JPH0927146A - 光情報記録媒体の製造方法並びに製造装置 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法並びに製造装置

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JPH0927146A
JPH0927146A JP17236495A JP17236495A JPH0927146A JP H0927146 A JPH0927146 A JP H0927146A JP 17236495 A JP17236495 A JP 17236495A JP 17236495 A JP17236495 A JP 17236495A JP H0927146 A JPH0927146 A JP H0927146A
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JP
Japan
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solution
recording medium
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transparent substrate
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JP17236495A
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Inventor
Hisamitsu Kamezaki
久光 亀崎
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色素系の追記型光情報記録媒体を安価に製造
する装置及び方法を提供する。 【構成】 光情報記録媒体の製造方法に関しては、透明
基板への色素材料のスピンコート時、透明基板から振り
切られた余剰の溶液を、当該溶液を製造する溶剤よりも
色素材料の溶解性が高い溶剤に溶解して回収し、当該回
収された溶液の成分と濃度を調整した後、再度次回の情
報記録層の形成に再利用するという構成にした。また、
光情報記録媒体の製造装置に関しては、透明基板の回転
部11と、色素材料の溶剤溶液を透明基板上に供給する
溶液供給部12と、前記回転部の周囲を覆うように配置
され、前記透明基板から振り切られた余剰の溶液を回収
する溶液回収部13とを備えたスピンコータにおいて、
前記溶液回収部の内面にフッ素樹脂13aをコーティン
グすると共に、当該溶液回収部の内面に色素材料回収用
の溶剤を噴射する洗浄部15を備えるという構成にし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色素系のヒートモード
記録材料にて情報記録層が形成された追記型の光情報記
録媒体の製造方法と製造装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平2−28993
号公報等に記載されているように、非水溶性の有機色素
材料をもって情報記録層が形成され、かつ記録情報の再
生に際しては、CDフォーマットに準拠する出力信号が
得られる書き込み可能な光情報記録媒体、いわゆる追記
型CDが知られている。この追記型CDは、透明基板の
プリフォーマットパターン形成面に、色素材料から成る
情報記録層と、金属反射層と、紫外線硬化性樹脂から成
る保護層とをこの順に積層した構造に成っており、透明
基板側から照射された記録用レーザビームを色素に吸収
させて熱に変換し、その熱によって色素自体を変質させ
て情報記録層の光学特性を変化させると共に、情報記録
層の下地である透明基板を局部的に変形させて情報を記
録するようになっている。また、情報の再生時には、記
録トラックに沿って、情報記録層に熱的影響を与えない
程度の低パワーの再生用レーザビームを照射し、記録部
と非記録部における反射光強度の変化を情報として読み
出すようになっている。
【0003】前記情報記録層は、色素材料の溶剤溶液を
透明基板のプリフォーマットパターン形成面にスピンコ
ートした後、膜中の溶剤を揮発することによって形成さ
れる。スピンコート法によると、透明基板上に供給され
る溶液、ひいては当該溶液中に含まれる色素材料の約9
0%が、回転する透明基板から振り切られ、スピンコー
タに備えられた溶液回収部によって回収されるが、従
来、この回収された色素材料については、とくに厳密な
検討が加えられることなく、慣習的に再利用不可能な不
良品として廃棄処分されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、情報記録層
の形成に使用される色素材料は、一般に高価なものであ
るので、使用する色素材料の大部分を廃棄処分するとい
う製造方法によると、光情報記録媒体の製造コストが高
価なものになり、それに伴って光情報記録媒体の販売価
格も高価になる。
【0005】回収された色素材料を再利用すれば、色素
材料の無駄を防止でき、光情報記録媒体の製造コストを
低減できる。ところが、一旦スピンコートされた色素材
料は、基板回転部の周囲を覆うように配置された容器状
の回収部の内面にこびり付きやすく、回収率が悪いの
で、従来の方法によっては、製造コストの低減効果を十
分に発揮することができない。かかる事情により、スピ
ンコータに付着した色素材料を高能率に回収する方法の
開発、及び色素材料を高能率に回収できるスピンコータ
の開発が、嘱望されている。
【0006】本発明は、かかる技術的課題を解決するた
めになされたものであって、その目的は、色素系の追記
型光情報記録媒体の製造コストを低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、光情報記録媒体の製造方法に関しては、
透明基板のプリフォーマットパターン形成面に、直接又
は他の膜体を介して、光エネルギを吸収して熱エネルギ
に変換する色素材料の溶剤溶液をスピンコートし、情報
記録層を形成する工程を含む光情報記録媒体の製造方法
において、スピンコート時に前記透明基板から振り切ら
れた余剰の溶液を、当該溶液を製造する溶剤と同等以上
の色素材料の溶解性を有する溶剤に溶解して回収し、当
該回収された溶液の成分と濃度を調整した後、再度次回
の情報記録層の形成に再利用するという構成にした。
【0008】また、光情報記録媒体の製造装置に関して
は、透明基板の回転部と、色素材料の溶剤溶液を透明基
板上に供給する溶液供給部と、前記回転部の周囲を覆う
ように配置され、前記透明基板から振り切られた余剰の
溶液を回収する溶液回収部とを備えたスピンコータにお
いて、前記溶液回収部の内面にフッ素樹脂をコーティン
グすると共に、当該溶液回収部の内面に色素材料回収用
の溶剤を噴射する洗浄部を備えるという構成にした。
【0009】
【作用】色素材料を溶解する溶剤には、アルコールやセ
ルソルブそれにアセトンなど、色素材料の溶解性が異な
る各種の溶剤があるが、透明基板としてポリカーボネー
トなどの耐溶剤性が悪い樹脂材料を用いる場合には、基
板表面を保護するため、アルコールやセルソルブなどの
比較的色素材料の溶解性が低い溶剤が用いて、情報記録
層のもとになる色素材料の溶剤溶液が作製される。
【0010】したがって、スピンコータに付着した色素
材料を回収する際に、これら溶解性が低い溶剤を用いる
と、色素材料の回収効率が悪く、光情報記録媒体の製造
コストを十分に引き下げることができない。これに対し
て、例えばアセトンなどの色素材料溶解性が高い溶剤を
用いて色素材料を回収すると、色素材料の回収効率を改
善できるので、光情報記録媒体の製造コストを十分に引
き下げることができる。
【0011】また、スピンコータの溶液回収部の内面に
フッ素樹脂をコーティングすると、透明基板から振り切
られた色素材料の溶剤溶液がこびり付きにくくなるの
で、色素材料の回収効率をより一層高めることができ
る。
【0012】
【実施例】図1に、本発明に係るスピンコータの一例を
示す。この図から明らかなように、本例のスピンコータ
には、光情報記録媒体のもとになる透明基板1の回転部
11と、回転部11上に取り付けられた透明基板1のプ
リフォーマットパターン形成面2に、情報記録層のもと
になる溶剤溶液を供給する溶液供給部12と、前記回転
部11の周囲を覆うように配置され、前記透明基板1か
ら振り切られた余剰の溶液を回収する溶液回収部13
と、当該溶液回収部13の底面と連通する回収色素の貯
蔵タンク14と、前記溶液回収部13の内面を洗浄し、
当該部分に付着した色素を溶解して回収する洗浄部15
とが備えられている。溶液回収部13の内面には、フッ
素樹脂13aがコーティングされており、透明基板1か
ら振り切られた余剰の溶液がこびり付かないようになっ
ている。また、当該溶液回収部13の内面には、透明基
板1から振り切られた余剰の溶液を貯蔵タンク14に速
やかに導くための溝を形成することもできる。
【0013】前記洗浄部15は、洗浄用の溶剤15aを
貯蔵する溶剤タンク16と、前記溶液回収部13の内面
に備えられた1乃至複数個の溶剤噴射ノズル17と、溶
剤タンク16と溶剤噴射ノズル17とを接続する配管1
8と、溶剤タンク16に貯蔵された溶剤15aを配管1
8を介して溶剤噴射ノズル17に圧送するポンプ19と
から成る。洗浄用の溶剤15aとしては、例えばアセト
ンのように、色素材料の溶解性が高い溶剤が用いられ
る。
【0014】以下、前記のスピンコータを利用して、透
明基板1のプリフォーマットパターン形成面2に情報記
録層を形成する方法を説明する。
【0015】スピンコータの回転部11に、プリフォー
マットパターン形成面2を上向きにして、透明基板1を
取り付ける。
【0016】回転部11を起動して透明基板1を回転駆
動しつつ、プリフォーマットパターン形成面2の内周部
に、溶液供給部12より、情報記録層のもとになる色素
材料の溶剤溶液を供給する。情報記録層を形成可能な色
素材料としては、例えばポリメチン系色素、アントラキ
ノン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、
ナフタロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェ
ニルメタン系色素、ピリリウム系色素、アズレン系色
素、含金属アゾ染料等を挙げることができる。これらの
うちでは、ジカルボシアニン誘導体、フタロシアニン誘
導体、ナフタロシアニン誘導体、シアニン誘導体が特に
好適に用いられる。なお、フタロシアニン系化合物とし
ては、特開平3−202395号公報に記載された各種
の化合物を用いることができる。また、アミニウム系色
素などの各種クエンチャが添加された上記色素材料群よ
り選択される色素材料を樹脂中に分散したものを、情報
記録層の形成材料として用いることもできる。色素材料
を分散可能な樹脂材料としては、アクリル樹脂、ビニル
樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、
ポリアミド樹脂、セルロース樹脂などを挙げることがで
きる。また、前記の色素材料を溶解する溶剤としては、
アルコール系溶剤あるいはセルソルブ系溶剤などを用い
ることができる。
【0017】遠心力によって、透明基板1のフォーマッ
トパターン形成面の全面に色素材料の溶剤溶液を展伸
し、余剰の溶剤溶液を透明基板1の外周端より振り切
る。色素材料の溶剤溶液が透明基板1のフォーマットパ
ターン形成面2に均一に展伸された段階で、回転部11
を停止し、透明基板1を取り外す。取り外された透明基
板1は、乾燥工程に移され、塗膜中の溶剤を蒸発して、
情報記録層が形成される。次いで、回転部11に情報記
録層のもとになる塗膜が形成されていない透明基板1を
取り付け、前記と同様の工程を繰り返す。
【0018】透明基板1から振り切られた色素材料の溶
剤溶液は、溶液回収部13の立面13bに衝突するが、
この面にはフッ素樹脂13aがコーティングされている
ので、衝突した溶液滴がほとんど付着せず、自重によ
り、溶液回収部13の底面13cを通って、貯蔵タンク
14内に流れ込む。また、溶液回収部13の立面13b
や底面13cに付着した色素材料も、溶剤噴射ノズル1
7から噴射される高溶解性の溶剤によって洗浄され、貯
蔵タンク14内に流れ込む。これによって、先に情報記
録層の形成に利用された色素材料の溶剤溶液を、高能率
に回収できる。
【0019】貯蔵タンク14内に溜められた溶液は、一
旦溶剤を蒸発させた後、再度溶解性の低い溶剤に溶解さ
れ、溶液の成分と濃度とが調整されて、情報記録層の形
成に再利用される。なお、貯蔵タンク14内に溜められ
た溶液からの溶剤の蒸発は、減圧下で行うこともできる
し、加熱により行うこともできる。また、回収された色
素材料の溶解性の低い溶剤への溶解は、当該溶液の吸光
度が予め定められた一定の値又は範囲になるように監視
することによって、濃度の管理を行うことができる。こ
の方法によると、回収された色素材料と溶剤とを計量し
て混合する方法に比べて、作業性に優れると共に、計量
による色素量のロスを防止でき、色素材料の再利用率を
高めることができる。また、計量誤差も防止できる。
【0020】以下、前記の工程を含んで作製される光情
報記録媒体について説明する。
【0021】〈光情報記録媒体の第1例〉図2はその第
1例に係る光情報記録媒体の要部拡大断面図、図3は本
例の光情報記録媒体の平面図である。これらの図から明
らかなように、本例の光情報記録媒体は、片面にプリフ
ォーマットパターンが微細な凹凸状に形成された透明基
板1と、当該透明基板1のプリフォーマットパターン形
成面2上に形成された情報記録層3と、情報記録層3上
に積層された反射層4と、これら情報記録層3及び反射
層4を覆うようにコーティングされた保護層5とから構
成されている。
【0022】透明基板1としては、例えばポリカーボネ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテ
ン、エポキシなどの透明樹脂材料を所望の形状に成形
し、その片面に所望のプリフォーマットパターンを転写
したものや、所望の形状に形成されたガラス等の透明セ
ラミックス板の片面に所望のプリフォーマットパターン
が転写された透明樹脂層を密着したものなど、公知に属
する任意の透明基板を用いることができる。ディスク状
光情報記録媒体(以下、光ディスクという)を構成する
透明基板1は、図3に示すように、中心部にセンタ孔1
cを有する円盤状に形成される。なお、透明基板1の作
製方法については、公知に属する事項であり、かつ本発
明の要旨でもないので、説明を省略する。
【0023】プリフォーマットパターンは、少なくとも
記録・再生用レーザビームを記録トラックに追従させる
ためのビーム案内部を含んで構成される。図3の例で
は、ビーム案内部が、センタ孔1cと同心の渦巻状又は
同心円状に形成された案内溝1aをもって構成されてお
り、当該案内溝1aに沿って、アドレスピットやクロッ
クピット等のプリピット1bが形成されている。プリピ
ット1bが案内溝1a上に重ねて形成される場合には、
両者を光学的に識別できるようにするため、図1に示す
ように、案内溝1aとプリピット1bとがそれぞれ異な
る深さに形成される。プリピット1bが相隣接する案内
溝1aの間に形成される場合には、両者を同じ深さに形
成することもできる。なお、ビーム案内部としては、案
内溝1aに代えて、ウォブルピットを記録トラックに沿
って形成することもできる。その他、プリフォーマット
パターンの構成については、必要に応じて適宜の構成を
採用できる。
【0024】情報記録層3は、回収された色素材料を再
利用した場合、当該情報記録層を構成する色素材料と同
種の色素材料であって、未使用の色素材料を溶剤に溶解
したものを透明基板上に塗布することによって形成され
る情報記録層とは異なる光吸収特性を有する。より具体
的には、図4に示すように、主吸収を示す波長λ1 とは
異なる特定波長(例えば、記録・再生用光の波長)λ2
の吸収強度P2 が、前記未使用の色素材料を溶剤に溶解
したものを透明基板上に塗布することによって形成され
る情報記録層の前記特定波長における吸収強度P1 より
も相対値で1%以上低下する。
【0025】なお、図2においては、情報記録層3を1
層に表示したが、情報記録層3を多層に形成し、情報を
3次元記録できるようにすることもできる。
【0026】反射層4は、アルミニウム、銀、銅などの
金属材料又はこれらを主成分とする合金材料のほか、光
反射率の高い有機材料を用いても形成できる。有機材料
を用いた反射層としては、ジカルボシアニン色素のビニ
ル樹脂分散液を情報記録層3上にスピンコートした後、
加熱処理(例えば、80℃×3時間)により会合体を形
成したものなどを挙げることができる。これらの反射層
材料のうちでは、安価でありかつコンパクトディスクに
おいて使用されて優れた実績が有ることから、アルミニ
ウムが特に好適である。反射層材料として金属材料又は
合金材料を用いる場合には、スパッタリングや真空蒸着
などの真空成膜方法によって、反射層4を形成すること
ができる。
【0027】保護層5は、例えばSiO,SiN,Al
N等の無機材料や、光硬化性樹脂などの有機材料を用い
て形成することができる。無機保護層は、真空成膜方法
によって形成することができ、有機保護層は、反射層4
上に光硬化性樹脂膜をスピンコートした後、樹脂硬化光
を照射することによって形成できる。
【0028】図4に表示したように、回収された色素材
料を再利用して形成される情報記録層3は、未使用の色
素材料を溶剤に溶解したものを透明基板上に塗布するこ
とによって形成される情報記録層に比べて、記録・再生
用光の波長λ2 における光吸収強度が低下するが、その
低下率は相対値で1〜数%程度であり、実用上問題にな
らないことが確認された。
【0029】以下に、本実施例に属するより具体的な実
験例を掲げ、本発明の効果を明らかにする。
【0030】図1及び図2に示すプリフォーマットパ
ターンを有するポリカーボネート基板に、550nm〜
650nmの波長領域に主吸収を示す回収後のシアニン
色素を再利用して情報記録層を形成した。次いで、この
情報記録層上にアルミニウム膜をスパッタリングし、反
射層とした。最後に、アルミニウム反射層を紫外線硬化
性樹脂の保護層で覆って、光情報記録媒体とした。本例
の光情報記録媒体を、680nmのレーザビームを記録
・再生光とするドライブ装置にかけて情報の記録・再生
を行ったところ、良好な記録・再生特性が得られた。
【0031】550nm〜650nmの波長領域に主
吸収を示す回収後のフタロシアニン色素を再利用して情
報記録層を形成した。その他については、の実験例と
同じにした。本例の光情報記録媒体も、680nmのレ
ーザビームを記録・再生光とするドライブ装置にかけて
情報の記録・再生を行ったところ、良好な記録・再生特
性を有することが確認された。
【0032】650nm〜750nmの波長領域に主
吸収を示す回収後のフタロシアニン色素を再利用して情
報記録層を形成した。その他については、の実験例と
同じにした。本例の光情報記録媒体も、680nmのレ
ーザビームを記録・再生光とするドライブ装置にかけて
情報の記録・再生を行ったところ、良好な記録・再生特
性を有することが確認された。
【0033】550nm〜650nmの波長領域に主
吸収を示す回収後のシアニン色素と回収後のフタロシア
ニン色素との混合物を再利用して情報記録層を形成し
た。その他については、の実験例と同じにした。本例
の光情報記録媒体も、680nmのレーザビームを記録
・再生光とするドライブ装置にかけて情報の記録・再生
を行ったところ、良好な記録・再生特性を有することが
確認された。
【0034】550nm〜650nmの波長領域に主
吸収を示す回収後のポリメチン色素を再利用して情報記
録層を形成した。その他については、の実験例と同じ
にした。 本例の光情報記録媒体も、680nmのレー
ザビームを記録・再生光とするドライブ装置にかけて情
報の記録・再生を行ったところ、良好な記録・再生特性
を有することが確認された。
【0035】〈光情報記録媒体の第2例〉本発明に係る
光情報記録媒体の第2例を、図5に示す。この図から明
らかなように、本例の光情報記録媒体は、透明基板1の
プリフォーマットパターン形成面2に、下地層6と、情
報記録層3と、反射層4と、保護層5とをこの順に積層
したことを特徴とする。
【0036】下地層6は、透明基板1と情報記録層3と
の密着性の改善や記録感度の改善、それに情報記録層3
の保護等のために設けられるものであって、例えばポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリ
ル酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニル
ピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリプロピレングリコ
ール、メチルセルロース、ポリビニルナイトレート、ニ
トロセルロースなどの親水性樹脂によって形成される。
下地層6の形成は、親水性樹脂の水溶液を、透明基板1
のプリフォーマットパターン形成面にスピンコートする
ことによって行える。
【0037】なお、下地層6は、親水性樹脂よりなって
いるため、耐水性(耐湿性、透湿性)及び耐熱性が悪
い。したがって、下地層6には、架橋処理や結晶化処理
を施して、耐水性及び耐熱性を改善することが好まし
い。具体的には、親水性樹脂の水溶液に架橋剤を添加し
て下地層6を成膜した後に、光照射による架橋反応や加
熱による架橋反応を起こさせたり、あるいは架橋剤の添
加のない下地層6を熱処理して結晶化(例えば、親水性
樹脂としてポリビニルアルコール(PVA)を用いる場
合には、PVAを変性PVA化する。)させる。
【0038】架橋処理と結晶化処理とを比較すると、加
熱による悪影響を透明基板1に与えることがなく、かつ
作業性にも優れていることから、結晶化処理よりも架橋
処理の方が好ましい。以下に、架橋反応の具体例を示
す。実施に際しては、これらの架橋反応から、必要に応
じて任意の手段を採用することができる。
【0039】(1)架橋剤として、重クロム酸アンモニ
ウムを添加し、色素表面を処理すると同時に、成膜後反
応光を照射して、下地層6に架橋反応を起こさせる方
法。
【0040】(2)無機系架橋剤として、例えば銅、ホ
ウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニ ウム、ス
ズ、バナジウム、クロム等を添加する方法。 (3)アルデヒドを用いてアセタール化する方法。 (4)水酸基をアルデヒド化する方法。 (5)活性化ビニル化合物を添加する方法。 (6)エポキシ化合物を添加してエテール化する方法。 (7)酸解媒のもとでジカルボン酸反応を起させる方
法。 (8)コハク酸及び硫酸を添加する方法。 (9)トリエチレングリコール及びアクリル酸メチルを
添加する方法。 (10)ポリアクリル酸及びメチルビニルエテールマレ
イン酸共重合体をブレンド する方法。
【0041】その他、透明基板1、記録層3、反射層
4、保護層5については、前記第1実施例と同じである
ので、重複を避けるため、説明を省略する。
【0042】本例の光情報記録媒体も、前記第1例の光
情報記録媒体と同様の光学特性を有し、実用上何らの問
題もないことが確認された。
【0043】〈光情報記録媒体の第3例〉本発明に係る
光情報記録媒体の第3例を、図6に示す。この図から明
らかなように、本例の光情報記録媒体は、透明基板2の
プリフォーマットパターン形成面に、情報記録層3と、
中間層7と、反射層4と、保護層5とをこの順に積層し
たことを特徴とする。
【0044】中間層7は、情報記録層3と反射層4との
密着性の改善や記録感度の改善、それに情報記録層3の
保護等のために設けられるものであって、第2実施例に
おける下地層6と同種の親水性樹脂によって形成され
る。中間層7の形成は、親水性樹脂の水溶液を、情報記
録層3上にスピンコートすることによって行える。当該
中間層7についても、耐水性及び耐熱性を改善するた
め、スピンコートされた中間層7に、架橋処理や結晶化
処理を施すことが好ましい。架橋処理及び結晶化処理
は、第2実施例に記載した方法で行える。
【0045】その他、透明基板2、記録層3、反射層
4、保護層5については、前記第1実施例と同じである
ので、重複を避けるため、説明を省略する。
【0046】本例の光情報記録媒体も、前記第1例の光
情報記録媒体と同様の光学特性を有し、実用上何らの問
題もないことが確認された。また、透明基板2と情報記
録層3との間、及び情報記録層3と反射層4との間の双
方に中間層7を形成した場合にも、前記第1例の光情報
記録媒体と同様の光学特性を有し、実用上何らの問題も
ないことが確認された。
【0047】〈光情報記録媒体の第4例〉本発明に係る
光情報記録媒体の第4例を、図7に示す。この図から明
らかなように、本例の光情報記録媒体は、保護層5の外
面に印刷層8を形成したことを特徴とする。
【0048】印刷層8は、クリーン印刷材料など、公知
に属する任意の印刷材料を用いて形成することができ
る。その他、透明基板2、記録層3、反射層4、保護層
5については、前記第1実施例と同じであるので、重複
を避けるため、説明を省略する。
【0049】本例の光情報記録媒体も、前記第1例の光
情報記録媒体と同様の光学特性を有し、実用上何らの問
題もないことが確認された。なお、図7においては、第
1例に係る光情報記録媒体に印刷層8を形成した場合を
例示してあるが、第2例に係る光情報記録媒体又は第3
例に係る光情報記録媒体に印刷層8を形成した場合に
も、同様の効果が確認された。
【0050】〈光情報記録媒体の第5例〉本発明に係る
光情報記録媒体の第5例を、図8に示す。この図から明
らかなように、本例の光情報記録媒体は、情報の記録エ
リア9がROM領域9aと追記領域9bとに分割され
た、所謂パーシャルROM型の光情報記録媒体に、本発
明を適用したことを特徴とする。
【0051】ROM領域9aには、プリフォーマットパ
ターン1として、ビーム案内部及びヘッダー部と共に、
読出し専用の情報信号がプリピットの形で形成される。
これに対して、追記領域9bには、プリフォーマットパ
ターン1として、ビーム案内部及びヘッダー部のみが形
成され、トラック上に一定間隔で配置されたヘッダー部
の間の未記録部が、情報の追記エリアになっている。
【0052】透明基板1のプリフォーマットパターン形
成面2に積層される膜体については、第1例の光情報記
録媒体のように、情報記録層と反射層と保護層とをこの
順に積層することもできるし、第2例の光情報記録媒体
のように、下地層と情報記録層と反射層と保護層とをこ
の順に積層することもできるし、第3例の光情報記録媒
体のように、情報記録層と中間層と反射層と保護層とを
この順に積層することもできるし、第4例の光情報記録
媒体のように、保護層の外面に印刷層を形成することも
できる。その他、透明基板2、記録層3、反射層4、保
護層5、下地層6、中間層7、印刷層8の材質、成膜方
法等については、前記の各実施例と同じであるので、重
複を避けるため、説明を省略する。
【0053】本例の光情報記録媒体においても、前記第
1例の光情報記録媒体と同様の光学特性を有し、実用上
何らの問題もないことが確認された。
【0054】なお、前記実施例においては、ディスク状
記録媒体を例にとって説明したが、本発明の要旨はこれ
に限定されるものではなく、例えばカード状あるいはテ
ープ状など、他の形態の光情報記録媒体にも応用できる
ことは勿論である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光情報記
録媒体製造方法によると、スピンコータに付着した色素
材料を、情報記録層のもとになる色素材料の溶剤溶液を
作製する溶剤よりも色素材料の溶解性が高い溶剤に溶解
して回収するので、色素材料の回収効率を改善でき、光
情報記録媒体の製造コストを十分に引き下げることがで
きる。
【0056】また、本発明の光情報記録媒体製造装置に
よると、スピンコータの溶液回収部の内面にフッ素樹脂
をコーティングしたので、透明基板から振り切られた色
素材料の溶剤溶液がこびり付きにくく、色素材料の回収
効率をより一層高めることができる。よって、光情報記
録媒体の製造コストをさらに引き下げることができる。
【0057】また、本発明の製造装置及び製造方法にて
作製される光情報記録媒体は、未使用の色素材料を用い
て情報記録層が形成される光情報記録媒体とは光学特性
が若干変化するが、その変化量は僅かであり、光情報記
録媒体として使用するのに何らの問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピンコータの構造説明図であ
る。
【図2】第1実施例に係る光情報記録媒体の要部拡大断
面図である。
【図3】第1実施例に係る光情報記録媒体の平面図であ
る。
【図4】第1実施例に係る光情報記録媒体の光学特性を
示すグラフ図である。
【図5】第2実施例に係る光情報記録媒体の要部拡大断
面図である。
【図6】第3実施例に係る光情報記録媒体の要部拡大断
面図である。
【図7】第4実施例に係る光情報記録媒体の要部拡大断
面図である。
【図8】第5実施例に係る光情報記録媒体の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 プリフォーマットパターン形成面 3 情報記録層 4 反射層 5 保護層 6 下地層 7 中間層 8 印刷層 11 スピンコータの回転部 12 溶液供給部 13 溶液回収部 14 貯蔵タンク 15 洗浄部 16 溶剤タンク 17 溶剤噴射ノズル 18 配管 19 ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板のプリフォーマットパターン形
    成面に、直接又は他の膜体を介して、光エネルギを吸収
    して熱エネルギに変換する色素材料の溶剤溶液をスピン
    コートし、情報記録層を形成する工程を含む光情報記録
    媒体の製造方法において、スピンコート時に前記透明基
    板から振り切られた余剰の溶液を、当該溶液を製造する
    溶剤と同等以上の色素材料の溶解性を有する溶剤に溶解
    して回収し、当該回収された溶液の成分と濃度を調整し
    た後、再度次回の情報記録層の形成に再利用することを
    特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光情報記録媒体の製造
    方法において、前記回収され、再利用される溶液の濃度
    調整を、当該溶液の吸光度を予め定められた一定の値又
    は範囲にするによって行うことを特徴とする光情報記録
    媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光情報記録媒体の製造
    方法において、前記色素材料が、ジカルボシアニン誘導
    体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、
    シアニン誘導体から選択される少なくとも1種類の色素
    材料であることを特徴とする光情報記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 透明基板の回転部と、色素材料の溶剤溶
    液を透明基板上に供給する溶液供給部と、前記回転部の
    周囲を覆うように配置され、前記透明基板から振り切ら
    れた余剰の溶液を回収する溶液回収部とを備えたスピン
    コータにおいて、前記溶液回収部の内面にフッ素樹脂を
    コーティングすると共に、当該溶液回収部の内面に色素
    材料回収用の溶剤を噴射する洗浄部とを備えたことを特
    徴とする光情報記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光情報記録媒体の製造
    装置において、前記溶液回収部の内面に、回収された色
    素材料を当該溶液回収部に設けられた溶液出口に導くた
    めの溝を形成したことを特徴とする光情報記録媒体の製
    造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002342984A (ja) * 2001-05-18 2002-11-29 Fuji Photo Film Co Ltd 光情報記録媒体の製造方法
KR102582532B1 (ko) * 2023-01-31 2023-09-26 주식회사 위드텍 웨이퍼 샘플링 회수 및 세정 시스템과 이를 이용하는 웨이퍼 샘플링 회수 및 세정 방법

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