JPH09272812A - 顔料組成物の製造方法、顔料組成物および着色剤組成物 - Google Patents
顔料組成物の製造方法、顔料組成物および着色剤組成物Info
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- JPH09272812A JPH09272812A JP8487096A JP8487096A JPH09272812A JP H09272812 A JPH09272812 A JP H09272812A JP 8487096 A JP8487096 A JP 8487096A JP 8487096 A JP8487096 A JP 8487096A JP H09272812 A JPH09272812 A JP H09272812A
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Abstract
な耐凝集性、耐結晶成長と安定性および分散体の流動性
を与え、かつ塗膜にした際の鮮明性に優れた顔料組成物
の製造方法を提供する。 【解決手段】C.I.ピグメントレッド177とジアン
トラキノン骨格を有する少なくとも一種類の化合物との
混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および
溶剤の存在下、機械的に混練し、顔料粒子を比表面積値
が50〜150m 2 /gとなるように微細に整粒するこ
とを特徴とする顔料組成物の製造方法。該製造方法によ
り製造した顔料組成物および該製造方法により製造した
顔料組成物とビヒクルとからなる着色剤組成物。
Description
した際の使用適性、特に非凝集性、結晶安定性および流
動性に優れ、また塗膜にした際の鮮明性、透明性に優れ
たC.I.ピグメントレッド177を含有する顔料組成
物の製造方法およびそれにより得られた該顔料組成物お
よび該顔料組成物とビヒクルとからなる着色剤組成物に
関する。
4’−ジアミノ−1,1’−ジアントラキノニル)は鮮
明な色調と高い着色力を有する、実用上有用な赤色顔料
である。しかしながら、オフセットインキ、グラビアイ
ンキおよび塗料のようなビヒクル、特に非水系ビヒクル
に分散した場合、安定な分散体を得ることが難しく、製
造作業上および得られる製品の価値に重大な影響を及ぼ
す種々の問題を引き起こすことが往々にして生じる。例
えば、微細な粒子からなるC.I.ピグメントレッド1
77を含む分散体はしばしば高粘度を示し、製品の分散
機からの取り出し、輸送が困難となるばかりでなく、更
に悪い場合には貯蔵中にゲル化を起し、使用困難となる
場合がある。
合、凝集による色別れや沈降などの現象により、展色物
において色むらや著しい着色力の低下となって現れるこ
とがある。さらに展色物の塗膜表面に関しては、光沢の
低下やレベリング不良等の状態を生じることがある。ま
たオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料等の非
水系ビヒクル中で、エネルギー的に不安定なC.I.ピ
グメントレッド177の結晶粒子がその大きさ、形態を
変化させて安定状態に移行するため、展色物において著
しい色相の変化、着色力の減少、粗大粒子の発生等によ
り商品価値を損なうことがある。
シアニン顔料やキナクリドン顔料を中心として、数多く
の提案がされている。その内容を技術的手法から分類す
ると大きく次のような2つに分けられる。第1の方法
は、USP3370971号公報およびUSP2965
511号公報に見られるように、酸化ケイ素、酸化アル
ミニウムおよび第3級ブチル安息香酸のように無色の化
合物で、顔料粒子の表面を被覆するものである。第2の
方法は、特公昭41−2466号公報およびUSP27
61865公報に代表されるように、有機顔料を母体骨
格とし、側鎖にスルホン基、スルホンアミド基、アミノ
メチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して
得られる化合物を混合する方法である。
ビヒクル中での顔料の非集合性、結晶安定性等に関する
効果が著しく大きく、また顔料組成物の製造の容易さか
ら判断しても非常に有利な方法である。特開昭63−1
72772公報には、特にC.I.ピグメントレッド1
77のスルホン化誘導体を混合する第2の方法が提案さ
れているが、この方法により得られた顔料組成物は品質
的に十分に満足できるものではない。
液晶ディスプレイのカラーフィルター用顔料分散体、イ
ンクジェットプリンターに用いるインクジェット用顔料
分散体等への応用が進められている。これらは顔料分散
体をより高機能なデバイス等への用途に用いようとする
もので、要求物性に合った顔料分散体を得るためには、
特に微細でかつ安定に分散する顔料が必要となる。
ためには、従来の方法により製造されたC.I.ピグメ
ントレッド177を含有する顔料組成物では、品質的に
十分なものとはいえず、要求物性を満足させることがで
きない。
グメントレッド177を含有する顔料組成物の上記の欠
点を改良し、顔料粒子が比表面積値で50〜150m2
/gとなるように微細でかつ均一な形状に整粒された顔
料組成物の製造を可能にすることにより、広範囲の組成
の非水系および水系ビヒクルに対して、良好な耐凝集
性、耐結晶成長性と安定性および分散体の流動性を与
え、かつ塗膜にした際の鮮明性、透明性に優れた顔料組
成物の製造方法を提供するものである。さらに本発明
は、オフセットインキ、グラビアインキ、塗料、プラス
チック用着色剤、水系カラー、捺染、トーニング剤、カ
ラートナー、カラーフィルタ用顔料分散体、インクジェ
ット用顔料分散体等の用途に優れた適性を有する顔料組
成物および該顔料組成物とビヒクルとからなる着色剤組
成物を提供するものである。
によって達成される。すなわち、本発明は、下式[1]
般式[2] 一般式[2]
基、下記一般式[3] 一般式[3]
2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−SO2 −、
−CH2 NHCOCH2 −、−CO−から選ばれる2価
の結合基を表し、R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原
子、置換基を有してもよい炭素数1〜18のアルキル
基、置換基を有してもよいアリール基、R5 とR6 とで
窒素原子または酸素原子を含んでもよく、炭素数5以下
のアルキル基を置換基として有してもよい5員または6
員のヘテロ環を表す。mは0〜6の整数を表す。)、又
は下記一般式[4] 一般式[4]
−、−CH2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−
SO2 −、−CH2 NHCOCH2 −、−CO−から選
ばれる2価の結合基を表す。R1 、R2 はそれぞれ独立
に水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基
を有してもよいフタルイミドメチルアミノ基、−NH
(CH2 )n NR3 R4 を表す。R3 、R4 は水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基を、nは1〜6の
整数を表す。)で示される基を表す。pは1〜8の整数
を表す。〕で示される化合物との混合物を、水溶性無機
塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的
に混練し、顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /
gとなるように微細に整粒することを特徴とする顔料組
成物の製造方法に関する。
造した顔料組成物に関する。更に本発明は一般式[2]
中のXが一般式[4]で表される化合物である上記顔料
組成物に関する。更に本発明は顔料粒子の比表面積値が
70〜110m2 /gである上記顔料組成物に関する。
からなる着色剤組成物に関する。更に本発明はビヒクル
がオフセットインキ用ビヒクルである上記着色剤組成物
に関する。更に本発明はビヒクルがグラビアインキ用ビ
ヒクルである上記着色剤組成物に関する。更に本発明は
ビヒクルが塗料用ビヒクルである上記着色剤組成物に関
する。更に本発明はビヒクルがプラスチック用ビヒクル
である上記着色剤組成物に関する。更に本発明はビヒク
ルが水系カラー用ビヒクルである上記着色剤組成物に関
する。
トレッド177と混合して用いられる、一般式[2]で
示される化合物の製造は、母体ジアントラキノン骨格へ
置換基Xを導入することにより行う。母体のジアントラ
キノン骨格への置換基Xの導入方法としては、置換基を
有してもよいフタルイミドメチル基は、硫酸中、ヒドロ
キシメチルフタルイミドと反応させる公知の方法により
導入することができる。一般式[3]の構造を有する置
換基の導入方法としては、母体のジアントラキノン骨格
に公知の方法により−SO2 Cl、−COCl、−CH
2 Cl、−CH 2 NHCOCH2 Cl等の置換基を導入
し、H2 N(CH2 )m NR5 R6 またはHNR5 R6
の構造を有するアミン成分と反応させることにより導入
することができる。一般式[4]の構造を有する置換基
の導入方法としては、母体のジアントキノン骨格が有す
るアミノ基と塩化シアヌルとの反応または母体のジアン
トラキノン骨格に公知の方法により導入したハロゲン
基、クロロメチル基等とメラミンとの反応によりまずト
リアジン骨格を導入し、次いでこのトリアジン骨格に残
ったハロゲン基、水酸基、アミノ基等をHN(CH2 )
n NR3 R4 (nは1〜6の整数を表す)の構造を有す
るアミン成分、アルコール類、ヒドロキシメチルフタル
イミドと反応させることにより導入することができる。
177と混合して用いられる、一般式[2]で示される
化合物中の、置換基を有してもよいフタルイミドメチル
基の例としては、フタルイミドメチル基、クロロフタル
イミドメチル基、ジクロロフタルイミドメチル基、メチ
ルフタルイミドメチル基、ジメチルフタルイミドメチル
基、ニトロフタルイミドメチル基、t−ブチルフタルイ
ミドメチル基等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
4 または−NR5 R6 で表されるアミン残基の例として
は、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ
基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソ
ブチルアミノ基、n−アミルアミノ基、イソアミルアミ
ノ基、n−ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−
エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルア
ミノ基、ステアリルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチル
アミノ基、N−メチルヘキシルアミノ基、ジ−n−オク
チルアミノ基、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ基、
2−ヒドロキシメチルアミノエタノール基、ジエタノー
ルアミノ基、3−アミノプロパノール基、2−アミノプ
ロパノール基、3−メトキシプロピルアミノ基、3−エ
トキシプロピルアミノ基、3−プロポキシプロピルアミ
ノ基、3−ブトキシプロピルアミノ基、3−(2−エチ
ルヘキシロキシ)プロピルアミノ基、3−ラウリロキシ
プロピルアミノ基、ピペリジニル基、2−ピペコリニル
基、4−ピペコリニル基、2,4−ルペチジニル基、
2,6−ルペチジニル基、3−ピペリジンメタノール
基、N−アミノピペリジニル基、N−アミノ−4−ピペ
コリニル基、2−ピペリジンエタノール基、ピロリジニ
ル基、3−ヒドロキシピロリジニル基、N−メチルホモ
ピペリジニル基、N−メチルピペラジニル基、1−アミ
ノ−4−シクロペンチルピペラジニル基、1−シクロペ
ンチルピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホニ
リル基、ジメチルアミノエチルアミノ基、エチルアミノ
エチルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、メチ
ルアミノプロピルアミノ基、ジメチルアミノプロピルア
ミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基、ジブチルア
ミノプロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノプ
ロピルアミノ基、ラウリルアミノプロピルアミノ基、ジ
エタノールアミノプロピルアミノ基、N−アミノエチル
ピペリジニル基、N−アミノエチル−4−ピペコリニル
基、N−アミノエチルモルホニリル基、N−アミノプロ
ピルピペリジニル基、N−アミノプロピル−2−ピペコ
ニル基、N−アミノプロピルモルホニリル基等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
ヒクルに含まれる樹脂成分のカルボキシル基等の部分と
強い親和性を示し、多種用途においてC.I.ピグメン
トレッド177の分散性の向上に寄与するものと考えら
れる。
合物の、C.I.ピグメントレッド177に対する配合
比は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部
に対して0.3〜30重量部が好ましい。0.3重量部
より少ないと効果が少なくなり、また30重量部より多
く用いても用いた分の効果は得られず、顔料組成物とし
て使用後の着色物の諸耐性を劣化させる恐れがある。最
も好ましいのは0.5〜20重量部である。
ド177と一般式[2]で示される化合物の機械的な混
練には、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、
ボールミル、アトライター、サンドミル等を用いること
ができるが、これらに限定されるものではない。
いる水溶性無機塩類としては、食塩、塩化カリウム、ボ
ウ硝等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。水溶性無機塩類は、C.I.ピグメントレッド17
7を100重量部に対して100〜2000重量部用い
るのが好ましく、300〜1000重量部用いるのが最
も好ましい。
いる溶剤は特に限定されないが、混練時に温度が上昇
し、溶剤が蒸発しやすい状態になるため、安全性の点か
ら高沸点の溶剤が好ましい。例としては、2−(メトキ
シメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2
−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシル
オキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレング
ルコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコ
ール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ
−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレン
グリコール等を挙げることができる。溶剤は、C.I.
ピグメントレッド177を100重量部に対して10〜
1000重量部用いるのが好ましく、50〜500重量
部用いるのが最も好ましい。
要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種
類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹
脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることがで
きる。用いられる樹脂は好ましくは室温で固体で、水不
溶性であり、かつ混練の際に溶剤を用いる場合には、そ
の溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。
ヒクルの例としては以下のものを挙げることができる。
オフセットインキ用ビヒクルの例としては、ロジン変性
フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、またはこれ
らの乾性油変性樹脂等20〜50重量%と、アマニ油、
桐油、大豆油等の乾性油0〜30重量%、n−パラフィ
ン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オ
レフィン等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げ
られる。
ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ライムロ
ジン、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹
脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、
エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ギルソナイト、ダ
ンマル、セラック等またはこれらの混合物、あるいは上
記樹脂またはこれらの混合物を水溶化した水溶性樹脂、
またはエマルション樹脂10〜50重量%と炭化水素、
アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、
エステル、水等の溶剤30〜80重量%からなるものが
挙げられる。
脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、塩化ビニ
ル、合成樹脂エマルション、シリコン樹脂、フッ素樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂等またはこれらの混合物、あるいは上記
樹脂またはこれらの混合物を水溶化した水溶性樹脂、ま
たはエマルション樹脂20〜80重量%と炭化水素、ア
ルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エ
ステル、水等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙
げられる。
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレ
ン系アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ
ビニルアルコール、セルロース系プラスチック、エポキ
シ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレ
ンサルファイト、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルケトン、さらにはこれらの複合物等が挙げ
られる。
オン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤、あるい
はスルホン酸アミド系、ヒドロキシステアリン酸系、ε
−カプロラクタム系の高分子分散剤から選ばれる少なく
とも1種と、グリセリン、エチレングリコール、トリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリ
ストール等の多価アルコール、水、必要によりアミン、
防腐剤、消泡剤等の助剤からなるものが挙げられる。
する。なお実施例において「部」は全て重量部を示す。 実施例1 粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式
[5]で示される化合物5.3部、粉砕した食塩600
部およびジエチレングリコール180部をステンレス製
1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃
で3時間混練した。次にこの混合物を温水4000部に
投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時混合物
は温水中で、十分に分散されたスラリー状になってい
た。混合物をろ過し、70℃の温水約12000部で十
分に洗浄して、食塩およびジエチレングリコールを除去
し、85℃の乾燥機中で乾燥して顔料組成物(a)95
部を得た。得られた顔料組成物について、比表面積を窒
素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結
果、90m2 /gであった。焼付け塗料用アルキドメラ
ミン樹脂ワニスに顔料組成物(a)を、顔料分が6重量
%となるように配合し、ボールミルで分散して塗料を調
整した。取り出し直後および1ヵ月貯蔵した時の粘度を
測定した結果を表1に示す。 式[5]
[6]で示される化合物11.1部、粉砕した食塩40
0部およびポリエチレングリコール150部をステンレ
ス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、10
0℃で3時間混練した。次にこの混合物を温水4000
部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時混
合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になって
いた。混合物をろ過し、70℃の温水約12000部で
十分に洗浄して、食塩およびポリエチレングリコールを
除去し、85℃の乾燥機中で乾燥して顔料組成物(b)
105部を得た。得られた顔料組成物について、比表面
積を窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定
した結果、95m2 /gであった。焼付け塗料用アルキ
ドメラミン樹脂ワニスに顔料組成物(b)を、顔料分が
6重量%となるように配合し、ボールミルで分散して塗
料を調整した。取り出し直後および1ヵ月貯蔵した時の
粘度を測定した結果を表1に示す。 式[6]
7(チバガイギー社製クロモフタルレッドA2B)を単
独で使用した比較例を、併せて表1に示す。
塗料は、比較例に比べ流動性、結晶の安定性に優れ、ま
た塗膜における色相の美麗さ、着色力の大きさ、光沢に
優れていた。また貯蔵安定性についても増粘の度合いが
少なく優れていた。
題となる色分かれ安定性についての実施例をもって比較
する。表1の実施例1、2に示される塗料を、アルキド
メラミン樹脂ワニスで予め調整した酸化チタンのベース
塗料で、顔料と酸化チタンの比率が1/10になるよう
にカットし、淡色塗料を得た。この淡色塗料をさらにキ
シレンで希釈してフォードカップNo.4で20秒(2
5℃)に調整し、試験管に注入してガラス壁面の変化を
観察した結果を表2に示す。本発明による顔料組成物が
優れた結果を示した。
[7]で示される化合物13.5部、粉砕した食塩10
00部およびジエチレングリコール200部をステンレ
ス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、12
0℃で3時間混練した。次にこの混合物を温水4000
部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時混
合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になって
いた。混合物をろ過し、70℃の温水約12000部で
十分に洗浄して、食塩およびジエチレングリコールを除
去し、85℃の乾燥機中で乾燥して顔料組成物(c)9
0部を得た。得られた顔料組成物について、比表面積を
窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した
結果、105m2 /gであった。グラビア用環化ゴムワ
ニスに顔料組成物(c)を、顔料分が10重量%となる
ように配合し、ビーズミルで分散してグラビアインキを
調整した。その流動性をC.I.ピグメントレッド17
7(チバガイギー社製クロモフタルレッドA3B)を単
独で使用して同様に調整したグラビアインキと、B型粘
度計を用いて比較したところ、顔料組成物(c)を使用
したものが著しく優れていた。また該グラビアインキで
印刷した印刷物の色調の鮮明性、透明性、着色力および
光沢に関する効果においても優れた結果が得られた。 式[7]
[8]で示される化合物1.0部、粉砕した食塩700
部およびジエチレングリコール200部をステンレス製
1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で
4時間混練した。次にこの混合物を温水4000部に投
入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時混合物は
温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。
混合物をろ過し、70℃の温水約12000部で十分に
洗浄して、食塩およびジエチレングリコールを除去し、
85℃の乾燥機中で乾燥して顔料組成物(d)97部を
得た。得られた顔料組成物について、比表面積を窒素ガ
スを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、
100m2 /gであった。グラビア用環化ゴムワニスに
顔料組成物(d)を、顔料分が10重量%となるように
配合し、ビーズミルで分散してグラビアインキを調整し
た。その流動性をC.I.ピグメントレッド177(チ
バガイギー社製クロモフタルレッドA3B)を単独で使
用して同様に調整したグラビアインキと、B型粘度計を
用いて比較したところ、顔料組成物(d)を使用したも
のが著しく優れていた。また該グラビアインキで印刷し
た印刷物の色調の鮮明性、透明性、着色力および光沢に
関する効果においても優れた結果が得られた。 式[8]
[9]で示される化合物1.5部、粉砕した食塩400
部およびジエチレングリコール250部をステンレス製
1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で
4時間混練した。次にこの混合物を温水4000部に投
入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時混合物は
温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。
混合物をろ過し、70℃の温水約12000部で十分に
洗浄して、食塩およびジエチレングリコールを除去し、
85℃の乾燥機中で乾燥して顔料組成物(e)95部を
得た。得られた顔料組成物について、比表面積を窒素ガ
スを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、
80m2 /gであった。グラビア用環化ゴムワニスに顔
料組成物(e)を、顔料分が10重量%となるように配
合し、ビーズミルで分散してグラビアインキを調整し
た。その流動性をC.I.ピグメントレッド177(チ
バガイギー社製クロモフタルレッドA3B)を単独で使
用して同様に調整したグラビアインキと、B型粘度計を
用いて比較したところ、顔料組成物(e)を使用したも
のが著しく優れていた。また該グラビアインキで印刷し
た印刷物の色調の鮮明性、透明性、着色力および光沢に
関する効果においても優れた結果が得られた。 式[9]
した顔料組成物(a)を使用して調整したグラビアイン
キでも、同様の優れた結果が得られた。
した顔料組成物(b)を使用して調整したグラビアイン
キでも、同様の優れた結果が得られた。
成物は、芳香族溶媒中において常温ではもちろん、16
0℃まで加熱しても結晶転移、成長は認められず、色相
および着色力の変化をきたさない。また、C.I.ピグ
メントレッド177をニーダーでの練肉を行わずに使用
した場合に比べて、本発明の製造方法により得られた顔
料組成物は、塗料またはグラビアインキ等の非水系ビヒ
クルに良好な分散性を示し、凝集を起こさないため、良
好な流動性を示すと同時に、異種顔料との混合使用にお
いても色別れまたは顔料の沈降を起こさない。したがっ
て、印刷物あるいは塗膜の光沢が良好となり、また美麗
な高分子着色物を得ることができる。本発明の製造方法
において、ニーダーでの練肉の際にC.I.ピグメント
レッド177に混合される一般式[2]で示される化合
物は、顔料粒子を微細でかつ均一な形状に整粒する上で
極めて高い効果を示す。本発明の製造方法により得られ
た顔料組成物は、C.I.ピグメントレッド177単独
でニーダーによる練肉を行い、得られた顔料組成物と比
較して、特に展色物塗膜の光沢、鮮明性および透明性が
著しく向上する。
Claims (10)
- 【請求項1】下式[1] 【化1】 で表される、C.I.ピグメントレッド177と下記一
般式[2] 一般式[2] 【化2】 〔式中、Xは置換基を有してもよいフタルイミドメチル
基、下記一般式[3] 一般式[3] 【化3】 (式中、Yは−CH2 NH−、−SO2 NH−、−CH
2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−SO2 −、
−CH2 NHCOCH2 −、−CO−から選ばれる2価
の結合基を表し、R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原
子、置換基を有してもよい炭素数1〜18のアルキル
基、置換基を有してもよいアリール基、R5 とR6 とで
窒素原子または酸素原子を含んでもよく、炭素数5以下
のアルキル基を置換基として有してもよい5員または6
員のヘテロ環を表す。mは0〜6の整数を表す。)、又
は下記一般式[4] 一般式[4] 【化4】 (式中、Zは−NH−、−CH2 NH−、−SO2 NH
−、−CH2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−
SO2 −、−CH2 NHCOCH2 −、−CO−から選
ばれる2価の結合基を表す。R1 、R2 はそれぞれ独立
に水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基
を有してもよいフタルイミドメチルアミノ基、−NH
(CH2 )n NR3 R4 を表す。R3 、R4 は水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基を、nは1〜6の
整数を表す。)で示される基を表す。pは1〜8の整数
を表す。〕で示される化合物との混合物を、水溶性無機
塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的
に混練し、顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /
gとなるように微細に整粒することを特徴とする顔料組
成物の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法により製造した顔
料組成物。 - 【請求項3】一般式[2]中のXが一般式[4]で表さ
れる化合物である請求項2記載の顔料組成物。 - 【請求項4】顔料粒子の比表面積値が70〜110m2
/gである、請求項2記載の顔料組成物。 - 【請求項5】請求項2乃至4記載の顔料組成物とビヒク
ルとからなる着色剤組成物。 - 【請求項6】ビヒクルがオフセットインキ用ビヒクルで
ある請求項5記載の着色剤組成物。 - 【請求項7】ビヒクルがグラビアインキ用ビヒクルであ
る請求項5記載の着色剤組成物。 - 【請求項8】ビヒクルが塗料用ビヒクルである請求項5
記載の着色剤組成物。 - 【請求項9】ビヒクルがプラスチック用ビヒクルである
請求項5記載の着色剤組成物。 - 【請求項10】ビヒクルが水系カラー用ビヒクルである
請求項5記載の着色剤組成物。
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