JPH09262093A - 蛋白質の活性化方法 - Google Patents
蛋白質の活性化方法Info
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- JPH09262093A JPH09262093A JP8074775A JP7477596A JPH09262093A JP H09262093 A JPH09262093 A JP H09262093A JP 8074775 A JP8074775 A JP 8074775A JP 7477596 A JP7477596 A JP 7477596A JP H09262093 A JPH09262093 A JP H09262093A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- added
- acid
- cells
- solution
- Prior art date
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】遺伝子操作技術を用いて、原核細胞で生産した
不活性なNT−3の封入体を、効率的に活性を回復さ
せ、天然源から単離されたNT−3と同じ活性を有する
蛋白質を得る方法を提供する。 【解決手段】遺伝子操作技術を用いて、原核細胞中にN
T−3を発現後、細胞を破砕し、変性剤で可溶化した
後、次いで変性剤を除去し酢酸等の酸性溶液に置換した
のち、沈殿防止剤を添加し、次いでpH約4ないし7で
金属塩を添加することを特徴とする蛋白質の活性化方
法。
不活性なNT−3の封入体を、効率的に活性を回復さ
せ、天然源から単離されたNT−3と同じ活性を有する
蛋白質を得る方法を提供する。 【解決手段】遺伝子操作技術を用いて、原核細胞中にN
T−3を発現後、細胞を破砕し、変性剤で可溶化した
後、次いで変性剤を除去し酢酸等の酸性溶液に置換した
のち、沈殿防止剤を添加し、次いでpH約4ないし7で
金属塩を添加することを特徴とする蛋白質の活性化方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遺伝子操作技術を用
いて、原核細胞中に蛋白質、例えばニューロトロフィン
3(NT−3)を発現後、活性化する方法に関する。
いて、原核細胞中に蛋白質、例えばニューロトロフィン
3(NT−3)を発現後、活性化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】異種蛋白質を原核細胞を用いて発現する
際に、しばしばこれらの蛋白質は宿主細胞中で不溶性の
不活性な封入体を形成し、更に封入体は宿主細胞の蛋白
質により不純化されている。細胞中で大量の蛋白質を形
成する際に、蛋白質の集合により不溶性の、たいていの
場合は不活性な粒子になることが知られており、上記の
ような封入体の形成は、発現の際に発生する細胞中の高
い蛋白質濃度の結果であると推測される。それ故、その
ような蛋白質を例えば治療の目的に使用できるようにす
る前に、それを精製し且つその活性形に変換しなければ
ならない。公知の方法によれば、不溶性の封入体を変性
剤、例えば、グアニジン塩酸塩、または尿素を高濃度で
添加して可溶化した後、希釈あるいは透析により変性剤
の濃度を低減することにより活性な蛋白質を得ることが
できる。上記蛋白質の活性化の例として具体的には次の
ようなものが挙げられる。NGF等の不溶性蛋白を変性
剤(ウレア、グアニジン塩酸塩)の存在下で酸性水溶液
(有機酸など)と接触させ、次いでアルカリ物質を加え
てpHを上昇させた後再度pHを低下することを特徴と
する不溶性融合異種蛋白質の可溶化方法(特開平1−2
57491号)、NGF/BDNFファミリーをレドッ
クスバッファー中でリフォールディングする方法(特開
平6−319549号)、還元剤を含まない溶液中でグ
アニジン塩酸塩、ウレアなどの変性剤を用いてNTを可
溶化させる方法(特表平6−508036号)、β−N
GFをレドックスバッファー中でリフォールディングす
る方法(特開平6−327489号)、あるいは、アル
カリ性で金属イオン存在下でリフォールディングを行う
方法〔ジャーナル オブバイオロジカル ケミストリー
(J.Biol.Chem.)251,6934(19
76)〕等が挙げられる。しかしながら今まで、酸性で
蛋白質の立体構造を復元した後、酸性から中性条件下で
金属イオンを用いて蛋白質が効率よく活性化する方法は
例がなかった。
際に、しばしばこれらの蛋白質は宿主細胞中で不溶性の
不活性な封入体を形成し、更に封入体は宿主細胞の蛋白
質により不純化されている。細胞中で大量の蛋白質を形
成する際に、蛋白質の集合により不溶性の、たいていの
場合は不活性な粒子になることが知られており、上記の
ような封入体の形成は、発現の際に発生する細胞中の高
い蛋白質濃度の結果であると推測される。それ故、その
ような蛋白質を例えば治療の目的に使用できるようにす
る前に、それを精製し且つその活性形に変換しなければ
ならない。公知の方法によれば、不溶性の封入体を変性
剤、例えば、グアニジン塩酸塩、または尿素を高濃度で
添加して可溶化した後、希釈あるいは透析により変性剤
の濃度を低減することにより活性な蛋白質を得ることが
できる。上記蛋白質の活性化の例として具体的には次の
ようなものが挙げられる。NGF等の不溶性蛋白を変性
剤(ウレア、グアニジン塩酸塩)の存在下で酸性水溶液
(有機酸など)と接触させ、次いでアルカリ物質を加え
てpHを上昇させた後再度pHを低下することを特徴と
する不溶性融合異種蛋白質の可溶化方法(特開平1−2
57491号)、NGF/BDNFファミリーをレドッ
クスバッファー中でリフォールディングする方法(特開
平6−319549号)、還元剤を含まない溶液中でグ
アニジン塩酸塩、ウレアなどの変性剤を用いてNTを可
溶化させる方法(特表平6−508036号)、β−N
GFをレドックスバッファー中でリフォールディングす
る方法(特開平6−327489号)、あるいは、アル
カリ性で金属イオン存在下でリフォールディングを行う
方法〔ジャーナル オブバイオロジカル ケミストリー
(J.Biol.Chem.)251,6934(19
76)〕等が挙げられる。しかしながら今まで、酸性で
蛋白質の立体構造を復元した後、酸性から中性条件下で
金属イオンを用いて蛋白質が効率よく活性化する方法は
例がなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、神経細胞の分
化、維持、成長に関与するニューロトロフィンファミリ
ーの内、ニューロトロフィン3(NT−3)について
も、原核細胞中にNT−3を発現後、変性剤を用いて可
溶化し、活性化する方法は既に知られており、特開平3
−204897号公報等に記載されている。しかしなが
ら、この方法を用いると活性なNT−3はごくわずかし
か得られない。またNT−3をウレアに溶解後スルホニ
ル化しスルホニル化体を単離精製した後PEGを添加し
てリフォールディングする方法(WO95/30686
号)があるが、この方法は煩雑である上に効率もよくな
い。更に、チャイニーズハムスター細胞(CHO)等、
真核細胞を宿主としてNT−3を発現すると活性なNT
−3は得られる(EP049993)が、真核細胞用の
培地は高価であり、得られた蛋白の精製工程が煩瑣であ
る等、工業的規模での製造には適当とはいえない。
化、維持、成長に関与するニューロトロフィンファミリ
ーの内、ニューロトロフィン3(NT−3)について
も、原核細胞中にNT−3を発現後、変性剤を用いて可
溶化し、活性化する方法は既に知られており、特開平3
−204897号公報等に記載されている。しかしなが
ら、この方法を用いると活性なNT−3はごくわずかし
か得られない。またNT−3をウレアに溶解後スルホニ
ル化しスルホニル化体を単離精製した後PEGを添加し
てリフォールディングする方法(WO95/30686
号)があるが、この方法は煩雑である上に効率もよくな
い。更に、チャイニーズハムスター細胞(CHO)等、
真核細胞を宿主としてNT−3を発現すると活性なNT
−3は得られる(EP049993)が、真核細胞用の
培地は高価であり、得られた蛋白の精製工程が煩瑣であ
る等、工業的規模での製造には適当とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
欠点を解決すべく、原核細胞の高生産性を利用すると共
に、効率的な再生方法を提供すべく鋭意研究を重ねた結
果、遺伝子操作技術を用いてNT−3等の蛋白質を原核
細胞において発現後、活性化する際に、細胞を破砕し、
変性剤により可溶化した後の活性化工程において、塩
酸、硫酸、りん酸、酢酸、ぎ酸、くえん酸等の酸性溶液
(pH1〜4、好ましくは2〜4)で変性剤を変性作用
を有しない濃度に低減或いは除去(pH1〜4の酸性溶
液に置換)した後に、更に不溶化を抑制する沈殿防止
剤、例えばブドウ糖、ショ糖、ポリエチレングリコール
200またはアルギニン等を含む溶液で希釈し、更にp
H値を4〜7、好ましくは5.5〜6.5に調整した
後、この酸性領域においてNT−3等の蛋白質の高次構
造を回復させ、次いで酸化触媒として硫酸銅等の金属塩
を添加することにより、活性化が効率よく行なえること
を見出し、本発明を完成したものである。即ち、本発明
は、(1)蛋白質を遺伝子工学的に原核細胞宿主中に発
現させて得られる封入体を変性剤で可溶化し、次いでゲ
ル濾過等により変性剤を除去し酸性溶液に置換したの
ち、沈殿防止剤を添加し、pH約4ないし7で金属塩を
添加することを特徴とする蛋白質の活性化方法、(2)
金属塩が硫酸銅である(1)記載の活性化方法、(3)
蛋白質を遺伝子工学的に原核細胞宿主中に発現させて得
られる封入体を変性剤で可溶化し、次いで変性剤を不作
用濃度まで酸性溶液で希釈したのち、沈殿防止剤を添加
し、次いでpH約4ないし7で硫酸銅を添加することを
特徴とする蛋白質の活性化方法、(4)酸性溶液のpH
が約1ないし4である(1)、(2)または(3)記載
の活性化方法、(5)変性剤が尿素またはグアニジン塩
酸塩である(1)、(2)、(3)または(4)記載の
活性化方法、(6)沈殿防止剤が糖、メルカプト基を有
しないアミノ酸またはポリエチレングリコールである請
求項1、2、3または4記載の活性化方法、(7)蛋白
質がS−S結合を有する蛋白質である(1)、(2)、
(3)または(4)記載の活性化方法、(8)蛋白質が
神経栄養因子である(1)、(2)、(3)または
(4)記載の活性化方法、および(9)神経栄養因子が
ニューロトロフィン3である(8)記載の活性化方法、
に関するものである。
欠点を解決すべく、原核細胞の高生産性を利用すると共
に、効率的な再生方法を提供すべく鋭意研究を重ねた結
果、遺伝子操作技術を用いてNT−3等の蛋白質を原核
細胞において発現後、活性化する際に、細胞を破砕し、
変性剤により可溶化した後の活性化工程において、塩
酸、硫酸、りん酸、酢酸、ぎ酸、くえん酸等の酸性溶液
(pH1〜4、好ましくは2〜4)で変性剤を変性作用
を有しない濃度に低減或いは除去(pH1〜4の酸性溶
液に置換)した後に、更に不溶化を抑制する沈殿防止
剤、例えばブドウ糖、ショ糖、ポリエチレングリコール
200またはアルギニン等を含む溶液で希釈し、更にp
H値を4〜7、好ましくは5.5〜6.5に調整した
後、この酸性領域においてNT−3等の蛋白質の高次構
造を回復させ、次いで酸化触媒として硫酸銅等の金属塩
を添加することにより、活性化が効率よく行なえること
を見出し、本発明を完成したものである。即ち、本発明
は、(1)蛋白質を遺伝子工学的に原核細胞宿主中に発
現させて得られる封入体を変性剤で可溶化し、次いでゲ
ル濾過等により変性剤を除去し酸性溶液に置換したの
ち、沈殿防止剤を添加し、pH約4ないし7で金属塩を
添加することを特徴とする蛋白質の活性化方法、(2)
金属塩が硫酸銅である(1)記載の活性化方法、(3)
蛋白質を遺伝子工学的に原核細胞宿主中に発現させて得
られる封入体を変性剤で可溶化し、次いで変性剤を不作
用濃度まで酸性溶液で希釈したのち、沈殿防止剤を添加
し、次いでpH約4ないし7で硫酸銅を添加することを
特徴とする蛋白質の活性化方法、(4)酸性溶液のpH
が約1ないし4である(1)、(2)または(3)記載
の活性化方法、(5)変性剤が尿素またはグアニジン塩
酸塩である(1)、(2)、(3)または(4)記載の
活性化方法、(6)沈殿防止剤が糖、メルカプト基を有
しないアミノ酸またはポリエチレングリコールである請
求項1、2、3または4記載の活性化方法、(7)蛋白
質がS−S結合を有する蛋白質である(1)、(2)、
(3)または(4)記載の活性化方法、(8)蛋白質が
神経栄養因子である(1)、(2)、(3)または
(4)記載の活性化方法、および(9)神経栄養因子が
ニューロトロフィン3である(8)記載の活性化方法、
に関するものである。
【0005】本発明はいずれの蛋白質にも適用できるも
のであるが、NT−3に適用した場合に十分その効果が
発揮されるので、以下、蛋白質としてNT−3を例に挙
げて本発明を説明する。NT−3は、神経栄養因子(Ne
rve Growth Factor)と同一の遺伝子ファミリーに属す
る蛋白質であり、ポリメラーゼ連鎖反応により1990
年クローニング〔フェブス・レターズ(FEBS Lett.266,
187-191(1990),サイエンス(Science)247,1446-1451(199
0),ネイチャー(Nature)344,339-341(1990)〕された神経
栄養因子である。NT−3は、筋肉、関節、皮膚などの
感覚器のレセプターからのシグナルを脊髄と脳に伝達す
る感覚神経の存続と維持並びに感覚神経機能の保護に重
要な役割を果たすことが知られており、図1(配列番
号:1)で示される構造を有する蛋白である。本発明で
用いられる原核細胞としては、Escherichia coli(大腸
菌)、Bacillus subtilis(枯草菌)、Serratia marces
cens(セラチア)等が挙げられ、かつ中でもEscherichi
a coliが好ましい。これらの原核細胞の形質転換、培養
等は常法に準じて行えばよい(特開平3−204897
号参照)。例えば、本発明方法におけるNT−3をコー
ドする塩基配列を有するcDNAを含有する発現型ベク
ターは、例えば、(i)NT−3産生細胞からメッセン
ジャーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該mRNA
から単鎖の相補DNA(cDNA)を、次いで二重鎖D
NAを合成し、(iii)該相補DNAをファージまたは
プラスミドに組み込み、(iv)得られた組み換えファー
ジまたはプラスミドで宿主を形質転換し、(v)得られ
た形質転換体を培養後、形質転換体から適当な方法、例
えばNT−3の一部をコードするDNAプローブとのハ
イブリダイゼーションにより、あるいは抗NT−3抗体
を用いたイムノアッセイ法により目的とするDNAを含
有するファージあるいはプラスミドを単離し、(vi)そ
の組み換えDNAから目的とするクローン化DNAを切
り出し、(vii)該クローン化DNAまたはその一部を
発現ベクター中のプロモーターの下流に連結する、こと
により製造することができる。NT−3をコードするm
RNAは、種々のNT−3産生細胞、例えば睾丸ライデ
ィッヒ細胞や卵巣莢膜細胞、顆粒膜細胞、黄体細胞およ
び間質細胞等の生殖細胞などから得ることができる。N
T−3産生細胞からRNAを調製する方法としては、グ
アニジンチオシアネート法〔(ジェー・エム・チルグウィ
ン(J.M..Chirgwin)ら、バイオケミストリー(Bio-chemi
stry),18,5294(1979)〕などが挙げられる。このように
して得られたmRNAを鋳型とし、逆転写酵素を用い
て、例えば岡山(H.Okayama)らの方法〔モレキュラ−・
アンド・セルラ−・バイオロジ−(Molecular and Cell
ular Biology)2,161(1982)および同誌 3, 280(1983)〕
に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラスミド
に組み込む。cDNAを組み込むプラスミドとしては、
たとえば大腸菌由来のpBR322〔ジ−ン(gene),2,95(1
977)〕,pBR325〔ジーン,4,121(1978)〕,pUC12〔ジ
ーン,19,,259(1982)〕,pUC13〔ジーン,19,259(198
2)〕、枯草菌由来のpUB110〔バイオケミカル・バイオ
フィジカル・リサーチ・コミュニケーョン(Biochemical
and Biophysical Research Communication),112,678(1
983)〕などが挙げられるが、その他のものであっても、
宿主内で複製増殖されるものであれば、いずれをも用い
ることができる。またcDNAを組み込むファージベク
ターとしては、たとえばλgt11〔ヤング及びデーヴィス
(Young, R., and Davis, R.,)プロシーディングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・
オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci.,
U.S.A.),80,1194(1983)〕などが挙げられるが、その他
のものであっても宿主内で増殖できるものであれば用い
ることができる。
のであるが、NT−3に適用した場合に十分その効果が
発揮されるので、以下、蛋白質としてNT−3を例に挙
げて本発明を説明する。NT−3は、神経栄養因子(Ne
rve Growth Factor)と同一の遺伝子ファミリーに属す
る蛋白質であり、ポリメラーゼ連鎖反応により1990
年クローニング〔フェブス・レターズ(FEBS Lett.266,
187-191(1990),サイエンス(Science)247,1446-1451(199
0),ネイチャー(Nature)344,339-341(1990)〕された神経
栄養因子である。NT−3は、筋肉、関節、皮膚などの
感覚器のレセプターからのシグナルを脊髄と脳に伝達す
る感覚神経の存続と維持並びに感覚神経機能の保護に重
要な役割を果たすことが知られており、図1(配列番
号:1)で示される構造を有する蛋白である。本発明で
用いられる原核細胞としては、Escherichia coli(大腸
菌)、Bacillus subtilis(枯草菌)、Serratia marces
cens(セラチア)等が挙げられ、かつ中でもEscherichi
a coliが好ましい。これらの原核細胞の形質転換、培養
等は常法に準じて行えばよい(特開平3−204897
号参照)。例えば、本発明方法におけるNT−3をコー
ドする塩基配列を有するcDNAを含有する発現型ベク
ターは、例えば、(i)NT−3産生細胞からメッセン
ジャーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該mRNA
から単鎖の相補DNA(cDNA)を、次いで二重鎖D
NAを合成し、(iii)該相補DNAをファージまたは
プラスミドに組み込み、(iv)得られた組み換えファー
ジまたはプラスミドで宿主を形質転換し、(v)得られ
た形質転換体を培養後、形質転換体から適当な方法、例
えばNT−3の一部をコードするDNAプローブとのハ
イブリダイゼーションにより、あるいは抗NT−3抗体
を用いたイムノアッセイ法により目的とするDNAを含
有するファージあるいはプラスミドを単離し、(vi)そ
の組み換えDNAから目的とするクローン化DNAを切
り出し、(vii)該クローン化DNAまたはその一部を
発現ベクター中のプロモーターの下流に連結する、こと
により製造することができる。NT−3をコードするm
RNAは、種々のNT−3産生細胞、例えば睾丸ライデ
ィッヒ細胞や卵巣莢膜細胞、顆粒膜細胞、黄体細胞およ
び間質細胞等の生殖細胞などから得ることができる。N
T−3産生細胞からRNAを調製する方法としては、グ
アニジンチオシアネート法〔(ジェー・エム・チルグウィ
ン(J.M..Chirgwin)ら、バイオケミストリー(Bio-chemi
stry),18,5294(1979)〕などが挙げられる。このように
して得られたmRNAを鋳型とし、逆転写酵素を用い
て、例えば岡山(H.Okayama)らの方法〔モレキュラ−・
アンド・セルラ−・バイオロジ−(Molecular and Cell
ular Biology)2,161(1982)および同誌 3, 280(1983)〕
に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラスミド
に組み込む。cDNAを組み込むプラスミドとしては、
たとえば大腸菌由来のpBR322〔ジ−ン(gene),2,95(1
977)〕,pBR325〔ジーン,4,121(1978)〕,pUC12〔ジ
ーン,19,,259(1982)〕,pUC13〔ジーン,19,259(198
2)〕、枯草菌由来のpUB110〔バイオケミカル・バイオ
フィジカル・リサーチ・コミュニケーョン(Biochemical
and Biophysical Research Communication),112,678(1
983)〕などが挙げられるが、その他のものであっても、
宿主内で複製増殖されるものであれば、いずれをも用い
ることができる。またcDNAを組み込むファージベク
ターとしては、たとえばλgt11〔ヤング及びデーヴィス
(Young, R., and Davis, R.,)プロシーディングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・
オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci.,
U.S.A.),80,1194(1983)〕などが挙げられるが、その他
のものであっても宿主内で増殖できるものであれば用い
ることができる。
【0006】プラスミドに組み込む方法としては、たと
えば、ティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning) コールド・ス
プリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harb
or La-boratory),第239頁(1982)に記載の方法などが挙
げられる。またファージベクターにcDNAを組み込む
方法としては、たとえばヒューン(Hyunh,T.V.)らの方
法〔ディー・エヌ・エークローニング,ア プラクティカル
アプローチ(DNA Cloning, A Practical Approach)1,
49(1985)〕などが挙げられる。このようにして得られた
プラスミドは、適当な宿主たとえばエシェリヒア(Esche
richia)属菌,バチルス(Bacillus)属菌などに導入す
る。上記エシェリヒア属菌の例としては、エシェリヒア
・コリ(Escherichia coli)K12DH1〔プロシージング
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)60,160(1968)〕,M
103〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids
Research),9,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ
・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular
Biology)〕,120,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー41,459(1969)〕,C6
00〔ジェネティックス(Genetics),39,440(1954)〕MM2
94〔ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・
バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and
Boienginearing)74,67(1992)〕などが挙げられる。上
記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチリス
(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,24,255(198
3)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(Journal of Biochemistry)95,87(1984)〕などが挙げら
れる。プラスミドで宿主を形質転換する方法としては、
たとえばティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning),コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Har
bor Laboratory),第249頁(1982)に記載のカルシウムク
ロライド法あるいはカルシウムクロライド/ルビジウム
クロライド法などが挙げられる。またファージ・ベクタ
ーを用いる場合には、たとえば増殖させた大腸菌にイン
ビトロパッケージング法を用いて導入することができ
る。NT−3cDNAを含有するNT−3・cDNAラ
イブラリーは上記の方法などで得ることが出来るが、市
販品として購入することも可能である。このようにして
クローン化されたNT−3cDNAは必要があればプラ
スミド、例えばpBR322, pUC12, pUC13, pUC18, pUC19,
pUC118,pUC119などにサブクローニングしてNT−3c
DNAを得ることができる。このようにして得られたc
DNAの塩基配列を、たとえばマキサム・ギルバート(M
axam-Gilbert)法〔Maxam, A. M. and Gilbert, w.,プロ
シーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc.
Natl. Acad. Sci.,U.S.A.),74,560(1977)〕あるいはジ
デオキシ法〔Messing, J. ら、ヌクレイック・アシッズ
・リサーチ(Nucleic Acids Research)9,309(1981)〕に
よって決定し、既知のアミノ酸配列との比較からNT−
3cDNAの存在を確認する。以上のようにして、NT
−3蛋白質をコードするcDNAが得られる。
えば、ティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning) コールド・ス
プリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harb
or La-boratory),第239頁(1982)に記載の方法などが挙
げられる。またファージベクターにcDNAを組み込む
方法としては、たとえばヒューン(Hyunh,T.V.)らの方
法〔ディー・エヌ・エークローニング,ア プラクティカル
アプローチ(DNA Cloning, A Practical Approach)1,
49(1985)〕などが挙げられる。このようにして得られた
プラスミドは、適当な宿主たとえばエシェリヒア(Esche
richia)属菌,バチルス(Bacillus)属菌などに導入す
る。上記エシェリヒア属菌の例としては、エシェリヒア
・コリ(Escherichia coli)K12DH1〔プロシージング
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)60,160(1968)〕,M
103〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids
Research),9,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ
・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular
Biology)〕,120,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー41,459(1969)〕,C6
00〔ジェネティックス(Genetics),39,440(1954)〕MM2
94〔ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・
バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and
Boienginearing)74,67(1992)〕などが挙げられる。上
記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチリス
(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,24,255(198
3)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(Journal of Biochemistry)95,87(1984)〕などが挙げら
れる。プラスミドで宿主を形質転換する方法としては、
たとえばティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning),コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Har
bor Laboratory),第249頁(1982)に記載のカルシウムク
ロライド法あるいはカルシウムクロライド/ルビジウム
クロライド法などが挙げられる。またファージ・ベクタ
ーを用いる場合には、たとえば増殖させた大腸菌にイン
ビトロパッケージング法を用いて導入することができ
る。NT−3cDNAを含有するNT−3・cDNAラ
イブラリーは上記の方法などで得ることが出来るが、市
販品として購入することも可能である。このようにして
クローン化されたNT−3cDNAは必要があればプラ
スミド、例えばpBR322, pUC12, pUC13, pUC18, pUC19,
pUC118,pUC119などにサブクローニングしてNT−3c
DNAを得ることができる。このようにして得られたc
DNAの塩基配列を、たとえばマキサム・ギルバート(M
axam-Gilbert)法〔Maxam, A. M. and Gilbert, w.,プロ
シーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc.
Natl. Acad. Sci.,U.S.A.),74,560(1977)〕あるいはジ
デオキシ法〔Messing, J. ら、ヌクレイック・アシッズ
・リサーチ(Nucleic Acids Research)9,309(1981)〕に
よって決定し、既知のアミノ酸配列との比較からNT−
3cDNAの存在を確認する。以上のようにして、NT
−3蛋白質をコードするcDNAが得られる。
【0007】上記のようにしてクローン化されたNT−
3蛋白質をコードするcDNAは目的によりそのまま、
または所望により制限酵素で消化して使用することが出
来る。クローン化されたcDNAから発現させたい領域
を切り出し、発現に適したビークル(ベクター)中のプ
ロモーターの下流に連結して発現型ベクターを得ること
ができる。該cDNAはその5’末端に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端には翻訳終止コド
ンとしてのTAA,TGAまたはTAGを有していても
よい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適
当な合成DNAアダプターを用いて付加することもでき
る。さらに該DNAを発現させるにはその上流にプロモ
ーターを接続する。 ベクターとしては、上記の大腸菌
由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,
pUC12,pUC13),枯草菌由来プラスミド
(例、pUB110,pTP5,pC194)などが挙
げられる。本発明で用いられるプロモーターとしては、
遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。形質転換する際の宿
主がエシェリキア属菌である場合は、T7プロモータ
ー,trpプロモーター,lacプロモーター,rec
Aプロモーター,λPLプロモーター,lppプロモー
ターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO
1プロモーター,SPO2プロモーター,penPプロ
モーターなどが好ましい。とりわけ宿主がエシェリキア
属菌でプロモーターがT7プロモーター,trpプロモ
ーターまたはλPLプロモーターであることが好まし
い。なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
このようにして構築されたNT−3蛋白質の成熟ペプチ
ドをコードするcDNAを含有するベクターを用いて、
形質転換体を製造する。上記エシェリキア属菌を形質転
換するには、たとえばプロシージング・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA),69,2110(1972)やジーン,17,107(1982)など
に記載の方法に従って行なわれる。バチルス属菌を形質
転換するには、たとえばモレキュラー・アンド・ジェネ
ラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetic
s),168,111(1979)などに記載の方法に従って行なわれ
る。このようにして、NT−3をコードするcDNAを
含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得
られる。
3蛋白質をコードするcDNAは目的によりそのまま、
または所望により制限酵素で消化して使用することが出
来る。クローン化されたcDNAから発現させたい領域
を切り出し、発現に適したビークル(ベクター)中のプ
ロモーターの下流に連結して発現型ベクターを得ること
ができる。該cDNAはその5’末端に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端には翻訳終止コド
ンとしてのTAA,TGAまたはTAGを有していても
よい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適
当な合成DNAアダプターを用いて付加することもでき
る。さらに該DNAを発現させるにはその上流にプロモ
ーターを接続する。 ベクターとしては、上記の大腸菌
由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,
pUC12,pUC13),枯草菌由来プラスミド
(例、pUB110,pTP5,pC194)などが挙
げられる。本発明で用いられるプロモーターとしては、
遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。形質転換する際の宿
主がエシェリキア属菌である場合は、T7プロモータ
ー,trpプロモーター,lacプロモーター,rec
Aプロモーター,λPLプロモーター,lppプロモー
ターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO
1プロモーター,SPO2プロモーター,penPプロ
モーターなどが好ましい。とりわけ宿主がエシェリキア
属菌でプロモーターがT7プロモーター,trpプロモ
ーターまたはλPLプロモーターであることが好まし
い。なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
このようにして構築されたNT−3蛋白質の成熟ペプチ
ドをコードするcDNAを含有するベクターを用いて、
形質転換体を製造する。上記エシェリキア属菌を形質転
換するには、たとえばプロシージング・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA),69,2110(1972)やジーン,17,107(1982)など
に記載の方法に従って行なわれる。バチルス属菌を形質
転換するには、たとえばモレキュラー・アンド・ジェネ
ラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetic
s),168,111(1979)などに記載の方法に従って行なわれ
る。このようにして、NT−3をコードするcDNAを
含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得
られる。
【0008】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、たとえばグルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵
母、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を
培養する際の培地としては、例えばグルコース、カザミ
ノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ
・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティック
ス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),4
31−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 19
72〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率
よく働かせるために、たとえばイソプロピル−β−D−
チオガラクトピラノシド(IPTG)、3β−インドリ
ル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿
主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で
約3〜24時間行い、必要により、通気や攪拌を加えるこ
ともできる。細胞の破砕は、常法で、たとえば超音波に
より実施できる。懸濁媒体として中性付近のpH値に調
整した好適な緩衝液中で実施する。このようにして細胞
を破砕した後に、不溶成分(封入体)を任意の方法で、
遠心分離するか、濾過することにより分離する。異種の
蛋白質をできる限り除去するため、たとえば水、リン酸
緩衝液を用いて、場合により4M尿素で洗浄する。得ら
れた沈殿(ペレット)を変性剤を用いて可溶化するが、
変性剤としては、公知の変性剤、特にグアジニン塩酸塩
または尿素を使用することができる。この可溶化に当っ
ての変性剤の濃度は、グアジニン塩酸塩では4〜8モル
/リットル、好ましくは約6モル/リットル、尿素では
5〜9モル/リットル、好ましくは約8モル/リットル
である。用いる変性剤溶液のpHは1〜6、好ましくは
2〜4であり、使用する酸は、塩酸、硫酸、りん酸等の
無機酸、酢酸、ぎ酸、くえん酸等の有機酸のいずれでも
よいが、くえん酸が好ましい。上記のようにして封入体
の可溶化を行った後、遠心分離等で不純物を除去し、そ
の上澄液について活性化を行なう。活性化に当っては、
変性剤の濃度をpH1〜4、好ましくはpH2〜4にお
いて不作用濃度まで希釈或いは低減させる。グアジニン
塩酸塩では0〜1.2モル/リットル、好ましくは約
0.1モル/リットル以下、尿素では0〜1.6モル/
リットル、好ましくは0.2モル/リットル以下まで低
減させる。pH値を1〜4、好ましは2〜4にするため
に使用する酸は、塩酸、硫酸、りん酸等の無機酸、酢
酸、ぎ酸、くえん酸等の有機酸のいずれでもよいが、酢
酸が最も好ましく、該酸の濃度は0.05〜0.5モル
/リットル、好ましくは0.1〜0.2モル/リットル
である。酸溶液に置換した再活性化溶液は、0〜40
℃、好ましくは4〜10℃で0〜30日、好ましくは2
〜5日間静置する。変性剤濃度の低減及び酸溶液に置換
する方法としては、置換しようとする酸溶液で希釈する
方法以外にも、一般に公知で常用の方法を用いることが
でき、例えば置換しようとする酸溶液で平衡化したセフ
ァデックスG−25(ファルマシア バイオテク
(株))に通液したり或いは置換しようとする酸溶液に
対して透析することにより行うことができる。酸溶液に
置換したのち希釈に用いる溶液は、蒸留水或いは適当な
緩衝液で良いが、好ましくは1〜500mM(より好ま
しくは20〜100mM)のリン酸緩衝液(pH4〜
7)で希釈した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリあるいは塩酸、硫酸、リン酸などの酸でp
H値を4〜7、好ましくは5.5〜6.5、更に好まし
くは6.0に調整する。この時、不溶化、即ち沈殿を防
止する目的で、ブドウ糖、ショ糖等の糖、メルカプト基
を有さないアミノ酸(例、システイン以外の19種類の
必須アミノ酸)、ポリエチレングリコールを単独で、或
いは組み合わせて添加してもよいが、ショ糖を用いるの
が好ましく、該濃度は5〜30(W/V)%、好ましく
は5〜20(W/V)%である。最後にS−S結合を形
成させるために添加する金属塩は、酸化触媒能を有する
遷移金属(例、銅、鉄、コバルト、ニッケル)の無機酸
(例、硫酸、硝酸、リン酸)や有機酸(例、くえん酸、
酢酸)との塩でよいが、好ましくは硫酸銅で、該濃度は
5〜15μM、好ましくは10μMである。該活性化に
あたっての温度は0〜25℃、好ましくは4〜10℃で
ある。静置する期間は0〜20日、好ましくは2〜10
日である。再活性化工程に続いて行うもう一つの精製工
程は、透析或いは陽イオン交換体、たとえばSP−セフ
ァロース(ファルマシア バイオテク(株))により行
なうことができる。
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、たとえばグルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵
母、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を
培養する際の培地としては、例えばグルコース、カザミ
ノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ
・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティック
ス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),4
31−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 19
72〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率
よく働かせるために、たとえばイソプロピル−β−D−
チオガラクトピラノシド(IPTG)、3β−インドリ
ル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿
主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で
約3〜24時間行い、必要により、通気や攪拌を加えるこ
ともできる。細胞の破砕は、常法で、たとえば超音波に
より実施できる。懸濁媒体として中性付近のpH値に調
整した好適な緩衝液中で実施する。このようにして細胞
を破砕した後に、不溶成分(封入体)を任意の方法で、
遠心分離するか、濾過することにより分離する。異種の
蛋白質をできる限り除去するため、たとえば水、リン酸
緩衝液を用いて、場合により4M尿素で洗浄する。得ら
れた沈殿(ペレット)を変性剤を用いて可溶化するが、
変性剤としては、公知の変性剤、特にグアジニン塩酸塩
または尿素を使用することができる。この可溶化に当っ
ての変性剤の濃度は、グアジニン塩酸塩では4〜8モル
/リットル、好ましくは約6モル/リットル、尿素では
5〜9モル/リットル、好ましくは約8モル/リットル
である。用いる変性剤溶液のpHは1〜6、好ましくは
2〜4であり、使用する酸は、塩酸、硫酸、りん酸等の
無機酸、酢酸、ぎ酸、くえん酸等の有機酸のいずれでも
よいが、くえん酸が好ましい。上記のようにして封入体
の可溶化を行った後、遠心分離等で不純物を除去し、そ
の上澄液について活性化を行なう。活性化に当っては、
変性剤の濃度をpH1〜4、好ましくはpH2〜4にお
いて不作用濃度まで希釈或いは低減させる。グアジニン
塩酸塩では0〜1.2モル/リットル、好ましくは約
0.1モル/リットル以下、尿素では0〜1.6モル/
リットル、好ましくは0.2モル/リットル以下まで低
減させる。pH値を1〜4、好ましは2〜4にするため
に使用する酸は、塩酸、硫酸、りん酸等の無機酸、酢
酸、ぎ酸、くえん酸等の有機酸のいずれでもよいが、酢
酸が最も好ましく、該酸の濃度は0.05〜0.5モル
/リットル、好ましくは0.1〜0.2モル/リットル
である。酸溶液に置換した再活性化溶液は、0〜40
℃、好ましくは4〜10℃で0〜30日、好ましくは2
〜5日間静置する。変性剤濃度の低減及び酸溶液に置換
する方法としては、置換しようとする酸溶液で希釈する
方法以外にも、一般に公知で常用の方法を用いることが
でき、例えば置換しようとする酸溶液で平衡化したセフ
ァデックスG−25(ファルマシア バイオテク
(株))に通液したり或いは置換しようとする酸溶液に
対して透析することにより行うことができる。酸溶液に
置換したのち希釈に用いる溶液は、蒸留水或いは適当な
緩衝液で良いが、好ましくは1〜500mM(より好ま
しくは20〜100mM)のリン酸緩衝液(pH4〜
7)で希釈した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリあるいは塩酸、硫酸、リン酸などの酸でp
H値を4〜7、好ましくは5.5〜6.5、更に好まし
くは6.0に調整する。この時、不溶化、即ち沈殿を防
止する目的で、ブドウ糖、ショ糖等の糖、メルカプト基
を有さないアミノ酸(例、システイン以外の19種類の
必須アミノ酸)、ポリエチレングリコールを単独で、或
いは組み合わせて添加してもよいが、ショ糖を用いるの
が好ましく、該濃度は5〜30(W/V)%、好ましく
は5〜20(W/V)%である。最後にS−S結合を形
成させるために添加する金属塩は、酸化触媒能を有する
遷移金属(例、銅、鉄、コバルト、ニッケル)の無機酸
(例、硫酸、硝酸、リン酸)や有機酸(例、くえん酸、
酢酸)との塩でよいが、好ましくは硫酸銅で、該濃度は
5〜15μM、好ましくは10μMである。該活性化に
あたっての温度は0〜25℃、好ましくは4〜10℃で
ある。静置する期間は0〜20日、好ましくは2〜10
日である。再活性化工程に続いて行うもう一つの精製工
程は、透析或いは陽イオン交換体、たとえばSP−セフ
ァロース(ファルマシア バイオテク(株))により行
なうことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】常法に従い培養したNT−3発現
原核細胞(例えば、E.coli等)の培養液から遠心
分離により、NT−3の封入体を蓄積した菌体を集め、
−80℃に凍結保存した。10mM EDTA(pH
7.0)中に上記の菌体を懸濁した後、超音波により細
胞を破砕し、遠心分離(10,000rpm、一時間)
を行った。得られたペレットを再度10mM EDTA
(pH7.0)中に懸濁し、遠心分離を行いペレットの
洗浄を行った。同様の操作をもう一度繰り返し行い、再
度ペレットを洗浄した。洗浄したペレットを50mMト
リス塩酸/4M尿素/5mMジチオトレイトール(pH
8.0)でホモジナイズした後、遠心分離(10000
rpm、1時間)を行った。次にペレットを20mMク
エン酸/8M尿素(pH3.0)で溶解した後、遠心分
離(10000rpm、1時間)を行い、上澄液を得
た。得られた上澄液に100mM酢酸溶液を加えて5倍
に希釈(pH3.5)し、よく撹拌した後、100mM
酢酸溶液で十分に平衡化したセファデックスG−25カ
ラムを用いて、尿素を除去すると共に100mM酢酸溶
液に置換し、4℃で2日間静置した。次いで50mMリ
ン酸緩衝液/12.5%ショ糖(pH6.8)を加えて
5倍に希釈しpH値を6.0に調製した後、再度で4℃
に2日間静置した。静置後、10μM濃度になるように
硫酸銅を加えて溶解し、更に4℃に2日間静置して活性
化を行った。
原核細胞(例えば、E.coli等)の培養液から遠心
分離により、NT−3の封入体を蓄積した菌体を集め、
−80℃に凍結保存した。10mM EDTA(pH
7.0)中に上記の菌体を懸濁した後、超音波により細
胞を破砕し、遠心分離(10,000rpm、一時間)
を行った。得られたペレットを再度10mM EDTA
(pH7.0)中に懸濁し、遠心分離を行いペレットの
洗浄を行った。同様の操作をもう一度繰り返し行い、再
度ペレットを洗浄した。洗浄したペレットを50mMト
リス塩酸/4M尿素/5mMジチオトレイトール(pH
8.0)でホモジナイズした後、遠心分離(10000
rpm、1時間)を行った。次にペレットを20mMク
エン酸/8M尿素(pH3.0)で溶解した後、遠心分
離(10000rpm、1時間)を行い、上澄液を得
た。得られた上澄液に100mM酢酸溶液を加えて5倍
に希釈(pH3.5)し、よく撹拌した後、100mM
酢酸溶液で十分に平衡化したセファデックスG−25カ
ラムを用いて、尿素を除去すると共に100mM酢酸溶
液に置換し、4℃で2日間静置した。次いで50mMリ
ン酸緩衝液/12.5%ショ糖(pH6.8)を加えて
5倍に希釈しpH値を6.0に調製した後、再度で4℃
に2日間静置した。静置後、10μM濃度になるように
硫酸銅を加えて溶解し、更に4℃に2日間静置して活性
化を行った。
【0010】
【実施例】以下の参考例および実施例によって本発明を
より具体的に説明するが、本発明はこれらに制限される
ものではない。 参考例1 (NT−3 DNAのクローニング) E.coli Y1090にヒトグリオーマ由来のλg
t 11cDNAライブラリー(Clontech L
aboratories,Inc.)を感染させたの
ち、約6×105個のファージをNZCY培地(Mol
ecular Cloning,A Laborato
ry Manual,Clod Spring Har
bor Laboratory,1982に記載)にま
き、37℃で5時間培養した。次にナイロン膜をプレー
ト上にのせ、1分間放置後、プレートからはずした。こ
のナイロン膜を0.5M NaOH−1.5M NaC
l、ついで1.5M NaCl−0.5M Tris−
HCl pH8.0に浸し、さらに2×SSC〔Mol
ecular Cloning,A Laborato
ry Manual 前掲 参照〕に浸し、風乾後、80
℃で2時間放置した。ヒトβNGF〔ネイチャー(Na
ture),303,821(1983)〕をコードす
るDNA(約0.38kb)を化学合成し、ニックトラ
ンスレーションによって〔α−32P〕dCTPでラベル
化することによってプローブを作製した。上記で得られ
たナイロン膜とプローブを用いてMolecular
Cloning,A Laboratory Manu
al,Clod SpringHarbor Labo
ratory,1982に記載の方法に従ってハイブリ
ダイゼーションを行った。即ち、プローブを含むハイブ
リダイゼーション溶液にナイロン膜を浸し、65℃で1
6時間保温した。該ナイロン膜を室温において2×SS
C−0.1%SDSで洗浄したのち、60℃において1
×SSC−0.1%SDSで洗浄した。次にオートラジ
オグラフィーによって陽性クローンを得た。 このよう
にして得られたクローンλβGN1321からEcoR
IでcDNAを切り出し、プラスミドpUC118(宝
酒造株式会社製)のEcoRI部位に挿入し、プラスミ
ドpUNK5を得た。
より具体的に説明するが、本発明はこれらに制限される
ものではない。 参考例1 (NT−3 DNAのクローニング) E.coli Y1090にヒトグリオーマ由来のλg
t 11cDNAライブラリー(Clontech L
aboratories,Inc.)を感染させたの
ち、約6×105個のファージをNZCY培地(Mol
ecular Cloning,A Laborato
ry Manual,Clod Spring Har
bor Laboratory,1982に記載)にま
き、37℃で5時間培養した。次にナイロン膜をプレー
ト上にのせ、1分間放置後、プレートからはずした。こ
のナイロン膜を0.5M NaOH−1.5M NaC
l、ついで1.5M NaCl−0.5M Tris−
HCl pH8.0に浸し、さらに2×SSC〔Mol
ecular Cloning,A Laborato
ry Manual 前掲 参照〕に浸し、風乾後、80
℃で2時間放置した。ヒトβNGF〔ネイチャー(Na
ture),303,821(1983)〕をコードす
るDNA(約0.38kb)を化学合成し、ニックトラ
ンスレーションによって〔α−32P〕dCTPでラベル
化することによってプローブを作製した。上記で得られ
たナイロン膜とプローブを用いてMolecular
Cloning,A Laboratory Manu
al,Clod SpringHarbor Labo
ratory,1982に記載の方法に従ってハイブリ
ダイゼーションを行った。即ち、プローブを含むハイブ
リダイゼーション溶液にナイロン膜を浸し、65℃で1
6時間保温した。該ナイロン膜を室温において2×SS
C−0.1%SDSで洗浄したのち、60℃において1
×SSC−0.1%SDSで洗浄した。次にオートラジ
オグラフィーによって陽性クローンを得た。 このよう
にして得られたクローンλβGN1321からEcoR
IでcDNAを切り出し、プラスミドpUC118(宝
酒造株式会社製)のEcoRI部位に挿入し、プラスミ
ドpUNK5を得た。
【0011】参考例2 (大腸菌用のNT−3発現ベク
ターの構築) 参考例1で得られたプラスミドpUNK5に挿入されて
いるNT−3cDNAには、NT−3のN末端の11番
目のチロシン残基をコードする領域付近にScaI部位
が、NT−3の終止コドンの50塩基下流付近にNsi
I部位が存在する。そこでpUNK5より0.3kb
ScaI−NaiI断片を単離し、これにアダプターN
GFTE−1(35mer)、NGFTE−2(33m
er)、NGFTE−3(7mer)、NGFTE−4
(15mer)をT4DNAリガーゼで連結したのち制
限酵素NdeIとBamHIで処理し、0.3kb N
deI−BamHI断片を得た。該アダプターを次に示
す。 NGFTE−1:5' TATGTACGCGGAGCATAAGAGTCACCGAGGGGAGT 3' 35mer(配 列番号:2) NGFTE−2:5' ACTCCCCTCGGTGACTCTTATGCTCCGCGTACA 3' 33mer(配 列番号:3) NGFTE−3:5' TGCCAGG 3' 7mer NGFTE−4:5' GATCCCTGGCATGCA 3' 15mer(配 列番号:4) 一方、T7プロモーターを有する発現ベクターpET−
3C〔Rosenberg et al.,ジーン(G
ene),56,125(1987)〕をNdeIとB
amHIで切断し、4.4kb NdeI−BamHI
断片を単離した。上記で得られた4.4kb NdeI
−BamHI断片と0.3kb NdeI−BamHI
断片をT4DNAリガーゼで連結したのち、Esche
richia coli DH1に導入し、得られたア
ンピシリン耐性の形質転換株〔Escherichia
coli DH1/pENGFT102およびEsc
herichia coli DH1/pENGFT1
03〕から単離したプラスミドをそれぞれpENGFT
102およびpENGFT103と命名した。
ターの構築) 参考例1で得られたプラスミドpUNK5に挿入されて
いるNT−3cDNAには、NT−3のN末端の11番
目のチロシン残基をコードする領域付近にScaI部位
が、NT−3の終止コドンの50塩基下流付近にNsi
I部位が存在する。そこでpUNK5より0.3kb
ScaI−NaiI断片を単離し、これにアダプターN
GFTE−1(35mer)、NGFTE−2(33m
er)、NGFTE−3(7mer)、NGFTE−4
(15mer)をT4DNAリガーゼで連結したのち制
限酵素NdeIとBamHIで処理し、0.3kb N
deI−BamHI断片を得た。該アダプターを次に示
す。 NGFTE−1:5' TATGTACGCGGAGCATAAGAGTCACCGAGGGGAGT 3' 35mer(配 列番号:2) NGFTE−2:5' ACTCCCCTCGGTGACTCTTATGCTCCGCGTACA 3' 33mer(配 列番号:3) NGFTE−3:5' TGCCAGG 3' 7mer NGFTE−4:5' GATCCCTGGCATGCA 3' 15mer(配 列番号:4) 一方、T7プロモーターを有する発現ベクターpET−
3C〔Rosenberg et al.,ジーン(G
ene),56,125(1987)〕をNdeIとB
amHIで切断し、4.4kb NdeI−BamHI
断片を単離した。上記で得られた4.4kb NdeI
−BamHI断片と0.3kb NdeI−BamHI
断片をT4DNAリガーゼで連結したのち、Esche
richia coli DH1に導入し、得られたア
ンピシリン耐性の形質転換株〔Escherichia
coli DH1/pENGFT102およびEsc
herichia coli DH1/pENGFT1
03〕から単離したプラスミドをそれぞれpENGFT
102およびpENGFT103と命名した。
【0012】参考例3 (大腸菌用のNT−3の生産) 参考例2で得られたNT−3発現ベクターpENGFT
103およびT7リゾチーム発現ベクターpLysSを
用いて、Escherichia coliMM294
(DE3)〔Molecular Endocrino
logy,4,869(1990)〕の形質転換を行
い、形質転換体E.coli MM294(DE3)/
pLysS,pENGFT103(IFO 1593
2,FERM BP−5483)を得た。また、参考例
2で得られたNT−3発現ベクターpENGFT102
およびT7リゾチーム発現ベクターpLysSを用い
て、Escherichia coli BL21(D
E3)〔Gene,56,125(1987)〕の形質
転換を行い、形質転換体E.coli BL21(DE
3)/pLysS,pENGFT102(IFO 14
903,FERM BP−2529)を得た。形質転換
体E.coli MM294(DE3)/pLysS,
pENGFT103を50μg/mlのアンピシリンと
15μg/mlのクロラムフェニコールを含LB培地
〔1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナ
トリウム〕1リットルを含む2リットル容フラスコで3
0℃、8時間振とう培養した。得られた培養液を20リ
ットルの主醗酵培地〔1.68%リン酸一水素ナトリウ
ム、0.3%リン酸二水素カリウム、0.1%塩化アン
モニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.05%硫酸
マグネシウム、0.02%消泡剤、0.00025%硫
酸第1鉄、0.0005%塩酸チアミン、1.5%ブド
ウ糖、1.5%カザミノ酸〕を仕込んだ50リットル容
醗酵槽へ移植して、30℃で通気撹拌培養を開始した。
培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、
100mg/l分のイソプロピル−β−Dチオガラクト
ピラノシド(IPTG)を添加し、さらに培養を続け、
7時間後に培養を終了した。この培養終了液を遠心分離
して、約340gの湿菌体を得、−80℃に凍結保存し
た。
103およびT7リゾチーム発現ベクターpLysSを
用いて、Escherichia coliMM294
(DE3)〔Molecular Endocrino
logy,4,869(1990)〕の形質転換を行
い、形質転換体E.coli MM294(DE3)/
pLysS,pENGFT103(IFO 1593
2,FERM BP−5483)を得た。また、参考例
2で得られたNT−3発現ベクターpENGFT102
およびT7リゾチーム発現ベクターpLysSを用い
て、Escherichia coli BL21(D
E3)〔Gene,56,125(1987)〕の形質
転換を行い、形質転換体E.coli BL21(DE
3)/pLysS,pENGFT102(IFO 14
903,FERM BP−2529)を得た。形質転換
体E.coli MM294(DE3)/pLysS,
pENGFT103を50μg/mlのアンピシリンと
15μg/mlのクロラムフェニコールを含LB培地
〔1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナ
トリウム〕1リットルを含む2リットル容フラスコで3
0℃、8時間振とう培養した。得られた培養液を20リ
ットルの主醗酵培地〔1.68%リン酸一水素ナトリウ
ム、0.3%リン酸二水素カリウム、0.1%塩化アン
モニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.05%硫酸
マグネシウム、0.02%消泡剤、0.00025%硫
酸第1鉄、0.0005%塩酸チアミン、1.5%ブド
ウ糖、1.5%カザミノ酸〕を仕込んだ50リットル容
醗酵槽へ移植して、30℃で通気撹拌培養を開始した。
培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、
100mg/l分のイソプロピル−β−Dチオガラクト
ピラノシド(IPTG)を添加し、さらに培養を続け、
7時間後に培養を終了した。この培養終了液を遠心分離
して、約340gの湿菌体を得、−80℃に凍結保存し
た。
【0013】参考例4 (大腸菌用のNT−3の生産) 形質転換体E.coli MM294(DE3)/pL
ysS,pENGFT103を50μg/mlのアンピ
シリンと15μg/mlのクロラムフェニコールを含む
LB培地〔1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5
%塩化ナトリウム〕1リットルを含む2リットル容フラ
スコで30℃、16.5時間振とう培養した。得られた
培養液を20リットルのLB培地〔0.02%消泡剤、
50μm/mlのアンピシリン及び15μg/mlのク
ロラムフェニコールを含む〕を仕込んだ50リットル容
醗酵槽へ移植して、30℃、7時間通気撹拌培養した。
この培養液を360リットルの主醗酵培地〔1.68%
リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素カリウ
ム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリ
ウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.02%消泡
剤、0.00025%硫酸第1鉄、0.0005%塩酸
チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸〕を
仕込んだ500リットル容醗酵槽へ移植して、30℃で
通気撹拌培養を開始した。培養液の濁度が約500クレ
ット単位になった時点で、100mg/l分のイソプロ
ピル−β−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)を添
加し、さらに培養を続け、5.5時間後に培養終了液を
遠心分離して、約6kgの湿菌体を得、−80℃に凍結
保存した。
ysS,pENGFT103を50μg/mlのアンピ
シリンと15μg/mlのクロラムフェニコールを含む
LB培地〔1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5
%塩化ナトリウム〕1リットルを含む2リットル容フラ
スコで30℃、16.5時間振とう培養した。得られた
培養液を20リットルのLB培地〔0.02%消泡剤、
50μm/mlのアンピシリン及び15μg/mlのク
ロラムフェニコールを含む〕を仕込んだ50リットル容
醗酵槽へ移植して、30℃、7時間通気撹拌培養した。
この培養液を360リットルの主醗酵培地〔1.68%
リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素カリウ
ム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリ
ウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.02%消泡
剤、0.00025%硫酸第1鉄、0.0005%塩酸
チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸〕を
仕込んだ500リットル容醗酵槽へ移植して、30℃で
通気撹拌培養を開始した。培養液の濁度が約500クレ
ット単位になった時点で、100mg/l分のイソプロ
ピル−β−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)を添
加し、さらに培養を続け、5.5時間後に培養終了液を
遠心分離して、約6kgの湿菌体を得、−80℃に凍結
保存した。
【0014】実施例1(NT−3の活性化) 参考例3で得た湿菌体のうち40gを取り出し、この菌
体に10mMEDTA(pH7.0)240mlを加え
て懸濁した後、氷冷下でソニファイヤー450(ブラン
ソン社)を使って超音波により細胞を破砕し、遠心分離
(10000rpm、1時間)を行った。得られたペレ
ットを同様の操作を2回行って洗浄した。次いで、50
mMトリス塩酸/4M尿素/5mMジチオトレイトール
(DTT)(pH8.0)を160ml加えてホモジナ
イズした後遠心分離を行い、得られたペレットに20m
Mクエン酸/8M尿素(pH3.0)を120ml加え
て溶解後、遠心分離を行い、上澄液と沈殿物を分離し、
沈殿物に対して再度同様の操作を行い、得られた上澄液
と先に得られた上澄液を混合し240mlのペレット溶
解液を得た。この溶解液に100mM酢酸溶液を760
ml加えて希釈し、同じく100mM酢酸で平衡化した
セファデックスG−25カラム(11.3cmφ×5
0)に通液し、尿素を除去した変性NT−3溶液164
6mlを得た。この溶液を4℃で2日間静置した後、5
0mMリン酸緩衝液/12.5%ショ糖(pH6.8)
を加えて8.5lとし、5M水酸化ナトリウムおよび濃
リン酸を用いてpH6.0に調整し、再び4℃で2日間
静置し活性化を行った。静置後200mM硫酸銅を最終
濃度が10μMになるように加え、撹拌後、更に活性化
を継続するため、再度4℃に2日間静置した。
体に10mMEDTA(pH7.0)240mlを加え
て懸濁した後、氷冷下でソニファイヤー450(ブラン
ソン社)を使って超音波により細胞を破砕し、遠心分離
(10000rpm、1時間)を行った。得られたペレ
ットを同様の操作を2回行って洗浄した。次いで、50
mMトリス塩酸/4M尿素/5mMジチオトレイトール
(DTT)(pH8.0)を160ml加えてホモジナ
イズした後遠心分離を行い、得られたペレットに20m
Mクエン酸/8M尿素(pH3.0)を120ml加え
て溶解後、遠心分離を行い、上澄液と沈殿物を分離し、
沈殿物に対して再度同様の操作を行い、得られた上澄液
と先に得られた上澄液を混合し240mlのペレット溶
解液を得た。この溶解液に100mM酢酸溶液を760
ml加えて希釈し、同じく100mM酢酸で平衡化した
セファデックスG−25カラム(11.3cmφ×5
0)に通液し、尿素を除去した変性NT−3溶液164
6mlを得た。この溶液を4℃で2日間静置した後、5
0mMリン酸緩衝液/12.5%ショ糖(pH6.8)
を加えて8.5lとし、5M水酸化ナトリウムおよび濃
リン酸を用いてpH6.0に調整し、再び4℃で2日間
静置し活性化を行った。静置後200mM硫酸銅を最終
濃度が10μMになるように加え、撹拌後、更に活性化
を継続するため、再度4℃に2日間静置した。
【0015】実施例2(NT−3の精製) 実施例1で活性化を終了した溶液を100mMリン酸緩
衝液/0.1%3−〔(3−コールアミドプロピル)ジ
メチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネート(CH
APS)(pH6.0)で平衡化したSP−セファロー
ス FastFlowカラム(2.5cmφ×12c
m、ファルマシア バイオテク社)に通液し、吸着後2
00mlの100mMリン酸緩衝液/0.1%CHAP
S/200mM塩化ナトリウム(pH6.0)でカラム
を洗浄し、次いで100mMリン酸緩衝液/0.1%C
HAPS/400mM塩化ナトリウム(pH6.0)で
溶出し、NT−3を含む溶出液を得た。この溶出液をR
esource 15RPCカラム(2cmφ×30c
m、ファルマシア バイオテク社)に吸着した後、16
%アセトニトリル/0.1%TFA−36%アセトニト
リル/0.1%TFAの濃度勾配で溶出し、その溶出液
を凍結乾燥し、約28mgのNT−3の白色粉末を得
た。
衝液/0.1%3−〔(3−コールアミドプロピル)ジ
メチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネート(CH
APS)(pH6.0)で平衡化したSP−セファロー
ス FastFlowカラム(2.5cmφ×12c
m、ファルマシア バイオテク社)に通液し、吸着後2
00mlの100mMリン酸緩衝液/0.1%CHAP
S/200mM塩化ナトリウム(pH6.0)でカラム
を洗浄し、次いで100mMリン酸緩衝液/0.1%C
HAPS/400mM塩化ナトリウム(pH6.0)で
溶出し、NT−3を含む溶出液を得た。この溶出液をR
esource 15RPCカラム(2cmφ×30c
m、ファルマシア バイオテク社)に吸着した後、16
%アセトニトリル/0.1%TFA−36%アセトニト
リル/0.1%TFAの濃度勾配で溶出し、その溶出液
を凍結乾燥し、約28mgのNT−3の白色粉末を得
た。
【0016】実施例3(NT−3の特徴決定) a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)を用いた分析 実施例2で得られたNT−3を100mM DTTを加
えた Samplebuffer [Laemmli,
ネイチャー(Nature),227,680(197
0)]に懸濁し100℃で1分間加熱した後、4M濃度
になるように尿素を加えて溶解し、0.1%SDSおよ
び4M 尿素を含む12.5%ポリアクリルアミドゲル
で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシーブリリ
アントブルー(Coomassie brillian
t blue)で染色したところ、単一バンドの蛋白が
認められ、精製品はほぼ単一であった(図2)。 b)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた
分析 5μgのNT−3を0.1%TFAで平衡化したAsa
hipak ODP−50(4.6mmID×150m
mL)カラムにかけ0−80%B(B=アセトニトリル
/0.1%TFA)の濃度勾配で35分、0.5ml/
分の流速で溶出した。235nmでの吸光度を検出し
た。図3の溶出曲線よりピーク1(NT−3 ダイマ
ー)及びピーク2(NT−3 モノマー)[ヨーロピア
ン ジャーナル オブ バイオケミストリー(Eur.
J.Biochem.)225,995−1003(1
994)]以外は検出されず、精製品はほぼ単一であっ
た。 c)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム
6300E)を用いて決定した。その結果、N末端にメ
チオニンが付加されたNT−3のcDNAの塩基配列か
ら推定したアミノ酸組成と一致した(表1)。
PAGE)を用いた分析 実施例2で得られたNT−3を100mM DTTを加
えた Samplebuffer [Laemmli,
ネイチャー(Nature),227,680(197
0)]に懸濁し100℃で1分間加熱した後、4M濃度
になるように尿素を加えて溶解し、0.1%SDSおよ
び4M 尿素を含む12.5%ポリアクリルアミドゲル
で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシーブリリ
アントブルー(Coomassie brillian
t blue)で染色したところ、単一バンドの蛋白が
認められ、精製品はほぼ単一であった(図2)。 b)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた
分析 5μgのNT−3を0.1%TFAで平衡化したAsa
hipak ODP−50(4.6mmID×150m
mL)カラムにかけ0−80%B(B=アセトニトリル
/0.1%TFA)の濃度勾配で35分、0.5ml/
分の流速で溶出した。235nmでの吸光度を検出し
た。図3の溶出曲線よりピーク1(NT−3 ダイマ
ー)及びピーク2(NT−3 モノマー)[ヨーロピア
ン ジャーナル オブ バイオケミストリー(Eur.
J.Biochem.)225,995−1003(1
994)]以外は検出されず、精製品はほぼ単一であっ
た。 c)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム
6300E)を用いて決定した。その結果、N末端にメ
チオニンが付加されたNT−3のcDNAの塩基配列か
ら推定したアミノ酸組成と一致した(表1)。
【0017】
【表1】
【0018】d)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(ア
プライドバイオシステムズ モデル477A)を用いて
決定した。その結果、得られたNT−3のN末端にはメ
チオニンが付加されていることのほかはcDNAの塩基
配列から推定したNT−3のN末端アミノ酸配列と一致
した(表2)。
プライドバイオシステムズ モデル477A)を用いて
決定した。その結果、得られたNT−3のN末端にはメ
チオニンが付加されていることのほかはcDNAの塩基
配列から推定したNT−3のN末端アミノ酸配列と一致
した(表2)。
【0019】
【表2】
【0020】e)C末端アミノ酸分析 C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システ
ム6300E)を用いて決定した。得られたNT−3は
cDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致
した(表3)。
ム6300E)を用いて決定した。得られたNT−3は
cDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致
した(表3)。
【0021】
【表3】
【0022】実施例4(NT−3の生物活性の測定) ニワトリ有精卵を37.5℃でふ卵器で8〜10日間揺
卵して胚発生を行った胎児から後根神経節(Dorsa
l root ganglion、以下DRG)を摘出
した。DRGを0.125%トリプシン−Phosph
ate buffered salien(PBS)溶
液で37℃ 20分処理し、ピペッティングを行うこと
で、細胞を分散させた。これを、10%牛胎児血清−ダ
ルベッコ改変MEM培地−50μg/mlカナマイシン
に懸濁し、37℃、5%CO2存在下3〜4時間培養す
ることにより繊維芽細胞等を培養シャーレに付着させ、
非付着細胞のみを分取した。非付着細胞を遠心(800
rpm、5分)により集め、20%牛胎児血清−ダルベ
ッコ改変MEM培地/ハムF−12培地(混合比1:
1)−1μMサイトシンアラビノシド(AraC、シグ
マ社、USA)−50μg/mlカナマイシンを含む培
地に20000細胞/mlとなるように再懸濁し、0.
5ml/ウェルずつ、ポリDL−オルニチン及びマウス
ラミニンでコートした24穴プレートに播種した。この
培地にNT−3の溶液を0.5〜20μl加え、37
℃、5%CO2存在下で2日間培養し、生存細胞数を計
測すると、真核細胞由来のNT−3と同等のDRGの生
存を促進する活性が認められた(図4)。図中●は実施
例2で得られたNT−3を、○はポジティブコントロー
ルとしてCHO細胞由来のNT−3(EP049993
に従い、調製した)を示す。このようにして得られたN
T−3は、細胞の分化、成長、増殖の促進、生存維持;
遺伝子発現の上昇;蛋白質、酵素の誘導等の機構を研究
するための試薬として有利に用いることができる。
卵して胚発生を行った胎児から後根神経節(Dorsa
l root ganglion、以下DRG)を摘出
した。DRGを0.125%トリプシン−Phosph
ate buffered salien(PBS)溶
液で37℃ 20分処理し、ピペッティングを行うこと
で、細胞を分散させた。これを、10%牛胎児血清−ダ
ルベッコ改変MEM培地−50μg/mlカナマイシン
に懸濁し、37℃、5%CO2存在下3〜4時間培養す
ることにより繊維芽細胞等を培養シャーレに付着させ、
非付着細胞のみを分取した。非付着細胞を遠心(800
rpm、5分)により集め、20%牛胎児血清−ダルベ
ッコ改変MEM培地/ハムF−12培地(混合比1:
1)−1μMサイトシンアラビノシド(AraC、シグ
マ社、USA)−50μg/mlカナマイシンを含む培
地に20000細胞/mlとなるように再懸濁し、0.
5ml/ウェルずつ、ポリDL−オルニチン及びマウス
ラミニンでコートした24穴プレートに播種した。この
培地にNT−3の溶液を0.5〜20μl加え、37
℃、5%CO2存在下で2日間培養し、生存細胞数を計
測すると、真核細胞由来のNT−3と同等のDRGの生
存を促進する活性が認められた(図4)。図中●は実施
例2で得られたNT−3を、○はポジティブコントロー
ルとしてCHO細胞由来のNT−3(EP049993
に従い、調製した)を示す。このようにして得られたN
T−3は、細胞の分化、成長、増殖の促進、生存維持;
遺伝子発現の上昇;蛋白質、酵素の誘導等の機構を研究
するための試薬として有利に用いることができる。
【0023】
【発明の効果】 本発明では遺伝子工学を用いて原核
細胞中に発現したNT−3等の蛋白質の不活性体を効率
よく活性化でき、上記のような作用を有するNT−3等
の蛋白質の活性体を大量に調製できるものである。
細胞中に発現したNT−3等の蛋白質の不活性体を効率
よく活性化でき、上記のような作用を有するNT−3等
の蛋白質の活性体を大量に調製できるものである。
【0024】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:120 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Tyr Ala Glu His Lys Ser His Arg Gly Glu Tyr Ser Val Cys Asp 1 5 10 15 Ser Glu Ser Leu Trp Val Thr Asp Lys Ser Ser Ala Ile Asp Ile Arg 20 25 30 Gly His Gln Val Thr Val Leu Gly Glu Ile Lys Thr Gly Asn Ser Pro 35 40 45 Val Lys Gln Tyr Phe Tyr Glu Thr Arg Cys Lys Glu Ala Arg Pro Val 50 55 60 Lys Asn Gly Cys Arg Gly Ile Asp Asp Lys His Trp Asn Ser Gln Cys 65 70 75 80 Lys Thr Ser Gln Thr Tyr Val Arg Ala Leu Thr Ser Glu Asn Asn Lys 85 90 95 Leu Val Gly Trp Arg Trp Ile Arg Ile Asp Thr Ser Cys Val Cys Ala 100 105 110 Leu Ser Arg Lys Ile Gly Arg Thr 115 120。
【0025】配列番号:2 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TATGTACGCG GAGCATAAGA GTCACCGAGG GGAGT 35。
【0026】配列番号:3 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTCCCCTCG GTGACTCTTA TGCTCCGCGT ACA 33。
【0027】配列番号:4 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GATCCCTGGC ATGCA 15。
【図1】NT−3の構造を示す(N末端にMet付
加)。
加)。
【図2】NT−3のSDS−PAGEの結果を示す。
【図3】NT−3のHPLC分析チャートを示す。
【図4】NT−3のDRG細胞を用いた生物活性の測定
結果を示す。
結果を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】NT−3のSDS−PAGEの結果(電気泳
動)を示す。
動)を示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 38/22 AAA 9282−4B C12N 15/00 ZNAA AEE A61K 37/24 AAA C07K 14/48 AEE (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)
Claims (9)
- 【請求項1】蛋白質を遺伝子工学的に原核細胞宿主中に
発現させて得られる封入体を変性剤で可溶化し、次いで
変性剤を除去し酸性溶液に置換したのち、沈殿防止剤を
添加し、pH約4ないし7で金属塩を添加することを特
徴とする蛋白質の活性化方法。 - 【請求項2】金属塩が硫酸銅である請求項1記載の活性
化方法。 - 【請求項3】蛋白質を遺伝子工学的に原核細胞宿主中に
発現させて得られる封入体を変性剤で可溶化し、次いで
変性剤を不作用濃度まで酸性溶液で希釈したのち、沈殿
防止剤を添加し、次いでpH約4ないし7で硫酸銅を添
加することを特徴とする蛋白質の活性化方法。 - 【請求項4】酸性溶液のpHが約1ないし4である請求
項1、2または3記載の活性化方法。 - 【請求項5】変性剤が尿素またはグアニジン塩酸塩であ
る請求項1、2、3または4記載の活性化方法。 - 【請求項6】沈殿防止剤が糖、メルカプト基を有しない
アミノ酸およびポリエチレングリコールの一種または二
種以上である請求項1、2、3または4記載の活性化方
法。 - 【請求項7】蛋白質がS−S結合を有する蛋白質である
請求項1、2、3または4記載の活性化方法。 - 【請求項8】蛋白質が神経栄養因子である請求項1、
2、3または4記載の活性化方法。 - 【請求項9】神経栄養因子がニューロトロフィン3であ
る請求項8記載の活性化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8074775A JPH09262093A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 蛋白質の活性化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8074775A JPH09262093A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 蛋白質の活性化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09262093A true JPH09262093A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13557010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8074775A Withdrawn JPH09262093A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 蛋白質の活性化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09262093A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000040610A1 (fr) * | 1999-01-07 | 2000-07-13 | Takeda Chemical Industries, Ltd. | Procede de production de proteines activees |
WO2006068059A1 (ja) * | 2004-12-24 | 2006-06-29 | Kurume University | 色素上皮由来因子の定量法 |
-
1996
- 1996-03-28 JP JP8074775A patent/JPH09262093A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000040610A1 (fr) * | 1999-01-07 | 2000-07-13 | Takeda Chemical Industries, Ltd. | Procede de production de proteines activees |
WO2006068059A1 (ja) * | 2004-12-24 | 2006-06-29 | Kurume University | 色素上皮由来因子の定量法 |
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