JPH09268065A - 長繊維複合セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

長繊維複合セラミックスおよびその製造方法

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JPH09268065A
JPH09268065A JP8103653A JP10365396A JPH09268065A JP H09268065 A JPH09268065 A JP H09268065A JP 8103653 A JP8103653 A JP 8103653A JP 10365396 A JP10365396 A JP 10365396A JP H09268065 A JPH09268065 A JP H09268065A
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Masahiro Asayama
雅弘 浅山
Tsuneji Kameda
常治 亀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マトリックスを反応焼結SiCとするとともに
複合繊維をBN被覆SiC長繊維とする長繊維複合セラ
ミックスにあって、BN被覆の膜厚を特に大きくする必
要なく、亀裂進展時のすべり効果ひいては破壊エネルギ
を高めることができるようにする。 【解決手段】BN被覆2を施したSiC長繊維1を多数
引き揃えてヤーンとし、またはヤーンを製織して2次元
または3次元の製織体を形成し、このヤーンまたは製織
体でプリフォームをつくるとともに、そのプリフォーム
の繊維間隙にC粉末5を配置して成形体を作製し、その
成形体にSi溶湯を注入して反応焼結により繊維間隙に
SiCマトリックスを形成する長繊維複合セラミックス
の製造方法。Si溶湯含浸前のプリフォームの段階でS
iC長繊維1の周囲部にB濃度が高い領域3を形成して
おき、反応焼結時に前記領域のBをSiに固溶させるこ
とにより、Siに対するBN被覆SiC長繊維中のBの
固溶を抑止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SiCマトリック
ス中にBN被覆SiC長繊維を反応焼結によって複合さ
せる技術に係り、特にBN被覆の反応焼結時におけるB
遊離によるすべり機能の低下を防止して、破壊エネルギ
を大きくすることができる長繊維複合セラミックスおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にセラミックス焼結体は、高温まで
強度低下が少なく、硬度、電気絶縁性、耐摩耗性、耐熱
性、耐腐食性、軽量性等の諸特性が従来の金属材と比較
して優れているため、重電設備部品、航空機部品、自動
車部品、電子機器、精密機械部品、半導体装置材料など
の電子用材料や構造用材料として広い分野において使用
されている。
【0003】しかし、セラミックス焼結体は、圧縮応力
に比較して引張り応力に弱く、特にこの引張応力下にお
いては破壊が一気に進行する、いわゆる脆性という欠点
を有している。このようなことから、高信頼性が要求さ
れる部位へのセラミックス部品の適用を可能にするため
に、セラミックス焼結体の高靭性化や破壊エネルギの増
大を図ることが強く求められている。
【0004】すなわちガスタービン部品、航空機部品、
自動車部品等に使用されるセラミックス構造部品には、
耐熱性および高温強度に加えて高い信頼性が要求され
る。その要求に対応するため、無機物質や金属からなる
繊維、ウィスカー、ブレード、粒子等の複合素材をマト
リックス焼結体に分散複合化させて破壊靭性値や破壊エ
ネルギ値、あるいは耐熱衝撃性等を高めたセラミックス
複合材料の実用化研究が内外の研究機関等において進め
られている。
【0005】従来、このような複合材料の中で炭化ケイ
素(SiC)マトリックス中にSiC長繊維を複合化し
た長繊維複合セラミックスが汎用性の点から注目されて
いる。SiC長繊維は、これを多数本引き揃えたヤーン
として、またヤーンを2次元または3次元に製織したク
ロスとして種々の形状部品に適用することができる。但
し、この複合セラミックスの場合は、マトリックスおよ
び長繊維ともSiCの同材質であるため、マトリックス
と長繊維とが同一面で破断する問題があった。
【0006】そこで近年ではSiC長繊維の表面に他の
材質からなるコーティング層を形成し、これをすべり層
とすることにより亀裂進展時にマトリックスからの繊維
の引抜けを良くして破壊エネルギを向上させる技術が開
発されている。SiC長繊維の好適なすべり層として
は、窒化ホウ素(BN)が考えられ、発明者においても
種々研究を行ってきた。
【0007】一方、SiCマトリックスの形成について
は、SiC長繊維を用いたプリフォームの繊維間隙に炭
素(C)粉末を配置させ、得られた成形体にシリコン
(Si)溶湯を注入して反応させることによりSiCマ
トリックスを形成する反応焼結法が開発されている。こ
の反応焼結法によると比較的容易な工程で長繊維複合セ
ラミックスが製造でき、しかも製品は高温での機械的特
性に優れたものとなる。特に反応焼結時でのマトリック
スの収縮がほとんどないため容易に長繊維と複合が可能
である。
【0008】以上のことから、BN被覆SiC長繊維を
複合素材として適用するとともに、マトリックスに反応
焼結SiCを適用した長繊維複合セラミックスに大きな
期待が寄せられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実際にBN
被覆SiC長繊維を複合素材として反応焼結によりSi
Cマトリックスを形成した長繊維複合セラミックスを製
造すると、必ずしも十分なすべり効果が得られず、亀裂
進展時にマトリックスと繊維とが同一面で破断する例が
多く見られる。このような同一面での破断はBN被覆が
薄い場合に顕著であり、被膜厚さを大きくすれば同一面
での破断傾向は減少する傾向にある。しかしながら、B
N被覆の膜厚を大きくすると高コスト化につながり、実
用化の阻害要因となる。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、マトリックスを反応焼結SiCとするとともに
複合繊維をBN被覆SiC長繊維とする長繊維複合セラ
ミックスにあって、BN被覆の膜厚を特に大きくする必
要なく、亀裂進展時のすべり効果ひいては破壊エネルギ
を高めることができる長繊維複合セラミックスおよびそ
の製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】マトリックスと繊維とが
同一面で破断した試料について、破断面の材料分析の結
果、SiC長繊維を被覆するBN層が極端に減厚してい
た。この原因は、溶融Siの反応性が極めて強いため、
BN中のホウ素(B)が反応焼結時に溶融Siと反応し
て下記の式で表されるSi−B固溶体が形成されてBN
被覆が劣化するものと考えられる。
【0012】
【数1】
【0013】このように、BがSi中に固溶してBNが
分解されると、すべり層の機能を失って溶融SiとSi
長繊維とが直接接触し、亀裂進展の際にマトリックスと
繊維とが同一面で破断するようになり、破壊エネルギが
低下するものである。
【0014】そこで発明者においては、反応焼結の際、
プリフォームに注入されるSi溶湯がSiC長繊維の表
面のBN被覆層に達する前に他のB物質と予め反応して
Si−B固溶体を形成するようにし、BN被覆層では既
に溶融Siが不活性な状態となるようにすれば、もはや
BN被覆のBと反応することがなくなり、それによって
BN被覆を保護することが可能となるとの知見を得た。
【0015】本発明に係る長繊維複合セラミックスの製
造方法は以上の知見に基づいてなされたものであり、B
N被覆SiC長繊維を多数引き揃えてヤーンとし、また
はヤーンを製織して2次元または3次元の製織体を形成
し、このヤーンまたは製織体でプリフォームをつくると
ともに、そのプリフォームの繊維間隙にC粉末を配置し
成形体を作製する。その成形体にSi溶湯を注入して反
応焼結により繊維間隙にSiCマトリックスを形成する
長繊維複合セラミックスの製造方法において、Si溶湯
含浸前の成形体の段階でSiC長繊維の周囲部にB濃度
が高い領域を形成しておき、反応焼結時に前記領域のB
をSiに固溶させることにより、Siに対するBN被覆
SiC長繊維中のBの固溶を抑止することを特徴とす
る。
【0016】本発明の方法によると、反応焼結時に含浸
する溶融SiはマトリックスのCをケイ化しながら内部
まで進入していく。そして、SiC長繊維の周囲の高B
濃度の領域で溶融Si中にBを固溶しながらさらに進入
するため、SiC長繊維表面のBN被覆に溶融Siが到
達したときには、溶融Si中に多量のBを既に固溶して
いる。この効果でBN被覆の浸食、即ちBを固溶する程
度が減少するため、SiC長繊維表面のBN被覆は比較
的健全に保持される。その結果、亀裂進展時にマトリッ
クスと長繊維との間ですべりが起こり、初期破壊後の亀
裂進展抵抗は増大する。
【0017】本発明において望ましくは、B濃度が高い
領域を形成する物質として、窒化ホウ素(BN),炭化
ホウ素(B4 C),酸化ホウ素(B2 3 )の少なくと
もいずれかを適用する。勿論これらを混合してもよい。
【0018】BNを適用した場合には、溶融Siとの反
応によってSi−B固溶体とともにSiNが形成され、
4 Cを適用した場合には同様にSiCが形成され、B
2 3 を適用した場合にはSiO2 が形成される。
【0019】また、本発明においては、B化合物以外の
SiCやSi3 4 等の骨材、あるいはCのようなマト
リックス形成成分を添加することは効果的である。
【0020】また、本発明の製造方法においては、B濃
度が高い領域を形成する物質のB含有量は、反応焼結時
にプリフォームに注入されるSi溶湯に対する固溶飽和
量を上限とする含有量に設定することが望ましい。
【0021】予め装填する物質中のB濃度が溶融Siに
対する固溶飽和量を超えると、Bが単体あるいは化合物
として残存し、製造コストの無駄を生じ、また強度も低
下するからである。
【0022】さらに本発明の製造方法においては、B濃
度が高い領域を形成する物質は粉末あるいはBの有機化
合物の状態でプリフォームのSiC長繊維の表面に付着
させ、または反応焼結用C粉末とともにマトリックス形
成用の繊維間隙部位に挿入配置させる2種類の工程が選
択できる。
【0023】以上のようにして製造される本発明に係る
長繊維複合セラミックスは、SiCマトリックス中に、
BNからなるすべり層で被覆したBN被覆SiC長繊維
を、ヤーンまたは製織体の状態で複合化した長繊維複合
セラミックスであって、SiCマトリックスはSi溶湯
およびC粉末を用いた反応焼結によって形成したものに
おいて、BN被覆SiC長繊維の周囲部に位置するSi
Cマトリックス中に、固溶飽和量を上限としてSiにB
を固溶させたSi−B固溶体領域を形成したことを特徴
とする。
【0024】このような構成の長繊維複合セラミックス
では、BN被覆の膜厚を特に大きくする必要なく、亀裂
進展時のすべり効果が十分に得られ、破壊エネルギを高
めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0026】(実施例1)本実施例では高濃度B領域を
形成するためのB源をBNとした。このBN粉末とC粉
末とを水に溶かして混合し、スリップを作成した。この
スリップを一定の容器に収容しておき、BN被覆SiC
長繊維のヤーンをスリップ内に挿通してディップ操作を
行った。
【0027】なお、SiC長繊維としては商品名ハイニ
カロン(日本カーボン株式会社製のフィラメント糸(直
径14μm))を適用した、このモノフィラメントの表
面にCVD法によってすべり層としての0.4μm厚の
BN被覆を行い、これにより、前記のBN被覆SiC長
繊維を得た。
【0028】このようにして得たBN被覆SiC長繊維
を例えば500本引き揃えてヤーンとし、これに対して
前記のBN,Cスリップへのディップを行った。このデ
ィップしたBN被覆SiC長繊維を乾燥させることによ
り、繊維表面にBN粉末およびC粉末を付着させた。付
着したBN粉末の量は、後に注入されるSiに対するB
の固溶飽和量となるように設定した。これについては後
に詳述する。
【0029】次に、BN粉末およびC粉末が付着した前
記のBN被覆SiC長繊維のヤーンを、石膏型の内部に
配置した。そして、C粉末のみのスリップを石膏型内に
流し込み、後に乾燥させることにより、繊維間隙のマト
リックスとなる部分にC粉末を充填させ、これを成形体
とした。本実施例で作成した成形体は略直方体状(縦4
0mm×横40m×厚さ5mm)のものであり、SiC長繊
維の体積率は25%とした。
【0030】図1は、得られた成形体Aの断面形状を模
式的に示したものである。この図1に示すように、Si
C長繊維1の外周面にすべり層としてのBN被覆2が形
成されており、その周囲の破線で示した一定の領域3が
BN粉末4およびC粉末5の付着によるB濃度の高い領
域となっている。さらに、他の領域6にはC粉末7が充
填されている。
【0031】このような成形体Aに対し、1450℃の
Si溶湯を注入し、成形体Aを形成しているC粉末と溶
融Siとを反応焼結させることによって、マトリックス
をSiCとするSiC長繊維複合セラミックスの試料を
得た。
【0032】図2は、得られた試料の断面形状を模式的
に示したものである。この図2に示すように、SiC長
繊維1の外周面にはBN被覆2が破壊することなく健全
な状態で残存していた。そして、図1に示したB濃度の
高い領域3であった部分には、Si−B固溶体が存在し
ていた。このことから、Si溶湯注入による反応焼結時
に、前記のB濃度の高い領域3にあるBN粉末中のBが
溶融Siに固溶して、Si−B固溶体が生成され、Si
C長繊維1の表面のBN被覆2に溶融Siが到達したと
きには既にSi−B固溶体となっていて、SiC繊維表
面のBN被覆2からBが放出されることなく、その被覆
が保護されることが確認された。なお、図2中、8は反
応焼結によって生成したSiCマトリックスの部分であ
る。
【0033】図3は前記試料の中央部における繊維軸線
に直交する断面の顕微鏡写真(倍率170倍)である。
同図に白色で表われている部分がSi濃度の高い部分で
マトリックス中に全体的に均質に分散しており、この部
分がBN粉末からBが溶融Siに取込まれてSi−B固
溶体となっている。BN被覆SiC長繊維が溶融Siの
侵食を受けていないことは、繊維が健全でかつ引き抜け
が生じていることから明らかである。
【0034】これに対し、図4は後述する比較例1で示
すように、BN被覆SiC長繊維の周囲にB濃度の高い
領域を設けなかった場合の顕微鏡写真(倍率170倍)
である。同図に白色で表われている部分がSi濃度の高
い部分であるが、溶融Siが繊維表面のBN被覆2を破
壊して、繊維までも侵食していることが判る。しかも、
同図から明らかなように、侵食を受けている部分は広範
囲に亘っている。
【0035】以上の試料(実施例1,比較例2)につい
て破壊エネルギおよび繊維残存率を調べたところ、下記
の表1に示したように、実施例1では破壊エネルギが
1.9、繊維残存率が90%であった。これに対し、比
較例1の場合は破壊エネルギが1、繊維残存率が40%
であった。
【0036】なお、図5はSi−B状態図である。同図
で示されるように、Siに固溶されるB量は溶融温度に
よって異なる。本実施例においては、反応焼結のために
プリフォームに注入するSi溶湯の温度を1450℃と
したが、この場合のBの固溶飽和量は5重量%である。
Si溶湯温度が1390℃の場合はBの固溶飽和量が3
重量%、同1410℃の場合は1重量%と温度低下に従
って固溶量が低下する。反応焼結上の観点からはSi溶
湯温度が高い方が望ましいが、その場合には繊維損傷率
が大きくなるので、過度の高温化は必ずしも好適ではな
い。総合的には本実施例の如く、Si溶湯を1450℃
とすることが最適であった。
【0037】(実施例2,3)前記実施例1と同様の工
程で、B濃度の高い領域を形成するためのB化合物とし
て、B4 C(実施例2)およびB2 O(実施例3)を適
用してSi長繊維複合セラミックスの試料を作成した。
【0038】これらの試料について破壊エネルギおよび
繊維残存率を調べたところ、下記の表1に示すように、
実施例2,3の場合とも、破壊エネルギが1.8、繊維
残存率が85%であった。
【0039】(実施例4)この実施例4では前記各実施
例と異なり、BN被覆Si長繊維の表面にB化合物の粉
末を付着させることなく、BN被覆Si長繊維のヤーン
を石膏型内に配置しておき、この石膏型内にSiへの固
溶飽和量以下のBN粉末と、C粉末とのスリップを流し
込み、繊維間隙部分にBN粉末が存在するようにした。
【0040】そして、乾燥したプリフォームに対してS
i溶湯を注入して反応焼結を行わせて試料を作成した。
【0041】この試料については下記の表1に示すよう
に、破壊エネルギが1.7であり、繊維残存率が80%
であった。
【0042】(比較例1)BN被覆Si長繊維を石膏型
に配置して、C粉末のみを水に溶かしたスリップを流し
込み、乾燥によりプリフォームを得た。
【0043】このプリフォームにSi溶湯を注入して反
応焼結を行わせSiCマトリックスの形成を行って試料
を作成した。
【0044】この結果、下記の表1に示すように、破壊
エネルギが1、繊維残存率が40%であり、前記の各実
施例に比べて強度が低いものであった。
【0045】(比較例2)この比較例では前記実施例1
と略同様の材料を使用し、同様の工程で試料を作成した
が、その場合にB濃度の高い領域を形成するためのBN
粉末の添加量を、溶融Siへの固溶飽和量を超えて多量
に設定した。
【0046】この結果得られた試料については、破壊エ
ネルギが1.2、繊維残存率が85%であった。つま
り、マトリックス中にBNが残存するため破壊強度が低
下し、その結果、破壊エネルギが低下するものと考えら
れる。
【0047】なお、以上の実施例1〜4、比較例1,2
について、下記の表1に試験結果を示すが、破壊エネル
ギは試料の3点曲げ試験により測定し、比較例1の場合
を1として規格したものである。また、繊維残存率につ
いては、切断面の微構造観察により健全なBN被覆Si
C繊維の残存率を測定したものである。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、マトリックスを反応焼結SiCとするとともに複合
繊維をBN被覆SiC長繊維とする長繊維複合セラミッ
クスにあって、BN被覆の膜厚を特に大きくする必要な
く、亀裂進展時のすべり効果ひいては破壊エネルギを高
めることができる長繊維複合セラミックスおよびその製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において製造される試料の途
中形成体であるプリフォームの断面を示す模式図。
【図2】本発明の実施例1において製造される試料の最
終断面を示す模式図。
【図3】図2に示した試料の断面形状を示す顕微鏡写
真。
【図4】比較例1(従来例)に基づく試料の断面形状を
示す顕微鏡写真。
【図5】シリコン(Si)−ホウ素(B)状態図。
【符号の説明】
1 SiC長繊維 2 BN被覆 3 領域 4 BN粉末 5 C粉末 6 領域 7 C粉末 8 マトリックス
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiCマトリックス中に、BNからなる
    すべり層で被覆したBN被覆SiC長繊維を複合化した
    長繊維複合セラミックスであって、前記SiCマトリッ
    クスはSi溶湯およびC粉末を用いた反応焼結によって
    形成したものにおいて、前記BN被覆SiC長繊維の周
    囲部に位置する前記SiCマトリックス中に、固溶飽和
    量を上限としてSiにBを固溶させたSi−B固溶体領
    域を形成したことを特徴とする長繊維複合セラミック
    ス。
  2. 【請求項2】 BN被覆SiC長繊維を多数引き揃えて
    ヤーンとし、またはヤーンを製織して2次元または3次
    元の製織体を形成し、このヤーンまたは製織体でプリフ
    ォームをつくるとともに、そのプリフォームの繊維間隙
    にC粉末を配置して成形体を形成し、その成形体にSi
    溶湯を注入して反応焼結により繊維間隙にSiCマトリ
    ックスを形成する長繊維複合セラミックスの製造方法に
    おいて、Si溶湯含浸前のプリフォームの段階でSiC
    長繊維の周囲部にB濃度が高い領域を形成しておき、反
    応焼結時に前記領域のBをSiに固溶させることによ
    り、Siに対するBN被覆SiC長繊維中のBの固溶を
    抑止することを特徴とする長繊維複合セラミックスの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の長繊維複合セラミックス
    の製造方法において、B濃度が高い領域を形成する物質
    として、BN,B4 C,B2 3 の少なくともいずれか
    を適用することを特徴とする長繊維複合セラミックスの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の長繊維複合セラ
    ミックスの製造方法において、B濃度が高い領域を形成
    する物質のB含有量は、反応焼結時にプリフォームに注
    入されるSi溶湯に対する固溶飽和量を上限とする含有
    量に設定することを特徴とする長繊維複合セラミックス
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2、3または4記載の長繊維複合
    セラミックスの製造方法において、B濃度が高い領域を
    形成する物質は粉末の状態でプリフォームのSiC長繊
    維の表面に付着させ、または反応焼結用C粉末とともに
    マトリックス形成用の繊維間隙部位に挿入配置させるこ
    とを特徴とする長繊維複合セラミックスの製造方法。
JP8103653A 1996-03-29 1996-03-30 長繊維複合セラミックスおよびその製造方法 Pending JPH09268065A (ja)

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