JP3047472B2 - ブロー中空成形品 - Google Patents

ブロー中空成形品

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JP3047472B2 JP40856190A JP40856190A JP3047472B2 JP 3047472 B2 JP3047472 B2 JP 3047472B2 JP 40856190 A JP40856190 A JP 40856190A JP 40856190 A JP40856190 A JP 40856190A JP 3047472 B2 JP3047472 B2 JP 3047472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形品外観、耐熱性、耐
薬品性および耐衝撃性の優れたブロー中空成形品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、
PPS樹脂と略称する)は耐熱性、耐薬品性、難燃性お
よび電気特性などが優れたエンジニアリングプラスチッ
クであり、電機・電子部品、自動車部品および精密機械
部品などの用途に対し、近年その需要がますます高まり
つつある。しかし、PPS樹脂を成形加工する方法は、
PPS樹脂の溶融流動性が非常に大きいことからほとん
ど射出成形に限られており、そのため成形品形状は小型
のものが大部分で例えばブロー成形などによるボトルお
よびタンクなどの大型部品への応用はあまりなされてい
ない。
【0003】ブロー成形品としては、例えば特開昭61
−255832号公報に記載されたPPS樹脂のブロー
成形容器およびその製造法が知られているが、これは著
しく高い重合度を有するPPS樹脂を用い、なおかつ特
殊な射出延伸ブロー成形法を組み合わせたものであり、
汎用的なPPS樹脂のブロー成形技術が確立されたもの
とはいえない。
【0004】一方、自動車部品においてはエンジンルー
ム内のダクト類をブロー成形によって製造する方法が普
及してきており、現在は主としてポリアミド系材料が使
用されているが、ポリアミド系材料では耐熱性が不十分
であるために、耐熱性が高く、しかも耐薬品性、耐衝撃
性も兼備したブロー成形用材料が求められているのが現
状である。
【0005】このような要求に応えるものとして、本発
明者らはPPS樹脂およびエポキシ基含有ポリオレフィ
ン系共重合体からなる組成物をブロー成形することを検
討した。しかしこのような方法で得られるブロー中空成
形品はブロー成形性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性は優
れたものであったが、表面外観、特にガラス繊維などの
補強材を添加した際のガラス繊維の浮きについて十分な
ものとはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ブロ
ー成形性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性に優れ、かつ、
外観の優れたPPS樹脂系ブロー中空成形品の取得を課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、酸水
溶液洗浄、熱水洗浄および有機溶媒洗浄の中から選ばれ
た少なくとも一つの方法で脱イオン化されたポリフェニ
レンスルフィド樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリ
エステル樹脂5〜80重量部、α−オレフィンとα,β
−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルからなる変性
ポリオレフィン5〜80重量部および繊維状および/ま
たは粒状の強化剤0〜200重量部を配合してなるポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物をブロー成形すること
により得られるブロー中空成形品を提供するものであ
る。
【0008】本発明においては、脱イオン化されたPP
S樹脂(以下、単にPPS樹脂と呼ぶことがある。)
α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸のグリシジ
ルエステルからなる変性ポリオレフィンに加えて熱可塑
性ポリエステル樹脂を特定量配合することが重要であ
り、それにより外観に優れたブロー中空成形品が得ら
れ、さらに耐熱性、機械的性質のみならず経済性にも優
れたブロー中空成形品が得られるのである。
【0009】本発明で使用するPPS樹脂とは構造式
【0010】
【化1】
【0011】で示される繰返し単位を70モル%以上、
より好ましくは90モル%以上を含む重合体であり、上
記繰返し単位が70モル%未満では耐熱性が損なわれる
ため好ましくない。
【0012】PPSは一般に、特公昭45−3368号
公報で代表される製造法により得られる比較的分子量の
小さい重合体と、特公昭52−12240号公報で代表
される製造法により得られる本質的に線状で比較的高分
子量の重合体等があり、前記特公昭45−3368号公
報記載の方法で得られた重合体においては、重合後、酸
素雰囲気下において加熱することにより、あるいは過酸
化物等の架橋剤を添加して加熱することにより高重合度
化して用いることも可能である。本発明においてはいか
なる方法により得られたPPS樹脂を用いることも可能
であるが、本質的に線状で比較的高分子量の重合体が、
より好ましく使用される。
【0013】また、PPSはその繰返し単位の30モル%
未満を下記の構造式を有する繰返し単位等で構成するこ
とが可能である。
【0014】
【化2】
【0015】本発明で用いるPPS樹脂は、上記重合工
程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒
による洗浄により脱イオン処理を施されたものである。
【0016】酸処理を行なう場合は次の通りである。本
発明でPPS樹脂の酸処理に用いる酸は、PPS樹脂を
分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、
酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、硅酸、炭酸およびプロピル
酸等が挙げられ、なかでも、酢酸および塩酸がより好ま
しく用いられ得るが、硝酸のようなPPS樹脂を分解、
劣化させるものは好ましくない。
【0017】酸処理の方法は、酸または酸の水溶液にP
PS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により
適宜撹拌または加熱することも可能である。例えば、酢
酸を用いる場合、pH4の水溶液を80〜90℃に加熱
した中にPPS粉末を浸漬し、30分間撹拌することに
より十分な効果が得られる。酸処理を施されたPPSは
残留している酸または塩などを物理的に除去するため、
水または温水で数回洗浄することが必要である。
【0018】洗浄に用いる水は、酸処理によるPPSの
好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸溜
水、脱イオン水であることが好ましい。
【0019】熱水で処理する場合は次の通りである。
【0020】本発明において使用するPPS樹脂を熱水
処理するにあたり、好ましい化学的変性効果を発現する
ため熱水の温度を通常、100℃以上、より好ましくは
120℃以上、さらに好ましくは150℃以上、特に好
ましくは170℃以上にすることが好ましい。
【0021】本発明の熱水洗浄によるPPS樹脂の好ま
しい化学的変性の効果を発現するため、使用する水は蒸
溜水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処
理の操作は、通常、所定量の水に所定量のPPS樹脂を
投入し、圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われ
る。PPSと水との割合は、水の多い方が好ましいが、
通常、水1■に対し、PPS200g以下の浴比が選択
される。
【0022】また、処理の雰囲気は、末端基の分解は好
ましくないので、これを回避するため不活性雰囲気下と
するのが好ましい。さらに、この熱水処理操作を終えた
PPSは、残留している成分を物理的に除去するため温
水で数回洗浄するのが好ましい。
【0023】有機溶媒で洗浄する場合は次の通りであ
る。
【0024】本発明においてPPS樹脂の洗浄に用いる
有機溶媒は、PPSを分解する作用などを有しないもの
であれば特に制限はなく、例えばN−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホス
ホラスアミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶媒、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン
などのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなど
のケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレ
ン、二塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロル
エタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パーク
ロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペ
ンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのアルコール・フェ
ノール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶
媒のうちでも、N−メチルピロリドン、アセトン、ジメ
チルホルムアミド、クロロホルムなどの使用が特に好ま
しい。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類
以上の混合で使用される。
【0025】有機溶媒による洗浄の方法としては、有機
溶媒中にPPSを浸漬せしめるなどの方法があり、必要
により適宜撹拌または加熱することも可能である。
【0026】有機溶媒でPPSを洗浄する際の洗浄温度
については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意
の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率
が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄
温度で十分効果が得られる。
【0027】圧力容器中で、有機溶媒の沸点以上の温度
で加圧下に洗浄することも可能である。また、洗浄時間
についても特に制限はない。洗浄条件にもよるが、バッ
チ式洗浄の場合、通常5分間以上洗浄することにより、
十分な効果が得られる。また、連続式で洗浄することも
可能である。
【0028】重合により生成したPPSを有機溶媒で洗
浄するのみで十分であるが、本発明の効果をさらに発揮
させるために、水洗浄、または温水洗浄と組み合わせる
のが好ましい。また、N−メチルピロリドンなどの高沸
点水溶性有機溶媒を用いた場合は、有機溶媒洗浄後、水
または100℃以下の温水で洗浄することにより、残存
有機溶媒の除去が容易に行なえて好ましい。これらの洗
浄に用いる水は蒸溜水、脱イオン水であることが好まし
い。
【0029】本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度
は特に制限はなく、いかなる溶融粘度のものでも用いる
ことができるが通常は320℃、剪断速度10sec
−1における溶融粘度が100〜10,000ポイズの
ものが用いられる。
【0030】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
とは炭素数2〜10の脂肪族または脂環族のジオール成
分、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1.5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、シクロ
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび分
子量400〜6,000の長鎖グリコール、たとえばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどとテレフタル酸、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタ
ン、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,
4´−ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体との縮
合反応により得られるホモポリマまたはコポリマであ
り、各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0031】また、これらの半芳香族ポリエステルには
その特性を損なわない範囲内でアジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸を共重合成分として少量導入することもできる。
【0032】特に本発明で有用なポリエステルは、ポリ
エチレンテレフタレ―ト、ポリブチレンテレフタレ―
ト、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートな
どである。
【0033】本発明で用いられるポリエステルの重合度
についてはオルトークロロフェノール溶媒中、0.5%
濃度、25℃で測定した相対粘度が1.2以上であるこ
とが好ましい。
【0034】本発明で用いられるα−オレフィンとα,
β−不飽和酸のグリシジルエステルからなる変性ポリオ
レフィンにおけるα−オレフィンとは具体的にはエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1などであるが好ましいのは
エチレンである。また、α,β−不飽和酸のグリシジル
エステルとは下記一般式
【0035】
【化3】
【0036】(式中Rは水素原子または炭素数1〜6の
アルキル基を表わす)で示される化合物であり、具体的
にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
エタクリル酸グリシジルなどであり、特にメタクリル酸
グリシジルが好ましく用いられる。α,β−不飽和酸の
グリシジルエステルの共重合量は1〜50重量%、好ま
しくは3〜40重量%の範囲が適当である。
【0037】さらに本発明の変性ポリオレフィンには、
その効果を損なわない範囲で、共重合可能な他の不飽和
モノマ、例えばビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル類、メチル、エチル、
プロピルなどのアクリル酸およびメタクリル酸のエステ
ル類、アクリロニトリル、スチレンなどを共重合するこ
ともできる。 本発明に使用される樹脂組成物における
PPS樹脂、熱可塑性ポリエステル、変性ポリオレフィ
ンの配合割合はPPS樹脂100重量部に対して、熱可
塑性ポリエステル5〜80重量部、好ましくは10〜7
0重量部、および変性ポリオレフィン5〜80重量部、
好ましくは10〜70重量部である。
【0038】熱可塑性ポリエステルの配合量が5重量部
に満たないとブロー成形品の表面外観改良効果が不十分
であり、一方、配合量が80重量部を越えると耐熱性、
耐薬品性などの低下が起こるので好ましくない。
【0039】変性ポリオレフィンの配合量が5重量部に
満たないとブロー成形時のパリソンのドローダウン大き
く、ブロー成形品に肉厚ムラが起こりやすいので好まし
くなく、逆に配合量が80重量部を越えると耐熱性の低
下が著しくなるので好ましくない。
【0040】本発明において、繊維状および/または粒
状の強化材は必須成分ではないが、必要に応じて100
重量部に対して200重量部を越えない範囲で配合する
ことが可能であり、通常、10〜150重量部の範囲で
配合することにより強度、剛性、耐熱性および寸法安定
性などの向上を図ることが可能である。
【0041】かかる繊維状強化材としては、ガラス繊
維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、ア
スベスト繊維、石膏繊維、金属繊維および炭素繊維など
があげられる。
【0042】また粒状の強化材としては、ワラステナイ
ト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナ
イト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの
珪酸塩、アルミナ、塩化珪素、酸化マグネシウム、酸化
ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、
硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・
ビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどがあげ
られ、これらは中空であってもよい。
【0043】これら強化材は2種以上を併用することが
可能であり、必要によりシラン系およびチタン系等のカ
ップリング剤で予備処理して使用することができる。
【0044】本発明で用いられる樹脂組成物の調製方法
は、特に制限なく、PPS樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂および変性ポリオレフィンの粉末、ペレット、細片
および必要に応じて強化材をリボンブレンダー、ヘンシ
ェルミキサー、Vブレンダーなどを用いてドライブレン
ドした後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単
軸または2軸の押出機およびニーダーなどを用いて溶融
混練する方法などがあげられる。中でも十分な混練力を
有する単軸または2軸の押出機を用いて溶融混練する方
法が代表的である。
【0045】また本発明で用いるPPS樹脂と熱可塑性
ポリエステル樹脂および変性ポリオレフィンからなる樹
脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化
防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着
色剤、難燃剤などの通常の添加剤および少量の他種ポリ
マを添加することができ、さらにPPS樹脂の架橋度を
制御する目的で、通常の過酸化剤および特開昭59−1
31650号公報に記載されているチオホスフィン酸金
属塩などの架橋促進剤または特開昭58−204045
号公報や特開昭58−204046号公報に記載されて
いるジアルキル錫ジカルボキシレート、アミノトリアゾ
ールなどの架橋防止剤を配合することも可能である。
【0046】本発明のブロー中空成形品は上記のように
して得られた樹脂組成物を通常公知のブロー成形法、す
なわち基本的には樹脂組成物を押出機に供給し、溶融押
出をしてパリソンを成形せしめ、その後目的とする2〜
3次元的中空成形体とすることによって得られる。通常
公知のブロー成形法の代表例としてはダイレクトブロー
法、アキュームレーターブロー法および多次元ブロー法
などを挙げることができ、また他材料との組み合わせに
おいて用いられる多層ブロー成形法やエクスチェンジブ
ロー成形法などを適用することももちろん可能である。
【0047】このようにして成形された本発明のブロー
中空成形品の具体例としては、ボトル、タンクおよびダ
クトなどがあげられ、これらは耐熱性、耐薬品性および
耐衝撃性に優れた中空成形品として薬品用容器、空調ダ
クト類、自動車エンジンルーム内のダクトおよびパイプ
などに有用である。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。
【0049】なお、実施例および比較例に記された諸特
性は下記の方法で測定した。
【0050】(1)成形性:樹脂組成物ペレットを50
mmφ押出機を具備するブロー成形機に供給し、シリン
ダー温度320℃で押出を行ない、外径100mm、肉
厚4mmのパリソンを成形した後金型内で空気を吹き込
み、1辺150mm、高さ50mmの正四角柱容器を成
形した。この成形品胴部の上部および下部各5カ所の厚
みを測定し、上部平均厚みと下部平均厚みの差が1mm
以内のものを成形性良好、厚みの差が1mmを越えるも
のを不良と判定した。
【0051】(2)耐熱性:上記容器胴部に2.5kg
の荷重をかけて所定の温度で1時間処理した際に、変形
量が2mm以内となる最高温度を測定し、耐熱性の目安
とした。
【0052】(3)耐衝撃性:上部容器を1mの高さか
らコンクリート床上に落下せしめ、容器の破損、クラッ
クの有無を目視判定した。n=20で試験を行ない、破
壊しなかったものの個数を数え、非破壊率として100
分率で表示し、耐衝撃性の目安とした。
【0053】参考例1(PPS樹脂の重合)オートクレ
ーブに硫化ナトリウム3.20kg(25モル、結晶水
40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢酸ナトリウ
ム三水和物1.36kg(約10モル)およびN−メチ
ル−2−ピロリドン(以下NMPと略称する)7.9k
gを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、
水1.36kgを含む留出水約1.5■を除去した。残
留混合物に1,4−ジクロルベンゼン3.75kg(2
5.5モル)およびNMP2kgを加え、265℃で3
時間加熱した。反応生成物を70℃の温水で5回洗浄
し、80℃で24時間減圧乾燥して、溶融粘度約1,5
00ポアズ(320℃、剪断速度10秒−1)の粉末P
PS樹脂(P−1)約2kgを得た。同様の操作を繰返
し、以下に記載の実施例に供した。
【0054】参考例2(PPS樹脂の酸処理)参考例1
で得られたPPS樹脂粉末約2kgを90℃に加熱され
たpH4の酢酸水溶液20■中に投入し、約30分間撹
拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約
90℃の脱イオン水で洗浄し、120℃で24時間減圧
乾燥して粉末状とし、酸処理PPS樹脂(P−2)を得
た。
【0055】参考例3(PPS樹脂の熱水処理)参考例
1で得られたPPS樹脂粉末約2kgと脱イオン水10
lとをオートクレーブに仕込み、常圧で密閉した後、1
75℃まで昇温し、撹拌しながら約30分間保持した後
冷却した。
【0056】内容物を取り出しろ過し、さらに70℃の
脱イオン水約10lの中にPPSを浸漬、撹拌し、ろ過
する操作を5回繰り返した。その後120℃で24時間
減圧乾燥して熱水洗浄PPS樹脂(P−3)を得た。
【0057】参考例4(PPS樹脂の溶媒洗浄)参考例
1で得られたPPS樹脂粉末約2kgを100℃に加熱
したNMP20l中に投入し、約30分間撹拌した後、
ろ過し、続いて約90℃のイオン交換水で洗浄した。こ
のものを120℃で24時間減圧乾燥してNMP洗浄P
PS樹脂(P−4)を得た。
【0058】実施例1 参考例2で得られたPPS樹脂(P−2)100重量
部、相対粘度2.6のポリエチレンテレフタレ―ト50
重量部、エチレン/グリシジルメタクリレート=88/
12(重量%)共重合体50重量部およびガラス繊維5
0重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドした
後、40mmφ単軸押出機のホッパーに供給し、シリン
ダー温度300℃、スクリュー回転数80rpmの条件
で溶融混練を行ない、ペレット化した。このペレットを
140℃/4h熱風乾燥した後、前記のブロー成形機を
用いて1辺150mm、高さ500mmの正四角柱型容
器を成形した。この結果、パリソンのドローダウンがな
く、また成形品表面へのガラス繊維の浮きもない極めて
優れた表面外観を有する中空成形品が得られた。この中
空成形品の物性は表1に示す通りであり、成形品中の偏
肉のない、耐熱性、耐衝撃性も良好なものであった。
【0059】比較例1 ポリエチレンテレフタレ―トを用いなかった以外は実施
例1と全く同様に溶融混練を行ない、得られたペレット
を用いてブロー成形に供した。ここでは表1に示すよう
にブロー成形時にパリソンのドローダウンはなく、偏肉
のない耐熱性、耐衝撃性を有する中空成形品は得られた
が、成形品表面にはガラス繊維の浮きに起因するざらつ
き感があり、外観が不良であった。
【0060】実施例2〜5、比較例2 PPS樹脂、熱可塑性ポリエステル、変性ポリオレフィ
ンの種類および配合量を表2に示したように変更し、実
施例1と同様の手順で混練、ブロー成形を実施した。い
ずれの場合においてもブロー成形時、パリソンのドロー
ダウンもなく、ガラス繊維の浮きもない、表面外観良好
な中空成形品が得られた。ここで得られた中空成形品の
諸特性は表1にまとめて示された通りであり、実施例2
〜5の成形品の均質性、耐熱性、耐衝撃性はいずれも良
好であったが、比較例2の成形品は耐衝撃性が劣ってい
【0061】
【表1】 1)目視判定
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明のブロー中空成形品は、優れたブ
ロー成形性、耐衝撃性および耐熱性を有しており、耐薬
品性タンク、ボトルおよび自動車のダクト類などの用途
に対し、有益に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 81:00 B29L 22:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸水溶液洗浄、熱水洗浄および有機溶媒洗
    浄の中から選ばれた少なくとも一つの方法で脱イオン化
    されたポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対
    し、熱可塑性ポリエステル樹脂5〜80重量部、α−オ
    レフィンとα,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエス
    テルからなる変性ポリオレフィン5〜80重量部および
    繊維状および/または粒状の強化剤0〜200重量部を
    配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物をブ
    ロー成形することにより得られるブロー中空成形品。
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