JPH09265905A - プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法

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JPH09265905A
JPH09265905A JP7784996A JP7784996A JPH09265905A JP H09265905 A JPH09265905 A JP H09265905A JP 7784996 A JP7784996 A JP 7784996A JP 7784996 A JP7784996 A JP 7784996A JP H09265905 A JPH09265905 A JP H09265905A
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glass
substrate
partition wall
mixture
weight
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JP7784996A
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English (en)
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Kiyohiro Sakasegawa
清浩 逆瀬川
Kouji Hamada
浩児 濱田
Toshikazu Kishino
敏和 岸野
Hisamitsu Sakai
久満 酒井
Masafumi Kato
雅史 加藤
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】工程数を少なくして歩留りを向上し、高精度で
微細なピッチを有し、高精細度化した十分な強度の隔壁
を有する放電表示セルを簡単な工程で製造でき、大型化
が可能なPDP用基板を得る。 【解決手段】ガラスまたはセラミック粉体と溶媒及び有
機性添加物から成るバインダーの混合物で、少なくとも
PDP用基板の放電表示セルを構成する隔壁を成形し、
該隔壁と背面板を一体的に焼成するPDP用基板の製造
方法であって、前記混合物がガラスもしくはセラミック
粉体100重量部に対して5〜60重量%の有機シリケ
ート化合物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度かつ安価な
薄型大画面用のカラー表示装置等に用いられるプラズマ
ディスプレイパネル用基板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】薄型の大画面用カラー表示装置等に用い
られるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略
記する)は、微細な放電表示セルと呼ばれる隔壁と成形
一体化された背面板あるいは隔壁の裏面に接合した背面
板で囲まれた空間に対向する電極を設け、該空間に希ガ
ス等の放電可能なガスを封入した気密構造を成してお
り、前記対向する電極間の放電によりプラズマを発生さ
せ、該プラズマにより蛍光体を発光させて画面の発光素
子として利用するものである。
【0003】一般に、前記PDPの放電表示セルを構成
する隔壁の製造方法としては、背面板上に厚膜印刷法に
より所定パターンで必要な高さまで印刷・乾燥を繰り返
す印刷積層法や、複数枚のグリーンシートを必要な高さ
まで積層固着するグリーンシート多層積層法、及び隔壁
形状を有する成形型の凹部に泥漿を充填し、隔壁形状を
転写する方法等が知られている。
【0004】このような各種製法で得られた隔壁は、該
隔壁と成形一体化された背面板あるいは隔壁の裏面に接
合した背面板とで放電表示セルの空間を形成してPDP
用基板が構成されている。
【0005】そして係るPDP用基板は、放電表示セル
の空間を気密構造とするために隔壁の上端に低融点ガラ
ス等の接合剤を介してガラス板等から成る前面板を接合
してPDPとされていた。
【0006】前述のようなPDP用基板の製造に際し、
前記印刷積層法の具体例として、隔壁材料のペーストを
用いて厚膜印刷法により放電表示セルを所定パターンに
印刷形成する場合、1回の印刷で形成できる膜の厚さが
約10μm程度であることから、印刷・乾燥を繰り返し
ながら約100〜200μm程度の高さを必要とする放
電表示セルの隔壁を形成することが特開平2−2130
20号公報に提案されている。
【0007】また、同様に前記グリーンシート多層積層
法では、所定形状に穿孔した複数枚のグリーンシートを
前述の隔壁として必要な高さとなるように積層固着して
隔壁を形成するものが特開平1−213936号公報に
提案されている。
【0008】更に、前記隔壁形状を有する成形型凹部に
泥漿を充填し転写する方法は、泥漿を成形型の凹部に充
填した後、該充填物を基板となるガラスまたはセラミッ
ク基板に接着転写することが特開平5−334956号
公報等に提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記印
刷積層法では、所定の高さの隔壁を形成するために何回
も印刷・乾燥工程を繰り返して積層しなければならず、
極めて工程数が多くなる上、積層毎に精度よく印刷する
必要があるため、非常に歩留りが悪く、更に、印刷時の
位置ズレにより隔壁が変形し易く、かつ印刷製版の伸び
等も加わって放電表示セルの寸法精度が低くなり易く、
高精細度化の要求を満足するものではなかった。
【0010】また、前記グリーンシート多層積層法は、
穿孔した複数枚のグリーンシートを一度に積層固着して
隔壁を形成することができるものの、放電表示セルのピ
ッチを微細化して、画面を高精細度化するために放電表
示セルの開口部に対して隔壁の厚さを薄くすると、開孔
面積は増大するもののグリーンシートの強度が低下し、
そのために積層時に高精度な位置決めが困難であるとい
う課題があった。
【0011】更に、前記転写して成形する方法では、転
写した充填成形体を成形型からはずす時に隔壁のリブ部
の破損を招き易く、製造歩留りが極めて悪いという課題
があった。
【0012】以上の如く前記各成形方法はそれぞれ固有
の課題を有しているが、いずれも、固形のガラス粉体を
ペースト状またはグリーンシート、あるいは泥漿状の形
態で前記隔壁を形成して焼成するため、焼成時の収縮に
より隔壁の高さが低下することから、焼成前の成形体は
焼成収縮率を見込んで焼成後の高さ以上に高く成形する
必要があり、そのために印刷積層回数やグリーンシート
積層枚数の増加、あるいは成形型の凹部を形成する壁が
薄片化して製造歩留りが著しく低下する他、成形体の形
状が焼成収縮により変形し易く、均一な隔壁形状を得難
いという共通の課題があった。
【0013】一方、焼成前の成形体の充填率の向上によ
り焼成収縮はある程度、低減できるものの同時に流動性
が低下することによる微細加工面の成形性が低下し、成
形体の形状性が劣化するという課題もあった。
【0014】従って、前記いずれの製造方法でも、高精
度で微細なピッチを有する、いわゆる高精細度化した放
電表示セルを、簡単な工程で、かつ前述のような高精細
度化した放電表示セルを多数設けた40〜60インチに
も及ぶ大型のPDP用基板として、安価に製造すること
は困難であった。
【0015】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑みなされたもの
で、その目的は、PDPの放電表示セルを構成する隔壁
を、印刷積層回数やグリーンシート積層枚数を削減して
製造歩留りを向上するとともに、成形型に充填する方法
では隔壁形状の扁平化を防止し、焼成時の隔壁の変形を
低減させ、いずれも変形のない表面が平滑な高精度な隔
壁を所定高さで得ることができ、40インチ以上の大画
面化が容易で、放電表示セルのピッチが0.25mm未
満の高精細度化が実現できるPDP用基板の製造方法を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
鑑み鋭意検討した結果、ガラスもしくはセラミック粉体
と溶媒及び有機性添加物から成るバインダーとの混合物
を用いて放電表示セルを構成する少なくとも隔壁を形成
し、該隔壁とガラスもしくはセラミック平板から成る背
面板とを接着して焼成一体化する製造方法であって、前
記混合物にガラスもしくはセラミック粉体100重量部
に対して5〜60重量部の有機シリケート化合物を含有
させることにより前記課題が解消できることを見いだし
た。
【0017】また、前記有機シリケート化合物を含有し
た混合物は、PDP用基板の放電表示セルを構成する隔
壁を形成するに際し、前述のような厚膜印刷法やグリー
ンシート積層法、あるいは成形型に充填して転写する方
法のいずれにも適用可能であるが、とりわけ微細構造を
有する成形型の凹部に前記混合物を充填して得た成形体
を、ガラスもしくはセラミック平板と接着一体化して製
造する方法おいて特に優れたものであることが分かっ
た。
【0018】更に、前記有機シリケート化合物が少なく
とも一つ以上の有機反応官能基を有することが、焼成前
の成形体の強度が向上して隔壁の破損が著しく低減する
ことからより望ましいものである。
【0019】本発明で述べる有機シリケート化合物と
は、テトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシラ
ン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシ
ラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラ
ン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシ
ラン、トリメトキシエチルシラン、ジメトキシジエチル
シラン、メトキシトリエチルシラン等のシラン系化合
物、及びこれら化合物の脱アルコール重合物が挙げられ
る。
【0020】また、本発明の有機反応官能基とは、熱ま
たは紫外線、あるいは電子線や重合開始剤等で反応する
有機官能基を示し、具体的にはビニル基、アクリレート
基、エポキシ基、ウレタン基、アミノ基、及びフェノー
ル基等が挙げられる。
【0021】これらの基を含む有機シリケート化合物と
しては、ポリメトキシジメチルシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
トキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−トリクロロプロピルトリメトキシシラン等が挙
げられる。
【0022】また、前記有機シリケート化合物は一種ま
たは複数種の併用も可能であり、その含有量はガラスま
たはセラミック粉体100重量部に対して5重量部未満
だと成形体の焼成収縮が大となって焼成変形の防止が実
現できず、逆に60重量部を越えると焼成時にシリケー
トの脱アルコール反応のためと考えられるクラックを発
生することが確認されることから、その含有量は5〜6
0重量部に特定され、特に5〜40重量部が最も好適で
ある。
【0023】本発明におけるガラス粉体とは、ケイ酸塩
以外に硫黄(S)、セレン(Se)、明礬等を含有した
各種ガラスのいずれにも適用でき、特に溶融点を低下さ
せる目的で酸化鉛等を含有させることが望ましく、一
方、セラミック粉体とは、アルミナ(Al2 3 )、ジ
ルコニア(ZrO2 )等の酸化物系セラミックスや、窒
化珪素(Si3 4 )、窒化アルミニウム(AlN)、
炭化珪素(SiC)等の非酸化物系セラミックスのいず
れにも適応でき、更に前記ガラス及びセラミック粉体に
は各種焼結助剤を所望量添加させることができる。
【0024】前記焼結助剤としては、例えば、アルミナ
粉末にはシリカ(SiO2 )、カルシア(CaO)、イ
ットリア(Y2 3 )及びマグネシア(MgO)等を、
ジルコニア粉末にはイットリア(Y2 3 )やセリウム
(Ce)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム
(Yb)等の希土類元素の酸化物を、また窒化珪素粉末
にはイットリア(Y2 3 )とアルミナ(Al2 3
等を、窒化アルミニウム粉末には周期律表第3a族元素
酸化物(RE2 3 )等を、炭化珪素粉末にはホウ素
(B)とカーボン(C)等を所望量添加することができ
る。
【0025】尚、これらガラスもしくはセラミック粉体
の粒径は、数十ミクロンからサブミクロンのものが好適
に用いることができる。
【0026】また、前記有機性添加物は、成形方法によ
って異なるがビニルエーテル、メタクリレートや、尿素
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹
脂、エボナイト樹脂等、及びそれらの前駆体が挙げられ
る。
【0027】前記有機性添加物から成るバインダーの添
加量も成形方法によって異なるが、セラミック粒子また
はガラス粒子および助剤との混合物の粘度を高くしない
ように、かつ硬化時に充分な保形性を有する必要がある
ことから、ガラスおよびセラミック粉体100重量部に
対して、隔壁形状を転写する場合には10〜46重量部
が望ましく、焼成時の変形を考慮すると10〜17重量
部が最も好適であり、更に印刷積層する場合には25〜
150重量部が望ましく、グリーンシートを多層積層す
る場合には50〜300重量部が望ましい。
【0028】尚、本発明のバインダーには硬化反応促進
剤または重合開始剤等と称される硬化触媒を添加するこ
ともできる。
【0029】前記硬化触媒としては、有機過酸化物やア
ゾ化合物を使用することができ、例えば、ケトンパーオ
キサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシケター
ル、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、パ
ーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、ジクミルパーオキサ
イド等の有機過酸化物や、アゾビス、イソブチルニトリ
ル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0030】一方、ポリビニールアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ブチラール化ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、セル
ロース、メチル化セルロース、硝化セルロース等を適用
する場合には、これらはいくつかのモノマーの共重合体
または混合物でも良く、その添加量はガラスまたはセラ
ミック粉体100重量部に対して5〜30重量部が望ま
しい。
【0031】尚、前記樹脂を反応硬化させる手段として
は、加熱硬化、紫外線硬化、X線硬化等が挙げられる
が、作業上や装置の関係から加熱硬化が最適であり、と
りわけ不飽和ポリエステル樹脂が好適である。
【0032】更に、可塑剤としてフタル酸ジブチル、フ
タル酸ジオクチル、アジピン酸ジメチル、燐酸トリメチ
ル等を用いることもでき、分散剤、流動性向上剤、濡れ
性向上剤、レベリング剤、消泡剤等の印刷助剤を添加す
ることもできる。
【0033】例えば、ガラスまたはセラミック粉体の分
散性の向上のためには、ポリエチレングリコールエーテ
ル、アルキルスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキ
ルアンモニウム塩等の界面活性剤が挙げられ、その含有
量としては分散性の向上及び熱分解性の点から、ガラス
またはセラミック粉体100重量部に対して0.05〜
5重量部が望ましい。
【0034】本発明の溶媒とは、前記有機性添加物と相
溶するものであれば特に限定するものではなく、例え
ば、トルエン、キシレン、ベンゼン、フタル酸エステル
等の芳香族溶剤や、ヘキサノール、オクタノール、デカ
ノール、オキシアルコール等の高級アルコール類、ある
いは酢酸エステル、グリセライド等のエステル類を用い
ることができる。
【0035】とりわけ、前記フタル酸エステル、オキシ
アルコール等は好適に使用でき、更に、溶媒を緩やかに
揮発させるために、前記溶媒を2種類以上併用すること
も可能である。
【0036】また、成形型中に泥漿を充填し、硬化前あ
るいは硬化後に基板に積層したり、硬化前に基板に積層
した後、硬化させて転写する成形方法では、溶媒にはオ
クタノール、ドデカノール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジエチレングリコールメチル、トリ
エチレングリコール、トリエチレングリコールフェニ
ル、酢酸ブチル等が挙げられ、その添加量はガラス粉体
またはセラミック粉体100重量部に対して3〜15重
量部が望ましい。
【0037】更に、印刷積層法によって隔壁を形成する
場合の溶剤としては、ヘキサン、オクタン、ノナン、デ
カン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、ヘキサノール、αテルピネオール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン等が挙げられ、その添加量は
ガラス粉体またはセラミック粉体100重量部に対して
30〜100重量部が望ましい。
【0038】一方、グリーンシート積層法で隔壁を形成
する場合の溶剤としては、グリーンシート成形時に用い
るものとして、水、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカ
ン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、ヘキサノール、αテルピネオール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン等が挙げられ、前記溶剤の添
加量はガラス粉体またはセラミック粉体100重量部に
対して50〜200重量部が望ましい。
【0039】また、本発明の成形型とは、前記有機性添
加物を硬化させる時に何ら支障無きものであれば良く、
材質は特に限定されないが、例えば、金属製や樹脂製、
あるいはゴム製等が使用でき、必要ならば離型性向上や
磨耗防止のために、表面被覆等の表面処理を行ってもよ
い。
【0040】更に、前記ガラスもしくはセラミック平板
から成る背面板とは、未焼成のグリーンシートあるいは
焼結体で、材質は特に限定しないが、例えば各種セラミ
ックグリーンシートやガラス基板、磁器基板等で前記セ
ラミック粉体とバインダーの混合物の熱膨張率が近似し
ていることが望ましく、特にガラス基板の焼成温度が7
00℃以下の還元雰囲気で焼成できることが望ましい。
【0041】また、前記成形体とセラミック平板とを圧
着する際の接着性向上のために、シランカップリング剤
やチタネートカップリング剤、アルミネートカップリン
グ剤等の各種カップリング剤を使用することができ、な
かでも反応性が高いことからシランカップリング剤が好
適である。
【0042】また、成形体とガラスまたはセラミック平
板の圧着は、均一に圧力を加えるという点からは静水圧
の装置を用いるのが望ましく、加圧条件としては、成形
型を変形させない圧力範囲となり、該圧力範囲は成形型
の強度に左右されるが、例えばシリコンゴム製の成形型
を用いた場合には、約500kg/cm2 程度の加圧条
件で行うのが望ましい。
【0043】
【作用】本発明のPDP用基板の製造方法によれば、添
加した有機シリケート化合物が成形体中のガラスまたは
セラミック粒子間に焼成時にガラス化して残留すること
により成形体の焼成収縮が小さくなり、それに伴って焼
成変形が小さくなることから、隔壁形成時の印刷積層回
数、あるいはグリーンシート積層枚数が低減され、また
は成形型に充填して成形する場合には、得られた隔壁形
状の扁平化が防止でき、いずれも焼成時の隔壁の変形を
低減して、製造歩留りが向上し生産性が向上することに
なる。
【0044】特に、前記混合物を成形型に充填して隔壁
の成形体を得る場合、表面状態が良好で、かつ成形型の
寸法精度がそのまま成形体に反映され、更に反応硬化さ
せることにより微細な形状が成形型から忠実に転写さ
れ、1回の成形工程で大型化が容易に実現できる上、ガ
ラスあるいはセラミック平板から成る背面板に直接隔壁
の成形体を接着する場合、成形工程以降、焼成工程まで
の各工程で、隔壁成形体が位置ズレを起こしたり、変形
を生じたりすることがない。
【0045】更に、有機シリケート化合物が有機反応官
能基を有することにより、ガラスまたはセラミック粉体
と有機添加剤とが有機シリケート化合物により強固に結
合し、焼成前の成形体の強度が向上する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明のPDP用基板の製
造方法を実施例に基づき詳細に説明する。
【0047】平均粒径が0.2〜5μmのセラミック粉
体に所定量の溶媒及び有機性添加物から成るバインダー
を添加して攪拌混合機で混合して粘度を調整した後、必
要に応じて真空装置等で脱泡し、該混合物を種々の成形
法によりPDP用基板の少なくとも放電表示セルを構成
する隔壁形状に形成し、脱バインダー前後あるいは焼成
前後のいずれかでガラスもしくはセラミック平板から成
る背面板と一体化してPDP用基板を作製する。
【0048】前記隔壁の成形法として、前記混合物を微
細構造を有する成形型の凹部に充填して隔壁を形成する
ものにあっては、前記成形型中の充填物表面にPDPの
背面基板に該当するガラスもしくはセラミック平板を押
し付けて接着し、加圧状態で加熱炉に収容して前記充填
物を反応硬化させ、硬化完了後、前記背面板とともに成
形型の寸法形状を転写した成形体を離型するか、あるい
は、前記混合物を成形型中に充填した後、先ず充填物を
反応硬化させて離型し、成形型の寸法形状を転写した成
形体を前記背面板に接着した後、該背面板と共に成形体
を脱バインダー処理する。
【0049】一方、前記反応硬化させた成形体を、先ず
脱バインダー処理し、脱バインダー後の成形体を前記同
様の背面板に接着しても良い。
【0050】しかる後に、成形体とガラスもしくはセラ
ミック平板から成る背面板との接着物あるいは一体化物
を焼成してPDP用基板が得られる。
【0051】尚、前記脱泡処理は、成形型に混合物を充
填した後に行っても良い。
【0052】また、前記混合物を用いて厚膜印刷法によ
り所定パターンに所定高さとなるまで複数回、重ねて印
刷してPDP用基板の放電表示セルを構成する隔壁を形
成すると、前記従来の厚膜印刷法よりはるかに形状寸法
に優れた良好な結果が得られる。
【0053】更に、前記混合物をドクターブレード法
等、公知のシート成形方法によりシート状に成形し、該
グリーンシートを所定形状に穿孔した後、複数枚の前記
グリーンシートを所定の高さに積層固着してPDP用基
板の放電表示セルを構成する隔壁を形成しても前記厚膜
印刷法と同様、従来より良好な結果が得られる。
【0054】
【実施例】本発明のPDP用基板の製造方法を以下のよ
うにして評価した。
【0055】(実施例1)平均粒径が1.5μmのガラ
スもしくはセラミック原料粉体100重量部に対して溶
媒及び有機性添加物から成るバインダー、有機シリケー
ト化合物、分散剤、重合促進剤を表1に示す混合物組成
となるようにそれぞれ秤量し、ボールミルで攪拌混合し
て成形用泥漿を調製した。尚、泥漿に有機シリケート化
合物を含まないものを比較例とした。
【0056】また、表1に示す混合物の各組成物は、表
2に記載した通りである。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】得られた成形用泥漿を真空脱泡した後、幅
が50μm、長さが300mmで、深さが10〜350
μmの範囲で異なる溝を0.3mmピッチで500本並
べたシリコンゴム製の成形型に前記泥漿を注入充填し、
硬化前に前記成形型をガラス平板に圧着してから80℃
に加熱保持して泥漿を硬化させた後、前記成形型からガ
ラス平板に密着した成形体を離型して評価用の成形体を
得た。
【0060】この時点で、前記成形体の隔壁を模したリ
ブを拡大鏡で目視検査して500本のリブの内、変形や
割れのない本数から成形体歩留りを算出するとともに、
焼成前の成形体強度を測定したところ、比較例では5K
g/mm2 以下であるのに対して本願発明に係る成形体
の強度はいずれも20Kg/mm2 以上であった。
【0061】次いで、前記成形体を所定の温度にそれぞ
れ保持して脱バインダーしてから、原料粉体主成分によ
り焼成雰囲気を適宜変更して所定温度で焼成一体化し
た。
【0062】かくして得られた焼結後の評価用試料を用
いて、実体顕微鏡で隔壁を模したリブの変形の有無、及
び割れの有無を目視検査して隔壁形状を評価すると共
に、収縮率は前記試料の焼成前後のリブ高さから線収縮
率を算出して評価した。
【0063】
【表3】
【0064】その結果、有機シリケート化合物を添加す
ることにより、隔壁材料の如何を問わず隔壁の変形や割
れを効果的に防止できることが判明した。
【0065】(実施例2)次に、原料粉体として平均粒
径が2μmとなるまで粉砕したガラス粉体100重量部
に対し、溶媒及び有機性添加物から成るバインダー、有
機シリケート化合物、分散剤を表4に示す混合物組成と
なるようにそれぞれ秤量し、ボールミルで攪拌混合して
印刷積層用のペーストを調製した。
【0066】尚、前記有機シリケート化合物としてのト
リメトキシメチルシランの脱メタノール重合体に代え
て、αテルピネオールを20重量部(溶媒としてαテル
ピネオールを合計で80重量部)を加えて前記同様にボ
ールミルで攪拌混合したものを比較例とした。
【0067】また、表4に示す混合物の各組成物は、表
2に記載した通りである。
【0068】
【表4】
【0069】かくして得られたペーストを用いて、幅が
50μm、長さが300mmの線を0.3mmピッチで
500本、焼結後の高さが150μmを目標として積層
回数を種々設定してスクリーン印刷機で印刷積層した。
【0070】その後、実施例1と同様にして脱バインダ
ー後、焼成して評価用試料を作製し、同様にして評価し
た。
【0071】
【表5】
【0072】その結果、比較例では150μmの高さを
得るのに15回の積層が必要であり、しかも隔壁部の断
面形状が背面板側で広い台形状を成しており、かつ上端
側で円弧状を呈し、焼成変形が極めて大であるのに対し
て、本発明に係る混合物を用いた評価用試料は11回の
積層で150μmの高さが確保でき、併せて成形体歩留
り及び成形体の強度も従来より改善されていることが確
認でき、隔壁形状もシャープな良好なものであった。
【0073】(実施例3)平均粒径が1.5μmである
ガラス粉体100重量部に対して溶媒及び有機性添加物
から成るバインダー、有機シリケート化合物、可塑剤を
表6に示す混合物組成となるようにそれぞれ秤量し、ボ
ールミルで攪拌混合して泥漿を調製した。
【0074】得られた泥漿をドクターブレード法でポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に厚さ50μmのグ
リーンシートを成形した。
【0075】一方、前記ビニルトリエトキシシランに代
えてトルエンを10重量部(溶媒としてトルエンを合計
して80重量部)置き換え、前記同様にして成形したも
のを比較例とした。
【0076】また、表6に示す混合物の各組成物は、表
2に記載した通りである。
【0077】
【表6】
【0078】かくして得られたグリーンシートを1mm
間隔で1mm角に格子状に打ち抜き加工した後、焼成後
の高さを150μm目標でガラス平板に積層枚数を調整
しながら加熱圧着して実施例1及び2と同様にして評価
用試料を作製し、実施例1と同様に評価した。
【0079】
【表7】
【0080】その結果、比較例では目標の高さ150μ
mを実現するのに5枚の積層枚数を必要とし、その上、
積層界面が明瞭に分かり、一部に剥がれ不良も認められ
るのに対して、本願発明の評価用試料では積層枚数が4
枚で充分目標高さを達成でき、しかもその断面には積層
界面が全く認められず一体化しており、隔壁形状に変形
がなく、成形体歩留りも成形体の強度も従来よりはるか
に優れていることが確認できた。
【0081】尚、本発明は前記実施例1乃至3に何ら限
定されるものではない。
【0082】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のPDP用基板の製
造方法は、ガラスまたはセラミック粉体と溶媒及び有機
性添加物から成るバインダーの混合物が、ガラスもしく
はセラミック粉体に対して5〜60重量%の有機シリケ
ート化合物を含有し、該混合物で少なくともPDP用基
板の放電表示セルを構成する隔壁を形成することから、
表面状態が良好な隔壁が得られ、成形型に充填して転写
する場合には、成形型の寸法精度がそのまま成形体に反
映され、更に反応硬化させることにより微細な形状が成
形型から忠実に転写され、印刷積層法やグリーンシート
積層法では積層回数や積層枚数を低減出来ることから、
設計の自由度が高く、大型化が容易に実現できる結果、
製造工程の短縮及び簡略化と高い製品歩留りが実現で
き、高精細度化が可能なPDP用基板を容易に得ること
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 久満 京都府京都市山科区東野北井ノ上町5番地 の22 京セラ株式会社内 (72)発明者 加藤 雅史 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスもしくはセラミック粉体と溶媒及び
    有機性添加物から成るバインダーとの混合物で少なくと
    も放電表示セルを構成する隔壁を成形し、該隔壁と背面
    板を一体的に焼成して成るプラズマディスプレイパネル
    用基板の製造方法であって、前記混合物がガラスもしく
    はセラミック粉体100重量部に対して5〜60重量部
    の有機シリケート化合物を含有することを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記混合物を成形型の凹部に充填して少な
    くとも放電表示セルを構成する隔壁を成形し、該隔壁と
    ガラスもしくはセラミック平板から成る背面板とを接着
    した後、焼成一体化して成ることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマディスプレイパネル用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記混合物を厚膜印刷法により所定パター
    ンに印刷して少なくとも放電表示セルを構成する隔壁を
    形成し、該隔壁とガラスもしくはセラミック平板から成
    る背面板とを接着した後、焼成一体化して成ることを特
    徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用
    基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記混合物をシート状に成形し、該グリー
    ンシートを所定形状に穿孔した後、複数枚の前記グリー
    ンシートを所定の高さに積層固着して少なくとも放電表
    示セルを構成する隔壁を形成し、該隔壁とガラスもしく
    はセラミック平板から成る背面板とを接着した後、焼成
    一体化して成ることを特徴とする請求項1記載のプラズ
    マディスプレイパネル用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記有機シリケート化合物が、少なくとも
    一つ以上の有機反応官能基を有することを特徴とする請
    求項1乃至請求項4記載のプラズマディスプレイパネル
    用基板の製造方法。
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US08/714,837 US6023130A (en) 1995-09-06 1996-09-06 Plasma display substrate and a production method thereof

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