JPH09266126A - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの製造方法

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JPH09266126A
JPH09266126A JP7404196A JP7404196A JPH09266126A JP H09266126 A JPH09266126 A JP H09266126A JP 7404196 A JP7404196 A JP 7404196A JP 7404196 A JP7404196 A JP 7404196A JP H09266126 A JPH09266126 A JP H09266126A
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JP
Japan
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dielectric layer
laminated
ceramic capacitor
internal electrode
electrode layer
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JP7404196A
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Hisanori Akiyama
久典 秋山
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層グリーン体を短時間で効率良く形成し
て、小型で大容量の積層セラミックコンデンサを得る。
高強度のコンデンサ又は静電容量が大きくかつ温度変化
に伴う容量変化率の小さいコンデンサを得る。 【解決手段】 下カバー部21上に第1重ね用誘電体層
11と第1内部電極層12とを交互に複数回積層して第
1積層体22を形成した後、この第1積層体22上に上
カバー部23を積層して積層セラミックコンデンサ用グ
リーン体30を形成し、このグリーン体30をチップ状
に切断焼成してチップ体14を形成し、このチップ体1
4の両端部に一対の端子電極15,16を形成すること
により、積層セラミックコンデンサ10の製造するとき
に、下カバー部21及び上カバー部23をそれぞれシー
ト法により形成し、第1積層体22を構成する重ね用誘
電体層11及び内部電極層12をそれぞれ印刷法により
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチップ型積層セラミ
ックコンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラジオ、マイクロカセットレコー
ダ、電子チューナ、ビデオカメラ等の超小型化、薄型軽
量電子機器の発展に伴い、回路素子として使用されるコ
ンデンサの小型、大容量化が強く要求されるようになっ
てきた。これらの要求を満足する部品として積層セラミ
ックコンデンサが知られている。この積層セラミックコ
ンデンサの中間体である積層セラミックコンデンサ用グ
リーン体を製造するために、シート法と印刷法が用いら
れている。
【0003】シート法では、先ず誘電体粉末を有機バイ
ンダ、可塑剤及び溶剤とともに混練して誘電体スラリー
を作り、このスラリーをドクターブレード法、カレンダ
ロール法等により厚さ十数μmの誘電体グリーンシート
に形成する。次いでこのグリーンシートを所定のサイズ
に切断した後、所定数積層して下カバー部を形成する。
一方、上記グリーンシート上にPd又はAg/Pd等の
貴金属を主成分とした導電性ペーストをスクリーン印刷
法等により印刷して内部電極層を形成する。次に下カバ
ー部上に内部電極層付きグリーンシートを複数積層し、
この上に上記グリーンシートを所定数積層して上カバー
部を形成する。これらをすべて熱圧着により一体化して
積層セラミックコンデンサ用グリーン体にする。
【0004】これに対して印刷法では、所定の板の上に
上記誘電体スラリーを繰返し印刷塗布して下カバー部を
形成する。この誘電体層上に上記誘電体スラリーと導電
性ペーストを交互に印刷塗布し、これを複数回繰返して
内部電極層を有する積層体を形成した後、この積層体上
に上記誘電体スラリーを繰返し印刷塗布して上カバー部
を形成する。これらをすべて熱圧着により一体化して積
層セラミックコンデンサ用グリーン体にする。こうして
形成されたグリーン体はチップ状に切断され、1200
〜1400℃で焼成された後、外部接続用の端子電極が
付与されて積層セラミックコンデンサになる。この積層
セラミックコンデンサをより小型で大容量にするために
は、誘電率の高いセラミック粉末を用いるか、或いは誘
電体グリーンシートをより薄くする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記シート法
では、グリーンシートの厚さを10μm以下に薄くする
と、グリーンシート自身の機械的強度が低下し、積層時
に位置ずれが起き易くまた積層一体化する時、或いはそ
の後のシートカット時にシートに亀裂やしわが発生し易
い不具合があった。機械的強度を上げるために誘電体ス
ラリー中の有機バインダを増量する方法もあるが、シー
ト密度が小さくなり、その結果焼結後の誘電体密度が低
下しコンデンサとしての信頼性の劣化を招く欠点があっ
た。また上記印刷法では、1回の印刷による層厚が2〜
5μm程度であって誘電体層を薄層化して大容量にでき
る反面、積層グリーン体を所定の厚さにするためには印
刷回数が多くせざるを得ず、製造コストが高価になる問
題点があった。更に温度変化に伴う容量変化率が小さい
従来の積層セラミックコンデンサは一般的にその静電容
量が小さく、一方静電容量が大きな従来の積層セラミッ
クコンデンサは温度変化に伴う容量変化率が大きい不具
合があった。
【0006】本発明の目的は、内部電極層間の厚さが1
0μm以下の積層セラミックコンデンサ用グリーン体を
短時間で効率良く形成して、小型で大容量の積層セラミ
ックコンデンサを製造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、高強度の積層セラミックコンデン
サを製造する方法を提供することにある。本発明の更に
別の目的は、静電容量が大きくかつ温度変化に伴う容量
変化率の小さい積層セラミックコンデンサを製造する方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図2に示すように、下カバー部21上に第1重
ね用誘電体層11と第1内部電極層12とを交互に複数
回積層して第1積層体22を形成した後、この第1積層
体22上に上カバー部23を積層して積層セラミックコ
ンデンサ用グリーン体30を形成し、このグリーン体3
0をチップ状に切断焼成してチップ体14を形成し、こ
のチップ体14の両端部に一対の端子電極15,16を
形成する積層セラミックコンデンサ10の製造方法の改
良であって、下カバー部21及び上カバー部23をそれ
ぞれシート法により形成し、第1積層体22を構成する
重ね用誘電体層11及び内部電極層12をそれぞれ印刷
法により形成することを特徴とする積層セラミックコン
デンサ10の製造方法である。シート法は厚さ数十μm
の誘電体グリーンシートを積層する方法であるため、所
望の厚さの下カバー部21及び上カバー部23をそれぞ
れ少ない回数で積層できる。また印刷法はそれぞれ厚さ
2〜5μmの内部電極層と誘電体層を交互に積層する方
法であるため、大容量の積層体22を形成し得る。
【0008】請求項2に係る発明は、図3及び図4に示
すように、下カバー部21上に第1重ね用誘電体層11
と第1内部電極層12とを交互に複数回積層して第1積
層体22を形成し、この第1積層体22上に層間分離部
24を積層し、この層間分離部24上に第2重ね用誘電
体層17と第2内部電極層18とを交互に複数回積層し
て第2積層体26を形成した後、この第2積層体26上
に上カバー部23を積層して積層セラミックコンデンサ
用グリーン体40を形成し、このグリーン体40をチッ
プ状に切断焼成してチップ体34を形成し、このチップ
体34の両端部に一対の端子電極35,36を形成する
する積層セラミックコンデンサ20の製造方法の改良で
あって、下カバー部21、層間分離部24及び上カバー
部23をそれぞれシート法により形成し、第1積層体2
2を構成する第1重ね用誘電体層11及び第1内部電極
層12と第2積層体26を構成する第2重ね用誘電体層
17及び第2内部電極層18とをそれぞれ印刷法により
形成することを特徴とする積層セラミックコンデンサ2
0の製造方法である。積層体22,26における内部電
極層12,18を形成している部分の厚さが内部電極層
12,18を形成していない部分の厚さより厚くなって
も、層間分離部24を設けることにより、その差異を緩
和することができる。請求項1に係る発明で述べた下カ
バー部21及び上カバー部23に加えて層間分離部24
をシート法で形成することにより、大容量の積層セラミ
ックコンデンサを効率よく製造できる。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、下カバー部21及び上カバー部23
がBaTiO3,Al23又はZrO2を主成分とするセ
ラミックシートであって、第1重ね用誘電体層11が鉛
系ペロブスカイト構造化合物を主成分とする誘電体層で
ある積層セラミックコンデンサの製造方法である。Ba
TiO3,Al23又はZrO2を主成分とするセラミッ
クシートで下カバー部21及び上カバー部23を形成す
ることによって、焼成後、下カバー部21及び上カバー
部23の強度が高まり、高強度の積層セラミックコンデ
ンサが得られる。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項2又は3に
係る発明であって、第1積層体22から作られるコンデ
ンサの温度特性及び静電容量と、第2積層体26から作
られるコンデンサの温度特性及び静電容量がそれぞれ異
なるように第1重ね用誘電体層11と第2重ね用誘電体
層17とが構成される製造方法である。単一のチップ体
の中に温度特性と静電容量の2つの特性が相互に異なる
2種のコンデンサを組み込むことにより、静電容量が大
きくかつ温度変化に伴う容量変化率の小さい積層セラミ
ックコンデンサが得られる。
【0011】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
に係る発明であって、内部電極層12,18を印刷法に
より形成し、この内部電極層12,18の周囲に電極層
12,18の厚さと同程度の厚さを有する厚さ調整用誘
電体層13,19を印刷法により形成した後に、内部電
極層12,18及び厚さ調整用誘電体層13,19上に
重ね用誘電体層11,17を印刷法により形成する製造
方法である。厚さ調整用誘電体層13,19を設けるこ
とにより、積層体22,26における内部電極層12,
18を形成している部分の厚さが内部電極層12,18
を形成していない部分の厚さと同程度になり、積層体の
加熱圧着時に各部分に均等に圧力が加わり、焼成時に内
部電極層と誘電体層間での剥離現象(デラミネーショ
ン)を防止することができる。なお、層間分離部24を
設ける場合には、厚さ調整用誘電体層13,19を設け
なくてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の下カバー部、層間分離部
又は上カバー部は、シート法により、鉛系ペロブスカイ
ト構造化合物又はBaTiO3を含むチタン酸バリウム
系ペロブスカイト構造化合物を主成分とするセラミック
シートを複数積層して形成されるか、或いはAl23
はZrO2を主成分とするセラミックシートを複数積層
して、それぞれ形成される。下カバー部、層間分離部及
び上カバー部のすべてに、チタン酸バリウム系ペロブス
カイト構造化合物、Al23又はZrO2を主成分とす
るセラミックシートを用いると、焼成後に強度が高ま
り、高強度の積層セラミックコンデンサが得られる。
【0013】図1及び図2に示される第1重ね用誘電体
層11は、印刷法により、鉛系ペロブスカイト構造化合
物又はチタン酸バリウム系ペロブスカイト構造化合物を
主成分とする誘電体層を複数積層して形成される。また
図3及び図4に示される第1重ね用誘電体層11及び第
2重ね用誘電体層17は、印刷法により、鉛系ペロブス
カイト構造化合物又はチタン酸バリウム系ペロブスカイ
ト構造化合物のいずれかを主成分とする誘電体層を複数
積層して形成される。一方の重ね用誘電体層を鉛系ペロ
ブスカイト構造化合物を主成分とする誘電体層により、
他方の重ね用誘電体層をチタン酸バリウム系ペロブスカ
イト構造化合物を主成分とする誘電体層により形成して
もよい。更に第1重ね用誘電体層11と第2重ね用誘電
体層17に関して、両層11,12を鉛系又はチタン酸
バリウム系のいずれか一方の誘電体材料で構成しなが
ら、各層の厚さを同一又は異にして、第1重ね用誘電体
層11を構成する誘電体材料の組成比と、第2重ね用誘
電体層17を構成する誘電体材料の組成比を相互に変え
ることにより、一方の重ね用誘電体層からなるコンデン
サの温度特性、使用温度範囲、静電容量変化率、静電容
量、静電容量許容差等の各種特性と、他方の重ね用誘電
体層からなるコンデンサの各種特性とを変化させること
ができる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。本発明はこ
の実施例に限定されるものではない。 <実施例1>チタン酸バリウム系の誘電体スラリーをド
クタブレード法によりフィルム上にコーティングし乾燥
させた後、フィルムから剥離して厚さ20μmの誘電体
グリーンシートを得た。この誘電体スラリーはチタン酸
バリウムを主成分とする誘電体粉末、溶剤、可塑剤、離
型剤を含む。次に述べる積層体22(図2)との焼結挙
動を合わせるために、誘電体スラリーには更にガラス系
の焼結助剤を含む。図2に示すように、複数のこのグリ
ーンシート21aを表面をアルマイト処理したアルミニ
ウム製のキャリアプレート27上に積層し下カバー部2
1を形成した。
【0015】この下カバー部21の上に、鉛系の誘電体
スラリーを印刷し乾燥して厚さ5μmの第1重ね用誘電
体層11を形成し、この誘電体層11の上に市販のAg
を含む導電性ペーストをポジティブのパターンでスクリ
ーン印刷し乾燥して複数の内部電極層12を間隔をあけ
て形成した。続いて電極層12の間及び電極層12の端
部に上記誘電体ペーストを前記ポジティブのパターンに
対応するネガティブのパターンでスクリーン印刷し、電
極層12とほぼ同じ厚さになるように厚さ調整用誘電体
層13を形成した。上記誘電体層11、電極層12及び
誘電体層13の層形成を繰返し行って第1積層体22を
得た。
【0016】次いでこの積層体22の上に、下カバー部
21を形成したときのグリーンシート21aと同一のグ
リーンシート23aを複数枚積層して上カバー部23を
形成した。下カバー部21、積層体22及び上カバー部
23を圧着して積層セラミックコンデンサ用グリーン体
30を形成し、このグリーン体30をチップ状に切断
し、焼成して、図1に示すようにチップ体14を形成
し、このチップ体14の両端部に一対の端子電極15,
16を形成して積層セラミックコンデンサ10を作製し
た。
【0017】<比較例1>比較例1の下カバー部及び上
カバー部を実施例1の第1重ね用誘電体層を印刷法によ
り積層して実施例1の下カバー部及び上カバー部と同じ
厚さにそれぞれ形成した。これ以外は実施例1と同様に
して実施例1と同形同大の積層セラミックコンデンサを
作製した。
【0018】<評価その1>実施例1の下カバー部及び
上カバー部の製造時間が比較例1と比べて短かったた
め、実施例1のコンデンサの全製造時間は比較例1の全
製造時間と比べて、約6分の1であった。また実施例1
と比較例1の積層セラミックコンデンサをそれぞれ50
個用意し、JIS C 6424に基づいて耐基板曲げ性を試験し
た。それぞれ50個のデータの平均値を比較した結果、
実施例1のコンデンサは比較例1のコンデンサに比べ
て、約2倍強度が高かった。
【0019】<実施例2>鉛系の誘電体スラリーをドク
タブレード法によりフィルム上にコーティングし乾燥さ
せた後、フィルムから剥離して厚さ20μmの誘電体グ
リーンシートを得た。この誘電体スラリーは鉛系ペロブ
スカイト構造化合物を主成分とする誘電体粉末、溶剤、
可塑剤、離型剤を含む。図4に示すように、複数のこの
グリーンシート21aを表面をアルマイト処理したアル
ミニウム製のキャリアプレート27上に積層し下カバー
部21を形成した。
【0020】この下カバー部21の上に、温度特性Eの
鉛系の誘電体スラリーを印刷し乾燥して厚さ5μmの第
1重ね用誘電体層11を形成し、この誘電体層11の上
に市販のAgを含む導電性ペーストをポジティブのパタ
ーンでスクリーン印刷し乾燥して複数の内部電極層12
を間隔をあけて形成した。続いて電極層12の間及び電
極層12の端部に上記誘電体ペーストを前記ポジティブ
のパターンに対応するネガティブのパターンでスクリー
ン印刷し、電極層12とほぼ同じ厚さになるように厚さ
調整用誘電体層13を形成した。上記誘電体層11、電
極層12及び誘電体層13の層形成を繰返し行って第1
積層体22を得た。
【0021】次いでこの積層体22の上に、下カバー部
21を形成したときのグリーンシート21aと同一のグ
リーンシート23aを複数枚積層して層間分離部24を
形成した。この層間分離部24の上に、温度特性Rの鉛
系の誘電体スラリーを印刷し乾燥して厚さ8μmの第2
重ね用誘電体層17を形成し、この誘電体層17の上に
積層体22の内部電極層12と同様に複数の内部電極層
18を間隔をあけて形成した。続いて積層体22の厚さ
調整用誘電体層13と同様に厚さ調整用誘電体層19を
形成した。上記誘電体層17、電極層18及び誘電体層
19の層形成を第1積層体22と同様に繰返し行って第
2積層体26を得た。
【0022】次にこの積層体26の上に、下カバー部2
1を形成したときのグリーンシート21aと同一のグリ
ーンシート23aを複数枚積層して上カバー部23を形
成した。下カバー部21、積層体22、層間分離部2
4、積層体26及び上カバー部23を圧着して積層セラ
ミックコンデンサ用グリーン体40を形成し、このグリ
ーン体40をチップ状に切断し、焼成して、図3に示す
ようにチップ体34を形成し、このチップ体34の両端
部に一対の端子電極35,36を形成して積層セラミッ
クコンデンサ20を作製した。
【0023】<比較例2>実施例2と同じ方法で下カバ
ー部及び第1積層体(温度特性E)を作製した。次いで
実施例2の層間分離部及び第2積層体を作製することな
く、上記第1積層体の上に実施例2と同様にして上カバ
ー部を作製した。以下、実施例2と同様に切断、焼成及
び端子電極を形成した温度特性Eの積層セラミックコン
デンサを作製した。
【0024】<比較例3>実施例2と同じ方法で下カバ
ー部を作製した後、実施例2の第1積層体及び層間分離
部を作製することなく、上記下カバー部の上に実施例2
と同様にして第2積層体(温度特性R)及び上カバー部
を作製した。以下、実施例2と同様に切断、焼成及び端
子電極を形成した温度特性Rの積層セラミックコンデン
サを作製した。
【0025】<評価その2>実施例2、比較例2及び比
較例3のコンデンサの各種特性について調べた。その結
果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】比較例2のコンデンサは、大きな静電容量
で温度変化に伴う容量変化率が大きかった。また比較例
3のコンデンサは、温度変化に伴う容量変化率が小さい
ものの静電容量が小さかった。これらに対して実施例2
の複合コンデンサの静電容量はこれらの総和であるため
大きかった。また実施例2の複合コンデンサは比較例2
と同じ使用温度範囲において、比較例2よりも容量変化
率が小さく、温度特性Dを示した。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
下カバー部又は層間分離部を厚さ数十μmの誘電体グリ
ーンシートを積層するシート法により形成し、また第1
積層体又は第2積層体を構成する重ね用誘電体層及び内
部電極層をそれぞれ2〜5μm厚さで印刷法により形成
するにより、効率よくしかも大容量にすることができ
る。またBaTiO3,Al23又はZrO2を主成分と
するセラミックシートを積層することにより上下カバー
部を形成し、鉛系ペロブスカイト構造化合物を主成分と
する誘電体層で第1重ね用誘電体層を構成することによ
り、鉛系の高誘電率系材料の特長を維持しながら、従来
の鉛系コンデンサとくらべて、コンデンサを高強度にす
ることができる。
【0029】また第1積層体から作られるコンデンサの
温度特性及び静電容量と、第2積層体から作られるコン
デンサの温度特性及び静電容量がそれぞれ異なるように
第1重ね用誘電体層と第2重ね用誘電体とを構成するこ
とにより、単一のチップ体の中に温度特性と静電容量の
2つの特性が相互に異なる2種のコンデンサを組み込む
ことができ、静電容量が大きくかつ温度変化に伴う容量
変化率の小さい積層セラミックコンデンサが得られる。
更に内部電極層の周囲に厚さ調整用誘電体層を設けるこ
とにより、積層体における内部電極層を形成している部
分の厚さが内部電極層を形成していない部分の厚さと同
程度になり、積層体の加熱圧着時に各部分に均等に圧力
が加わり、焼成時に内部電極層と誘電体層間での剥離現
象(デラミネーション)を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサの断面図。
【図2】そのコンデンサの焼成前の各層の積層状況を示
す図。
【図3】本発明の別の積層セラミックコンデンサの断面
図。
【図4】そのコンデンサの焼成前の各層の積層状況を示
す図。
【図5】実施例2、比較例2及び比較例3のコンデンサ
の温度変化に伴う容量変化率を示す図。
【符号の説明】
10,20 積層セラミックコンデンサ 11 第1重ね用誘電体層 12 第1内部電極層 13,19 厚さ調整用誘電体層 14,34 チップ体 15,16,35,36 端子電極 17 第2重ね用誘電体層 18 第2内部電極層 21 下カバー部 22 第1積層体 23 上カバー部 24 層間分離部 26 第2積層体 30,40 積層セラミックコンデンサ用グリーン体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下カバー部(21)上に第1重ね用誘電体層
    (11)と第1内部電極層(12)とを交互に複数回積層して第
    1積層体(22)を形成した後、前記第1積層体(22)上に上
    カバー部(23)を積層して積層セラミックコンデンサ用グ
    リーン体(30)を形成し、前記グリーン体(30)をチップ状
    に切断焼成してチップ体(14)を形成し、前記チップ体(1
    4)の両端部に一対の端子電極(15,16)を形成する積層セ
    ラミックコンデンサ(10)の製造方法において、 前記下カバー部(21)及び前記上カバー部(23)をそれぞれ
    シート法により形成し、 前記第1積層体(22)を構成する前記重ね用誘電体層(11)
    及び前記内部電極層(12)をそれぞれ印刷法により形成す
    ることを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 下カバー部(21)上に第1重ね用誘電体層
    (11)と第1内部電極層(12)とを交互に複数回積層して第
    1積層体(22)を形成し、前記第1積層体(22)上に層間分
    離部(24)を積層し、前記層間分離部(24)上に第2重ね用
    誘電体層(17)と第2内部電極層(18)とを交互に複数回積
    層して第2積層体(26)を形成した後、前記第2積層体(2
    6)上に上カバー部(23)を積層して積層セラミックコンデ
    ンサ用グリーン体(40)を形成し、前記グリーン体をチッ
    プ状に切断焼成してチップ体(34)を形成し、前記チップ
    体(34)の両端部に一対の端子電極(35,36)を形成するす
    る積層セラミックコンデンサ(20)の製造方法において、 前記下カバー部(21)、前記層間分離部(24)及び前記上カ
    バー部(23)をそれぞれシート法により形成し、 前記第1積層体(22)を構成する前記第1重ね用誘電体層
    (11)及び前記第1内部電極層(12)と前記第2積層体(26)
    を構成する前記第2重ね用誘電体層(17)及び前記第2内
    部電極層(18)とをそれぞれ印刷法により形成することを
    特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 下カバー部(21)及び上カバー部(23)がB
    aTiO3,Al23又はZrO2を主成分とするセラミ
    ックシートであって、第1重ね用誘電体層(11)が鉛系ペ
    ロブスカイト構造化合物を主成分とする誘電体層である
    請求項1又は2記載の積層セラミックコンデンサの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 第1積層体(22)から作られるコンデンサ
    の温度特性及び静電容量と、第2積層体(26)から作られ
    るコンデンサの温度特性及び取得容量がそれぞれ異なる
    ように第1重ね用誘電体層11と第2重ね用誘電体層1
    7とが構成される請求項2又は3記載の積層セラミック
    コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 内部電極層(12,18)を印刷法により形成
    し、前記内部電極層(12,18)の周囲に前記電極層(12,18)
    の厚さと同程度の厚さを有する厚さ調整用誘電体層(13,
    19)を印刷法により形成した後に、前記内部電極層(12,1
    8)及び前記厚さ調整用誘電体層(13,19)上に重ね用誘電
    体層(11,17)を印刷法により形成する請求項1ないし4
    いずれか記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
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