JP5715928B2 - 顔料分散剤、顔料組成物及び顔料着色剤 - Google Patents

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Description

本発明は、顔料分散剤、該顔料分散剤を含有してなる顔料組成物、および該顔料組成物と皮膜形成材料とを含有してなる顔料着色剤に関する。顔料着色剤の用途としては、画像表示用、画像記録用、プラスチック用、顔料捺染用、カラーフィルター用、塗料等が挙げられ、画像記録用への適用例としては、印刷インキ、筆記用インキ、インクジェット用インク或いは電子写真方式の現像剤等があり、画像表示用への適用例としては、特にカラーフィルター用着色剤が挙げられる。
一般に、顔料を、塗料、グラビアインキ、オフセットインキ等のビヒクルに混合分散させる際には、顔料を安定してビヒクル中に分散させることが難しく、微細な顔料粒子は、ビヒクル中に一旦分散したとしても、その後、ビヒクル中で凝集するといった傾向がある。そして、ビヒクル中で顔料が凝集すると、顔料が分散されたビヒクルの粘度の上昇や、或いは、該顔料が分散されたビヒクルを使用したインキや塗料の着色力の低下や塗膜のグロスの低下などの問題が生ずることとなる。このため、インキ中などに分散した顔料粒子の凝集を防止し、流動性に優れ、安定して上記インキなどの製造が可能となる顔料分散剤についての提案がされている(特許文献1および2参照)。
従来、液晶カラーディスプレイ、撮像素子等の製造に使用されるカラーフィルター(以下、CFと称する)は、一般的には以下の方法で作製されている。すなわち、まず、感光性樹脂液中に赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の三色の顔料をそれぞれ分散させたCF用顔料分散液を、CF用基板にスピンコート法により塗布して着色皮膜を形成する。次いで、該着色皮膜を、フォトマスクを介して露光及び現像して着色皮膜をパターン化し、CF用基板に所望の画素を形成させるといった方法で、主にCFが作製されている。
CFの製造に使用される主な顔料としては、以下のものが挙げられる。緑色顔料としては、フタロシアニングリーン、例えば、C.I.ピグメントグリーン(以下、PGと称す)36、PG7、PG58などが用いられる。赤色顔料としては、ジケトピロロピロール(以下、DPPと称す)系レッド、例えば、C.I.ピグメントレッド(以下、PRと称す)254、アンスラキノン系レッド、例えば、PR177、アゾ系レッド、例えば、PR242などが用いられる。青色顔料としては、フタロシアニンブルー、例えば、C.I.ピグメントブルー(以下、PBと称す)15:6などが用いられる。しかしながら、これらの顔料の色相と液晶ディスプレイに要求される色特性には差があるため、補色する目的で、上記顔料とともに他色の顔料が少量併用されて調色されている。例えば、緑色顔料及び赤色顔料には、黄色顔料の、例えばC.I.ピグメントイエロー(以下、PYと称す)138、PY139、PY150などが、青色顔料には、紫色顔料の、例えばC.I.ピグメントバイオレット(以下、PVと称す)23などが補色として少量併用されている。
特開2004−91497号公報 特開2011−32438号公報
近年、CFのさらなる性能向上の要請から、着色画素の透明性の改善や、着色画素の透過光のコントラストのアップや、着色画素の顔料濃度を高める必要が生じてきた。しかしながら、通常の顔料の分散に用いられている従来の顔料分散剤では、顔料の分散性を向上させて着色画素の透明性を改良することや、また、顔料濃度が高くなることによって生じる粘度の増大および貯蔵安定性の低下を防止することは困難であり、これらの課題を改善できる顔料分散剤の開発が要望されている。
一般に、顔料を微細な状態で分散させることを目的として、分散剤として顔料誘導体を用いることが行われている。しかし、その効果は、特定構造の顔料に限定されており、それ以外の異なる構造の顔料には分散効果がないことも多い。更に、分散効果を追求し、分散剤の添加量を多くすると、顔料誘導体であるがゆえに、着色物において色のくすみが生じるといった別の問題を生じる場合もある。また、青、緑或いは紫の顔料誘導体は、例えば、黄色顔料を分散させるためには適さないなど、課題も多い。これらの点から、様々な顔料との使用に適する顔料分散剤として有用な、無色若しくは淡色である顔料誘導体の開発が望まれている。
従って、本発明の目的は、印刷インキ(オフセットインキ、グラビアインキなど)、各種塗料、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキまたは筆記具用インキなどの画像記録用着色剤、CF画素形成用着色剤などの画像表示用着色剤の製造に際し用いられる、これらの着色剤中に分散した顔料粒子の凝集が防止され、着色画素の透明性の改良や、顔料濃度が高くなることによる粘度の増大および貯蔵安定性の低下の防止を可能にした、流動性に優れ、安定した品質の上記インキなどの製造を可能にする顔料分散剤を提供することである。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、[1]下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする顔料分散剤を提供する。
Figure 0005715928
(ただし、式(1)中のR1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、塩基性窒素原子を有する炭素数2〜30の、脂肪族アミン、脂環族アミンまたはヘテロ脂環族アミン、或いは芳香族アミンのいずれかの反応残基である。)
本発明の別の実施形態では、[2]顔料と顔料分散剤とが含有されてなり、該顔料分散剤が、上記[1]に記載の顔料分散剤であることを特徴とする顔料組成物を提供する。その好ましい形態としては、[3]前記顔料分散剤の配合割合が、顔料100質量部に対して0.05〜40質量部である[2]に記載の顔料組成物が挙げられる。
本発明の別の実施形態では、[4]顔料組成物と皮膜形成材料とを含有してなり、該顔料組成物が、[2]または[3]に記載の顔料組成物であることを特徴とする顔料着色剤を提供する。
本発明の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。
[5]被膜形成材料が、感光性樹脂および/または非感光性樹脂から選択される少なくとも1種である[4]に記載の顔料着色剤。
[6]その用途が、画像表示用、画像記録用、印刷インキ用、筆記用インキ用、プラスチック用、顔料捺染用、カラーフィルター用または塗料用のいずれかである[4]または[5]に記載の顔料着色剤。
本発明によれば、CF画素形成用塗布液などの画像表示用着色剤や、塗料、各種の印刷インキなどの画像記録用着色剤において、分散媒体中に各種顔料を、高濃度かつ低粘度に安定に分散させることができる顔料分散剤が提供される。また、該顔料分散剤が含有してなる本発明の顔料組成物および顔料着色剤は、化学構造や物性の異なる複数の超微粒子顔料を混合した形態とすることが要求され、しかも、粘度が低く長期保存安定性が要求されるCF画素形成用塗布液の着色剤として、特に有用である。本発明で提供される顔料分散剤は、例えば、顔料として、PG36とPY138との組み合わせに使用された場合には、双方の顔料に対して優れた分散安定性を与える効果があることから、優れた分光透過率特性を有し、鮮明で冴えた、透明感の高い、しかも、耐光性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐水性などの諸堅牢性に優れた緑色画素の形成を可能にする。
次に好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者らは、顔料濃度が高いCF画素形成用塗布液の調製に際して、従来の分散剤を使用した場合における先述の問題点を解決し、特にCF画素形成用塗布液の色品位の向上および低粘度化を可能にする分散剤を開発すべく鋭意研究した結果、前記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物が、有用な顔料分散剤となることを見出して、本発明に至った。すなわち、該トリアジン系化合物は、無色或いはわずかに着色したものであるが、顔料の種類を問わず良好な分散剤として機能でき、更に添加量を多くしても分散液、塗膜の色相に及ぼす影響が少ないため、CF画素形成用塗布液に要求されている低粘度化を達成でき、かつ、貯蔵時における該塗布液の増粘やゲル化の発生を防止できるとともに、CFとして最も重要な特性の一つである着色画素の透明性も向上させることができる。
(顔料分散剤の構造)
本発明の顔料分散剤は、下記の一般式(1)で表される化合物からなり、該化合物は、その構造中に無色或いはわずかに着色したトリアジン構造を有することを特徴としており、種々の顔料に対する優れた親和性を有し、広範囲の顔料に使用することが可能であり、その凡用性に優れるものである。また、本発明の顔料分散剤は、従来の分散剤に比べて優れた顔料の分散効果を有していることより、種々の用途に利用される着色剤の製造に適用することができる。更に、本発明の顔料分散剤は、その色味が無色〜淡色に調整されているため、該顔料分散剤を使用した着色物において色のくすみが生じることがなく、顔料誘導体でありながら、様々な顔料に適用可能な極めて有用なものである。以下、本発明を特徴づける下記の一般式(1)で表されるトリアジン系化合物(以下、単に「一般式(1)の化合物」という場合がある)について説明する。
Figure 0005715928
(ただし、式(1)中のR1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、塩基性窒素原子を有する炭素数2〜30の、脂肪族アミン、脂環族アミンまたはヘテロ脂環族アミン、或いは芳香族アミンのいずれかの反応残基である。)
(一般式(1)の化合物の合成方法)
上記一般式(1)の化合物は、例えば、以下の方法により合成することができる。まず、塩化シアヌル1モルあたり3モルの4−アミノフタルイミドを、o−ジクロルベンゼンなどの不活性な溶媒中、130〜170℃で2〜6時間反応させ、次いで、1〜3モルの塩基性窒素原子を有するアミンを、ジメチルアセトアミド等の溶媒中、塩基性下で130〜170℃で反応させることによって得ることができる。
上記合成方法において使用する塩基性窒素原子を有するアミンとしては、以下のものが挙げられる。例えば、N−メチルメタンジアミン、N−エチルメタンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチル−1,1−エタンジアミン、N−エチル−1,1−エタンジアミン、N−メチル−1,2−プロパンジアミン、N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−1,1−エタンジアミン、N,N−ジエチル−1,1−エタンジアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジエチルアミノメチルアミン、N,N−ジプロピルアミノメチルアミン、N,N−ジブチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジメチルアミノラウリルアミン、N,N−ジエチルアミノラウリルアミン、N,N−ジブチルアミノラウリルアミン、N,N−ジメチルアミノステアリルアミン、N,N−ジエチルアミノステアリルアミン、N,N−ジエタノールアミノエチルアミン、N,N−ジエタノールアミノプロピルアミン、N−アミノプロピルモリホリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペリジン、N,Nージエチルアミノエトキシプロピルアミン、N,N−ジメチルジメチレントリアミン、N,N−ジエチルジメチレントリアミン、N,N−ジメチルジエチレントリアミン、N,N−ジエチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチル−N’−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−N’−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、2−ジメチルアミノベンジルアミン、3−ジメチルアミノベンジルアミン、4−ジメチルアミノベンジルアミン、2−ジエチルアミノベンジルアミン、3−ジエチルアミノベンジルアミン、4−ジエチルアミノベンジルアミン、4−ジメチルアミノフェネチルアミン、4−ジエチルアミノフェネチルアミンなどが挙げられる。これらのうちで特に好ましいものとしては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジプロピルアミノプロピルアミンなどである。
(一般式(1)の化合物の具体例)
上記一般式(1)の化合物としては、例えば、下記のようなものが挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(1)の化合物の合成方法の詳細については後述の実施例で説明する。
Figure 0005715928
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(顔料分散剤の使用方法)
上記した一般式(1)で表される化合物からなる本発明の顔料分散剤の使用方法は特に制限されないが、例えば、次に挙げるような方法で使用することができる。
(1)顔料と本発明の顔料分散剤とを予め公知の方法で混合しておき、得られた顔料組成物をビヒクルなどに添加してビヒクル中に顔料を分散させる。
(2)ビヒクルなどに顔料を分散させる際に、ビヒクルなどに、顔料と本発明の顔料分散剤とを所定の割合で別々に添加して、その後に混合してビヒクル中に顔料を分散させる。
(3)顔料と本発明の顔料分散剤をそれぞれビヒクルなどに別々に分散させた後、得られた各分散液を所定の割合で混合し、ビヒクルなどに顔料を分散させる。
(4)ビヒクルなどに顔料を分散させて得られた分散液に、本発明の顔料分散剤を所定の割合で添加して顔料をビヒクルなどに分散させる。
上記したいずれの方法においても、先に述べた本発明で目的とする顔料分散効果を得ることができる。より効果的な分散を達成させるためには、上記に挙げた(1)または(2)の方法が望ましい。
(顔料組成物)
本発明の顔料組成物は、上述した顔料分散剤と顔料とを含有してなることを特徴とするが、該顔料分散剤の顔料に対する配合割合は、顔料100質量部に対して、0.05〜40質量部の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.1〜10質量部である。顔料分散剤の配合割合が少なすぎると、目的とする分散剤の効果が十分に得られにくくなるので好ましくない。反対に、顔料分散剤の配合割合が多すぎると、多く用いただけのさらなる効果が期待できず、経済性の点からも好ましくない。また、顔料分散剤の配合割合が多すぎると、該顔料組成物を使用した塗料やインキのビヒクルの諸物性の低下をもたらすおそれがあり、さらには、わずかではあるものの顔料分散剤自体の持つ色によって分散させるべき顔料の色相が変化するおそれがあり、その効果の点で所望の着色剤が得られないおそれがあり、好ましくない。
先に述べたように、本発明の顔料分散剤は、その分散能において、広範な顔料に適用可能な高い凡用性を示すものである。本発明の顔料組成物に使用される顔料としては、例えば、溶性・不溶性アゾ顔料、高分子量アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノフタロン顔料、メチン・アゾメチン顔料、アゾメチンアゾ顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料および金属錯体顔料等が挙げられる。これらの中でも特に、PR177、PR242、PR254、PY138、PY139、PY150、PG7、PG36およびPG58などからなる群から選ばれる顔料を用いることが好ましい。
本発明の顔料組成物は、前記した本発明の顔料分散剤によって上記に挙げたような顔料が分散されてなるが、顔料と顔料分散剤とを従来公知の方法により混合して製造することができ、その製造方法は特に限定されない。本発明の顔料組成物は、例えば、下記に挙げるような方法などで製造することができる。
(1)顔料紛末と本発明の顔料分散剤の粉末とを、分散機を使用せずに混合する方法。
(2)顔料と本発明の顔料分散剤とを、ニーダー、ロール、アトライター、横型ビーズミルなどの各種分散機で機械的に混合する方法。
(3)水系または有機溶剤系などの顔料のサスペンションに、本発明の顔料分散剤を溶解または微分散させた液を添加および混合し、顔料表面に本発明の顔料分散剤を均一に沈着させる方法。
(4)硫酸などの強い溶解力をもつ溶媒に、顔料および本発明の顔料分散剤を溶解した後、水などの貧溶媒によって共析出させる方法。
上記に挙げたような方法で本発明の顔料組成物を調製する場合、本発明の顔料分散剤は、溶液、スラリー、ペーストおよび紛末のどの形態で使用してもよい。いずれの形態でも、本発明の顔料組成物は、種々の微細化された顔料が凝集することなく微分散された状態となり、これを種々の用途に適用することで先に述べた本発明の効果を発揮させることができる。
[顔料着色剤]
本発明の顔料着色剤は、顔料組成物と皮膜形成材料とを含有してなり、該顔料組成物が、上記で説明した本発明の顔料組成物であることを特徴とする。本発明において用いる被膜形成材料としては、例えば、重合体、オリゴマーおよび/またはモノマーが挙げられる。本発明の顔料着色剤は、画像表示用着色剤、画像記録用着色剤、印刷インキ用着色剤、筆記用インキ用着色剤、プラスチック用着色剤、顔料捺染用着色剤、塗料用着色剤などに使用することができる。特に画像表示用着色剤として有用であり、例えば、カラーフィルター用着色剤などとして画像表示方法に使用する画像表示材料とできる。また、画像記録用着色剤としても有用であり、例えば、インクジェット用インク或いは電着記録液、電子写真方式の現像剤などの着色剤として用いることができ、それぞれインクジェット記録方法或いは電着記録方式、電子写真方式などの各種の画像記録方法に使用することができる。
以下に、本発明の顔料着色剤を画像表示材料に適用した例として、カラーフィルター(CF)用分散液について述べる。該分散液は、例えば、微細化された顔料と顔料のスルホン酸誘導体からなる顔料組成物とからなる顔料組成物に、皮膜形成材料として適当な皮膜形成樹脂を含む有機溶剤溶液と顔料分散剤とを添加してプレミキシングし、分散処理することにより調製することができる。この際における分散処理の方法としては、下記に挙げる種々の方法があり、これらの方法を適宜に使用することができる。例えば、上記した顔料組成物と顔料分散剤とを、縦型媒体分散機、横型媒体分散機、ボールミル等の分散機械で均一に混合磨砕し、得られた混合磨砕物を、皮膜形成樹脂を含む液中に添加混合する方法や、硫酸等に、顔料及び顔料のスルホン酸誘導体を溶解した後に、該硫酸溶液を水中に析出させ、両者を固溶体ないし共析体として分離し、得られた顔料組成物を上記と同様に皮膜形成樹脂、顔料分散剤などを含む液中に添加混合し、ダイノミルなどの横型湿式媒体分散機(ビーズミル)にて磨砕分散する方法などが挙げられる。
上記したように、本発明の顔料着色剤は、顔料と顔料分散剤とを含んでなる顔料組成物を、皮膜形成材料を含む液に分散させることで作製することができるが、この場合に使用する皮膜形成材料を含む液としては、従来公知のCF用顔料分散液に使用されている皮膜形成重合体を用いることができる。また、液媒体としては、有機溶剤、水、有機溶剤と水の混合物を使用してもよい。また、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、分散助剤、平滑化剤、密着化剤等の添加剤を顔料分散液に添加することができる。
上記皮膜形成材料と本発明の顔料組成物とを含んでなるCF用顔料分散液中における、皮膜形成材料に対する、微細な顔料と、顔料分散剤を有してなる顔料組成物の添加重量割合は、皮膜形成材料100質量部に対して、顔料組成物の固形分が5質量部乃至500質量部の範囲、より好ましくは、50〜350質量部の範囲であることが好ましい。
上記皮膜形成材料を含む液としては、感光性皮膜形成材料(感光性樹脂)または非感光性皮膜形成材料(非感光性樹脂)を含む液を使用することができる。本発明で使用する感光性皮膜形成材料を含む液としては、例えば、紫外線硬化性インキ、電子線硬化インキ等に用いられる感光性の皮膜形成材料を含む液が挙げられる。また、本発明で使用する非感光性皮膜形成材料を含む液としては、例えば、凸版インキ、平版インキ、グラビアインキ、スクリーンインキ等の印刷インキに使用するワニス、常温乾燥および焼き付け塗料に使用するワニス、電着塗装に使用するワニス、熱転写リボンに使用するワニス等が挙げられる。
感光性皮膜形成材料としては、感光性環化ゴム系樹脂、感光性フェノール系樹脂、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂等、及び不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエポキシアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。また、これらの感光性皮膜形成材料に、反応性希釈剤として各種のモノマーを加え、感光性皮膜形成材料を含む液として用いることも可能である。
さらに、上述したような感光性皮膜形成材料(感光性樹脂)を含むCF用顔料分散液に、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン等の光重合開始剤を加え、従来公知の方法により煉肉することにより、光硬化性の感光性顔料分散液とすることができる。また、上記の光重合開始剤に代えて熱重合開始剤を使用することで、CF用の熱硬化性顔料分散液とすることができる。
非感光性皮膜形成材料(非感光性樹脂)の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体、可溶性ポリアミド系樹脂、可溶性ポリイミド系樹脂、可溶性ポリアミドイミド系樹脂、可溶性ポリエステルイミド系樹脂、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体の水溶性塩、水溶性アミノポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらも感光性皮膜形成材料と同様にすることで、CF用の顔料分散液とすることができる。
次に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは、特に断りがない限り質量基準である。又、得られた顔料分散剤の構造決定は、IR、NMRおよびMALDI−TOFMS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)によって行った。
<<実施例の顔料分散剤の合成>>
[実施例1]
o−ジクロロベンゼン800部に、56部の4−アミノフタルイミドと19部の塩化シアヌルを加え、150℃で5時間反応させた。冷却後、炭酸ナトリウム5部とメタノール200部とを加え、ろ過した後、メタノール、次いで水で洗浄後、乾燥し、反応物56部(収率95%)を得た。得られた反応物の融点(以下、m.p.と略記)は、490℃であった。
次に、ジメチルアセトアミド400部に、上記で得た反応物40部と、31部のN,N−ジエチルアミノプロピルアミン(3当量)と、5部の炭酸ナトリウムとを加え、130℃で5時間撹拌した。冷却後、4,000部の水を加えて反応物を析出させ、濾過した後、水で洗浄、乾燥して、下記構造式で示される実施例1の顔料分散剤(A)を40部(収率75%)得た。得られた顔料分散剤(A)のm.p.は、255℃であった。
Figure 0005715928
[実施例2]
実施例1のN,N−ジエチルアミノプロピルアミン3当量に代えて、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン1当量を使用した以外は実施例1と同様にして、下記構造式で示される実施例2の顔料分散剤(B)30部(収率70%)を得た。得られた顔料分散剤(B)のm.p.は、352℃であった。
Figure 0005715928
[実施例3]
実施例1のN,N−ジエチルアミノプロピルアミン3当量に代えて、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン1当量とN,N−ジメチルアミノプロピルアミン1当量とを使用した以外は、実施例1と同様にして、下記構造式で示される実施例3の顔料分散剤(C)35部(収率74%)を得た。得られた顔料分散剤(C)のm.p.は、314℃であった。
Figure 0005715928
[実施例4]
実施例1のN,N−ジエチルアミノプロピルアミンに代えて、N−アミノプロピルモリホリンを使用した以外は実施例1と同様にして、下記構造式で示される実施例4の顔料分散剤(D)40部(収率71%)を得た。得られた顔料分散剤(D)のm.p.は、286℃であった。
Figure 0005715928
<<顔料分散剤の評価>>
<混合によるグラビアインキの作製>
[実施例1〜4の顔料分散剤の評価用の、実施例1A〜4Aのインキの作製]
上記のようにして得た実施例1〜4の各顔料分散剤(A)〜(D)の効果を評価するために、下記配合(1)実施例1A〜4Aの4種類のグラビアインキを作製した。
配合(1)
・顔料 9.5部
・顔料分散剤(A)〜(D) 0.5部
・硝化綿ワニス 16.0部
・ポリアミドワニス 20.0部
・シンナー 54.0部
上記顔料には、臭塩素化銅フタロシアニン顔料(PG36)を用いた。そして、実施例1の顔料分散剤(A)、実施例2の顔料分散剤(B)、実施例3の顔料分散剤(C)および実施例4の顔料分散剤(D)をそれぞれ使用し、上記の配合成分をそれぞれ容器に入れ、ガラスビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散混合させ、4種のグラビア用ポリアミドインキをそれぞれ作製した。そして、実施例1の顔料分散剤(A)を用いたインキを実施例1Aのインキ、実施例2の顔料分散剤(B)を用いたインキを実施例2Aのインキ、実施例3の顔料分散剤(C)を用いたインキを実施例3Aのインキ、および実施例4の顔料分散剤(D)を用いたインキを実施例4Aのインキとした。
[比較例1]
顔料分散剤を使用せずに、配合(1)において顔料であるPG36を10.0部使用した以外は、実施例1〜4の顔料分散剤の評価用インキの作製と同様の方法で、顔料分散剤が未添加の、比較例1の溶剤系のグラビア用ポリアミドインキを作製した。
<評価>
上記で調製した実施例1〜4の顔料分散剤を用いた評価用の実施例1A〜4Aのグラビア用ポリアミドインキと、比較例1のインキの粘度について後述の方法でそれぞれ測定し、評価した。さらに、これらの5種類の溶剤系のインキを用い、後述の方法でそれぞれに塗布した展色面について、後述の方法でグロスを測定し、比較した。
各インキの粘度および展色面のグロスは下記の方法に従ってそれぞれ測定した。インキの粘度については、B型粘度計を用いて、室温(25℃)/30rpmの条件で測定し、結果を表1に示した。また、グロスについては、バーコーター(巻線の太さ0.15mm)を使用して、ポリプロピレンフィルムに展色し、得られた展色面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較し、評価した。なお、グロスの高いものを良好とし、下記の基準で評価し、結果を表1にまとめて示した。
○:良好
△:やや良好
×:不良
<顔料組成物を使用したインキの作製>
[実施例1の顔料分散剤の評価用の実施例5の水系インキの作製]
まず、水1,000部に、PG36を19.0部加えて分散し、スラリー化した。そこに、水50部に、実施例1の顔料分散剤(A)1.0部および氷酢酸10部を混合させて溶液化したものを加えた。次いで、その混合溶液を70℃まで加熱し、pHを7〜8に調整した。20分間撹拌した後、濾過、乾燥、粉砕して、実施例5のインキの作製に使用する顔料組成物(1)を19.9部得た。実施例1Aのインキの配合(1)における顔料と顔料分散剤との合量(10.0部)を、上記で得た顔料組成物(1)10.0部に代えた以外は実施例1Aのインキと同様にして、グラビア用ポリアミドインキ(1)を作製し、実施例5のインキとした。
[実施例2〜4の顔料分散剤の評価用の実施例6〜8のインキの作製]
顔料分散剤(A)の代わりに、先に調製した実施例2〜4の顔料分散剤(B)〜(D)をそれぞれに用いた以外は、実施例5と同様の操作を行って、実施例6〜8のインキの作製に用いる顔料組成物(2)〜(4)を得た。次いで、実施例5のインキで用いた顔料組成物(1)を上記で得た顔料組成物(2)〜(4)にそれぞれ代えた以外は実施例5と同様にして、実施例6〜8のグラビア用ポリアミドインキ(2)〜(4)を作製した。
<評価>
上記で得た実施例5〜8の顔料組成物(1)〜(4)を用いて得たグラビア用ポリアミドインキ(1)〜(4)について、実施例1Aのグラビア用ポリアミドインキの評価で行ったと同様にしてインキの粘度および展色面のグロスを測定した。その結果を表1にまとめて示した。
Figure 0005715928
表1に示したように、本発明の実施例1〜4の顔料分散剤(A)〜(D)を含有してなる各実施例のインキにおいては、優れた顔料の分散効果が認められた。これらの各実施例のインキは1週間放置後に粘度を測定しても、顔料分散剤を用いない比較例1のインキの場合に比べて、粘度の上昇は殆ど認められなかった。また、上記したように顔料と顔料分散剤とからなる顔料組成物を調製することなく、ビヒクルに、顔料と顔料分散剤とを別々に添加したものを単に混合して顔料微粒子を分散させた場合でも、その製造方法によらず、上記同様に充分な顔料分散剤の効果が得られることを確認した。
<グラビア用ウレタンインキの作製>
[実施例9〜12(顔料組成物5〜8の作製)]
PG36の代わりに、ジケトピロロピロール顔料(PR254)を用い、それぞれ顔料分散剤(A)〜(D)を用いた以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(5)〜(8)を得た。
[実施例13〜16(顔料組成物9〜12の作製)]
PG36の代わりに、縮合アゾ顔料(PR242)を用い、それぞれに顔料分散剤(A)〜(D)を用いた以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(9)〜(12)を得た。
[実施例17〜20(顔料組成物13〜16の作製)]
PG36の代わりに、銅フタロシアニン顔料(PB15:6)を用い、それぞれに顔料分散剤(A)〜(D)を用いた以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(13)〜(16)を得た。
[実施例21〜24(顔料組成物17〜20の作製)]
PG36の代わりに、ジオキザジン顔料(PV23)を用い、それぞれに顔料分散剤(A)〜(D)を用いた以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(17)〜(20)を得た。
[実施例25〜28(顔料組成物21〜24の作製)]
PG36の代わりに、キノフタロン顔料(PY138)を用い、それぞれに顔料分散剤(A)〜(D)を用いた以外は実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(21)〜(24)を得た。
[顔料組成物5〜24の評価用のグラビア用ウレタンインキの作製]
以上で得られた顔料組成物(5)〜(24)をそれぞれ用い、実施例1〜4の顔料分散剤の効果を評価するために、下記配合(2)の配合成分を容器に入れ、さらにスチールボールを加えてペイントコンディショナーにて分散させることによって、グラビア用ウレタンインキ(5)〜(24)を作製した。
配合(2)
・顔料組成物(5)〜(24) 10.0部
・硝化綿ワニス 5.0部
・ポリウレタンワニス 35.0部
・シンナー 50.0部
[比較例2〜6]
比較用として、顔料組成物を使用せず、分散剤が未添加のグラビア用ウレタンインキを作製した。具体的には、上記配合(2)において、インキ(5)の顔料組成物(5)に代えて、PR254を用いて比較例2のグラビア用ウレタンインキを作製した。また、同様に、顔料組成物(9)に代えてPR242(比較例3)、顔料組成物(13)に代えてPB15:6(比較例4)、(17)に代えてPV23(比較例5)、および顔料組成物(21)に代えて、PY138(比較例6)を用い、分散剤が未添加の5種のグラビア用ウレタンインキをそれぞれ作製した。
<評価>
実施例9〜28のインキの粘度および展色面のグロスを、顔料分散剤未添加の比較例2〜6のインキの場合と比較した。展色面のグロスおよびインキの粘度は、前記グラビア用ポリアミドインキの場合と同様に測定し、比較例2〜6のインキの場合と相対評価を行なった。なお、展色面のグロスおよびインキの粘度は、グラビア用ウレタンインキの場合と同様に測定し、顔料分散剤未添加のインキとの相対比較を行なった。その結果を表2に示した。
Figure 0005715928
表2に示したように、グラビア用ポリアミドインキの場合と同様に、本発明の顔料分散剤(A)〜(D)のいずれを添加した場合においても、さらに、顔料の種類を変えた場合においても、また、ビヒクル成分を変えても、若干差はあるものの良好な分散効果が認められた。実施例のインキを1週間放置後に粘度を測定しても、比較例のインキの場合に比べて、粘度の上昇は殆ど認められないことが確認された。
<カラーフィルター用着色剤の作製>
[実施例29〜32]
実施例5〜8で得た顔料組成物(1)〜(4)を用い、分散剤の効果を評価するために、下記配合(3)のカラーフィルター用着色剤をそれぞれ作製した。
配合(3)
・顔料組成物(1)〜(4) 20.0部
・ポリアクリル酸樹脂 30.0部
・シンナー 50.0部
上記配合成分を容器に入れた後、ジルコニアビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、カラーフィルター用着色剤(1)〜(4)を作製した。
[実施例33〜52]
上記配合(3)において、顔料組成物(1)〜(4)20.0部のかわりに、顔料組成物(5)〜(24)を20.0部用いること以外は、実施例29〜32と同様の操作を行なって、カラーフィルター用着色剤(5)〜(24)を作製した。
[比較例7〜12]
比較として、顔料組成物を使用せず、分散剤が未添加のカラーフィルター用着色剤を作製した。具体的には、上記配合(3)において、インキ(1)の顔料組成物(1)に代えて、PG36を用いて比較例7のカラーフィルター用着色剤を作製した。また、同様に、顔料組成物(5)に代えてPR254(比較例8)、顔料組成物(9)に代えてPR242(比較例9)、顔料組成物(13)に代えてPB15:6(比較例10)、顔料組成物(17)に代えてPV23(比較例11)、および顔料組成物(21)に代えて、PY138(比較例12)を用い、分散剤が未添加のカラーフィルター用着色剤を作製した。
<評価>
前記実施例および比較例のカラーフィルター用着色剤の流動性と展色面のグロスを測定し、評価した。着色剤の流動性および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定し、比較例の場合との相対評価を行なった。すなわち、流動性は、B型粘度計を用いて、室温(25℃)/30rpmの条件で測定した。また、グロスは、バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用して、ポリプロピレンフィルムに展色し、展色面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較した。そして、グロスの高いものを良好とし、下記の基準で評価し、結果を表3に示した。
○:良好
△:やや良好
×:不良
Figure 0005715928
表3に示したように、本発明の顔料分散剤を用いたカラーフィルター用着色剤は、比較例の場合と比較して、いずれの場合も高流動特性を示し、本発明の顔料分散剤の顕著な効果が認められた。
<その他の着色剤としての使用>
さらに、本発明の顔料分散剤を添加した顔料を、オフセットインキなどの印刷インキ、ニトロセルロースラッカー、メラミンアルキッド塗料などの各種塗料、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂の着色などに使用したが、いずれの場合も顔料は凝集を起こさず、良好な分散性を示すことを確認した。また、最近、高分散性が特に要求されている電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキなどの製造に本発明の顔料分散剤を用いたが、これらの場合にも本発明の分散剤による優れた分散性の効果が認められた。
本発明の顔料分散剤は、印刷インキ(オフセットインキ、グラビアインキなど)、各種塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキなどの各用途でのすべてのビヒクルに対し、有機顔料、無機顔料を含めた多種多様な顔料において、インキおよび塗料などの流動性を著しく改善し、顔料粒子の凝集を防止し、優れた光沢と鮮明性を示す着色された物品を提供することができ、その高い汎用性から広範な使用が期待される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする顔料分散剤。
    Figure 0005715928
    (ただし、式(1)中のR1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、或いは、以下の基のいずれかの基である。)
    Figure 0005715928
  2. 顔料と顔料分散剤とが含有されてなり、該顔料分散剤が、請求項1に記載の顔料分散剤であることを特徴とする顔料組成物。
  3. 前記顔料分散剤の配合割合が、顔料100質量部に対して0.05〜40質量部である請求項2に記載の顔料組成物。
  4. 顔料組成物と皮膜形成材料とを含有してなり、該顔料組成物が、請求項2または3に記載の顔料組成物であることを特徴とする顔料着色剤。
  5. 前記皮膜形成材料が、感光性樹脂および/または非感光性樹脂から選択される少なくとも1種である請求項4に記載の顔料着色剤。
  6. その用途が、画像表示用、画像記録用、印刷インキ用、筆記用インキ用、プラスチック用、顔料捺染用、カラーフィルター用または塗料用のいずれかである請求項4または5に記載の顔料着色剤。
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