JP3903426B2 - 情報記録媒体及び情報記録媒体の認証方法並びに情報記録媒体の使用方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録層が形成された領域を備えた情報記録媒体及びこれを認証する方法並びに使用する方法に関し、特に、情報の改ざんや不正な複製を防止できる情報記録媒体及び情報記録媒体の認証方法並びに情報記録媒体の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気記録層が形成された領域を備える情報記録媒体の一つとして、磁気カードが用いられている。
磁気カードは、プラスチックシートや紙などの片面に磁性塗料を全面塗布した「全面磁気カード」と、磁気記録部をストライプ状に設けた「磁気ストライプカード」とに大別される。このうち、全面磁気カードは、交通機関の乗車券(普通乗車券、一日乗車券、定期乗車券等)や、プリペイドカードなどに用いられている。
【0003】
プリペイドカードは、利用可能残高(度数)の情報が記録されたカードであり、例えば、公衆電話機における通話料金や交通機関利用時の運賃の支払いなどに利用されることが多い。なお、交通機関用のプリペイドカードは、SF(Stored
Fare )カードと呼ばれることもある。
【0004】
ユーザがプリペイドカードを利用して代金を支払う場合、カードに記録された利用可能残高情報がカードリーダによって読み出され、利用可能残高から代金分の金額を差し引いた金額が新たな利用可能残高としてカードライタによって利用可能残高情報としてカードに書き込まれ、記録される。
プリペイドカードを用いれば、代金の支払いのために小銭を持ち歩く必要がなくなり、利用者の利便性を向上できる。
【0005】
全面磁気カードを用いた乗車券やプリペイドカードは、乗車券やプリペイドカードに記録した情報(例えば、券種(大人券、子供券、学生券など)発券駅名、発券時刻、代金、入場駅名、入場時刻の情報)を用いて利用者の運賃や入退場を管理する自動改札システムに適用される。
【0006】
図22及び図23に、自動改札システムに用いられる従来の全面磁気カードによる定期乗車券やSFカードを発券する際及び使用する際の処理を示す。
定期乗車券を発券する場合は、まず、発券機関では、カードリーダ/ライタを用いて定期乗車券の使用者名・区間・期間・発行機関名などの情報に暗号処理を施す。次に、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、F2F(Two Frequency Coherent Phase Encoding .一般的にはFM(Frequency Modulation)という。)方式でFMデータとして定期乗車券に書き込む(エンコード)。なお、FM方式は、データとクロックとを合成して同一トラックに記録する方式である。ついで、磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく記録されているか否かを確認する。そして、定期乗車券の表面に使用者名や区間などを印字して、発券を終了する。
【0007】
SFカードを発券する場合は、まず、発券機関では、金種や発行機関等の情報が暗号処理された磁気バーコードを読み取る。例えば、磁気バーコードからはA社の5000円のカードであることなどが読み取られる。なお、磁気バーコードに記録された情報の書換は不可能である。次に、FMデータとして磁気カードに記録する情報と、磁気バーコードから取得した情報とを比較し、一致する場合のみカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータをカードに書き込む。これによって、例えば、額面3000円のカードへ5000円分の残高をFMデータとして書き込むことなどを防止できる。ついで、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれているか否かを確認する。
【0008】
定期乗車券を使用する場合は、まず。利用機関では、定期乗車券に磁気的に書き込まれたFMデータをカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて読み出す。次に、カードリーダ/ライタを用いて読み出した情報と書き込みを行おうとする情報とを比較し、発券機関と利用機関とが一致する場合のみ、磁気ヘッドを用いて使用日時や入場/退場などをFMデータに追記する。ついで、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく記録されているか否かを確認する。
【0009】
SFカードを使用する場合は、まず、利用機関では、磁気バーコードを読み取り、金種や発行機関の情報を取得する。次に、磁気バーコードから取得した情報とカードリーダ/ライタを用いて書き込みを行おうとする情報とを比較し、発券機関と利用機関とが一致する場合のみ、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて使用日時、入場/退場、残額等をFMデータとして追記する。ついで、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたか否かを確認する。正しく書き込まれていれば、残額の目安を利用者が視覚的に確認できるように所定の位置にパンチ穴を開ける。その後、パンチ穴の位置を光学的又は磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する。
【0010】
磁気情報を記録した乗車券やプリペイドカードを用いることによって、発券、改札、精算等の業務を、自動発券機、自動改札機、自動精算機等で行えるため、これらの業務に要する交通機関側の労力を低減できる。
また、発券や精算に要する時間が短縮できるため、利用者に対するサービスの向上を計ることができる。
【0011】
このように、カードに磁気記録したFMデータは、カードリーダ/ライタを用いて利用状況に応じて書き換えることが可能である。しかしこれは、カードリーダ/ライタを用いて磁気情報を不正に生成・改ざんすれば、磁気カードを偽造・変造できることを意味することでもある。
よって、上記従来の全面磁気カードでは、情報を暗号化した上で磁気記録することで、情報の秘匿性の確保し、磁気情報を不正に生成したり改ざんできないようにしていた。
【0012】
また、磁気記録層が形成された領域をストライプ状に設けた磁気ストライプカードは、金融機関などが預金者に発行するのキャッシュカードや信販会社などが消費者に発行するクレジットカードなどとして用いられている。
磁気ストライプカードは、全面磁気カードの場合と同様に、暗号処理が施された認証用の情報をFM方式で磁気記録層が形成された領域へ記録することによって情報の秘匿性を確保し、磁気情報を不正に改ざんできないようにしている。
さらに、磁気記録層が形成された領域をカードに二つ以上設けることによって、情報の秘匿性を一層向上させる試みもなされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、情報を暗号化して記録するだけでは、情報の秘匿性が十分に確保されないことがある。例えば、暗号を解読できなくても、磁気情報を読み取ってそのまま別のカードに移し替えることで磁気カードを偽造・変造できる場合があった。
【0014】
偽造・変造が困難なカード型の情報記録媒体としてICカードがあるが、ICカードは製造工程が複雑であり磁気カードと比較して製造コストが高いため、有効日数が少ない乗車券やプリペイドカードなどに適用することは難しい。
また、キャッシュカードやクレジットカードなどには、偽造・変造が磁気カードよりも困難なICカードが適用されることもあるが、これらのカードにはユーザのプライバシーに関わる情報が記録されるため、情報の秘匿性を更に高めることが要求されている。
【0015】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、偽造や情報の改ざんを防止した情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、情報を記録する記録手段を備えた基材の少なくとも一部に磁気記録領域が形成された情報記録媒体であって、磁気記録領域の所定の位置に少なくとも一つのパンチ穴が形成され、パンチ穴の位置情報とパンチ穴出力の極性の情報とが、記録手段に記録されたことを特徴とする情報記録媒体を提供するものである。上記本発明の第1の態様においては、複数のパンチ穴が形成され、パンチ穴ごとにパンチ穴出力の極性の情報が記録されていることが好ましい。また、以上のいずれかの構成においては、パンチ穴出力の極性がないパンチ穴を少なくとも一つ有することが好ましい。
また、上記のいずれの構成においても記録手段は、下記(a)、(b)及び(c)のいずれかであることが好ましい。
(a)情報を磁気記録する手段である。
(b)不揮発メモリを備えたICである。
(c)情報を光記録する手段である。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、情報を記録する記録手段と、少なくとも一つのパンチ穴が形成された磁気記録領域とを有する情報記録媒体を認証する方法であって、磁気記録領域を磁気的に読み取った信号を基に取得したパンチ穴の位置及び極性が、記録手段に記録されたパンチ穴の位置及び極性と一致するか否かを比較することを特徴とする情報記録媒体の認証方法を提供するものである。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、情報を記録する記録手段と、少なくとも一つのパンチ穴が形成された磁気記録領域とを有する情報記録媒体を認証する方法であって、磁気記録領域を磁気的に読み取った信号を基に取得したパンチ穴の位置情報が、記録手段に記録されたパンチ穴の位置及び極性と一致するか否かをパンチ穴ごとに比較することを特徴とする情報記録媒体の認証方法を提供するものである。
【0019】
また、上記本発明の第1の態様による情報記録媒体を使用する場合においては、任意の情報を記録手段に追記する際に、新しく形成するパンチ穴の位置及び極性の情報を生成して記録手段にともに追記し、追記したパンチ穴の位置情報に対応する位置にパンチ穴を新たに形成することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す。
この定期乗車券は、データトラック1とパンチ穴形成用トラック2とを有する。発券前においては磁性体は所定の方向に配向されている。データトラック1は、FMデータが書き込まれており、データトラック1に書き込まれたFMデータには、使用者名、区間、期間等の従来と同様の情報に加えて、パンチ穴の位置情報及びパンチ穴出力の極性が含まれている。
パンチ穴形成用トラック2は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向が反転させられている。パンチ穴21(21a,21b,21c,21d)は、パンチ穴形成用トラック2の所定の位置にカードを貫通して設けられている。
【0021】
図2に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を発券する際の処理を示す。発券機関では、定期券の使用者名、区間、有効期間、発行機関名などの情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴出力の極性に暗号処理を施す。次に、暗号処理を施した情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、FMデータとしてデータトラック1へ書き込む(エンコード)(ステップS101)。次に、パンチ穴形成トラック2の極性を磁気ヘッドで反転させる(1回)(ステップS102)。ついで、データトラック1へ書き込んだ情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて読み出し、FMデータが正常に書き込まれているか否かを確認する(ステップS103)。FMデータが正常に書き込まれている場合は、使用者名、区間、有効期間等の情報を券面に印字する(ステップS104)。
その後、データトラック1にFMデータとして記録したパンチ穴位置情報に基づいて所定の位置にパンチ穴を開ける(ステップS105)。パンチ穴の大きさは、0.3〜4mmが好ましく、1.2mmが特に好ましい。パンチ穴が0.3mmよりも小さいと、パンチ穴として検出され難くなり、認証の精度が低下する可能性があるため好ましくない。また、4mmよりも大きいと、情報記録媒体である全面磁気カード自体の曲げ強度などが低下してしまうため好ましくない。また、パンチ穴の形状は、円形、楕円形、正多角形等どのような形状でもよいが、切り欠き効果による応力集中の防止や加工性の面では、円形又は楕円形であることが好ましい。また、パンチ穴の検出精度を向上させるためには、正三角形又は正方形であることが好ましい。そしてカードリーダ/ライタは、磁気ヘッドでパンチ穴形成用トラック2を読み取った信号の波形から、パンチ穴の位置及び極性を取得し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する(ステップS106)。確認の方法については、定期乗車券を使用する際の処理の説明において後述する。
【0022】
図3に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理を示す。
利用機関では、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、データトラック1からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成用トラック2からはパンチ穴の位置と極性とを読み取る(ステップS201)。
カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されているパンチ穴の位置及びパンチ穴形成用トラック2の磁性体の配向方向によって定まるパンチ穴21の出力極性と、パンチ穴形成用トラック2から読み取った信号に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取った磁気カードの真贋を判断する(ステップS202)。
【0023】
図4に、パンチ穴形成用トラック2を磁気的に読み取った場合の信号の波形を示す。本実施形態では、パンチ穴の部分にデータを書き込んだことにより、パンチ穴の部分にも読み取り信号の波形が現れることになる。
図5に、パンチ穴形成トラック2の磁性体の配向方向が本実施形態1のカードと反対の偽造カードを磁気的に読み取った場合の信号の波形を示す。なお、この偽造カードには、真券と同じ位置にパンチ穴が形成されている。
図に示すように、偽造カードの読み取り信号の波形は、真券と比べてパンチ穴21(21a,21b,21c,21d)の極性が反転することになる。よって、パンチ穴形成トラックの磁性体の配向方向が反転されていない磁気カードでは、真券と同じ位置にパンチ穴を設けても真券の読み取り信号の波形と一致しない。
このように、カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されていたパンチ穴の位置及び磁性体の配向方向によって定まるパンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成トラック2を読み取った信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較し、パンチ穴21の位置及び極性が全て一致する場合に、読み取った全面磁気カードを真券と判断する。
【0024】
読み取った全面磁気カードを真券と判断した場合(ステップS202/真)、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて使用日時や入場/退場などの情報をFMデータに追記する(エンコード)。(ステップS203)。その後、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いてデータトラック1からFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS204)。
次に、FMデータとして記録した情報に基づいて、新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS205)。その後、磁気ヘッドを用いてパンチ穴の位置を磁気的に検出し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS206)。
【0025】
このように、本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴の位置情報をFMデータとして記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティを一層向上させることができる。
【0026】
〔第2の実施形態〕
本発明にかかる情報情報記録媒体を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図6に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す。
この定期乗車券は、データトラック1とパンチ穴形成用トラック2とを有する。発券前においては、磁性体は所定方向に配向されている。データトラック1に書き込まれたFMデータには、使用者名、区間、期間等の従来と同様の情報に加えて、パンチ穴形成トラック2の配向反転位置情報から割り出したパンチ穴出力の極性やパンチ穴の位置情報が含まれている。
パンチ穴形成用トラック2は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向を部分的に反転させ、データトラック1における磁性体の配向方向に沿って五つのサブトラック(2a,2b,2c,2d,2e)に分割されており、隣接するサブトラック同士では、磁性体の配向方向がそれぞれ反対となっている。よって、データトラック1にFMデータとして記録されるパンチ穴出力の極性は、配向反転位置情報から割り出すことができる。パンチ穴21(21a,21b,21c,21d)は、所定の位置にカードを貫通して設けられている。
本実施形態による定期乗車券を発券する際の処理は、第1の実施形態と同様である。ただし、パンチ穴形成トラック2の極性を複数回に分けて反転させる。これにより、パンチ穴形成トラック2は磁性体の配向方向が発券前の配向方向と反対の領域を少なくとも一つ含む複数のサブトラックに分割される。すなわち本実施形態では、サブトラック2a,2c,2eの磁性体は、データトラック1と反対方向に反転され、サブトラック2b,2dの磁性体は発券前と同方向である。
【0027】
図7に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理を示す。
利用機関では、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、データトラック1からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成用トラック2からはパンチ穴21の位置と極性とを読み取る(ステップ301)。
カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されているパンチ穴の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、パンチ穴形成用トラック2を磁気的に読み取った信号の波形に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取った全面磁気カードの真贋を判断する(ステップS302)。
【0028】
図8に、パンチ穴形成用トラック2に書き込まれた磁気信号を読み取った場合の波形を示す。図に示すように、パンチ穴21の部分に読み取り信号の波形が現れる。
また、図9に、配向反転位置が真券と異なる偽造カードのパンチ穴形成用トラック2’を磁気的に読み取った信号の波形を示す。なお、この偽造カードは、真券と同じ位置にパンチ穴が形成されている。
図に示すように、偽造カードの読み取り信号の波形は、磁性体の配向方向が真券と異なるサブトラックに形成されたパンチ穴(21a’,21c’,21d’)の部分において極性が反転することになる。よって、パンチ穴形成トラックの配向反転位置が真券と一致しない磁気カードでは、真券と同じ位置にパンチ穴を設けても真券の読み取り信号の波形と一致しない。
カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されていたパンチ穴21の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成トラック2を読み取って生成した信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較し、位置・極性が全て一致する場合に、読み取った全面磁気カードを真券と判断する。
【0029】
読み取った全面磁気カードを真券と判断した場合(ステップS302/真)、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて使用日時や入場/退場などの情報をFMデータに追記する(エンコード)(ステップS303)。その後、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いてデータトラック1からFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS304)。
次に、FMデータとして記録した情報に基づいて、新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS305)。その後、パンチ穴の位置及び極性を磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS306)。
【0030】
このように、本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴形成トラック2の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報をFMデータとしてデータトラック1へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだカードが真券であると判断する情報は、パンチ穴形成トラック2の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による全面磁気カードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0031】
〔第3の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第3の実施形態について説明する。
図10に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す。この定期乗車券は、データトラック1とパンチ穴形成用トラック2とを有する。発券前においては、磁性体が無配向となるように処理されたカードを用いる。
データトラック1は、第1の実施形態と同様に、FMデータが書き込まれており、データトラック1に書き込まれたFMデータには、使用者名、区間、期間等の従来と同様の情報に加えて、パンチ穴形成トラック2の分割情報から割り出したパンチ穴出力の極性やパンチ穴の位置情報が含まれている。
パンチ穴形成用トラック2は、磁性体の配向方向によって五つのサブトラック(2f,2g,2h,2i,2j)に分割されている。それぞれのサブトラックの磁性体は、所定の方向に配向されているか、又は、所定の方向とは反対方向に配向されているか、若しくは、配向されていない。隣接する領域同士では、磁性体が異なる状態となっている。換言すると、隣接する領域の磁性体が同じ方向に配向されたり、ともに無配向であったりすることはない。よって、データトラック1には、パンチ穴形成用トラック2で磁性体の配向方向が変化する境界の位置及び各サブトラックの磁性体の配向状態から割り出したパンチ穴出力の有無及び極性がFMデータとして記録されることになる。パンチ穴21(21a,21b,21c,21d)は、所定の位置にカードを貫通して設けられている。
【0032】
図11に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期券を発券する際の処理の流れを示す。なお、本実施形態では、磁性体が配向されていない全面磁気カードを用いる。
発券機関では、定期券の使用者名、区間、有効期間、発行機関名などの情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴形成トラック2の分割情報から割り出したパンチ穴出力の有無及び極性に暗号処理を施す。そして、暗号処理を施した情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、FMデータとしてデータトラック1へ書き込む(エンコード)(ステップS401)。次に、パンチ穴形成用トラック2の分割情報に基づいて、磁性体を配向させる必要がある各サブトラックの磁性体を磁気ヘッドで配向させる(ステップS402)。以下、ステップS403以降の処理は、第1の実施形態のステップS103以降の処理と同様である。
【0033】
図12に、パンチ穴形成用トラック2に書き込まれた情報を読み取った場合の信号波形を示す。
本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴形成用トラック2に磁性体が配向されていないサブトラックを含む。磁性体が配向されていないサブトラックに形成されたパンチ穴は、磁気的に読み取っても信号出力が発生しない。よって、パンチ穴形成用トラック2の分割状態及び各サブトラックの磁性体の配向状態が真券と異なる全面磁気カード(例えば、図9に示した全面磁気カード)を用い、真券と同じ位置にパンチ穴を形成しても真券と判断されることはない。
本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際は、第1の実施形態と同様の処理を行うことができる。
【0034】
このように、本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴形成トラック2の分割情報から割り出したパンチ穴出力の有無及び極性、並びにパンチ穴21の位置情報をFMデータとしてデータトラック1へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだカードが真券であると判断する情報は、サブトラックの数及び境界位置と、各サブトラックの磁性体の状態と、パンチ穴の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による全面磁気カードを偽造することは非常に困難であり、情報の秘匿性を極めて高くできる。
また、パンチ穴の位置及び極性の情報に加え、データトラック2の分割情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0035】
上記各実施形態による全面磁気カードは、FMデータとして磁気的に記録する情報と、パンチ穴の位置及び極性を関連づけたことにより、偽造・変造が極めて困難となる。
例えば、使用回数の多い全面磁気カードのFMデータを未使用の全面磁気カードのFMデータで書き換えたとしても、パンチ穴の位置及び極性がFMデータ中の情報と一致しないため、この偽造カードを使用することは不可能である。
【0036】
〔第4の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第4の実施形態について説明する。
図13に、本実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを示す。
このキャッシュカードは、プラスチックカード3に磁気記録部4及びパンチ穴形成領域5が設けられている。
プラスチックカード3は、例えば、PVC(polyvinyl chloride)やPET(polyethylene terephthalate)やPET−G(非結晶性コポリエステル)で形成された基材である。
磁気記録部4は、磁性体を含む層が形成された領域であり、プラスチックカード3の一方の面に設けられ、FMデータが書き込まれている。磁気記録部4は、例えば、磁性塗料をプラスチックカード3に塗布することによって形成される。磁気記録部4に書き込まれたFMデータには、従来と同様の情報に加えて、パンチ穴形成領域5の配向反転位置情報から割り出したパンチ穴出力の極性やパンチ穴の位置情報が含まれている。
パンチ穴形成領域5は、磁気記録部4と同じ側の面に設けられた磁性体を含む層である。パンチ穴形成領域5は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向を部分的に反転させることで、磁気記録部4における磁性体の配向方向に沿って五つのエリア(5a,5b,5c,5d,5e)に分割されており、隣接するエリア同士では、磁性体の配向方向がそれぞれ反対となっている。よって、磁気記録部5にFMデータとして記録されるパンチ穴出力の極性は、配向反転位置情報から割り出すことができる。パンチ穴51(51a,51b,51c,51d)は、パンチ穴形成領域5の所定の位置にプラスチックカード3を貫通して設けられている。
磁気記録部4及びパンチ穴形成領域5の少なくともいずれかは、目視によっては他の部分と判別できないように形成することが好ましい。特に、少なくともパンチ穴形成領域5を目視によっては他の部分と判別できないようにすることが好ましい。例えば、磁気記録部4及びパンチ穴形成領域5が設けられた側の全面に、装飾用のフイルムをラミネートするなどすればよい。
【0037】
図14に、本実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを金融機関が預金者へ発行する際の処理を示す。金融機関では、従来のキャッシュカードと同様の情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴出力の極性の情報に暗号処理を施す。次に、暗号処理を施した情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、FMデータとして磁気記録部4へ書き込む(エンコード)(ステップS501)。次に、パンチ穴形成領域5の極性を磁気ヘッドで反転させる(複数回)(ステップS502)。ついで、磁気記録部4へ書き込んだ情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて読み出し、FMデータが正常に書き込まれているか否かを確認する(ステップS503)。
その後、磁気記録部4にFMデータとして記録したパンチ穴位置情報に基づいてパンチ穴形成領域5の所定の位置にパンチ穴を開ける(ステップS504)。パンチ穴の大きさや形状については、第1の実施形態と同様である。そしてカードリーダ/ライタは、磁気ヘッドでパンチ穴形成領域5を読み取った信号の波形から、パンチ穴の位置及び極性を取得し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する(ステップS505)。確認の方法については、キャッシュカードを使用する際の処理の説明において後述する。
【0038】
図15に、本実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを使用する際の処理を示す。
利用機関では、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、磁気記録部4からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成領域5からはパンチ穴51の位置と極性とを読み取る(ステップ601)。
カードリーダ/ライタは、FMデータとして磁気記録部4に記録されているパンチ穴の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、パンチ穴形成領域5を磁気的に読み取った信号の波形に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取った磁気カードの真贋を判断する(ステップS602)。
【0039】
図16に、パンチ穴形成領域5に書き込まれた磁気信号を読み取った場合の波形を示す。図に示すように、パンチ穴51の部分に読み取り信号の波形が現れる。
また、図17に、配向反転位置が真券と異なる磁気ストライプカードを用いた偽造カードのパンチ穴形領域5’を磁気的に読み取った信号の波形を示す。なお、この偽造カードは、真券と同じ位置にパンチ穴が形成されている。
図に示すように、偽造カードの読み取り信号の波形は、磁性体の配向方向が真券と異なるエリアに形成されたパンチ穴(51a’,51c’,51d’)の部分において極性が反転することになる。よって、パンチ穴形成領域の配向反転位置が真券と一致しない磁気ストライプカードでは、真券と同じ位置にパンチ穴を設けても真券の読み取り信号の波形と一致しない。
カードリーダ/ライタは、FMデータとして磁気記録部4に記録されていたパンチ穴51の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成領域5を読み取って生成した信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較し、位置・極性が全て一致する場合に、読み取った磁気ストライプカードを真券と判断する。
【0040】
読み取ったカードを真券と判断した場合(ステップS602/真)、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて後段のステップS605において新たに形成するパンチ穴の位置及び極性の情報などをFMデータに追記する(エンコード)(ステップS603)。その後、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて磁気記録部4からFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS604)。
次に、FMデータとして記録した情報に基づいて、パンチ穴形成領域5に新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS605)。その後、パンチ穴の位置及び極性を磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS606)。
【0041】
このように、本実施形態による磁気ストライプカードは、パンチ穴形成領域5の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報をFMデータとして磁気記録部4へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだ磁気ストライプカードが真券であると判断するための情報は、パンチ穴形成領域5の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴51の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による磁気ストライプカードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴51の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、磁気ストライプカードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いての真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0042】
〔第5の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第5の実施形態について説明する。
図18に、本実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを示す。このキャッシュカードは、プラスチックカード3、パンチ穴形成領域5及び情報記録部6を有する。
パンチ穴形成領域5は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向を部分的に反転させることで、五つのエリア(5a,5b,5c,5d,5e)に分割されている。隣接するエリア同士では、磁性体の配向方向がそれぞれ反対となっている。パンチ穴形成領域5は、目視によっては他の部分と判別できないようにすることが好ましい。例えば、パンチ穴形成領域5が設けられた側の全面に、装飾用のフイルムをラミネートするなどすればよい。
情報記録部6は、情報を記録するための不揮発メモリを備えたICチップである。なお、図中に示してはいないが、ICカードは、ICカードリーダ/ライタと情報をやりとりするための回路などを備えている。例えば、接触型ICカードの場合は、ICカードリーダ/ライタと電気的に接続するための端子及びこの端子と情報記録部6を接続する回路を備える。また、非接触型ICカードの場合は、ICカードリーダ/ライタとの間で情報をやりとりするためのアンテナ回路を備える。
【0043】
図19に、本実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを金融機関が預金者へ発行する際の処理を示す。なお、本実施形態によるICカードの発券する際や使用する際には、磁気ヘッドを備え磁気情報の書き込み及び読み出しが可能なICカードリーダ/ライタを用いる。または、ICカードリーダ/ライタと磁気カードリーダ/ライタとを併用してもよい。
金融機関では、預金者情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴出力の極性の情報に暗号処理を施す。次に、暗号処理を施した情報をICカードリーダ/ライタを用いて、情報記録部6へ書き込む(エンコード)(ステップS701)。次に、パンチ穴形成領域5の極性を磁気ヘッドで反転させる(複数回)(ステップS702)。ついで、情報記録部6へ書き込んだ情報をICカードリーダ/ライタを用いて読み出し、データが正常に書き込まれているか否かを確認する(ステップS703)。
【0044】
その後、情報記録部6に記録したパンチ穴位置情報に基づいてパンチ穴形成領域5の所定の位置にパンチ穴を開ける(ステップS704)。パンチ穴の大きさや形状については、第1の実施形態と同様である。そしてカードリーダ/ライタは、磁気ヘッドでパンチ穴形成領域5を読み取った信号の波形から、パンチ穴の位置及び極性を取得し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する(ステップS705)。確認の方法については、キャッシュカードを使用する際の処理の説明において後述する。
【0045】
図20に、本実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを使用する際の処理を示す。
利用機関では、ICカードリーダ/ライタを用いて、磁気記録部4からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成領域5からはパンチ穴51の位置と極性とを読み取る(ステップ801)。
ICカードリーダ/ライタは、情報記録部6に記録されているパンチ穴の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、パンチ穴形成領域5を磁気的に読み取った信号の波形に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取ったICカードの真贋を判断する(ステップS802)。ICカードの真贋の判断は、情報記録部6に記録されていたパンチ穴51の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成領域5を読み取って生成した信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって行う。これらの位置及び極性が全て一致する場合に、ICカードリーダ/ライタは読み取ったICカードを真券と判断する。これは、第4の実施形態と同様である。
【0046】
読み取ったICカードを真券と判断した場合(ステップS802/真)、ICカードリーダ/ライタは、後段のステップS805で新たに形成するパンチ穴の位置及び極性などの情報を情報記録部6に追記する(エンコード)(ステップS803)。その後、カードリーダ/ライタは、情報記録部6からデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS804)。
次に、追記した情報に基づいて、パンチ穴形成領域5に新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS805)。その後、パンチ穴の位置及び極性を磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS806)。
【0047】
このように、本実施形態によるICカードは、パンチ穴形成領域5の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報を情報記録部6へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだICカードが真券であると判断するための情報は、パンチ穴形成領域5の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴51の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態によるICカードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴51の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0048】
〔第6の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第6の実施形態について説明する。
図21に、本実施形態による光カードを適用したキャッシュカードを示す。このキャッシュカードは、プラスチックカード3、パンチ穴形成領域5及び光記録領域7を有する。
プラスチックカード3及びパンチ穴形成領域5は、第5の実施形態と同様である。光記録領域7は、追記型の光記録層が形成された領域である。この光記録層には、所定のフォーマットに従ったトラックが形成されており、トラックにレーザ光が照射されることによってレーザ光のスポット径に応じた微小な穴(通常、数μm程度)が形成される。光記録領域7には、トラックに形成された穴(記録ビット)の有無を“0”又は“1”と対応させることによって情報がデジタル記録される。情報の読み取りは、光記録層に照射したレーザの反射光を強弱を電気信号に変換することで行われる。
【0049】
本実施形態による光カードを用いたキャッシュカードを金融機関が預金者へ発行する際の処理及び使用する際の処理は、第5の実施形態と同様である。ただし、本実施形態による光カードの発券する際や使用する際には、磁気ヘッドを備え磁気情報の書き込み及び読み出しが可能な光カードリーダ/ライタを用いる。または、光カードリーダ/ライタと磁気カードリーダ/ライタとを併用してもよい。
【0050】
このように、本実施形態による光カードは、パンチ穴形成領域5の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報を光記録領域7へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだ光カードが真券であると判断するための情報は、パンチ穴形成領域5の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴51の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による光カードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴51の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、光カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、光カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0051】
なお、上記各実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、磁気カード、ICカード及び光カードを例に説明を行ったが、本発明による磁気記録媒体の形状はカード状に限定されるものではなく、媒体は任意の形状とすることができる。
また、パンチ穴形成領域の分割数や、各分割領域の配向方向などは任意に設定することが可能である。
さらに、本発明による情報記録媒体の用途は、定期券、プリペイドカード、キャッシュカードに限定されるものではない。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、情報の改ざんが困難な情報記録媒体及びその認証方法並びに使用方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す図である。
【図2】第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券のパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図5】真券とは磁性体の配向方向が異なる偽造カードのパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図6】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第2の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す図である。
【図7】第2の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券のパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図9】真券とは配向反転位置が異なる偽造カードのパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図10】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第3の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す図である。
【図11】第3の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券のパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図13】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを示す図である。
【図14】第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードのパンチ穴形成領域を磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図17】真券とは磁性体の配向方向が異なる偽造カードのパンチ穴形成領域を磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図18】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第5の実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを示す図である。
【図19】第5の実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを発券する際の処理の流れを示す図である。
【図20】第5の実施形態によるICケー度を適用したキャッシュカードを使用する際の処理の流れを示す図である。
【図21】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第6の実施形態による光カードを適用したキャッシュカードを示す図である。
【図22】従来技術による磁気カードを用いた定期乗車券及びSFカードを発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】従来技術による磁気カードを用いた定期乗車券及びSFカードを使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 データトラック
2 パンチ穴形成用トラック
3 プラスチックカード
4 磁気記録部
5 パンチ穴形成領域
6 情報記録部
7 光記録領域
21、51 パンチ穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録層が形成された領域を備えた情報記録媒体及びこれを認証する方法並びに使用する方法に関し、特に、情報の改ざんや不正な複製を防止できる情報記録媒体及び情報記録媒体の認証方法並びに情報記録媒体の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気記録層が形成された領域を備える情報記録媒体の一つとして、磁気カードが用いられている。
磁気カードは、プラスチックシートや紙などの片面に磁性塗料を全面塗布した「全面磁気カード」と、磁気記録部をストライプ状に設けた「磁気ストライプカード」とに大別される。このうち、全面磁気カードは、交通機関の乗車券(普通乗車券、一日乗車券、定期乗車券等)や、プリペイドカードなどに用いられている。
【0003】
プリペイドカードは、利用可能残高(度数)の情報が記録されたカードであり、例えば、公衆電話機における通話料金や交通機関利用時の運賃の支払いなどに利用されることが多い。なお、交通機関用のプリペイドカードは、SF(Stored
Fare )カードと呼ばれることもある。
【0004】
ユーザがプリペイドカードを利用して代金を支払う場合、カードに記録された利用可能残高情報がカードリーダによって読み出され、利用可能残高から代金分の金額を差し引いた金額が新たな利用可能残高としてカードライタによって利用可能残高情報としてカードに書き込まれ、記録される。
プリペイドカードを用いれば、代金の支払いのために小銭を持ち歩く必要がなくなり、利用者の利便性を向上できる。
【0005】
全面磁気カードを用いた乗車券やプリペイドカードは、乗車券やプリペイドカードに記録した情報(例えば、券種(大人券、子供券、学生券など)発券駅名、発券時刻、代金、入場駅名、入場時刻の情報)を用いて利用者の運賃や入退場を管理する自動改札システムに適用される。
【0006】
図22及び図23に、自動改札システムに用いられる従来の全面磁気カードによる定期乗車券やSFカードを発券する際及び使用する際の処理を示す。
定期乗車券を発券する場合は、まず、発券機関では、カードリーダ/ライタを用いて定期乗車券の使用者名・区間・期間・発行機関名などの情報に暗号処理を施す。次に、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、F2F(Two Frequency Coherent Phase Encoding .一般的にはFM(Frequency Modulation)という。)方式でFMデータとして定期乗車券に書き込む(エンコード)。なお、FM方式は、データとクロックとを合成して同一トラックに記録する方式である。ついで、磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく記録されているか否かを確認する。そして、定期乗車券の表面に使用者名や区間などを印字して、発券を終了する。
【0007】
SFカードを発券する場合は、まず、発券機関では、金種や発行機関等の情報が暗号処理された磁気バーコードを読み取る。例えば、磁気バーコードからはA社の5000円のカードであることなどが読み取られる。なお、磁気バーコードに記録された情報の書換は不可能である。次に、FMデータとして磁気カードに記録する情報と、磁気バーコードから取得した情報とを比較し、一致する場合のみカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータをカードに書き込む。これによって、例えば、額面3000円のカードへ5000円分の残高をFMデータとして書き込むことなどを防止できる。ついで、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれているか否かを確認する。
【0008】
定期乗車券を使用する場合は、まず。利用機関では、定期乗車券に磁気的に書き込まれたFMデータをカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて読み出す。次に、カードリーダ/ライタを用いて読み出した情報と書き込みを行おうとする情報とを比較し、発券機関と利用機関とが一致する場合のみ、磁気ヘッドを用いて使用日時や入場/退場などをFMデータに追記する。ついで、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく記録されているか否かを確認する。
【0009】
SFカードを使用する場合は、まず、利用機関では、磁気バーコードを読み取り、金種や発行機関の情報を取得する。次に、磁気バーコードから取得した情報とカードリーダ/ライタを用いて書き込みを行おうとする情報とを比較し、発券機関と利用機関とが一致する場合のみ、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて使用日時、入場/退場、残額等をFMデータとして追記する。ついで、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いてFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたか否かを確認する。正しく書き込まれていれば、残額の目安を利用者が視覚的に確認できるように所定の位置にパンチ穴を開ける。その後、パンチ穴の位置を光学的又は磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する。
【0010】
磁気情報を記録した乗車券やプリペイドカードを用いることによって、発券、改札、精算等の業務を、自動発券機、自動改札機、自動精算機等で行えるため、これらの業務に要する交通機関側の労力を低減できる。
また、発券や精算に要する時間が短縮できるため、利用者に対するサービスの向上を計ることができる。
【0011】
このように、カードに磁気記録したFMデータは、カードリーダ/ライタを用いて利用状況に応じて書き換えることが可能である。しかしこれは、カードリーダ/ライタを用いて磁気情報を不正に生成・改ざんすれば、磁気カードを偽造・変造できることを意味することでもある。
よって、上記従来の全面磁気カードでは、情報を暗号化した上で磁気記録することで、情報の秘匿性の確保し、磁気情報を不正に生成したり改ざんできないようにしていた。
【0012】
また、磁気記録層が形成された領域をストライプ状に設けた磁気ストライプカードは、金融機関などが預金者に発行するのキャッシュカードや信販会社などが消費者に発行するクレジットカードなどとして用いられている。
磁気ストライプカードは、全面磁気カードの場合と同様に、暗号処理が施された認証用の情報をFM方式で磁気記録層が形成された領域へ記録することによって情報の秘匿性を確保し、磁気情報を不正に改ざんできないようにしている。
さらに、磁気記録層が形成された領域をカードに二つ以上設けることによって、情報の秘匿性を一層向上させる試みもなされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、情報を暗号化して記録するだけでは、情報の秘匿性が十分に確保されないことがある。例えば、暗号を解読できなくても、磁気情報を読み取ってそのまま別のカードに移し替えることで磁気カードを偽造・変造できる場合があった。
【0014】
偽造・変造が困難なカード型の情報記録媒体としてICカードがあるが、ICカードは製造工程が複雑であり磁気カードと比較して製造コストが高いため、有効日数が少ない乗車券やプリペイドカードなどに適用することは難しい。
また、キャッシュカードやクレジットカードなどには、偽造・変造が磁気カードよりも困難なICカードが適用されることもあるが、これらのカードにはユーザのプライバシーに関わる情報が記録されるため、情報の秘匿性を更に高めることが要求されている。
【0015】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、偽造や情報の改ざんを防止した情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、情報を記録する記録手段を備えた基材の少なくとも一部に磁気記録領域が形成された情報記録媒体であって、磁気記録領域の所定の位置に少なくとも一つのパンチ穴が形成され、パンチ穴の位置情報とパンチ穴出力の極性の情報とが、記録手段に記録されたことを特徴とする情報記録媒体を提供するものである。上記本発明の第1の態様においては、複数のパンチ穴が形成され、パンチ穴ごとにパンチ穴出力の極性の情報が記録されていることが好ましい。また、以上のいずれかの構成においては、パンチ穴出力の極性がないパンチ穴を少なくとも一つ有することが好ましい。
また、上記のいずれの構成においても記録手段は、下記(a)、(b)及び(c)のいずれかであることが好ましい。
(a)情報を磁気記録する手段である。
(b)不揮発メモリを備えたICである。
(c)情報を光記録する手段である。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、情報を記録する記録手段と、少なくとも一つのパンチ穴が形成された磁気記録領域とを有する情報記録媒体を認証する方法であって、磁気記録領域を磁気的に読み取った信号を基に取得したパンチ穴の位置及び極性が、記録手段に記録されたパンチ穴の位置及び極性と一致するか否かを比較することを特徴とする情報記録媒体の認証方法を提供するものである。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、情報を記録する記録手段と、少なくとも一つのパンチ穴が形成された磁気記録領域とを有する情報記録媒体を認証する方法であって、磁気記録領域を磁気的に読み取った信号を基に取得したパンチ穴の位置情報が、記録手段に記録されたパンチ穴の位置及び極性と一致するか否かをパンチ穴ごとに比較することを特徴とする情報記録媒体の認証方法を提供するものである。
【0019】
また、上記本発明の第1の態様による情報記録媒体を使用する場合においては、任意の情報を記録手段に追記する際に、新しく形成するパンチ穴の位置及び極性の情報を生成して記録手段にともに追記し、追記したパンチ穴の位置情報に対応する位置にパンチ穴を新たに形成することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す。
この定期乗車券は、データトラック1とパンチ穴形成用トラック2とを有する。発券前においては磁性体は所定の方向に配向されている。データトラック1は、FMデータが書き込まれており、データトラック1に書き込まれたFMデータには、使用者名、区間、期間等の従来と同様の情報に加えて、パンチ穴の位置情報及びパンチ穴出力の極性が含まれている。
パンチ穴形成用トラック2は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向が反転させられている。パンチ穴21(21a,21b,21c,21d)は、パンチ穴形成用トラック2の所定の位置にカードを貫通して設けられている。
【0021】
図2に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を発券する際の処理を示す。発券機関では、定期券の使用者名、区間、有効期間、発行機関名などの情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴出力の極性に暗号処理を施す。次に、暗号処理を施した情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、FMデータとしてデータトラック1へ書き込む(エンコード)(ステップS101)。次に、パンチ穴形成トラック2の極性を磁気ヘッドで反転させる(1回)(ステップS102)。ついで、データトラック1へ書き込んだ情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて読み出し、FMデータが正常に書き込まれているか否かを確認する(ステップS103)。FMデータが正常に書き込まれている場合は、使用者名、区間、有効期間等の情報を券面に印字する(ステップS104)。
その後、データトラック1にFMデータとして記録したパンチ穴位置情報に基づいて所定の位置にパンチ穴を開ける(ステップS105)。パンチ穴の大きさは、0.3〜4mmが好ましく、1.2mmが特に好ましい。パンチ穴が0.3mmよりも小さいと、パンチ穴として検出され難くなり、認証の精度が低下する可能性があるため好ましくない。また、4mmよりも大きいと、情報記録媒体である全面磁気カード自体の曲げ強度などが低下してしまうため好ましくない。また、パンチ穴の形状は、円形、楕円形、正多角形等どのような形状でもよいが、切り欠き効果による応力集中の防止や加工性の面では、円形又は楕円形であることが好ましい。また、パンチ穴の検出精度を向上させるためには、正三角形又は正方形であることが好ましい。そしてカードリーダ/ライタは、磁気ヘッドでパンチ穴形成用トラック2を読み取った信号の波形から、パンチ穴の位置及び極性を取得し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する(ステップS106)。確認の方法については、定期乗車券を使用する際の処理の説明において後述する。
【0022】
図3に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理を示す。
利用機関では、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、データトラック1からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成用トラック2からはパンチ穴の位置と極性とを読み取る(ステップS201)。
カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されているパンチ穴の位置及びパンチ穴形成用トラック2の磁性体の配向方向によって定まるパンチ穴21の出力極性と、パンチ穴形成用トラック2から読み取った信号に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取った磁気カードの真贋を判断する(ステップS202)。
【0023】
図4に、パンチ穴形成用トラック2を磁気的に読み取った場合の信号の波形を示す。本実施形態では、パンチ穴の部分にデータを書き込んだことにより、パンチ穴の部分にも読み取り信号の波形が現れることになる。
図5に、パンチ穴形成トラック2の磁性体の配向方向が本実施形態1のカードと反対の偽造カードを磁気的に読み取った場合の信号の波形を示す。なお、この偽造カードには、真券と同じ位置にパンチ穴が形成されている。
図に示すように、偽造カードの読み取り信号の波形は、真券と比べてパンチ穴21(21a,21b,21c,21d)の極性が反転することになる。よって、パンチ穴形成トラックの磁性体の配向方向が反転されていない磁気カードでは、真券と同じ位置にパンチ穴を設けても真券の読み取り信号の波形と一致しない。
このように、カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されていたパンチ穴の位置及び磁性体の配向方向によって定まるパンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成トラック2を読み取った信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較し、パンチ穴21の位置及び極性が全て一致する場合に、読み取った全面磁気カードを真券と判断する。
【0024】
読み取った全面磁気カードを真券と判断した場合(ステップS202/真)、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて使用日時や入場/退場などの情報をFMデータに追記する(エンコード)。(ステップS203)。その後、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いてデータトラック1からFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS204)。
次に、FMデータとして記録した情報に基づいて、新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS205)。その後、磁気ヘッドを用いてパンチ穴の位置を磁気的に検出し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS206)。
【0025】
このように、本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴の位置情報をFMデータとして記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティを一層向上させることができる。
【0026】
〔第2の実施形態〕
本発明にかかる情報情報記録媒体を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図6に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す。
この定期乗車券は、データトラック1とパンチ穴形成用トラック2とを有する。発券前においては、磁性体は所定方向に配向されている。データトラック1に書き込まれたFMデータには、使用者名、区間、期間等の従来と同様の情報に加えて、パンチ穴形成トラック2の配向反転位置情報から割り出したパンチ穴出力の極性やパンチ穴の位置情報が含まれている。
パンチ穴形成用トラック2は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向を部分的に反転させ、データトラック1における磁性体の配向方向に沿って五つのサブトラック(2a,2b,2c,2d,2e)に分割されており、隣接するサブトラック同士では、磁性体の配向方向がそれぞれ反対となっている。よって、データトラック1にFMデータとして記録されるパンチ穴出力の極性は、配向反転位置情報から割り出すことができる。パンチ穴21(21a,21b,21c,21d)は、所定の位置にカードを貫通して設けられている。
本実施形態による定期乗車券を発券する際の処理は、第1の実施形態と同様である。ただし、パンチ穴形成トラック2の極性を複数回に分けて反転させる。これにより、パンチ穴形成トラック2は磁性体の配向方向が発券前の配向方向と反対の領域を少なくとも一つ含む複数のサブトラックに分割される。すなわち本実施形態では、サブトラック2a,2c,2eの磁性体は、データトラック1と反対方向に反転され、サブトラック2b,2dの磁性体は発券前と同方向である。
【0027】
図7に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理を示す。
利用機関では、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、データトラック1からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成用トラック2からはパンチ穴21の位置と極性とを読み取る(ステップ301)。
カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されているパンチ穴の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、パンチ穴形成用トラック2を磁気的に読み取った信号の波形に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取った全面磁気カードの真贋を判断する(ステップS302)。
【0028】
図8に、パンチ穴形成用トラック2に書き込まれた磁気信号を読み取った場合の波形を示す。図に示すように、パンチ穴21の部分に読み取り信号の波形が現れる。
また、図9に、配向反転位置が真券と異なる偽造カードのパンチ穴形成用トラック2’を磁気的に読み取った信号の波形を示す。なお、この偽造カードは、真券と同じ位置にパンチ穴が形成されている。
図に示すように、偽造カードの読み取り信号の波形は、磁性体の配向方向が真券と異なるサブトラックに形成されたパンチ穴(21a’,21c’,21d’)の部分において極性が反転することになる。よって、パンチ穴形成トラックの配向反転位置が真券と一致しない磁気カードでは、真券と同じ位置にパンチ穴を設けても真券の読み取り信号の波形と一致しない。
カードリーダ/ライタは、FMデータとしてデータトラック1に記録されていたパンチ穴21の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成トラック2を読み取って生成した信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較し、位置・極性が全て一致する場合に、読み取った全面磁気カードを真券と判断する。
【0029】
読み取った全面磁気カードを真券と判断した場合(ステップS302/真)、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて使用日時や入場/退場などの情報をFMデータに追記する(エンコード)(ステップS303)。その後、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いてデータトラック1からFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS304)。
次に、FMデータとして記録した情報に基づいて、新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS305)。その後、パンチ穴の位置及び極性を磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS306)。
【0030】
このように、本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴形成トラック2の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報をFMデータとしてデータトラック1へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだカードが真券であると判断する情報は、パンチ穴形成トラック2の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による全面磁気カードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0031】
〔第3の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第3の実施形態について説明する。
図10に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す。この定期乗車券は、データトラック1とパンチ穴形成用トラック2とを有する。発券前においては、磁性体が無配向となるように処理されたカードを用いる。
データトラック1は、第1の実施形態と同様に、FMデータが書き込まれており、データトラック1に書き込まれたFMデータには、使用者名、区間、期間等の従来と同様の情報に加えて、パンチ穴形成トラック2の分割情報から割り出したパンチ穴出力の極性やパンチ穴の位置情報が含まれている。
パンチ穴形成用トラック2は、磁性体の配向方向によって五つのサブトラック(2f,2g,2h,2i,2j)に分割されている。それぞれのサブトラックの磁性体は、所定の方向に配向されているか、又は、所定の方向とは反対方向に配向されているか、若しくは、配向されていない。隣接する領域同士では、磁性体が異なる状態となっている。換言すると、隣接する領域の磁性体が同じ方向に配向されたり、ともに無配向であったりすることはない。よって、データトラック1には、パンチ穴形成用トラック2で磁性体の配向方向が変化する境界の位置及び各サブトラックの磁性体の配向状態から割り出したパンチ穴出力の有無及び極性がFMデータとして記録されることになる。パンチ穴21(21a,21b,21c,21d)は、所定の位置にカードを貫通して設けられている。
【0032】
図11に、本実施形態による全面磁気カードを適用した定期券を発券する際の処理の流れを示す。なお、本実施形態では、磁性体が配向されていない全面磁気カードを用いる。
発券機関では、定期券の使用者名、区間、有効期間、発行機関名などの情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴形成トラック2の分割情報から割り出したパンチ穴出力の有無及び極性に暗号処理を施す。そして、暗号処理を施した情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、FMデータとしてデータトラック1へ書き込む(エンコード)(ステップS401)。次に、パンチ穴形成用トラック2の分割情報に基づいて、磁性体を配向させる必要がある各サブトラックの磁性体を磁気ヘッドで配向させる(ステップS402)。以下、ステップS403以降の処理は、第1の実施形態のステップS103以降の処理と同様である。
【0033】
図12に、パンチ穴形成用トラック2に書き込まれた情報を読み取った場合の信号波形を示す。
本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴形成用トラック2に磁性体が配向されていないサブトラックを含む。磁性体が配向されていないサブトラックに形成されたパンチ穴は、磁気的に読み取っても信号出力が発生しない。よって、パンチ穴形成用トラック2の分割状態及び各サブトラックの磁性体の配向状態が真券と異なる全面磁気カード(例えば、図9に示した全面磁気カード)を用い、真券と同じ位置にパンチ穴を形成しても真券と判断されることはない。
本実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際は、第1の実施形態と同様の処理を行うことができる。
【0034】
このように、本実施形態による全面磁気カードは、パンチ穴形成トラック2の分割情報から割り出したパンチ穴出力の有無及び極性、並びにパンチ穴21の位置情報をFMデータとしてデータトラック1へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだカードが真券であると判断する情報は、サブトラックの数及び境界位置と、各サブトラックの磁性体の状態と、パンチ穴の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による全面磁気カードを偽造することは非常に困難であり、情報の秘匿性を極めて高くできる。
また、パンチ穴の位置及び極性の情報に加え、データトラック2の分割情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0035】
上記各実施形態による全面磁気カードは、FMデータとして磁気的に記録する情報と、パンチ穴の位置及び極性を関連づけたことにより、偽造・変造が極めて困難となる。
例えば、使用回数の多い全面磁気カードのFMデータを未使用の全面磁気カードのFMデータで書き換えたとしても、パンチ穴の位置及び極性がFMデータ中の情報と一致しないため、この偽造カードを使用することは不可能である。
【0036】
〔第4の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第4の実施形態について説明する。
図13に、本実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを示す。
このキャッシュカードは、プラスチックカード3に磁気記録部4及びパンチ穴形成領域5が設けられている。
プラスチックカード3は、例えば、PVC(polyvinyl chloride)やPET(polyethylene terephthalate)やPET−G(非結晶性コポリエステル)で形成された基材である。
磁気記録部4は、磁性体を含む層が形成された領域であり、プラスチックカード3の一方の面に設けられ、FMデータが書き込まれている。磁気記録部4は、例えば、磁性塗料をプラスチックカード3に塗布することによって形成される。磁気記録部4に書き込まれたFMデータには、従来と同様の情報に加えて、パンチ穴形成領域5の配向反転位置情報から割り出したパンチ穴出力の極性やパンチ穴の位置情報が含まれている。
パンチ穴形成領域5は、磁気記録部4と同じ側の面に設けられた磁性体を含む層である。パンチ穴形成領域5は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向を部分的に反転させることで、磁気記録部4における磁性体の配向方向に沿って五つのエリア(5a,5b,5c,5d,5e)に分割されており、隣接するエリア同士では、磁性体の配向方向がそれぞれ反対となっている。よって、磁気記録部5にFMデータとして記録されるパンチ穴出力の極性は、配向反転位置情報から割り出すことができる。パンチ穴51(51a,51b,51c,51d)は、パンチ穴形成領域5の所定の位置にプラスチックカード3を貫通して設けられている。
磁気記録部4及びパンチ穴形成領域5の少なくともいずれかは、目視によっては他の部分と判別できないように形成することが好ましい。特に、少なくともパンチ穴形成領域5を目視によっては他の部分と判別できないようにすることが好ましい。例えば、磁気記録部4及びパンチ穴形成領域5が設けられた側の全面に、装飾用のフイルムをラミネートするなどすればよい。
【0037】
図14に、本実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを金融機関が預金者へ発行する際の処理を示す。金融機関では、従来のキャッシュカードと同様の情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴出力の極性の情報に暗号処理を施す。次に、暗号処理を施した情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、FMデータとして磁気記録部4へ書き込む(エンコード)(ステップS501)。次に、パンチ穴形成領域5の極性を磁気ヘッドで反転させる(複数回)(ステップS502)。ついで、磁気記録部4へ書き込んだ情報をカードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて読み出し、FMデータが正常に書き込まれているか否かを確認する(ステップS503)。
その後、磁気記録部4にFMデータとして記録したパンチ穴位置情報に基づいてパンチ穴形成領域5の所定の位置にパンチ穴を開ける(ステップS504)。パンチ穴の大きさや形状については、第1の実施形態と同様である。そしてカードリーダ/ライタは、磁気ヘッドでパンチ穴形成領域5を読み取った信号の波形から、パンチ穴の位置及び極性を取得し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する(ステップS505)。確認の方法については、キャッシュカードを使用する際の処理の説明において後述する。
【0038】
図15に、本実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを使用する際の処理を示す。
利用機関では、カードリーダ/ライタの磁気ヘッドを用いて、磁気記録部4からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成領域5からはパンチ穴51の位置と極性とを読み取る(ステップ601)。
カードリーダ/ライタは、FMデータとして磁気記録部4に記録されているパンチ穴の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、パンチ穴形成領域5を磁気的に読み取った信号の波形に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取った磁気カードの真贋を判断する(ステップS602)。
【0039】
図16に、パンチ穴形成領域5に書き込まれた磁気信号を読み取った場合の波形を示す。図に示すように、パンチ穴51の部分に読み取り信号の波形が現れる。
また、図17に、配向反転位置が真券と異なる磁気ストライプカードを用いた偽造カードのパンチ穴形領域5’を磁気的に読み取った信号の波形を示す。なお、この偽造カードは、真券と同じ位置にパンチ穴が形成されている。
図に示すように、偽造カードの読み取り信号の波形は、磁性体の配向方向が真券と異なるエリアに形成されたパンチ穴(51a’,51c’,51d’)の部分において極性が反転することになる。よって、パンチ穴形成領域の配向反転位置が真券と一致しない磁気ストライプカードでは、真券と同じ位置にパンチ穴を設けても真券の読み取り信号の波形と一致しない。
カードリーダ/ライタは、FMデータとして磁気記録部4に記録されていたパンチ穴51の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成領域5を読み取って生成した信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較し、位置・極性が全て一致する場合に、読み取った磁気ストライプカードを真券と判断する。
【0040】
読み取ったカードを真券と判断した場合(ステップS602/真)、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて後段のステップS605において新たに形成するパンチ穴の位置及び極性の情報などをFMデータに追記する(エンコード)(ステップS603)。その後、カードリーダ/ライタは、磁気ヘッドを用いて磁気記録部4からFMデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS604)。
次に、FMデータとして記録した情報に基づいて、パンチ穴形成領域5に新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS605)。その後、パンチ穴の位置及び極性を磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS606)。
【0041】
このように、本実施形態による磁気ストライプカードは、パンチ穴形成領域5の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報をFMデータとして磁気記録部4へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだ磁気ストライプカードが真券であると判断するための情報は、パンチ穴形成領域5の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴51の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による磁気ストライプカードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴51の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、磁気ストライプカードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いての真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0042】
〔第5の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第5の実施形態について説明する。
図18に、本実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを示す。このキャッシュカードは、プラスチックカード3、パンチ穴形成領域5及び情報記録部6を有する。
パンチ穴形成領域5は、発券時に磁気ヘッドを用いて配向を部分的に反転させることで、五つのエリア(5a,5b,5c,5d,5e)に分割されている。隣接するエリア同士では、磁性体の配向方向がそれぞれ反対となっている。パンチ穴形成領域5は、目視によっては他の部分と判別できないようにすることが好ましい。例えば、パンチ穴形成領域5が設けられた側の全面に、装飾用のフイルムをラミネートするなどすればよい。
情報記録部6は、情報を記録するための不揮発メモリを備えたICチップである。なお、図中に示してはいないが、ICカードは、ICカードリーダ/ライタと情報をやりとりするための回路などを備えている。例えば、接触型ICカードの場合は、ICカードリーダ/ライタと電気的に接続するための端子及びこの端子と情報記録部6を接続する回路を備える。また、非接触型ICカードの場合は、ICカードリーダ/ライタとの間で情報をやりとりするためのアンテナ回路を備える。
【0043】
図19に、本実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを金融機関が預金者へ発行する際の処理を示す。なお、本実施形態によるICカードの発券する際や使用する際には、磁気ヘッドを備え磁気情報の書き込み及び読み出しが可能なICカードリーダ/ライタを用いる。または、ICカードリーダ/ライタと磁気カードリーダ/ライタとを併用してもよい。
金融機関では、預金者情報に加え、パンチ穴位置情報及びパンチ穴出力の極性の情報に暗号処理を施す。次に、暗号処理を施した情報をICカードリーダ/ライタを用いて、情報記録部6へ書き込む(エンコード)(ステップS701)。次に、パンチ穴形成領域5の極性を磁気ヘッドで反転させる(複数回)(ステップS702)。ついで、情報記録部6へ書き込んだ情報をICカードリーダ/ライタを用いて読み出し、データが正常に書き込まれているか否かを確認する(ステップS703)。
【0044】
その後、情報記録部6に記録したパンチ穴位置情報に基づいてパンチ穴形成領域5の所定の位置にパンチ穴を開ける(ステップS704)。パンチ穴の大きさや形状については、第1の実施形態と同様である。そしてカードリーダ/ライタは、磁気ヘッドでパンチ穴形成領域5を読み取った信号の波形から、パンチ穴の位置及び極性を取得し、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを確認する(ステップS705)。確認の方法については、キャッシュカードを使用する際の処理の説明において後述する。
【0045】
図20に、本実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを使用する際の処理を示す。
利用機関では、ICカードリーダ/ライタを用いて、磁気記録部4からはFM情報を読み取り、パンチ穴形成領域5からはパンチ穴51の位置と極性とを読み取る(ステップ801)。
ICカードリーダ/ライタは、情報記録部6に記録されているパンチ穴の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、パンチ穴形成領域5を磁気的に読み取った信号の波形に基づいたパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって、読み取ったICカードの真贋を判断する(ステップS802)。ICカードの真贋の判断は、情報記録部6に記録されていたパンチ穴51の位置及び配向反転位置情報によって定まる各パンチ穴の極性と、磁気ヘッドを用いてパンチ穴形成領域5を読み取って生成した信号波形に基づくパンチ穴の位置及び極性とを比較することによって行う。これらの位置及び極性が全て一致する場合に、ICカードリーダ/ライタは読み取ったICカードを真券と判断する。これは、第4の実施形態と同様である。
【0046】
読み取ったICカードを真券と判断した場合(ステップS802/真)、ICカードリーダ/ライタは、後段のステップS805で新たに形成するパンチ穴の位置及び極性などの情報を情報記録部6に追記する(エンコード)(ステップS803)。その後、カードリーダ/ライタは、情報記録部6からデータを読み取り、情報が正しく書き込まれたかを確認する(ステップS804)。
次に、追記した情報に基づいて、パンチ穴形成領域5に新たなパンチ穴を形成する。すなわち、エンコード時に決めた位置に新たにパンチ穴を開ける(ステップS805)。その後、パンチ穴の位置及び極性を磁気的に検出して、正しい位置にパンチ穴が開けられているか否かを上記同様の手法にて確認する(ステップS806)。
【0047】
このように、本実施形態によるICカードは、パンチ穴形成領域5の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報を情報記録部6へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだICカードが真券であると判断するための情報は、パンチ穴形成領域5の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴51の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態によるICカードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴51の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0048】
〔第6の実施形態〕
本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第6の実施形態について説明する。
図21に、本実施形態による光カードを適用したキャッシュカードを示す。このキャッシュカードは、プラスチックカード3、パンチ穴形成領域5及び光記録領域7を有する。
プラスチックカード3及びパンチ穴形成領域5は、第5の実施形態と同様である。光記録領域7は、追記型の光記録層が形成された領域である。この光記録層には、所定のフォーマットに従ったトラックが形成されており、トラックにレーザ光が照射されることによってレーザ光のスポット径に応じた微小な穴(通常、数μm程度)が形成される。光記録領域7には、トラックに形成された穴(記録ビット)の有無を“0”又は“1”と対応させることによって情報がデジタル記録される。情報の読み取りは、光記録層に照射したレーザの反射光を強弱を電気信号に変換することで行われる。
【0049】
本実施形態による光カードを用いたキャッシュカードを金融機関が預金者へ発行する際の処理及び使用する際の処理は、第5の実施形態と同様である。ただし、本実施形態による光カードの発券する際や使用する際には、磁気ヘッドを備え磁気情報の書き込み及び読み出しが可能な光カードリーダ/ライタを用いる。または、光カードリーダ/ライタと磁気カードリーダ/ライタとを併用してもよい。
【0050】
このように、本実施形態による光カードは、パンチ穴形成領域5の配向反転位置及びパンチ穴の位置情報を光記録領域7へ記録したことによって、カードの偽造・変造を防止できる。読み込んだ光カードが真券であると判断するための情報は、パンチ穴形成領域5の磁性体の配向方向を反転させる回数及び境界の位置と、パンチ穴51の位置との組み合わせによって事実上無限通り存在する情報の中で唯一である。このため、本実施形態による光カードを偽造・変造することは非常に困難である。
また、パンチ穴51の位置及び極性の情報に加え、配向反転位置の情報を真贋判断に用いれば、光カードを偽造・変造することはより困難になる。
さらに、光カードを使用するたびに新たなパンチ穴を形成することで、利用のたびごとに異なる情報を用いてカードの真贋を判断できるため、セキュリティをさらに向上させられる。
【0051】
なお、上記各実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、磁気カード、ICカード及び光カードを例に説明を行ったが、本発明による磁気記録媒体の形状はカード状に限定されるものではなく、媒体は任意の形状とすることができる。
また、パンチ穴形成領域の分割数や、各分割領域の配向方向などは任意に設定することが可能である。
さらに、本発明による情報記録媒体の用途は、定期券、プリペイドカード、キャッシュカードに限定されるものではない。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、情報の改ざんが困難な情報記録媒体及びその認証方法並びに使用方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す図である。
【図2】第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券のパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図5】真券とは磁性体の配向方向が異なる偽造カードのパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図6】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第2の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す図である。
【図7】第2の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券のパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図9】真券とは配向反転位置が異なる偽造カードのパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図10】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第3の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を示す図である。
【図11】第3の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券を発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態による全面磁気カードを適用した定期乗車券のパンチ穴形成用トラックを磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図13】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを示す図である。
【図14】第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードを使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第4の実施形態による磁気ストライプカードを適用したキャッシュカードのパンチ穴形成領域を磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図17】真券とは磁性体の配向方向が異なる偽造カードのパンチ穴形成領域を磁気的に読み取った信号を示す図である。
【図18】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第5の実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを示す図である。
【図19】第5の実施形態によるICカードを適用したキャッシュカードを発券する際の処理の流れを示す図である。
【図20】第5の実施形態によるICケー度を適用したキャッシュカードを使用する際の処理の流れを示す図である。
【図21】本発明にかかる情報記録媒体を好適に実施した第6の実施形態による光カードを適用したキャッシュカードを示す図である。
【図22】従来技術による磁気カードを用いた定期乗車券及びSFカードを発券する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】従来技術による磁気カードを用いた定期乗車券及びSFカードを使用する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 データトラック
2 パンチ穴形成用トラック
3 プラスチックカード
4 磁気記録部
5 パンチ穴形成領域
6 情報記録部
7 光記録領域
21、51 パンチ穴
Claims (9)
- 情報を記録する記録手段を備えた基材の少なくとも一部に磁気記録領域が形成された情報記録媒体であって、
前記磁気記録領域の所定の位置に少なくとも一つのパンチ穴が形成され、
前記パンチ穴の位置情報とパンチ穴出力の極性の情報とが、前記記録手段に記録されたことを特徴とする情報記録媒体。 - 複数のパンチ穴が形成され、パンチ穴ごとに前記パンチ穴出力の極性の情報が記録されていることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
- パンチ穴出力の極性がないパンチ穴を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- 前記記録手段は、情報を磁気記録する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の情報記録媒体。
- 前記記録手段は、不揮発メモリを備えたICであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の情報記録媒体。
- 前記記録手段は、情報を光記録する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の情報記録媒体。
- 情報を記録する記録手段と、少なくとも一つのパンチ穴が形成された磁気記録領域とを有する情報記録媒体を認証する方法であって、
前記磁気記録領域を磁気的に読み取った信号を基に取得したパンチ穴の位置及び極性が、前記記録手段に記録されたパンチ穴の位置及び極性と一致するか否かを比較することを特徴とする情報記録媒体の認証方法。 - 情報を記録する記録手段と、少なくとも一つのパンチ穴が形成された磁気記録領域とを有する情報記録媒体を認証する方法であって、
前記磁気記録領域を磁気的に読み取った信号を基に取得したパンチ穴の位置情報が、前記記録手段に記録されたパンチ穴の位置及び極性と一致するか否かをパンチ穴ごとに比較することを特徴とする情報記録媒体の認証方法。 - 請求項1から6のいずれか1項記載の情報記録媒体の使用方法であって、
任意の情報を前記記録手段に追記する際に、新しく形成するパンチ穴の位置及び極性の情報を生成して前記記録手段にともに追記し、追記したパンチ穴の位置情報に対応する位置にパンチ穴を新たに形成することを特徴とする情報記録媒体の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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