JPH0712844Y2 - 給湯器付き風呂釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、水道直圧方式によって給湯回路から浴槽内へ
湯を給湯する給湯器付き風呂釜に関する。

［背景技術］ 従来の水道直圧方式の給湯器付き風呂釜においては、給
湯回路に逆流防止器が設けられている。この逆流防止器
は、給湯時には内部の逆流防止室に湯を充満させ、逆流
防止器の入水側と出水側を接続し、給湯圧によって循環
回路を介して浴槽内へ湯を落とし込む構造となってい
る。すなわち、給湯時には循環ポンプは停止し、水道圧
のみにより給湯回路から浴槽内へ湯を落とし込んでい
る。また、非給湯時には逆流防止器の逆流防止室内がエ
アによって置換され、逆流防止器の入水側と出水側がエ
アにより分離されている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のように、従来の水道直圧方式の給湯器付き風呂釜
にあっては、給湯時には、循環ポンプを停止したままで
水道圧のみによって浴槽へ湯を落とし込んでいる。

しかしながら、このような方式の風呂釜にあっては、水
道の元水圧が低下した場合、あるいはカランやシャワー
等が使用されている場合には、浴槽への落とし込み流量
が小さくなる。このため、給湯温度が高くなり過ぎた
り、浴槽内に湯を張るのに時間がかかり過ぎるといった
問題がある。

しかして、本考案は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、水道直圧方式
の自動風呂釜において給湯側の落とし込み流量が少なく
なり過ぎないようにすることにある。

［課題を解決するための手段］ このため、本考案の給湯器付き風呂釜は、浴槽内の湯を
循環させるための循環回路と、給湯器から循環回路の循
環ポンプ吸込側に接続された給湯回路とを備え、給湯時
に湯を充満させられて連通状態になると共に非給湯時に
内部をエアと置換される逆流防止器を給湯回路に設け、
循環回路を介して給湯回路から浴槽へ湯を落とし込むよ
うにした給湯器付き風呂釜において、前記給湯回路に落
とし込み流量を検知するための手段を有し、給湯時に前
記落とし込み流量検知手段により検知された落とし込み
流量が一定値以下の場合に、循環回路に設けた循環ポン
プを運転するコントローラを備えたことを特徴としてい
る。

［作用］ 本考案の給湯器付き風呂釜は、通常は水道直圧方式で浴
槽内に湯を落とし込むものであるから、給湯時に循環ポ
ンプの運転音が発生せず、風呂釜の騒音発生量を少なく
でき、また風呂釜の運転コストも安価に済ませられる。
また、湯落とし込み時には水道直圧方式で給湯できる
が、非給湯時には逆流防止室内のエアによって給湯回路
を分断することができ、雑水が上水側へ逆流するのを防
止できる。

しかも、本考案によれば、給湯回路の落とし込み流量が
少なくなった場合には、これを落とし込み流量検知手段
によって検知し、循環ポンプを運転してそのポンプ圧に
よって浴槽内へ湯を落とし込むことができるものであ
り、常に一定流量以上の湯を浴槽内に落とし込むことが
できる。したがって、給湯回路からの落とし込み流量が
非常に小さくなり、浴槽への湯張り時間が非常に長くな
るのを防止できる。また、給湯回路における流量が非常
に小さくなり、このため熱交換器で過熱状態となり、浴
槽に落とし込まれる湯の温度が上昇し過ぎるのを防止で
きる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図に基づいて詳述する。

第１図に示すように、浴槽１のバスアダプター８には、
浴槽１内の湯を循環させるための循環回路２が接続され
ており、循環回路２には浴槽１内の湯を追い焚きするた
めの風呂用熱交換器９と、浴槽１内の湯を強制的に循環
させるための循環ポンプ４と、浴槽１内水位がバスアダ
プター８のレベル以上か否かを検出するための水スイッ
チ10と、バスアダプターレベル以上の水位で浴槽１内水
位を検出する水位センサー11とが設けられている。一
方、入水回路12から送り込まれた水を給湯器３で過熱し
て循環回路２に湯を落とし込むための給湯回路５は、三
方弁13を介して循環回路２の循環ポンプ４の吸込側に接
続されている。入水回路12には水量センサー14が設けら
れており、給湯回路５には水量サーボバルブ15が設けら
れており、給湯回路５からはカランやシャワー等に湯を
送るための出湯回路16が分岐させられている。また、給
湯回路５には、給湯回路５から循環回路２へ送り込む湯
の流量を検出するための落とし込み流量センサー７と、
給湯回路５を開閉するための落とし込み開閉弁17と、逆
流防止器６が設けられている。

逆流防止器６のケーシング18内には、第１図に示すのよ
うに逆流防止室19が設けられており、逆流防止室19の下
には仕切り板20を介して水溜めホッパ23が設けられてい
る。逆流防止室19の上面には給湯回路５に連通した逆流
防止室入り口21が設けられており、側面には給湯回路５
に連通した逆流防止室出口22が設けられており、仕切り
板20には水溜めホッパ23に連通した水逃がし孔24が開口
されている。また、逆流防止室19内には、軸杆25の両端
に固定された第一逆止弁26と逆流防止室開閉弁27とが納
入されており、第一逆止弁26は入り口21に対向して入り
口21を開閉できるようになっている。また、逆流防止室
開閉弁27は、仕切り板20の水逃がし孔24に対向してお
り、第一逆止弁26と連動して水逃がし孔24を開閉するよ
うになっている。この両弁26,27は、仕切り板20と第一
逆止弁26の間に配設されたバネ28によって上方（すなわ
ち、第一逆止弁26の閉成方向及び逆流防止室開閉弁27の
開成方向）に付勢されている。また、逆流防止室出口22
の側方には、第二逆止弁収納室29が設けられており、第
二逆止弁収納室29内にはバネ30によって閉成方向へ付勢
された第二逆止弁31が収納されている。一方、水溜めホ
ッパ23は、上部側面に設けられたオーバフロー管32を介
して大気に連通させられており、水溜めホッパ23の底面
には排水口33が開口し、この排水口33に接続されたバイ
パス管34は前記三方弁13に接続されている。この三方弁
13は、給湯回路５側と循環回路２間を連通させると共に
バイパス管34と循環回路２の間を閉成した状態（給湯
時）と、給湯回路５側と循環回路２間を閉成させると共
にバイパス管34と循環回路２の間を連通させた状態（水
溜めホッパ排水時）と、両水路を共に閉止した状態（追
い焚き時）とに切り替えることができるようになってい
る。

しかして、給湯時にあっては、落とし込み開閉弁17を開
成すると共に三方弁13により給湯回路５側と循環回路２
側とを連通させると、入り口21に加わる給湯圧によって
第一逆止弁26が押し開かれ、これと連動して逆流防止室
開閉弁27が閉成される。よって、逆流防止室19内に湯が
充満し、給湯圧によって第二逆止弁31が開成され、逆流
防止室19内に充満した湯により入り口21側と出口22側と
で給湯回路５が接続され、水道圧によって給湯回路５か
ら循環回路２を介して浴槽１内に湯が落とし込まれる。

また、給湯時の落とし込み流量は落とし込み流量センサ
ー７によって検知されており、その検知信号がコントロ
ーラ35に送り込まれている。コントローラ35では、この
落とし込み流量が所定値（例えば10l/分）よりも小さい
か否か比較判断しており、落とし込み流量が所定値より
も小さくなった場合には、給湯時でも循環ポンプ４を運
転するよう設定されている。しかして、落とし込み流量
が少ない場合には、水量サーボバルブ15を開成して流量
を増大させるが、水量サーボバルブ15を全開にしても流
量が所定値以下のままである場合には、循環ポンプ４を
運転してポンプ圧により給湯回路５から循環回路２へ湯
を落とし込まれ、十分な流量の湯を浴槽１内に落とし込
むことができる。

コントローラ35による上記給湯時の制御動作を第２図の
フロー図に従って説明する。三方弁13により給湯回路５
側と循環回路２側とを連通させた給湯時の状態におい
て、落とし込み開閉弁17が開成されると（S41）、浴槽
１への給湯が開始する。給湯が開始すると、落とし込み
流量センサー７によって落とし込み流量を検知し（S4
2）、コントローラ35は、落とし込み流量が所定値より
も小さいか否か、比較判断する（S43）。落とし込み流
量が所定値よりも大きい場合には、循環ポンプ４を運転
することなく（あるいは、循環ポンプ４を停止して）給
湯を行う（S44）。また、落とし込み流量が所定値より
も小さい場合には、前記のように、循環ポンプ４を運転
して給湯を行う（S45）。さらに、落とし込み開閉弁17
が開いているか否か判断し（S46）、落とし込み開閉弁1
7が閉じられれば給湯を終了し、閉じられていなければ
給湯を続ける。

なお、風呂釜に用いられている循環ポンプ４は小型のも
のであるので、そのポンプ圧は一般に水道圧よりも小さ
いが、水道圧が低下するなどしてポンプ圧によって送る
ことのできる流量よりも落とし込み流量が低下した場合
には、循環ポンブを用いるメリットがあり、上記所定値
もこのような値に設定しておくのが良い。

また、落とし込み開閉弁17を閉成して給湯を停止する
と、逆流防止室19内の水圧が低下して第一及び第二逆止
弁26,31が閉成され、これと連動して逆流防止室開閉弁2
7が開成される。このため、逆流防止室19内の湯は、水
逃がし孔24から水溜めホッパ23内に排水され、逆流防止
室19内が速やかにエアによって置換される。よって、エ
アにより逆流防止室19の入り口21側と出口22側とで給湯
回路５が分離され、循環回路２側の雑水が給湯器３側へ
逆流するのを防止できる。

なお、水溜めホッパ23内に落ちて溜まっている湯は、三
方弁13を切り替えて循環回路２側とバイパス管34側を連
通させ、循環ポンプ４を運転することにより循環回路２
を通って浴槽１へ排出される。

［考案の効果］ 本考案によれば、水道圧を利用して直接給湯器側の湯を
浴槽へ落とし込む水道直圧方式の風呂釜において、水道
圧だけでは十分な落とし込み流量を得ることができない
場合には、循環ポンプを運転して循環ポンプの力により
湯を落とし込むようにしたので、給湯回路の落とし込み
流量が少なくなり過ぎることを防止できる。したがっ
て、給湯回路の元水圧が非常に小さくなったような場合
にも、一定流量以上の給湯を行うことができ、浴槽内へ
の湯の落とし込み時間を短くできる。また、流量が少な
くなって浴槽内に落とし込まれる湯の温度が過昇するこ
とを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す風呂釜の概略図、第２
図は同上の風呂釜の動作順序を説明するフロー図であ
る。 １……浴槽、２……循環回路 ３……給湯器、４……循環ポンプ ５……給湯回路、６……逆流防止器 ７……落とし込み流量センサー 35……コントローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽内の湯を循環させるための循環回路
   と、給湯器から循環回路の循環ポンプ吸込側に接続され
   た給湯回路とを備え、給湯時に湯を充満させられて連通
   状態になると共に非給湯時に内部をエアと置換される逆
   流防止器を給湯回路に設け、循環回路を介して給湯回路
   から浴槽へ湯を落とし込むようにした給湯器付き風呂釜
   において、 前記給湯回路に落とし込み流量を検知するための手段を
   有し、給湯時に前記落とし込み流量検知手段により検知
   された落とし込み流量が一定値以下の場合に、循環回路
   に設けた循環ポンプを運転するコントローラを備えたこ
   とを特徴とする給湯器付き風呂釜。