JPH09262047A - ポリフッ化ビニリデン系投げ釣り用テーパー釣糸及びその製造方法 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン系投げ釣り用テーパー釣糸及びその製造方法

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JPH09262047A
JPH09262047A JP8074390A JP7439096A JPH09262047A JP H09262047 A JPH09262047 A JP H09262047A JP 8074390 A JP8074390 A JP 8074390A JP 7439096 A JP7439096 A JP 7439096A JP H09262047 A JPH09262047 A JP H09262047A
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diameter
taper
fishing
tapered
fishing line
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Application number
JP8074390A
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Inventor
Hideo Nakada
秀夫 仲田
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
Yasushi Tsubaki
康司 椿
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Toray Monofilament Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 擦れに強く、強靭性、耐衝撃性に優れ、高
比重で風や潮流にフカレにくく、感度に優れる等の特性
を有し、投げ釣りに好適に使用し得るテーパー釣糸を提
供する。 【解決手段】 260℃での溶融粘度が5000ポイ
ズ以上であるフッ化ビニリデン系重合体からなるテーパ
ーモノフィラメントの形状を有する投げ釣り用テーパー
釣糸であって、テーパー部2の長さが5〜15mであ
り、テーパー部の小径側端部の直径が0.10mm以上で
あり、大径側端部の直径が1.0mm以下でかつテーパー
部の大径側端部に続いて該大径側端部と同一直径の均一
直径大径部3が5〜10m存在する。この投げ釣り用テ
ーパー釣糸は、紡出ノズルから押出し紡糸する際の吐出
量を経時的に変化させてテーパー形状を付与し、次い
で、特定の冷却固化条件及び延伸条件をとることによっ
て製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣魚法のうち、投
げ釣りに好適に使用されるポリフッ化ビニリデン系の投
げ釣り用テーパー釣糸およびその製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、擦れに強く、耐摩耗性、耐衝
撃性に強く、高比重で風や潮流にフカレにくく、感度に
優れる投げ釣り用テーパー釣糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テーパー部を有するモノフィラメントの
うち釣糸として利用されているものは、ポリアミド系テ
ーパーモノフィラメントである。また、釣糸や漁網用の
素材として好適なフッ化ビニリデン樹脂を利用した上記
釣糸もあるが、それは組み糸あるいは撚り糸としてテー
パー形状を持たせたものである。
【0003】さらに、投げ釣りに好適に用いられている
テーパー釣糸(いわゆる力糸もしくはこれを包含する投
げ釣り用テーパー道糸)はポリアミド系モノフィラメン
トからなるものである。
【0004】このように、投げ釣り用に供されているテ
ーパー釣糸は、ポリアミド系モノフィラメント、もしく
は、組み糸や撚り糸によるテーパー釣糸であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリアミド系
モノフィラメントは使用中の吸湿による強度低下が大き
く、水中で伸びが生じ感度が落ちる、耐摩耗性、耐侯性
や強靭性に欠けるという問題がある。また、組み糸や撚
り糸によるテーパー糸を投げ釣りに使用した場合、組み
部分(撚り部分)に砂が入り込み易い、汚れ易い、さら
には砂や砂利、岩などとの擦れにより単糸切れが生じ易
いなどの問題があり、投げ釣りに使用する釣糸としては
不満足なものであった。
【0006】そこで、本発明は、上記のような従来技術
の欠点を解消し、擦れに強く、強靭性、耐衝撃性に優
れ、高比重で風や潮流にフカレにくく、感度に優れる等
の特性を有し、投げ釣りに好適に使用し得るポリフッ化
ビニリデン系テーパー釣糸ならびにその製造方法の提供
を主たる目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のポリフッ化ビニリデン系投げ釣り用テーパ
ー釣糸は、260℃での溶融粘度が5000ポイズ以上
であるフッ化ビニリデン系重合体からなるテーパーモノ
フィラメントの形状を有し、テーパー部の長さが5〜1
5mであり、テーパー部の小径側端部の直径が0.10
mm以上であり、大径側端部の直径が1.0mm以下でかつ
テーパー部の大径側端部に続いて該大径側端部と同一直
径の均一直径大径部が5〜10m存在することを特徴と
する。
【0008】そのテーパー部の小径側端部に続いて該小
径側端部と同一直径の均一直径小径部が150〜250
m存在することが好ましく、また、最小直径部における
引張強度が34.3mN/デニール(3.5g/デニー
ル)以上、かつ、最大直径部における引張強度が19.
6mN/デニール(2.0g/デニール)以上であるこ
とが好ましい。
【0009】また、その製造方法は、260℃での溶融
粘度が5000〜50000ポイズであるフッ化ビニリ
デン系重合体を溶融し、押出し紡糸する際の吐出量を経
時的に変化させることによりテーパー形状を付与し、3
0〜80℃の不活性液体中で冷却固化し、次いで、得ら
れた未延伸糸を、下式で表わされる長さ(Lcm)の延伸
域において140℃〜180℃の不活性液体中で延伸す
ることにより、前記した投げ釣り用のテーパー釣糸を製
造することを特徴とする。 5≦L≦M/(1.2×T) (ここで、M:延伸糸のテーパー部の長さ(cm)、T:
トータル延伸倍率である。)
【0010】このように、本発明は、特定の条件を満足
させることによって所望特性を有するポリフッ化ビニリ
デン系の投げ釣り用テーパー釣糸とすることができ、斯
かる投げ釣り用テーパー釣糸は、紡出ノズルから押出し
紡糸する際の吐出量を経時的に変化させてテーパー形状
を付与し、次いで、冷却固化条件及び延伸条件を特定す
ることによって得られるという知見に基くものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の投げ釣り用テーパー釣糸
を構成するポリマーは、ポリフッ化ビニリデンホモポリ
マーに限らず、分子鎖の繰り返し構造単位の80重量%
以上がフッ化ビニリデンからなり共重合成分を20重量
%以下含むフッ化ビニリデン系共重合体ーであってもよ
い。その共重合成分としては、例えばテトラフロロエチ
レン、トリフロロモノクロロエチレン、ヘキサフロロプ
ロピレン等があげられる。但し、共重合成分を20重量
%よりも多く含有する場合は、結晶性が低下しすぎ、釣
糸として強度的に不十分な投げ釣り用テーパー釣糸しか
得られないので好ましくない。
【0012】本発明で用いるフッ化ビニリデン系重合体
には、例えば、顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、結晶化抑制剤および可塑剤などの添加剤を含
有することができる。
【0013】このフッ化ビニリデン系重合体からなる釣
糸は、一般に、耐摩耗性、耐衝撃性、透明性および耐侯
性などに優れ、高比重であって水中に沈みやすく、屈折
率が水に近く水中における光の表面反射が極めて少なく
見えにくく、しかも、吸水性がほとんどなく水中におけ
る強度低下が少ないという特性を有し、釣糸や漁網用の
素材として好適である。
【0014】そのフッ化ビニリデン系重合体は、260
℃での溶融粘度が5000ポイズ以上、好ましくは70
00〜50000ポイズ、さらに好ましくは10000
〜35000ポイズで表わされる重合度を有する。その
溶融粘度が5000ポイズ未満と低過ぎる場合には、得
られるテーパーモノフィラメントは投げ釣り用の釣糸と
しては不十分な強度しか持たないものとなる。すなわ
ち、ポリフッ化ビニリデン系の投げ釣り用テーパー釣糸
は、最小直径部の引張強度が34.3mN/デニール以
上、かつ、最大直径部の引張強度が19.6mN/デニ
ール以上の強度特性を有することが望まれるが、上記溶
融粘度よりも低粘度のポリマーを用いた場合には、この
強度を達成することが困難である。
【0015】また、260℃での溶融粘度が50000
ポイズを越えるほどに非常に高い粘度の場合、引張強度
特性が非常に高いテーパー釣糸が得られるが、吐出量を
経時的に任意の範囲で調整することによりテーパー形状
を付与させる本発明法においては、高粘度過ぎて吐出量
変化によるテーパー形状の調整が困難となるし、しか
も、ノズルから押し出されたポリマーが断続的に寸断さ
れる状況が発生し易く製糸性を阻害し好ましくない。
【0016】本発明のポリフッ化ビニリデン系テーパー
モノフィラメントは、例えば、図1や図2に示すような
形状を有する。図1は、テーパー部の両端部側に、その
大径側端部に続く大径の均一直径部3と小径側端部に続
く小径の均一直径部1とがそれぞれ設けられている場合
の例であり、図2は、テーパー部の大径側端部にそれに
続く大径の均一直径部3が設けられている例である。
【0017】本発明のポリフッ化ビニリデン系投げ釣り
用テーパー釣糸は、長さが5〜15mのテーパー部2、
及び、そのテーパー部の大径側端部に続いて大径側端部
と同一直径の均一直径大径部3(長さ5〜10m)とを
少なくとも有する。
【0018】投げ釣りでは、その釣果を上げるために、
オモリや餌の取り付けられた仕掛け(以降、単に仕掛け
と呼ぶ)を出来る限り遠くへ投げる(以降、キャスティ
ングと呼ぶ)方が有利である。このためには可能な限り
細い道糸を用い、釣竿のガイドや空気との抵抗を小さく
することが遠投のためには必要となる。
【0019】しかし、実際にこの仕掛けを釣竿のしなり
を使いキャスティングする際、リールに巻かれた、通常
0.15mmから0.4mm前後の極細い道糸に直接結束さ
せキャスティングを行った場合、その衝撃から道糸が切
れ仕掛けだけが飛んで行く、いわゆる高切れが発生しや
すくなるため好ましくない。
【0020】しかるに、通常、投げ釣りではこのキャス
ティング時の衝撃による高切れを防ぐ目的で、竿(リー
ル側)から仕掛け側に向かうに従い漸次直径が太くなる
力糸が用いられる。
【0021】ここで、力糸のテーパー部の長さや同一直
径の均一直径部分の長さがそれぞれ15mや10mを越
えるように非常に長い力糸の場合、使用する釣り竿のガ
イドや空気との抵抗が大きくなり、遠投を阻害するなど
の問題が生じてくる。すなわち、力糸はその大径側の直
径が非常に太いのが特徴であるが、このように太い直径
部分が斯かる範囲以上に長い場合、キャスティング時に
この太さが、竿ガイドや空気と大きな抵抗を生み、仕掛
けの遠投を阻害する。
【0022】逆にテーパー部の長さや同一直径の均一直
径部分の長さがそれぞれ5m未満と短か過ぎる場合は、
キャスティング時の衝撃が十分に吸収し切れず、高切れ
が発生することがある。すなわち、この力糸のテーパー
部や同一直径の均一直径部分が本発明の範囲より短い場
合、本来、衝撃を吸収するための大径側部が短くなり、
衝撃を吸収するが効果が不十分になるばかりか、前述の
ように高切ればかり起こることとなるためテーパー釣糸
として不適当である。
【0023】本発明の投げ釣り用テーパー釣糸の大径側
端部の直径は1.0mm以下、好ましくは0.55〜0.
85mmの範囲である。1.0mmを越える程に太い場合は
剛直性が高すぎリールとの馴染みが悪い、仕掛けとの結
束が困難になるなどの問題が生じる。しかも、大径側端
部の直径が1.0mm以上と太い場合、得られたモノフィ
ラメント中にボイドの発生が見られるなど製糸性の点で
も問題が生じる。
【0024】本発明のテーパー端部のうちの小径側端部
の直径は0.10mm以上を要し、好ましくは0.15〜
0.5mmである。すなわち、0.10mm未満の直径では
投げ釣り用の道糸として剛性が不足するため、キャステ
ィング時の高切れが多発するなどの問題があり、投げ釣
り用テーパー釣糸としての使用が困難になる。また、小
径側端部直径が0.6mmを越える場合は、キャスティン
グ時の抵抗が大きくて遠くへ飛ばすことができず、遠投
性が悪い。
【0025】このテーパー部は、大径側端部の直径が小
径側端部の直径よりも0.1mm以上太い径を有している
ことが、テーパー形状としたことによる所望の効果を得
るために好ましい。
【0026】次に、本発明の投げ釣り用テーパー釣糸は
テーパー端部のうちの小径側端部側に、それと同一直径
の均一直径小径部1が結束部を有することなく150〜
250mの長さで連設されていてもよい。すなわち、道
糸から力糸に至るまでが結束部を有さずに連続している
ことにより、結束による釣糸の強度低下がなく、また、
キャスティングの際にこの結束部が竿ガイドに引っ掛か
ることもないため、糸とガイドとの抵抗も軽減され仕掛
けの飛距離が伸びるなど投げ釣り用テーパー道糸として
好適である。
【0027】次に、本発明のポリフッ化ビニリデン系投
げ釣り用テーパー釣糸の製造方法について説明する。本
発明の投げ釣り用テーパー釣糸は、260℃の溶融粘度
が5000〜50000ポイズであるフッ化ビニリデン
系重合体を溶融し、押出し紡糸する際の吐出量を経時的
に変化させることによりテーパー形状を付与し、30〜
80℃の不活性液体中で冷却固化し、次いで、得られた
未延伸糸を、下式で表わされる長さ(Lcm)の延伸域に
おいて140℃〜180℃の不活性液体中で延伸するこ
とにより、前記した特定の太さ及び長さを有するテーパ
ー釣糸を得る製法によって製造できる。 5≦L≦M/(1.2×T) (ここで、M:延伸糸のテーパー部の長さ(cm)、T:
トータル延伸倍率である。)
【0028】そのフッ化ビニリデン系重合体は前述した
とおりの重合単位及び溶融粘度を有するものである。
【0029】溶融紡糸の温度は通常180〜320℃、
好ましくは190〜280℃である。溶融されて紡出ノ
ズルから押出し紡糸する際、所望のテーパー形状となる
ように、その吐出量を経時的に任意の範囲で調整しつつ
吐出する。ポリマー量を変化させつつ吐出された後、3
0〜80℃の不活性液体中で冷却固化され、所望のテー
パー形状を付与させた未延伸糸となる。ここで、その不
活性液体が上記温度範囲を逸脱する場合、低温では真円
性に欠ける未延伸糸しか得ることができないばかりか、
最大直径部に気泡、すなわちボイドが出来、延伸工程に
おいて糸切れが発生する問題がある。また、高温では透
明性に欠ける未延伸糸しか得られないため斯かる範囲に
規制する必要がある。
【0030】得られた未延伸糸は、1段または多段で延
伸されるが、少なくとも1段目の延伸は上記式で表わさ
れる長さ(Lcm)を有する延伸域内に設置された、14
0〜180℃、好ましくは155〜175℃の不活性液
体を満たした延伸浴中で行う。最終的に得られた延伸糸
の延伸倍率は通常3〜7倍、好ましくは4.5〜6倍で
ある。
【0031】この延伸域の長さ(Lcm)は給糸側ローラ
ーから延伸(引取)側ローラーまでのローラー間距離の
ことである。
【0032】この延伸域の長さが5cm未満の場合、3cm
以下のような極短い長さの延伸浴しか採用できないの
で、糸に対して熱量を十分に与えられず、不均一な延伸
しかすることができない。逆に、延伸域の長さが上記式
で表わされる上限を越える場合、延伸域内にテーパー部
の最大径部と最小径部がともに存在する場合が生じるの
で、延伸点の固定ができず延伸切れが多発してしまい、
製糸性が悪くなる。
【0033】最終的に延伸工程を終えたテーパーモノフ
ィラメントは、通常120〜170℃、好ましくは14
0〜160℃の不活性気体中でリラックス率0.85〜
1.00倍の範囲で熱セット処理が行われる。ただし、
ここで行われる熱セット処理におけるローラー間距離
は、特に規定する必要がなく、従来から一般的に採用し
ている範囲が採用できる。
【0034】なお、ここで行われる延伸は、1段延伸も
しくは多段延伸のいずれでもよく、冷却ならびに延伸工
程に用いられる液体は水、グリセリン、ポリエチレング
リコールなどのポリフッ化ビニリデンに対し不活性な液
体が利用される。また、以上の、冷却から延伸、リラッ
クス熱セットの工程は1工程で連続して行ってもよい
し、また、数工程に分割して行ってもよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。本発明中のポリフッ化ビニリデン系テーパー
モノフィラメントの物性等は以下の方法により測定した
値である。
【0036】(1)引張強度: JIS−L1017の
定義によった。すなわち、試料を20℃、65%RHの
温湿度調整室で24時間放置後、(株)オリエンテック
社製“テンシロン”UTM−4−100型引張試験機を
用い、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で測
定する。
【0037】(2)溶融粘度(ポイズ): (株)島津
製作所製“フローテスタ”CFT−500Cを用い、測
定試料=2g、ダイ直径/長さ=1.0mm/1.0mm、
予熱時間=5分、押出圧力=10kgf/cm2 、シリンダ温
度=260℃の条件で測定する。
【0038】(3)真円性: デジタルマイクロメータ
ー(MITUTOYO製)でテーパーモノフィラメント
の最大直径部の長径と短径を測定し、真円率=(短径/
長径)×100(%)により判定する。判定基準は、○
…良好(真円率92%以上)、△…やや不良(真円率8
5〜92%)、×…不良(真円率85%未満)による。
【0039】(4)透明性: 肉眼判定で行い、○…良
好,×…不良として判定する。
【0040】(5)製糸性: 24時間の連続紡糸で糸
切れが2回以上発生し又は得られたモノフィラメント中
にボイドの発生が認められたものを×(不良)、糸切れ
の発生が0〜1回またはボイドの発生が認められないも
のを○(良好)として判定する。
【0041】(6)投げ釣り用テーパー釣糸としての特
性: 釣糸としての強さ、キャスティング時の高切れ、
遠投性、フカレ性を実際の釣り評価に供し、その結果を
基に総合的に判定した。なお、実釣評価に関しては、○
…投げ釣り用テーパー釣糸として全く問題なく良好に使
用できた、△…やや問題はあるが投げ釣り用テーパー釣
糸として使用が可能であった、×…問題が多く投げ釣り
用テーパー釣糸として適さない、として、数名の釣人に
より評価を行う。
【0042】[実施例1]ポリフッ化ビニリデンホモポ
リマーチップを溶融紡糸機に供給し、260℃の温度で
溶融し(ポリマー溶融粘度34000ポイズ)、ノズル
から押出し紡出させる際、吐出量を延伸〜リラックス工
程終了後のテーパー部直径が0.26〜0.58mm、テ
ーパー部の長さが6m、大径側均一直径部の長さが7
m、小径側均一直径部の長さが200mとなるように経
時的に変更させ、直ちに温度70℃のポリエチレングリ
コール液中で冷却固化させ、テーパー形状を有する図1
のような未延伸モノフィラメントを得た。
【0043】冷却した未延伸テーパーモノフィラメント
は水洗浴を通過させ、モノフィラメントの表面に付着し
た冷却媒体を除去し、さらに、圧空でモノフィラメント
表面の水滴を除去した後、連続的に40cmの延伸ゾーン
にて160℃に加熱したポリエチレングリコール液を満
たした10cmの浴中で5.5倍に延伸し1段延伸糸を得
た。
【0044】引き続き、1段延伸糸を145℃に加熱し
た不活性気体中でリラックス率0.95倍の熱セット処
理を行い、ポリフッ化ビニリデン系投げ釣り用テーパー
釣糸を得た。得られた投げ釣り用テーパー釣糸の製糸条
件及び物性を表1に示し、実釣評価結果を表3に示す。
【0045】[実施例2〜4および比較例1〜9]実施
例1と同一条件のプロセスを用い、ノズルから押出し紡
出させる際のポリマー吐出量を、テーパー部等の長さや
直径が表1及び表2の値となるように変化させて紡糸
し、ポリマー特性と製糸条件などを表1及び表2の通り
変更させた。得られたテーパー釣糸の物性結果を表1及
び表2に、実釣評価結果を表3に示す。
【0046】以上の結果から明らかなように、本発明に
よるポリフッ化ビニリデン系テーパーモノフィラメント
は、製糸性も良好であり、いずれも十分な引張強度、透
明性、真円性を持ち、さらに投げ釣り用テーパー釣糸と
して求められる特性をバランス良く持ち合わせており、
そのテーパー釣糸として非常に優れたものであった。
【0047】一方、表1〜3の結果から、本発明外の比
較例1〜6の場合は、テーパー釣糸としての特性が不満
足なものであった。また、本発明法以外の条件で製糸し
た比較例1〜9の場合は、製糸性や透明性などの点で不
満足なものであった。
【0048】低溶融粘度(すなわち低分子量)のポリマ
ーを使用した比較例1の場合は、引張強度の低いテーパ
ーモノフィラメントしか得ることができず、投げ釣り用
テーパー釣糸としての十分な強さが得られなかった。
【0049】最小径部の直径が細すぎた比較例2の場合
は、投げ釣り用テーパー釣糸としての強さに欠けるもの
となった。また、製糸性の点でも延伸切れが時折発生す
るなど不安定であった。逆に、最大径部の直径が太すぎ
た比較例3の場合は、冷却工程で糸の真円性が低下し、
ボイドが発生しさらに透明性も欠けるものとなり、ま
た、実釣面でも竿ガイドとの摩擦抵抗や空気抵抗が大き
くなり、仕掛けの遠投性に欠け、投げ釣り用テーパー釣
糸として不満足なものであった。
【0050】テーパー部の長さおよび大径側均一直径部
の長さが短か過ぎた比較例4の場合は、モノフィラメン
トとしての特性(物性)に問題はないが、投げ釣り用テ
ーパー釣糸として使用した場合、キャスティング時の衝
撃を吸収する太径部の長さが不十分となり、その衝撃が
テーパー部の細径部、さらには道糸との結束部へも伝わ
る結果、高切れが頻発し、投げ釣り用テーパー釣糸とし
て不満足なものであった。
【0051】逆に、テーパー部の長さが長過ぎた比較例
5の場合は、モノフィラメントとしての特性には問題は
ないが、投げ釣り用テーパー釣糸として使用した場合、
テーパー部が長過ぎ、これが竿ガイドとの抵抗となり、
仕掛けを遠くへ飛ばすことが難しく、投げ釣り用テーパ
ー釣糸としての特性に欠けるものであった。
【0052】共重合比率の高いポリマーを使用した比較
例6の場合は、引張強度の低いテーパーモノフィラメン
トしか得ることができず、投げ釣り用テーパー釣糸とし
ての十分な強さが得られなかった。
【0053】高溶融粘度のポリマーを使用した比較例7
の場合は、吐出量の変化によりテーパー形状を付与する
本発明の製造法では、ノズルから紡出した溶融状態のポ
リマーが冷却浴内で寸断する状態となり、紡糸不能であ
った。
【0054】延伸域の長さが本発明で特定した上限値よ
りも長過ぎた比較例8の場合は、延伸点の固定ができず
に延伸切れが多発し、延伸ができなかった。また、冷却
温度が低過ぎた比較例9の場合は、冷却工程で糸の真円
性が大きく低下しまた、最大直径部にボイドが発生し、
これによる延伸切れが発生した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明のポリフッ化ビニリデン系投げ釣
り用テーパー釣糸は、次のような優れた特徴を有する。
水中での吸湿による伸びがなく魚からの当たりが取りや
すく高感度である。耐衝撃性に優れるためキャスティン
グの際の高切れが起こりにくい。キャスティングの力が
小さい場合でも比重が高いため、風によるフカレの影響
を受けにくく仕掛けの遠投が可能となり、また、着水後
も沈みが早く潮流によるフカレも少ない。さらには、砂
や砂利、岩などとの擦れなどに対する摩耗性に優れる。
【0059】また、撚り糸・組糸によるテーパー釣糸と
比較しても、モノフィラメントであるために汚れにく
く、単糸切れがないなど、投げ釣り用テーパー釣糸とし
て非常に好適である。
【0060】さらにその投げ釣り用テーパー釣糸を製糸
性良く優れた品質で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリフッ化ビニリデン投げ釣り用テー
パー釣糸の一実施態様を模式的に示す図である。
【図2】本発明のポリフッ化ビニリデン投げ釣り用テー
パー釣糸の別の一実施態様を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1:小径の均一直径部、 2:テーパー部、 3:大径
の均一直径部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】テーパー部の長さおよび大径側均一直径部
の長さが短か過ぎた比較例4の場合は、モノフィラメン
トとしての特性(物性)に問題はないが、投げ釣り用テ
ーパー釣糸として使用した場合、キャスティング時の衝
撃を吸収する太径部の長さが不十分となり、その衝撃が
テーパー部の細径部、さらには道糸部へも伝わる結果、
高切れが頻発し、投げ釣り用テーパー釣糸として不満足
なものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 1/22 A01K 91/00 D (72)発明者 椿 康司 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 260℃での溶融粘度が5000ポイ
    ズ以上であるフッ化ビニリデン系重合体からなるテーパ
    ーモノフィラメントの形状を有し、テーパー部の長さが
    5〜15mであり、テーパー部の小径側端部の直径が
    0.10mm以上であり、大径側端部の直径が1.0mm以
    下でかつテーパー部の大径側端部に続いて該大径側端部
    と同一直径の均一直径大径部が5〜10m存在すること
    を特徴とするポリフッ化ビニリデン系投げ釣り用テーパ
    ー釣糸。
  2. 【請求項2】 テーパー部の小径側端部に続いて該小
    径側端部と同一直径の均一直径小径部が150〜250
    m存在することを特徴とする請求項1記載のポリフッ化
    ビニリデン系投げ釣り用テーパー釣糸。
  3. 【請求項3】 最小直径部における引張強度が34.
    3mN/デニール(3.5g/デニール)以上、かつ、
    最大直径部における引張強度が19.6mN/デニール
    (2.0g/デニール)以上であることを特徴とする請
    求項1又は2記載のポリフッ化ビニリデン系投げ釣り用
    テーパー釣糸。
  4. 【請求項4】 260℃での溶融粘度が5000〜5
    0000ポイズであるフッ化ビニリデン系重合体を溶融
    し、押出し紡糸する際の吐出量を経時的に変化させるこ
    とによりテーパー形状を付与し、30〜80℃の不活性
    液体中で冷却固化し、次いで、得られた未延伸糸を、下
    式で表わされる長さ(Lcm)の延伸域において140℃
    〜180℃の不活性液体中で延伸することにより、請求
    項1記載のテーパー釣糸を製造することを特徴とするポ
    リフッ化ビニリデン系投げ釣り用テーパー釣糸の製造方
    法。 5≦L≦M/(1.2×T) (ここで、M:延伸糸のテーパー部の長さ(cm)、T:
    トータル延伸倍率である。)
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