JPH09272760A - 生分解性成形物 - Google Patents
生分解性成形物Info
- Publication number
- JPH09272760A JPH09272760A JP8082604A JP8260496A JPH09272760A JP H09272760 A JPH09272760 A JP H09272760A JP 8082604 A JP8082604 A JP 8082604A JP 8260496 A JP8260496 A JP 8260496A JP H09272760 A JPH09272760 A JP H09272760A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fibers
- biodegradable
- fiber
- polyester resin
- polylactic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、比較的安価で且つ実用耐水性を持
ち、微生物により速やかに完全に分解される生分解性成
形物を提供するものである。 【解決手段】 セルロース系繊維(A)と生分解性脂肪
族ポリエステル樹脂よりなる繊維(B)からなり、成形
加工して部分的または全体に熱接着してなる生分解性成
形物。
ち、微生物により速やかに完全に分解される生分解性成
形物を提供するものである。 【解決手段】 セルロース系繊維(A)と生分解性脂肪
族ポリエステル樹脂よりなる繊維(B)からなり、成形
加工して部分的または全体に熱接着してなる生分解性成
形物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形加工性にすぐ
れた不織布を用いた、自然界において生分解性を有し、
耐水性および適度な保水性を有する生分解性成形物、例
えば育苗ポット、食品用トレー、包装用トレー等に有用
な生分解性成形加工物に関するものである。
れた不織布を用いた、自然界において生分解性を有し、
耐水性および適度な保水性を有する生分解性成形物、例
えば育苗ポット、食品用トレー、包装用トレー等に有用
な生分解性成形加工物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、生活資材に用いられている成形物
に使用されている繊維、不織布またはフイルムにはポリ
エステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の合成樹脂が
用いられている。これらの樹脂は使用後自然界に放置さ
れると分解されにくい為いろいろな問題を生じる。従っ
て、これらの樹脂を用いた成形体は、土中に埋められた
りしたとき、その生分解生が低いため、その土地の利用
という点から様々な制限が生じていた。このような問題
を解決するには自然界に放置すると分解される素材を用
いることが考えられるが、分解性と成形物性能の双方を
満足するような成形物は未だ得られていない。
に使用されている繊維、不織布またはフイルムにはポリ
エステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の合成樹脂が
用いられている。これらの樹脂は使用後自然界に放置さ
れると分解されにくい為いろいろな問題を生じる。従っ
て、これらの樹脂を用いた成形体は、土中に埋められた
りしたとき、その生分解生が低いため、その土地の利用
という点から様々な制限が生じていた。このような問題
を解決するには自然界に放置すると分解される素材を用
いることが考えられるが、分解性と成形物性能の双方を
満足するような成形物は未だ得られていない。
【0003】生分解性ポリマーとしてはセルロース、セ
ルロース誘導体、キチン、キト酸等の多糖類、タンパク
質、微生物により作られるポリ3−ヒドロキシブチレー
トや3−ヒドロキシブチレート及び3−ヒドロキシバリ
レートの共重合体、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポ
リカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルが知られてい
る。
ルロース誘導体、キチン、キト酸等の多糖類、タンパク
質、微生物により作られるポリ3−ヒドロキシブチレー
トや3−ヒドロキシブチレート及び3−ヒドロキシバリ
レートの共重合体、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポ
リカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルが知られてい
る。
【0004】主に使用されるセルロース系のコットン、
再生セルロースは安価であるが熱可塑性でないため、こ
れを不織布などに加工するにはバインダーを必要とし、
バインダー繊維としてポリオレフィンやポリエステル繊
維等を用いると、これらの繊維は分解されにくいため残
留するという問題がある。
再生セルロースは安価であるが熱可塑性でないため、こ
れを不織布などに加工するにはバインダーを必要とし、
バインダー繊維としてポリオレフィンやポリエステル繊
維等を用いると、これらの繊維は分解されにくいため残
留するという問題がある。
【0005】また、微生物により作られるポリ3−ヒド
ロキシブチレートや3−ヒドロキシブチレート及び3ヒ
ドロキシバリレートの共重合体等は、低い強度の繊維し
か得られない上に入手が容易でなく、用途が限定される
という問題がある。
ロキシブチレートや3−ヒドロキシブチレート及び3ヒ
ドロキシバリレートの共重合体等は、低い強度の繊維し
か得られない上に入手が容易でなく、用途が限定される
という問題がある。
【0006】また、ポリカプロラクトンは比較的安価な
生分解性ポリマーであるが、融点が約60℃と低く、こ
の温度は自然界において夏期であれば流通段階で起こり
得る温度であり、耐熱性という点で問題があった。
生分解性ポリマーであるが、融点が約60℃と低く、こ
の温度は自然界において夏期であれば流通段階で起こり
得る温度であり、耐熱性という点で問題があった。
【0007】安価な素材としてポリエチレンに澱粉を混
合した素材が検討されているが、生分解性において満足
いくものではなく、また、均一な機械特性の繊維を得る
ことができていない。
合した素材が検討されているが、生分解性において満足
いくものではなく、また、均一な機械特性の繊維を得る
ことができていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
比較的安価で且つ実用耐水性を持ち、加工性に優れ、微
生物により速やかに完全に分解される生分解性不織布が
なく、実用性のある生分解性成形物を得ることができな
かった。本発明は、このような事情に鑑み比較的安価で
且つ実用耐水性を持ち、加工性に優れ、微生物により速
やかに完全に分解される生分解性成形物を提供するもの
である。
比較的安価で且つ実用耐水性を持ち、加工性に優れ、微
生物により速やかに完全に分解される生分解性不織布が
なく、実用性のある生分解性成形物を得ることができな
かった。本発明は、このような事情に鑑み比較的安価で
且つ実用耐水性を持ち、加工性に優れ、微生物により速
やかに完全に分解される生分解性成形物を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、比較的安
価で且つ実用耐水性及び強度を持ち、加工性に優れ、微
生物により速やかに完全に分解される成形物を鋭意研究
した結果、本発明に至った。即ち、本発明はセルロース
系繊維(A)と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂よりな
る繊維(B)が混繊され、繊維の混合重量比率が(A)
/(B)=0/100〜90/10である不織布を成形
加工し部分的または全体に熱接着してなる生分解性成形
物である。
価で且つ実用耐水性及び強度を持ち、加工性に優れ、微
生物により速やかに完全に分解される成形物を鋭意研究
した結果、本発明に至った。即ち、本発明はセルロース
系繊維(A)と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂よりな
る繊維(B)が混繊され、繊維の混合重量比率が(A)
/(B)=0/100〜90/10である不織布を成形
加工し部分的または全体に熱接着してなる生分解性成形
物である。
【0010】以下本発明について詳細に説明する。本発
明において用いられるセルロース系繊維(A)は綿、
麻、レ−ヨン、ポリノジック等を単独あるいは複数種類
混繊して用いることができる。セルロース系繊維の好ま
しいカット長は5〜120mmであり、特に好ましくは
10〜80mmであり、単繊維径は1〜10デニールが
好ましく、特に好ましくは1.5〜6デニールである。
捲縮数は5〜40個/25mmであることが好ましい。捲
縮数が5個/25mm未満であるとカードによる解繊不良
が発生し易く、また40個/25mmを超えると解繊不良
が生じやすくなる。
明において用いられるセルロース系繊維(A)は綿、
麻、レ−ヨン、ポリノジック等を単独あるいは複数種類
混繊して用いることができる。セルロース系繊維の好ま
しいカット長は5〜120mmであり、特に好ましくは
10〜80mmであり、単繊維径は1〜10デニールが
好ましく、特に好ましくは1.5〜6デニールである。
捲縮数は5〜40個/25mmであることが好ましい。捲
縮数が5個/25mm未満であるとカードによる解繊不良
が発生し易く、また40個/25mmを超えると解繊不良
が生じやすくなる。
【0011】本発明において生分解性脂肪族ポリエステ
ル樹脂としてポリ乳酸及び/又はポリ乳酸を主体とする
熱可塑性樹脂を用いる場合、その粘度平均分子量は50
00以上であり、好ましくは104 から106 のもので
ある。その粘度平均分子量が5000未満では繊維とし
て十分な強度が得られず加工性が良くなく、又106を
超えると紡糸時に高粘度となりすぎ、製糸性が劣る。
ル樹脂としてポリ乳酸及び/又はポリ乳酸を主体とする
熱可塑性樹脂を用いる場合、その粘度平均分子量は50
00以上であり、好ましくは104 から106 のもので
ある。その粘度平均分子量が5000未満では繊維とし
て十分な強度が得られず加工性が良くなく、又106を
超えると紡糸時に高粘度となりすぎ、製糸性が劣る。
【0012】ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂を用い
る場合は、乳酸にε−カプロラクトン等の環状ラクトン
類、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α
−ヒドロキシ吉草酸等のα−オキシ酸類、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、コ
ハク酸、セバチン酸等のジカルボン酸類が一種又は二種
以上共重合されたものを用いることができる。共重合体
には、ランダム共重合体および/またはブロック共重合
体を用いることができる。
る場合は、乳酸にε−カプロラクトン等の環状ラクトン
類、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α
−ヒドロキシ吉草酸等のα−オキシ酸類、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、コ
ハク酸、セバチン酸等のジカルボン酸類が一種又は二種
以上共重合されたものを用いることができる。共重合体
には、ランダム共重合体および/またはブロック共重合
体を用いることができる。
【0013】また、ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂
を用いる場合は、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪族
カルボン酸類に代表される分子末端にカルボキシル基を
持つ化合物でポリマー分子末端をエステル化処理するこ
とが好ましく、このことにより溶融紡糸時の熱安定性を
改善することができる。
を用いる場合は、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪族
カルボン酸類に代表される分子末端にカルボキシル基を
持つ化合物でポリマー分子末端をエステル化処理するこ
とが好ましく、このことにより溶融紡糸時の熱安定性を
改善することができる。
【0014】また、ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂
を用いる場合は、オクチルアルコール、ラウリルアルコ
ール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類に代
表される分子末端に水酸基を持つ化合物でポリマー分子
末端をエステル化処理することが好ましく、このことに
より溶融紡糸時の熱安定性および溶融紡糸後の繊維の経
時安定性を改善することができる。
を用いる場合は、オクチルアルコール、ラウリルアルコ
ール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類に代
表される分子末端に水酸基を持つ化合物でポリマー分子
末端をエステル化処理することが好ましく、このことに
より溶融紡糸時の熱安定性および溶融紡糸後の繊維の経
時安定性を改善することができる。
【0015】本発明において用いる場合のポリ乳酸及び
ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂及びこれからなる繊
維(B)の酸価は下記式(1)の範囲内であることが好
ましく、より好ましくは酸価≦40/(ηsp/C)、更
に好ましくは酸価≦30/(ηsp/C)である。酸価が
下記式(1)の範囲外であると溶融紡糸時の熱安定性お
よび室温貯蔵安定性が低下する。 酸価≦60/(ηsp/C) 式(1) (ただし、ηspは比粘度を、Cは濃度(g/dl)を表
わす。)
ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂及びこれからなる繊
維(B)の酸価は下記式(1)の範囲内であることが好
ましく、より好ましくは酸価≦40/(ηsp/C)、更
に好ましくは酸価≦30/(ηsp/C)である。酸価が
下記式(1)の範囲外であると溶融紡糸時の熱安定性お
よび室温貯蔵安定性が低下する。 酸価≦60/(ηsp/C) 式(1) (ただし、ηspは比粘度を、Cは濃度(g/dl)を表
わす。)
【0016】本発明に用いられる生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、例えば上記ポリマー
を通常の溶融紡糸法により得ることができる。溶融紡糸
時のポリマー温度は融点以上且つ230℃以下であるこ
とが望ましい。230℃を越えるとポリマーの熱安定性
が低下する。
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、例えば上記ポリマー
を通常の溶融紡糸法により得ることができる。溶融紡糸
時のポリマー温度は融点以上且つ230℃以下であるこ
とが望ましい。230℃を越えるとポリマーの熱安定性
が低下する。
【0017】本発明に用いられる生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、溶融紡糸し延伸した
後または紡糸した後カットすることにより生分解性短繊
維とすることができる。生分解性短繊維には、カットす
る前に機械的捲縮加工を加えることができる。機械的捲
縮加工としては、押し込みギアー法、スタフィングボッ
クス法等を使用することができる。捲縮加工方法は、限
定するものではなく公知の方法を用いることができる。
捲縮数は、5〜50個/25mm好ましくは10〜30
個/25mm付与し、カット長10〜80mm好ましく
は20〜70mmに切断する。不織布製造時、捲縮数が
5個/25mmより少ないと開繊時未開繊部分が生じ易
く、50個/25mmを越えると均一な開繊が得られな
い。また、捲縮率は5%以上であり好ましくは8%以上
である。捲縮率が5%未満であると、カードにかけた時
に均一なウェブが得られず疎密部分が発生するので好ま
しくない。
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、溶融紡糸し延伸した
後または紡糸した後カットすることにより生分解性短繊
維とすることができる。生分解性短繊維には、カットす
る前に機械的捲縮加工を加えることができる。機械的捲
縮加工としては、押し込みギアー法、スタフィングボッ
クス法等を使用することができる。捲縮加工方法は、限
定するものではなく公知の方法を用いることができる。
捲縮数は、5〜50個/25mm好ましくは10〜30
個/25mm付与し、カット長10〜80mm好ましく
は20〜70mmに切断する。不織布製造時、捲縮数が
5個/25mmより少ないと開繊時未開繊部分が生じ易
く、50個/25mmを越えると均一な開繊が得られな
い。また、捲縮率は5%以上であり好ましくは8%以上
である。捲縮率が5%未満であると、カードにかけた時
に均一なウェブが得られず疎密部分が発生するので好ま
しくない。
【0018】溶融紡糸された未延伸糸は、空冷または、
20℃〜60℃の水浴または油浴中で冷却した後通常一
度巻き取った後、1段または2段以上の延伸行程で延伸
される。全延伸倍率は、使用目的と要求性能により異な
るが2〜8倍が好ましい。また、溶融紡糸法としては、
他にスピンドロー法、高速紡糸法などを用いることがで
きる。
20℃〜60℃の水浴または油浴中で冷却した後通常一
度巻き取った後、1段または2段以上の延伸行程で延伸
される。全延伸倍率は、使用目的と要求性能により異な
るが2〜8倍が好ましい。また、溶融紡糸法としては、
他にスピンドロー法、高速紡糸法などを用いることがで
きる。
【0019】本発明に用いられる生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、強度2g/d以上、
好ましくは3g/d以上であることが好ましい。強度が
2g/dに満たないと不織布加工性が良くなく不織布の
強度が得られず好ましくない。単糸繊維径は1〜20デ
ニールが好ましい。
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、強度2g/d以上、
好ましくは3g/d以上であることが好ましい。強度が
2g/dに満たないと不織布加工性が良くなく不織布の
強度が得られず好ましくない。単糸繊維径は1〜20デ
ニールが好ましい。
【0020】本発明に用いられる生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、帯電防止性や集束性
を考慮して、ラウリルホスフェートカリウム塩等のアニ
オン系界面活性剤、四級アンモニウム塩等のカチオン系
界面活性剤、脂肪族高級アルコールや高級脂肪酸のエチ
レンオキサイド付加物等のノニオン系界面活性剤、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプ
ロピレングリコールブロック共重合体等のポリアルキレ
ングリコール類、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテ
ル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコー
ンオイル等のシリコーンオイル類を一種又は二種以上付
与することができる。
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、帯電防止性や集束性
を考慮して、ラウリルホスフェートカリウム塩等のアニ
オン系界面活性剤、四級アンモニウム塩等のカチオン系
界面活性剤、脂肪族高級アルコールや高級脂肪酸のエチ
レンオキサイド付加物等のノニオン系界面活性剤、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプ
ロピレングリコールブロック共重合体等のポリアルキレ
ングリコール類、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテ
ル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコー
ンオイル等のシリコーンオイル類を一種又は二種以上付
与することができる。
【0021】本発明に用いられる生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、夏期における製品の
温度安定性を考慮すると120℃以上好ましくは130
℃以上の融点を有することが好ましい。
ステル樹脂よりなる繊維(B)は、夏期における製品の
温度安定性を考慮すると120℃以上好ましくは130
℃以上の融点を有することが好ましい。
【0022】本発明に用いる場合の生分解性脂肪族ポリ
エステル樹脂にはポリアルキレングリコール、ポリアミ
ノ酸等のポリマーやタルク、炭酸カルシウム、硫酸カル
シウム、塩化カルシウム等の無機物或いは、デンプン、
タンパク質、食品添加物等を一種又は二種以上適量混合
することができ、機械特性、生分解特性等を種々変化さ
せることができる。
エステル樹脂にはポリアルキレングリコール、ポリアミ
ノ酸等のポリマーやタルク、炭酸カルシウム、硫酸カル
シウム、塩化カルシウム等の無機物或いは、デンプン、
タンパク質、食品添加物等を一種又は二種以上適量混合
することができ、機械特性、生分解特性等を種々変化さ
せることができる。
【0023】本発明に用いられるセルロース系繊維
(A)と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂よりなる繊維
(B)を混繊する際の重量混合比率は(A)/(B)=
0/100〜90/10であり、好ましくは20/80
〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30
である。その比率が90/10より大きいと接着加工し
ても強度が得られず好ましくない。
(A)と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂よりなる繊維
(B)を混繊する際の重量混合比率は(A)/(B)=
0/100〜90/10であり、好ましくは20/80
〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30
である。その比率が90/10より大きいと接着加工し
ても強度が得られず好ましくない。
【0024】不織布は、パラレルウェッバー、ランダム
ウェッバー等によりウェッブとした後必要に応じニード
ルパンチ、水流交絡処理し得た物を加熱された金型に入
れ成形加工する。成形加工時、部分的または全体的に熱
接着する。
ウェッバー等によりウェッブとした後必要に応じニード
ルパンチ、水流交絡処理し得た物を加熱された金型に入
れ成形加工する。成形加工時、部分的または全体的に熱
接着する。
【0025】熱接着温度は、生分解性脂肪族ポリエステ
ルの融点より30℃低い温度から融点より30℃高い温
度以下が好ましい。熱接着温度が融点を越えると成形体
の強度が低下する傾向があり、融点より30℃高い温度
を越えると金型表面を汚すことがあり好ましくない。接
着温度を高くするにはセルロース系繊維の混合率を多く
する方が金型表面を汚しにくいので好ましい。
ルの融点より30℃低い温度から融点より30℃高い温
度以下が好ましい。熱接着温度が融点を越えると成形体
の強度が低下する傾向があり、融点より30℃高い温度
を越えると金型表面を汚すことがあり好ましくない。接
着温度を高くするにはセルロース系繊維の混合率を多く
する方が金型表面を汚しにくいので好ましい。
【0026】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。実施例における還元比粘度は、溶媒をクロロホルム
とし、試料ポリマーを0.5g/dl精秤し、溶かした
試料溶液により、ウベローデ粘度計を用い測定した。酸
価は、試料ポリマーを精秤し、クロロホルム/メタノー
ル(体積比1:1)混合溶媒により溶解し、この溶液を
ナトリウムメトキシド/メタノール溶液で滴定する事に
より測定した。融点は、島津製作所製DSC−50を用
い、10℃/分の速度で昇温し測定した。
る。実施例における還元比粘度は、溶媒をクロロホルム
とし、試料ポリマーを0.5g/dl精秤し、溶かした
試料溶液により、ウベローデ粘度計を用い測定した。酸
価は、試料ポリマーを精秤し、クロロホルム/メタノー
ル(体積比1:1)混合溶媒により溶解し、この溶液を
ナトリウムメトキシド/メタノール溶液で滴定する事に
より測定した。融点は、島津製作所製DSC−50を用
い、10℃/分の速度で昇温し測定した。
【0027】耐水性は、水温25℃の水中に24時間放
置後の形態からA〜Cの3段階で評価した。 耐水性評価 A:形態を維持し耐水性良好 B:形態が少し変形しているが耐水性はまずまず良好 C:形態がかなり変形し耐水性は良くない
置後の形態からA〜Cの3段階で評価した。 耐水性評価 A:形態を維持し耐水性良好 B:形態が少し変形しているが耐水性はまずまず良好 C:形態がかなり変形し耐水性は良くない
【0028】生分解性については、土壌中に得られた成
形体を埋没し6カ月後の分解状態を目視にて評価した。
形状が失われている場合、生分解性良好とした。
形体を埋没し6カ月後の分解状態を目視にて評価した。
形状が失われている場合、生分解性良好とした。
【0029】成形加工性は、金型にて成形加工した時の
加工性を金型面の汚れ及び成形性からA〜Cの3段階で
評価した。 成形加工性評価 A:成形加工性が良く金型面の汚れが少ない B:成形加工性は良いが金型面が少し汚れる C:成形加工性が良くない
加工性を金型面の汚れ及び成形性からA〜Cの3段階で
評価した。 成形加工性評価 A:成形加工性が良く金型面の汚れが少ない B:成形加工性は良いが金型面が少し汚れる C:成形加工性が良くない
【0030】繊維例1 還元比粘度が1.52、酸価=16(eq/103 k
g)の分子末端カルボキシル基をラウリルアルコールで
エステル化したポリ乳酸を紡糸温度190℃で直径0.
3mmの紡糸孔を20個有する紡糸ノズルから紡速50
0m/minで溶融紡糸した。未延伸糸を一旦巻取った
後140℃で4.5倍に延伸し単糸繊度2.0d、還元
比粘度が1.46、酸価=20(eq/103 kg)、
融点170℃の繊維を得た。(繊維1)
g)の分子末端カルボキシル基をラウリルアルコールで
エステル化したポリ乳酸を紡糸温度190℃で直径0.
3mmの紡糸孔を20個有する紡糸ノズルから紡速50
0m/minで溶融紡糸した。未延伸糸を一旦巻取った
後140℃で4.5倍に延伸し単糸繊度2.0d、還元
比粘度が1.46、酸価=20(eq/103 kg)、
融点170℃の繊維を得た。(繊維1)
【0031】繊維例2 還元比粘度が1.52、酸価=30(eq/103 k
g)のポリ乳酸/ポリカプロラクトンのブロック共重合
体(重合モル比 乳酸/カプロラクトン=90:10)
を紡糸温度190℃で直径0.3mmの紡糸孔を20個
有する紡糸ノズルから紡速500m/minで溶融紡糸
した。未延伸糸を一旦巻取った後130℃で4.5倍に
延伸し単糸繊度2.0d、還元比粘度が1.47、酸価
=30(eq/103 kg)、融点168℃の繊維を得
た。(繊維2)
g)のポリ乳酸/ポリカプロラクトンのブロック共重合
体(重合モル比 乳酸/カプロラクトン=90:10)
を紡糸温度190℃で直径0.3mmの紡糸孔を20個
有する紡糸ノズルから紡速500m/minで溶融紡糸
した。未延伸糸を一旦巻取った後130℃で4.5倍に
延伸し単糸繊度2.0d、還元比粘度が1.47、酸価
=30(eq/103 kg)、融点168℃の繊維を得
た。(繊維2)
【0032】繊維例3 市販品の単糸繊度2デニールのレーヨン糸(繊維3)。
【0033】繊維1〜2で得られた生分解性繊維をスタ
フィングボックス法で捲縮加工した後カットしカード用
の短繊維を得た。その短繊維と前記した繊維3の繊維を
ランダムウェッバーによりウェブとした後、不織布を成
形加工し成形体を得た。実施例および比較例を表1に示
す。表1より、本発明の成形物は耐水性、加工性および
生分解性に優れていることが解る。
フィングボックス法で捲縮加工した後カットしカード用
の短繊維を得た。その短繊維と前記した繊維3の繊維を
ランダムウェッバーによりウェブとした後、不織布を成
形加工し成形体を得た。実施例および比較例を表1に示
す。表1より、本発明の成形物は耐水性、加工性および
生分解性に優れていることが解る。
【0034】
【発明の効果】本発明の生分解性成形体は、自然界にお
いて生分解性を有し、耐水性があり、成形加工性が良
い。
いて生分解性を有し、耐水性があり、成形加工性が良
い。
【0035】
【表1】
Claims (5)
- 【請求項1】 セルロース系繊維(A)と生分解性脂肪
族ポリエステル樹脂よりなる繊維(B)が混繊され、繊
維の混合重量比率が(A)/(B)=0/100〜90
/10である不織布を成形加工し部分的または全体に熱
接着してなる生分解性成形物。 - 【請求項2】 セルロース系繊維(A)および生分解性
脂肪族ポリエステル樹脂よりなる繊維(B)が短繊維か
らなる請求項1記載の生分解性成形物。 - 【請求項3】 生分解性脂肪族ポリエステル樹脂がポリ
乳酸及び/又はポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂から
なる請求項1及び/又は2記載の生分解性成形物。 - 【請求項4】 生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の融点
が120℃以上であり200℃以下である請求項1〜3
のいずれかに記載の生分解性成形物。 - 【請求項5】 生分解性脂肪族ポリエステル樹脂および
該樹脂よりなる繊維(B)の酸価が下記式(1)の範囲
内である請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性成形
物。 酸価≦60/(ηsp/C) 式(1) (ただし、ηspは比粘度を、Cは濃度(g/dl)を表
わす。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8082604A JPH09272760A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 生分解性成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8082604A JPH09272760A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 生分解性成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09272760A true JPH09272760A (ja) | 1997-10-21 |
Family
ID=13779093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8082604A Pending JPH09272760A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 生分解性成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09272760A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1129612A2 (en) | 2000-02-29 | 2001-09-05 | Nisshinbo Industries, Inc. | Biodegradable tray for raising seedlings |
EP1400328A1 (en) * | 2002-09-18 | 2004-03-24 | Araco Corporation | Fiber board and its producing method |
JP2004232153A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Toyota Motor Corp | 生分解性樹脂からなる繊維複合材 |
KR100527944B1 (ko) * | 1998-12-10 | 2006-01-27 | 주식회사 휴비스 | 생분해성 폴리에스테르 조성물 |
JP2018059249A (ja) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | 山中産業株式会社 | 生分解可能な不織布、これを用いた生分解可能な飲料抽出フィルタ及びこの飲料抽出フィルタを用いた生分解可能な飲料抽出カプセル |
-
1996
- 1996-04-04 JP JP8082604A patent/JPH09272760A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100527944B1 (ko) * | 1998-12-10 | 2006-01-27 | 주식회사 휴비스 | 생분해성 폴리에스테르 조성물 |
EP1129612A2 (en) | 2000-02-29 | 2001-09-05 | Nisshinbo Industries, Inc. | Biodegradable tray for raising seedlings |
EP1400328A1 (en) * | 2002-09-18 | 2004-03-24 | Araco Corporation | Fiber board and its producing method |
US7416779B2 (en) | 2002-09-18 | 2008-08-26 | Toyota Auto Body Co. Ltd. | Fiber board and its producing method |
JP2004232153A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Toyota Motor Corp | 生分解性樹脂からなる繊維複合材 |
JP2018059249A (ja) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | 山中産業株式会社 | 生分解可能な不織布、これを用いた生分解可能な飲料抽出フィルタ及びこの飲料抽出フィルタを用いた生分解可能な飲料抽出カプセル |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH07133511A (ja) | 生分解性複合繊維及びそれを用いた不織布 | |
EP1280948B1 (en) | Copolyesters and fibrous materials formed therefrom | |
JP4119756B2 (ja) | デンプン及び生分解性ポリマーを含む繊維 | |
JP4591202B2 (ja) | ポリ乳酸ステープルファイバーおよびその製造方法 | |
JP3440915B2 (ja) | ポリ乳酸樹脂および成形品 | |
JP5585001B2 (ja) | ニードルパンチ不織布の製造方法 | |
JPH09272760A (ja) | 生分解性成形物 | |
JP3329350B2 (ja) | 分解性不織布およびその製造方法 | |
JP3666059B2 (ja) | 生分解性繊維及びこれを用いた不織布 | |
JP3716470B2 (ja) | 生分解性袋 | |
JPH09239881A (ja) | 生分解性成形体 | |
JP3465752B2 (ja) | 生分解性短繊維 | |
JPH09205827A (ja) | 生分解性播種シート | |
JPH07133569A (ja) | 生分解性不織布 | |
JP3663678B2 (ja) | 生分解性繊維及びこれを用いた不織布 | |
JP4418869B2 (ja) | 生分解性複合短繊維とその製造方法、及びこれを用いた熱接着不織布 | |
EP0572670A1 (en) | Polycaprolactone staple fiber and production | |
JP3319531B2 (ja) | 生分解性不織布 | |
JP2003336124A (ja) | ポリ乳酸ノークリンプショートカット繊維 | |
JP3886808B2 (ja) | ポリ乳酸自発捲縮繊維 | |
JP3880073B2 (ja) | 生分解性ステープル・フアイバー | |
JP4033698B2 (ja) | ポリ乳酸系複合繊維 | |
WO2023157915A1 (ja) | 生分解性不織布及びその製造方法 | |
JP2002363848A (ja) | 分解性不織布およびその製造方法 | |
JP2005307359A (ja) | ポリ乳酸短繊維および該繊維を用いた短繊維不織布 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041216 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050303 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050623 |