JPH09268356A - アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金板の製造方法

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JPH09268356A
JPH09268356A JP8266596A JP8266596A JPH09268356A JP H09268356 A JPH09268356 A JP H09268356A JP 8266596 A JP8266596 A JP 8266596A JP 8266596 A JP8266596 A JP 8266596A JP H09268356 A JPH09268356 A JP H09268356A
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Hiroshi Saito
洋 齊藤
Makoto Saito
允 齊藤
Keitaro Yamaguchi
恵太郎 山口
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性、焼付き硬化性および塗装後の耐
糸錆性に優れたアルミニウム合金板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アルミニウム合金板を、平均加熱速度:
10〜1000℃/秒で温度:500〜580℃の温度
に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持した後、平均冷
却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れの溶体化処理
し、0〜50℃で0.5〜3時間保持したのち、平均加
熱速度:50〜1×106 ℃/時で80〜140℃まで
加熱し、図1のAB、BC、CD、DE、EFおよびF
Aの各線によって囲まれた領域内または図2のGH、H
I、IJ、JK、KLおよびLGの各線によって囲まれ
た領域内の温度および時間保持の予備時効処理し、つい
で、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200〜2
70℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持後、
平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れ復元処
理し処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
ボディシートとして用いた場合に、成型加工性が優れ、
かつ成形後、燐酸亜鉛処理を施し、塗装したのちに焼き
付け処理するに際し、比較的低温および短時間の焼き付
け条件でも顕著な析出硬化を生じ、かつ焼付塗装後の耐
糸錆性が優れるアルミニウム合金板の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用ボデーシートなどのプレ
ス成形部材には、鋼板が多く用いられているが、軽量性
が要求される場合には、アルミニウム合金板材が用いら
れる場合がある。アルミニウム合金板材を自動車用ボデ
ーシートに用いる場合、プレス成形性、強度、耐食性な
どが優れる必要があり、従来はAA5182などの5X
XX系合金、AA6111などの6XXX系合金が用い
られていた。
【0003】この内、6XXX系合金は、プレス成形後
人工時効処理を施すと強度が著しく増加するという利点
を有している。しかし、5XXX系合金と比べると、プ
レス成形性が劣り、耐蝕性が低いという欠点がある。ま
た、塗装後の焼き付け温度が十分高く、焼き付け時間が
長い場合には、焼き付け処理を人工時効処理として利用
できるが、焼き付け温度が低く、時間が短い場合には、
十分析出硬化が生じず、別途人工時効を施すか、あるい
は強度の低いまま使用しなければならない。またプレス
成形性や焼き付け硬化性は、製造直後にはかなり優れる
が、常温に放置すると、これらの性質が変化して劣化す
るという経時変化の問題を有する。
【0004】これら問題に対処するための従来技術とし
ては、まず合金組成の最適化があげられる。6XXX系
合金では、焼き付け硬化性を高めるために合金元素の添
加量を高めると、プレス成形性が低下しやすい。このた
め焼き付け硬化性とプレス成形性を満足できるレベルで
両立させるために、種々の合金成分の比率を最適化する
必要がある。例えば、AA6111合金では、AA60
10に比べてMgおよびSi量を低下させ、Cuを増加
させることにより焼き付け硬化性を著しく低下させるこ
となく曲げ加工性などの成形性をかなり向上できたとさ
れている。また、同合金では、Mn、Feを最小限とす
ることにより成形性を高めているとされている。
【0005】このような従来の6XXX系合金は、5X
XX系合金に比べると加工性がやや劣るものの、ある程
度良好な張出し性や深絞り性を示す。しかし、曲げ加工
性が劣るため、ドロー成形が可能な場合でも、フランジ
成形やヘミング加工が不可能な場合が多かった。このた
め6XXX系合金を用いる場合には、ロープトヘムを用
い、曲げ半径を大きくしたり、ヘム接合以外の方法で接
合する方法が用いられてきたが、十分ではなかった。
【0006】また、比較的焼き付け温度が低い場合でも
焼き付け硬化性を高くし、経時変化を防止する従来技術
として合金板を溶体化処理した後の焼き入れ速度を制御
したり、焼き入れ後低温で加熱処理を行う方法が提案さ
れている。例えば、特開平4−259358号公報に
は、溶体化焼き入れ後、60〜180℃の温度で特定時
間内の加熱を行い、さらにその後150〜320℃の範
囲内で1分以下の加熱を行うことにより、室温放置によ
る経時変化が少なく、焼き付け硬化性が高い合金板が得
られるとしている。しかし、この方法によると、確かに
焼き付け硬化性は高まり、経時変化が抑制される場合が
あるが、実際にこの方法を工業的な生産に適用すると、
得られる製品のばらつきが大きく、所望の特性が得られ
ない場合があった。
【0007】次に、従来の自動車ボディーシートなどに
使用されるアルミニウム合金板の耐蝕性について述べ
る。自動車ボディーシートなどでは、プレス成形後焼付
塗装が施されるが、塗装後の耐蝕性を高めるために、塗
装前処理として種々の化成処理が施される。自動車ボデ
ィーシートとして鋼板では燐酸亜鉛処理が施されるが、
アルミニウム合金板に燐酸亜鉛処理を施すとアルミニウ
ム合金板の耐蝕性が不十分であるために糸錆を生じやす
い。
【0008】このため、塗装前処理として、燐酸亜鉛処
理による塗装後の耐糸錆性を高めるために、燐酸亜鉛処
理液中にFイオンを添加して燐酸亜鉛被膜付着量を高め
る方法などが提案されている。
【0009】しかし、従来のアルミニウム合金板の塗装
前処理としての燐酸亜鉛処理浴にFイオンを添加する方
法では、処理槽や付帯設備の腐食が生じやすく、別途ア
ルミニウム部品だけを別ラインで処理する必要があると
ころからコストがかかり、一般に普及していなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、これらの
課題を解決することを目的とするもので、この発明は、
(1)通常の鋼板の塗装を前提に作られた自動車の塗装
ラインでも処理することのできる耐糸錆性が優れるアル
ミニウム合金板を提供すること、(2)フラットヘムが
可能な曲げ加工性に優れたアルミニウム合金板を提供す
ること、(3)焼き付け硬化性が高く、経時変化が少な
いアルミニウム合金板を安定して製造できる方法を提供
すること、である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、種々検討を行った結果、(イ)重量%
で、Mg:0.5〜0.8%、Si:0.5〜1.0
%、Cu:0.03〜0.3%、ZrおよびMnの内の
1種または2種:0.06〜0.2%、Fe:0.03
〜0.3%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物か
らなり、前記不可避不純物の内のCrを0.05%以
下、Vを0.05%以下、Znを0.3%以下に規制し
かつ不可避不純物の総量を0.3%以下に規制した組成
を有するアルミニウム合金板、(ロ)重量%で、Mg:
0.5〜0.8%、Si:0.5〜1.0%、Cu:
0.03〜0.3%、Be:0.0005〜0.2%、
ZrおよびMnの内の1種または2種:0.06〜0.
2%、Fe:0.03〜0.3%を含有し、残りがAl
および不可避不純物からなり、前記不可避不純物の内の
Crを0.05%以下、Vを0.05%以下、Znを
0.3%以下に規制しかつ不可避不純物の総量を0.3
%以下に規制した組成を有するアルミニウム合金板、
(ハ)重量%で、Mg:0.5〜0.8%、Si:0.
5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、Zrおよび
Mnの内の1種または2種:0.06〜0.2%、F
e:0.03〜0.3%、Ti:0.0005〜0.0
5%、B:0.001〜0.01%を含有し、残りがA
lおよび不可避不純物からなり、前記不可避不純物の内
のCrを0.05%以下、Vを0.05%以下、Znを
0.3%以下に規制しかつ不可避不純物の総量を0.3
%以下に規制した組成を有するアルミニウム合金板、
(ニ)重量%で、Mg:0.5〜0.8%、Si:0.
5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、Be:0.
0005〜0.2%、ZrおよびMnの内の1種または
2種:0.06〜0.2%、Fe:0.03〜0.3
%、Ti:0.0005〜0.05%、B:0.001
〜0.01%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物
からなり、前記不可避不純物の内のCrを0.05%以
下、Vを0.05%以下、Znを0.3%以下に規制し
かつ不可避不純物の総量を0.3%以下に規制した組成
を有するアルミニウム合金板の内のいずれかのアルミニ
ウム合金板を、(a)平均加熱速度:10〜1000℃
/秒で温度:500〜580℃の温度に加熱し、同温度
範囲に1〜20秒保持した後、平均冷却速度:10〜1
000℃/秒で焼き入れすることにより溶体化処理し、
0〜50℃で0.5〜3時間放置したのち、平均加熱速
度:50〜1×106 ℃/時で80〜140℃まで加熱
し、図1のA(140℃,1時間)、B(140℃,3
時間)、C(100℃,24時間)、D(80℃,24
時間)、E(80℃,8時間)、F(110℃,1時
間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、DE、EFお
よびFAの各線によって囲まれた領域内(ただし、各線
上の点を含む)の温度および時間保持することにより予
備時効処理し、ついで、平均加熱速度:10〜1000
℃/秒で200〜270℃に加熱したのち、同温度で1
〜20秒間保持後、平均冷却速度:10〜1000℃/
秒で復元処理する熱処理方法、または、(b)平均加熱
速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜580℃
の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持した後、
平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れするこ
とにより溶体化処理し、0〜50℃で48〜1000時
間保持したのち、平均加熱速度:10〜1×106 ℃/
時で100〜160℃まで加熱し、図2のG(160
℃,1時間)、H(160℃,3時間)、I(127
℃,24時間)、J(100℃,24時間)、K(10
0℃,5時間)、L(120℃,1時間)の点を順次結
ぶGH、HI、IJ、JK、KLおよびLGの各線によ
って囲まれた領域内(ただし、各線上の点を含む)の温
度および時間に保持することにより予備時効処理し、つ
いで、平均加熱速度:10〜1000℃/時で200〜
270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で復元処理す
る熱処理方法、の内のいずれかの熱処理方法を施すと、
成型加工性が優れ、かつ成形後、燐酸亜鉛処理を施し、
塗装したのちに焼き付け処理するに際し、比較的低温お
よび短時間の焼き付け条件でも顕著な析出硬化を生じ、
かつ焼付塗装後の耐糸錆性が優れるアルミニウム合金板
が得られる、という知見を得たのである。
【0012】この発明はかかる知見に基づいて成された
ものであって、(1)前記(イ)〜(ニ)の内のいずれ
かのアルミニウム合金板を、平均加熱速度:10〜10
00℃/秒で温度:500〜580℃の温度に加熱し、
同温度範囲に1〜20秒保持した後、平均冷却速度:1
0〜1000℃/秒で焼き入れすることにより溶体化処
理し、0〜50℃で0.5〜3時間放置したのち、平均
加熱速度:50〜1×106 ℃/時で80〜140℃ま
で加熱し、図1のA(140℃,1時間)、B(140
℃,3時間)、C(100℃,24時間)、D(80
℃,24時間)、E(80℃,8時間)、F(110
℃,1時間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、D
E、EFおよびFAの各線によって囲まれた領域内(た
だし、各線上の点を含む)の温度および時間保持するこ
とにより予備時効処理し、ついで、平均加熱速度:10
〜1000℃/秒で200〜270℃に加熱したのち、
同温度で1〜20秒間保持後、平均冷却速度:10〜1
000℃/秒で復元処理する熱処理方法、(2)前記
(イ)〜(ニ)の内のいずれかのアルミニウム合金板
を、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:50
0〜580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒
保持した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼
き入れすることにより溶体化処理し、0〜50℃で48
〜1000時間保持したのち、平均加熱速度:10〜1
×106 ℃/時で100〜160℃まで加熱し、図2の
G(160℃,1時間)、H(160℃,3時間)、I
(127℃,24時間)、J(100℃,24時間)、
K(100℃,5時間)、L(120℃,1時間)の点
を順次結ぶGH、HI、IJ、JK、KLおよびLGの
各線によって囲まれた領域内(ただし、各線上の点を含
む)の温度および時間に保持することにより予備時効処
理し、ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/時で
200〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒
間保持後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で復元
処理する熱処理方法、に特徴を有するものである。
【0013】図1は、溶体化処理後、0〜50℃で0.
5〜3時間保持したのち、予備時効処理する時の温度と
保持時間の範囲を示すグラフであり、図2は、溶体化処
理後、0〜50℃で48〜1000時間保持したのち、
予備時効処理する時の温度と保持時間の範囲を示すグラ
フである。
【0014】つぎに、この発明の成形加工性、焼付き硬
化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアルミニウム合金
板の製造方法における限定理由を説明する。 A、成分組成 Cu:Cuは、燐酸亜鉛処理性を高める元素であって、
その含有量が0.03%未満では、処理液中で多量のF
イオンを添加しないと、十分な燐酸亜鉛被膜が得られ
ず、また十分な耐糸錆性が得られない。一方、Cuは
0.3%を越えて含有すると耐糸錆性が低下する。した
がって、Cu:0.03〜0.3%に定めた。さらにC
uはMgおよびSiと共存することにより、析出硬化性
を高める作用もある。したがって、Cu+Mg+Si:
1.4〜1.8%の範囲内にあることが好ましい。
【0015】Mg,Si:これら成分は、Al合金板に
析出硬化性を付与し、焼付け硬化性に寄与する成分であ
るが、その添加量が低いと、硬化が不十分であり、一
方、添加量が高くなると、予歪み負荷時の曲げ加工性を
著しく低下させる。したがって、Mg,Siの含有量は
それぞれMg:0.5〜0.8%、Si:0.5〜1.
0%に定めた。
【0016】Be:Beは、人工時効時の析出硬化速度
を高め、低温・短時間での焼付け硬化性を高める成分で
あるが、その含有量が、0.2%を越えると張出し性や
耐蝕性が劣化するだけでなく、Beは、毒性のつよい元
素であるところから、あまり多量に使用すると溶接作業
環境を害する恐れがあるので好ましくなく、一方、0.
0005%未満では所望の効果が得られないところか
ら、Beの含有量は、0.0005〜0.2%に定め
た。
【0017】Zr,Mn:これら成分は共に均質化処理
時や溶体化処理時の結晶粒の成長を制御すると共に強度
を向上させる元素であるが、これらの含有量が合計で
0.05%未満では所望の効果が得られず、結晶粒が粗
大となり、強度が低下する。一方、0.2%を越えて含
有すると成形性が低下する。したがって、Zr+Mn:
0.05〜0.2%に定めた。
【0018】Ti,B:これら成分は共にインゴットの
結晶粒を微細化し鋳塊割れを防止し、加工性を高める成
分であるが、Ti含有量が0.05%を越え、B含有量
が0.01%を越えることは好ましくなく、一方、Ti
含有量が0.005%未満、B含有量が0.001%未
満では所望の効果が得られないところから、Tiの含有
量は0.005〜0.05%、Bの含有量は0.001
〜0.01%に定めた。
【0019】Fe:FeはAl合金板中に不純物として
含まれ、成形性を低下させるので0.3%以下に規制
し、できるだけ少ない方が好ましいが、0.05%以下
にすると、合金組織の安定性に欠くので0.05%以上
とし、したがって、Fe:0.05〜0.3%に定め
た。
【0020】Cr,V:これら成分は、成形性を低下さ
せるので、それぞれ0.05%以下に規制するが、0.
01%以下に規制することが一層好ましい。同じ成形性
を低下させる成分としてZrおよびMnがあるので、Z
r+Mn+Cr+V:0.2%以下に規制することが一
層好ましい。
【0021】Zn:Znは、析出硬化性を高めるが、素
材の耐食性を低下させ、耐糸錆性を低下させるので、そ
の含有量が、0.3%以下に規制した。
【0022】B、熱処理条件 前記(イ)〜(ニ)の成分組成を有するアルミニウム合
金板を、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:
500〜580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜2
0秒保持した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒
で焼き入れすることにより溶体化処理する。この溶体化
処理により結晶粒が15〜50μmで、成形性に有害な
粗大な化合物が溶体化され、十分な時効硬化性が付与さ
れる。
【0023】この時、平均加熱速度が10℃/秒遅い
と、結晶粒が粗大となりやすく、また、加熱温度が50
0℃より低いと十分溶体化されないために十分な時効硬
化性が付与されず、成形性に有害な粗大化合物が残存す
るので好ましくない。一方、加熱温度が580℃より高
すぎると溶融したり、結晶粒が粗大化し、また加熱時間
が20秒を越えて長過ぎると、結晶粒が粗大化するので
好ましくない。一方、平均加熱速度および平均冷却速度
が1000℃/秒を越えて速過ぎると、焼き入れ歪みが
大きくなる。したがって、平均加熱速度および平均冷却
速度はそれぞれ10〜1000℃/秒に定めた。平均加
熱速度および平均冷却速度はそれぞれ10〜200℃/
秒であることが一層好ましい。
【0024】前記溶体化処理したアルミニウム合金板を
0〜50℃で0.5〜3時間放置した後、予備時効処理
する。この場合の予備時効処理における平均加熱速度:
50〜1×106 ℃/時で80〜140℃まで加熱する
のは、平均加熱速度:50℃/時では80〜140℃ま
で加熱中に時効が進み、続く80〜140℃での予備時
効速度が低下し、その結果、得られる板の焼き付き硬化
性が低下するためであり、一方、1×106 ℃/時を越
えると、急激な熱膨張を生じるため、種々のトラブルの
原因となって好ましくないからである。80〜140℃
に加熱後、図1に示されるA(140℃,1時間)、B
(140℃,3時間)、C(100℃,24時間)、D
(80℃,24時間)、E(80℃,8時間)、F(1
10℃,1時間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、
DE、EFおよびFAの各線によって囲まれた領域内
(ただし、各線上の点を含む)の温度および時間保持の
予備時効処理を行う。この領域を外れた温度および時間
の保持を行っても十分な焼付け硬化性が得られず、予備
時効後復元処理を行っても耐力が低下しなくなり、延性
や曲げ加工性、形状凍結性が低下するので好ましくな
い。
【0025】80〜140℃への加熱は、連続焼鈍炉で
溶体化焼き入れ処理した後、コイルに巻き取る際に、ヒ
ートロールなどの加熱装置を用いて保持温度まで加熱し
ながら巻き取る方法または連続焼鈍後一旦巻き取ったコ
イルを巻き返しながら加熱する方法を取ることが好まし
い。
【0026】前記予備時効処理後、平均加熱速度:10
〜1000℃/秒で200〜270℃に加熱したのち、
同温度で1〜20秒間保持後、平均冷却速度:10〜1
000℃/秒で焼き入れの復元処理を行う。この復元処
理は、予備時効処理したのち直ちに行っても、予備時効
処理後常温まで冷却し常温で保持後行ってもよく、予備
時効処理後の常温保持時間は特に規定する必要はない。
前記復元処理の温度が高すぎたり、時間が長過ぎると、
復元処理の後の耐力は低くなるが、経時変化により耐力
が上昇しやすくなり、また、延性や曲げ加工性が低下す
る。一方、復元処理の温度が低すぎたり、時間が短過ぎ
ると、耐力が低下せず、焼き付け硬化性が低くなるので
好ましくない。
【0027】前記(1)の方法は、溶体化焼き入れ処理
と予備時効処理との間の時間が0.5〜3時間に規制さ
れているため、工業的には、溶体化処理を行うためのフ
ローティング方式の連続焼鈍炉、コイル加熱・冷却装
置、予備時効温度におけるコイルを保持する連続式保持
炉などを連続的に配置した連続処理に適する。
【0028】コイルのストックヤードなどで保管する場
合は、溶体化焼き入れ処理後0〜50℃に48〜100
0時間放置し、ついで予備時効処理する前記(2)の方
法で実施することができる。前記(2)の方法の場合、
予備時効処理の平均加熱速度の下限が:10℃/時と小
さいため、通常は特殊な加熱装置を必要とせず、バッチ
式の焼鈍炉で処理が可能であり、特殊な連続処理ライン
を必要としない。溶体化処理後の保持温度が0℃以下で
は48時間放置しても特性が安定化せず、50℃を超え
ると時効速度が速くなり過ぎるので好ましくない。
【0029】前記(2)の方法の場合、0〜50℃で4
8〜1000時間放置したのち、平均加熱速度:10〜
1×106 ℃/時で100〜160℃まで加熱し、図2
のG(160℃,1時間)、H(160℃,3時間)、
I(127℃,24時間)、J (100℃,24時
間)、K(100℃,5時間)、L(120℃,1時
間)の点を順次結ぶGH、HI、IJ、JK、KLおよ
びLGの各線によって囲まれた領域内(ただし、各線上
の点を含む)の温度および時間に保持することにより予
備時効処理する。この領域を外れた温度および時間の保
持を行っても十分な焼付け硬化性が得られず、予備時効
後復元処理を行っても耐力が低下しなくなり、延性や曲
げ加工性、形状凍結性が低下するので好ましくない。予
備時効処理後の復元処理および焼き入れ処理の条件は、
前記(1)の方法と同じである。
【0030】
【発明の実施の形態】Al合金を溶製し、半連続鋳造し
てインゴットを製造し、このインゴットを480℃の温
度で8時間保持の均質化処理を行い、面削後、510℃
まで加熱し、6mmの厚さまで熱間圧延したのち、1m
mまで冷間圧延し、その後、赤外線式加熱装置を用い
て、加熱速度100℃/secで560℃まで加熱し、
560℃で10秒保持後、平均冷却速度:50℃/se
cで常温まで焼き入れの溶体化処理を施すことにより、
表1に示す成分組成のAl合金板A〜Pを製造した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1、 表1に示す成分組成のAl合金板A〜Qを、表2に示す
条件で熱処理を行なうことにより本発明法1〜14およ
び比較法1〜11を実施した。その際、予備時効処理は
電気炉を用いて行い、復元処理は赤外線式加熱装置を用
いて行った。
【0033】
【表2】
【0034】このようにして製造したAl合金板の復元
処理直後の耐力、製造後常温に1ケ月放置した後の耐力
および伸びを引張り試験により求め、さらに耐力増加量
および焼付け硬化量を求め、その結果を表3に示した。
引張り試験による耐力増加量は、復元処理後1日以内に
測定した耐力と製造後1ケ月後の耐力の差を示し、焼付
け硬化量は、製造後1ケ月後の合金板にプレス相当の2
%の引っ張り歪みを加え、さらに170℃で20分の塗
装焼付け処理を行った後に測定した耐力と製造後1ケ月
後の合金板の耐力の差を示を示す。
【0035】さらに、製造後常温に1ケ月放置した後の
Al合金板について、曲げ試験および耐糸錆性試験を行
った。曲げ試験は、製造したAl合金板に5%の引っ張
り歪みを加えた後、曲げ加工を行い、内側曲げ半径:
0.5mmで曲げ加工できた場合を○、不可能であった
場合を×として示した。
【0036】耐糸錆性試験は、Fイオン濃度:60pp
mの処理液を用い、燐酸亜鉛処理後、3層塗装(電着塗
装20μm、中塗り塗装30μm、上塗り塗装30μ
m)し、と相互、表面にクロスカットを施した後、複合
サイクル腐食試験(35℃×2時間塩水噴霧→60℃×
4時間乾燥→60℃×4時間湿潤(95RH))を35
サイクル行った後、クロスカットからの最大腐食長さを
測定し、その長さが3mm未満を○、3mm以上を×と
して示した。
【0037】
【表3】
【0038】実施例2、 表1に示す成分組成のAl合金板A〜Qを、表4に示す
条件で熱処理を行なうことにより本発明法15〜28お
よび比較法12〜22を実施した。その際、予備時効処
理はバッチ式雰囲気炉を用いて行い、復元処理は連続焼
鈍炉を用いて行った。
【0039】
【表4】
【0040】このようにして製造したAl合金板の復元
処理直後の耐力、製造後常温に1ケ月放置した後の耐力
および伸びを実施例1と同様にして、引張り試験により
求め、さらに耐力増加量および焼付け硬化量を求め、さ
らに曲げ試験、耐糸錆性試験を行い、その結果を表5に
示した。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】前記実施例1〜2から明らかなように、
この発明は、成形加工性、焼付き硬化性および塗装後の
耐糸錆性に優れたアルミニウム合金板の製造方法を提供
することができ、産業上優れた効果をもたらすものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶体化処理後、3時間以下の保持を行った後の
予備時効処理における温度および保持時間の範囲を示し
たグラフである。
【図2】溶体化処理後、48時間以上の保持を行った後
の予備時効処理における温度および保持時間の範囲を示
したグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、Z
    rおよびMnの内の1種または2種:0.06〜0.2
    %、Fe:0.03〜0.3%を含有し、残りがAlお
    よび不可避不純物からなり、前記不可避不純物の内のC
    rを0.05%以下、Vを0.05%以下、Znを0.
    3%以下に規制しかつ不可避不純物の総量を0.3%以
    下に規制した組成を有するアルミニウム合金板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で0.5〜3時間放置したのち、 平均加熱速度:50〜1×106 ℃/時で80〜140
    ℃まで加熱し、図1のA(140℃,1時間)、B(1
    40℃,3時間)、C(100℃,24時間)、D(8
    0℃,24時間)、E(80℃,8時間)、F(110
    ℃,1時間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、D
    E、EFおよびFAの各線によって囲まれた領域内(た
    だし、各線上の点を含む)の温度および時間保持するこ
    とにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、B
    e:0.0005〜0.2%、ZrおよびMnの内の1
    種または2種:0.06〜0.2%、Fe:0.03〜
    0.3%、を含有し、残りがAlおよび不可避不純物か
    らなり、前記不可避不純物の内のCrを0.05%以
    下、Vを0.05%以下、Znを0.3%以下に規制し
    かつ不可避不純物の総量を0.3%以下に規制した組成
    を有するアルミニウム合金板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で0.5〜3時間放置したのち、 平均加熱速度:50〜1×106 ℃/時で80〜140
    ℃まで加熱し、図1のA(140℃,1時間)、B(1
    40℃,3時間)、C(100℃,24時間)、D(8
    0℃,24時間)、E(80℃,8時間)、F(110
    ℃,1時間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、D
    E、EFおよびFAの各線によって囲まれた領域内(た
    だし、各線上の点を含む)の温度および時間保持するこ
    とにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、Z
    rおよびMnの内の1種または2種:0.06〜0.2
    %、Fe:0.03〜0.3%、Ti:0.0005〜
    0.05%、B:0.001〜0.01%を含有し、残
    りがAlおよび不可避不純物からなり、前記不可避不純
    物の内のCrを0.05%以下、Vを0.05%以下、
    Znを0.3%以下に規制しかつ不可避不純物の総量を
    0.3%以下に規制した組成を有するアルミニウム合金
    板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で0.5〜3時間放置したのち、 平均加熱速度:50〜1×106 ℃/時で80〜140
    ℃まで加熱し、図1のA(140℃,1時間)、B(1
    40℃,3時間)、C(100℃,24時間)、D(8
    0℃,24時間)、E(80℃,8時間)、F(110
    ℃,1時間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、D
    E、EFおよびFAの各線によって囲まれた領域内(た
    だし、各線上の点を含む)の温度および時間保持するこ
    とにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、B
    e:0.0005〜0.2%、ZrおよびMnの内の1
    種または2種:0.06〜0.2%、Fe:0.03〜
    0.3%、Ti:0.0005〜0.05%、B:0.
    001〜0.01%を含有し、残りがAlおよび不可避
    不純物からなり、前記不可避不純物の内のCrを0.0
    5%以下、Vを0.05%以下、Znを0.3%以下に
    規制しかつ不可避不純物の総量を0.3%以下に規制し
    た組成を有するアルミニウム合金板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で0.5〜3時間放置したのち、 平均加熱速度:50〜1×106 ℃/時で80〜140
    ℃まで加熱し、図1のA(140℃,1時間)、B(1
    40℃,3時間)、C(100℃,24時間)、D(8
    0℃,24時間)、E(80℃,8時間)、F(110
    ℃,1時間)の各点を順次結ぶAB、BC、CD、D
    E、EFおよびFAの各線によって囲まれた領域内(た
    だし、各線上の点を含む)の温度および時間保持するこ
    とにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、Z
    rおよびMnの内の1種または2種:0.06〜0.2
    %、Fe:0.03〜0.3%を含有し、残りがAlお
    よび不可避不純物からなり、前記不可避不純物の内のC
    rを0.05%以下、Vを0.05%以下、Znを0.
    3%以下に規制しかつ不可避不純物の総量を0.3%以
    下に規制した組成を有するアルミニウム合金板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で48〜1000時間保持したのち、 平均加熱速度:10〜1×106 ℃/時で100〜16
    0℃まで加熱し、図2のG(160℃,1時間)、H
    (160℃,3時間)、I(127℃,24時間)、J
    (100℃,24時間)、K(100℃,5時間)、L
    (120℃,1時間)の点を順次結ぶGH、HI、I
    J、JK、KLおよびLGの各線によって囲まれた領域
    内(ただし、各線上の点を含む)の温度および時間に保
    持することにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、B
    e:0.0005〜0.2%、ZrおよびMnの内の1
    種または2種:0.06〜0.2%、Fe:0.03〜
    0.3%、を含有し、残りがAlおよび不可避不純物か
    らなり、前記不可避不純物の内のCrを0.05%以
    下、Vを0.05%以下、Znを0.3%以下に規制し
    かつ不可避不純物の総量を0.3%以下に規制した組成
    を有するアルミニウム合金板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で48〜1000時間保持したのち、 平均加熱速度:10〜1×106 ℃/時で100〜16
    0℃まで加熱し、図2のG(160℃,1時間)、H
    (160℃,3時間)、I(127℃,24時間)、J
    (100℃,24時間)、K(100℃,5時間)、L
    (120℃,1時間)の点を順次結ぶGH、HI、I
    J、JK、KLおよびLGの各線によって囲まれた領域
    内(ただし、各線上の点を含む)の温度および時間に保
    持することにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、Z
    rおよびMnの内の1種または2種:0.06〜0.2
    %、Fe:0.03〜0.3%、Ti:0.0005〜
    0.05%、B:0.001〜0.01%を含有し、残
    りがAlおよび不可避不純物からなり、前記不可避不純
    物の内のCrを0.05%以下、Vを0.05%以下、
    Znを0.3%以下に規制しかつ不可避不純物の総量を
    0.3%以下に規制した組成を有するアルミニウム合金
    板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で48〜1000時間保持したのち、 平均加熱速度:10〜1×106 ℃/時で100〜16
    0℃まで加熱し、図2のG(160℃,1時間)、H
    (160℃,3時間)、I(127℃,24時間)、J
    (100℃,24時間)、K(100℃,5時間)、L
    (120℃,1時間)の点を順次結ぶGH、HI、I
    J、JK、KLおよびLGの各線によって囲まれた領域
    内(ただし、各線上の点を含む)の温度および時間に保
    持することにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量%で、Mg:0.5〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Cu:0.03〜0.3%、B
    e:0.0005〜0.2%、ZrおよびMnの内の1
    種または2種:0.06〜0.2%、Fe:0.03〜
    0.3%、Ti:0.0005〜0.05%、B:0.
    001〜0.01%を含有し、残りがAlおよび不可避
    不純物からなり、前記不可避不純物の内のCrを0.0
    5%以下、Vを0.05%以下、Znを0.3%以下に
    規制しかつ不可避不純物の総量を0.3%以下に規制し
    た組成を有するアルミニウム合金板を、 平均加熱速度:10〜1000℃/秒で温度:500〜
    580℃の温度に加熱し、同温度範囲に1〜20秒保持
    した後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入
    れすることにより溶体化処理し、 0〜50℃で48〜1000時間保持したのち、 平均加熱速度:10〜1×106 ℃/時で100〜16
    0℃まで加熱し、図2のG(160℃,1時間)、H
    (160℃,3時間)、I(127℃,24時間)、J
    (100℃,24時間)、K(100℃,5時間)、L
    (120℃,1時間)の点を順次結ぶGH、HI、I
    J、JK、KLおよびLGの各線によって囲まれた領域
    内(ただし、各線上の点を含む)の温度および時間に保
    持することにより予備時効処理し、 ついで、平均加熱速度:10〜1000℃/秒で200
    〜270℃に加熱したのち、同温度で1〜20秒間保持
    後、平均冷却速度:10〜1000℃/秒で焼き入れす
    ることにより復元処理することを特徴とする、成形加工
    性、焼付き硬化性および塗装後の耐糸錆性に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記復元処理は、予備時効処理したのち
    直ちに行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7または8記載の成形加工性、焼付き硬化性お
    よび塗装後の耐糸錆性に優れたアルミニウム合金板の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記復元処理は、予備時効処理後、平
    均冷却速度:10〜1000℃/秒で10〜70℃に冷
    却したのち行うことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7または8記載の成形加工性、焼付き硬化
    性および塗装後の耐糸錆性に優れたアルミニウム合金板
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012041567A (ja) * 2010-08-12 2012-03-01 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 塗装焼付硬化性および成形性に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の製造方法
KR20190097158A (ko) * 2016-12-16 2019-08-20 노벨리스 인크. 알루미늄 합금 및 그 제조 방법
US11530473B2 (en) 2016-12-16 2022-12-20 Novelis Inc. High strength and highly formable aluminum alloys resistant to natural age hardening and methods of making the same

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