で処理して白金族を除去し、得
られた残渣を溶解鋳造してアノードとし、このアノード
を用いて電解精製して電気金を得る。このようにして、
前記各工程で発生した抽出液や電解液から白金族を回収
する方法がある。
【0004】これらの貴金属は高価であり、回収期間が
短ければ短いほど金利が減少し、コストの低下を図るこ
とができる。このために、銅電解スライムからできるだ
け早く貴金属を回収する方法が検討され、種々の方法が
提案されている。その1つに、溶媒抽出を用いた貴金属
の回収方法がある。これは、銀電解スライムを硝酸溶解
し、得られた溶解液を中和し、生成した中和沈殿物を塩
酸で溶解して金、白金、ロジウム、パラジウムとその他
の卑金属とを含む混酸溶液を得、この混酸溶液を始液と
し、各金属を溶媒抽出法を用いて分離し、回収しようと
する方法がある。
【0005】通常、前記の混酸溶液は、下記の表1に示
すような組成のものであり、この溶液からのパラジウム
の抽出分離については、溶媒抽出に際し、硫酸第一鉄を
添加して金を沈殿させ、得られた液に抽出剤として硫化
ジーnーヘキシルを添加した有機溶媒を接触させパラジ
ウムを抽出分離する方法が知られている(たとえば、特
開昭51ー84702号公報、特開昭57ー79135
号公報)。
【0006】
【表1】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記表
1に示されいるよう混酸酸性溶液では、抽出剤として用
いる硫化ジーnーヘキシルのような硫化ジアルキルは容
易に酸化され、スルホキシドとなり劣化する。この劣化
に伴いパラジウムの抽出率の低下と、白金やロジウムな
どの金属の蓄積が増加し、抽出分離が悪化して抽出工程
に支障を来すことになるという問題がある。
【0008】また硫化ジアルキルによる金の抽出を防止
するために、硫酸第一鉄による金の還元においても、前
記溶液中の硝酸は、硫酸第一鉄を酸化し、その使用量を
高めることになる。このために、以後の工程において得
られる各金属中の不純物の割合が高くなるなどの問題が
ある。
【0009】本発明は、金、白金、ロジウム、パラジウ
ム、卑金属を主として含む塩酸ー硝酸溶液から金と硝酸
とを確実に除去することができる除去方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決し、前記目的を達成するために種々研究を重ねた
結果、ホルムアルデヒドが硝酸の分解効果があり、以後
の操作に影響を与えないことを見出して本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、金、白金、ロジウ
ム、パラジウム、卑金属を主として含む塩酸−硝酸溶液
を、塩酸濃度3N以上として80℃以上に加温し、該溶
液の酸化還元電位が800mV以下となるように、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよび蟻酸からな
る群から選ばれた少なくとも1種類を添加するパラジウ
ム含有溶液からNOxの除去方法を特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、金、白金、ロジ
ウム、パラジウム、卑金属を主として含む塩酸−硝酸溶
液の塩酸濃度を3N以上としたのはホルマリン還元時塩
酸濃度が3N以上で硝酸が遊離されやすく、ホルマリン
等により除去されるという理由からである。一方前記塩
酸濃度に上限はないが、経済上6N以下が好ましい。ま
た反応温度を前記のように80℃以上としたのは、80
℃より低いと、還元反応が十分でないからであり、より
好ましくは90℃以上で反応を行うことである。なお反
応を100℃以上の温度で行っても還元効果がそれ以上
向上せず突沸等の危険が生じる。したがって100℃が
上限となる。
【0012】ホルムアルデヒドと硝酸との反応は、反応
時間や空気の混入による再酸化の防止を考慮すれば、ほ
ぼ等量で完結し、反応生成物は、NOx、CO、H
Oであり、水溶液中に残留せず以後の操作に影響を与え
ないものである。
【0013】反応終点の判定は、NOxの発生状況で推
察できるものの、より精度のよい反応終点の判定と無人
操作を考慮すると、酸化還元電位による判定が好まし
く、この場合、標準水素電極を基準とする酸化還元電位
が概ね800mVで反応は終結する。このとき金も同時
に還元されて析出し、溶液から除去される。
【0014】本発明において、還元剤として、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒドおよび蟻酸からなる群
から選ばれた少なくとも1種類の還元剤を添加するよう
にしたのは、還元力と反応により生ずる生成物の影響を
考慮したものであり、たとえば、ヒドラジンでは還元力
が不十分であるからである。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面に基づい
て述べる。
【0016】図1は、本発明の実施例1によるホルマリ
ン還元時の硝酸および金濃度と還元電位との関係を示す
グラフ図であり、図2は、本発明の実施例2による溶液
の酸化還元電位とDHSO(ジヘキシルスルホキシド)
の生成量との関係を示すグラフ図であり、図3は、本発
明の比較例によるホルマリン還元時の硝酸および金濃度
と還元電位との関係を示すグラフ図である。
【0017】実施例1:銀電解スライムを、湿量で43
3.7kg(乾量で333.7kg)を62%硝酸28
0lで抽出し、得られた抽出液のpHを5.5になるま
で24重量%の水酸化ナトリウム溶液200lを加え
た。発生した沈殿物を分離し、35%塩酸62lと水と
を加えて溶解し、150lの下記する表2に示すような
組成の溶液を得た。
【0018】
【表2】 次に、得られた溶液を2等分し、一方を35%塩酸で塩
酸濃度3Nに調整し、この溶液を撹拌機付き反応槽に入
れ、溶液の温度を90℃に加温し、撹拌しながら定量ポ
ンプを用いて工業用ホルマリン(ホルムアルデヒド37
重量%)を添加した。溶液の酸化還元電位が840mV
となったところでホルマリンの添加を中止した。その
後、10分間放置し、溶液の酸化還元電位が800mV
以下で、かつ安定していることを確認して反応終了とし
た。
【0019】前記反応中に、適宜反応液を採取し、硝酸
銀と金との濃度を分析した。得られた結果を図1に示
す。この結果から硝酸銀の分解と金の析出とが効果的に
進行していることが分かる。なお、この溶液を一夜静置
したが、水溶液の酸化還元電位は変動しなかった。
【0020】実施例2:実施例1と同様にして得られた
溶液50mlと、硫化ジーnーヘキシルを20体積%含
むケロシン溶液50ml(相比(O/A)=1)とを9
6時間撹拌してPdを抽出した。
【0021】有機相と水相とを分離し、有機相を1Nの
塩酸溶液10mlで洗浄した後、6重量%のアンモニア
水25mlと接触させてPdを逆抽出した。
【0022】この操作を、次亜塩素酸ナトリウム(有効
塩素量12重量%)で溶液の還元電位を、740、84
0、940、1040、1140mVに調整した液につ
いてそれぞれ行った。
【0023】それぞれ得られた逆抽出後の有機相中のD
HSO(ジヘキシルスルホキシド)の生成量を分析し
た。得られた結果を、硝酸銀が残留している場合の結果
も合わせて図2に示す。この結果から広い酸化還元電位
の範囲で有機相の劣化が押さえられていることが分か
る。
【0024】比較例:実施例1で2等分した表2に示す
組成の溶液のもう一方の溶液を、塩酸濃度の調整を行わ
ずに溶液温度を55℃に加温した以外は、実施例1と同
様にして試験を行った。得られた結果を図3に示す。こ
の結果から脱硝酸は、十分行われないことが分かる。
【0025】このように、本発明に基づく実施例のほう
が、比較例の場合よりも有利であることが分かる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、ホルムアルデヒドが硝酸の分
解効果があり、以後の操作に影響を与えないことを見い
だしてなされたものであるから、簡単に溶液中の硝酸根
と金とを完全に沈殿分離でき、顕著な効果が認められ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるホルマリン還元時の硝
酸および金濃度と還元電位との関係を示すグラフ図であ
る。
【図2】本発明の実施例2による溶液の酸化還元電位と
DHSO(ジヘキシルスルホキシド)の生成量との関係
を示すグラフ図である。
【図3】比較例によるホルマリン還元時の硝酸および金
濃度と還元電位との関係を示すグラフ図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金、白金、ロジウム、パラジウム、卑金
    属を主として含む塩酸−硝酸溶液を、塩酸濃度3N以上
    として80℃以上に加温し、該溶液の酸化還元電位が8
    00mV以下となるようにホルムアルデヒド、パラホル
    ムアルデヒドおよび蟻酸からなる群から選ばれた少なく
    とも1種類を添加することを特徴とするパラジウム含有
    溶液からNOxの除去方法。
JP11118396A 1996-04-08 1996-04-08 パラジウム含有溶液からNOxの除去方法 Pending JPH09272927A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1061144A1 (de) * 1999-06-18 2000-12-20 W.C. Heraeus GmbH & Co. KG Verfahren zur Herstellung von Gold hoher Reinheit aus nitrathaltigen Edelmetall-Lösungen
JP2013031829A (ja) * 2011-07-07 2013-02-14 Mitsubishi Materials Corp 硝酸含有溶液の処理方法
CN104368357A (zh) * 2014-09-24 2015-02-25 中国科学技术大学 一种Pd@PtNi/C金属纳米催化剂及其制备方法和用途

Cited By (4)

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US6331200B1 (en) 1999-06-18 2001-12-18 W. C. Heraeus Gmbh & Co. Kg Method for preparing gold of high purity
JP2013031829A (ja) * 2011-07-07 2013-02-14 Mitsubishi Materials Corp 硝酸含有溶液の処理方法
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