JPH09272057A - 塗膜除去方法 - Google Patents

塗膜除去方法

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JPH09272057A
JPH09272057A JP11192796A JP11192796A JPH09272057A JP H09272057 A JPH09272057 A JP H09272057A JP 11192796 A JP11192796 A JP 11192796A JP 11192796 A JP11192796 A JP 11192796A JP H09272057 A JPH09272057 A JP H09272057A
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hardness
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Amahiko Kondo
天彦 近藤
Kosuke Hoshino
光祐 星野
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NITSUCHIYUU KK
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NITSUCHIYUU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の塗膜除去のための方法では、塗装治具
等の下地材の損傷を防ぎ且つ塗装工程に悪影響を与える
こともなくしかも経済的に塗膜を除去することは不可能
であった。 【解決手段】 ビッカース硬度130を超える硬度の研
掃材を、初期に所定の速度で、その後速度を初期の速度
よりも遅くして表面に塗膜の付着した被処理物に投射し
て、該被処理物の表面塗膜を除去する塗膜除去方法を提
供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗膜除去方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塗装治具等の金属製部材の表面に付着し
た塗膜を剥離する方法としては、特開平7−29036
1号公報に開示された方法がある。この方法は、銅合金
や亜鉛合金製の粒子を塗膜に向けて投射して該塗膜を打
撃破壊して治具等から塗膜を剥離するというものであ
る。そして、この方法によれば、塗膜の下側にある治具
等の金属製部材を傷付けたり変形させることなく、短時
間で経済的かつ無公害に塗膜剥離ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
塗膜剥離方法では、塗膜にぶつける粒子として銅合金や
亜鉛合金製の粒子を用いるため、これら粒子の原料金属
は鋼等と比較して高価で不経済であり、また粒子が被処
理物の下地材である金属製治具等に当たれば粒子自体の
損傷や損壊或いは減容(削れて粒径が小さくなる)が起
こり、不経済であった。
【0004】また、粒子が被処理物の下地材である金属
製治具等に当たって研掃材自体の損傷や損壊することに
伴って、これら粒子の成分が治具等に付着して、塗膜剥
離後に得られた再生治具を再び塗装作業に用いた時に塗
装工程に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0005】つまり、塗膜剥離の際、通常は、ある部位
では下地である治具表面が露呈し、ある部位では未だ塗
膜が残っているという状態の時が必ずある。すると、そ
の間は上記金属粒子は塗膜部分のみにぶつけられる訳で
はなく、塗膜の下地である治具表面にも当てられること
となる。特開平7−290361号公報では、塗膜にぶ
つける金属粒子を銅合金や亜鉛合金製としたため、銅合
金や亜鉛合金は比較的軟らかいため金属製治具を傷付け
たり変形させることは少ないが、逆にそのために粒子の
方が削れたり破壊したり変形したりする。従って、金属
製粒子が治具表面に当たる状態の時、金属粒子の成分、
主として粉体状となっている、が治具表面に粘着的に強
固に付着することとなる。
【0006】せっかく塗膜が剥離された再生治具が得ら
れても、その表面に銅合金や亜鉛合金の成分が付着して
いると、この再生治具を用いて次に塗装作業を行なう
際、治具表面に付着した金属成分が邪魔をして塗装がう
まくいかなかったり或いは塗膜の物性を低下させたりす
る。具体的に例を挙げると、塗装等にあたっては、治具
に被塗装物を引っ掛ける等によって固定した後、通常、
被塗装物への塗装成分(塗料や被覆材等)の密着性を充
分ならしめるため表面改質処理液に治具ごと浸漬して表
面改質処理が行なわれるが、上記銅等の金属成分が混入
すると表面改質性能に支障をきたし、被塗装物への塗装
成分の密着性が充分なものとならない。尚、上記銅等の
他の例えば鉄の成分が混入してもそのようなことはな
い。
【0007】しかし、粒子を鋼粒としたのでは、従来の
ショットブラスト加工で用いられているような粒子の投
射方法をそのまま適用した場合、特開平7−29036
1号公報においても述べられているように、治具等の損
傷を招くこととなる。
【0008】本発明者等は、このような種々の問題を一
挙に解消して、治具等の下地材の損傷を極力小さく抑え
ながら、しかも次の塗装の際に工程や塗膜物性に悪影響
を及ぼすことのない塗膜除去方法を提供するため鋭意研
究した結果、遂に本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)ビッカ
ース硬度130を超える硬度の研掃材を、初期に所定の
速度で、その後速度を初期の速度よりも遅くして表面に
塗膜の付着した被処理物に投射して、該被処理物の表面
塗膜を除去することを特徴とする塗膜除去方法、(2)
ビッカース硬度130を超える硬度の研掃材を、初期に
所定の速度で表面に塗膜の付着した被処理物に投射して
該被処理物の表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部分を
除去した後、投射速度を初期の速度よりも遅くして被処
理物に投射して該被処理物の表面塗膜の残りの部分を除
去することを特徴とする塗膜除去方法、(3)初期の研
掃材投射速度をもって被処理物の表面塗膜の全域に亘り
塗膜の最表面部分を割って破壊した後剥離して除去し、
次いで初期の速度よりも遅い研掃材投射速度をもって被
処理物の表面塗膜の残りの部分を割って破壊した後剥離
し及び/又は研削して除去することを特徴とする上記
(1)又は(2)記載の塗膜除去方法、(4)研掃材と
して軟鉄を用いることを特徴とする上記(1)〜(3)
のいずれかに記載の塗膜除去方法を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ビッカース硬度が銅やその合金、亜鉛やその
合金等と比較して高く、比較的硬い研掃材を用いて、こ
れを、表面に塗膜の付着した塗装治具等の被処理物に対
し、まず比較的速い所定速度で投射し、その後、速度を
初期の速度よりも遅くして投射して、該被処理物の表面
塗膜を除去する塗膜除去方法であり、好ましくは、初期
における速い投射速度をもって被処理物の表面塗膜の全
域に亘り塗膜の最表面部分を除去した後、初期の速度よ
りも遅い投射速度をもって被処理物の表面塗膜の残りの
部分を除去するというものである。
【0011】初期における比較的速い所定の投射速度を
もって被処理物の表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部
分を除去した後、初期の速度よりも遅い投射速度をもっ
て被処理物の表面塗膜の残りの部分を除去するとは、具
体的には次のようなことである。被処理物の表面塗膜は
研掃材を投射されることにより必ずしも全域が均一な速
度で除去される訳ではなく、不均一に除去が進行する。
特に塗膜にヒビが入って割れて剥離するような場合は、
下地材が露呈してしまった領域と、依然として最表面部
分が残っている領域とが混在した状態となる。このよう
に、既に下地材が露呈してしまっている領域がたとえあ
っても、最表面部分が残っている領域が僅かでもある間
は、初期における速い投射速度を維持しつづけるという
ことであり、上記最表面部分が残っている領域が完全に
なくなった後に初めて研掃材投射速度を初期の投射速度
よりも遅くするということである。
【0012】本発明において、研掃材投射のための装置
機構としては、従来のショットブラスト装置の機構と同
様のものを利用することができるが、これに限られるも
のではない。
【0013】研掃材として比較的硬い研掃材を用いるの
で、本発明によれば、たとえ研掃材が被処理物の下地材
である金属製治具等に当っても、研掃材が削れてその成
分が粉体等の形で下地材に付着するということが少な
く、また研掃材自体の損傷や損壊或いは減容(削れて粒
径が小さくなる)ということも少なく、同じ研掃材を何
回でも繰り返し利用できて経済的にも有利となる。
【0014】本発明において用いる研掃材は、ビッカー
ス硬度が130を超えるものであり、好ましくはビッカ
ース硬度が130を超え、250未満であり、より好ま
しくは上限硬度が180未満であり、更に好ましくは1
50を超え、180未満である。ビッカース硬度が13
0以下であると柔らかすぎて摩耗による減容が激しく不
経済となる。尚、ビッカース硬度が250以上であると
治具等の下地材を傷つけ易くなる。
【0015】上記のビッカース硬度を示すもののうち、
本発明では特に軟鉄を用いるのが好ましい。軟鉄は亜鉛
や銅或いはそれらを主成分とする合金等と比較して、価
格にして1/2〜1/3と安価であり、経済的に有利と
なる。
【0016】本発明において用いる研掃材の平均粒径は
任意であるが、通常は、従来ショットブラスト加工にお
いて使用されている範囲であり、好ましくは2.0〜
3.5mmである。
【0017】本発明において、研掃材の初期の投射速度
及びその後の投射速度は、塗膜が除去できる範囲で任意
に設定でき、通常は、従来ショットブラスト加工におい
て設定される範囲であり、好ましくは40〜90m/s
ecである。
【0018】更に好ましくは、初期における速い投射速
度としては、その投射速度をもって被処理物の表面塗膜
の全域に亘り塗膜の最表面部分を除去できるような速度
であり、これは塗膜の膜厚、塗膜の硬度、研掃材の硬
度、研掃材の粒径、初期の投射速度を維持する時間等に
よって変わるため一概には言えず、実験的に求める。ま
た、表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部分が除去され
た後に遅くさせられた、初期の速度よりも遅い投射速度
(以下、後期の投射速度ということもある)としては、
その投射速度をもって被処理物の表面塗膜の残りの部分
を除去できるような速度であって、これも塗膜の残りの
膜厚、塗膜の硬度、研掃材の硬度、研掃材の粒径等によ
って変わるため一概には言えず、実験的に求める。
【0019】尚、塗膜の膜厚、塗膜の硬度、塗膜の全域
に亘り塗膜の最表面部分が除去された後の残りの塗膜の
膜厚、塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部分が除去された
後の残りの塗膜の硬度等の、塗膜に関する一切の条件
は、塗装条件で代用することができ、この塗装条件で代
用する方が実際的である。というのは、いちいち治具等
に付着した塗膜の膜厚や硬度などを測定するのは非常に
手間がかかるからである。しかし、塗膜の膜厚や硬度を
測定してもよい。
【0020】上記塗装条件とは、例えば、Aの塗装ラ
イン(a社に設置されているb形式の塗装ライン)を用
い、成分Bの塗料を用いた塗装工程において、形状
Cの治具を用い、塗装品Dを得るための塗装工程の1
サイクルを、合計Eサイクル行なったというような場
合の、上記〜の全ての条件A(aとb)、B、C、
D、Eの組合せからなるものをいう。ある特定の塗膜状
態は上記の条件の特定の組合せを選択することによって
再現できるものであるから、上記条件の組合せが特定さ
れれば、塗膜の状態も特定される。つまり、塗装条件が
同じなら塗膜の状態も同じであり、逆に塗装条件が異な
れば塗膜の状態も異なるという考え方を適用するという
ことである。
【0021】また、研掃材の初期における速い投射速度
を維持する時間は、前記したことからもいえるように、
その初期の投射速度をもって被処理物の表面塗膜の全域
に亘り塗膜の最表面部分を除去できるような時間であ
り、初期の投射速度、塗膜の膜厚、塗膜の硬度、研掃材
の硬度、研掃材の粒径等によって変わるため一概には言
えず、実験によって求める。塗膜の状態に関する条件は
上記と同様、塗装条件で代用できる。
【0022】尚、表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部
分が除去された後に遅くさせられた、後期の投射速度を
維持する時間は、塗膜が完全に除去されるまでの時間で
ある。
【0023】本発明においては、初期の研掃材投射速度
を比較的速い所定速度とし、その後、投射速度を遅くし
て被処理物に研掃材を投射するので、塗膜が厚い状態で
は強い衝撃力が加わり、そのまま所定時間経過の後は弱
い衝撃力が加わるため、厚みが厚くて衝撃を吸収し易い
状態の塗膜には強い衝撃力が働いて塗膜の破壊を強く効
率的に促進し、ある程度塗膜が破壊されて塗膜の一部又
は塗膜表層の一部乃至は全部が除去された後に、残りの
塗膜に弱い衝撃力が働いて塗膜の破壊を進行させながら
しかし下地材へは衝撃力をあまり作用させないで下地材
の摩耗や変形等の損傷を極力抑えるということが可能と
なる。
【0024】特に、初期の投射速度を維持する時間を、
その初期の投射速度をもって被処理物の表面塗膜の全域
に亘り塗膜の最表面部分を除去できるような時間とした
場合は、塗膜の最表面部分の全域を短時間で除去できな
がら且つ下地材に強い衝撃力が作用する程度を小さい状
態に安定的に抑えられるので下地材の損傷も安定して少
なくでき、良好な塗膜除去効率と良好な下地材保護効果
の両方を最適なバランスで得ることができる。
【0025】本発明においては、塗膜の状態に応じて、
研掃材の硬度、粒径、初期投射速度、初期投射速度を維
持する時間、及び該時間経過後の初期投射速度より遅く
した後期投射速度の相互の関係において、実験によって
塗膜の除去できる最短時間を知ることができるので、こ
の最短時間で塗膜除去のできる上記条件の組合せを選択
して用いることにより、塗膜を最短時間で除去すること
ができ、塗膜の除去効率を飛躍的に向上できる。
【0026】そして、研掃材投射速度を、初期の投射速
度を所定時間維持した後は、初期の速度よりも遅くする
ので、研掃材投射に要するエネルギー即ち研掃材投射機
構を作動させるのに要するエネルギーが小さくて済み、
経済的に有利となる。
【0027】本発明において、研掃材投射速度を変化さ
せるための機構として、インバーター制御等の方式を用
いた機構を採用すれば、研掃材投射速度を変化させるの
に要するエネルギーが小さくて済み、またエネルギー効
率が向上する。
【0028】研掃材の投射速度を、初期の投射速度をも
って被処理物の表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部分
を除去した後、初期の速度よりも遅い投射速度をもって
被処理物の表面塗膜の残りの部分を除去することが可能
なように自動的に変化させられ、また投射を停止させら
れるように、本発明においては、実験的に求めた、初期
の投射速度、初期の投射速度を維持する時間、塗膜の膜
厚、塗膜の硬度、研掃材の硬度、研掃材の粒径と、最適
な投射速度変化パターンとの関係の情報を磁気記録媒体
或いは半導体メモリ等に記憶させておき、この情報を研
掃材投射機構の投射速度変化機構部に電気的に送って、
最適な投射速度変化パターン通りに研掃材投射速度を変
化させるようにしておくことが好ましく、このようにす
れば最適な投射速度変化パターンによる塗膜除去作業を
自動的に行なうことができ、下地材の損傷を抑えてしか
も時間的にも経済的にも効率の良い塗膜除去ができる。
【0029】尚、本発明において、初期の研掃材投射速
度をもって被処理物の表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表
面部分を割って破壊した後剥離して除去し、次いで初期
の速度よりも遅い後期の研掃材投射速度をもって被処理
物の表面塗膜の残りの部分を割って破壊した後剥離し及
び/又は研削して除去するのが好ましく、このようにす
れば塗膜除去効率を一層向上することができる。初期の
研掃材投射によって塗膜を割るためには、研掃材の粒径
をある程度以上の大きいものを用いるか、或いは研掃材
投射速度をある程度以上の高速とするかのいずれかの条
件又は両方の条件を採用する必要がある。この条件も実
験によって求める。
【0030】
【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例、比較例
【0031】被処理物 被処理物として、塗装用治具(SS400,φ12mm
丸棒)を溶剤系合成樹脂塗料で塗膜膜厚が1.8〜2m
mとなるように被覆したものを用いた。
【0032】研掃材 研掃材として、φ2.5mmの軟鉄カットワイヤー
(ビッカース硬度:135〜145Hv)(実施例)、
φ2.5mmの亜鉛カットワイヤー(ビッカース硬
度:41〜48Hv)(比較例1)、φ2.5mmの
銅カットワイヤー(ビッカース硬度:115〜125H
v)(比較例2)を、球状になるまで空打ちを行なった
ものを用いた。但し、通常のショットブラストの研掃材
は摩耗した細かい研掃材を含むため、これに合わせて、
以下の粒径の研掃材を括弧内に示す含有率で混合して使
用した。φ0.5mm(10%)、φ1.0mm(10
%)、φ1.5mm(10%)、φ2.0mm(15
%)。
【0033】研掃材投射装置 研掃材投射装置としては、ショットブラスト装置〔株式
会社ニッチュー製ZSHF−8型ショットブラストマシ
ン(ローター型式RF−3型270φ、3.7kw、投
射性能:100kg/分、インバーター制御により投射
速度を変速可能のものを2台設置)〕を用いた。
【0034】実施例においては、上記被処理物に対し
て、表1に示す各条件で軟鉄製の研掃材を投射して塗膜
を剥離する実験1〜3を行ない、塗膜が完全に除去され
るまでの時間を測定した。結果を表1に併せて示す。
尚、表1中、下地材(治具)の損傷の状態は目視により
評価した。評価基準は次の通りである。 ◎・・・変形がない。傷も殆ど目立たない。 ○・・・変形がない。傷がやや目につく程度。 △・・・変形がない。深い傷がある。 ×・・・変形が認められる。又は深い傷が目立つ。
【0035】比較例1、2においては、上記被処理物に
対して、表1に示す各条件で上記(比較例1)、
(比較例2)に示した各研掃材を投射し、塗膜が完全に
除去されるまでの時間を測定した。結果を表1に併せて
示す。尚、表1中、下地材(治具)の損傷の状態は目視
により評価した。評価基準は実施例の場合と同じであ
る。
【0036】
【表1】
【0037】表1から判るように、本実施例は、亜鉛や
銅を用いて初期の投射速度と後期の投射速度とを一定に
した比較例1、2と比較して、下地材の損傷の状態を同
程度の少ない損傷状態に止めて塗膜を完全に除去するま
での時間を同等或いはそれ以下とすることができる。従
って、その中でも最短時間で処理できる条件を選択すれ
ば、比較例よりも短時間で塗膜除去処理を行なうことが
できる。
【0038】次に、上記表1に示す実験によって得られ
た最適条件である、実験1の条件を用い、実験に用いた
塗膜付着状態の治具と同じ状態の治具100本の塗膜除
去を行なったところ、全ての治具において上記表1の実
験1において得られた除去時間、治具の損傷の状態に関
する結果とほぼ同じ結果が得られ、効率の良く治具の損
傷も少ない良好な塗膜除去が行なえることが判った。
【0039】本発明の塗膜除去方法は、塗装被膜の除去
に限らず、金属等の比較的硬い物の表面に付着している
有機物の除去にも利用できる。該有機物の下地材として
は塗装用治具に限られない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗膜除去
方法は、ビッカース硬度130を超える硬度の研掃材
を、初期に比較的速い所定速度で、その後速度を初期の
速度よりも遅くして表面に塗膜の付着した被処理物に投
射して、該被処理物の表面塗膜を除去するので、塗膜が
厚い状態では強い衝撃力が加わり、そのまま所定時間経
過の後は弱い衝撃力が加わるため、厚みが厚くて衝撃を
吸収し易い状態の塗膜には強い衝撃力が働いて塗膜の破
壊を強く効率的に促進し、ある程度塗膜が破壊されて塗
膜の一部又は塗膜表層の一部乃至は全部が除去された後
に、残りの塗膜に弱い衝撃力が働いて下地材へは衝撃力
をあまり作用させないで塗膜の破壊を進行させるもので
あるので、下地材の摩耗や変形等の損傷を極力抑えなが
ら塗膜の除去が行なえる時間を最短にできるという効果
を奏する。そして、研掃材投射速度を、初期の投射速度
を所定時間維持した後は、初期の速度よりも遅くするの
で、研掃材投射に要するエネルギー即ち研掃材投射機構
を作動させるのに要するエネルギーが小さくて済み、経
済的に有利となる。また、研掃材として比較的硬い研掃
材を用いるので、本発明によれば、たとえ研掃材が被処
理物の下地材である金属製治具等に当っても、研掃材が
削れてその成分が粉体等の形で下地材に付着するという
ことが少なく、また研掃材自体の損傷や損壊或いは減容
(削れて粒径が小さくなる)ということも少なく、同じ
研掃材を何回でも繰り返し利用できて経済的にも有利と
なる。また、ビッカース硬度130以下の硬度を示す銅
やその合金等からなる研掃材を用いないので、再生され
た治具が塗膜の物性を低下させたり塗膜の密着性を低下
させたりすることがなく、塗装工程に支障をきたすよう
なことがない。
【0041】また、本発明方法は、ビッカース硬度13
0を超える硬度の研掃材を、初期に速い速度で表面に塗
膜の付着した被処理物に投射して該被処理物の表面塗膜
の全域に亘り塗膜の最表面部分を除去した後、投射速度
を初期の速度よりも遅くして被処理物に投射して該被処
理物の表面塗膜の残りの部分を除去するものであるの
で、上記した効果の他に、塗膜の最表面部分の全域を短
時間で除去できながら且つ下地材に強い衝撃力が作用す
る程度を小さい状態に安定的に抑えられるので下地材の
損傷も安定して少なくでき、良好な塗膜除去効率と良好
な下地材保護効果の両方を最適なバランスで得ることが
できるという効果を奏する。
【0042】また、上記のいずれかの方法において、初
期の研掃材投射速度をもって被処理物の表面塗膜の全域
に亘り塗膜の最表面部分を割って破壊した後剥離して除
去し、次いで初期の速度よりも遅い研掃材投射速度をも
って被処理物の表面塗膜の残りの部分を割って破壊した
後剥離し及び/又は研削して除去するようにした場合
は、塗膜除去効率を向上することができる。
【0043】また、上記のいずれかの方法において、研
掃材として軟鉄を用いるようにした場合は、亜鉛や銅或
いはそれらを主成分とする合金等を用いる場合と比較し
て、価格にして1/2〜1/3と安価であり、経済的に
有利となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビッカース硬度130を超える硬度の研
    掃材を、初期に所定の速度で、その後速度を初期の速度
    よりも遅くして表面に塗膜の付着した被処理物に投射し
    て、該被処理物の表面塗膜を除去することを特徴とする
    塗膜除去方法。
  2. 【請求項2】 ビッカース硬度130を超える硬度の研
    掃材を、初期に所定の速度で表面に塗膜の付着した被処
    理物に投射して該被処理物の表面塗膜の全域に亘り塗膜
    の最表面部分を除去した後、投射速度を初期の速度より
    も遅くして被処理物に投射して該被処理物の表面塗膜の
    残りの部分を除去することを特徴とする塗膜除去方法。
  3. 【請求項3】 初期の研掃材投射速度をもって被処理物
    の表面塗膜の全域に亘り塗膜の最表面部分を割って破壊
    した後剥離して除去し、次いで初期の速度よりも遅い研
    掃材投射速度をもって被処理物の表面塗膜の残りの部分
    を割って破壊した後剥離し及び/又は研削して除去する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の塗膜除去方法。
  4. 【請求項4】 研掃材として軟鉄を用いることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜除去方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116020721A (zh) * 2023-03-15 2023-04-28 杭州哈尔斯实业有限公司 一种杯口分界除涂层工艺

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CN116020721A (zh) * 2023-03-15 2023-04-28 杭州哈尔斯实业有限公司 一种杯口分界除涂层工艺

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