JPH09263698A - ポリアミド酸溶液及びその製造方法 - Google Patents
ポリアミド酸溶液及びその製造方法Info
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- JPH09263698A JPH09263698A JP7343196A JP7343196A JPH09263698A JP H09263698 A JPH09263698 A JP H09263698A JP 7343196 A JP7343196 A JP 7343196A JP 7343196 A JP7343196 A JP 7343196A JP H09263698 A JPH09263698 A JP H09263698A
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 経時安定性が良好であり、成形時もしくは被
覆時に溶媒除去が容易であるポリアミド酸溶液を提供す
ること、また安価で毒性の弱い溶媒を用い、簡単な装置
で容易にポリアミド酸溶液を得ることができる製造方法
を提供する。 【解決手段】 ポリアミド酸が、同一分子内にカルボニ
ル基とアルコール性水酸基を有する化合物中に溶解して
いるポリアミド酸溶液。このポリアミド酸溶液は同一分
子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を有する化合
物中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合
することにより、あるいはエーテル系化合物及び/又は
ケトン系化合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジア
ミンとを重合させて、得られるポリアミド酸を分離し、
これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基
を有する化合物中に溶解させることのより製造される。
覆時に溶媒除去が容易であるポリアミド酸溶液を提供す
ること、また安価で毒性の弱い溶媒を用い、簡単な装置
で容易にポリアミド酸溶液を得ることができる製造方法
を提供する。 【解決手段】 ポリアミド酸が、同一分子内にカルボニ
ル基とアルコール性水酸基を有する化合物中に溶解して
いるポリアミド酸溶液。このポリアミド酸溶液は同一分
子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を有する化合
物中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合
することにより、あるいはエーテル系化合物及び/又は
ケトン系化合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジア
ミンとを重合させて、得られるポリアミド酸を分離し、
これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基
を有する化合物中に溶解させることのより製造される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド酸溶液
及びその製造方法に関するものである。
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジャーナルオブポリマーサイエンス,マ
クロモレクラーレビュー(Journal ofPolymer Science,
Macromolecular Reviews) 11巻(1976)の第1
64頁第4表には、代表的なポリアミド酸を溶解する溶
媒が記載されている。この表には、具体的な溶媒とし
て、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホ
ルアミド(HMPA)、N−メチルカプロラクタム、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、N−アセチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)等が列挙されている。これらは、いわゆる非プロト
ン系極性溶媒と称されるものであり、双極子モーメント
が約3.0デバイよりも大きな極性を有するものであ
る。前記ポリアミド酸の代表的な溶媒であるDMAc、
NMP、DMSO、DMFの双極子モーメントは各々
3.7デバイ、4.1デバイ、4.3デバイ、3.9デ
バイである。これらの溶媒は、ポリアミド酸を溶解する
溶媒であると同時にジアミンとテトラカルボン酸二無水
物とを重合させて、ポリアミド酸を得る際の重合溶媒と
して使用できることも記載されている。
クロモレクラーレビュー(Journal ofPolymer Science,
Macromolecular Reviews) 11巻(1976)の第1
64頁第4表には、代表的なポリアミド酸を溶解する溶
媒が記載されている。この表には、具体的な溶媒とし
て、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホ
ルアミド(HMPA)、N−メチルカプロラクタム、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、N−アセチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)等が列挙されている。これらは、いわゆる非プロト
ン系極性溶媒と称されるものであり、双極子モーメント
が約3.0デバイよりも大きな極性を有するものであ
る。前記ポリアミド酸の代表的な溶媒であるDMAc、
NMP、DMSO、DMFの双極子モーメントは各々
3.7デバイ、4.1デバイ、4.3デバイ、3.9デ
バイである。これらの溶媒は、ポリアミド酸を溶解する
溶媒であると同時にジアミンとテトラカルボン酸二無水
物とを重合させて、ポリアミド酸を得る際の重合溶媒と
して使用できることも記載されている。
【0003】さらに、同文献第199〜205頁には、
これら非プロトン系極性溶媒に溶解したポリアミド酸溶
液から溶媒を留去してイミド化すると、ポリイミドフイ
ルムが得られることや、この溶液を基材上にコーテイン
グして、溶媒を留去、イミド化するとポリイミド被覆物
が得られることが記載されている。
これら非プロトン系極性溶媒に溶解したポリアミド酸溶
液から溶媒を留去してイミド化すると、ポリイミドフイ
ルムが得られることや、この溶液を基材上にコーテイン
グして、溶媒を留去、イミド化するとポリイミド被覆物
が得られることが記載されている。
【0004】また、米国特許第4238528号にはポ
リアミド酸、溶剤〔例えば、NMP/アセトン、NMP
/セロソルブ、NMP/キシレン、NMP/トルエン、
NMP/トルエン及び(2−エトキシエタノール)−セ
ロソルブ/アセトン〕及び非イオン性フルオロカーボン
表面活性剤の組み合せよりなるポリアミド酸溶液が開示
されている。
リアミド酸、溶剤〔例えば、NMP/アセトン、NMP
/セロソルブ、NMP/キシレン、NMP/トルエン、
NMP/トルエン及び(2−エトキシエタノール)−セ
ロソルブ/アセトン〕及び非イオン性フルオロカーボン
表面活性剤の組み合せよりなるポリアミド酸溶液が開示
されている。
【0005】また、特公平3−4588号公報には非プ
ロトン系極性有機溶媒(DMAc、NMP、DMSO、
DMFから選ばれる)、ポリアミド酸、ハロゲン化脂肪
族炭化水素、特定の有機溶媒及び有機シランよりなるポ
リアミド酸溶液が開示されている。さらに、1977年
11月の「IBM Technical Disclosure Bulleti
n」,第20巻,第6号,第2041頁にはDMSO及
び無水ピロメリット酸並びにNMP及びジアミノジフエ
ニルエーテルとを混合することによって形成されるポリ
アミド酸溶液が開示されている。
ロトン系極性有機溶媒(DMAc、NMP、DMSO、
DMFから選ばれる)、ポリアミド酸、ハロゲン化脂肪
族炭化水素、特定の有機溶媒及び有機シランよりなるポ
リアミド酸溶液が開示されている。さらに、1977年
11月の「IBM Technical Disclosure Bulleti
n」,第20巻,第6号,第2041頁にはDMSO及
び無水ピロメリット酸並びにNMP及びジアミノジフエ
ニルエーテルとを混合することによって形成されるポリ
アミド酸溶液が開示されている。
【0006】しかしながら、これらのポリアミド酸の溶
媒として利用されてきたDMAc、NMP、DMSO、
DMFのような非プロトン系極性溶媒は、次に挙げる文
献中に指摘されているように双極子モーメントが大きい
ので、溶質であるポリイミド前駆体と強く会合している
〔ジャーナルオブポリマーサイエンス(Journal of Pol
ymer Science),A−1,第4巻,第2607〜261
6頁(1966), 同誌,A,第25巻,第2005〜
2020頁(1987), 工業化学雑誌 第71巻 第
9号,第1559〜1564頁(1968),ANTE
C’91の予稿集,第1742〜1745頁〕。すなわ
ち、溶媒と溶質との溶媒和が強いためにポリイミドフイ
ルムや被覆物を製造する際、様々な問題点があった。さ
らに、これら溶媒は、特公平3−4588号公報に開示
されている如く、その大きな双極子モーメントの故に表
面張力が大きく、かつ粘性が高いことに起因する様々な
問題点があった。
媒として利用されてきたDMAc、NMP、DMSO、
DMFのような非プロトン系極性溶媒は、次に挙げる文
献中に指摘されているように双極子モーメントが大きい
ので、溶質であるポリイミド前駆体と強く会合している
〔ジャーナルオブポリマーサイエンス(Journal of Pol
ymer Science),A−1,第4巻,第2607〜261
6頁(1966), 同誌,A,第25巻,第2005〜
2020頁(1987), 工業化学雑誌 第71巻 第
9号,第1559〜1564頁(1968),ANTE
C’91の予稿集,第1742〜1745頁〕。すなわ
ち、溶媒と溶質との溶媒和が強いためにポリイミドフイ
ルムや被覆物を製造する際、様々な問題点があった。さ
らに、これら溶媒は、特公平3−4588号公報に開示
されている如く、その大きな双極子モーメントの故に表
面張力が大きく、かつ粘性が高いことに起因する様々な
問題点があった。
【0007】すなわち、従来利用されてきたDMAc、
NMP、DMSO、DMFの如き非プロトン系極性溶媒
にポリアミド酸を溶解した溶液では、溶液の経時安定性
が悪く、成形時や被覆時における作業条件を一定に保つ
ことが困難であるとともに、成形時や被覆時の溶媒除去
が難しかった。また、従来ポリアミド酸溶液は、ジアミ
ノジフェニルエーテルのようなジアミンとピロメリット
酸二無水物のようなテトラカルボン酸二無水物を前記の
ような非プロトン系極性溶媒中で重合反応させる、いわ
ゆる低温溶液重合法で製造されてきた。この場合の重合
溶媒はモノマーを高濃度で溶解する良溶媒でかつ水分を
含有しない溶媒を使用しなければならないと信じられて
きた。すなわち、溶媒中に水が共存すると、酸無水物の
加水分解反応が進行するので、厳密な脱水系で反応を行
う必要があり、反応装置が複雑になるという問題点があ
った。また極性溶媒が高価なため、製造コストが高くな
るという問題点があった。さらに成形体や被覆物にした
際、残留溶媒が多く、得られる成形体や被覆物の電気的
特性等が十分でない等の問題があった。さらにフイルム
や被覆物においては十分に均一な被膜が得られず、また
基材に対して被膜の密着性が十分でなかった。また、成
形体に残留している溶媒は使用時に高温になると分解し
て、有害な一酸化炭素を発生するという問題もあった。
NMP、DMSO、DMFの如き非プロトン系極性溶媒
にポリアミド酸を溶解した溶液では、溶液の経時安定性
が悪く、成形時や被覆時における作業条件を一定に保つ
ことが困難であるとともに、成形時や被覆時の溶媒除去
が難しかった。また、従来ポリアミド酸溶液は、ジアミ
ノジフェニルエーテルのようなジアミンとピロメリット
酸二無水物のようなテトラカルボン酸二無水物を前記の
ような非プロトン系極性溶媒中で重合反応させる、いわ
ゆる低温溶液重合法で製造されてきた。この場合の重合
溶媒はモノマーを高濃度で溶解する良溶媒でかつ水分を
含有しない溶媒を使用しなければならないと信じられて
きた。すなわち、溶媒中に水が共存すると、酸無水物の
加水分解反応が進行するので、厳密な脱水系で反応を行
う必要があり、反応装置が複雑になるという問題点があ
った。また極性溶媒が高価なため、製造コストが高くな
るという問題点があった。さらに成形体や被覆物にした
際、残留溶媒が多く、得られる成形体や被覆物の電気的
特性等が十分でない等の問題があった。さらにフイルム
や被覆物においては十分に均一な被膜が得られず、また
基材に対して被膜の密着性が十分でなかった。また、成
形体に残留している溶媒は使用時に高温になると分解し
て、有害な一酸化炭素を発生するという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明の課題は、第1に経時安定性が良好であり、成形時も
しくは被覆時に溶媒除去が容易であるポリアミド酸溶液
を提供すること、また安価で毒性の弱い溶媒を用い、簡
単な装置で容易にポリアミド酸溶液を得ることができる
ポリアミド酸溶液の製造方法を提供することにある。
明の課題は、第1に経時安定性が良好であり、成形時も
しくは被覆時に溶媒除去が容易であるポリアミド酸溶液
を提供すること、また安価で毒性の弱い溶媒を用い、簡
単な装置で容易にポリアミド酸溶液を得ることができる
ポリアミド酸溶液の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、重合溶媒として必ずしも
モノマーを高濃度に溶解させる溶媒でなくても、生成す
るポリアミド酸と強く溶媒和しない特定の化学構造を有
する溶媒を使用すれば、たとえ水が共存していても高重
合度のポリアミド酸溶液が簡単に安価に製造できるこ
と、この溶液中のポリアミド酸は溶媒と強く溶媒和して
いないこと、この溶液からは良好な特性を有する糸やフ
ィルムのようなポリイミド成形体や被覆物が得られるこ
とを見いだし、本発明に到達した。
解決すべく鋭意研究した結果、重合溶媒として必ずしも
モノマーを高濃度に溶解させる溶媒でなくても、生成す
るポリアミド酸と強く溶媒和しない特定の化学構造を有
する溶媒を使用すれば、たとえ水が共存していても高重
合度のポリアミド酸溶液が簡単に安価に製造できるこ
と、この溶液中のポリアミド酸は溶媒と強く溶媒和して
いないこと、この溶液からは良好な特性を有する糸やフ
ィルムのようなポリイミド成形体や被覆物が得られるこ
とを見いだし、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、ポリアミド酸
が、同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を
有する化合物中に溶解していることを特徴とするポリア
ミド酸溶液あり、このようなポリアミド酸溶液は、同一
分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を有する化
合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重
合することにより、あるいは、エーテル系化合物及び/
又はケトン系化合物中で、テトラカルボン酸二無水物と
ジアミンとを重合させて、得られるポリアミド酸を分離
し、これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水
酸基を有する化合物中に溶解させることにより製造する
ことができる。
が、同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を
有する化合物中に溶解していることを特徴とするポリア
ミド酸溶液あり、このようなポリアミド酸溶液は、同一
分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を有する化
合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重
合することにより、あるいは、エーテル系化合物及び/
又はケトン系化合物中で、テトラカルボン酸二無水物と
ジアミンとを重合させて、得られるポリアミド酸を分離
し、これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水
酸基を有する化合物中に溶解させることにより製造する
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明のポリアミド酸溶液におけるポリアミド酸と
は加熱又は化学的作用により閉環してポリイミドとなる
有機ポリマーを言い、閉環してポリイミドとなるもので
あればいかなるものでもよい。ここでいうポリイミドと
は非熱可塑性で耐熱性を有し、かつポリマー鎖の繰り返
し単位の80モル%以上がポリイミド構造を有する有機
ポリマーを言う。ポリアミド酸を閉環させる方法として
は、加熱による方法、無水酢酸やピリジンのような閉環
剤を用いる方法等従来知られている方法が適用できる。
また、好ましいポリアミド酸としては全芳香族系のポリ
アミド酸が挙げられ、特に一般式(1)で表される繰り
返し単位を有するポリアミド酸のホモポリマー又はコポ
リマー、又は部分イミド化したポリアミド酸のホモポリ
マー又はコポリマーが好ましい。
る。本発明のポリアミド酸溶液におけるポリアミド酸と
は加熱又は化学的作用により閉環してポリイミドとなる
有機ポリマーを言い、閉環してポリイミドとなるもので
あればいかなるものでもよい。ここでいうポリイミドと
は非熱可塑性で耐熱性を有し、かつポリマー鎖の繰り返
し単位の80モル%以上がポリイミド構造を有する有機
ポリマーを言う。ポリアミド酸を閉環させる方法として
は、加熱による方法、無水酢酸やピリジンのような閉環
剤を用いる方法等従来知られている方法が適用できる。
また、好ましいポリアミド酸としては全芳香族系のポリ
アミド酸が挙げられ、特に一般式(1)で表される繰り
返し単位を有するポリアミド酸のホモポリマー又はコポ
リマー、又は部分イミド化したポリアミド酸のホモポリ
マー又はコポリマーが好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】ここで、Rは少なくとも1つの炭素6員環
を含む4価の芳香族残基を示し、4価のうちの2価ずつ
は対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合し
ていることを特徴とする。Rの具体例としては次のよう
なものが挙げられる。
を含む4価の芳香族残基を示し、4価のうちの2価ずつ
は対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合し
ていることを特徴とする。Rの具体例としては次のよう
なものが挙げられる。
【0014】
【化2】
【0015】特に、Rとしては次のものが好ましい。
【0016】
【化3】
【0017】また、R’は1〜4個の炭素6員環を持つ
2価の芳香族残基を示す。R’の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。
2価の芳香族残基を示す。R’の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】また、特にR’としては、次のものが好ま
しい。
しい。
【0021】
【化6】
【0022】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を有するポリアミド酸として好ましいものとしては、ピ
ロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,
4’−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物(BPD
A)又は4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODP
A)とジアミノジフエニルエーテル(DADE)とに由
来するポリアミド酸である。
を有するポリアミド酸として好ましいものとしては、ピ
ロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,
4’−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物(BPD
A)又は4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODP
A)とジアミノジフエニルエーテル(DADE)とに由
来するポリアミド酸である。
【0023】本発明におけるポリアミド酸は固有粘度
〔η〕が0.3以上のものが好ましく、さらには0.7
以上が好ましい。上限については特に制限はないが6程
度が好ましい。〔η〕は、重合体の分子量と直接関係す
る値であり、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒におけ
るポリアミド酸の濃度を0.5重量%とし、30℃で重
合体の溶液が標準粘度計の一定容積の毛細管を流れる時
間と溶媒のみが流れる時間を測定することにより、次式
を使用して計算することができる。
〔η〕が0.3以上のものが好ましく、さらには0.7
以上が好ましい。上限については特に制限はないが6程
度が好ましい。〔η〕は、重合体の分子量と直接関係す
る値であり、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒におけ
るポリアミド酸の濃度を0.5重量%とし、30℃で重
合体の溶液が標準粘度計の一定容積の毛細管を流れる時
間と溶媒のみが流れる時間を測定することにより、次式
を使用して計算することができる。
【0024】
【数1】
【0025】本発明において、ポリアミド酸が部分イミ
ド化している場合のイミド化率は、35モル%以下が好
ましい。35モル%以上イミド化したポリアミド酸は溶
解性が低下する傾向になる。なお、部分イミド化率は、
赤外吸収スペクトルの604cm-1及び882cm-1に
基づく吸収を測定することにより求めることができ、部
分イミド化率を計算するには、次式を使用して計算する
ことができる。
ド化している場合のイミド化率は、35モル%以下が好
ましい。35モル%以上イミド化したポリアミド酸は溶
解性が低下する傾向になる。なお、部分イミド化率は、
赤外吸収スペクトルの604cm-1及び882cm-1に
基づく吸収を測定することにより求めることができ、部
分イミド化率を計算するには、次式を使用して計算する
ことができる。
【0026】
【数2】
【0027】ただし、a、a' は次式であらわされ、a
は被験体の吸光度比であり、a' は閉環率100%のも
のの吸光度比である。
は被験体の吸光度比であり、a' は閉環率100%のも
のの吸光度比である。
【0028】
【数3】
【0029】本発明において、溶媒はカルボニル基とア
ルコール性水酸基を同一分子内に有する化合物であり、
例えば、好ましいものとしてジアセトンアルコールが挙
げられる。
ルコール性水酸基を同一分子内に有する化合物であり、
例えば、好ましいものとしてジアセトンアルコールが挙
げられる。
【0030】本発明におけるポリアミド酸の溶液におけ
るポリアミド酸の濃度は、0.1〜60重量%が好まし
く、1〜30重量%がより好ましく、5〜20重量%が
更に好ましい。0.1重量%未満ではワニス等に用いる
際に利用し難く、60重量%を超えるとポリアミド酸の
溶液の経時安定性が低下する傾向にある。
るポリアミド酸の濃度は、0.1〜60重量%が好まし
く、1〜30重量%がより好ましく、5〜20重量%が
更に好ましい。0.1重量%未満ではワニス等に用いる
際に利用し難く、60重量%を超えるとポリアミド酸の
溶液の経時安定性が低下する傾向にある。
【0031】本発明におけるポリアミド酸溶液は、
(1)同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基
を有する化合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジア
ミンとを重合するか、(2)エーテル系化合物及び/又
はケトン系化合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとを重合させて得られるポリアミド酸を分離し、
これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基
を有する化合物中に溶解させることにより製造すること
ができる。ここでは好ましい例として芳香族系ポリアミ
ド酸溶液の製造方法について述べる。
(1)同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基
を有する化合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジア
ミンとを重合するか、(2)エーテル系化合物及び/又
はケトン系化合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとを重合させて得られるポリアミド酸を分離し、
これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基
を有する化合物中に溶解させることにより製造すること
ができる。ここでは好ましい例として芳香族系ポリアミ
ド酸溶液の製造方法について述べる。
【0032】前記(1)の方法についてに述べる。Rを
骨格とする芳香族系テトラカルボン酸二無水物及び前記
R’を骨格とする芳香族系ジアミンとを、同一分子内に
カルボニル基とアルコール性水酸基を有する化合物中で
重合反応させる。反応温度は、−30〜60℃が好まし
く、−20℃〜40℃がより好ましい。−30℃未満で
は反応が進行し難く、60℃を超えると溶液の劣化を招
くことがある。反応時間は、1〜100時間が好まし
く、5〜40時間がより好ましい。モノマー濃度として
は、0.1〜30重量%が好ましく1〜25重量%がよ
り好ましい。0.1重量%未満では実用的でなく、30
重量%を超えると重合度が低下する傾向がある。芳香族
テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの反応割合
は等モルで行うのが好ましいが、これらモノマーの比率
を若干変動させることにより、ポリアミド酸の重合度を
任意に調節することができる。
骨格とする芳香族系テトラカルボン酸二無水物及び前記
R’を骨格とする芳香族系ジアミンとを、同一分子内に
カルボニル基とアルコール性水酸基を有する化合物中で
重合反応させる。反応温度は、−30〜60℃が好まし
く、−20℃〜40℃がより好ましい。−30℃未満で
は反応が進行し難く、60℃を超えると溶液の劣化を招
くことがある。反応時間は、1〜100時間が好まし
く、5〜40時間がより好ましい。モノマー濃度として
は、0.1〜30重量%が好ましく1〜25重量%がよ
り好ましい。0.1重量%未満では実用的でなく、30
重量%を超えると重合度が低下する傾向がある。芳香族
テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの反応割合
は等モルで行うのが好ましいが、これらモノマーの比率
を若干変動させることにより、ポリアミド酸の重合度を
任意に調節することができる。
【0033】前記(2)の方法についてに述べる。ま
ず、エーテル系化合物又はケトン系化合物もしくはそれ
らの混合溶媒を重合溶媒として用い、Rを骨格とする芳
香族系テトラカルボン酸二無水物及び前記R’を骨格と
する芳香族系ジアミンとを重合反応させる。エーテル系
化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサン、トリオキサン、1,2−ジメトキシ
エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル等が挙げられ、特に
好ましくは、THFである。ケトン系化合物としては、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、
特に好ましくは、アセトンである。
ず、エーテル系化合物又はケトン系化合物もしくはそれ
らの混合溶媒を重合溶媒として用い、Rを骨格とする芳
香族系テトラカルボン酸二無水物及び前記R’を骨格と
する芳香族系ジアミンとを重合反応させる。エーテル系
化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサン、トリオキサン、1,2−ジメトキシ
エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル等が挙げられ、特に
好ましくは、THFである。ケトン系化合物としては、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、
特に好ましくは、アセトンである。
【0034】重合を行う際のモノマー及び溶媒の混合順
序はどんな順序にしてもよいが、溶媒としてエーテル系
化合物又はケトン系化合物を用いるときは、一方のモノ
マーの溶液又は懸濁液に、もう一方のモノマーを徐々に
加えることが好ましい。もう一方のモノマーを加えると
き、モノマーは溶液として、懸濁液としてあるいは固体
のままで加えてもよい。エーテル系化合物及びケトン系
化合物との混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々
のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合
し、重合反応させることが好ましい。
序はどんな順序にしてもよいが、溶媒としてエーテル系
化合物又はケトン系化合物を用いるときは、一方のモノ
マーの溶液又は懸濁液に、もう一方のモノマーを徐々に
加えることが好ましい。もう一方のモノマーを加えると
き、モノマーは溶液として、懸濁液としてあるいは固体
のままで加えてもよい。エーテル系化合物及びケトン系
化合物との混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々
のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合
し、重合反応させることが好ましい。
【0035】溶媒に溶解又は懸濁させる際のモノマー濃
度としては、0.1〜30重量%が好ましく1〜25重
量%がより好ましい。反応温度は、−30〜60 ℃が
好ましく、−20〜40℃℃がより好ましい。反応時間
は、1〜200分が好ましい。反応時間は1〜200分
が好ましく、5〜100分がより好ましい。溶媒として
エーテル系化合物又はケトン系化合物を用いた場合、エ
ーテル系化合物及びケトン系化合物を用いた場合、いず
れの場合にもポリアミド酸の懸濁液が得られる。上記の
ようにして得られたポリアミド酸の懸濁液からポリアミ
ド酸を分離し、〔η〕=0.3以上のポリアミド酸を得
る。これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水
酸基を有する化合物中に溶解してポリアミド酸溶液を得
る。
度としては、0.1〜30重量%が好ましく1〜25重
量%がより好ましい。反応温度は、−30〜60 ℃が
好ましく、−20〜40℃℃がより好ましい。反応時間
は、1〜200分が好ましい。反応時間は1〜200分
が好ましく、5〜100分がより好ましい。溶媒として
エーテル系化合物又はケトン系化合物を用いた場合、エ
ーテル系化合物及びケトン系化合物を用いた場合、いず
れの場合にもポリアミド酸の懸濁液が得られる。上記の
ようにして得られたポリアミド酸の懸濁液からポリアミ
ド酸を分離し、〔η〕=0.3以上のポリアミド酸を得
る。これを同一分子内にカルボニル基とアルコール性水
酸基を有する化合物中に溶解してポリアミド酸溶液を得
る。
【0036】ポリアミド酸の溶液を部分イミド化ポリア
ミド酸溶液に変換するためには、ポリアミド酸溶液を6
0℃〜100℃で、1〜200分間溶媒を留去すること
なく加熱するか、もしくは、ピリジン及び無水酢酸、ピ
コリン及び無水酢酸、2,6−ルチジン及び無水酢酸の
ような公知のイミド化触媒を添加し、0〜20℃で1〜
100時間攪拌下反応させればよい。イミド化触媒の添
加量としてはモノマー1モルに対し、無水酢酸を0.0
1〜0.35モル、ピリジン、2,6−ルチジン、トリ
エチルアミンなどの塩基を0.01〜3.5モル程度が
好ましい。
ミド酸溶液に変換するためには、ポリアミド酸溶液を6
0℃〜100℃で、1〜200分間溶媒を留去すること
なく加熱するか、もしくは、ピリジン及び無水酢酸、ピ
コリン及び無水酢酸、2,6−ルチジン及び無水酢酸の
ような公知のイミド化触媒を添加し、0〜20℃で1〜
100時間攪拌下反応させればよい。イミド化触媒の添
加量としてはモノマー1モルに対し、無水酢酸を0.0
1〜0.35モル、ピリジン、2,6−ルチジン、トリ
エチルアミンなどの塩基を0.01〜3.5モル程度が
好ましい。
【0037】さらに、本発明のポリアミド酸の溶液に
は、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導電性の
カーボンブラック及び金属粒子のような充填材、磨滅
材、誘電体、潤滑材等の他公知の添加物を本発明の効果
を損なわない範囲で添加することができる。また、他の
重合体や例えば水不溶性のエーテル類、アルコール類、
ケトン類、エステル、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素
類等の溶媒を本発明を損なわない範囲で添加することが
できる。
は、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導電性の
カーボンブラック及び金属粒子のような充填材、磨滅
材、誘電体、潤滑材等の他公知の添加物を本発明の効果
を損なわない範囲で添加することができる。また、他の
重合体や例えば水不溶性のエーテル類、アルコール類、
ケトン類、エステル、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素
類等の溶媒を本発明を損なわない範囲で添加することが
できる。
【0038】また、ポリアミド酸溶液からフィルムを成
形するには、スリット状ノズルから押出したり、バーコ
ーターなどにより基材上に塗布するとともに溶媒を除去
して生成した被膜を剥離してポリアミド酸のフィルムを
得、イミド化する。また剥離せずにポリアミド酸の被覆
物をイミド化して、被膜を剥離してポリイミドフィルム
を得ることもできる。
形するには、スリット状ノズルから押出したり、バーコ
ーターなどにより基材上に塗布するとともに溶媒を除去
して生成した被膜を剥離してポリアミド酸のフィルムを
得、イミド化する。また剥離せずにポリアミド酸の被覆
物をイミド化して、被膜を剥離してポリイミドフィルム
を得ることもできる。
【0039】ポリイミド被覆物を得るには、ポリアミド
酸の溶液を、従来公知のスピンコート法、スプレーコー
ト法、浸漬法などの方法により基材上に塗布し、乾燥し
て溶媒を除去して得られるポリアミド酸の被覆物をイミ
ド化する。上記のようにして得られるポリイミドフィル
ムやポリイミド被覆物は均一であり、被覆物は他の基材
との密着性が良好である。
酸の溶液を、従来公知のスピンコート法、スプレーコー
ト法、浸漬法などの方法により基材上に塗布し、乾燥し
て溶媒を除去して得られるポリアミド酸の被覆物をイミ
ド化する。上記のようにして得られるポリイミドフィル
ムやポリイミド被覆物は均一であり、被覆物は他の基材
との密着性が良好である。
【0040】本発明のポリアミド酸の溶液は、例えば、
耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テープ、高密度磁気記録ベー
ス、コンデンサー、FPC用のフイルム等の製造に用い
られる。また、例えば、フッ素樹脂やグラフアイト等を
充填したしゅう動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化し
た構造部材、小型コイルのボビン、スリーブ、端末絶縁
用チユーブ等の成形材や成形品の製造に用いられる。ま
た、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘツド
スペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスのスペー
サ等の積層材の製造に用いられる。また、電線・ケーブ
ル絶縁被覆用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙断熱
材、集積回路、スロットライナー等のエナメルコーテイ
ング材の製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆浸透
膜、ガス分離膜の製造に用いられる。さらに、耐熱性を
有する糸、織物、不織布などの製造にも用いられる。
耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テープ、高密度磁気記録ベー
ス、コンデンサー、FPC用のフイルム等の製造に用い
られる。また、例えば、フッ素樹脂やグラフアイト等を
充填したしゅう動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化し
た構造部材、小型コイルのボビン、スリーブ、端末絶縁
用チユーブ等の成形材や成形品の製造に用いられる。ま
た、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘツド
スペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスのスペー
サ等の積層材の製造に用いられる。また、電線・ケーブ
ル絶縁被覆用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙断熱
材、集積回路、スロットライナー等のエナメルコーテイ
ング材の製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆浸透
膜、ガス分離膜の製造に用いられる。さらに、耐熱性を
有する糸、織物、不織布などの製造にも用いられる。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
が本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
【0042】実施例1 ジアミノジフェニルエーテル3.00gを、ジアセトン
アルコール35.9gに溶解し10℃に保った。これに
ピロメリット酸二無水物3.33gを3時間にわたって
徐々に加え、18時間攪拌を続けたところ、均一な赤色
透明な溶液が得られた。このときのポリアミド酸の
〔η〕は0.9であった。このポリアミド酸溶液は安定
であり、20℃で2週間経過した後も〔η〕の顕著な低
下は見られなかった。
アルコール35.9gに溶解し10℃に保った。これに
ピロメリット酸二無水物3.33gを3時間にわたって
徐々に加え、18時間攪拌を続けたところ、均一な赤色
透明な溶液が得られた。このときのポリアミド酸の
〔η〕は0.9であった。このポリアミド酸溶液は安定
であり、20℃で2週間経過した後も〔η〕の顕著な低
下は見られなかった。
【0043】実施例2 ジアミノジフェニルエーテル4.00gを、ジアセトン
アルコール53.17gに溶解し10℃に保った。これ
に4,4’オキシジフタル酸二無水物3.16gとピロ
メリット酸二無水物2.22gを3時間にわたって徐々
に加え、18時間撹拌を続けたところ、均一な赤色透明
な溶液が得られた。このときのポリアミド酸の〔η〕は
1.00であった。このポリアミド酸溶液は安定であ
り、20℃で2週間経過した後も〔η〕の顕著な低下は
見られなかった。
アルコール53.17gに溶解し10℃に保った。これ
に4,4’オキシジフタル酸二無水物3.16gとピロ
メリット酸二無水物2.22gを3時間にわたって徐々
に加え、18時間撹拌を続けたところ、均一な赤色透明
な溶液が得られた。このときのポリアミド酸の〔η〕は
1.00であった。このポリアミド酸溶液は安定であ
り、20℃で2週間経過した後も〔η〕の顕著な低下は
見られなかった。
【0044】実施例3 ピロメリット酸二無水物7.82gをTHF85.5g
とアセトン57gに溶解した。これにジアミノジフェニ
ルエーテル7.18gをTHF85.5gとアセトン5
7gに溶解した溶液を1時間にわたり滴下し4時間撹拌
した。反応溶液をグラスフィルターを用い減圧濾過し得
られたポリアミド粉粒体を減圧乾燥した。乾燥したポリ
アミド粉粒体(85重量%)15.11gをジアセトン
アルコール70.76gに溶解させたところ、均一な赤
色透明な溶液が得られた。このときのポリアミド酸の
〔η〕は1.19であった。このポリアミド酸溶液は安
定であり、20℃で2週間経過した後も〔η〕の顕著な
低下は見られなかった。
とアセトン57gに溶解した。これにジアミノジフェニ
ルエーテル7.18gをTHF85.5gとアセトン5
7gに溶解した溶液を1時間にわたり滴下し4時間撹拌
した。反応溶液をグラスフィルターを用い減圧濾過し得
られたポリアミド粉粒体を減圧乾燥した。乾燥したポリ
アミド粉粒体(85重量%)15.11gをジアセトン
アルコール70.76gに溶解させたところ、均一な赤
色透明な溶液が得られた。このときのポリアミド酸の
〔η〕は1.19であった。このポリアミド酸溶液は安
定であり、20℃で2週間経過した後も〔η〕の顕著な
低下は見られなかった。
【0045】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明のポリアミド酸溶液は経時安定性が良好であり、成形
時や被覆時に溶媒除去が容易である。また本発明の製造
方法によれば安価で毒性の弱い溶媒を用い、簡単な装置
で容易にポリアミド酸溶液を製造することができる。
明のポリアミド酸溶液は経時安定性が良好であり、成形
時や被覆時に溶媒除去が容易である。また本発明の製造
方法によれば安価で毒性の弱い溶媒を用い、簡単な装置
で容易にポリアミド酸溶液を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリアミド酸が、同一分子内にカルボニ
ル基とアルコール性水酸基を有する化合物中に溶解して
いることを特徴とするポリアミド酸溶液。 - 【請求項2】 同一分子内にカルボニル基とアルコール
性水酸基を有する化合物中で、テトラカルボン酸二無水
物とジアミンとを重合することを特徴とする請求項1記
載のポリアミド酸溶液の製造方法。 - 【請求項3】 エーテル系化合物及び/又はケトン系化
合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重
合させて、得られるポリアミド酸を分離し、これを同一
分子内にカルボニル基とアルコール性水酸基を有する化
合物中に溶解させることを特徴とする請求項1記載のポ
リアミド酸溶液の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7343196A JPH09263698A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | ポリアミド酸溶液及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7343196A JPH09263698A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | ポリアミド酸溶液及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09263698A true JPH09263698A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13518062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7343196A Pending JPH09263698A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | ポリアミド酸溶液及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09263698A (ja) |
-
1996
- 1996-03-28 JP JP7343196A patent/JPH09263698A/ja active Pending
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