JPH09263787A - 高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法

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JPH09263787A
JPH09263787A JP9025851A JP2585197A JPH09263787A JP H09263787 A JPH09263787 A JP H09263787A JP 9025851 A JP9025851 A JP 9025851A JP 2585197 A JP2585197 A JP 2585197A JP H09263787 A JPH09263787 A JP H09263787A
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fatty acid
alkyl ester
liquid
unsaturated fatty
highly unsaturated
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JP9025851A
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Kazuhiro Akama
和博 赤間
Shigeru Matsuyoshi
繁 松吉
Masato Mori
真人 森
Yoshiro Nakano
善郎 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルを
含有する混合物から、熱異性化物を生成することなく、
純度90重量%以上の高純度の高度不飽和脂肪酸又はそ
のアルキルエステルを、工業的に容易に、かつ収率よく
得ることができる高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエ
ステルの製造方法を提供する。 【解決手段】高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステ
ルを含有する混合物より、液液抽出法及び超臨界ガス抽
出法を行うことにより、高度不飽和脂肪酸又はそのアル
キルエステルを分別、濃縮することを特徴とする高度不
飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度不飽和脂肪酸
又はそのアルキルエステルの製造方法に関する。さらに
詳しくは、本発明は、エイコサペンタエン酸、ドコサヘ
キサエン酸又はそれらのアルキルエステルを含む混合物
を、熱による変性のない穏和な条件下で、分別及び濃縮
することを可能とする高度不飽和脂肪酸及びそのアルキ
ルエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、純度90重量%以上のエイコ
サペンタエン酸エチルが、高脂血症改善薬として有用で
あることが知られている。また、ドコサヘキサエン酸に
は、学習能を高める作用があると言われている。エイコ
サペンタエン酸などの高度不飽和脂肪酸誘導体の工業的
な製造は、化学合成では極めて困難であり、海産動植物
油などを原料に用いなければならない。海産動植物油の
脂肪酸組成は、主に炭素数が12から22までの脂肪酸
であり、それぞれの炭素数の脂肪酸に対して二重結合数
の異なる脂肪酸が多数含まれていて、その中から所望の
炭素数と二重結合数を有する脂肪酸を分離するために
は、高度な技術が必要である。
【0003】これまでに、高度不飽和脂肪酸であるエイ
コサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸及びそれらの誘
導体の精製方法が数多く提案されている。このような精
製方法としては、蒸留法、超臨界ガス抽出法、尿素付加
法、液液抽出法、カラムクロマトグラム法などが知られ
ている。蒸留法は、沸点の差を利用して分別を行う方法
であり、脂肪酸のアシル基の炭素数差による分離が可能
であり、例えば、特開平4−128250号公報には、
蒸留による高純度エイコサペンタエン酸又はそのエステ
ルの製造方法が提案されている。しかし、炭素数が同じ
で二重結合が異なる脂肪酸の混合物にあっては、その沸
点が近接しているために分離が困難であり、また高温を
伴うために熱異性化物及び重合物を生成しやすいという
問題がある。
【0004】超臨界ガス抽出法は、超臨界状態の流体を
抽出剤として用い、抽出塔内で縦方向の温度勾配をかけ
ることにより、蒸留と同様に脂肪酸のアシル基の炭素数
差による分離を行う方法であり、例えば、特開昭64−
7906号公報、特開昭62−72793号公報などに
は、エイコサペンタエン酸を含む魚油エステルを、超臨
界状態の二酸化炭素を用いて抽出する方法が提案されて
いる。しかし、超臨界ガス抽出法によっては、エイコサ
ペンタエン酸とドコサヘキサエン酸との分離ができず、
高純度の高度不飽和脂肪酸を得ることは困難である。尿
素付加法は、尿素と飽和脂肪酸及びモノ不飽和脂肪酸
が、包接化合物を容易に形成することを利用した分別法
であり、脂肪酸のアシル基の二重結合数の相違による分
別が可能である。例えば、特開昭58−8037号公報
には、天然油脂から得られる脂肪酸混合物を連続式蒸留
に付したのち尿素処理するエイコサペンタエン酸又はそ
のエステルの製法が提案されており、特開昭60−21
4757号公報には、脂肪酸又はそのエステル混合物
を、超臨界状態の二酸化炭素と固体尿素と接触させるエ
イコサペンタエン酸又はドコサヘキサエン酸の濃縮分離
方法が提案されている。しかし、尿素付加法によって
は、エイコサペンタエン酸と炭素数が同じ20であっ
て、二重結合数が2〜4である不飽和脂肪酸を分別する
ことができず、エイコサペンタエン酸のみを選択的に濃
縮することは非常に困難である。
【0005】液液抽出法は、脂肪酸誘導体混合物を極性
溶媒と非極性溶媒との混合物に溶解したときに、それぞ
れの溶媒に対する高度不飽和脂肪酸又はその誘導体の分
配率が脂肪酸の種類によって異なることを利用して、極
性溶媒中に高度不飽和脂肪酸誘導体を濃縮する方法であ
る。例えば、特開昭64−83043号公報には、脂肪
酸分子鎖と類似の構造を有する炭化水素系溶剤と、カル
ボキシル基と溶媒和し不飽和結合と親和性のある極性溶
剤を用いる分別抽出法が提案されている。しかし、液液
抽出法によっては、エイコサペンタエン酸とドコサヘキ
サエン酸を分離することは困難である。さらに、特開平
4−159398号公報、特開平4−218596号公
報、特開平4−243849号公報などには、極性溶媒
に硝酸銀を共存させて高度不飽和脂肪酸誘導体を濃縮す
る方法が提案されているが、硝酸銀を用いる方法を工業
的規模で実現するのは困難であり、炭素数の違いを利用
して分離することもできない。カラムクロマトグラフ法
は、炭素数と二重結合数の相違を同時に利用して分離を
行う方法であり、例えば、昭60−208940号公報
には、逆相分配クロマトグラフィーによる長鎖不飽和脂
肪酸化合物の分離精製法が提案され、特開昭63−29
0845号公報には、ゼオライトを用いて吸脱着するこ
とによるエイコサペンタエン酸エステルの濃縮分離方法
が提案され、さらに、特開平5−287295号公報に
は、二重結合と親和性を有する金属イオンを担持した粘
土鉱物を分離担体とし、超臨界流体を溶離剤として用い
る高度不飽和脂肪酸の分離精製方法が提案されている。
しかし、大量製造設備の実現は、大型カラムの設計など
の点で工業的に困難である。
【0006】したがって、上記のいずれの製造方法によ
っても、魚油を原料として、エイコサペンタエン酸など
の高度不飽和脂肪酸又はその誘導体を高純度に濃縮する
には技術的な限界があり、工業的に実現困難であった。
このために、実用化にあたっては、炭素数の違いで分別
する分別法と、二重結合数の違いで分別する分別法を適
宜組み合わせる方法を選択することが好ましいとされて
いる。例えば、特公平3−47259号公報には、脂肪
酸エステルを真空蒸留したのち炭化水素系溶媒に溶解
し、炭化水素系溶媒と混じらない有機溶媒で抽出するエ
イコサペンタエン酸又はそのエステルの製造方法が提案
されている。また、特開平4−41457号公報には、
脂肪酸又はそのエステルの混合物を連続蒸留し、その主
留分を尿素溶液と接触させて尿素付加体を生成させたの
ち、非極性溶媒による抽出及び溶媒留去を行うことによ
り濃度85%以上のエイコサペンタエン酸又はそのエス
テルを得る方法が提案されている。
【0007】しかし、これらの方法も蒸留法を用いるた
め、高度不飽和脂肪酸又はその誘導体が塔底部分で約2
00℃の高温にさらされることになり、熱変性物である
熱異性化物及び重合物の生成が問題となる。例えば、こ
れらの方法でエイコサペンタエン酸を製造すると、エイ
コサペンタエン酸の熱異性化物がエイコサペンタエン酸
の製品中に混入し、純度低下をもたらすことから、純度
90重量%以上の高純度品を製造する方法としては適当
でない。また、熱異性化物は、天然には存在しない化合
物であり、医薬品あるいは食品として生体内に取り込ま
れたときに毒性を有する可能性があり、熱異性化物の製
品中への混入は避けることが好ましい。
【0008】一方、特開平1−249102号公報に
は、尿素付加法と温度勾配抽出塔による超臨界流体抽出
法とを組み合わせた方法が提案されており、この方法に
よれば熱異性化物の生成の問題は解決される。しかし、
尿素付加法では、二重結合数が1及び2の不飽和脂肪酸
は除去できるが、二重結合数が4であるC20:4脂肪
酸と二重結合数が5であるエイコサペンタエン酸の分離
は困難であり、超臨界ガス抽出法でもこれらの成分は分
離できないことから、目的とする製品の純度には限界が
ある。すなわち、エイコサペンタエン酸の高純度化を目
的としたとき、原料中のC20:4脂肪酸とエイコサペ
ンタエン酸の重量比が0.1以上であると、純度90重
量%以上の高純度エイコサペンタエン酸を製造すること
は困難である。通常、海産動植物油から得られる天然油
脂中のC20:4脂肪酸とエイコサペンタエン酸の重量
比は0.1〜0.2であり、C20:4脂肪酸とエイコサ
ペンタエン酸の重量比が0.1以下である脂肪酸混合物
を入手することは困難であるため、エイコサペンタエン
酸の純度が90重量%を超える製品を簡便に得ること
は、従来は困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度不飽和
脂肪酸又はそのアルキルエステルを含有する混合物か
ら、熱異性化物を生成することなく、純度90重量%以
上の高純度の高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステ
ルを、工業的に容易に、かつ収率よく得ることができる
高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高度不飽和脂肪
酸又はそのアルキルエステルを含有する混合物を、二重
結合の差で分別を行う液液抽出法及び炭素数の違いで分
別を行う超臨界ガス抽出法を組み合わせて処理すること
により、熱異性化物を生成することなく、高純度の高度
不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルを高収率で得る
ことが可能となることを見いだし、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルを含
有する混合物より、液液抽出法及び超臨界ガス抽出法を
行うことにより、高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエ
ステルを分別、濃縮することを特徴とする高度不飽和脂
肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法、(2)液液
抽出法が、極性溶媒として水溶性溶媒を用い、非極性溶
媒として炭化水素系溶媒を用いるものである第(1)項記
載の高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造
方法、(3)高度不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン
酸又はドコサヘキサエン酸であり、アルキルエステルの
アルキル基の炭素数が1〜4である第(1)項又は第(2)
項記載のいずれかの高度不飽和脂肪酸又はそのアルキル
エステルの製造方法、(4)高度不飽和脂肪酸又はその
アルキルエステルを含有する混合物において、エイコサ
ペンタエン酸又はそのアルキルエステルの含有率が8重
量%以上であり、C20:4脂肪酸又はそのアルキルエ
ステルとエイコサペンタエン酸又はそのアルキルエステ
ルの重量比が0.08〜0.22である第(1)項、第(2)
項又は第(3)項記載のいずれかの高度不飽和脂肪酸又は
そのアルキルエステルの製造方法、及び、(5)分別、
濃縮された高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステル
の純度が90重量%以上となるよう、液液抽出法及び超
臨界ガス抽出法を行う第(1)項、第(2)項、第(3)項又
は第(4)項記載のいずれかの高度不飽和脂肪酸又はその
アルキルエステルの製造方法、を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法は、高度不飽和脂肪酸
又はそのアルキルエステルに適用することができる。本
発明方法において、高度不飽和脂肪酸とは、脂肪酸二重
結合数/(脂肪酸炭素数−10)で表される二重結合度が
0.45以上の不飽和脂肪酸であり、このような脂肪酸
としては、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA、C
20:5)、ドコサヘキサエン酸(DHA、C22:
6)などを挙げることができる。また、アルキルエステ
ルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピ
ルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、
イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチ
ルエステルなどの炭素数1〜4の低級アルキルエステル
に特に好適に適用することができる。高度不飽和脂肪酸
のこれらの低級アルキルエステルを用いることにより、
容易に高純度、高収率を達成することができる。
【0012】本発明方法において、原料として用いる高
度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルを含有する混
合物には特に制限はなく、例えば、マイワシ油、アンチ
ョビー油、サンマ油、タラ油などの魚油に代表される海
産動物油や、植物プランクトンから得られる海産植物油
など、海産動植物由来のものを挙げることができる。本
発明方法において、エイコサペンタエン酸若しくはドコ
サヘキサエン酸又はこれらのアルキルエステルを高純度
で得るためには、海産動植物油のケン化物又はそのエス
テル化物、あるいは海産動植物油をアルコリシスして得
られる脂肪酸エステルを用いることが好ましく、魚油脂
肪酸のエチルエステルを用いることが特に好ましい。
【0013】本発明方法においては、高度不飽和脂肪酸
又はそのアルキルエステルを含有する混合物を、液液抽
出法及び超臨界ガス抽出法を行うことにより処理する。
液液抽出法及び超臨界ガス抽出法を行う順序には特に制
限はなく、例えば、液液抽出法を行ったのち超臨界ガス
抽出法を行うことができ、あるいは、超臨界ガス抽出法
を行ったのち液液抽出法を行うことができる。これらの
順序の中で、より高収率で高度不飽和脂肪酸又はそのア
ルキルエステルを得るためには、液液抽出法の後に超臨
界ガス抽出法を行うことが好ましい。本発明方法におい
ては、さらに、液液抽出法及び超臨界ガス抽出法に加え
て、尿素付加法、蒸留法などを組み合わせることができ
る。例えば、高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステ
ルを含有する混合物を、尿素付加法又は蒸留法により処
理したのち、液液抽出法及び超臨界ガス抽出法を行うこ
とができ、あるいは、液液抽出法を行ったのち尿素付加
法を行い、さらに超臨界ガス抽出法を行うなど、種々の
組み合わせを用いて処理することができる。蒸留法を組
み合わせるときは、熱異性化物の生成を防ぐために、蒸
留温度は200℃以下であることが好ましい。さらに
は、沸点温度より低温で蒸留が可能な流下式薄膜蒸留
器、分子蒸留器などを用いる薄膜蒸留法を用いることが
好ましい。
【0014】本発明方法においては、高度不飽和脂肪酸
又はそのアルキルエステルを含有する混合物より、液液
抽出法を行うことにより、高度不飽和脂肪酸又はそのア
ルキルエステルを分別、濃縮する。液液抽出法の操作に
は特に制限はないが、二相を形成する極性溶媒及び非極
性溶媒を用いることが好ましく、特に、極性溶媒として
水溶性溶媒を用い、非極性溶媒として炭化水素系溶媒を
用いることが好ましい。使用する水溶性溶媒には特に制
限はなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、t−ブタノール、フルフリルアルコール、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、エチレングリコール
モノアセテート、アセトン、アセトニトリルなどを挙げ
ることができる。これらの中で、アセトニトリルを特に
好適に使用することができる。使用する炭化水素系溶媒
は、水溶性溶媒と実質的に混合することなく二相を形成
するものであれば特に制限はなく、例えば、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、イソオクタン、イソドデカン、石
油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
ソルベントナフサ、テトラリン、デカリンなどを挙げる
ことができる。これらの中で、イソドデカン及びイソオ
クタンを特に好適に使用することができる。
【0015】本発明方法においては、高度不飽和脂肪酸
又はそのアルキルエステルを含有する混合物を、水溶性
溶媒と炭化水素系溶媒の混合物に加えて十分に混合し、
二層分離させたのち、高度不飽和脂肪酸又はそのアルキ
ルエステルが高濃度に分配させれた水溶性溶媒相を分取
し、さらに濃縮する。液液抽出法において、原料の高度
不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルと溶媒の混合方
法には特に制限はなく、例えば、高度不飽和脂肪酸又は
そのアルキルエステルに、水溶性溶媒を加えたのち炭化
水素系溶媒を加えることができ、炭化水素系溶媒を加え
たのち水溶性溶媒を加えることができ、あるいは、水溶
性溶媒と炭化水素系溶媒の混合物を加えることができ
る。本発明方法において、高度不飽和脂肪酸又はそのア
ルキルエステルと液液抽出用の溶媒の混合比は、高度不
飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルに対して水溶性溶
媒と炭化水素系溶媒の合計量が、重量比で0.1〜10,
000倍であることが好ましく、0.5〜100倍であ
ることがより好ましく、1〜10倍であることがさらに
好ましい。水溶性溶媒と炭化水素系溶媒との混合比は、
重量比で1:50〜50:1であることが好ましく、
1:30〜30:1であることがより好ましく、1:1
0〜10:1であることがさらに好ましい。
【0016】本発明方法において、液液抽出法の方式に
は特に制限はなく、例えば、バッチ方式により行うこと
ができ、あるいは、連続方式により行うことができる。
連続方式は、例えば、ミキサーセトラー、軽い液を塔底
より、重い液を塔頂より供給する向流分配塔、連続遠心
抽出機などを用いて行うことができる。バッチ方式によ
り液液抽出法を行う場合には、例えば、抽出槽に高度不
飽和脂肪酸又はそのアルキルエステル、水溶性溶媒及び
炭化水素系溶媒を仕込んで撹拌機により混合し、その後
静置して二層分離させことができる。二層分離後、それ
ぞれの溶媒層を分取することにより、一回の液液抽出が
完了する。液液抽出法は室温で行うことができるが、液
液抽出の温度が低いほど濃縮効果は高くなり、高温では
高度不飽和脂肪酸の熱異性化物が生ずるおそれがあるた
め、−30℃〜+70℃で行うことが好ましい。
【0017】本発明方法において、液液抽出法を繰り返
して行うことができる。例えば、1回目の液液抽出によ
り得られた炭化水素系溶媒層に、新たな水溶性溶媒を加
えて2回目の液液抽出を行うことができ、さらに得られ
た炭化水素系溶媒層に、新たな水溶性溶媒を加えて液液
抽出法を繰り返すことができる。このような操作によ
り、高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの収量
を多くすることができる。また、1回目の液液抽出によ
り得られた水溶性溶媒層に、新たな炭化水素系溶媒を加
えて2回目の液液抽出を行うことができ、さらに得られ
た水溶性溶媒層に、新たな炭化水素系溶媒を加えて液液
抽出法を繰り返すことができる。このような操作によ
り、高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの純度
を高めることができる。液液抽出工程の繰り返しは、バ
ッチ方式で抽出操作を繰り返すことにより、あるいは、
連続遠心抽出機などを用いて操作を連続的に繰り返すこ
とにより行うことができる。本発明方法において、新た
な炭化水素系溶媒を用いて液液抽出法を2回以上繰り返
すことが好ましく、3回以上繰り返すことがより好まし
い。液液抽出法を繰り返して、水溶性溶媒中のC20:
4脂肪酸とエイコサペンタエン酸の重量比を0.1以下
にすることにより、超臨界ガス抽出後の高度不飽和脂肪
酸又はそのアルキルエステルの純度を、容易に90重量
%以上とすることができる。
【0018】水溶性溶媒の溶液から、高度不飽和脂肪酸
又はそのアルキルエステルを濃縮するために、濃縮機を
用いて溶媒を留去することができる。使用する濃縮機に
は特に制限はなく、例えば、バッチ式あるいは連続式の
真空蒸発濃縮機、噴霧濃縮機、通風濃縮機、冷凍濃縮機
など公知の装置を使用することができる。本発明方法に
おいては、超臨界ガス抽出法により高度不飽和脂肪酸又
はそのアルキルエステルを抽出、濃縮する。超臨界ガス
抽出法に用いる抽出剤には特に制限はなく、例えば、二
酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタン、プロパン、
一酸化二窒素、クロロジフルオロメタン、クロロトリフ
ルオロメタンなどを使用することができるが、最終製品
が食品や医薬品であるときには、取り扱い上や安全性、
製品への混入による毒性の問題などを考慮すると、二酸
化炭素を使用することが好ましい。
【0019】抽出圧力は、使用する抽出剤の臨界圧力に
応じて適宜選定することができるが、通常は30〜30
0kg/cm2であることが好ましく、二酸化炭素を使用す
るときは70〜300kg/cm2であることが好ましい。
抽出温度は、使用する抽出剤の臨界温度に応じて適宜選
定することができるが、通常は25〜180℃であるこ
とが好ましく、抽出剤として二酸化炭素を使用するとき
は30〜100℃であることが好ましい。また、抽出温
度は、抽出塔全体の温度を一定の温度とすることがで
き、あるいは抽出塔の縦方向に温度勾配を設けることが
できる。温度勾配は、塔底温度30〜70℃、塔頂温度
40〜100℃で、塔頂と塔底の温度差が10〜70℃
になるように設定することが好ましい。抽出塔は、塔方
向に温度勾配を付与し得るように多段構造を有し、各段
毎に加熱装置を設けて温度制御を可能とし、抽出塔の高
さ位置に応じて任意の温度勾配を設定可能とすることが
好ましい。抽出塔の原料導入部は、塔底又は塔中段に設
けることができる。また、抽出相は、抽出塔上部から取
り出すことができ、あるいは、各段ごとに取り出し口を
設けて、任意の段から採取することができる。
【0020】超臨界ガス抽出法においては、温度と圧力
を制御することによって、超臨界ガスに対する高度不飽
和脂肪酸又はそのアルキルエステルの溶解度の差を利用
して分離を行う。特に、エイコサペンタエン酸とドコサ
ヘキサエン酸との分別を効率よく行うには、圧力を一定
条件とし、塔方向に温度勾配を設ける運転条件とするこ
とが好ましい。高純度のエイコサペンタエン酸又はその
アルキルエステルを製造するときは、温度勾配は30〜
100℃の範囲で運転することが好ましい。エイコサペ
ンタエン酸の純度が90重量%以上である高純度エイコ
サペンタエン酸又はそのアルキルエステルを収率よく製
造するためには、1回目の超臨界ガス抽出操作で得られ
たエイコサペンタエン酸画分以外の前留分及び後留分の
エイコサペンタエン酸濃度の高い画分を合わせて、又
は、それぞれ前留分あるいは後留分のエイコサペンタエ
ン酸濃度の高い画分を合わせて、ふたたび超臨界ガス抽
出を行い高純度のエイコサペンタエン酸画分を採取し、
1回目で得られた画分と合わせることが好ましい。ま
た、この操作をさらに繰り返すことにより収率がさらに
向上するが、運転効率の点からは5回程度までの繰り返
しとすることが好ましい。
【0021】本発明方法においては、原料とする高度不
飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルを含有する混合物
において、エイコサペンタエン酸又はそのアルキルエス
テルの含有率が8重量%以上であることが好ましく、1
0重量%以上であることがより好ましい。原料中のエイ
コサペンタエン酸又はそのアルキルエステルの含有量が
8重量%以上であれば、本発明方法により容易に純度9
0重量%以上のエイコサペンタエン酸又はそのアルキル
エステルを製造することができる。本発明方法において
は、原料とする高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエス
テルを含有する混合物において、C20:4脂肪酸又は
そのアルキルエステルとエイコサペンタエン酸又はその
アルキルエステルとの重量比(C20:4/EPA)が
0.08〜0.22であることが好ましく、0.1〜0.2
であることがより好ましい。入手が容易な海産動植物油
に由来する原料では、C20:4脂肪酸又はそのアルキ
ルエステルとエイコサペンタエン酸又はそのアルキルエ
ステルの重量比が0.1未満であるものは少なく、0.0
8未満であるものはほとんど入手が困難である。C2
0:4脂肪酸又はそのアルキルエステルとエイコサペン
タエン酸又はそのアルキルエステルの重量比が0.22
以下であれば、最終製品中のC20:4脂肪酸又はその
アルキルエステルの含有量を十分に低下させ、高純度の
エイコサペンタエン酸又はそのアルキルエステルを得る
ことができる。
【0022】液液抽出法と超臨界ガス抽出法を組み合わ
せた本発明方法によれば、高度不飽和脂肪酸又はその誘
導体を含有する混合物から、熱異性化物を生成すること
なく、純度90重量%以上の高純度のエイコサペンタエ
ン酸若しくはドコサヘキサエン酸又はそれらの誘導体
を、大量に効率よく製造することが可能である。本発明
方法により製造された高度不飽和脂肪酸又はそのアルキ
ルエステルは、天然に存在しない熱異性化物を含有しな
いので、医薬品用又は食品用としてより高い安全性を有
する。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例におけるガスクロ
マトグラフィの条件及び評価方法を下記に示す。 ガスクロマトグラフィの条件; ガスクロマトグラフ:ヒューレットパッカード社製、H
P5890A キャリアガス及び流量:ヘリウム、1ml/min サンプル濃度:8mg/ml(ヘキサン溶液) 注入量:1μl インジェクション温度:250℃ カラム温度:140℃から210℃まで、5℃/minで
昇温 検出器温度:250℃ 検出器:FID カラム:DB−WAX(J&W)30m×0.25mm×
0.25μmFilm スプリット比:100:1
【0024】熱異性化物の含有率は、ガスクロマトグラ
ムの、エイコサペンタエン酸とヘンエイコサペンタエン
酸(C21:5)のピークの間にある、原料には認めら
れないピークを熱異性化物として、全脂肪酸に対する割
合を重量%で示した。二重結合度[脂肪酸二重結合数/
(脂肪酸炭素数−10)]の差による分離能は、最も分
離の困難である二重結合度0.4のエイコサテトラエン
酸(C20:4)と、二重結合度0.5のエイコサペン
タエン酸(EPA)の重量比、C20:4/EPAを求
めることにより評価した。炭素数分離能は、ドコサヘキ
サエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)
の重量比、DHA/EPAを求めることにより評価し
た。
【0025】実施例1 エイコサペンタエン酸含有率19.6重量%、C20:
4脂肪酸含有率1.9重量%(C20:4/EPA比=
0.097)の魚油脂肪酸エチルエステル87.7kgに、
アセトニトリル210.0kg、イソドデカン52.7kgを
加えて20℃で十分に混合し、静置後分離したアセトニ
トリル層を分取した。次いで2回目の抽出操作として、
分取したアセトニトリル層に新たにイソドデカン52.
7kgを加えて十分に混合し、静置後分離したアセトニト
リル層を分取した。さらに3回目の抽出操作として、分
取したアセトニトリル層に新たにイソドデカン52.7k
gを加えて十分に混合し、静置後分離したアセトニトリ
ル層を分取した。このようにして得られたアセトニトリ
ル層を濃縮してエイコサペンタエン酸含有率41.1重
量%(C20:4/EPA比=0.040)のエチルエ
ステル9.0kgを得た。この液液抽出法により得られたエ
チルエステル4.0kgを、内径3cm、高さ5m、段数6
段の超臨界ガス抽出塔を用い、塔頂温度70℃、塔底温
度40℃になるように温度勾配を設定し、抽出塔中段の
原料導入部より供給した。また、抽出剤として120kg
/cm2の高圧二酸化炭素を抽出塔底部から通過させ、抽
出塔上部より抽出相を取り出し、高圧二酸化炭素に溶解
しているエチルエステルを分取した。全フラクションの
40〜70重量%の部分を採取し、エイコサペンタエン
酸純度94.6重量%のエチルエステル1.2kgを得た。
このエチルエステルのガスクロマトグラムには、熱異性
化物に相当するピークは認められなかった。原料、液液
抽出後及び超臨界ガス抽出後の脂肪酸組成、並びに、二
重結合度分離能、炭素数分離能及び各段階におけるエイ
コサペンタエン酸収率を、第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 エイコサペンタエン酸含有率9.6重量%、C20:4
脂肪酸含有率2.0重量%(C20:4/EPA比=0.
208)の魚油脂肪酸エチルエステル87.7kgに、ア
セトニトリル210.0kg及びイソドデカン52.7kgを
加えて10℃で十分に混合し、静置後分離したアセトニ
トリル層を分取した。次いで2回目の抽出操作として、
分取したアセトニトリル層に新たにイソドデカン52.
7kgを加えて十分に混合し、静置後分離したアセトニト
リル層を分取した。さらに3回目の抽出操作として、分
取したアセトニトリル層に新たにイソドデカン52.7k
gを加えて十分に混合し、静置後分離したアセトニトリ
ル層を分取した。このようにして得られたアセトニトリ
ル層を濃縮して、エイコサペンタエン酸含有率38.9
重量%(C20:4/EPA比=0.100)のエチル
エステル10.5kgを得た。この液液抽出法で得られた
エチルエステル4.0kgを、内径3cm、高さ5m、段数
6段の超臨界ガス抽出塔を用い、塔頂温度70℃、塔底
温度40℃になるように温度勾配を設定し、抽出塔中段
の原料導入部より供給した。また、抽出剤として120
kg/cm2の高圧二酸化炭素を抽出塔底部から通過させ、
抽出塔上部より抽出相を取り出し、高圧二酸化炭素に溶
解しているエチルエステルを分取した。全フラクション
の30〜60重量%の部分を採取し、エイコサペンタエ
ン酸純度90.1重量%のエチルエステル1.2kgを得
た。このエチルエステルのガスクロマトグラムには、熱
異性化物に相当するピークは認められなかった。原料、
液液抽出後及び超臨界ガス抽出後の脂肪酸組成、並び
に、二重結合度分離能、炭素数分離能及び各段階におけ
るエイコサペンタエン酸収率を、第2表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 エイコサペンタエン酸含有率20.1重量%、C20:
4脂肪酸含有率2.4重量%(C20:4/EPA比=
0.119)の魚油脂肪酸エチルエステル100.0kgを
薄膜蒸留器を用いて、温度120℃、減圧度0.05mmH
gの条件で流下型薄膜蒸留器を用いて蒸留し、残渣部分
を採取した。次いで、この残渣部分を温度145℃、減
圧度0.05mmHgの条件で薄膜蒸留を行って留分を採取
し、エイコサペンタエン酸純度24.7重量%のエチル
エステル58.9kgを得た。この薄膜蒸留により得られ
たエチルエステル50.0kgに、アセトニトリル120.
0kg及びイソドデカン30.0kgを加えて20℃で十分
に混合し、静置後分離したアセトニトリル層を分取し
た。次いで2回目の抽出操作として、分取したアセトニ
トリル層に新たにイソドデカン30.0kgを加えて十分
に混合し、静置後分離したアセトニトリル層を分取し
た。さらに3回目の抽出操作として、分取したアセトニ
トリル層に新たにイソドデカン30.0kgを加えて十分
に混合し、静置後分離したアセトニトリル層を分取し
た。このようにして得られたアセトニトリル層を濃縮し
て、エイコサペンタエン酸含有率49.1重量%(C2
0:4/EPA比=0.039)のエチルエステル7.5
kgを得た。この液液抽出法で得られたエチルエステル
4.0kgを、内径3cm、高さ5m、段数6段の超臨界ガ
ス抽出塔を用い、塔頂温度70℃、塔底温度40℃にな
るように温度勾配を設定し、抽出塔中段の原料導入部よ
り供給した。また、抽出剤として120kg/cm2の高圧
二酸化炭素を抽出塔底部から通過させ、抽出塔上部より
抽出相を取り出し、高圧二酸化炭素に溶解しているエチ
ルエステルを分取した。全フラクションの40〜75重
量%の部分を採取し、エイコサペンタエン酸純度95.
2重量%のエチルエステル1.4kgを得た。このエチル
エステルのガスクロマトグラムには、熱異性化物に相当
するピークは認められなかった。原料、薄膜蒸留後、液
液抽出後及び超臨界ガス抽出後の脂肪酸組成、並びに、
二重結合度分離能、炭素数分離能及び各段階におけるエ
イコサペンタエン酸収率を、第3表に示す。
【0030】
【表3】
【0031】実施例4 エイコサペンタエン酸含有率19.6重量%、C20:
4脂肪酸含有率1.9重量%(C20:4/EPA比=
0.097)の魚油脂肪酸エチルエステル4.0kgに、エ
タノール20.0kg及び尿素12.0kgを加えて60℃で
撹拌し、均一な溶液とした。この溶液を10℃まで冷却
し、析出した尿素付加体をろ過した。ろ液を減圧下で濃
縮して、エイコサペンタエン酸含有率52.5重量%の
エチルエステル1,464gを得た。得られたエチルエ
ステル732gに、アセトニトリル1,700g及びイ
ソオクタン440gを加えて20℃で十分に混合し、静
置後分離したアセトニトリル層を分取した。次いで2回
目の抽出操作として、分取したアセトニトリル層に新た
にイソオクタン440gを加えて十分に混合し、静置後
分離したアセトニトリル層を分取した。さらに3回目の
抽出操作として、分取したアセトニトリル層に新たにイ
ソオクタン440gを加えて十分に混合し、静置後分離
したアセトニトリル層を分取した。このようにして得ら
れたアセトニトリル層を濃縮して、エイコサペンタエン
酸含有率54.6重量%(C20:4/EPA比=0.0
38)のエチルエステル250gを得た。このエチルエ
ステル250gを、内径3cm、高さ5m、段数6段の超
臨界ガス抽出塔を用い、塔頂温度70℃、塔底温度40
℃になるように温度勾配を設定し、抽出塔中段の原料導
入部より供給した。また、抽出剤として120kg/cm2
の高圧二酸化炭素を抽出塔底部から通過させ、抽出塔上
部より抽出相を取り出し、高圧二酸化炭素に溶解してい
るエチルエステルを分取した。全フラクションの45〜
70重量%の部分を採取し、さらに前留分及び後留分の
エイコサペンタエン酸純度の高いフラクションを合わせ
たものを抽出塔原料部に戻し、同じ条件で超臨界ガス抽
出を繰り返し、エイコサペンタエン酸画分を分取し、1
回目で得られたエイコサペンタエン酸画分を合わせてエ
イコサペンタエン酸純度93.1重量%(C20:4/
EPA比=0.036)のエチルエステル58.8gを得
た。このエチルエステルのガスクロマトグラムには、熱
異性化物に相当するピークは認められなかった。原料、
尿素付加後、液液抽出後及び超臨界ガス抽出後の脂肪酸
組成、並びに、二重結合度分離能、炭素数分離能及び各
段階におけるエイコサペンタエン酸収率を、第4表に示
す。
【0032】
【表4】
【0033】実施例5 実施例4において尿素付加法により得られたエイコサペ
ンタエン酸含有率52.5重量%のエチルエステル73
2gを、内径3cm、高さ5m、段数6段の超臨界ガス抽
出塔を用い、塔頂温度70℃、塔底温度40℃になるよ
うに温度勾配を設定し、抽出塔中段の原料導入部より供
給した。また、抽出剤として120kg/cm2の高圧二酸
化炭素を抽出塔底部から通過させ、抽出塔上部より抽出
相を取り出し、高圧二酸化炭素に溶解しているエチルエ
ステルを分取した。全フラクションの45〜70重量%
の部分を採取し、エイコサペンタエン酸純度88.8重
量%のエチルエステル171.3gを得た。得られたエ
チルエステル171.3gに、アセトニトリル410g
及びイソオクタン100gを加えて20℃で十分に混合
し、静置後分離したアセトニトリル層を分取した。次い
で2回目の抽出操作として、分取したアセトニトリル層
に新たにイソオクタン100g加えて十分に混合し、静
置後分離したアセトニトリル層を分取した。さらに3回
目の抽出操作として、分取したアセトニトリル層に新た
にイソオクタン100gを加えて十分に混合し、静置後
分離したアセトニトリル層を分取した。このようにして
得られたアセトニトリル層を濃縮して、エイコサペンタ
エン酸純度93.0重量%(C20:4/EPA比=0.
038)のエチルエステル40.9gを得た。このエチ
ルエステルのガスクロマトグラムには、熱異性化物に相
当するピークは認められなかった。原料、尿素付加後、
超臨界ガス抽出後及び液液抽出後の脂肪酸組成、並び
に、二重結合度分離能、炭素数分離能及び各段階におけ
るエイコサペンタエン酸収率を、第5表に示す。
【0034】
【表5】
【0035】比較例1 エイコサペンタエン酸含有率19.6重量%、C20:
4脂肪酸含有率1.9重量%(C20:4/EPA比=
0.097)の魚油脂肪酸エチルエステル2.0kgを、段
数5段の精密蒸留器を用いて、塔底温度200℃で1時
間還流を行い、その後還流比1/1で蒸留を行い、塔頂
温度が150℃から160℃までの留分を採取し、エイ
コサペンタエン酸含有率83.6重量%(C20:4/
EPA比=0.094)のエチルエステル139gを得
た。得られたエチルエステル139gに、アセトニトリ
ル330g及びイソドデカン84gを加えて20℃で十
分に混合し、静置後分離したアセトニトリル層を分取し
た。次いで2回目の抽出操作として、分取したアセトニ
トリル層に新たにイソドデカン84gを加えて十分に混
合し、静置後分離したアセトニトリル層を分取した。さ
らに3回目の抽出操作として、分取したアセトニトリル
層に新たにイソドデカン84gを加えて十分に混合し、
静置後分離したアセトニトリル層を分取した。このよう
にして得られたアセトニトリル層を濃縮して、エイコサ
ペンタエン酸純度93.9重量%(C20:4/EPA
比=0.039)のエチルエステル27.3gを得た。こ
のエチルエステルのガスクロマトグラムには、熱異性化
物に相当するピークが認めら、そのピーク面積は1.0
重量%に相当した。原料、蒸留後及び液液抽出後の脂肪
酸組成、並びに、二重結合度分離能、炭素数分離能及び
各段階におけるエイコサペンタエン酸収率を、第6表に
示す。
【0036】
【表6】
【0037】比較例2 エイコサペンタエン酸含有率19.6重量%、C20:
4脂肪酸含有率1.9重量%(C20:4/EPA比=
0.097)の魚油脂肪酸エチルエステル2.0kgを、内
径3cm、高さ5m、段数6段の超臨界ガス抽出塔を用
い、塔頂温度70℃、塔底温度40℃になるように温度
勾配を設定し、抽出塔中段の原料導入部より供給した。
また、抽出剤として120kg/cm2の高圧二酸化炭素を
抽出塔底部から通過させ、抽出塔上部より抽出相を取り
出し、高圧二酸化炭素に溶解しているエチルエステルを
分取した。全フラクションの55〜70重量%の部分を
採取し、エイコサペンタエン酸純度66.5重量%(C
20:4/EPA比=0.087)のエチルエステル2
28.7gを得た。このエチルエステルのガスクロマト
グラムには、熱異性化物に相当するピークは認められな
かった。原料及び超臨界ガス抽出後の脂肪酸組成、並び
に、二重結合度分離能、炭素数分離能及び各段階におけ
るエイコサペンタエン酸収率を、第7表に示す。
【0038】
【表7】
【0039】比較例3 比較例2で得られたエイコサペンタエン酸含有率66.
5重量%のエチルエステル228.7gに、エタノール
1,150g及び尿素690gを加え60℃で撹拌し
て、均一な溶液とした。この溶液を10℃まで冷却し、
析出した尿素付加体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し
て、エイコサペンタエン酸純度88.0重量%(C2
0:4/EPA比=0.080)のエチルエステル16
9gを得た。このエチルエステルのガスクロマトグラム
には、熱異性化物に相当するピークは認められなかっ
た。原料、超臨界ガス抽出後及び尿素付加後の脂肪酸組
成、並びに、二重結合度分離能、炭素数分離能及び各段
階におけるエイコサペンタエン酸収率を、第8表に示
す。
【0040】
【表8】
【0041】比較例4 エイコサペンタエン酸含有率19.6重量%、C20:
4脂肪酸含有率1.9重量%(C20:4/EPA比=
0.097)の魚油脂肪酸エチルエステル2.0kgに、エ
タノール10.0kg及び尿素6.0kgを加えて60℃で撹
拌し、均一な溶液とした。この溶液を10℃まで冷却
し、析出した尿素付加体をろ過した。ろ液を減圧下で濃
縮して、エイコサペンタエン酸含有率52.5重量%の
エチルエステル724gを得た。このエチルエステルの
ガスクロマトグラムには、熱異性化物に相当するピーク
は認められなかった。このエチルエステル724gを、
内径3cm、高さ5m、段数6段の超臨界ガス抽出塔を用
い、塔頂温度70℃、塔底温度40℃になるように温度
勾配を設定し、抽出塔中段の原料導入部より供給した。
また、抽出剤として120kg/cm2の高圧二酸化炭素を
抽出塔底部から通過させ、抽出塔上部より抽出相を取り
出し、高圧二酸化炭素に溶解しているエチルエステルを
分取した。全フラクションの40〜70重量%の部分を
採取し、エイコサペンタエン酸純度87.8重量%(C
20:4/EPA比=0.088)のエチルエステル1
92.7gを得た。原料、尿素付加後及び超臨界ガス抽
出後の脂肪酸組成、並びに、二重結合度分離能、炭素数
分離能及び各段階におけるエイコサペンタエン酸収率
を、第9表に示す。
【0042】
【表9】
【0043】実施例1〜5及び比較例1〜4の各工程の
組合せを第10表に示し、実施例及び比較例におけるエ
イコサペンタエン酸の純度、収率、C20:4/EPA
減少率及び熱異性化物についての評価及び総合評価を第
11表に示す。ただし、エイコサペンタエン酸の純度
は、90重量%未満を×、90重量%以上92重量%未
満を○、92重量%以上を◎とする。また、エイコサペ
ンタエン酸の収率は、原料中のエイコサペンタエン酸エ
チルに対する最終製品中のエイコサペンタエン酸エチル
の比で表し、7重量%未満を×、7重量%以上14重量
%未満を○、14重量%以上を◎とする。C20:4脂
肪酸とエイコサペンタエン酸の比については、下式で表
される製品中のC20:4/EPAの減少率で示し、4
0%以上を◎、40%未満を×とする。 (C20:4/EPA)の減少率(%)={(Rr−Rp)
/Rr}×100(%) ただし、Rrは原料中のC20:4/EPAであり、Rp
は製品中のC20:4/EPAである。熱異性化物につ
いては、検出されないものを◎、検出されたものを×と
する。以上のエイコサペンタエン酸の純度、収率、C2
0:4/EPAの減少率の評価において、1つ以上の×
評価を有するものを総合評価×、×評価のないものを総
合評価◎とした。
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】エイコサペンタエン酸含有量19.6〜2
0.1重量%の原料を用いて、液液抽出法、超臨界ガス
抽出法の順で処理した実施例1、実施例3及び実施例4
で得られたエイコサペンタエン酸エチルは、特に純度が
高い。また、エイコサペンタエン酸含有量9.6重量%
の原料を使用して、液液抽出法、超臨界ガス抽出法の順
に処理した実施例2でも、エイコサペンタエン酸エチル
は90重量%を超える純度で得られた。超臨界ガス抽出
法、液液抽出法の順で処理した実施例5は、収率は、液
液抽出法、超臨界ガス抽出法の順で処理した実施例4よ
り劣るものの、純度においては実施例4と同じ高純度の
エイコサペンタエン酸エチルが得られている。これに対
して、液液抽出法を含まない工程で処理された比較例2
〜4においては、エイコサペンタエン酸エチルの純度
は、90重量%に達することができなかった。また、蒸
留法と液液抽出法で処理された比較例1は、エイコサペ
ンタエン酸エチルは高純度であるものの、熱変性物であ
る熱異性化物の生成が認められ、好ましくない製品とな
った。これらの結果より、液液抽出法又は超臨界ガス抽
出法の工程が含まれているのみでは、エイコサペンタエ
ン酸エチルを高純度、高収率で得ることはできず、液液
抽出法及び超臨界ガス抽出法の2つの工程を行うことに
より、はじめて熱異性化物を含有しない高純度のエイコ
サペンタエン酸エチルを高収率で得ることが可能となる
ことが分かる。
【0047】
【発明の効果】液液抽出法と超臨界ガス抽出法を併用す
る本発明方法によれば、高度不飽和脂肪酸又はその誘導
体を含む混合物から、熱異性化物を生じることなく、純
度90重量%以上の高純度のエイコサペンタエン酸若し
くはドコサヘキサエン酸又はそれらの誘導体を、大量に
効率よく製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/587 C07C 69/587 C11B 1/10 C11B 1/10 7/00 7/00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステ
    ルを含有する混合物より、液液抽出法及び超臨界ガス抽
    出法を行うことにより、高度不飽和脂肪酸又はそのアル
    キルエステルを分別、濃縮することを特徴とする高度不
    飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】液液抽出法が、極性溶媒として水溶性溶媒
    を用い、非極性溶媒として炭化水素系溶媒を用いるもの
    である請求項1記載の高度不飽和脂肪酸又はそのアルキ
    ルエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】高度不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン
    酸又はドコサヘキサエン酸であり、アルキルエステルの
    アルキル基の炭素数が1〜4である請求項1又は請求項
    2記載のいずれかの高度不飽和脂肪酸又はそのアルキル
    エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステ
    ルを含有する混合物において、エイコサペンタエン酸又
    はそのアルキルエステルの含有率が8重量%以上であ
    り、C20:4脂肪酸又はそのアルキルエステルとエイ
    コサペンタエン酸又はそのアルキルエステルの重量比が
    0.08〜0.22である請求項1、請求項2又は請求項
    3記載のいずれかの高度不飽和脂肪酸又はそのアルキル
    エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】分別、濃縮された高度不飽和脂肪酸又はそ
    のアルキルエステルの純度が90重量%以上となるよ
    う、液液抽出法及び超臨界ガス抽出法を行う請求項1、
    請求項2、請求項3又は請求項4記載のいずれかの高度
    不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルの製造方法。
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