JPH09265519A - 磁気記録媒体のデータ記録方法および真偽判定方法 - Google Patents

磁気記録媒体のデータ記録方法および真偽判定方法

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JPH09265519A
JPH09265519A JP8072491A JP7249196A JPH09265519A JP H09265519 A JPH09265519 A JP H09265519A JP 8072491 A JP8072491 A JP 8072491A JP 7249196 A JP7249196 A JP 7249196A JP H09265519 A JPH09265519 A JP H09265519A
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recording
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JP8072491A
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Masao Kuroiwa
政夫 黒岩
Yoshie Arai
美江 新井
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体を偽造、改ざん、不正使用等す
ることを防止するとともに、磁気記録媒体自体を低コス
トかつ容易に製造でき、さらに、その磁気記録媒体自体
のデータの読取り誤差の少ない磁気記録媒体のデータ記
録方法を提供する。 【解決手段】 常温では脱磁状態でのみ磁気記録可能な
磁気材料を用いて、第1の記録領域11と第2の記録領
域12を有する第1の記録層10を磁気記録媒体に形成
する。そして、磁気記録媒体の製造時において第1の記
録層10を脱磁状態に初期化する。さらに、アナログ信
号をデータとして、第1の記録領域11に記録し、この
アナログ信号を読み取って、これに基づいて作成したデ
ィジタル信号をデータとして第2の記録領域12に記録
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるプリペイ
ドカード等の磁気カードのような磁気記録媒体に固有な
データの記録方法に関し、さらに詳細には、偽造やデー
タの改ざん防止に好適な磁気記録媒体のデータ記録方法
に関する。また、本発明は、かかるデータ記録方法によ
ってデータが記録された正常な磁気記録媒体と、偽造ま
たは改ざんされた磁気記録媒体とを識別する真偽判定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、代金等の支払いを、クレジットカ
ードや、キャッシュカード、プリペイドカードなど、磁
気記録されたデータを保有するカード類により行なうこ
とが一般化している。そして、かかるカード類の偽造防
止対策として、カードに特別のチェック領域を設け、こ
こに、高保磁力磁気記録を施したり、偽造困難なホログ
ラム箔を貼着したりすることが行われている。また、特
殊インキの使用、磁気シールドの形成などにより、記録
データの解読を困難にすることが実施されてきた。しか
し、これら従来の偽造防止対策も、現時点においては、
その効果が薄らいでいる。
【0003】また、上記カード類の使用に際しては、当
該カードが正当であるか否か、あるいはその所持者が正
当であるか否かを判断する必要がある。例えば、利用者
が特定されないプリペイドカード等においては、使用済
みのカードに、未使用の磁気データを転写すると、その
カードは有効となってしまい、正当なカードと同等と価
値を有することになってしまう。また、特定利用者にの
み有効なIDカード、例えばクレジットカードやキャッ
シュカードにあっては、窃盗者が、暗証番号に対応した
磁気データを改ざんすることによって、そのカードを冒
用するというおそれがある。
【0004】そこで、このようなデータの改ざんや、不
正使用を防止する技術としては、カードのチェック領域
に微細なステンレスファイバをランダムに分散、埋設し
た書類を使用する技術(特開昭63−501250号公
報)や、同じくカードのチェック領域に金属磁性ファイ
バをランダムに分散、埋設したサインパネルを使用する
技術(特開平6−87287号公報)が知られている。
前者は、チェック領域にマイクロ波を照射して、その反
射により固有のランダムパターンを読み取り、磁気スト
ライプ等において予め登録しておいたディジタル情報と
照合することで、当該チェック領域が真正であるか否か
を判別するものである。一方、後者は、チェック領域の
ランダムパターンを磁気センサで読み取り、同様にディ
ジタル情報と照合することで、当該チェック領域が真正
であるか否かを判別するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法では、次のような問題があった。第1にステン
レス等の導電性ファイバを微細に加工するのは困難であ
るため、高コストとなりやすい問題があり、また、第2
にマイクロ波の制御が困難であって読み取り誤差が大き
くなり易く、かつ、その照射や読取のための装置自体が
複雑かつ大型となってしまうという問題があった。導電
性ファイバの代替として金属磁性ファイバを用いる方法
では、マイクロ波を用いないため、上記第2の問題は解
消されるが、導電性ファイバと同様に、その微細加工が
困難である点については、解消されない。いずれにして
も、金属ファイバは、裁断等の微細加工そのものが非常
に困難であるとともに、加工後でも静電気等により凝集
してしまって分散させにくいため、結果的に磁気記録媒
体のコストが非常に高くなってしまうという欠点があっ
た。
【0006】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、カード等の磁気記録
媒体を偽造、改ざん、不正使用等することを防止すると
ともに、磁気記録媒体自体を低コストかつ容易に製造で
き、さらに、その磁気記録媒体自体のデータの読取り誤
差の少ない磁気記録媒体のデータ記録方法を提供するこ
とにある。また、本発明は、かかるデータ記録方法によ
ってデータが記録された磁気記録媒体と、偽造、改ざん
等された磁気記録媒体とを確実に識別し、不正使用の摘
発効果の高い真偽判定方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決する
ため、本発明に係るデータ記録方法にあっては、常温で
は脱磁状態でのみ磁気記録可能な磁気材料を用いて第1
の記録層を基材上に設けて磁気記録媒体に形成し、前記
第1の記録層を脱磁状態に初期化し、アナログ信号をデ
ータとして、前記第1の記録層に記録することを特徴と
する。
【0008】かかる方法によれば、常温では脱磁状態で
のみ磁気記録可能な磁気材料を用いたことにより、第1
の記録層に記録されたアナログ信号は、常温では消去ま
たは書換不可能となる。従って、データの改ざんを実質
的に防止することができる。また、記録するデータをア
ナログ信号としたことにより、不正取得者等にとって
は、データの正確な読取りが困難になり、データを複写
して磁気記録媒体を複製または偽造するのも実質的に防
止することが可能となる。
【0009】一方、アナログ信号の読取りは、正規な読
取り装置を備えていれば、その装置が簡易なものであっ
ても、精度よく行うことが可能である。また、常温では
脱磁状態でのみ磁気記録可能な磁気材料は、保磁力が高
く、外部磁界の影響を受けにくい。従って、一旦記録し
たアナログ信号の安定性が高く、長期間にわたって高い
再現性を発揮するため、読取りの誤りが防止される。
【0010】さらに、従来のデータ記録方法では、磁気
記録媒体の固有データの記録については、個々の磁気記
録媒体ごとに異なるパターンのデータを持たせるため
に、磁気材料(磁性材料自体や磁気インク)の分散パタ
ーンを異ならせる過程を磁気記録媒体の製造時に必要と
するものがほとんどであった。しかし、本発明に係る方
法によれば、製造時には、第1の記録層を脱磁状態に初
期化し、全く同一の状態にしておき、固有データはアナ
ログ信号として製造とは別途に記録すればよいから、磁
気記録媒体の製造を安価かつ容易ならしめることが可能
である。しかも、第1の記録層として上述の磁気材料を
用いるのであれば、従来のファイバの微細加工や分散処
理のような特別な製造方法を採らずとも形成することが
でき、これによっても安価かつ容易に磁気記録媒体を製
造することが可能である。
【0011】また、本発明に係るデータ記録方法は、常
温では脱磁状態でのみ磁気記録可能な磁気材料を用い
て、第1の記録領域と第2の記録領域を有する第1の記
録層を基材上に設けて磁気記録媒体に形成し、前記第1
の記録層を脱磁状態に初期化し、アナログ信号をデータ
として、前記第1の記録領域に記録し、前記アナログ信
号を読み取って、これに基づいて作成したディジタル信
号をデータとして前記第2の記録領域に記録することを
特徴とするのであってもよい。
【0012】上述と同様の作用効果に加えて、かかる記
録方法を採ることにより、磁気記録媒体の不正取得者等
が、万一、アナログ信号とディジタル信号のいずれか
(特に、ディジタル信号)を読み取って、これを別の磁
気記録媒体に複写することにより偽造行為等を行ったと
しても、同一の磁気記録媒体に記録してあるはずの他の
信号(特に、アナログ信号)を照合することによって、
不正な磁気記録媒体であることが直ちに判明する。従っ
て、磁気記録媒体の不正使用の未然防止に寄与すること
になる。
【0013】また、本発明に係るデータ記録方法は、常
温では脱磁状態でのみ磁気記録可能な磁気材料を用いて
第1の記録層を基材上に設けて磁気記録媒体に形成し、
前記第1の記録層を脱磁状態に初期化すると共に、常温
で磁気記録を書換可能な第2の記録層を前記磁気記録媒
体に形成し、アナログ信号をデータとして、前記第1の
記録層に記録し、前記アナログ信号を読み取って、これ
に基づいて作成したディジタル信号をデータとして前記
第2の記録層に記録することを特徴とするのであっても
よい。
【0014】上述と同様の作用効果に加えて、かかる記
録方法を採ることにより、磁気記録媒体の不正取得者等
が、書換可能な第2の記録層に記録されたディジタル信
号を改ざんしたとしても、同一の磁気記録媒体に記録し
てあるアナログ信号を照合することによって、不正な磁
気記録媒体であることが直ちに判明する。従って、この
面でも、磁気記録媒体の不正使用の未然防止に寄与する
ことになる。
【0015】さらに、上述のデータ記録方法において、
前記第1の記録層にアナログデータを記録した後、この
アナログデータを、直流磁界で着磁すると好ましい。上
述の磁気材料は、保磁力が高く、外部磁界の影響を受け
にくく、記録したアナログ信号の安定性が高いが、かか
る着磁処理を施すことにより、さらにアナログ信号の安
定化が図られる。従って、アナログ信号は、長期間にわ
たって高い再現性を発揮するため、読取りの誤りが防止
される。さらには、磁気記録媒体の真偽判定において
も、真偽の判定基準レベルを非常に高く設定することが
でき、不正な磁気記録媒体の摘発をより確実にすること
が可能となる。
【0016】また、本発明に係る真偽判定方法は、上述
したように、アナログ信号とこれに対応するディジタル
信号とをデータとして記録した正常な磁気記録媒体と、
不正な磁気記録媒体とを識別する真偽判定方法であっ
て、磁気記録媒体に記録されたアナログ信号を読み取っ
て、これに基づいてディジタル信号を作成すると共に、
前記磁気記録媒体に記録されたディジタル信号を読み取
り、前記作成したディジタル信号と、前記読み取ったデ
ィジタル信号とを照合し、前記両方のディジタル信号の
一致性が一定レベル以上の場合には、前記磁気記録媒体
を正常と判定し、それ以外の場合には、前記磁気記録媒
体を不正と判定することを特徴とする。
【0017】磁気記録媒体に記録されたディジタル信号
は、同一の磁気記録媒体に記録されたアナログ信号を読
み取ってこれに基づいて作成されたものである。また、
上記の真偽判定時に作成するディジタル信号は、アナロ
グ信号を読み取って作成する。従って、両方のディジタ
ル信号は、アナログ信号の経時変化や読取り誤差等の影
響を除外すれば、本来一致するか、または一定の相関関
係を有するはずである。従って、かかる真偽判定方法を
採ることにより、正常な磁気記録媒体と不正な磁気記録
媒体とが、確実に識別され、不正使用の未然防止および
摘発に貢献することになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。 1:第1の実施形態 まず、本実施形態が適用された磁気記録媒体の構成につ
いて説明する。図1(a)は、磁気記録媒体である磁気
カードの記録面の構成を示す平面図であり、図1(b)
は、同図(a)のX−X’線についての断面図である。
これらの図において、符号1は、磁気カードの基材を示
し、符号10は、基材1上に形成された第1の磁気記録
層を示す。第1の磁気記録層10は、第1の記録領域1
1と第2の記録領域12とに二分されている。
【0019】これらの第1の記録領域11および第2の
記録領域12には、共に追記のみの記録が可能である
が、第1の記録領域11についてはアナログの固有デー
タが記録され、第2の記録領域12については、当該ア
ナログの固有データをディジタル処理したディジタルの
固有データが記録される。なお、第1の記録領域11と
第2の記録領域12は、基材1の同一面上の離れた位置
に形成してもよいし、基材1の両面にそれぞれ形成して
もよい。なお、以下の実施形態は、基材1をカードとし
た磁気カードに係るものであるが、基材の形状は、磁気
記録媒体としての用途に応じて変更することが可能であ
る。
【0020】1−1:第1の磁気記録層の材料 本実施形態における第1の磁気記録層10に用いる磁性
材料としては、常温でのデータの消去や書換を防止し
て、追記記録だけを可能とするため、次の性質を有する
磁性薄膜が用いられる。すなわち、この磁気薄膜は、常
温において、脱磁状態(磁化されていない状態)からの
初期磁化特性が、保磁力の半分以下の磁界で飽和する。
常温における保磁力は10kOe以上である。好ましく
は、脱磁状態から2kOe以下、さらに、好ましくは600
〜1000Oeの磁界で飽和する初期磁化特性を有している
とともに、常温における保磁力が10kOe以上であると
よい。このような最も好ましい特徴を示す磁性材料に
は、例えば、Mn−Biが挙げられる。ところで、一般
的な磁気ヘッド、例えばパーマロイやセンダスト製等の
磁気ヘッドで与えることのできる磁界の強さは、せいぜ
い5k〜6kOe程度である。
【0021】上述のように、この磁気薄膜は、常温にお
いて脱磁状態から2kOe以下の磁界で飽和する(すなわ
ち、いわば見かけの保磁力が2kOe以下である)ため、
一般的な磁気ヘッドを用いて磁気記録することが可能で
ある。そして、一旦磁気記録されると、磁性薄膜の保磁
力は10kOe以上であるため、通常の磁気ヘッドを用い
たのでは、その磁化方向を変化させることはできない。
【0022】従って、かかる磁気記録層を常温の脱磁状
態において、一般的な磁気ヘッドを用いて一旦磁気記録
を行なうと、常温ではその内容を消去(イレース)また
は書換することはできず、追記記録することだけが可能
である。
【0023】一方、この磁性薄膜は、−180℃以下
(さらに好ましくは−200℃)の低温環境下では、磁
化の大きさが小さくなり、保磁力は200Oe程度とな
る。この環境下では、外部から磁界を与えることによ
り、その磁化方向を変化させることが可能である。従っ
て、かかる磁性材料が磁化状態にあった場合、まず、こ
れを超低温(例えば、液体窒素中に浸けておき−180
℃)に冷却し、次に、外部からピーク磁界が500〜1500
Oe程度の交流磁界あるいは減衰磁界を印加する。これ
により、脱磁あるいは初期化を行なうことができる。
【0024】ただし、かかる低温環境下にあっても、磁
界を外部から与えない限り、この磁性薄膜の磁化方向は
変化することがない。このため、単に低温環境下におい
て、その後、常温に戻し外部磁界を与えても、磁性薄膜
の磁化方向を正確に変化させることはできない。従っ
て、一般的には、この磁性薄膜の脱磁あるいは初期化を
行なうことが困難であり、不正取得者等による磁気デー
タの消去および書換を実質的に防止することができる。
すなわち、脱磁状態とするには、磁気記録層を超低温に
まで冷却する環境、および交流磁界または減衰磁界を印
加する設備が必要となるため、実際には、磁気データの
改ざんは、ほとんど不可能と考えられる。
【0025】1−2:磁気カードの製造 本実施形態における磁気カードは、上述のような低温環
境下でも極めて容易には脆性破壊することのない樹脂材
料等で形成された基材1上に、第1の記録層10を形成
することにより製造される。第1の記録層10は、一般
には、ウェットコーティング法によってカード基材1上
に直接形成するのがコスト的にも有利である。特に、M
n−Biを粉末にして塗料化した後、塗布によって薄膜
化すれば、比較的低コストで磁気薄膜を形成することが
できる。ただし、蒸着、スパッタリング等のドライコー
ティングや、部分的であれば各種印刷により形成しても
よい。また、基材1に直接形成するのではなく、転写法
により間接的に形成することとしてもよい。
【0026】このようにして、磁気カードが工場で製造
されると、上述した超低温環境の下、交流磁界または減
衰磁界を印加することによって、第1の記録層10が、
脱磁状態に初期化される。この後、初期化された磁気カ
ードは、磁気遮蔽された状態で工場出荷され、販売、配
布または使用を行う店舗、駅、銀行等に配送される。な
お、工場においては、磁気カードを製造するのみとし
て、この磁気カードを店舗、駅、銀行等に発送した後、
これらの店舗、駅、銀行等に設けた設備において、超低
温環境の下、交流磁界または減衰磁界を印加することに
よって、第1の記録層10を脱磁状態に初期化するよう
にしてもよい。このようにして、磁気カードを発行する
ことが可能となり、この初期化状態のまま、あるいは次
に述べる固有データの記録後に、店舗等では、磁気カー
ドを発行する。
【0027】1−3:磁気データの記録 上記店舗、駅、銀行等においては、脱磁状態にある磁気
カードの第1の記録領域11にはアナログの固有データ
を記録し、第2の記録領域12には、当該アナログの固
有データをディジタル処理したディジタルの固有データ
を記録する。例えば、リードコイルを約400ターン巻
いたコアギャップ幅20μmのセンダスト製磁気ヘッド
を用いて、最大ピーク電流値が約300mAの固有アナ
ログ信号を第1の記録領域11に書き込む。図2は、こ
のアナログ信号の波形の例を示す。図2の例では、波形
をノイズ的になるように発生させた。ただし、例えば、
コンピュータによって人口的なランダム波形を発生させ
るようにしてもよい。
【0028】次に、第1の記録領域11に書き込んだ磁
気データを磁気ヘッドまたは磁気センサで読み取り、ア
ナログ信号を得る。図3は、図2の波形を第1の記録領
域11に書き込んだ後、ライトコイルを約1500ター
ン巻いたコアギャップ幅200μmのセンダスト製磁気
ヘッドを用いて、第1の記録領域11に書き込んだ磁気
データを読み取って得たアナログ信号を示す。そして、
このアナログ信号を所定のアルゴリズムに従ってA/D
変換し、16バイトのディジタル固有データとして第2
の記録領域12に書き込む。
【0029】本実施形態に係る磁気カードをクレジット
カードやキャッシュカードのようなIDカードとして使
用する場合においては、発券時に、上記のような処理を
経て、カードの種別やIDに相当するランダムな波形を
有する固有のアナログ磁気データを記録しておき、さら
にこれに基づいた固有のディジタル磁気データを記録し
ておく。上述の通り、これらの固有の磁気データは、常
温では消去および書換することが不可能であり、不正取
得者等によるカードの種別およびIDの消去および書
換、すなわちデータの改ざんを実質的に防止することが
できる。
【0030】また、上述の磁性博膜には、一旦記録した
データの消去および書換ができなくても追記記録が可能
であるから、以下のようにプリペイドカードとして使用
することも可能である。すなわち、発券時には、第1の
記録領域11のうちの微小領域および第2の記録領域1
2のうちの微小領域に、上述と同様の手順により、カー
ドの種別やIDに加えて、発行度数(金額)に相当する
固有の磁気データを記録する。
【0031】そして、その後は、磁気カードの使用ごと
に、例えば累積使用度数に相当するデータを第1の記録
領域11の他の微小領域および第2の記録領域12の他
の微小領域に記録してゆけばよい。従って、各微小領域
に対して一旦記録したデータの書換ができなくても、脱
磁状態にある他の微小領域への追記記録が可能であるか
ら、カード使用の履歴が記録される。その記録後は、発
行度数と累積使用度数との差が、残高となる。かかる場
合には、上記のID等の改ざんだけでなく、追記記録し
たデータの改ざんも、実質的に防止することが可能とな
る。
【0032】上述のように、同一の磁気カードにアナロ
グデータと、これに基づいたディジタルデータとを記録
する理由は以下の通りである。すなわち、上述の磁気カ
ードにおいては、アナログであってもディジタルであっ
ても記録データの改ざんは、実質的に不可能ではある。
しかし、もし仮に読取りが比較的容易なディジタルデー
タだけが記録されていた場合には、不正取得者が磁気カ
ードのディジタルデータを読み取って、他の磁気カード
を複製あるいは偽造するおそれがある。ところが、アナ
ログデータであれば、磁化パターンが読み取りにくく、
しかもこのアナログデータの波形をランダムなものとす
れば、さらに複製や偽造が困難になる。そこで、本実施
形態では、第1の磁気記録層10の第1の記録領域11
にはアナログの固有データを記録し、第2の記録領域1
2には、当該アナログの固有データをディジタル処理し
たディジタルの固有データを記録している。これによ
り、記録されたデータの改ざんだけではなく、磁気カー
ドの複製や偽造をも防止することが可能とされている。
【0033】1−4:真偽判定方法 次に、図4を参照して、上記磁気カードに係る真偽判定
方法を説明する。この真偽判定方法は、磁気カードを使
用する店舗等で簡易に行われるものである。なお、以下
の説明では、上述の発券時に第1の記録領域11に記録
したアナログ固有データをaとし、第2の記録領域12
に記録したディジタル固有データをAとする。
【0034】まず、発券時にアナログ固有データaを記
録したのと同様の磁気ヘッドまたは磁気センサを用い
て、アナログ固有データaを読み取る(ステップS
1)。そして、このアナログ固有データaを発券時と同
様のアルゴリズムに従ってA/D変換し、ディジタル変
換データAを作成する(ステップS2〜S3)。また、
以上の処理と並行して、例えば磁気センサによって、第
2の記録領域12に記録したディジタル固有データAを
読み取る(ステップS4)。
【0035】そして、ディジタル固有データAとディジ
タル変換データA’とを比較する(ステップS5)。こ
の比較照合においては、これらのディジタルデータ同士
の一致性を演算する。次に、判断処理に移行する(ステ
ップS6)。ここで、ディジタル固有データAのディジ
タル変換データA’に対する一致性が、一定以上、例え
ば95%以上であれば、この磁気カードは本物というこ
とであり、店舗等では、磁気カードを用いた取引処理を
続行する。一方、ステップS6において、ディジタル固
有データAのディジタル変換データA’に対する一致性
が95%未満と判断された場合には、この磁気カードは
複製または偽造されたものということであり、店舗等で
は、取引処理を停止する。
【0036】すなわち、もし不当取得者が、第2の記録
領域12に記録されたディジタル固有データAを解析し
て、磁気カードを偽造したとしても、アナログ固有デー
タaから作成したディジタル変換データA’にそのディ
ジタル固有データAがほぼ一致しない限り、異常と判断
されるため、正規の取引が不可能となり、磁気カードの
不正使用が防止されるのである。
【0037】2:他の実施形態 また、上記の磁気カードに、書換不可能な第1の磁気記
録層10とは別に、書換可能な第2の磁気記録層を設け
てもよい。この場合の構成を、それぞれ図5、図6、図
7に示す。なお、図5〜図7で(a)は、磁気カードの
記録面の構成を示す平面図であり、(b)は、対応する
(a)のX−X’線についての断面図である。これらの
図において、符号13は、書換が可能な第2の磁気記録
層を示す。
【0038】図5の構成では、第1の磁気記録層10お
よび第2の磁気記録層13が、基材1の同一面上の異な
る位置に形成されている。また、図6の構成では、第1
の磁気記録層10と第2の磁気記録層13とが重ね合わ
せられている。なお、これらの構成においては、第1の
磁気記録層10と第2の磁気記録層13との位置関係
は、上下や、裏表が入れ替わっても、それが読み取り時
に判るのであれば、差し支えない。また、図7に示した
構成は、第1の磁気記録層10および第2の磁気記録層
13を有するものであるが、両記録層に用いられる磁性
材料が混合されて、両記録層がともに形成されているた
め、記録領域としての区別ができないようになってい
る。
【0039】次に、本実施形態における第2の磁気記録
層13に用いる磁性材料としては、通常の4kOe以下の
保磁力を有する磁気ヘッドで書込が可能な磁性材料であ
れば何でもよく、例えば、マグネタイトや、γ−酸化
鉄、Co被着γ−酸化鉄、バリウムフェライト、二酸化
クロムなどの金属・合金の粉末が用いられる。これによ
り、第1の記録層10とは異なり、書換が可能となる。
なお、データの安定性という観点からは、保磁力が600
Oe以上の材料を用いるのが好ましい。
【0040】この第2の磁気記録層13も、第1の磁気
記録層10と同様に、ウェットコーティング法によって
基材1上に直接形成するのがコスト的にも有利である
が、蒸着、スパッタリング等のドライコーティングや、
部分的であれば各種印刷により形成してもよい。また、
基材1に直接形成するのではなく、転写法により間接的
に形成することとしてもよい。図7に示すように、第1
の磁気記録層10と第2の磁気記録層13とを同時に形
成する場合でも同様である。
【0041】2−1:磁気データの記録 さて、上記の磁気カードにデータを記録する手法につい
て説明する。まず、発券時には、脱磁状態にある磁気カ
ードの第1の磁気記録層10にアナログの固有データa
を記録し、第2の磁気記録層13に、当該アナログの固
有データをディジタル処理したディジタルの固有データ
Aを記録する。例えば、リードコイルを約300ターン
巻いたコアギャップ幅100μmのセンダスト製磁気ヘ
ッドを用いて、最大ピーク電流値が約300mAの固有
アナログ信号を書換不可能な第1の磁気記録層10に書
き込む。図8は、このアナログ信号の波形の例を示す。
図8の例では、コンピュータ処理によってランダム波形
を発生させた。但し、波形をノイズ的になるように発生
させてもよい。
【0042】次に、磁気センサまたは磁気ヘッドを用い
て、第1の磁気記録層10に書き込んだ磁気データを読
み取り、アナログ信号を得る。図9は、図8の波形を第
1の磁気記録層10に書き込んだ後、読取り分解能10
0μmのMR(磁気抵抗)センサを用いて、これを読み
取って得たアナログ信号を示す。そして、このアナログ
信号を所定のアルゴリズムに従ってA/D変換し、16
バイトのディジタル固有データAとして、書換可能な第
2の磁気記録層13に書き込む。この際には、他の書換
用データも第2の磁気記録層13に書き込む。
【0043】これらの実施形態の磁気カードにおいて
も、発券時に第1の磁気記録層10に記録されたアナロ
グ固有データaは、常温では消去および書換することが
不可能である。従って、不当取得者等によるカードの種
別、IDおよび発行度数等に関するアナログ固有データ
aの改ざんを実質的に防止することができる。
【0044】また、特に、以下のようにプリペイドカー
ドとして使用するときに、第2の記録領域12を有する
磁気カードは特に有利である。すなわち、磁気カードの
発券後は、使用のたびに、例えば累積使用度数に相当す
るアナログデータを第1の磁気記録層10の微小領域に
書き込んでゆくと同時に、このアナログデータに対応す
るディジタルデータを第2の磁気記録層13の微小領域
にも記録してゆく。これにより、第1の磁気記録層10
および第2の磁気記録層13の両方にカード使用の履歴
が記録される。その記録後は、発行度数と累積使用度数
との差が、残高となる。かかる場合には、上記のID等
の改ざんだけでなく、追記記録したアナログデータの改
ざんも、実質的に防止することが可能となる。
【0045】2−2:真偽判定方法 これらの実施形態の磁気カードの場合にあっても、上述
とほぼ同様の真偽判定方法が採られる。ただし、第1の
実施形態では、第1の記録領域11に記録されたアナロ
グ固有データaから作成したディジタル変換データA’
と、第2の記録領域12に記録されたディジタル固有デ
ータAとを比較するが、ここでは、第1の磁気記録層1
0に記録されたアナログ固有データaから作成したディ
ジタル変換データA’と、第2の磁気記録層13に記録
されたディジタル固有データAとを比較する。
【0046】これにより、もしも不当取得者が、磁気カ
ードのディジタル固有データAを読み取って、他の磁気
カードを複製または偽造した場合であっても、アナログ
固有データaから作成したディジタル変換データA’に
そのディジタル固有データAがほぼ一致しない限り、異
常と判断されるため、正規の取引が不可能となり、磁気
カードの不正使用が防止されるのである。
【0047】これらの実施形態では、第2の磁気記録層
13の記録データは書換可能であるため、例えば累積使
用度数を0とする目的をもって、追記記録したディジタ
ルデータが改ざんされる可能性もある。そこで、真偽判
定においては、第1の磁気記録層10に追記記録された
アナログ追記データから作成したディジタル変換データ
と、第2の磁気記録層13に追記記録されたディジタル
追記データAとを比較するのが好ましい。
【0048】かかるアナログ追記データを第1の磁気記
録層10に追記記録しておくことにより、もしもディジ
タル追記データが改ざんされた場合であっても、アナロ
グ追記データから作成したディジタル変換データにその
ディジタル追記データがほぼ一致しない限り、異常と判
断されるため、正規の取引が不可能となり、磁気カード
の不正使用が防止され、犯罪摘発にも絶大の効果が発揮
される。
【0049】3:アナログ信号の安定化 上述のように、磁気カードに記録したアナログ信号を発
券時に読み取って、対応するディジタル信号を記録し、
さらにその後、磁気カードに記録したアナログ信号を再
度読み取って、これに対応するディジタル信号を既に記
録したディジタル信号と比較するためには、記録したア
ナログ信号が、繰返し読み取りを行っても安定してお
り、かつ、経時的にも安定していることが不可欠であ
る。
【0050】上述の磁気カードに用いられる磁性薄膜
は、非常に保磁力の高い材料で形成されているため、外
部磁界の影響を受けにくく、この点でアナログ信号の安
定性ひいては再現性が非常に高いものと考えられる。そ
こで、この点を確認する目的で、記録したアナログ信号
の再現性を評価する試験を行った。また、記録したアナ
ログ信号の安定化処理を行い、その評価をする試験を併
せて行った。まず、図1、図5〜図7に示した実施形態
に対応した試料を製作した。
【0051】図1に対応する試料については、リードコ
イルを約400ターン巻いたコアギャップ幅20μmの
センダスト製磁気ヘッドを用いて、図2に示すようなノ
イズ的な最大ピーク電流値が約300mAのアナログ固
有データaを第1の記録領域11に書き込んだ。次に、
ライトコイルを約1500ターン巻いたコアギャップ幅
200μmのセンダスト製磁気ヘッドを用いて、第1の
記録領域11に書き込んだアナログ固有データaを読み
取って、この読み取ったアナログ信号をA/D変換し、
16バイトのディジタル固有データとして書換不可能な
第2の記録領域12に書き込んだ。
【0052】図5〜図7に対応する試料については、リ
ードコイルを約300ターン巻いたコアギャップ幅10
0μmのセンダスト製磁気ヘッドを用いて、図8に示す
ようなコンピュータでランダムに発生させた最大ピーク
電流値が約300mAのアナログ固有データaを第1の
磁気記録層10に書き込んだ。その後、図5〜図7に対
応する試料につき、安定化処理を施すものと、施さない
ものとに分け、施さない試料に対しては、そのまま、ア
ナログ固有データaを、読取り分解能100μmのMR
センサを用いて読み取り、読み取ったアナログ固有デー
タaをA/D変換し、16バイトのディジタル固有デー
タAとした。そして、書換可能な第2の磁気記録層13
に、このディジタル固有データAを書き込んだ。
【0053】一方、図5〜図7に対応する試料であって
安定化処理を施すものについては、上述のアナログ固有
データaの書込の後、書込に使用したのと同一の磁気ヘ
ッドに300mAの直流電流を通電することにより、既
にアナログ固有データaを書き込んだ部分に約5kOeの
直流安定化磁場を印加した。これにより、既に記録した
アナログ信号の不飽和部分を飽和させ、磁化状態を安定
化させることが可能と考えられる。次に、このように安
定化を施したアナログ固有データaを、上記と同様に、
MRセンサを用いて読み取り、これをA/D変換したデ
ィジタル固有データAを書換可能な第2の磁気記録層1
3に書き込んだ。
【0054】そして、上述の真偽判定方法と同様の手順
により、アナログ固有データaの再現性を調査した。す
なわち、読み取りに用いたのと同様の磁気ヘッドまたは
MRセンサを用いて、アナログ固有データaを読み取
り、このアナログ固有データaを同様にA/D変換し、
ディジタル変換データAを作成した。
【0055】以上の処理と並行して、磁気センサによっ
て、ディジタル固有データAを読み取った。さらに、デ
ィジタル固有データAとディジタル変換データA’同士
の一致性を演算することによって、アナログ固有データ
aの再現性をいわば間接的に調査した。
【0056】かかる再現性の調査は、次の3つの場合に
ついて行った。 (i) アナログ固有データaとディジタル固有データA
を磁気カードに記録した直後(この調査結果を初期再現
性とする)。 (ii) アナログ固有データaを1000回繰り返し読み
取った直後(この調査結果を繰返し再現性とする)。 (iii) 磁気カードを温度60℃、湿度90%の環境下
に14日間おいた後(この調査結果を経時再現性とす
る)。
【0057】表1は、この再現性調査結果を示す。
【表1】
【0058】ここで、アナログ固有データaの再現性
は、100%に近いほど望ましい。つまり、再現性が高
ければ高いほど、記録されたデータが安定しているわけ
であり、真偽判定においても、ディジタル固有データA
とディジタル変換データA’との一致性の判断基準(図
4のステップS6では95%)を高く設定することがで
きる。このようにすれば、偽造、改ざん等された磁気カ
ードの摘発をより確実にすることができる。
【0059】この再現性調査試験においては、安定化処
理を行わない試料であっても、95%以上の良好な再現
性を有することが確認された。このことは、磁性薄膜が
非常に保磁力の高い材料で形成されていることに一因が
あると推測される。かかる再現性を考慮すると、安定化
処理を行わない場合については、真偽判定において、デ
ィジタル固有データAとディジタル変換データA’との
一致性の判断基準を、例えば図4のステップS6のよう
に95%としておくことで、実用上問題はないと考えら
れる。
【0060】また、この調査試験においては、安定化処
理を行った試料の再現性が、他の試料に比べても、極め
て優良であった。このことは、上述の安定化処理を施せ
ば、アナログ磁気データが、さらに安定することを示す
ものである。そして、ひいては真偽判定において、ディ
ジタル固有データAとディジタル変換データA’との一
致性の判断基準をさらに高め、偽造、改ざん等された磁
気カードの摘発をより確実にすることも可能である。な
お、図1に対応する試料については、安定化処理を施し
た試験を実施しなかったが、これについても安定化処理
を行うことで、同様の効果を奏することが可能であると
考えられる。
【0061】4:磁気カードの他の実施形態 図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る磁気カー
ドを示す。この磁気カードの基材1上には、第1の磁気
記録層10および第2の磁気記録層13に加えて、追記
用記録層(第1の記録層、第1の記録領域)14が形成
されている。この追記用記録層14は、第1の磁気記録
層10と同様の材料から形成され、同様に脱磁状態に初
期化される。この磁気カードについては、第1の磁気記
録層10に上述した磁気カードの固有の磁気データのみ
を記録し、追記用記録層14に、例えば、上述のような
累積使用度数のような追記記録データを追記記録してゆ
くとよい。なお、図示とは異なり、第1の磁気記録層1
0と追記用記録層14とを境界を設けずに同一層として
形成し、記録するデータが固有の磁気データであるかま
たは追記記録データであるかに応じて、記録装置側で記
録位置を分けるようにしてもよい。また、これらの記録
層を図示とは異なる位置に設けてもよい。例えば、図1
1に示すように、第1の磁気記録層10と追記用記録層
14とを基材1の同一面上に形成し、第2の磁気記録層
13を他の面上に形成してもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るデー
タ記録方法によれば、常温では脱磁状態でのみ磁気記録
可能な磁気材料を用いたことにより、データの改ざんを
実質的に防止することができ、かつデータを複写して磁
気記録媒体を複製または偽造するのも実質的に防止する
ことが可能となる。また、一旦記録したアナログ信号の
安定性が高く、長期間にわたって高い再現性を発揮する
ため、読取りの誤りが防止される。さらに、上述の磁気
材料を第1の記録層としたことにより、磁気記録媒体の
製造を安価かつ容易ならしめることが可能である。
【0063】また、本発明に係る真偽判定方法によれ
ば、正常な磁気記録媒体と不正な磁気記録媒体とが、確
実に識別される。これにより、不正使用の未然防止およ
び摘発に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の第1実施形態に係る磁気記
録媒体である磁気カードの記録面の構成を示す平面図で
あり、(b)は(a)のX−X’線についての断面図で
ある。
【図2】 同磁気カードに記録するアナログ信号の波形
の一例を示す線図である。
【図3】 同磁気カードに一旦記録した図2のアナログ
信号を読み取って得たアナログ信号の波形を示す線図で
ある。
【図4】 本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の真偽
判定方法を示すフローチャートである。
【図5】 (a)は本発明の他の実施形態に係る磁気記
録媒体である磁気カードの記録面の構成を示す平面図で
あり、(b)は(a)のX−X’線についての断面図で
ある。
【図6】 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係る
磁気記録媒体である磁気カードの記録面の構成を示す平
面図であり、(b)は(a)のX−X’線についての断
面図である。
【図7】 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係る
磁気記録媒体である磁気カードの記録面の構成を示す平
面図であり、(b)は(a)のX−X’線についての断
面図である。
【図8】 図5ないし図7に示す磁気カードに記録する
アナログ信号の波形の一例を示す線図である。
【図9】 同磁気カードに一旦記録した図8のアナログ
信号を読み取って得たアナログ信号の波形を示す線図で
ある。
【図10】 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係
る磁気記録媒体である磁気カードの記録面の構成を示す
平面図であり、(b)は(a)のX−X’線についての
断面図である。
【図11】 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係
る磁気記録媒体である磁気カードの記録面の構成を示す
平面図であり、(b)は(a)のX−X’線についての
断面図である。
【符号の説明】
1 基材 10 第1の磁気記録層 11 第1の記録領域 12 第2の記録領域 13 第2の磁気記録層 14 追記用記録層(第1の記録層、第1の記録領域)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温では脱磁状態でのみ磁気記録可能な
    磁気材料を用いて第1の記録層を基材上に設けて磁気記
    録媒体を形成し、 前記第1の記録層を脱磁状態に初期化し、 アナログ信号をデータとして、前記第1の記録層に記録
    することを特徴とする磁気記録媒体のデータ記録方法。
  2. 【請求項2】 常温では脱磁状態でのみ磁気記録可能な
    磁気材料を用いて、第1の記録領域と第2の記録領域を
    有する第1の記録層を基材上に設けて磁気記録媒体に形
    成し、 前記第1の記録層を脱磁状態に初期化し、 アナログ信号をデータとして、前記第1の記録領域に記
    録し、 前記アナログ信号を読み取って、これに基づいて作成し
    たディジタル信号をデータとして前記第2の記録領域に
    記録することを特徴とする磁気記録媒体のデータ記録方
    法。
  3. 【請求項3】 常温では脱磁状態でのみ磁気記録可能な
    磁気材料を用いて第1の記録層を基材上に設けて磁気記
    録媒体に形成し、 前記第1の記録層を脱磁状態に初期化すると共に、 常温で磁気記録を書換可能な第2の記録層を前記磁気記
    録媒体に形成し、 アナログ信号をデータとして、前記第1の記録層に記録
    し、 前記アナログ信号を読み取って、これに基づいて作成し
    たディジタル信号をデータとして前記第2の記録層に記
    録することを特徴とする磁気記録媒体のデータ記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1の記録層にアナログデータを記
    録した後、このアナログデータを、直流磁界で着磁する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁
    気記録媒体のデータ記録方法。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載の記録方法でデ
    ータが記録された正常な磁気記録媒体と、不正な磁気記
    録媒体とを識別する真偽判定方法であって、 磁気記録媒体に記録されたアナログ信号を読み取って、
    これに基づいてディジタル信号を作成すると共に、 前記磁気記録媒体に記録されたディジタル信号を読み取
    り、 前記作成したディジタル信号と、前記読み取ったディジ
    タル信号とを照合し、 前記両方のディジタル信号の一致性が一定レベル以上の
    場合には、前記磁気記録媒体を正常と判定し、それ以外
    の場合には、前記磁気記録媒体を不正と判定することを
    特徴とする磁気記録媒体の真偽判定方法。
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