JPH09265028A - 二溝螺旋スロットの製造方法 - Google Patents
二溝螺旋スロットの製造方法Info
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- JPH09265028A JPH09265028A JP8074228A JP7422896A JPH09265028A JP H09265028 A JPH09265028 A JP H09265028A JP 8074228 A JP8074228 A JP 8074228A JP 7422896 A JP7422896 A JP 7422896A JP H09265028 A JPH09265028 A JP H09265028A
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Abstract
と。 【解決する手段】 第一工程は、TMCをクリールスタ
ンド4にセットし、各TMCにダンサーローラ5により
張力を付加し、予熱装置6aを通じて溶融押出し機6の
クロスヘッドダイに供給する。この際、各TMCに1K
g/本の張力をかけることで、引張歪み率を約0.1%
とすることができる。次いで、TMCの外周に、PBT
樹脂を溶融状で押出して被覆し、冷却槽8で水冷しなが
らサイジングキー9によりサイジングしつつ引取り機1
0により引取り、ボビン11に巻取った。引続いて、ボ
ビン11に巻取られた直線状スロット1’を回転供給機
12に取付け、撚りがかかるように回転させながら巻戻
しつつ、熱処理炉13で加熱軟化させた後に、回転防止
ガイド14を介してサイジング装置15に供給した。サ
イジング装置15中でスロットは冷却されつつ直線状凹
溝の螺旋化と固定とサイジングが行われる。(第二工
程)。
Description
バケーブルに用いられる二溝螺旋スロットの製造方法に
関する。
敷設(FTTH)し、これにより電話はもとより、FA
X、CATV、パソコン等を広範囲につなぎ、様々なサ
ービスに利用しようとする計画がある。この計画の実現
には、安価で信頼性の高い光ファイバケーブルが必要と
される。光ファイバケーブルの低コスト化の一つの手段
として高密度化が知られている。
例えば、実開昭61−34111号公報、特開平7−1
3055号公報に、円形断面のロッドに螺旋状の矩形溝
を二つ設けたスロット(二溝螺旋スロット)を、中心テ
ンションメンバーの周囲に多数撚り合わせたケーブルが
提案されている。また、特開平6−337336号公報
には、この種の二溝螺旋スロットの製造方法が開示され
ている。これらの先行技術によると、先ず、直線状の二
溝スロットを得た後に、それを加熱して撚りを加えてい
る。この二溝スロットには、図1に示すように、2〜3
本のテンションメンバー(以下、TMと略す)が配置さ
れており、テンションメンバーによりスロットに加わる
様々な張力からスロット本体及び、収納された光ファイ
バを保護する。
のがある。 スロットの製造工程中における張力 例えば、溝形状を良くするためにサイジングダイ等を通
過させるが、その時には、かなりの張力が発生する。 完成したスロットに加えられる張力 光ファイバテープ心線を収納し、更にこれらを複数本集
合して光ファイバケーブルとするが、この工程において
も大きな張力がかかる。 完成した光ファイバケーブルが敷設されるときにも張
力がかかる。
て、スロット本体に埋設されるTMは、例えば、特開平
5−261843号公報、特開平5−261844号公
報に記載されているように、高強度、低伸度の有機繊
維、例えば、ケブラーのロービング等が好適に用いられ
ている。しかしながら、本発明者らの検討によると、従
来の二溝螺旋スロットおよびその製造方法には、以下に
説明する技術的な課題があった。
ロットの製造方法は、予め造っておいた直線状の二溝ス
ロットを、その本体樹脂の軟化点以上に加熱して、撚り
を加えながら引取る方法、あるいは、直線状の二溝スロ
ットを製造する工程に引き続き、本体樹脂の軟化点以上
に加熱して、撚りを加えながら回転引き取り機で引き取
る方法がある。
は、例えば、TMとして用いる所定デニールのケブラー
ロービングに適当な張力を架けて、押し出し機に供給し
ていた。このようなTMの供給状態においては、例え
ば、TMに張力を与えるダンサーローラを用いなくて
も、押出機のクロスヘッドダイに供給するためのガイド
や、ノズルでの摩擦抵抗により約50g程度のテンショ
ンが発生するので直線状のスロットを製造することは可
能である。
状スロットを引張試験すると、以下に説明するような状
態になっていることが判明した。図3は、得られた直線
状スロットの引張試験の結果を示している。同図に示す
結果から判るように、引張荷重を掛けた初期は、本体樹
脂だけの引張特性を示し、歪みが約0.5%までは、T
Mを入れた効果が全く現れていない。
が冷却固化する過程で収縮し、その結果、TMのロービ
ングが最初から有していた弛みに加えて、更に大きな弛
みを生ずるためと思われる。このような状態の直線状ス
ロットに、撚りを付与し、ボビンに巻取った後、再度螺
旋ピッチを測定したところ、平均値515mm、変動率
11.7%であった。このように螺旋ピッチが変動した
原因は、本体樹脂のスプリングバックによるものと思わ
れる。
ところ、図4に示すような結果が得られた。この試験結
果から、同図に示すように、約1kgの荷重を架けると
ロービング中の各繊維の長さが揃い、弛みが除去され
る。そこで、ダンサーローラを用いて4kgの荷重を架
け、TMに0.5%の引張歪みを与えて直線状スロット
を製造した。
と、初期からTMが寄与することが判った。そして、こ
れに500mmピッチの撚りを付与し、ボビンに巻取っ
た。その後、ボビンからスロットを引出し螺旋ピッチを
測定したところ、螺旋ピッチの平均値は532mm、変
動率は18.9%にも達した。また、製造するスロット
の直径によって(正確には、スロットの中心とTMの位
置の距離:rによって)、同じピッチになるように回転
供給機の回転数と引取速度を設定しても、巻取り後のピ
ッチが異なることが判明した。つまり、直線状スロット
を製造する時にTMに加える張力を一定にしていても、
スロットの直径(r)が大きくなると巻取り後の平均ピ
ッチが大きくなり、ピッチのばらつきも大きくなるとい
う問題が判明した。
ら300mmのように小さくした場合にも、巻取り後の
螺旋ピッチが大きい方へずれることが判明した。その原
因は、図5に示すように考えられる。スロットが直線状
のときは、スロット本体の長さとTMの長さは等しい
が、これにピッチ(Pmm)の撚りを与えると、スロッ
トの長さ(中心の長さ)は、変化しないが、1ピッチに
おけるTMの長さ(L)は、スロット中心からの距離
(rmm)とピッチ(Pmm)により次式で示すことが
できる。
c tan(2πr/P) ε=(L−P)/P=(1/cosθ−1)・・・・・(1) つまり、1ピッチで考えると、スロット本体の長さはP
(mm)であるが、TMの長さは、L=P/cosθと
なり、ほんの少しだけTMが引き延ばされていたことに
なる。そのため、撚りを付与された後には、TMは元の
長さに戻ろうとして縮む傾向にある。この縮もうとする
力は、スロットに対しては、圧縮応力として作用し、ピ
ッチが大きくなるものと考えられる。
プ心線を収納する工程で支障が出たり、溝形状に変化を
来し、その結果光ファイバの伝送損失を増大させる原因
になる。本発明は、このような問題点に鑑みてせされた
ものであって、その目的とするところは、撚りを付与し
てもピッチ変動が少なくなる二溝螺旋スロットおよびそ
の製造方法を提供することにある。
に本発明は、結晶性熱可塑性樹脂を主体とする本体と、
この本体に埋設されるテンションメンバーとを備え、前
記本体の長手方向に沿って螺旋状に設けられ、一端が外
方に開口した一対の光ファイバ芯線担持用凹溝を有する
二溝螺旋スロットの製造方法において、前記テンション
メンバーの周囲に前記熱可塑性樹脂を押出して、当該熱
可塑性樹脂を軟化点以下の温度で冷却して、長手方向に
沿って直線状に延びる凹溝が形成された直線状スロット
を形成する第一工程と、この直線状スロットを前記熱可
塑性樹脂の軟化点以上、融点未満の温度条件下で、長軸
回りに回転させて撚りを付与した後に、冷却固化して前
記直線状凹溝を螺旋状に形成する第二工程とを含み、前
記第一工程において、前記直線状スロットの引張歪み率
εが0.1%以上〜0.2%未満の範囲になるような張
力を前記テンションメンバーに加えるようにした。すな
わち、本発明にかかる製造方法では、基本的な技術思想
として、本体樹脂の成形収縮率に見合った引張歪み(ε
1)から、加える撚りピッチとTMのスロット中心まで
の距離から計算されるTMの引張歪み(ε2)を減算す
る値に相当する引張歪み率が、直線状スロットに残存す
るような張力をTMに第一工程で与える。このような引
張歪みを付与することによって、ピッチの変動が小さ
く、かつ微小変形時からTMが有効に作用する二溝螺旋
スロットを得られる。なお、TMにε<ε1−ε2なる引
張歪みが付与されている場合、撚りの付与の後、TMに
残留した引張歪みが解放され、スロットに圧縮歪みを生
じさせ、撚りピッチを大きい方にずらす。しかし、計算
値に等しいほぼ等しい引張歪みを付与しておけば、撚り
を付与した時にTMが引き延され、撚り付与後にはTM
に引張荷重が残留しなくなり、ピッチ変動を引き起すこ
とがない。このような効果が得られる引張歪み率の範囲
が0.1%以上〜0.2%未満である。この根拠として
は、引張歪み率が0.1%未満の場合には、撚りを付与
すると、TMに引張歪みが生じ、ピッチが大きくなる方
に変動する。逆に0.2%以上では、直線状スロットに
撚りを加える工程や、溝に光ファイバテープ心線を収納
する工程あるいはケーブルの敷設時にかかる張力によ
り、スロットが光ファイバに許容される引張歪み以上に
簡単に引き延されてしまい、伝送損失の増大を招くとい
うトラブルが発生することが確認されている。従って、
以上の範囲に限定される。本発明に使用できるTMとし
ては、高強度、高弾性率、低伸度、かつ本体樹脂の軟化
点における収縮率が5%以下の有機繊維(芳香族ポリア
ミド、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリエステ
ル、ビニロン)や、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維、
セラミック繊維、金属繊維)及びこれらの集合体を用い
ることができる。また、本体樹脂に使用できる結晶性熱
可塑性樹脂としては、低温脆化温度が−40℃以下で環
境亀裂破壊を起し難い熱可塑性樹脂であれば基本的に使
用できる。
について説明する。
断面の熱可塑性樹脂を主体とする本体Aと、この本体A
の中心上にあって、本体Aの長手方向に沿ってその全長
に設けられ、一端が外方に開口した一対の螺旋状凹溝B
と、この凹溝Bの底部にあって、本体Aの中心軸上に等
間隔(r=3.00mm)で埋設された3本のTMCと
からなる二溝螺旋スロット1を、図2に示す方法により
製造した。
プ芯線が収納される凹溝Bの目標形状寸法は、幅が4.
6mm、深さが2.6mmとし、スロット1の外径は
7.0mmとした。図2に示す製造方法では、直線状の
スロット1’を得る第一工程と、この直線状スロット
1’の凹溝に撚りを加える第二工程とから構成されてい
る。第一工程では、TMCとして、1140デニールの
芳香族ポリアミド繊維(デュポン社製:商品名ケブラー
49)を3本準備し、これをクリールスタンド4にセッ
トして、各3本のTMCにダンサーローラ5により張力
を付加し、予熱装置6aを通じて溶融押出し機6のクロ
スヘッドダイに供給する。この際、各TMCに1Kg/
本の張力をかけることで、引張歪み率を約0.1%とす
ることができる。
形状に対応したダイスから,本体Aの形成用樹脂とし
て、PBT樹脂(三菱化学(株)製:ノバデゥール 5
040ZS)を溶融状で押出して被覆し 、冷却槽8で
水冷しながらサイジングキー9によりサイジングしつつ
引取り機10により引取り、これをボビン11に巻取る
ことで、直線状の凹溝を有する直線状スロット1’を得
た。(以上第一工程) 以上の第一工程における樹脂の押出し温度は245℃、
ドラフト比(V2/V1、V1:樹脂の吐出線速度、V
2:引取り速度)は、1.3、引取り速度4m/min、サ
イジング装置への冷却水量900ml/min、水圧0.2K
g/cm2、減圧チャンバーの圧力40mmHgに設定
した。
スロット1’を回転供給機12に取付け、500mmピッ
チの撚りがかかるように回転させながら巻戻しつつ、熱
風発生機の設定温度が200℃、入口温度140℃、出
口温度160℃の熱処理炉13に4m/minの速度で
通して加熱軟化させた後に、溝に係合する突起を有する
回転防止ガイド14を介してサイジング装置15に供給
した。
の回転により加えられる撚りに伴い凹溝Bに嵌合して回
転しつつ溝Bをサイジングするサイジングピンが5組セ
ットされたものであり、このサイジング装置15中でス
ロット1’は、冷却されつつ直線状凹溝の螺旋化と固定
とサイジングが行われ、次いで、得られた二溝螺旋スロ
ット1を回転巻取り機17のボビンに巻取った(以上第
二工程)。
定したところ、平均値518mm、変動率12.5%であ
った。また、第一工程で得られた直線状スロット1’を
引張試験した結果、図6に実線で示す歪み−荷重曲線を
得た。この試験結果を解析すると、引張歪み率が0.1
%付近までは、PTB樹脂だけの弾性率を示し、引張歪
み率が0.1%を越えるとTMCの弛みがなくなり、補
強材としての効果を発揮し始め、急激に伸び難くなって
いることが確認された。
旋スロット1にあっては、光ファイバの伝送損失が急激
に増加し始める0.2%の引張歪み率に至る前にTMC
の作用により伸びの発生を抑制できることになる。
をかけないでクロスヘッドダイに供給した以外は実施例
1と同様にしてスロットを製造した。なお、無張力とは
言っても、その引取りなどにより約50g程度の張力が
かかっていることは勿論である。
の平均値は、515mm、変動率は11.7%であった。
この原因は、従来の技術の項でも述べたように本体樹脂
Aのスプリングバックによるものと思われる。ところ
が、この時の中間品である直線状スロットを引張試験す
ると、図6の鎖線で示すように、歪み−荷重曲線の変極
点が0.5%付近に現れる。つまり、伸度が0.5%ま
ではTM2が有効に作用しない状態となる。
チ変動率は、小さいが、実際に使用する際に光ファイバ
の伝送損失が急激に増加することが予測される。
外は、実施例1と同様にしてスロットを作成した。この
比較例2で得られたスロットのピッチの平均値は、53
2mm、変動率は18.9%であった。そして、直線状ス
ロットの引張試験では、図7の一転鎖線で示すように、
変極点が現れなかった。
ように、本発明の二溝螺旋スロットの製造方法によれ
ば、従来に比べ、撚りを付与してもピッチ変動が少なく
なり、これによって溝に光ファイバーテープ心線を収納
する工程での支障を防止し、溝形状変化に伴う光ファイ
バの伝送損失を未然に防止できる利点がある。
すグラフである。
る。
溝直線状スロットの荷重−歪み曲線を示すグラフであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 結晶性熱可塑性樹脂を主体とする本体
と、この本体に埋設されるテンションメンバーとを備
え、前記本体の長手方向に沿って螺旋状に設けられ、一
端が外方に開口した一対の光ファイバ芯線担持用凹溝を
有する二溝螺旋スロットの製造方法において、 前記テンションメンバーの周囲に前記熱可塑性樹脂を押
出して、当該熱可塑性樹脂を軟化点以下の温度で冷却し
て、長手方向に沿って直線状に延びる凹溝が形成された
直線状スロットを形成する第一工程と、 この直線状スロットを前記熱可塑性樹脂の軟化点以上、
融点未満の温度条件下で、長軸回りに回転させて撚りを
付与した後に、冷却固化して前記直線状凹溝を螺旋状に
形成する第二工程とを含み、 前記第一工程において、前記直線状スロットの引張歪み
率εが0.1%以上〜0.2%未満の範囲になるような
張力を前記テンションメンバーに加えることを特徴とす
る二溝螺旋スロットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07422896A JP3752565B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 二溝螺旋スロットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07422896A JP3752565B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 二溝螺旋スロットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09265028A true JPH09265028A (ja) | 1997-10-07 |
JP3752565B2 JP3752565B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=13541117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07422896A Expired - Fee Related JP3752565B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 二溝螺旋スロットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3752565B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006221889A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | 熱可塑性樹脂製螺旋状物の製造方法および熱可塑性樹脂製螺旋状物 |
-
1996
- 1996-03-28 JP JP07422896A patent/JP3752565B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006221889A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | 熱可塑性樹脂製螺旋状物の製造方法および熱可塑性樹脂製螺旋状物 |
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---|---|
JP3752565B2 (ja) | 2006-03-08 |
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