JPH09264606A - 風呂落とし込み注湯用縁切り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】浴槽の位置に係わらず使用でき簡単な構造の縁
切り装置を提供する。 【解決手段】給湯器からの注湯通路１４と風呂追焚き用
循環通路２４との間に設けられ、注湯時に注湯通路１４
からの水を風呂追焚き用循環通路２４に落とし込み、非
注湯時に風呂追焚き用循環通路２４の水が注湯通路１４
側に流れ込むのを防止する縁切り装置において、注湯時
に注湯通路１４の通路を開放する注湯弁５１と、注湯弁
の下流側にあって非注湯時に開かれて注湯通路内への空
気導入を可能にするエアーチャージ弁５４と、エアーチ
ャージ弁の下流側に設けられ、上流側から水圧がかかる
時に開き下流側に負圧がかかると閉じる負圧閉止弁５５
及び風呂追い焚き用循環通路からの逆流を防止する逆止
弁５６とを有することを特徴とする風呂落とし込み注湯
用縁切り装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給湯器からの注湯
通路と風呂追焚き用循環通路との間に設けられ、注湯時
に前記注湯通路からの水を風呂追焚き用循環通路に落と
し込み、非注湯時に風呂追焚き用循環通路の水が該注湯
通路側に流れ込むのを防止する縁切り装置の改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】給湯器付きの風呂釜装置は、風呂追い焚
き用の循環通路内の汚水と給湯器内の上水との間を縁切
りする必要がある。従って、循環通路と給湯器からの注
湯通路との間に風呂落とし込み注湯用縁切り装置が設け
られている。

【０００３】図４，５は、従来の風呂落とし込み注湯用
縁切り装置であるホッパーの構造を示す図である。図４
が浴槽への注湯時の弁の状態を示し、図５が非注湯時の
弁の状態を示している。給湯器側１０には、給湯熱交換
機１１、水量センサー１２、水制御部１３及び注湯口１
５が設けられ、更に注湯通路１４により風呂追い焚き側
２０の循環通路２４に接続される。風呂追い焚き側２０
には、風呂熱交換機２１から追い焚き往き管２２と戻り
管２３が出て浴槽２７に循環金具２６によって接続され
る。往き管２２と戻り管２３とで追い焚き循環通路２４
が形成される。この循環通路２４内には、循環ポンプ２
５や圧力センサ２９が設けられている。

【０００４】給湯器側１０からの注湯通路１４と追い焚
き循環通路側２０との間には縁切り装置としてホッパー
３０が設けられている。このホッパー３０の構成は、注
湯時に開く注湯電磁弁３１、非注湯時に開いて通路内の
水を排除する排水タンク弁３２、注湯時に開く負圧閉止
弁３４、逆流防止用の逆止弁３５、更に排水タンク３
３、水位スイッチ３８、排水口３９、逆止弁３６、そし
て排水電磁弁３７から構成される。

【０００５】このホッパー３０の動作は、次の通りであ
る。先ず注湯時には、図示しないコントローラにより注
湯電磁弁３１が開かれる。その結果、給湯器側１０の湯
が注湯通路１４から注湯電磁弁３１を通過する。排水タ
ンク弁は、上側にバネの弾性力により押し上げられてい
る弁であるが、注湯通路１４からの水圧により押し下げ
られ排水タンク３３の栓を閉じる。その結果、注湯通路
１４からの湯は負圧閉止弁３４に供給される。負圧閉止
弁３４は上流側からの水圧によりその弁を支持するダイ
ヤフラムを介して押し上げられ、更に逆止弁３５も押し
下げられて、注湯通路１４からの湯は追い焚き通路側２
０に供給される。

【０００６】一方、非注湯時には、図５に示される通り
コントローラによって注湯電磁弁３１が閉じられる。そ
の結果排水タンク弁３２は上流からの水圧がなくなりバ
ネの弾性力により排水タンクの栓を開く。その結果通路
内の水が、残水４１の如く排水タンク３３内に溜められ
る。その結果、通路内は空気４０で満たされることにな
る。また、負圧閉止弁３４は上流からの水圧がなくなり
閉じて、また逆止弁３５も同様に閉じる。

【０００７】その結果、給湯器側１０からの注湯通路１
４の水と追い焚き循環通路側２０の水との縁切りが達成
される。そして、たとえ給湯器側１０から負圧がかかっ
たとしても、或いは浴槽２７がホッパー３０よりも高い
位置に設置されていて追い焚き側２０から水圧がかかっ
たとしても、追い焚き側２０の汚水が注湯通路１４側に
逆流することはない。更に、注湯弁３１やその他の弁が
故障したとしても、風呂追い焚き側の汚水は最悪排水タ
ンク３３内に溜められ排水口３９から流れ落ちるので、
如何なる場合でも縁切りが保証される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、注湯と非注
湯を繰り返すとやがて排水タンク３３内に残水４１が溜
まってしまうために、逆止弁３６、排水電磁弁３７、水
位スイッチ３８及び二方弁２８を設けている。水位スイ
ッチ３８が残水を検知すると、図示しないコントローラ
が排水電磁弁３７を開き、二方弁２８を閉じて循環ポン
プ２５を駆動して強制的に排水タンク３３内の残水４１
を浴槽２７に排水しなければならない。排水口３９から
頻繁に排水することは屋外の通路等に風呂釜が設置され
る場合等は好ましくないからである。

【０００９】上記した排水タンク３３、逆止弁３６、排
水電磁弁３７や二方弁２８等は単に水切りした結果の残
水４１を処理するためのものであるが、その部品点数は
多くコスト高を招いていた。

【００１０】そこで、本発明の目的は、上記の従来のホ
ッパー構造よりも部品点数を減らし、より簡単な構造で
有効に縁切り機能を持つことができる縁切り装置を提供
することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、給湯器からの注湯通路と風呂追焚き用循環通路
との間に設けられ、注湯時に前記注湯通路からの水を風
呂追焚き用循環通路に落とし込み、非注湯時に風呂追焚
き用循環通路の水が該注湯通路側に流れ込むのを防止す
る縁切り装置において、注湯時に前記注湯通路の通路を
開放する注湯弁と、該注湯弁の下流側にあって非注湯時
に開かれて注湯通路内への空気導入を可能にするエアー
チャージ弁と、該エアーチャージ弁の下流側に設けら
れ、上流側から水圧がかかる時に開き下流側に負圧がか
かると閉じる負圧閉止弁及び前記風呂追い焚き用循環通
路からの逆流を防止する逆止弁とを有することを特徴と
する風呂落とし込み注湯用縁切り装置を提供することに
より達成される。

【００１２】更に、本発明によれば、前記エアーチャー
ジ弁は、前記注湯弁と負圧閉止弁との間の注湯通路に設
けられ、該注湯通路の上側に弁が設けられ、該弁は注湯
時に閉じられ、非注湯時に開かれる様制御されることを
特徴とする。

【００１３】更に本発明によれば、前記エアーチャージ
弁の注湯通路側とは反対側に排水口を有し、該排水口が
注湯弁より低い位置に設けられていることを特徴とす
る。

【００１４】上記構成にすることにより、逆止弁等が故
障してもエアーチャージ弁から空気が入るので給湯器側
と風呂追い焚き側の水の縁切りを行うことができる。ま
た、負圧閉止弁と逆止弁を使用したことで、浴槽が高い
位置にあっても逆止弁で逆流を防止することができ、浴
槽が低い位置にあっても負圧閉止弁により循環通路内に
空気が入ることはない。従って、浴槽位置にかかわらず
使用することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲
はその実施の形態に限定されるものではない。

【００１６】図１、２は本発明の実施の形態における縁
切り装置であるホッパー５０の構成図である。図１が注
湯時で、図２が非注湯時を示している。図１、２の構成
は、給湯器側１０、風呂追い焚き側２０は従来例とほぼ
同じ構造である。唯一、風呂追い焚き側２０の二方弁が
削除されている点で異なる。

【００１７】本実施の形態例では、注湯通路１４から風
呂追い焚き循環通路側２０までの間のホッパー５０は、
順番に注湯電磁弁５１、逆止弁５２、エアーチャージ弁
５４、負圧閉止弁５５、逆止弁５６が設けられた構造に
なっている。エアーチャージ弁５４は、逆止弁５２と負
圧閉止弁５５との間の注湯通路５３の上側に設けられて
いて、エアーチャージ弁５４の先には、非常時のオーバ
ーフローのための排水口５７が設けられる。

【００１８】先ず図１を参照して注湯時について説明す
る。注湯時は図示しないコントローラにより注湯電磁弁
５１が開かれ、エアーチャージ弁５４は閉じられる。注
湯通路１４からの水圧により逆止弁５２が押し下げられ
て開かれる。その結果、通路５３を介して負圧閉止弁５
５に水圧がかかりダイヤフラムが押し上げられて弁が開
かれ、逆止弁５６が押し下げられて開かれる。その結
果、給湯器側１０から注湯通路１４を介して風呂側の循
環通路２４に湯が供給される。この注湯時では、風呂側
の汚水が給湯器側１０に逆流することはない。

【００１９】次に、図２を参照して非注湯時について説
明する。非注湯時には、コントローラにより注湯電磁弁
５１が閉じられ、エアーチャージ弁５４は開かれる。注
湯電磁弁５１が閉じられることで逆止弁５２には水圧が
かからず、押し上げられて閉じる。そして、通路５３内
には十分な水圧がなくなり負圧閉止弁５５のダイヤフラ
ムを押し上げる力がなくなり弁は閉じる。同様に逆止弁
５６も閉じる。この結果、給湯器側１０と風呂追い焚き
側２０とは分離される。

【００２０】この時に、例えば給湯器側１０に何らかの
要因で負圧がかかったとし、しかも注湯電磁弁５１や逆
止弁５２に損傷が発生してその弁が開いたとしても、エ
アーチャージ弁５４が開いているので、そこから空気が
通路５３内に入り込み、追い焚き側２０から汚水が逆流
することはない。

【００２１】また、負圧閉止弁５５を設けたことによ
り、浴槽２７がホッパー５０よりも低い場所に設置され
て通常の非注湯状態の時に風呂追い焚き側２０から負圧
がかかったとしても、負圧閉止弁５５はその負圧により
しっかりと閉じた状態を維持するので、エアーチャージ
弁５４から風呂の循環通路２４側へ空気が流入すること
はない。従って、風呂循環通路内に圧力センサ２９を設
けている場合でも、循環通路２４にエアーが入らないの
で有効にセンサ２９で浴槽の水位を検出することができ
る。また、循環通路２４内に空気が入り循環ポンプ２５
を再度駆動した時にその空気巻き込みにより雑音が発生
するのを防止することができる。

【００２２】更に、逆止弁５２、５６、負圧閉止弁５
５、注湯電磁弁５１に損傷が発生したとしても、エアー
チャージ弁５４が開かれているので、風呂の循環通路２
４側の汚水が例え逆流したとしてもエアーチャージ弁５
４から排水口５７にその汚水が流れ出るだけで、注湯電
磁弁５１の栓から注湯通路１４側に流れ出ることはな
い。従って、エアーチャージ弁５４の排水口５７の位置
は、注湯電磁弁５１の栓の位置よりも低く設定されてい
る必要がある。そうすることで、風呂側の汚水は如何な
る場合でも注湯通路１４側に流れることなく排水口５７
から流れ出ることになる。

【００２３】尚、排水口５７には、逆止弁５２，５４や
負圧閉止弁５５、注湯電磁弁５１等が正常に動作してい
る通常状態では、注湯と非注湯を繰り返しても水が溢れ
出ることはない。

【００２４】また、上記した縁切り装置としてのホッパ
ー５０の場合には、浴槽２７がホッパー５０より高い位
置に設置されても低い所に設置されても、通常状態の非
注湯時には、逆止弁５６と負圧閉止弁５５がそれぞれの
水圧（高い位置）と負圧（低い位置）に抗して閉じた状
態を維持するので、浴槽の位置に係わらず使用すること
ができる。従って、浴槽２７の位置を調べる必要がな
く、風呂循環通路２４内に水圧センサー２９を設けない
ものでも、何ら支障なく設置することができる。

【００２５】図３は、本発明に使用する負圧閉止弁５５
の一例の概略構成図である。この例では、ダイヤフラム
５５１で支持される弁５５３がバネ５５２により押し下
げられる構造である。図に示されるような水圧が上流側
からかかると、ダイヤフラム５５１がバネ５５２に抗し
て押し上げられ、破線で示した通り弁を開くことにな
る。一方、水圧がない場合にはバネの弾性力により弁５
５３は実線の如く閉じられる。そして、下流側から図示
されるような負圧がかかると、弁５５３はますます押し
下げられて強固に弁を閉じることになる。従って、逆止
弁５６と組み合わせることで、浴槽２７が高い位置の場
合に対しては逆止弁で逆流を防止し、浴槽２７が低い位
置の場合に対してはエアーチャージ弁５４が開いていて
も負圧がかかって閉止状態の負圧閉止弁５５により通路
５３から循環通路２４への空気もれを防止することがで
きる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、注
湯弁、エアーチャージ弁、負圧閉止弁及び逆止弁の簡単
な組み合わせにより、浴槽が高い位置に設置される場合
も低い位置に設置される場合も区別なく使用することが
でき、また縁切りの為の特別の排水構造や制御シーケン
スを設ける必要もない縁切り装置を提供することができ
る。従って、縁切りの機能を損なうことなく部品数を減
らしてコストを下げることができるので、給湯器付きの
風呂釜装置に利用される縁切り装置として非常に有用で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の縁切り装置の構成図（注
湯時）である。

【図２】本発明の実施の形態の縁切り装置の構成図（非
注湯時）である。

【図３】負圧閉止弁の一例の構成図である。

【図４】従来のホッパーの構成を示す図（注湯時）であ
る。

【図５】従来のホッパーの構成を示す図（非注湯時）で
ある。

【符号の説明】

１０ 給湯器側 １４ 注湯通路 ２０ 風呂追い焚き側 ２４ 循環通路 ５０ ホッパー（縁切り装置） ５１ 注湯弁 ５２ 逆止弁 ５３ 通路 ５４ エアーチャージ弁 ５５ 負圧閉止弁 ５６ 逆止弁 ５７ 排出口

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯器からの注湯通路と風呂追焚き用循環
   通路との間に設けられ、注湯時に前記注湯通路からの水
   を風呂追焚き用循環通路に落とし込み、非注湯時に風呂
   追焚き用循環通路の水が該注湯通路側に流れ込むのを防
   止する縁切り装置において、 注湯時に前記注湯通路の通路を開放する注湯弁と、 該注湯弁の下流側にあって非注湯時に開かれて注湯通路
   内への空気導入を可能にするエアーチャージ弁と、 該エアーチャージ弁の下流側に設けられ、上流側から水
   圧がかかる時に開き下流側に負圧がかかると閉じる負圧
   閉止弁及び前記風呂追い焚き用循環通路からの逆流を防
   止する逆止弁とを有することを特徴とする風呂落とし込
   み注湯用縁切り装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の縁切り装置において、 前記エアーチャージ弁は、前記注湯弁と負圧閉止弁との
   間の注湯通路に設けられ、該注湯通路の上側に弁が設け
   られ、該弁は注湯時に閉じられ、非注湯時に開かれる様
   制御されることを特徴とする。
3. 【請求項３】請求項１記載の縁切り装置において、 前記エアーチャージ弁の注湯通路側とは反対側に排水口
   を有し、該排水口が注湯弁より低い位置に設けられてい
   ることを特徴とする。