JP2000351676A - 珪素を溶融浸透した複合体中における珪素をドープされた窒化硼素で被覆された繊維 - Google Patents

珪素を溶融浸透した複合体中における珪素をドープされた窒化硼素で被覆された繊維

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 乾燥・水分含有の高温において改善された酸
化抵抗を有する繊維で強化された珪素−炭化珪素マトリ
ックス複合体を提供する。 【解決手段】珪素をドープされた窒化硼素皮膜で被覆さ
れたフイラメント、布、フエルト等よりなる繊維状物質
と、炭素、炭化珪素およびこれらの混合物群から選ばれ
る粒子を含むマトリックスを含んだ混合物を含むプリフ
ォームを選択し、プリフォームに融解珪素を浸透させて
繊維状物質で強化された珪素−炭化珪素マトリックス複
合体を形成する工程を含む、繊維状物質で強化された珪
素炭化珪素マトリックス複合体の強靱性を増大する方法
より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は水を含有する環境での高温での
用途に適した密なセラミックマトリックス複合体に関す
る。本発明は更に珪素を溶融浸透されたセラミックマト
リックス複合体中の珪素をドープされた窒化硼素で被覆
された繊維に係わる。特に、本発明は湿った水性環境に
曝される珪素−炭化珪素セラミックマトリックス複合体
においてセラミック繊維を珪素をドープされた窒化硼素
皮膜で保護する方法に係わる。
【0002】
【発明の背景】構造材料は今日ではより高い温度で動作
することが要求される。殆どのセラミック材料は現行の
合金に対する動作範囲より高い温度でのクリープおよび
化学的侵食に対して良好な長期安定性を有している。し
かしながら、セラミックはその低い破壊エネルギーのた
めに壊滅的な損傷を受けやすい。たとえ比較的に小さな
欠陥でもひび割れの伝播を開始してこのひびはセラミッ
ク部品中に壊滅的に伝播しうる。それ故に、セラミック
の破壊に対する靱性を改善する、即ち、セラミックの優
れた性質を犠牲にすることなくセラミックを強靭にする
方法が求められている。
【0003】セラミックを強靭にする方法の一つは繊維
で強化したセラミック複合体の開発にある。繊維で強化
されたセラミックは一般にセラミックマトリックス複合
体(ceramic matrix composite : CMC)と呼ばれる。繊
維で強化されたセラミック複合体は現在使用されている
超合金よりも高い温度性能および軽い重量を有してい
る。その結果、これらは航空機および発電機系統での使
用が考えられている。これらの潜在的な用途において
は、繊維で強化されたセラミック複合体は厳しい熱的お
よび機械的条件に曝される。繊維で強化された複合体は
おそらくそのマトリックスのひび割れ応力以下で使用す
るように設計されるであろうが、熱衝撃の結果による熱
的なあるいは異物の衝突の際の機械的な、偶発的な過度
の応力を回避することは殆どできない。
【0004】繊維で強化された複合体がそのマトリック
スのひび割れ応力より高い応力に曝されるときにはこの
複合体マトリックスにひびが発生される。たとえ動作応
力がその後にマトリックスのひび割れ応力より低い値ま
で低下されたとしてもこのようなひびは開口したまま残
留し、皮膜および/または繊維は環境に暴露される。そ
の結果、特にひびが繊維で強化された複合体の厚さを通
して存在すると、この複合体マトリックス中のひび割れ
の存在は複合体の性能および耐久性に影響を与える。
【0005】これらのひびは環境の気体状相の複合体中
への輸送に対する迅速な経路として働く可能性がある。
酸素はマトリックス中の非常に小さなひびの中にすら極
めて迅速に拡散することができる。繊維および繊維の上
にある如何なる皮膜もひびを通って拡散する酸素によっ
て酸化される可能性がある。酸素は繊維の皮膜と反応し
ついには繊維と反応して、繊維とマトリックスとの間に
局部的な結合を生ずる。その結果として応力が集中しそ
して繊維が劣化するためにこの結合された箇所で繊維の
破損が始まる。繊維の端部が露出されたときにも同じこ
とが起きる。この過程は残留する繊維が負荷を担持でき
なくなるまで継続し、複合体は極限強さよりかなり小さ
な応力で破損する。繊維とマトリックスとの間の強い結
合のために複合体はその靭性挙動をも喪失する。従っ
て、セラミックマトリックス複合体の寿命を制限する重
大な問題はひびの基部における繊維皮膜の酸化とそれに
続く繊維の酸化である。
【0006】一般に、炭素または窒化硼素が高温用途に
対するセラミックマトリックス複合体に使用される繊維
皮膜に対して選択される材料であった。これらは複合体
の処理の間に繊維の保護を提供しそしてまた繊維の引き
抜けまたは繊維−マトリックスの脱結合によって複合体
の靱性を増大する弱い繊維対マトリックス界面をも提供
する。しかしながら、炭素はあらゆる酸素含有環境で酸
化され、そして窒化硼素は高温で、特にガスタービンエ
ンジンにおけるような燃料燃焼生成物のような水蒸気を
高い分圧で有する雰囲気において酸化をうけ更にその後
気化を受けやすい。窒化硼素皮膜の酸化および気化は繊
維およびマトリックスの結合を起こして、脆い複合体を
もたらす。従って、繊維−マトリックスの脱結合を示す
が、酸化および高い水含有量の雰囲気に対しより耐性で
ある繊維皮膜を提供することが望ましい。
【0007】エンジン用途に対して興味を抱かれている
セラミックマトリックス複合体は、炭素マトリックスと
炭素繊維を持つ炭素−炭素複合体、および炭化珪素マト
リックスと炭化珪素繊維をもつ炭化珪素複合体に集約さ
れており、繊維は通常被覆されている。炭化された構造
材料の使用に対する重要な制限は高温の酸化性雰囲気に
おいて酸化を受けやすいことである。酸素は炭化材料の
表面を攻撃して常に存在する間隙の孔の中にしみ込ん
で、孔の表面を酸化し材料を連続的に弱化していく。繊
維即ち炭素およびグラファイト繊維に到達する酸化雰囲
気は複合構造体を重大に毀損する。炭素−炭素複合体の
酸化を克服するための方策は酸化抑制体としてガラス−
形成体を使用することであった。このガラス−形成体は
炭素−炭素複合体の外側を包囲する皮膜として使用され
る。炭素−炭素複合体において進歩がなされているにも
拘わらず、より高い温度および機械的性能を有する改善
されたセラミック複合体がなお必要とされている。
【0008】炭化珪素−炭化珪素複合体は炭化珪素マト
リックス中に炭化珪素繊維を有している。炭化珪素複合
体の製造方法は化学蒸気浸透を使用する。ここでは、繊
維材料で作られた複数層の布は化学蒸気浸透により窒化
硼素で被覆される。これには約0.5マイクロメータの
皮膜材料を付着するのに約1日かかる。この複数層の布
は次いで化学蒸気浸透により約10−20日炭化珪素で
被覆される。炭化珪素複合体の酸化を克服する対策は米
国特許5,094,901に記載されているように酸素
−排気作用がありシーラント−形成作用のある領域をセ
ラミック繊維に緊密に接触させて使用し、そして脱結合
層を使用している。
【0009】強化繊維を酸化および水含有雰囲気から首
尾良く保護する改善されたセラミックマトリックス複合
体が必要とされている。更に、炭化珪素−炭化珪素複合
体および炭素−炭素複合体のための化学蒸気浸透法より
も時間をとらないセラミックマトリックス複合体の製造
方法が必要とされている。また、融解された珪素の浸透
により製造された約600℃より高い高温における乾燥
および水蒸気含有雰囲気での保護を提供する珪素−炭化
珪素マトリックスおよび物品を製造する方法も必要とさ
れている。
【0010】
【発明の要約】これらの必要性は乾燥または水含有雰囲
気において高温で改善された酸化抵抗性を有する繊維強
化珪素−炭化珪素マトリックス複合体の開発によって満
たされる。本発明は繊維を珪素をドープされた窒化硼素
で被覆することにより珪素−炭化珪素マトリックス複合
体中の繊維−マトリックス界面を保護する方法を提供す
る。繊維は窒化硼素皮膜中に珪素を添加してガラス状の
物質を形成することにより更に保護されている。重大な
因子は複合体の強靭性を維持しながら特に水含有雰囲気
中での複合体の酸化抵抗性を改善するために必要とされ
る皮膜中の例えば原子比または重量比のような珪素対硼
素の比である。
【0011】本発明の利益は珪素−炭化珪素マトリック
ス複合体がマトリックスのひび割れ応力より高い応力を
受けたときに複合体の特性を保持することである。珪素
をドープされた窒化硼素皮膜がその下にある繊維を保護
するので珪素−炭化珪素複合体全体の強靭性は酸化性お
よび水含有雰囲気中で維持される。ここで簡単に述べれ
ば、本発明は一観点においては、少なくとも一つの珪素
をドープされた窒化硼素の皮膜を有する繊維状物質と、
この被覆された繊維と共に炭素、炭化珪素およびこれら
の混合物からなる群から選ばれる粒子を含むマトリック
ス構成物質を含んだ混合物とを含有するプリフォームを
選択し、該プリフォーム中に少なくとも融解珪素を浸透
させて繊維で強化された密な珪素−炭化珪素マトリック
ス複合体を形成する工程を含む、繊維で強化された珪素
−炭化珪素マトリックス複合体の強靭性を増大する方法
である。
【0012】本発明の別の観点においては、珪素−炭化
珪素マトリックス中に珪素をドープされた窒化硼素で被
覆された繊維を含んでいる、改善された酸化及び気化抵
抗を有する繊維強化珪素−炭化珪素マトリックス複合体
が提供される。本発明の更に別の観点においては、元素
状珪素相、炭化珪素相および被覆された繊維状物質を有
し、前記繊維状物質が珪素をドープされた窒化硼素の皮
膜を少なくとも一つ有している、セラミックマトリック
ス複合体から作られている、エンジンに使用するための
製造物品が含まれる。
【0013】本発明の繊維で強化された珪素−炭化珪素
マトリックス複合体は、元素状珪素相および炭化珪素相
と、少なくとも珪素をドープされた窒化硼素皮膜を有す
る炭化珪素含有強化繊維を含む密なマトリックスを含ん
でなり、少なくとも1420℃の処理温度での熱的安定
性および水含有雰囲気での化学的および機械的安定性を
有している。
【0014】
【発明の記述】本発明は繊維が少なくとも珪素をドープ
された窒化硼素皮膜で被覆されている、炭化珪素含有繊
維で強化された密な珪素−炭化珪素マトリックス複合体
の製造方法およびこうして製造された物品に係わる。本
発明で提供されるマトリックス物質は融解珪素が浸透さ
れた珪素−炭化珪素であり、これはネットシェイプ加工
性および成形容易性を有する。
【0015】本発明は密なセラミックマトリックス複合
体を生成するが、これは一般にその多孔度が約20容量
%未満であることを意味する。この複合体は繊維状物質
を含んでおり、その繊維状物質成分は複合体の少なくと
も約5容量%を占めていて少なくとも珪素をドープされ
た窒化硼素皮膜{B(Si)N}を有しており、珪素の
{B(Si)N}皮膜の合計重量に対する重量比は約5
重量%乃至約40重量%であり、そして複合体マトリッ
クスは実質的に珪素を含んでいる元素状珪素の相を少な
くとも約1容量%有している。元素状珪素相は実質的に
珪素を含んでいるが、硼素のような他の溶存元素を含ん
でよい。更に、被覆された繊維は高温の湿ったまたは乾
燥した環境において酸化の保護と強靭な複合体を提供す
ることが発見された。
【0016】本発明の別の実施の態様は、少なくとも珪
素をドープされた窒化硼素皮膜を炭化珪素含有繊維状物
質上にその外側表面を実質的に被覆するように付着し、
炭素、炭化珪素およびこれらの混合物からなる群から選
ばれる粒子を含むマトリックス構成物質を前記繊維状物
質と混合し、前記混合物をプリフォームに成形し、前記
プリフォームに実質的に融解珪素を含む浸透剤を浸透
し、そして前記浸透されたプリフォームを冷却して珪素
−炭化珪素マトリックス複合体を生成する工程からな
り、珪素重量の前記B(Si)N皮膜の合計重量に対す
る比が約5重量%乃至約40重量%である、酸化性およ
び湿った環境において改善された性質を持ちうる珪素−
炭化珪素マトリックス複合体の製造方法によって提供さ
れる。
【0017】ここに使用される、「炭素」はグラファイ
ト;非晶質、単結晶または多結晶炭素の粒子、フレー
ク、ホゥィスカまたは繊維;炭化された植物繊維;ラン
プブラック;微細に分割された石炭;木炭;並びにレイ
ヨン、ポリアクリロニトリルおよびポリアセチレンのよ
うな炭化されたポリマー繊維またはフエルトを含めたあ
らゆる形態の元素状炭素を包含する。「繊維状物質」に
は繊維、フィラメント、ストランド、束、ホゥィスカ、
布、フェルト、およびこれらの組合せが含まれる。繊維
状は連続でも非連続でもよい。炭化珪素を含有する繊維
または繊維状物質に言及するときは炭化珪素がコアまた
は基材を包んでいるかまたは炭化珪素がコアまたは基材
である現在入手される材料を含む。炭化珪素で包むこと
のできる他のコア物質には炭素およびタングステンが含
まれる。繊維状物質は非晶質、結晶質またはこれらの混
合物であることができる。結晶質の物質は単結晶でも多
結晶でもよい。炭化珪素含有繊維状物質の例は炭化珪
素、Si−C−O、Si−C−O−N、Si−C−Bお
よびSi−C−O−金属であり、前記金属成分は様々で
よいが、チタン、ジルコニウムまたは硼素であることが
おおい。炭化珪素含有繊維を製造するのに有機前駆体を
使用する幾つかの方法が当業界に知られており、この繊
維には広い各種の元素を導入することができる。これら
の繊維の例には、横浜市の日本カーボン社のNicalon;Hi
-Nicalon;Hi-Nicalon S (登録商標)、山口県宇部市の宇
部興産のTyranno(登録商標)繊維並びに米国ミシガン州
ミッドランドのDow Corning CorporationのSylramic(登
録商標)が含まれる。
【0018】本発明の方法を実施するにあたっては、繊
維状物質上に皮膜系が付着され、この際繊維状物質の少
なくとも有意な部分を露出して残さず、好ましくは物質
全体を被覆する。この皮膜系は一つの皮膜を含んでも一
連の複数の皮膜を含んでもよい。ただ一つの皮膜しかな
い場合には、皮膜は珪素をドープされた窒化硼素{B
(Si)N}皮膜であるか、あるいは窒化硼素から珪素
をドープされた窒化硼素まで漸変する皮膜である。この
皮膜は連続で何等有意な多孔を含むべきでなく、好まし
くは孔を含まず著しく均質である。この皮膜中の珪素含
有化合物は、珪素のB(Si)N皮膜の合計重量に対す
る重量比が約5重量%乃至約40重量%となるのに十分
な量で存在する。その好ましい範囲は約10−25重量
%であり、最も好ましい範囲は約11−19重量%であ
る。
【0019】B(Si)N皮膜は化学的には窒化硼素
(BN)および窒化珪素(Si34)の原子混合物と考
えることができ、性質は非晶質であることも結晶質であ
ることもできる。珪素ドーピングのレベルの違いに応じ
てBNとSi34の比が異なることとなり、B(Si)
Nの組成は純粋なBNから純粋なSi34までの完全な
範囲が目されている。この範囲の一極端では、純粋なB
Nがセラミックマトリックス複合体に対して良好な繊維
−マトリックス脱結合特性を与えるが、しかし酸化/気
化抵抗は貧弱である。この範囲の他の極端では、純粋な
Si34は非常に良好な酸化/気化抵抗を有するが、し
かし複合体破損の際の繊維脱結合のための弱い繊維−マ
トリックス界面を提供しない。その中間の組成では、B
(Si)Nが良好な繊維−マトリックス脱結合特性を与
え且つまた良好な環境安定性をも有するような範囲の珪
素含有量が存在する。これは図1に概略的に示されてい
る。
【0020】B(Si)N皮膜中の珪素重量%の範囲は
珪素約5乃至約40重量%であり、好ましくは約10乃
至約25重量%であり、そして最も好ましくは約11乃
至約19重量%である。少なくともB(Si)Nの皮膜
に加えて、例えば多数層のB(Si)Nと最初および/
または中間の炭素層、あるいは最初のB(Si)Nの層
に続けて更に炭化珪素またはSi34の層、あるいはB
(Si)Nの上に炭素のような珪素−湿潤性皮膜の追加
の層、あるいはこれらの組合せ、の如きB(Si)Nを
含有する他の構成も使用することができる。
【0021】繊維または繊維状物質の上のB(Si)N
と如何なる組合せで使用される皮膜系の更なる例は、窒
化硼素と炭化珪素、窒化硼素と窒化珪素、窒化硼素と炭
素と窒化珪素、等である。本発明で考えられている繊維
状物質上の更なる皮膜の例は窒化物、硼化物、炭化物、
酸化物、珪化物、あるいはその他の類似のセラミック耐
火性物質である。セラミック炭化物皮膜の代表的なもの
は、硼素、クロム、ハフニウム、ニオブ、珪素、タンタ
ル、チタン、バナジウム、ジルコニウムおよびこれらの
混合物の炭化物である。本発明の方法に有用なセラミッ
ク窒化物の代表的なものは、ハフニウム、ニオブ、珪
素、タンタル、チタン、バナジウム、ジルコニウムおよ
ごこれらの混合物の窒化物である。セラミック硼化物の
例は、ハフニウム、ニオブ、タンタル、チタン、バナジ
ウム、ジルコニウムおよびこれらの混合物の硼化物であ
る。酸化物皮膜の例は、アルミニウム、イットリウム、
チタン、ジルコニウム、ベリリウム、珪素および希土類
の酸化物である。皮膜の厚さは約0.3−5マイクロメ
ータの範囲にわたることができる。
【0022】既述したとおり、繊維状物質は一つより多
い皮膜を持つことができる。追加の保護皮膜は珪素で湿
潤することができ、約500オングストローム乃至約3
マイクロメータであることができる。有用な珪素−湿潤
性物質の代表例は元素状炭素、金属炭化物、融解珪素と
後に反応して珪化物を形成する金属皮膜、窒化珪素のよ
うな金属窒化物および金属珪化物である。元素状炭素が
好ましく、通常熱分解炭素の形態でその下の皮膜上に付
着される。一般に、金属炭化物は珪素、タンタル、チタ
ンまたはタングステンの炭化物である。一般に、金属珪
化物はクロム、モリブデン、タンタル、チタン、タング
ステンおよびジルコニウムの珪化物である。融解珪素と
後に反応して珪化物を形成する金属は珪素の融点より高
く好ましくは約1450℃より高い融点を持たなければ
ならない。通常、この金属およびその珪化物は本発明の
方法では固体である。このような金属の代表はクロム、
モリブデン、タンタル、チタンおよびタングステンであ
る。
【0023】この皮膜を付着するには既知の技術が使用
できるが、一般には低圧技術を使用して化学蒸着によっ
て付着される。この方法では、繊維をトウに束ねて皮膜
または皮膜の組合せで被覆することができる。これらの
トウは構造体に形成され、それから融解珪素で浸透され
る。これらの方法では、融解珪素からの侵食から繊維を
保護しあるいは脱結合のために繊維上に窒化硼素皮膜が
しばしば使用される。そこでドープされていない窒化硼
素皮膜に加えてあるいはこれに代えて珪素をドープされ
た窒化硼素皮膜が使われることになろう。本発明におけ
る皮膜はドープされていない窒化硼素から珪素をドープ
された窒化硼素皮膜まで漸変させることができる。非−
漸変形の皮膜も本発明での使用が考えられている。
【0024】炭化珪素−珪素複合体を製造するのに使用
される別の方法は布または3−D構造の形態の繊維を使
用し、これを所望の形状に層状化する。上述したように
化学蒸気浸透によりこの布層状物の上に窒化硼素皮膜が
付着され、そこでドープされていない窒化硼素皮膜に加
えてあるいはこれに代えて珪素をドープされた窒化硼素
皮膜が使われることになる。窒化硼素皮膜の上に炭化珪
素または窒化珪素の追加の皮膜を存在させうる。本発明
における皮膜はドープされていない窒化硼素から珪素を
ドープされた窒化硼素皮膜まで漸変させることができ
る。非−漸変形の皮膜も本発明での使用が考えられてい
る。構造物は次いでスラリー中で処理され融解珪素によ
り溶融浸透される。融解珪素は硼素およびモリブデンの
ような他の元素を微量含有することができる。
【0025】上述したように、被覆された繊維状物質は
少なくとも炭素または炭化珪素または炭素と炭化珪素の
混合物の材料を含むマトリックス構成物質と混合され
る。異なる複合体特性または構造を与えるためにこの混
合物に他の元素または化合物を添加することができる。
この混合物の特定の組成は実験によって決定することが
でき、殆どは所望される特定の組成即ち複合体に望まれ
る特定の特性に依存する。しかしながら、この混合物
は、本発明の珪素−炭化珪素マトリックス複合体の製造
を可能にするため、元素状炭素または炭化珪素または炭
素と炭化珪素の混合物を常に十分含んでいる。特に、プ
リフォームは、融解珪素浸透剤と反応して炭化珪素およ
び珪素を含有する本発明の複合体を製造するのに十分な
元素状炭素または炭化珪素または炭素と炭化珪素の混合
物を含むべきであり、一般にこれらの殆どまたは全ては
この混合物によって与えることができ幾分かは繊維状物
質上の犠牲的な皮膜として与えることができる、一般
に、元素状炭素はこの混合物の約0容量%から、あるい
は約10または20容量%から殆ど約100容量%まで
にわたる。
【0026】プリフォーム中の炭素または炭化珪素また
は炭素と炭化珪素の混合物は粉末の形態であることがで
き、そして約50ミクロン未満、より好ましくは約10
ミクロン未満の平均粒度を有する。プリフォームに浸透
する融解珪素は実質的に珪素からなっているが、元素状
硼素を含有することもでき、この元素状硼素は融解珪素
中において限定された溶解度を有する。珪素浸透剤はま
た硼素含有化合物あるいは他の元素または化合物をも含
有することができる。
【0027】炭素または炭化珪素または炭素と炭化珪素
の混合物を含有するプリフォーム中の混合物は融解珪素
浸透剤でぬらされる。本発明の方法を実施するにあたっ
ては、プリフォームは浸透手段によって珪素浸透剤に接
触される。浸透手段は融解珪素浸透剤をプリフォーム中
に浸透させる。ここに参考までに援用される米国特許
4,737,328は浸透技術を開示している。本発明
の方法では、本発明の複合体を生成するのに十分な融解
珪素浸透剤がプリフォーム中に浸透される。特に、融解
珪素浸透剤は移動性であり、そして炭化珪素を形成する
ようプリフォーム中に存在する如何なる炭素とも大いに
反応性である。珪素相のポケットもマトリックス中に形
成される。
【0028】浸透に要する時間は実験によって決定する
ことができ、プリフォームの大きさおよび必要とされる
浸透の程度に大いに依存する。一般に、浸透は約60分
未満で、しばしば約10分未満で完結する。得られた浸
透体は有意な有害な影響を与えない雰囲気および速度で
冷却される。ここで本発明の複合体は被覆された繊維状
物質およびマトリックス層を含んでなる。マトリックス
相は被覆された繊維状物質を通して分布されており、一
般に実質的に空間を充填しそして通常相互接続してい
る。一般に被覆された繊維状物質はマトリックス相によ
って完全に包まれている。マトリックス相は炭化珪素と
珪素の混合物相を含有している。繊維状物質は複合体の
少なくとも約5容量%あるいは少なくとも約10容量%
を占めている。マトリックスは炭化珪素相を複合体の約
5−95容量%または約10−80容量%または約20
−60容量%の量で含有している。マトリックスは元素
状珪素相を複合体の約1−30容量%の量で含有しう
る。
【0029】以下の実施例は本発明を更に実証するに役
立つが本発明を限定することはない。
【0030】
【実施例】Hi-Nicalon炭化珪素繊維のトウを約15重量
%の珪素を含有するB(Si)Nの公称1ミクロン厚皮
膜で被覆した。この被覆されたトウを炭素含有スラリー
で予め含浸しそしてドラム上に巻き付けて単方向性プリ
プレグテープを形成した。複合体プリフォームのマトリ
ックスが誘導されるこのスラリーは、ジルコニア研磨媒
体300グラム、炭化珪素粉末35グラム、炭素粉末1
5グラム、ポリビニルブチラール樹脂8グラム、フルフ
リルアルコール誘導樹脂14グラム、分散剤2グラム、
トルエン40.32グラムおよび4−メチル−2−ペン
タノン26.77グラムを250ミリリットルのポリエ
チレンボトルに加えて調製された。この混合物を塗料シ
ェーカーで10分振とうしてこれら諸成分を混合してか
らボールミルに1時間入れてこの混合物を完全にホモジ
ナイズした。2時間乾燥させた後、このテープをドラム
から切りはがし、幾つかの断片に切断し、手で積み重ね
(4枚を0°方向に強化し2枚を90°方向に強化した
6枚の複合体)、それから120℃および100ポンド
/平方インチで15分間加熱されたプレスで積層され
た。
【0031】得られた積層された複合体プリフォームを
120℃のオーブンに一晩入れてマトリックス中の樹脂
を硬化した。上記バインダーの焼尽および珪素の溶融浸
透は一つの連続した作業で行えるが、これらのプロセス
を別々に行うこともできる。複合体プリフォームを窒化
硼素で被覆されたグラファイトプレート上に支持された
炭素布ウイック上に置いた。十分な珪素(Si−5%B
合金として)をこのウイック上におき、融解したときウ
イックを完全に飽和させそしてプリフォームを充填し
た。この組立物を次いで炭素電気抵抗加熱素子および炭
素絶縁体を含む真空炉に入れ、この炉を機械的な真空ポ
ンプを使用して2トル乃至20ミリトルに排気した。こ
の炉の最初の加熱速度は450℃まで0.75℃/分で
あった。ポリビニルブチラールバインダーの焼尽および
フルフリル樹脂の熱分解の速度を制限するために遅い加
熱速度を使用する。次いで450℃から550℃まで加
熱速度を1℃/分に増した。次いで炉を4℃/分の速度
で1380℃まで加熱し炉の温度を平衡させるため13
80℃に10分保持した。炉は次いで3℃/分の速度で
1380℃から1430℃まで加熱され、1430℃に
20分保持されてから、3℃/分の速度で1350℃ま
で冷却された。次いで炉の制御装置をプログラムして5
℃/分の速度で炉を室温に冷却させるが、炉の熱容量の
ため実際上は炉をこのように迅速に冷却することは妨げ
られる。
【0032】冷却後、浸透された複合体は取り付けられ
た炭素布ウイックからはがされ、ダイヤモンド研磨材に
よる切削および研磨によって複合体パネルから直線縁の
引張棒を機械加工した。これらの棒を次いでInstron 試
験機械で破損するまで引っ張り試験にかけ、接触式伸び
計で歪みを測定した。代表的な得られた応力−歪み曲線
を図2に示す。マトリックスひび割れに続く高い強さお
よび高い歪みは破損の間の適当な繊維−マトリックスの
脱結合を示している。
【0033】図3は10%酸素および90%水の雰囲気
における24時間の酸化処理に対して、B(Si)Nの
酸化/気化(質量損)を重量%(wt%)珪素の関数と
して示している。低い珪素レベルでは気化速度は高く、
次いで気化速度は約15重量%珪素まで珪素含有量の増
加と共に減少している。酸化/気化速度はその後は大し
て変わらず、このことは湿った雰囲気での酸化に対する
最大の抵抗には15wt%またはそれ以上の珪素が好ま
しいことを示している。
【0034】図4は異なるレベルの珪素ドーピングに対
する複合体中での繊維皮膜の挙動を示している。純粋な
窒化硼素皮膜(0%珪素)では、溶融浸透プロセスの間
に窒化硼素は化学的に侵食を受ける。0%珪素に対する
図4のデータは純粋な窒化硼素の皮膜および炭素と窒化
珪素の追加の保護皮膜をもった複合体に対するものであ
る。他の全てのデータは追加の窒化珪素皮膜を持たない
皮膜に対するものである。珪素を添加すると複合体処理
の間の融解珪素に対する皮膜の化学抵抗が増し、約15
重量%の珪素では、追加の窒化珪素皮膜がなくてすら
も、強さおよび歪みの値は共に非常に良い。約20重量
%の珪素を超えると、皮膜はもはや繊維とマトリックス
の容易な脱結合を与えず、その結果複合体は強さと破損
歪みが減少してますます脆くなりうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】珪素をドープされた窒化硼素タイプの繊維皮膜
における珪素含有量に関する脱結合特性および環境安定
性の挙動を示した略図である。
【図2】15重量%の珪素を含有する珪素をドープされ
た窒化硼素で被覆された炭化珪素繊維によって強化され
珪素を溶融浸透されたセラミックマトリックス複合体の
引張応力−歪み挙動を示すグラフである。
【図3】10%酸素および90%水の雰囲気における2
4時間の酸化処理に対して、皮膜物質の酸化/気化を皮
膜中の珪素重量%の関数として示すグラフである。
【図4】極限強さ(ksi)および極限強さにおける歪
み(%)を珪素重量%に対してプロットした異なるレベ
ルの珪素ドーピングに対する複合体中の繊維皮膜の挙動
を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 クリシャン・ラル・ルスラ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケネ クタデイ、レッド・オーク・ドライブ、 780番 Fターム(参考) 4G001 BA14 BA22 BA33 BA60 BA61 BA62 BA86 BB14 BB22 BB33 BB60 BB61 BB62 BB86 BC17 BC32 BC33 BC52 BC57 BD01 BD16 BE32 BE33

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜で被覆
    された繊維状物質と炭素、炭化珪素およびこれらの混合
    物からなる群から選ばれる粒子を含むマトリックス構成
    物質とを含んだ混合物を含有するプリフォームを選択
    し、該プリフォーム中に少なくとも融解珪素を浸透させ
    て繊維状物質で強化された密な珪素−炭化珪素マトリッ
    クス複合体を形成する工程を含む、繊維状物質で強化さ
    れた珪素−炭化珪素マトリックス複合体の強靭性を増大
    する方法。
  2. 【請求項2】 繊維状物質が繊維、フィラメント、スト
    ランド、束、ホゥィスカ、布、フェルト、およびこれら
    の組合せからなる群から選ばれる、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 繊維状物質が連続または非連続である、
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 繊維状物質が炭化珪素を含有しており、
    この炭化珪素がコアまたは基材を包んでいるかまたは炭
    化珪素がコアまたは基材である、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 繊維状物質が珪素をドープされた窒化硼
    素皮膜と、更に窒化硼素;炭素;硼素、クロム、ハフニ
    ウム、ニオブ、珪素、タンタル、チタン、バナジウム、
    ジルコニウムおよびこれらの混合物の炭化物;ハフニウ
    ム、ニオブ、珪素、タンタル、チタン、バナジウム、ジ
    ルコニウムおよごこれらの混合物の窒化物;ハフニウ
    ム、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、ジルコニ
    ウムおよびこれらの混合物の硼化物;並びにアルミニウ
    ム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ベリリウ
    ム、珪素、希土類およびこれらの混合物の酸化物からな
    る群から選ばれる一つまたはそれ以上の追加の皮膜とを
    有している、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 追加の皮膜が窒化硼素、炭素、炭化珪
    素、珪素をドープされた窒化硼素、窒化珪素およびこれ
    らの混合物からなる群から選ばれる請求項5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約5
    −40重量%の珪素を含有している、請求項1記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約1
    0−25重量%の珪素を含有している、請求項7記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約1
    1−19重量%の珪素を含有している、請求項8記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 混合物中の炭素が元素状の炭素であ
    り、グラファイト;非晶質、単結晶または多結晶炭素の
    粒子、フレーク、ホゥィスカまたは繊維;炭化された植
    物繊維;ランプブラック;微細に分割された石炭;木
    炭;レイヨン、ポリアクリロニトリルおよびポリアセチ
    レンのような炭化されたポリマー繊維またはフエルト;
    並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項
    1記載の方法。
  11. 【請求項11】 珪素−炭化珪素複合体が元素状珪素相
    および炭化珪素相からなり多孔度が約20容量%未満で
    ある密なマトリックスを有している、請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 珪素−炭化珪素マトリックス中に珪素
    をドープされた窒化硼素で被覆された繊維状物質を含ん
    でなっている、酸化および気化に対する抵抗性が改善さ
    れた繊維で強化された珪素−炭化珪素マトリックス複合
    体。
  13. 【請求項13】 繊維状物質が繊維、フィラメント、ス
    トランド、束、ホゥィスカ、布、フェルト、およびこれ
    らの組合せを含む、請求項12記載の複合体。
  14. 【請求項14】 繊維状物質が炭化珪素を含有してお
    り、この炭化珪素がコアまたは基材を包んでいるかまた
    は炭化珪素がコアまたは基材である、請求項13記載の
    複合体。
  15. 【請求項15】 珪素−炭化珪素複合体が元素状珪素相
    および炭化珪素相からなり多孔度が約20容量%未満で
    ある密なマトリックスを有している、請求項12記載の
    複合体。
  16. 【請求項16】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約
    5−40重量%の珪素を含有している、請求項12記載
    の複合体。
  17. 【請求項17】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約
    10−25重量%の珪素を含有している、請求項16記
    載の複合体。
  18. 【請求項18】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約
    11−19重量%の珪素を含有している、請求項17記
    載の複合体。
  19. 【請求項19】 繊維状物質が珪素をドープされた窒化
    硼素皮膜と、更に窒化硼素;炭素;硼素、クロム、ハフ
    ニウム、ニオブ、珪素、タンタル、チタン、バナジウ
    ム、ジルコニウムおよびこれらの混合物の炭化物;ハフ
    ニウム、ニオブ、珪素、タンタル、チタン、バナジウ
    ム、ジルコニウムおよごこれらの混合物の窒化物;ハフ
    ニウム、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、ジル
    コニウムおよびこれらの混合物の硼化物;並びにアルミ
    ニウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ベリリ
    ウム、珪素、希土類およびこれらの混合物の酸化物から
    なる群から選ばれる一つまたはそれ以上の追加の皮膜と
    を有している、請求項12記載の複合体。
  20. 【請求項20】 元素状珪素相、炭化珪素相および被覆
    された繊維状物質を有し、前記繊維状物質が珪素をドー
    プされた窒化硼素の皮膜を少なくとも一つ有している、
    セラミックマトリックス複合体から作られている、エン
    ジンに使用するための製造物品。
  21. 【請求項21】 繊維状物質が繊維、フィラメント、ス
    トランド、束、ホゥィスカ、布、フェルト、およびこれ
    らの組合せを含む、請求項20に記載のエンジンに使用
    するための製造物品。
  22. 【請求項22】 繊維状物質が炭化珪素を含有してお
    り、この炭化珪素がコアまたは基材を包んでいるかまた
    は炭化珪素がコアまたは基材である、請求項20に記載
    のエンジンに使用するための製造物品。
  23. 【請求項23】 複合体が密なマトリックスを有し多孔
    度が約20容量%未満である、請求項20に記載のエン
    ジンに使用するための製造物品。
  24. 【請求項24】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約
    5−40重量%の珪素を含有している、請求項20に記
    載のエンジンに使用するための製造物品。
  25. 【請求項25】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約
    10−25重量%の珪素を含有している、請求項24に
    記載のエンジンに使用するための製造物品。
  26. 【請求項26】 珪素をドープされた窒化硼素皮膜が約
    11−19重量%の珪素を含有している、請求項25に
    記載のエンジンに使用するための製造物品。
  27. 【請求項27】 繊維状物質が珪素をドープされた窒化
    硼素皮膜と、更に窒化硼素;炭素;硼素、クロム、ハフ
    ニウム、ニオブ、珪素、タンタル、チタン、バナジウ
    ム、ジルコニウムおよびこれらの混合物の炭化物;ハフ
    ニウム、ニオブ、珪素、タンタル、チタン、バナジウ
    ム、ジルコニウムおよごこれらの混合物の窒化物;ハフ
    ニウム、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、ジル
    コニウムおよびこれらの混合物の硼化物;並びにアルミ
    ニウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ベリリ
    ウム、珪素、希土類およびこれらの混合物の酸化物から
    なる群から選ばれる一つまたはそれ以上の追加の皮膜と
    を有している、請求項20に記載のエンジンに使用する
    ための製造物品。
  28. 【請求項28】 少なくとも、珪素をドープされた窒化
    硼素皮膜を、炭化珪素含有繊維状物質上にその外側表面
    を実質的に被覆するように付着し、炭素、炭化珪素およ
    びこれらの混合物からなる群から選ばれる浸透促進粒子
    を含む粒状物質を前記繊維状物質と混合し、前記混合物
    をプリフォームに成形し、前記プリフォームに実質的に
    融解珪素を含む浸透剤を浸透し、そして前記浸透された
    プリフォームを冷却して珪素−炭化珪素マトリックス複
    合体を生成する工程からなり、前記B(Si)N皮膜中
    の珪素の重量%が約5乃至約40重量%である、酸化性
    および湿った環境において改善された性質を有する珪素
    −炭化珪素マトリックス複合体の製造方法。
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