JP3422536B2 - 二溝螺旋スロットの製造方法 - Google Patents

二溝螺旋スロットの製造方法

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JP3422536B2
JP3422536B2 JP27972293A JP27972293A JP3422536B2 JP 3422536 B2 JP3422536 B2 JP 3422536B2 JP 27972293 A JP27972293 A JP 27972293A JP 27972293 A JP27972293 A JP 27972293A JP 3422536 B2 JP3422536 B2 JP 3422536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバテープ等を
収納担持するのに好適な高精度の収納溝を有する光ファ
イバ担持用のスロットの製造方法に関し、より詳細に
は、溝にスロットの長軸の回りに回転する撚りが加えら
れた二溝螺旋スロットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバケ―ブルは、現在公衆通信の
加入者用ケ―ブルなどとして使用されているが、今後さ
らに各家庭に接続されるケ―ブルとしての用途が期待さ
れている。このような用途に用いるためには、現在のも
のより大幅に高密度化した超高密度の光ファイバケ―ブ
ルが必要であるとされている。
【0003】このような超高密度光ファイバケ―ブルで
は、高密度に配列された多芯テ―プ芯線を使用すること
が望ましく、例えば、特開平4−143710号公報に
は、多芯テープ芯線を段状に収納担持する凹溝が設けら
れたスロットが開示されている。ところで、この種のテ
―プ芯線を使用してケ―ブル化する際には、これを収納
する凹溝の断面積Aと、スロット本体の断面積Bとが、
A/(A+B)>30%となるようなスロットを用いる
ことが望ましい。このとき、スロットの溝形状は、矩形
(以後角溝と称する)が最適である。
【0004】さらに、光ファイバが収納される溝に螺旋
状の撚りが付与されていると、スロットが曲げられた時
に、光ファイバに加わる張力が均一化されるため、伝送
損失が少ないという利点が生じる。このようなスロット
は、別に作られたテンションメンバーの回りに高密度に
撚り合わせた状態に集合して用いられるか、溝が螺旋状
になっているので、単独でも光ケーブルとして使用され
る。
【0005】このようなスロットの製造方法としては、
熱可塑性樹脂の押し出し成形が一般的に採用されるが、
以下に説明する二つの問題があった。すなわち、その第
一の問題は、光ファイバが収納される角溝の寸法に高精
度が要求され、しかも、これをスロットの全長に亘たっ
て確保する必要があることである。また、第二の問題
は、溝を螺旋状に成形することである。
【0006】特に、第二の問題において、従来の製造方
法では、溶融押し出しする際に、目的とするスロットの
断面形状に対応したダイスを回転しながら押し出して、
螺旋状溝を形成し、しかる後に冷却固化する方法が採用
されている。しかしながら、このような従来の製造方法
では、ダイスを回転するため、装置が複雑になること、
また、溶融状の樹脂を回転しつつ押し出すため、その溶
融粘弾性を考慮してダイスを設計する必要があること、
さらに、回転摺動部のパッキン類の耐熱性等の点から使
用できる樹脂に制限があること、さらにまた、そのよう
な設計をしたダイスを用いて成形してもなお、溝形状の
変形を完全に抑えることができない等の問題を内蔵して
いた。
【0007】この場合、特に、スロット本体の上下に凹
状溝を分割して形成し、溝部の占める断面積の割合が非
常に大きく、2つの溝深さの合計がスロットの外寸高さ
の2/3以上であるような深い溝を有するスロットで
は、安定した螺旋状の溝を得ることが非常に困難であっ
た。そこで、本出願人は、このような問題を解決すべく
新たな構成の二溝螺旋スロットの製造方法を特願平5−
12072号で既に提案している。この提案にかかる製
造方法では、まず、第一工程で直線状の溝を有する成形
物を形成し、その後の第二工程で、直線状の溝を螺旋状
に撚り加工することを基本的な内容としている。しかし
ながら、その後の検討によると、この提案にかかる製造
方法にも以下に説明する技術的課題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記出願に
かかる二溝螺旋スロットの製造方法では、テンションメ
ンバーには、前もって撚りを加えないで二溝螺旋スロッ
トを製造していた。ところが、このような製造方法で
は、第一および第二工程を連続して行った場合、また、
これらを別々に行った場合のいずれでも最終製品のテン
ションメンバーには、撚りが加えられた状態になる。
【0009】テンションメンバーに加えられている撚り
が、テンションメンバーの弾性限界内である場合には、
弾性的に捻じり戻る力が作用するし、弾性限界を越えて
塑性変形領域に達していたとしても、いわゆるスプリン
グバックが発生する。これらの力は、スロット本体に付
与された螺旋を反対方向に撚り戻す方向に作用する。そ
のため、ボビンに巻き付けられていた張力が開放された
り、スロットに引っ張り張力が加わったり、スロットに
部分的な熱が加えられ、樹脂が軟化したりすると、螺旋
ピッチに変動が発生する。
【0010】さらに、テンションメンバーに撚りが加え
られた状態のままでボビンに巻き取り長期間保存してお
くと、螺旋ピッチが変動する恐れもある。そして、この
ような螺旋ピッチに変動が発生すると、巻き戻して溝内
に光ファイバテープ芯線を挿入するときに、その挿入が
困難になることや、局所的な伝送損失の増加が発生する
ことが判明した。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、長期
間保存した場合になどに螺旋ピッチの変動が発生しない
二溝螺旋スロットの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、テンションメンバーと熱可塑性樹脂製の
本体部とからなり、光ファイバテープ芯線などを収納担
持するための2つの螺旋状溝が前記本体部に設けられた
二溝螺旋スロットの製造方法において、前記テンション
メンバーの周囲に前記熱可塑性樹脂を押し出し成形した
後、融点未満の温度で冷却して長手方向に直線状に延び
る収納溝を有する成形物を形成する第一工程と、この成
形物を前記熱可塑性樹脂の軟化点以上、融点未満の温度
域で長軸の回りに回転させて撚りを付与した後、冷却固
化して前記収納溝を螺旋状に形成する第二工程とを含
み、前記第一および第二工程が連続して行われる場合
に、第二工程で前記テンションメンバーを含む前記成形
物に巻取る際に付与する撚りと、前記第一工程で前記テ
ンションメンバーを供給する際に、当該テンションメン
バーに加える撚りを同じ方向にすることを特徴とするこ
とを特徴とする。
【0013】また、別の発明として、テンションメンバ
ーと熱可塑性樹脂製の本体部とからなり、光ファイバテ
ープ芯線などを収納担持するための2つの螺旋状溝が前
記本体部に設けられた二溝螺旋スロットの製造方法にお
いて、前記テンションメンバーの周囲に前記熱可塑性樹
脂を押し出し成形した後、融点未満の温度で冷却して長
手方向に直線状に延びる収納溝を有する成形物を形成す
る第一工程と、この成形物を前記熱可塑性樹脂の軟化点
以上、融点未満の温度域で長軸の回りに回転させて撚り
を付与した後、冷却固化して前記収納溝を螺旋状に形成
する第二工程とを含み、前記第一および第二工程が分離
して行われる場合に、前記第一工程で前記テンションメ
ンバーを供給する際に、前記第二工程で付与する撚りと
逆方向の撚りを加えることを特徴とする。
【0014】本発明におけるテンションメンバーとは、
高強度、高弾性率の有機繊維(芳香族ポリアミド、芳香
族ポリエステル、ポリアミド、ポリエステル、ビニロ
ン),無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊
維、金属繊維),およびこれらの集合体(繊維束、撚り
構造体、組紐等をいう)、さらには、前述の繊維および
繊維集合体を補強繊維とするFRP,FRTPの線条
物、細径の金属線、金属線の集合体などをいい、スロッ
トの製造時、スロットを集合してケーブルにする時、ケ
ーブル敷設時、ケーブルの使用時などにスロット本体に
かかる張力を受ける部材をいう。
【0015】そして、スロット本体部におけるテンショ
ンメンバーの配置や構成は、スロットの製造時、スロッ
トを集合してケーブルにする時、ケーブル敷設時、ケー
ブルの使用時等でスロット本体部にかかる張力を考慮し
て設定すれば良い。また、本発明に使用できる熱可塑性
樹脂は、光ファイバ担持用スロットとして要求される性
能に応じて各種の結晶性熱可塑性樹脂から選択される
が、例えば、各種ポリエチレンや各種ナイロン、各種ポ
リプロピレン等が挙げられ、なかでも、低温脆化温度が
−40℃以下であり、常温における曲げ弾性率が100
kg/mm2 以上の樹脂が好ましく、高密度ポリエチレ
ンやナイロン12、PBT(ポリエチレンブチレンテレ
フタレート)等の他、これらの結晶性熱可塑性樹脂とA
BSやPC等の非結晶性熱可塑性樹脂とのポリマーアロ
イ等が推奨される。
【0016】また、本発明における樹脂の軟化点とは、
JIS K7207 B法により測定された値をいう。
なお、本発明の熱可塑性樹脂としてポリマーアロイを選
択した場合には、一般に、非結晶性熱可塑性樹脂の融点
や軟化点の定義は、非常に困難であるが、本発明では、
非結晶性と結晶性熱可塑性樹脂とを混合して用いるの
で、上記融点ないしは軟化点は、実質上結晶性熱可塑性
樹脂のものとなる。
【0017】本発明の第一工程では、第一および第二工
程を連続して行う場合には、テンションメンバーに第二
工程で付与する撚りと同方向の撚りを加えながら供給
し、また、第一工程と第二工程とを分離して行う場合に
は、テンションメンバーに第二工程で付与する撚りと逆
方向の撚りを加えながら供給するが、このテンションメ
ンバーの周囲に熱可塑性樹脂を所望の断面形状に押し出
した後、融点未満の温度で冷却して、直線状の収納溝を
有する成形物を得る。
【0018】このとき、要すれば、冷却しながらサイジ
ングする方法、軟化点以下で冷却固化する方法、軟化点
以下で冷却固化しながらサイジングする方法が選択でき
る。第二工程では、第一工程で得られた直線状の収納溝
を有する成形物を、熱可塑性樹脂の軟化点以上、融点未
満の温度条件下に保ちつつ、長軸の回りに回転して撚り
を加え、その後冷却固化して前記収納溝を螺旋状に形成
する。
【0019】この第二工程では、撚を加える前、あるい
は撚を加えつつ、または、撚を加えた後に熱可塑性樹脂
を加熱して少なくとも軟化点近傍の温度として、熱賦形
により撚を固定して所定の螺旋ピッチのスロットを得
る。なお、要すれば、撚賦形をする第二工程の適宜位置
で溝のサイジングを行えば、溝寸法形状が均一になる。
第一工程において得られた直線状の収納溝を有する成形
物を長軸の回りに回転して撚を加えるには、回転引取機
により撚を加えるのが一般的であるが、前述の第一工程
と第二工程とを連続して行わない場合には、第一工程で
ドラムに巻取って、これを第二工程で巻戻しながら供給
することや、ドラム等を撚りがかかるように回転させな
がら巻き戻し、通常の引取り機に供給することによって
も可能である。
【0020】なお、上記各工程における、サイジングと
は、溝の形状及び外形に対応した固体を当接して、形状
を均一化することをいい、直線状の溝のサイジングで
は、サイジングキ―が、撚賦形後は、複数個のサイジン
グピンであって螺旋溝に回転追随できるものが用いられ
る。
【0021】
【作用】上記構成の二溝螺旋スロットの製造方法によれ
ば、第一および第二工程が連続して行われる場合に、第
一工程で前記テンションメンバーを供給する際に、第二
工程で付与する撚りと同方向の撚りを加えるので、第一
および第二工程において、テンションメンバーには、実
質的に撚りが加えられず、その結果、最終製品において
テンションメンバーに撚りは残らない。
【0022】また、第一および第二工程が分離して行わ
れる場合に、第一工程で前記テンションメンバーを供給
する際に、第二工程で付与する撚りと逆方向の撚りを加
えるので、テンションメンバーは、第一工程で加えられ
た撚りが第二工程で撚り戻され、その結果、最終製品に
おいてテンションメンバーに撚りは残らない。
【0023】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について添附図面
を参照にして詳細に説明する。実施例1 図1にその断面形状を示すように、全体形状が略H形の
本体部1と、この本体部1の上下に設けられた一対の螺
旋状角形収納溝2,2と、この角形収納溝2,2の中心
上にあって、本体部1の中心に位置するようにして配置
された 1本のテンションメンバー3とを有するスロッ
ト4を図2に示す方法により製造した。なお、この製造
方法では、目標とする角形収納溝2の形状寸法は、幅が
3.6mm、深さが2.0mmとし、スロット4の外径
は6.4mmとした。
【0024】図2に示す製造方法では、テンションメン
バー3として、0.22×5のスチールコード(東京製
綱(株)製)を回転供給機10にセットし、パウダーク
ラッチ12にて2kg/本のテンションを付与し、10
rpmで回転させて撚り(後述する第二工程で角形収納
溝2に加える撚りと同方向)を加えながら、ガイド13
を介して、5m/分の速度で押出機14のヘッド部に装
着されたニップルの所定位置に供給した。
【0025】そして、このテンションメンバー3の外周
に、図1の断面形状に対応したダイスからPC/PBT
樹脂(帝人(株),商品名;H−7500N)を溶融状
態で押し出して被覆し、その後、冷却槽16内で冷却固
化させた。このとき、冷却槽16内には、サイジングキ
ー18を設けておき、このサイジングキー18により直
線状の収納溝をサイジングしつつ引取機20により引き
取った。以上が第一工程であって、この工程により直線
状の角形収納溝を有する成形物を得た。
【0026】引き続いて、得られた成形物を熱処理炉2
2内に導入した。この熱処理炉22は、熱風発生器式の
ものであって、その設定温度を300℃とし、炉22の
入口温度が250℃で、出口温度が200℃にした。こ
の熱処理炉22内を5m/分の速度で通過させることに
より、PC/PBT樹脂を加熱軟化させた後に、溝に係
合する突起を有する回転防止ガイド24を介して、サイ
ジング装置26に供給した。
【0027】サイジング装置26は、その後段に設置さ
れてる回転引取機28により加えられる撚りに伴い形成
される螺旋状収納溝に嵌合して回転しつつ溝をサイジン
グするサイジングピンが5組セットされたものであり、
このサイジング装置26中でスロット4は、冷却されつ
つ直線状角形収納溝の螺旋化と固定およびサイジングが
行われる(第二工程)。
【0028】以上の工程により製造された二溝螺旋スロ
ット4を、その後回転巻取機30によりドラム32に巻
き取った。このような工程で製造される二溝螺旋スロッ
ト4は、第一工程でテンションメンバー3を供給する際
に、第二工程で回転引取機28で付与する撚りと同方向
の撚りを加えるので、第一および第二工程において、テ
ンションメンバー3には、実質的に撚りが加えられず、
その結果、最終製品においてテンションメンバー3に撚
りは残らない。
【0029】得られたスロット4の収納溝2の状態を調
べるため、ドラム32より約10m巻き戻してカット
し、螺旋状角形収納溝2の溝幅および螺旋ピッチを測定
した。その結果、溝幅は、3.55〜3.65mm、螺
旋ピッチは、495〜505mmであった。このように
して作成されたスロット4は、多数を集合するか、ある
いは、単独で光ファイバケーブルとされるが、溝寸法や
螺旋ピッチが、長期間の使用中に変化を起こすと伝送損
失が増加する原因となる。
【0030】そこで、スロット4を100℃×1時間の
経熱試験にかけた。その結果を表1に示している。同表
に示す結果から明らかなように、本実施例の場合には、
溝寸法および螺旋ピッチに殆ど変化がなく、経時変化の
懸念が少ないことが判る。
【0031】比較例1 テンションメンバー3に撚りが加わらないように、回転
させないで、押出機14のヘッド部に装着されたニップ
ルの所定位置に挿通した以外は、実施例1と同じ条件で
二溝螺旋スロットを作成し、実施例1と同じ方法で溝幅
および螺旋ピッチを測定した。得られた測定結果を表1
に示している。
【0032】実施例2 図1に示した断面形状の二溝螺旋スロット4を図3に示
す方法により製造した。同図に示す製造方法では、テン
ションメンバー3として、アラミド繊維を補強材とした
FRP径が0.85mmφの一方向強化FRP(宇部日
東化成(株)製、商品名;コンポーズK−1.2−08
5)を回転供給機40にセットし、10rpmで回転さ
せて撚り(後述する第二工程で角形収納溝2に加える撚
りと逆方向)を加えながら、5m/分の速度でガイド4
2を介して、押出機44のヘッド部に装着されたニップ
ルの所定位置に供給した。
【0033】そして、このテンションメンバー3の外周
に、図1の断面形状に対応したダイスからHDPE樹脂
(昭和電工(株),商品名;ショウレックス2008E
−3)を溶融状態で押し出して被覆し、その後、冷却槽
46内で冷却固化させた。このとき、冷却槽46内に
は、サイジングキー48を設けておき、このサイジング
キー48により直線状の収納溝をサイジングしつつ引取
機50により引き取った。以上が第一工程であって、こ
の工程により直線状の角形収納溝を有する成形物を得、
得られた成形物を一旦ボビン52に巻き取った。
【0034】そして、第一工程で得られた成形物が捲回
されているボビン52を回転供給機54にセットし、1
0rpmで回転させて撚りを加えながら、ガイド55を
介して熱処理炉56内に導入した。この熱処理炉56
は、熱風発生器式のものであって、その設定温度を20
0℃とし、炉56の入口温度が160℃で、出口温度が
140℃にした。この熱処理炉56内を5m/分の速度
で通過させることにより、HDPE樹脂を加熱軟化させ
た後に、後段側に溝に係合する突起を有する回転防止ガ
イド58を設けて、サイジング装置60に供給した。
【0035】サイジング装置60は、その後段に設置さ
れてる回転引取機62により加えられる撚りに伴い形成
される螺旋状収納溝に嵌合して回転しつつ溝をサイジン
グするサイジングピンが5組セットされたものであり、
このサイジング装置60中でスロット4は、冷却されつ
つ直線状角形収納溝の螺旋化と固定およびサイジングが
行われる(第二工程)。
【0036】以上の工程により製造された二溝螺旋スロ
ット4を、その後ドラム64に巻き取った。このような
工程で製造される二溝螺旋スロット4は、第一工程で前
記テンションメンバー3を供給する際に、第二工程で付
与する撚りと逆方向の撚りを加えるので、テンションメ
ンバー3は、第一工程で加えられた撚りが第二工程で撚
り戻され、その結果、最終製品においてテンションメン
バー3に撚りは残らない。得られたスロット4の溝寸法
および螺旋ピッチの測定結果を表1に示している。
【0037】比較例2 実施例2の第二工程で成形物を回転させないで供給する
こと以外は、実施例2と同じ条件で二溝螺旋スロットを
作成し、実施例2と同じ方法で溝幅および螺旋ピッチを
測定した。得られた測定結果を表1に示している。
【0038】実施例3 図1に示した断面形状の二溝螺旋スロット4を図3に示
す方法により製造した。同図に示す製造方法では、テン
ションメンバー3として、0.8mmφの単鋼線(東京
製綱(株)製、商品名;PGW0.72)を回転供給機
70にセットし、10rpmで回転させて撚り(後述す
る第二工程で角形収納溝2に加える撚りと逆方向)を加
えながら、5m/分の速度でガイド72を介して、押出
機74のヘッド部に装着されたニップルの所定位置に供
給した。
【0039】そして、このテンションメンバー3の外周
に、図1の断面形状に対応したダイスからPC/PBT
樹脂(帝人(株),商品名;H−7500N)を溶融状
態で押し出して被覆し、その後、冷却槽76内で冷却固
化させた。このとき、冷却槽76内には、サイジングキ
ー78を設けておき、このサイジングキー78により直
線状の収納溝をサイジングしつつ引取機80により引き
取った。以上が第一工程であって、この工程により直線
状の角形収納溝を有する成形物を得、得られた成形物を
一旦ボビン82に巻き取った。
【0040】そして、第一工程で得られた成形物が捲回
されているボビン82を供給機84にセットし、ボビン
82から巻き戻しつつ溝に係合する突起を有する回転防
止ガイド84を介して熱処理炉86内に導入した。この
熱処理炉86は、熱風発生器式のものであって、その設
定温度を300℃とし、炉86の入口温度が250℃
で、出口温度が200℃にした。この熱処理炉86内を
5m/分の速度で通過させることにより、PC/PBT
樹脂を加熱軟化させた後に、サイジング装置90に供給
した。
【0041】サイジング装置90は、その後段に設置さ
れてる回転引取機92により加えられる撚りに伴い形成
される螺旋状収納溝に嵌合して回転しつつ溝をサイジン
グするサイジングピンが5組セットされたものであり、
このサイジング装置90中でスロット4は、冷却されつ
つ直線状角形収納溝の螺旋化と固定およびサイジングが
行われる(第二工程)。
【0042】以上の工程により製造された二溝螺旋スロ
ット4を、その後回転巻取機94によりドラム96に巻
き取った。このような工程で製造される二溝螺旋スロッ
ト4は、第一工程で前記テンションメンバー3を供給す
る際に、第二工程で付与する撚りと逆方向の撚りを加え
るので、テンションメンバー3は、第一工程で加えられ
た撚りが第二工程で撚り戻され、その結果、最終製品に
おいてテンションメンバー3に撚りは残らない。得られ
たスロット4の溝寸法および螺旋ピッチの測定結果を表
1に示している。
【0043】比較例3 テンションメンバー3に撚りが加わらないように、回転
させないで、押出機14のヘッド部に装着されたニップ
ルの所定位置に挿通した以外は、実施例1と同じ条件で
二溝螺旋スロットを作成し、実施例3と同じ方法で溝幅
および螺旋ピッチを測定した。得られた測定結果を表1
に示している。
【0044】なお、上記実施例では、第一および第二工
程にそれぞれ溝形状をサイジングする工程を設けている
が、このサイジング工程は必ずしも必要としない。
【表1】 なお、上記表1において、TMはテンションメンバーの
略であり、剛性は捻じり剛性の値である。
【0045】捻じり剛性の測定は以下の方法で求めた。
図5は、捻じり剛性の測定方法の説明図であり、この測
定方法では、基台Aの上に固定した試験台Bと、上皿電
子天秤Cと、一対のアームD,Eを準備し、試験台B上
に、テンションメンバーまたはスロット本体の外径に近
似した内径のガラス管Fを固定した。測定では、まず、
ガラス管F内に捻じり剛性を測定する500mmの長さ
の試料片(テンションメンバーまたはスロット本体)を
挿入し、その両端にアームD,Eを固定する。アームD
の先端には、先を尖らせたネジGを螺着して、これを支
点とし、この支点の先端を上皿電子天秤Cの皿上に当接
させる。このときの支点の中心とアームDの試験片側の
固定中心との間の長さを80mmとした。
【0046】そして、アームEを回転すると、アームD
の支点を介して上皿電子天秤Cに荷重が加わるので、ア
ームEを1回転させたときに発生する荷重を捻じり剛性
とした。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
製造方法によれば、製造される二溝螺旋スロットのテン
ションメンバーに撚りが残らないので、溝寸法や螺旋ピ
ッチが経時的に変化せず、高精度が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる製造方法が適用されるスロット
の断面図である。
【図2】本発明にかかる製造方法の第1実施例を工程順
に示す説明図である。
【図3】本発明にかかる製造方法の第2実施例を工程順
に示す説明図である。
【図4】本発明にかかる製造方法の第3実施例を工程順
に示す説明図である。
【図5】スロット及びテンションメンバーの捻じり剛性
の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1 本体部 2 角形収納溝 3 抗張力線 4 スロット 10 回転供給機 14 押出機 16 冷却槽 20 引取機 22 熱処理炉 26 サイジング装置 28 回転引取機 30 回転巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−198712(JP,A) 特開 平5−261844(JP,A) 特開 平5−261843(JP,A) 特開 昭64−33509(JP,A) 実開 平1−103814(JP,U) 実開 昭60−169607(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テンションメンバーと熱可塑性樹脂製の
    本体部とからなり、光ファイバテープ芯線などを収納担
    持するための2つの螺旋状溝が前記本体部に設けられた
    二溝螺旋スロットの製造方法において、 前記テンションメンバーの周囲に前記熱可塑性樹脂を押
    し出し成形した後、融点未満の温度で冷却して長手方向
    に直線状に延びる収納溝を有する成形物を形成する第一
    工程と、 この成形物を前記熱可塑性樹脂の軟化点以上、融点未満
    の温度域で長軸の回りに回転させて撚りを付与した後、
    冷却固化して前記収納溝を螺旋状に形成する第二工程と
    を含み、 前記第一および第二工程が連続して行われる場合に、
    二工程で前記テンションメンバーを含む前記成形物に巻
    取る際に付与する撚りと、前記第一工程で前記テンショ
    ンメンバーを供給する際に、当該テンションメンバーに
    加える撚りを同じ方向にすることを特徴とする二溝螺旋
    スロットの製造方法。
  2. 【請求項2】 テンションメンバーと熱可塑性樹脂製の
    本体部とからなり、光ファイバテープ芯線などを収納担
    持するための2つの螺旋状溝が前記本体部に設けられた
    二溝螺旋スロットの製造方法において、 前記テンションメンバーの周囲に前記熱可塑性樹脂を押
    し出し成形した後、融点未満の温度で冷却して長手方向
    に直線状に延びる収納溝を有する成形物を形成する第一
    工程と、 この成形物を前記熱可塑性樹脂の軟化点以上、融点未満
    の温度域で長軸の回りに回転させて撚りを付与した後、
    冷却固化して前記収納溝を螺旋状に形成する第二工程と
    を含み、 前記第一および第二工程が分離して行われる場合に、前
    記第一工程で前記テンションメンバーを供給する際に、
    前記第二工程で付与する撚りと逆方向の撚りを加えるこ
    とを特徴とする二溝螺旋スロットの製造方法。
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