JPH09263686A - ブロー成形用樹脂組成物、その成形品および成形品の製造方法 - Google Patents

ブロー成形用樹脂組成物、その成形品および成形品の製造方法

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JPH09263686A
JPH09263686A JP8099444A JP9944496A JPH09263686A JP H09263686 A JPH09263686 A JP H09263686A JP 8099444 A JP8099444 A JP 8099444A JP 9944496 A JP9944496 A JP 9944496A JP H09263686 A JPH09263686 A JP H09263686A
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resin
weight
blow molding
resin composition
temperature
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Application number
JP8099444A
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Inventor
Kenji Furui
健二 古井
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Publication date
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル系樹脂をブロー成形する際に、
パリソンが賦形前に固化する結果、成形品の外観が悪く
なる現象を解消し、外観が良好な成形品を得るためのブ
ロー成形用樹脂を組成物を提供する。 【解決手段】 融点(Tm)と結晶化温度(Tc)との
温度差が37℃以上であるポリエステル系樹脂(1)、
例えば炭素数2〜4のアルキレン基を有するポリアルキ
レンテレフタレートを主体とし、それに共重合可能なコ
モノマー単位を5〜40モル%とを含む共重合体(1ー
a)を主成分とする樹脂材料(A)からなるブロー成形
用樹脂組成物を用いることにより外観良好な成形品を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、融点と結晶化温度
との温度差が大きい特定のポリエステル系樹脂を主体と
する樹脂材料(A)からなるブロー成形用樹脂組成物、
それから得られる成形品およびその製造方法に関するも
のである。成形時の結晶化を遅くすることにより、外観
の良好なブロー成形品を提供する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂は耐熱性、耐薬品
性、寸法安定性等に優れていることから、電気・電子部
品、自動車部品、各種精密部品等に使用されている。し
かしながら、ポリエステル系樹脂は結晶化速度が大き
く、ブロー成形時にキャビティに賦形する前にパリソン
が固まり始め、成形品の外観が非常に悪くなる傾向にあ
る。金型温度を上げる等の成形条件による成形品の外観
向上を試みても、顕著な改善が認められない。良好な外
観を与えることができるブロー成形用のポリエステル系
樹脂組成物の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル系樹脂をブロー成形する際に、パリソンが賦形
前に固化を始める結果、成形品の外観が悪くなる現象を
解消し、外観が良好な成形品を得るためのブロー成形用
樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、融点Tm
と結晶化温度TCとの温度差が37℃以上であるポリエ
ステル系樹脂(1)を主成分とする樹脂材料(A)、よ
り好ましくは、炭素数2〜4のアルキレン基を有するポ
リアルキレンテレフタレートを主体とし、それに共重合
可能なコモノマー単位5〜40モル%とを含む共重合体
(1−a)を主成分とする樹脂材料(A)からなるブロ
ー成形用樹脂組成物を使用することにより、外観が良好
な成形品を得ることができることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、融点Tmと結晶化温度
Cとの温度差が37℃以上であるポリエステル系樹脂
(1)を主成分とする樹脂材料(A)(以下、樹脂材料
(A)と略称する)からなるブロー成形用樹脂組成物、
ブロー成形用樹脂組成物から得た成形品および樹脂材料
(A)からなるブロー成形用樹脂組成物を230℃以下
の押出温度でブロー成形する成形品の製造方法に関する
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明のブロー成形用樹脂組成物は樹脂材料
(A)からなるものであり、樹脂材料(A)は融点Tm
と結晶化温度TCとの温度差が37℃以上であるポリエ
ステル系樹脂(1)を主成分としている。この温度差が
37℃以上、好ましくは42℃以上であることにより成
形時の結晶化速度が小さく(結晶化が遅く)、得られる
成形品の外観も良好となる。また、ポリエステル系樹脂
(1)の融点は好ましくは220℃以下、更に好ましく
は170〜220℃であることが望ましい。
【0007】本発明の樹脂材料(A)の主成分となるこ
のようなポリエステル系樹脂(1)として好ましいの
は、ポリアルキレンテレフタレートを主体とし、それに
共重合可能なコモノマー単位5〜40モル%とを含む共
重合体であり、これにより母体であるアルキレンテレフ
タレートより融点が低く、さらに結晶化温度も下がり、
これらの温度差が大きくなり、結果として成形時のパリ
ソンの固化を遅くすることができる。具体的にはテレフ
タル酸またはそのエステル形成性誘導体と炭素数2〜4
のアルキレングリコールまたはそのエステル形成性誘導
体を重縮合して得られるポリアルキレンテレフタレート
を主体とする共重合体であり、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレートまたはポリ
ブチレンテレフタレートを主成分とし、これに5〜40
モル%の共重合可能な他のコモノマーを導入した共重合
体が挙げられる。ポリアルキレンテレフタレートに共重
合可能な他のコモノマーとしては、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸の様な公知のジカルボン酸および
これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体等
が挙げられる。また、これらのジカルボン酸化合物は、
エステル形成可能な誘導体、例えばジメチルエステルの
様な低級アルコールエステルの形で重縮合に使用しコモ
ノマー成分として導入することも可能である。また、共
重合可能な他のコモノマーとして使用されるジヒドロキ
シ化合物の例を示すと、エチレングリコール,1,3−
プロパンジオール,1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロ
キシフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、シクロヘキサンジオール,2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ化
ビスフェノールAの様な比較的低分子量のジヒドロキシ
化合物、およびこれらのアルキル、アルコキシまたはハ
ロゲン置換体等である。これらのコモノマー成分は2種
以上混合して導入したものであってもよい。
【0008】本発明では、上記の化合物をコモノマー成
分として重縮合により生成する熱可塑性ポリエステル系
共重合体を単独または2種以上混合して本発明の樹脂材
料(A)中のポリエステル系樹脂(1)成分として使用
することができる。上記のポリアルキレンテレフタレー
トのなかではポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどが、またコモノマ−成分としては
イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸が好ましく用い
られる。
【0009】本発明のブロー成形用樹脂組成物を構成す
る樹脂材料(A)の主成分であるポリエステル系樹脂
(1)、中でも好ましく用いられるポリアルキレンテレ
フタレートからなる共重合体(1−a)は、エンジニア
リングプラスッチック本来の特性を有する材料であるた
め、コモノマー成分の含有量は5〜40モル%の範囲が
好ましく、更に好ましくは7〜30モル%の範囲であ
る。共重合体(1−a)のコモノマー成分の含有量が5
モル%未満であると、融点および結晶化温度が共に高く
なり、結晶化に要する時間も速くなる。結果としてブロ
ー成形品の外観が悪くなる。また、共重合体(1−a)
のコモノマー成分の含有量が40モル%を越えると、樹
脂材料(A)の耐熱性が著しく低下し、エンジニアリン
グプラスッチックとしての特性を大きく損ない好ましく
ない。
【0010】また、ポリエステル系樹脂(1)の粘度は
特に限定する必要はなく、射出成形可能なものであれば
よいが、固有粘度0.6〜2.0dl/gのものが好ん
で使用できる。ポリエステル系樹脂(1)が低粘度の場
合は後述のスチレン系共重合体(2)および変性ポリオ
レフィン系樹脂(3)の併用が好ましい。併用すること
によりブロー成形が可能となり成形性は顕著に改善され
る。
【0011】本発明で用いることのできるグリシジル基
を有するスチレン系共重合体(2)(以下、スチレン系
共重合体(2)と略称する)は、好ましくは基本となる
ポリエステル系樹脂(1)に配合すると溶融張力を改善
してドローダウンの発生を抑え、ブロー成形性を著しく
改善する効果がある。スチレン系共重合体(2)はスチ
レン40〜97重量%と、下記一般式(a)で示される
α,β-不飽和酸のグリシジルエステル3〜60重量%
および他のビニル系モノマー0〜50重量%よりなるス
チレン系共重合体である。
【0012】
【化3】
【0013】(a)式で示されるα,β-不飽和酸のグ
リシジルエステルの含有量が大きすぎると組成物がゲル
化し易くブロー成形性に問題を生じたり、成形品の外観
が悪くなるため好ましくない。また含有量が小さすぎる
と溶融張力が低くなり、ドローダウンを生じブロー成形
性の改善効果が得難くなる。スチレン系共重合体(2)
中のα,β-不飽和酸のグリシジルエステルの含有量は
3〜60重量%、好ましくは5〜50%である。(a)
式で示されるα,β-不飽和酸のグリシジルエステル単
位は、例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリ
ル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエス
テル、イタコン酸グリシジルエステル等であり、これら
の中で特にメタクリル酸グリシジルエステルが好まし
い。
【0014】尚、スチレン系共重合体(2)は、上記2
成分以外に他のビニル系モノマーを2種以上使用して共
重合した多元共重合体であってもよい。このようなビニ
ル系モノマーとして好適なものはアクリロニトリル、塩
化ビニル、α−メチルスチレン、ブロム化スチレンおよ
びフェニルマレイミド等が挙げられる。これらの中で特
にアクリロニトリルが好ましい。これを50重量%以
下、好ましくは49重量%以下導入した三元共重合体は
更にブロー成形性の改善に一層優れた効果を有する。こ
れ以外に補助的に少量の他のビニル系モノマーを導入し
た多元共重合体であってもよいが、エチレン、プロピレ
ン、ブテンー1等のオレフィン系成分を含むと効果を減
退させるので好ましくない。
【0015】スチレン系共重合体(2)の配合量はポリ
エステル系樹脂(1)100重量部に対して0.2〜1
0重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。配合量
が少なすぎるとドローダウンが生じ良好なブロー成形性
が得難く、また多すぎるとゲル化が発生し良好なブロー
成形品を得ることができなくなる。
【0016】スチレン系共重合体(2)は各成分のモノ
マーをラジカル触媒を用いて通常のラジカル重合法によ
り容易に調製することができる。また、スチレン系共重
合体(2)は、線状共重合体に少量のビニル系重合体が
分岐または架橋的に化学結合したグラフト重合体でもよ
い。かかる分岐または架橋セグメントを構成するビニル
系モノマーとしてはアクリル酸、アクリル酸アルキルエ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステ
ル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。分岐
または架橋構造を有するこれらの共重合体は、例えば前
記線状共重合体の存在下で少なくとも1種の上記ビニル
系モノマーとラジカル重合性有機過酸化物を共重合させ
て過酸化含有共重合体を生成させ、これを加熱混練する
ことによってグラフト共重合体とすることができる。
【0017】しかし、本発明に用いるスチレン系共重合
体(2)は少なくともそれ自体が溶融状態において流動
性の物質であることが必要である。溶融混練する温度で
スチレン系共重合体(2)の溶融粘度はポリエステル系
樹脂(1)の溶融粘度よりも低いことが望ましい。スチ
レン系共重合体(2)の溶融粘度はポリエステル系樹脂
(1)の溶融粘度の1/2以下であることが好ましい。
分子量が大きく溶融粘度の高いものや、高度にグラフト
化したものはそれ自体流動性が悪く、ポリエステル系樹
脂(1)に対する分散性が悪くなる。その結果、樹脂材
料(A)の溶融張力の低下、ドローダウンの発生等ブロ
ー成形性に対する改善効果が減少し、成形品の表面状態
も悪くなり好ましくない。
【0018】グリシジル化合物を含む変性ポリオレフィ
ン系樹脂(3)(以下、変性ポリオレフィン系樹脂
(3)と略称する)は、ブロー成形時に発生する不要材
料や、ブロー成形品そのものを再び粉砕してブロー成形
に再使用する際の溶融張力の低下やドローダウンの発生
等のブロー成形性の低下を著しく改善する効果を有す
る。変性ポリオレフィン系樹脂(3)はポリオレフィン
系樹脂に変性剤として下記の一般式(b)で示されるグ
リシジル基を有する芳香族アクリルアミド化合物を混合
し、ラジカル開始触媒の存在下で加熱処理することによ
って得られる変性ポリオレフィンである。
【0019】
【化4】
【0020】変性ポリオレフィン系樹脂(3)の調製に
用いるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン或
いはこれらを主成分とする共重合体、例えばエチレン・
プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共
重合体等の他、オレフィン以外のモノマーを含む共重合
体であってもよい。これらのポリオレフィン系樹脂は1
種または2種以上の混合物とすることもできる。特に、
ポリプロピレンやポリメチルペンテンを用いると樹脂材
料(A)の剛性を損なうこともなく靱性改善にも効果が
ある。変性ポリオレフィン系樹脂(3)は、線状共重合
体でも、分岐または架橋的に化学結合したグラフト共重
合体でもよいが、スチレン系共重合体(2)と同様に流
動性のよいものが好ましい。この観点から変性ポリオレ
フィン系樹脂(3)の配合量はポリエステル系樹脂
(1)100重量部に対に対して1〜30重量部であ
る。この配合量が少なすぎるとブロー成形品およびバリ
のリサイクル時の溶融張力が低下しドローダウンを生じ
る。また、この配合量が多すぎると樹脂組成分全体がゲ
ル化することがあるので好ましくはない。
【0021】本発明の樹脂材料(A)には繊維状、粉粒
状または板状の充填剤(4)(以下、充填剤(4)と略
称する)を配合してもよい。繊維状充填剤としては、ガ
ラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊
維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素
繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、
アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物質
が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維
である。粉粒状充填剤としては、カーボンブラック、シ
リカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシ
ウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、
珪素土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化
チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の金属酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウムの等の金属の炭酸塩、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム等の金属硫酸塩、その他炭化珪
素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末などが挙げられ
る。
【0022】また、板状充填剤としては、マイカ、ガラ
スフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。これらの無
機充填剤は1種または2種以上併用することができる。
繊維状充填剤特にガラス繊維と粉粒状または板状充填剤
の併用は、成形品の機械的強度と寸法精度、電気的性質
などを兼備する上で好ましい組み合わせであり、特にブ
ロー成形性の向上にも有効である。
【0023】これらの充填剤の使用に当たっては収束剤
または表面処理剤を使用することが望ましい。これらの
例としては、エポキシ化合物、イソシアネート系化合
物、チタネート系化合物、シラン系化合物等の官能性化
合物である。充填剤(4)の配合量はポリエステル系樹
脂(1)100重量部に対して100重量部以下、好ま
しくは70重量部以下である。配合量が100重量部を
超えるとブロー成形に支障を生じることがあるので好ま
しくない。
【0024】本発明の樹脂材料(A)には必須ではない
が、前記成分(2)および成分(3)と共に、特定のエ
ポキシ反応促進剤(5)を併用してポリエステル系樹脂
(1)である共重合体(1)と溶融混練処理してもよ
い。エポキシ促進剤(5)としては、第3アミン、第3
アミン塩、イミダゾール化合物、イミダゾール塩、有機
金属錯体等が挙げられる。これらの反応促進剤(5)の
添加剤量は、成分(2)および成分(3)の合計に対し
て6重量%以下であり、好ましくは0.05〜3重量%
である。また、これらのエポキシ反応促進剤は1種また
は2種以上を混合して添加してもよい。なお、エポキシ
反応性触媒として一般に公知の酸、例えば有機スルホン
酸のような酸性の強いものはポリエステルの劣化を促進
するため好ましくない。
【0025】さらに、本発明に使用する樹脂材料(A)
に他の熱可塑性樹脂を併用することも可能である。用い
る他の熱可塑性樹脂としては、高温で安定な熱可塑性樹
脂であれば何れでもよい。融点が樹脂材料(A)より高
いものはその配合量に制限が生ずる場合がある。例え
ば、ポリアミド系重合体、前記成分(2)以外のスチレ
ン系重合体(共重合体も含む)、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアルキルアクリ
レート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、
フッ素樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性
樹脂は2種以上混合して使用することができる。これら
のうち好ましい熱可塑性樹脂としてはナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン12、またはそれらの共重合体等を
含めた熱可塑性ポリアミド系樹脂(6)(以下ポリアミ
ド系樹脂(6)と略称する)を挙げることができる。ポ
リアミド系樹脂(6)は、ポリエステル系樹脂(1)成
分100重量部に対して100重量部以内が好ましい。
更に好ましくは60重量部以内である。ここで使用する
ポリアミド系樹脂(6)は溶融張力を増大させパリソン
を安定化し、耐ドローダウン性向上に効果がある。しか
し、配合量が多すぎるとポリエステル系樹脂(1)の樹
脂特性が失われるので好ましくない。
【0026】さらに、本発明に用いる樹脂材料(A)
に、一般的に合成樹脂に添加される公知の物質、即ち酸
化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、離型剤および結晶
促進剤、結晶核剤等も要求性能に応じ添加できる。
【0027】本発明のブロー成形は、一般に熱可塑性樹
脂のブロー成形に用いられるブロー成形機を使用し通常
の方法で行えばよい。即ち上記の樹脂材料(A)を押出
機で可塑化する。次いで、これを環状ダイより押し出し
或いは射出して1層または2層以上の環状の溶融または
軟化した中間体パリソンを形成する。このパリソンを金
型に挟んで内部に気体を吹き込み、膨らませて金型に賦
形し冷却固化し、中空体として成形される。本発明の樹
脂組成物のブロー成形品を得るための成形条件は、シリ
ンダーおよびダイ温度は使用樹脂の融点より5℃高い温
度から230℃以下の温度で行うのが好ましい。また、
金型温度は40〜130℃が好ましく、特に好ましくは
60〜80℃である。内部に吹き込む気体は空気、窒素
その他何れのでもよいが経済性を考え通常空気を用い
る。吹込圧は3〜10kg/cm2が好ましい。更には、
三次元ブロー成形機等の特殊ブロー成形機で成形するこ
ともできる。また、本発明のブロー成形用樹脂組成物樹
脂からなる層を少なくとも1層有し、他の熱可塑性樹脂
と組み合わせて多層ブロー成形することも可能である。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1〜5、比較例1〜3)ダイレクトブロー成形
機を用いて、下記に示した材料を使用し、各ポリエステ
ル系樹脂(1)の融点より20℃から30℃高い押出温
度で押出し、直径50mm、肉厚2.5mmのパリソン
を得た。このパリソンから金型温度60℃、吹込圧6k
g/cm2で直径70mm、長さ250mmの円筒状の容
器をブロー成形により成形し、成形品の性状を評価し、
表−1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】尚、使用した樹脂材料及び評価方法は以下
の通りである。樹脂材料(A)の配合比率を重量部で表
す。 ポリエステル系樹脂(1)/スチレン系共重合体(2)/
変性ポリオレフィン系樹脂(3)/充填剤(6)=100/
1.5/10/25
【0031】『樹脂材料(A)』 ポリエステル系樹脂(1): a−1:ポリブチレンテレフタレートを主体とし、コモ
ノマーとしてイソフタル酸成分12モル%を共重合した
共重合体(融点205℃) a−2:コモノマーとしてイソフタル酸成分15モル%
を用いた他はa−1と同じ(融点200℃) a−3:コモノマーとしてイソフタル酸成分20モル%
を用いた他はa−1と同じ(融点195℃) a−4:コモノマーとしてイソフタル酸成分23モル%
を用いた他はa−1と同じ(融点185℃) a−5:コモノマーとしてイソフタル酸成分30モル%
を用いた他はa−1と同じ(融点170℃) a−6:ポリブチレンテレフタレート(融点227℃) a−7:コモノマーとしてイソフタル酸成分2モル%を
用いた他はa−1と同じ(融点222℃)
【0032】スチレン系共重合体(2):スチレン/ア
クリロニトリル/グリシジルメタクリレート共重合体
(重量比:56/24/20)。 変性ポリオレフィン系樹脂(3):AXE変性ポリエチ
レン(重量比:AXE/ポリエチレン=10/100) AXE;N-(4-(2,3-エポキシプロポキシ)-3,5−ジ
メチルベンジル)アクリルアミド。 充填剤(6):ガラス繊維φ12μm,長さ3mm。
【0033】樹脂組成物およびその成形品の評価 1)融点および結晶化温度 測定サンプル5mgを採取し、PERKIN−ELME
R社製DSC(7-series)を使い、昇温速度5℃/mi
n.で昇温し、融解時の吸熱量が最大である時の温度を
融点(Tm)とした。また、融点を測定した後、5℃/m
in.で降温し、結晶化に伴う発熱が最大である時の温
度を結晶化温度(TC)とした。 2)成形品表面粗さ 成形品上部と下部の表面の粗さをKosaka Laboratory Lt
d.製輪郭形状測定機(SE-3C)で測定し、その上部下部各
々の最大粗さおよびその差を求めた。
【0034】
【本発明の効果】本発明のブロー成形用樹脂組成物およ
びそのブロー成形品は、融点と結晶化温度との温度差が
37℃以上であるポリエステル系樹脂(1)を主成分と
する樹脂材料からなる樹脂組成物を使用することによ
り、その結晶化温度を低くし、結果的に結晶化が遅くな
り、ブロー成形において外観が良好な成形品を提供す
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点Tmと結晶化温度TCとの温度差が37
    ℃以上であるポリエステル系樹脂(1)を主成分とする
    樹脂材料(A)からなるブロー成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリエステル系樹脂(1)の融点Tmが2
    20℃以下である請求項1記載のブロー成形用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】樹脂材料(A)がスチレン40〜97重量
    %、下記一般式(a)で示されるα,β-不飽和酸のグ
    リシジルエステル3〜60重量%、他のビニル系モノマ
    ー0〜50重量%(三者の合計は100重量%)よりな
    るスチレン系共重合体(2)、または、ポリオレフィン
    系樹脂100重量部に対し、下記一般式(b)で示され
    たグリシジル化合物を0.1〜15重量部を反応させた
    変性ポリオレフィン系樹脂(3)の少なくとも1種から
    選ばれた化合物を含有する請求項1記載のブロー成形用
    樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】樹脂材料(A)がポリエステル系樹脂
    (1)100重量部に対してスチレン系共重合体(2)
    0.2〜10重量部および変性ポリオレフィン系樹脂
    (3)1〜30重量部を含んでなる請求項3記載のブロ
    ー成形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】樹脂材料(A)が、さらに繊維状、粉粒状
    または板状の充填剤(4)の少なくとも1種を含んでな
    る請求項1乃至4のいずれかに記載のブロー成形用樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】樹脂材料(A)が、さらに第3級アミンま
    たはその塩、イミダゾールまたはその塩、ホスホニウム
    塩または有機金属錯体から選ばれる少なくとも1種のエ
    ポキシ反応促進剤(5)を、成分(2)および成分
    (3)の和に対して0.05〜6重量%配合し溶融混練
    してなる請求項3乃至5のいずれかに記載のブロー成形
    用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】樹脂材料(A)が、さらにポリエステル系
    樹脂(1)100重量部に対し熱可塑性ポリアミド樹脂
    (6)を1〜100重量部含む請求項1乃至6のいずれ
    かに記載のブロー成形用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】ポリエステル系樹脂(1)が炭素数2〜4
    のアルキレン基を有するポリアルキレンテレフタレート
    を主体とし、それに共重合可能なコモノマー単位5〜4
    0モル%とを含む共重合体(1−a)である請求項1乃
    至7のいずれかに記載のブロー成形用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載のブロー
    成形用樹脂組成物から得た成形品。
  10. 【請求項10】融点Tmと結晶化温度TCとの温度差が3
    7℃以上であるポリエステル系樹脂(1)を主体とする
    樹脂材料(A)からなるブロー成形用樹脂組成物を23
    0℃以下の押出温度でブロー成形する成形品の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007290405A (ja) * 1999-03-24 2007-11-08 3Dm Internatl Inc 個々の材料の性質を保持する成形品及びその製造方法

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JPH06145481A (ja) * 1992-11-10 1994-05-24 Polyplastics Co ブロー成形用又は押出成形用ポリエステル樹脂組成物並びにその中空成形品

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