JPH09268474A - 防汚性ポリエステル系繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents

防汚性ポリエステル系繊維布帛およびその製造方法

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JPH09268474A
JPH09268474A JP7646596A JP7646596A JPH09268474A JP H09268474 A JPH09268474 A JP H09268474A JP 7646596 A JP7646596 A JP 7646596A JP 7646596 A JP7646596 A JP 7646596A JP H09268474 A JPH09268474 A JP H09268474A
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JP
Japan
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polyester fiber
melamine
fiber
cloth
fiber cloth
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JP7646596A
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English (en)
Inventor
Rumi Karasawa
留美 柄澤
Masayuki Hirata
正行 衡田
Koichi Saito
公一 齋藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】変性オルガノシリケートを含有するメラミ
ン系樹脂皮膜で被覆されたポリエステル系繊維から構成
されてなることを特徴とする防汚性ポリエステル系繊維
布帛およびポリエステル系繊維にメラミンおよび変性オ
ルガノシリケートを含む処理液を付与し、蒸熱処理する
ことを特徴とする防汚性ポリエステル系繊維布帛の製造
方法。 【効果】本発明によれば耐久性のある黒ずみ汚れ防止性
能を有するポリエステル系繊維布帛が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗濯耐久性のある黒
ずみ汚れ防止性能を有するポリエステル系繊維布帛およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防汚性合成繊維布帛と呼ばれるも
のは数多く提案されている。例えば、特公昭64−63
10号公報に示されるようにフッ素化合物を含む原糸油
剤を合成繊維に付着させたり、特公昭64−2708号
公報に示されるようにフッ素系樹脂を繊維製品に付着さ
せたりして撥水溌油性を付与し汚れの付着を防止する方
法や特公昭63−3078号公報に示されるようにフッ
素系樹脂と親水性ポリマを併用して防汚性を付与する方
法等が知られている。しかし、黒ずみ汚れ防止に大きな
効果があり、しかも洗濯耐久性を満足するものは見当た
らなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑み、洗濯耐久性のある黒ずみ汚れ防止性能を有す
るポリエステル系繊維布帛およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の防汚性ポリエス
テル系繊維布帛は前記課題を解決するため次の構成を有
する。
【0005】すなわち、変性オルガノシリケートを含有
するメラミン系樹脂皮膜で被覆されたポリエステル系繊
維から構成されてなることを特徴とする防汚性ポリエス
テル系繊維布帛である。
【0006】また、本発明の防汚性ポリエステル系繊維
布帛の製造方法は前記課題を解決するため次の構成を有
する。
【0007】すなわち、ポリエステル系繊維にメラミン
および変性オルガノシリケートを含む処理液を付与し、
蒸熱処理することを特徴とする防汚性ポリエステル系繊
維布帛の製造方法である。
【0008】また、ポリエステル系繊維にメラミン誘導
体および変性オルガノシリケートを含む処理液を付与
し、蒸熱処理することを特徴とする防汚性ポリエステル
系繊維布帛の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の防汚性ポリエステ
ル系繊維布帛を詳細に説明する。
【0010】本発明におけるポリエステル系繊維布帛と
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートやこれらを主成分とした共重合体のポリエステ
ル系繊維を含む織物、編物、不織布等のことをいい、ポ
リエステル系繊維以外の合成繊維や再生繊維あるいは天
然繊維等が混紡、混繊されて含まれていてもよい。
【0011】本発明で用いるメラミンまたはメラミン誘
導体は下記一般式で示される化合物のことをいう。
【0012】
【化1】 また、本発明で用いる変性オルガノシリケートは下記一
般式で表わされる。
【0013】
【化2】 本発明で用いるメラミンおよび変性オルガノシリケート
またはメラミン誘導体および変性オルガノシリケートを
含む処理液は、メラミンまたはメラミン誘導体を0.1
〜40重量%、および変性オルガノシリケートを0.0
1〜10重量%を含む水溶液または水分散液であるのが
好ましい。
【0014】さらに、2,2’−アゾビス−二塩酸塩を
含むのは好ましい。
【0015】蒸熱処理によるメラミンまたはその誘導体
の重合反応を効率的に進めるため触媒としては、硫酸、
過硫酸、塩酸、リン酸、硝酸などの無機酸のアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウ
ム、亜鉛などの塩およびこれらの複塩を用いることがで
きる。無機塩以外にも、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸などのカルボン酸およびこれらのアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム等の有機塩を用いることがで
きる。メラミンおよび変性オルガノシリケートまたはメ
ラミン誘導体および変性オルガノシリケートを含有する
処理液にこれらの触媒を併用することが可能である。液
安定性を向上させて、沈殿の発生を抑制する観点から、
触媒として2,2’−アゾビス−二塩酸塩を処理液に混
合するのが好ましい。
【0016】2,2’−アゾビス−二塩酸塩はメラミン
および変性オルガノシリケートまたはメラミン誘導体お
よび変性オルガノシリケートを含む処理液に対し0.0
1〜10重量%混合するのが好ましく、より好ましくは
0.01〜3重量%の範囲で混合するのがよい。
【0017】該処理液をポリエステル系繊維布帛に付与
する方法としては、パッディング、浸漬法、スプレー方
式、コーティング方式などを用いることができる。
【0018】本発明では、該処理液を付与した後、蒸熱
処理することが重要である。蒸熱処理として、常圧飽和
スチーム処理、過熱スチーム処理、高圧スチーム処理な
どを用いることができる。蒸熱処理の温度は80〜21
0℃が好ましい。蒸熱処理温度が80℃以下であると重
合に時間がかかる傾向があり、一方、210℃を越える
と繊維の黄化や脆化が発生する傾向がある。
【0019】ポリエステル系繊維布帛に付着するメラミ
ン樹脂量としては、繊維重量に対して0.1〜15重量
%が好ましい。0.1重量%より小さいと黒ずみ汚れ防
止性能が十分でない傾向があり、15重量%より大きい
と風合いが粗硬になる傾向がある。
【0020】また、変性オルガノシリケートは、ポリエ
ステル系繊維布帛重量に対し、0.01〜5重量%付与
するのが好ましく、0.1〜3重量%付与するのがより
好ましい。0.01重量%より少ないと黒ずみ防止性能
が十分でない傾向があり、5重量%より多いと風合いが
損なわれる傾向がある。
【0021】また、該処理液を付与し蒸熱処理した後
に、黒ずみ汚れ防止性を特に損なわない範囲内で、風合
い加工剤、柔軟仕上剤、帯電防止剤、防炎剤、抗菌防臭
加工剤、消臭加工剤などを付与してもよい。
【0022】また、本発明で用いる黒ずみ汚れ防止処理
は、アルカリ減量加工されたポリエステル系繊維布帛に
対しても用いるのが好ましい。ポリエステル系繊維布帛
にソフトな風合いを与えるためアルカリ減量加工を行う
ことはよく行なわれている。アルカリ剤としては苛性ソ
ーダ、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を用
いることができるが、実用上は苛性ソーダを用いるのが
好ましい。アルカリ剤の濃度は、アルカリ剤の種類、処
理条件によって異なるが、0.1〜40重量%が好まし
い。処理温度は常温〜120℃の範囲が好ましく、目標
とする減量率に応じて処理時間が決められる。
【0023】本発明者らは、アルカリ減量加工したポリ
エステル系繊維布帛に黒ずみ汚れがより発生しやすく、
その防止に本発明で用いる防汚加工処理が極めて効果的
であるという知見を得た。特に、アルカリ減量率が1%
以上のポリエステル系繊維布帛の場合、本発明の黒ずみ
汚れ防止処理の効果が顕著に現れる。
【0024】黒ずみ汚れは、ポリエステル系繊維布帛が
白色または淡色の場合特に目立ちやすい。色相上、L値
80以上のポリエステル系繊維布帛に対して本発明で用
いる防汚加工処理が特に効果的であり、本発明によれば
黒ずみ汚れが実質的にない淡色または白色のものを得る
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の性能評価はつぎの方法で行っ
た。
【0026】〔黒ずみ汚れ防止性能〕 手順1:ポリエチレン袋(20l)に100℃×2時間
乾燥させた表1に示す組成の汚染剤A0.2g、タテ1
0cm、ヨコ15cmのサンプルとICIピリング用ゴ
ム管1本を入れる。20℃×65%RHの空気で袋を膨
らまし輪ゴムで止める(約10l)。
【0027】手順2:手順1のポリエチレン袋をICI
ピリング試験機の箱に入れ1時間回転処理をする。処理
サンプルを取り出す。
【0028】手順3:処理サンプルを標準洗濯条件で1
回洗浄する。手順1〜手順3をさらに2回繰り返す。
【0029】手順4:上記のとおり汚染剤付着・洗浄を
3回繰り返したサンプルと未処理のサンプルのL値を測
色計で測定し、△L値を計算する。
【0030】
【表1】 〔標準洗濯条件〕 洗い:市販洗剤2g/l、40℃×5分 すすぎ:常温水、2分×2回 乾燥:タンブラー30分 実施例中の生地は、ポリエステル織物(東レ株式会社製
#1413、タテ糸75D−36fil ヨコ糸75D
−72fil)を用いた。
【0031】上記生地を通常の方法で糊抜き精練、アル
カリ減量(減量率20%)、乾熱セット後、試験に供し
た。
【0032】[実施例1]供試生地を下記組成の処理液
に浸漬後、マングルで絞り(ピックアップ60%)、1
05℃×3分で蒸熱処理後、水洗、乾燥した後、常法で
仕上セットを行なった。評価した結果を表2に示す。
【0033】メラミン誘導体:スミテックスレジンM-3(住友化
学工業株式会社製)10g/l 変性オルガノシリケート:H−3669−2NI (高松油脂株
式会社製)50g/l 2,2'−アゾビス−二塩酸塩:V−50(和光純薬工業株
式会社製)5g/l
【表2】 [実施例2]蒸熱処理の条件を150℃×3分とした以
外は、実施例1と全く同じ処理を施して試料を作製し
た。評価結果を表2に併せて示す。
【0034】[実施例3]処理液中のスミテックスレジ
ンM−3の濃度を30g/lとした以外は、実施例1と
全く同じ処理を施して試料を作製した。評価結果を表2
に併せて示す。
【0035】[実施例4]処理液中の変性オルガノシリ
ケートH−3669−2NIの濃度を10g/lとした
以外は、実施例1と全く同じ処理を施して試料を作製し
た。評価結果を表2に併せて示す。
【0036】[実施例5]処理液中のメラミン誘導体を
スミテックスレジンM−6(住友化学工業株式会社製)
30g/lとした以外は、実施例1と全く同じ処理を施
して試料を作製した。評価結果を表2に併せて示す。
【0037】[比較例1]供試生地を下記組成の処理液
に浸漬後、マングルで絞り(ピックアップ60%)、1
20℃×5分で乾燥後、190℃×1分乾熱処理を行な
った。評価した結果を表2に併せて示す。
【0038】メラミン誘導体:スミテックスレジンM-3(住友化
学工業株式会社製)10g/l 変性オルガノシリケート:H−3669−2NI (高松油脂株
式会社製)50g/l 2,2'−アゾビス−二塩酸塩:V−50(和光純薬工業株
式会社製)5g/l [比較例2]供試生地を下記組成の処理液に浸漬後、マ
ングルで絞り(ピックアップ60%)、105℃×3分
で蒸熱処理後、水洗、乾燥した。評価結果を表2に併せ
て示す。
【0039】メラミン誘導体:スミテックスレジンM-3(住友化
学工業株式会社製)10g/l 触媒:過硫酸アンモニウム5g/l [比較例3]供試生地を変性オルガノシリケートH−3
669−2NI(高松油脂株式会社製)50g/lの処
理液に浸漬後、マングルで絞り(ピックアップ60
%)、120℃×3分で乾燥後、190℃×1分乾熱処
理を行い評価した結果を表2に併せて示す。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば耐久性のある黒ずみ汚れ
防止性能を有するポリエステル系繊維布帛が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変性オルガノシリケートを含有するメラミ
    ン系樹脂皮膜で被覆されたポリエステル系繊維から構成
    されてなることを特徴とする防汚性ポリエステル系繊維
    布帛。
  2. 【請求項2】ポリエステル系繊維がアルカリ減量加工さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の防汚性ポリ
    エステル系繊維布帛。
  3. 【請求項3】ポリエステル系繊維にメラミンおよび変性
    オルガノシリケートを含む処理液を付与し、蒸熱処理す
    ることを特徴とする防汚性ポリエステル系繊維布帛の製
    造方法。
  4. 【請求項4】ポリエステル系繊維にメラミン誘導体およ
    び変性オルガノシリケートを含む処理液を付与し、蒸熱
    処理することを特徴とする防汚性ポリエステル系繊維布
    帛の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリエステル系繊維があらかじめアルカリ
    減量加工されていることを特徴とする請求項3または4
    に記載のポリエステル系繊維布帛の製造方法。
  6. 【請求項6】前記処理液に2,2’−アゾビス−二塩酸
    塩を含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか
    に記載の防汚性ポリエステル系繊維布帛の製造方法。
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