JP2015010201A - 顔料分散剤、顔料組成物、及び顔料着色剤 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を含む顔料分散剤。
[2]顔料と、前記[1]に記載の顔料分散剤と、を含有する顔料組成物。
[3]前記顔料100質量部に対する、前記一般式(1)で表される化合物の配合量が、0.5〜30質量部であり、前記顔料100質量部に対する、前記一般式(2)で表される化合物の配合量が、0.5〜30質量部である前記[2]に記載の顔料組成物。
[4]前記[2]又は[3]に記載の顔料組成物と、皮膜形成材料と、を含有する顔料着色剤。
[5]画像表示用、画像記録用、印刷インキ用、筆記用インキ用、プラスチック用、顔料捺染用、又は塗料用である前記[4]に記載の顔料着色剤。
[6]カラーフィルター用である前記[4]に記載の顔料着色剤。
以下、好ましい実施形態を例に挙げて本発明の詳細について説明する。本発明の顔料分散剤は、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを含むことが主要な特徴の一つである。このような特徴を有する本発明の顔料分散剤は、種々の顔料に対して優れた親和性を有しており、有機・無機を問わず、様々な顔料を分散させるための顔料分散剤として使用することができる。また、本発明の顔料分散剤は優れた顔料分散効果を有しているので、種々の用途の顔料着色剤を調製するための材料として使用することができる。以下、便宜上、一般式(1)で表される化合物のことを「第1の化合物」とも記す。また、一般式(2)で表される化合物のことを「第2の化合物」とも記す。
(1)顔料と顔料分散剤とを予め公知の方法で混合し、得られた顔料組成物をビヒクルなどに添加して顔料をビヒクル中に分散させる。
(2)ビヒクルなどに顔料と顔料分散剤を所定の割合で別々に添加して、顔料をビヒクル中に分散させる。
(3)顔料と顔料分散剤をそれぞれビヒクルなどに別々に分散させた後、得られた各分散液を所定の割合で混合し、顔料をビヒクル中に分散させる。
(4)ビヒクルなどに顔料を分散させて得られた分散液に、顔料分散剤を所定の割合で添加して、顔料をビヒクル中に分散させる。
本発明の顔料組成物は、顔料と、前述の顔料分散剤とを含有する。本発明の顔料組成物は、例えば、上記の顔料分散剤によって顔料を分散させることで得ることができる。顔料100質量部に対する一般式(1)で表される化合物の配合量は、0.5〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがさらに好ましい。また、顔料100質量部に対する一般式(2)で表される化合物の配合量は、0.5〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがさらに好ましい。顔料分散剤の配合量が少なすぎると、目的とする分散剤の効果が不十分になる場合がある。一方、顔料分散剤の配合量が多すぎても分散効果が頭打ちになるとともに、生産性の面で不利になる場合がある。さらには、顔料分散剤を過剰に含有する顔料組成物を用いた塗料やインキのビヒクルの諸物性が低下したり、顔料分散剤自体の色によって顔料の色相が大きく変化したりする場合もある。
(1)顔料の紛末と顔料分散剤の粉末とを分散機を使用せずに混合する方法
(2)顔料と顔料分散剤とをニーダー、ロール、アトライター、横型ビーズミルなどの各種分散機で機械的に混合する方法
(3)顔料の水系又は有機溶剤系のサスペンションに、顔料分散剤を溶解又は微分散させた液を添加及び混合し、顔料の表面に顔料分散剤を均一に沈着させる方法
(4)硫酸などの強い溶解力を持った溶媒に顔料及び顔料分散剤を溶解させた後、水などの貧溶媒によって共析出させる方法
本発明の顔料着色剤は、前述の顔料組成物と、皮膜形成材料とを含有する。本発明の顔料着色剤は、例えば、微細化した前述の顔料組成物と、樹脂((共)重合体)、オリゴマー、又はモノマーなどの皮膜形成材料とを混合することで得ることができる。本発明の顔料着色剤は、画像表示用、画像記録用、印刷インキ用、筆記用インキ用、プラスチック用、顔料捺染用、塗料用などの着色剤として広範な分野で用いることができる。特に、着色画素の透明性が問題となる画像表示材料として、なかでもカラーフィルター用顔料着色剤として好適である。勿論、本発明の顔料着色剤は、インクジェットインク、電着記録液、電子写真方式用の現像剤などの画像記録剤用の材料としても有用である。これらの画像記録剤用の材料は、それぞれインクジェット記録方法、電着記録方式、電子写真方式などの画像記録方法に使用される。本発明の顔料着色剤を用いれば、いずれの画像記録方法であっても高品位な画像を提供しうる画像記録剤用の材料を調製することができる。
<合成例1>
ジメチルアセトアミド800部に、PR177 44部、及び塩化シアヌル37部を加え、100〜110℃で5時間撹拌した。冷却後、N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン125部をさらに加え、130〜140℃で3時間反応させた。冷却後にろ過し、メタノール及び水で洗浄した。乾燥することにより、下記式(2−1)で表される黄褐色の第2の化合物(A)110部を得た。
PR177 44部に代えて、常法によりPR177にフタルイミドメチル基を約1個導入した化合物60部を用いたこと以外は、前述の合成例1と同様にして下記式(2−2)で表される第2の化合物(B)124部を得た。
<実施例1>
顔料分が100部になるように秤量したPR177のプレスケーキ(固形分濃度23%)に水2000部を加えて、十分にリスラリー化してスラリーを得た。得られたスラリーに特許文献1に記載された下記式(1−5)で表される第1の化合物(C)の5%希酢酸溶液50部(固形分2.5部)、及び第2の化合物(A)の5%希酢酸溶液150部(固形分7.5部)を加えて1時間撹拌した。5%炭酸ナトリウム水溶液をpH9〜10になるまで徐々に滴下した後、ろ過して十分に水洗した。次いで、80℃で乾燥して顔料組成物(1)110部を得た。
第2の化合物(A)に代えて第2の化合物(B)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして顔料組成物(2)を得た。
第1の化合物(C)の5%希酢酸溶液50部(固形分2.5部)を100部(固形分5部)に代えたこと、及び第1の化合物(A)の5%希酢酸溶液150部(固形分7.5部)を100部(固形分5部)に代えたこと以外は、前述の実施例1と同様にして顔料組成物(3)を得た。
第2の化合物(A)に代えて第2の化合物(B)を用いたこと以外は、前述の実施例3と同様にして顔料組成物(4)を得た。
第1の化合物(C)の5%希酢酸溶液50部(固形分2.5部)を150部(固形分7.5部)に代えたこと、及び第2の化合物(A)の5%希酢酸溶液150部(固形分7.5部)を50部(固形分2.5部)に代えたこと以外は、前述の実施例1と同様にして顔料組成物(5)を得た。
第2の化合物(A)に代えて第2の化合物(B)を用いたこと以外は、前述の実施例5と同様にして顔料組成物(6)を得た。
第1の化合物(C)に代えて、特許文献1に記載された下記式(1−2)で表される第1の化合物(D)を用いたこと以外は、前述の実施例3と同様にして顔料組成物(7)を得た。
第2の化合物(A)に代えて第2の化合物(B)を用いたこと以外は、前述の実施例7と同様にして顔料組成物(8)を得た。
第1の化合物(C)に代えて、特許文献1に記載された下記式(1−1)で表される第1の化合物(E)を用いたこと以外は、前述の実施例3と同様にして顔料組成物(9)を得た。
第2の化合物(A)に代えて第2の化合物(B)を用いたこと以外は、前述の実施例9と同様にして顔料組成物(10)を得た。
<実施例11>
メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレートを25/50/15/10のモル比で共重合させて得た、平均分子量が12000、固形分濃度が40%のアクリル樹脂ワニスを使用し、以下に示す方法に従って顔料分散液を調製した。上記のアクリル樹脂ワニス50部、顔料組成物(1)20部、及び溶剤としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート20部を混合し、プレミキシングした後、横型ビーズミルを使用して分散処理してCF用顔料着色剤(実施例11)を得た。
顔料組成物(1)に代えて顔料組成物(2)〜(10)を用いたこと以外は、前述の実施例11と同様にしてCF用顔料着色剤(実施例12〜20)を得た。
顔料組成物(1)に代えて、顔料分散剤で処理していないPR177を用いたこと以外は、前述の実施例11と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例1)を得た。
第1の化合物(C)の5%希酢酸溶液50部(固形分2.5部)を200部(固形分10部)に代えたこと、及び第2の化合物(A)を使用しないこと以外は、前述の実施例1と同様にして顔料組成物(11)を得た。そして、顔料組成物(1)に代えて顔料組成物(11)を用いたこと以外は、前述の実施例11と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例2)を得た。
第1の化合物(C)を第1の化合物(D)に代えたこと以外は、前述の比較例2と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例3)を得た。
第1の化合物(C)を第1の化合物(E)に代えたこと以外は、前述の比較例2と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例4)を得た。
第1の化合物(C)を、特許文献3に記載された下記式(X)で表されるその他の化合物(X)に代えたこと以外は、前述の比較例2と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例5)を得た。
実施例11〜20及び比較例1〜5のCF用顔料着色剤について、(1)流動性(貯蔵安定性)、(2)展色面のグロス、(3)塗膜中の異物の有無、及び(4)コントラストを評価した。それぞれの評価方法を以下に示す。また、評価結果を表5に示す。
E型粘度計を使用し、調製直後(初期)と、25℃で1ヶ月間放置した後(放置後)のCF用顔料着色剤の粘度(mPa・s)をそれぞれ測定して流動性の評価基準とした。なお、測定条件は、温度:室温(25℃)、ローターの回転数:6rpmとした。また、「放置後粘度/初期粘度(%)」を算出するとともに、以下に示す基準に従って貯蔵安定性を評価した。
○:「放置後粘度/初期粘度」が110%以下
×:「放置後粘度/初期粘度」が110%超
バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用してCF用顔料着色剤をポリプロピレンフィルムに展色して展色面を形成した。形成された展色面のグロスを目視観察、及びグロスメーターを使用して観察し、以下に示す基準に従って「展色面のグロス」を評価した。なお、展色面のグロスが高いものほど良好であると判定することができる。
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
スピンナーを使用してCF用顔料着色剤をガラス基板に塗布し、90℃で2分間乾燥後、270℃で30分間加熱して塗膜を形成した。顕微鏡を使用し、形成された塗膜の表面(塗布面)を200倍で観察して異物の有無を確認し、以下に示す基準に従って「塗膜中の異物の有無」を評価した。
◎:異物なし
○:わずかに異物あり
×:異物あり
スピンナーを使用してCF用顔料着色剤をガラス基板に塗布し、90℃で2分間乾燥後、230℃で30分間加熱して塗膜を形成した。また、スピンナーの速度を変えて3枚の塗膜を形成した。コントラストメーター(アイシステム社製)を使用して形成した塗膜の明輝度と暗輝度を測定し、コントラスト(明輝度/暗輝度)を測定した。さらに、分光光度計(商品名「U−2000A」、日立製作所社製)を使用して塗膜を測色し、色度xを測定した。色度xに対してコントラストをプロットして作成したグラフに近似直線を引き、色度x=0.650のコントラストを読み取った。比較例2のコントラストを「100%」として、各実施例及び比較例のコントラスト比(%)を算出した。また、以下に示す基準に従って「コントラスト」を評価した。
○:110%以上
△:90%以上110%未満
×:90%未満
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を含む顔料分散剤。
(前記一般式(1)中、Xは、水素原子又はアシルアミノ基を示し、Yは、5位に水素原子又はアシルアミノ基を有するアントラキノニルアミノ基、フェニルアミノ基、又はフェノキシ基を示し、R1〜R4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアルキル基又はシクロアルキル基を示し、n及びmは、それぞれ独立に2〜30の数を示す。ただし、R1とR2及びR3とR4は、それぞれ隣接する窒素原子とともに窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含むことがある環を形成してもよい)
(前記一般式(2)中、Zは、それぞれ独立に炭素数1〜4の分岐状又は直鎖状のアルキレン基を示し、PIMは、置換又は未置換のフタルイミドメチル基を示し、aは、1〜2の数を示し、bは、0〜3の数を示す) - 顔料と、請求項1に記載の顔料分散剤と、を含有する顔料組成物。
- 前記顔料100質量部に対する、前記一般式(1)で表される化合物の配合量が、0.5〜30質量部であり、
前記顔料100質量部に対する、前記一般式(2)で表される化合物の配合量が、0.5〜30質量部である請求項2に記載の顔料組成物。 - 請求項2又は3に記載の顔料組成物と、皮膜形成材料と、を含有する顔料着色剤。
- 画像表示用、画像記録用、印刷インキ用、筆記用インキ用、プラスチック用、顔料捺染用、又は塗料用である請求項4に記載の顔料着色剤。
- カラーフィルター用である請求項4に記載の顔料着色剤。
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