JP4728146B2 - 改質されたポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント及びその製造方法に関し、詳しくは、引張破断強度が高く適度な引張破断伸度を有して内部に空洞の発生が殆んどなく、大型魚類捕獲用の釣糸として好適に使用される、改質されたポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント及びその製造方法に係わるものである。
ポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントは、引張強度や耐衝撃性及び耐候性や耐水性などに優れ、各種の用途に利用されるが、主として水産用資材に使用されている。
水産用資材としての釣糸や漁網などに使用されるフィラメント(繊維)としては、従来から、その経済性や成形性及び優れた強度や透明性などからして合成樹脂材料が汎用されてきた。
そのなかで、以前はポリアミド樹脂(ナイロン)が主に使用されたが、引張強度や結節強度は優れているものの水中でのそのような強度は低下し、沈水性(水中での沈降性)も低く、経時により黄色化するので、ポリアミド樹脂に代わりポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂やポリフッ化ビニリデン樹脂が多用されるようになっている。
特に、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントは、強靭性や耐衝撃性及び耐候性や耐水性などに優れ、高比重により沈水性が良好で、水に近いその屈折率により水中での表面反射が少なくて透明性も高いので、水産用資材として重用されている。
ポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントは、釣糸などに重用され需要が高いことからして、常にさらなる性能の改良や物性の向上が要望され、引張強度や引張伸度及び柔軟性あるいは結節強度やいわゆる糸よれ(糸癖)などを改良する研究が以前から続けられ、それらの改良手法として、ポリフッ化ビニリデン樹脂を他の樹脂との組成物とし、あるいは、他のモノマーとの共重合体とし、また、異種の樹脂との複合化(積層によるフィラメントの多層化)、さらにはフィラメントに特定の熱処理や延伸処理を施すなどの改良提案が多々なされ特許公報などに開示されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。
ところでこのように、釣糸などの水産用資材としてのポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントは、その性能や物性において種々の改良がなされているが、専ら磯釣りや小型魚類などの捕獲に使用されるものであり、一方、水産用資材の釣糸などとしての用途において、最近の消費者一般の食生活の傾向を反映して、マグロやカジキなどの大型魚類の捕獲も重要でありその需要も高く、このような大型魚類は重量が100kgを超えるのが普通であり、餌に食い付いた後の衝撃も急激で異常なものであって、通常は幹縄と餌を付けた枝縄による延縄漁法により捕獲されるが、釣糸のフィラメントによるかかる大物釣りにはフィラメントに格別の引張破断強度や耐衝撃性などが要求されるところ、引張破断強度を高めるためにフィラメント径を単に大きくしても耐衝撃性を緩和する引張破断伸度が適度なものとならず、また、大径のフィラメントでは成形時に空洞(内部の空間部で、通常「す」と称されている。)が生じ易く、このような面から釣糸用のフィラメントを改良する試みは未だ僅かにしかなされていず、特許公報においても殆んど開示されてはいない。
僅かに、特許文献5には、重量級の魚類を釣り上げる際の急激な衝撃力に抗して糸切れを起こさないために、0.5mm以上の大径のポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントとして、特定のパラメーターによる結晶構造が規定された、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントと六フッ化プロピレンとの共重合体樹脂繊維を採用することが開示されている。
かかる技術状況からして、消費需要が非常に高いマグロやカジキなどの大型魚類を確実に効率よく捕獲するため普遍的な漁法が重要化しており、これに応えてポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントの釣糸による大型魚類の確実な捕獲のために、フィラメント径を通常の釣糸より格段に大径の、0.5〜3mmのような大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られて大型魚類の餌食いによる急激で異常な衝撃を緩和することができ、さらに、大径のフィラメントにしても成形時に内部空洞が殆んど生じ難く均質な繊維構造が得られる、大型魚類捕獲用釣糸としてのポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントの開発が強く望まれているといえる。
特公平4−61087号公報(特許請求の範囲、第1頁左欄18〜19行) 国際出願公開WO02/064867(第1頁21〜26行、第22頁3〜5行) 特開平7−292519号公報(要約) 特開平5−148707号公報(要約) 特開平7−216635号公報(要約、特許請求の範囲、段落0003〜0005)
本発明においては、段落0002〜0005において概述した、水産用資材としての釣糸などにおけるポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントに関する背景技術を鑑みて、段落0005に記述したように、最近の消費需要が非常に高いマグロやカジキなどの大型魚類を確実に効率よく捕獲するため普遍的な漁法が重要化しているところ、これに応えてポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントの釣糸による大型魚類の確実な捕獲をなすために、フィラメント径を通常の釣糸より格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られて大型魚類の餌食いによる急激で異常な衝撃を緩和することができ、さらに、大径のフィラメントにしても成形時に内部空洞が殆んど生じ難く均質な繊維構造が得られる、釣糸としてのポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントの開発を行うことを、本発明における発明が解決すべき課題とするものである。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決することを目指して、フィラメント径を格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られて大型魚類の餌食いによる急激で異常な衝撃を緩和することができ、さらに、大径のフィラメントにしても成形時に内部空洞が殆んど生じない、大型魚類捕獲用の釣糸としてのポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントを求めて、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントにおける固有粘度などの材質や延伸などによる繊維構造、あるいは、共重合体化とコモノマーの種類及び量比、組成物とする場合の成分の種類や組成比、又は、異種樹脂との多層化、さらには、フィラメントの特殊な熱処理や延伸緩和処理などの、種々の観点から多角的に思考を巡らし新たな手法の探索を行い、試行的な検索及び実験による実証と比較を積み重ねた。
その過程において、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントの形成に特定の共重合体(コポリマー)を配合(ブレンド)し、その組成物における固有粘度やコモノマー成分の割合を規定すれば、フィラメント径を格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られて、さらに、大径のフィラメントに形成しても成形時に内部空洞が殆んど生じないことを知見し、本発明の大型魚類を確実に効率よく捕獲し得るポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントを開発するに至った。
本発明においては、基本的な手法として、フッ化オレフィンをコモノマー成分として選択し、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分とし、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)の成分質量比を25/75〜75/25に特定化するポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)を採用し、この組成物によりポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントを形成する。あるいは、発明の第2の態様として、フッ化オレフィンをコモノマー成分として選択し、特定のフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)によりポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントを形成する。
さらに、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分とし、フッ化オレフィンの含有量を1質量%以上6質量%未満に特定し、組成物の固有粘度が1.3dl/g以上であると規定される。
また、発明の第2の態様として、フッ化オレフィンをコモノマー成分として選択し、特定のフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)によりポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントを形成する場合も、同様に規定される。
これらの数値の特定化が合理的で有意性を有するものであることは、後述する実施例と比較例との対照により実証されている。
より具体的な好ましい実施の態様として、その好ましい理由は後述するが、フッ化オレフィンの含有量は1〜5質量%であり、コモノマーのフッ化オレフィンはヘキサフルオロプロピレンが好ましく、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、水産用資材の釣糸として使用され、マグロやカジキなどの大型魚類捕獲用の釣糸として好適に使用される。モノフィラメントにおいては、糸径が0.5〜3mmであり、略直径0.5mm以上の空洞の発生が未延伸糸10mあたり1個以下であり、引張破断強度が600MPa以上で引張破断伸度が15〜35%であって、さらに、仕掛け破断強度が600MPa以上で仕掛け破断伸度が20〜30%であることが好ましい態様である。
上記のような構成と態様を採用する本発明において、フィラメント径を通常の釣糸より格段に大径の、0.5〜3mmのような大径にして引張破断強度を格別に高めても、通常は引張破断強度と引張破断伸度の増減は相反するものであるのに拘わらず、引張破断伸度が適度なものが得られて大型魚類の餌食いによる急激で異常な衝撃を緩和することができ、さらに併せて、大径のフィラメントにして成形すると通常はその径に略比例してフィラメント内部の空洞の発生数が不可避的に増加し、空洞の大きさも不可避的に増大するのにも拘わらず、成形時に内部に空洞が殆んど生じ難く均質な繊維構造が得られることは、新規で卓越した結果として顕現しているといえる。
以上のような本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分とした、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)などを溶融押出しして、特定温度の冷媒中で急冷し、次いで特定温度の媒体中で予熱をなした後に特定温度の媒体中で延伸処理し、必要により二段延伸をなした後、特定温度の媒体中で延伸の緩和をなすことにより製造することができる。
ところで、段落0002〜0005において記述した先行技術の各特許文献を精査すると、特許文献1において、固有粘度が1.15〜1.28のポリフッ化ビニリデンホモポリマー80〜97重量%と固有粘度が0.70〜1.10のポリフッ化ビニリデン系コポリマー20〜3重量%とからなる組成物で構成されるポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが記載されているが、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントとは、固有粘度が異なるものであり、本発明は大型魚類捕獲のための大径の釣糸として段落0011に記載した格別の作用と効果をもたらすものであるから、先行文献1に記載の従来技術は本発明を示唆するものではないし、さらに、他の先行技術においては、大型魚類捕獲のための釣糸用のポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントを改良する試みは未だ僅かにしかなされていず、特許公報においても殆んど開示されてはいないことからしても、段落0009〜0011に要約して記述した本発明の構成と特徴は些かも見い出すことはできない。
以上においては、本発明の創作される経緯とその構成の特徴について概述したので、ここで本発明についてその全体を俯瞰して、その構成全体を明確に記載すると、本発明は、次の発明単位群から構成されるものであって、[1]及び[4]の発明を基本発明として、それ以外の発明は、基本発明を具体化ないしは実施態様化するものである。(なお、発明群全体をまとめて「本発明」という。)
[1]ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分とし、フッ化オレフィンの含有量が1質量%以上6質量%未満であるポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)により形成され、糸径が0.5mm以上であることを特徴とするポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント。
[2]ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)の成分質量比を25/75〜75/25とし、固有粘度が1.3dl/g以上であることを特徴とする、[1]におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント。
[3][1]又は[2]におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸。
[4]フッ化オレフィンの含有量が1質量%以上6質量%未満である、フッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)により形成され、糸径が0.5mm以上であることを特徴とする、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント。
[5]固有粘度が1.3dl/g以上である、[4]におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸。
[6]フッ化オレフィンがヘキサフルオロプロピレンであることを特徴とする、[2]又は[4]におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント。
[7]糸径が0.5〜3mmであり、略直径0.5mm以上の空洞の発生が未延伸糸10mあたり1個以下であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかにおける、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント又は大型魚類捕獲用釣糸。
[8]糸径が0.5〜3mmであり、未延伸糸における空洞の発生に起因する、延伸糸における繊維軸方向の略直径0.5mm以上の空洞の広がりが無く、引張破断強度が600MPa以上で引張破断伸度が15〜35%であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかにおける、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント又は大型魚類捕獲用釣糸。
[9]仕掛け破断強度が600MPa以上で仕掛け破断伸度が20〜30%であることを特徴とする、[8]における、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント又は大型魚類捕獲用釣糸。
[10]ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分としたポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)、又は、フッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)を溶融押出しして、70〜150℃の冷媒中で急冷し、次いで70℃以上の媒体中で予熱をなした後に、延伸し緩和をなすことから構成される、[1]〜[9]のいずれかに記載された、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント又は大型魚類捕獲用釣糸を製造する方法。
本発明では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントのフィラメント径を通常より格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られ、さらに、大径のフィラメントにしても成形時に内部空洞が殆んど生じ難く、生じても微小なものであって、均質な繊維構造が得られる。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、最近の消費需要が非常に高いマグロやカジキなどの大型魚類を確実に効率よく捕獲するために普遍的な漁法の釣糸に好適に利用することができ、フィラメント径を通常の釣糸より格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られて大型魚類の餌食いによる急激で異常な衝撃を緩和することができ、また、仕掛け破断強伸度も良好で、糸切れを可及的に阻止することをできる。
本発明については、発明の課題を解決するための手段として、本発明の基本的な構成に沿って前述したが、以下においては、前述した本発明群の発明の実施の形態を、主としてポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントの組成と物性について、具体的に詳しく説明する。
1.ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)
(1)組成物の基本的な構成
本発明の樹脂組成物(A)は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントを成形紡糸するための組成物であり、基本的に、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)、の二成分を組成成分とする。
組成成分として、これら以外の少量の樹脂成分を配合することもできるし、ポリフッ化ビニリデン樹脂に通常に使用される各種の添加剤を配合してもよい。
ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)の成分質量比は、好ましくは、25/75〜75/25と規定される。
この組成比の範囲を外れると、空洞の発生がより少なくなるが充分な引張破断強度が得られず、又は充分な引張破断強度が得られても空洞が発生し易くなり、いずれにしても好ましくない。また、この理由からして、30/70〜70/30の組成比がより好ましく、40/60〜60/40の組成比がさらに好ましい。最良の形態は、コモノマーとしてヘキサフルオロプロピレンを6質量%含む共重合体(b)と、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)の50/50質量比の組成物である。
(2)ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)
本発明におけるポリフッ化ビニリデン樹脂(a)は、通常のポリフッ化ビニリデンホモポリマー(単独重合体)であり、フッ化ビニリデンを常法により懸濁重合又は乳化重合して製造されるものである。本発明において組成物の固有粘度が特定される場合には、それに応じて設定される必要な固有粘度を有するホモポリマーとして重合される。
(3)共重合体(b)
本発明の組成成分として使用される共重合体(b)は、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)との相溶性やポリフッ化ビニリデン樹脂(a)の特性を保持するために、フッ化ビニリデンとフッ化オレフィンのコポリマー(共重合体)(b)が採用され、このコポリマーは常法の重合方法により製造することができる。
コモノマーとしてのフッ化オレフィンの含有量は、好ましくは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物において1質量%以上6質量%未満と規定される。この好ましい規定を満たすためには、コモノマーを好ましくは1.3〜24質量%、より好ましくは1.5〜10質量%有する共重合体(b)を使用してブレンドする必要がある。
この規定により、及び後述する特定の熱処理や延伸さらに緩和処理も併せられて、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントのフィラメント径を0.5〜3mmにし、通常より格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られ、さらに、大径のフィラメントにしても成形時に内部空洞が殆んど生じ難く均質な繊維構造が得られる。
このような作用を確保するために、コモノマーとしてのフッ化オレフィンの含有量は、1質量%以上6質量%未満、より好ましくは1〜5質量%に規定される。
さらに好ましくは1.5〜5.5質量%、特に好ましくは2.0〜5.0質量%である。
コモノマーの含有量を1質量%より少なくし、0質量%程度にまで減らしてホモポリマーに近づけると、ホモポリマーに近い引張破断強伸度が得られるが、空洞が発生し易くなる。特に大径のモノフィラメントでは、空洞の発生頻度が極端に高くなってしまう。
コモノマーの含有量を6質量%以上に多くし過ぎると逆の結果になるので、結局、本発明ではコモノマー含有量を1質量%以上6質量%未満、好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは1.5〜5.5質量%、特に好ましくは2.0〜5.0質量%に特定している。
なお、本発明においては、コモノマーとしてのフッ化オレフィンの含有量が、ポリフッ化ビニリデンコポリマーにおいて1質量%以上6質量%未満と規定される場合に、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン樹脂ホモポリマーを含まずにポリフッ化ビニリデン樹脂コポリマー(B)のみから形成されてもよい(ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)を発明の第1の態様と見て、それに対して発明の第2の態様となる。即ち、段落0015に記載の発明単位[4]及び後記の実施例11,13,14に相当)。
前述した本発明の特徴は、フッ化オレフィンコモノマーにより、フッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)、さらには、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントにおける、結晶構造や非晶部の分布などに影響をもたらすことにもよると推察される。
また、ホモポリマーとコポリマーをブレンドした場合、マトリックスとなるコポリマー中にホモポリマーが微小に分散している状態となり、未延伸糸を延伸することで、延伸糸中でホモポリマーがコポリマーに対する強化繊維のように分散した構造を発現していると考えられ、そのような構造により、本発明の高強度かつ適宜な伸度のモノフィラメントが得られているものではないかと考えられる。
コモノマーとしては、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)との共重合体(b)の相溶性や組成物(A)におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂(a)の特性を保持するために、主要モノマーに近似したフッ化オレフィンが採用される。
具体的には、炭素数が2〜10程度のアルケン(オレフィン)において1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたフルオロアルケン(フッ化オレフィン)であり、テトラフルオロエチレン、フッ化エチレン、三フッ化エチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどが使用され、三フッ化塩化エチレンなども使用し得る。
炭素数が10を超えると、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)との共重合体の相溶性が低下し、フィラメントの各種強度に悪影響をもたらすので好ましくない。
これらのうちで、ヘキサフルオロプロピレンが好適に使用され、この分子構造が六個のフッ素原子の置換により立体的に嵩高い(バルキー)ので、共重合体や組成物フィラメントの結晶性をある程度低下でき柔軟性を付与できるので好ましい。
(4)固有粘度
本発明における樹脂組成物(A)などの粘度においては、固有粘度が1.3dl/g未満の場合には、引張破断強度が充分に発現しないため、特に、大型魚類捕獲用釣糸として引張破断強度が不足するので、好ましくは1.3dl/g以上に規定される。粘度が高過ぎると成形が困難になるので、上限は1.8dl/gが好ましい。粘度(重合度)が低いと強度が発現し難いので、1.4〜1.7dl/gがさらに好ましい。
固有粘度は、フィラメントの試料をN,N−ジメチルフォルムアミドに0.4g/dlの濃度に溶解させ、その溶液の30℃における固有粘度をウベローデ型粘度計により測定した。
(5)添加剤
樹脂組成物の各種の添加剤として、より物性を高め、また、各種物性を付加するなどのために、ポリフッ化ビニリデン樹脂において通常に使用される、可塑剤、核剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、熱安定剤、光安定剤、充填剤、内部離型剤、艶消し剤、導電性付与剤、帯電制御剤、帯電防止剤、滑剤、その他の加工助剤を用いることができる。
2.ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント
(1)フィラメント
本発明におけるフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)又はポリフッ化ビニリデン系樹脂(B)を溶融状態で押出機などから押出紡糸することにより形成され、主としてモノフィラメントの形態で使用される。
本発明におけるフィラメントは、押出紡糸され未だ延伸されていない状態では未延伸糸と称され、延伸処理を受けた状態では延伸糸と称される。
モノフィラメントの好ましい態様は、糸径が0.5〜3mmであり、略直径0.5mm以上の空洞の発生が未延伸糸10mあたり1個以下であり、引張破断強度が600MPa以上で引張破断伸度が15〜35%であることを特徴とする。
糸径は、大型魚類捕獲用の釣糸として格段の引張破断強度が必要であるために、通常の釣糸より格別に大径の、0.5〜3mm(厳密には0.50から3.0mm)が好ましい。大物魚類捕獲用釣糸としては0.60〜2.7mmがより好ましく、0.70〜2.5mmがさらに好ましい。
通常のモノフィラメントの成形では、糸径が増すほど空洞の発生数や大きさも増大するが、本発明のフィラメントにおいては、格別の大径であるのに、特別のポリフッ化ビニリデン樹脂組成物又は共重合体を採用し紡糸時に特定の冷却条件をとることにより、機械的な強度を著しく低下させる空洞の発生を殆んどなくすことができ、略直径0.5mm以上の空洞部の発生を未延伸糸10mあたり1個以下にすることができる。好ましくは15mあたり1個以下、より好ましくは20mあたり1個以下にする。
なお、空洞は球形には必ずしもならないので、大きさの目安として最大径(長径)を略直径として評価する。
延伸糸においては、未延伸糸における空洞の発生に起因する、延伸糸における繊維軸方向の略直径0.5mm以上の空洞の広がりが無いフィラメントが好ましい。具体的には、かかる空洞の広がりが、延伸糸10mあたり1個以下にすることができる。好ましくは50mあたり1個以下、より好ましくは150mあたり1個以下にする。
ポリフッ化ビニリデンのホモポリマーは、押出機により溶融状態の糸を押出して紡糸し冷却固化する際に、他の樹脂に比べて、結晶化速度が速く結晶化度が高く成形収縮率が大きいので、一般に「す」といわれる、成形収縮に起因する空洞部が糸の中心部に発生し易く、特に急冷する場合に空洞の発生が多くなり、また、表面部と内部の冷却状態に差が大きくなるほど空洞が発生し易いので、大物釣りの釣糸のように糸径が大きくなると空洞の発生が必然的に多くなる。
空洞の発生が多くなると、延伸モノフィラメントの機械的な性質が低下するばかりでなく、紡糸時において未延伸糸に略直径0.5mm以上の空洞が発生すると、延伸によりそこから破断し延伸を行うことができなくなる。さらには空洞の発生が酷くなると、それぞれの空洞が連通して紡糸にも支障をきたし規定倍率での延伸が全くできなくなる。
一方、空洞の発生を抑えるために紡糸時に徐冷すると、未延伸糸の結晶化が進み過ぎ強度や伸度が高くならない。
そのため、大物釣用のポリフッ化ビニリデン樹脂フィラメントには、コポリマーを用いることが好適と考えられ、特に、六フッ化プロピレンのような側鎖に嵩高い置換基を有すコモノマーを使用すれば結晶化速度や結晶化度が低下し、成形収縮率もホモポリマーほど大きくないので空洞は発生し難い。しかし、結晶化度が低いために強度は低くなり、逆に伸度は実用的には大き過ぎるものとなって、過度の伸度により張力が架かると、フィラメントを白化させ糸径を細くしてしまう問題を派生する。
かかる認識を基に本発明は、コモノマーの量を調整し、ホモポリマーとの特定の組成物とした、特別のポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)などを採用している。
また、本発明のモノフィラメントにおいては、格別の大径であって、特別のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントを採用し特定の延伸と熱処理をも行うので、引張破断強度を格別に高めているのに、引張破断伸度をも高めることができ、引張破断強度が600MPa以上で引張破断伸度が15〜35%にすることができる。大物魚類釣糸としては、引張破断強度は625〜900MPaが好ましく、650〜850MPaがより好ましく、引張破断伸度は20〜33%が好ましい。
(2)大型魚類捕獲用の釣糸
本発明のモノフィラメントは、大型魚類捕獲用の釣糸として利用でき、その利用において、本発明のモノフィラメトの特徴を最も良く顕現できる。
フィラメントの釣糸による大型魚類の確実な捕獲のために、フィラメント径を通常の釣糸より格段に大径の、0.5〜3mmのような大径にして、それにより引張破断強度を格別に高めて600MPa以上とし、引張破断伸度を15〜35%にすることができ、併せて、仕掛け破断強度を600MPa以上、仕掛け破断伸度を20〜30%にすることもでき、大型魚類の餌食いによる急激で異常に高い衝撃に耐えて糸切れを阻止することができる。この伸度が適度の範囲なのでフィラメントの柔軟性も高く、釣糸の取扱い性も良好となる。
(3)その他の用途
本発明のモノフィラメントは、その優れたフィラメント強度などにより、大型魚類捕獲用の釣糸の他に各種の用途に好適に利用できる。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、紫外線で劣化し難い性質も有しているので、耐候性を必要とされる屋外用のワイヤやロープに利用できる。
また、最近の都会における鳥害の蔓延に対処するために、ビルディングや住宅のベランダに、フィラメントあるいはネットとして、それらを張り巡らして、透明なモノフィラメントによる翼の飛行阻害の恐怖感とモノフィラメントの光輝性による警戒感を与えることによる防鳥を行って、鳥害を防ぐことにも利用できる。
3.ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントの製造
本発明のモノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)などを溶融押出しし、急冷と予熱を行い、次いで延伸しさらに緩和処理することにより製造することができるが、本発明においては、本発明の特徴のひとつとして、特定の温度と処理条件によりかかる製造工程を行う。
具体的には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)、又はフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)を溶融押出しして、70〜150℃の冷媒中で急冷し、次いで70℃以上に予熱をなした後に、160〜170℃の媒体中で5〜7倍に延伸し、必要により二段延伸をなした後、70〜165℃の媒体中で5〜15%の緩和をなすことにより、フィラメントを製造する。
急冷温度は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点以下である170℃以下が好ましく、70〜140℃がより好ましく、80〜115℃がさらに好ましい。予熱温度は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点以下である170℃以下が好ましく、70〜140℃がより好ましく、75〜105℃がさらに好ましい。延伸条件は、161〜169℃での5.3〜6.7倍が好ましく、162〜168℃での5.5〜6.5倍がさらに好ましい。緩和条件は、75〜165℃での5〜13%が好ましく、80〜160℃での5〜12%がさらに好ましい。
より好ましい製造方法を詳細に記載すると、以下の工程においてなされ、特に工程(iii)の急冷と(iv)における予熱により、本発明の卓越した効果がもたらされる。なお、本発明は大径のモノフィラメントに関するものであるから、通常用いられる釣糸用モノフィラメントと同様に、太い未延伸糸をいきなり延伸浴にて延伸した場合、糸表面部と内部の温度差が大きくなり均質な延伸を行えず、満足のいく物性を持った糸が得られない。この問題を解決するため、延伸浴の前に予熱を行う熱浴を用意し、糸表面部と内部の温度差を小さくしておく必要がある。
(i)原料としてのパウダー状の、ホモポリマーとコポリマーをタンブラーで均一に25/75〜75/25の質量割合で混合し、フルフライトスクリューを取り付けたφ50mm押出機にて押出ノズル温度290℃にてペレット化する。
(ii)ペレット化した原料をフルフライトスクリュウーとギアポンプを取り付けたφ50mm押出機にて、230〜300℃においてφ6〜10mmで280〜300℃のノズルより紡糸する。
(iii)70〜120℃の冷媒(水又はシリコーンオイル、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの油類やアルコール類)中で急冷し、未延伸糸を得る。このとき急冷し過ぎると空洞が発生し延伸糸を得ることができ難くなる。逆に、空洞の発生を抑えるために徐冷し過ぎると、未延伸糸の結晶化が進行し過ぎて延伸でき難くなり、発現する強度も低くなる。
(iv)未延伸糸を70〜110℃の熱媒(水又は油類やアルコール類)中で予熱し、164〜167℃の熱媒(油類やアルコール類)中にて5.8〜6.4倍に延伸する。
(v)延伸糸を80〜160℃の熱媒(水又は油類やアルコール類)中にて5〜10%の緩和をなす。緩和温度や緩和倍率が低いと緩和効果が見られず、糸が硬くなり糸癖が付き易くなるために糸の取扱いが不自由になる。一方、緩和温度が高過ぎると糸の表面が溶融し発現強度が不充分になる。
以下においては、本発明における実施例を開示して比較例を対照しながら、本発明をより詳細に具体的に示して、本発明の構成をいっそう明らかにし、本発明の構成の各要件の合理性と有意性を実証する。
[使用原料]
ポリフッ化ビニリデン系樹脂:呉羽化学工業株式会社(現・株式会社クレハ)製
ホモポリマー(1):固有粘度 1.50dl/g
組成 VDF=100
ホモポリマー(2):固有粘度 1.70dl/g
組成 VDF=100
コポリマー (1):固有粘度 1.48dl/g
組成 VDF/HFP=94/6
コポリマー (2):固有粘度 1.48dl/g
組成 VDF/HFP=96/4
コポリマー (3):固有粘度 1.13dl/g
組成 VDF/HFP=98/2
(VDF;フッ化ビニリデン HFP;ヘキサフルオロプロピレン)
[試験方法]
i)コモノマー含有量
Varian Inc.製 UNITY INOVATION 500NMR(核磁気共鳴装置)を用い、周波数500MHzにて19F−NMR法によりモノフィラメント中のコモノマー量を測定した。
樹脂検定試料をN,N−ジメチルフォルムアミドに溶解して検体溶液を調製し、NMR装置にセットして、69〜75ppm付近をCFに由来するシグナルとし、91〜119ppm付近をCFに由来するシグナルとして、それぞれの領域におけるシグナル強度の積分値の合計と、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの分子量比とから、コモノマー成分としてのヘキサフルオロプロピレンの含有量を求めた。
ii)固有粘度
フィラメントの試料をN,N−ジメチルフォルムアミドに0.4g/dlの濃度に溶解させ、その溶液の30℃における固有粘度をウベローデ型粘度計により測定した。
iii)引張破断強伸度測定
東洋精機製作所製のストログラフRII型引張試験機を用い、23℃−65%RHの室内で、試長300mm−引張速度300mm/分−測定数5にて、乾時強度としての引張強度を測定した。この時、試料は、チャックでの破断を防止するために、上下の各チャックの手前に取り付けられた直径19mmのシリンダーに3周巻きつけてから、チャックで固定されている。
ここでの試長は、上部のチャックに取り付けられたシリンダーの中心から、下部のチャックに取り付けられたシリンダーの中心までの長さをいう。
測定機で記録される伸度は、シリンダー部での糸による伸びによる滑りを含んでいるので、実際の伸度の値を得るため、上部のシリンダーの巻き付け部と測定部の境目に印を付け、その滑りを読み取り滑りを二倍にした値を上下の巻き付け部の滑りの大きさとし、測定された伸びから差し引いた値を実際の伸びの大きさとして、伸度を算出した。
iv)仕掛け破断強伸度測定
東洋精機製作所製のストログラフRII型引張試験機を用い、23℃−65%RHの室内で、試長300mm−引張速度300mm/分−測定数5にて、仕掛け強度を測定した。この時、上下の各チャックの手前に取り付けられた直径19mmのシリンダーにきっちりと引っ掛かるように糸の両端部に輪を作り、不二機材株式会社製アルミクリップを同社製ハンドプレッサーにてかしめて輪を固定する仕掛けを作成し、試料の両端の輪を上下のチャック部のシリンダーに引っ掛けて行う。
ここでの試長は、上部のチャックに取り付けられたシリンダーの中心から、下部のチャックに取り付けられたシリンダーの中心までの長さをいう。
[実施例1〜2]
ホモポリマー(1)/コポリマー(1)のパウダーを50/50及び30/70の混合比でブレンドし、ペレット化したものを原料として用いた。
この組成物を押出機に投入し、押出温度230〜290℃にて溶融混練して押出した後、90℃の冷媒中で急冷し、未延伸糸(延伸されていないモノフィラメント)を得た。次いで、100〜105℃の加熱グリセリン中で予熱を行った後、164℃の加熱グリセリン中を通して6.4倍に延伸した。さらに120〜130℃の加熱グリセリン中にて5〜6%の緩和熱処理を行い、直径1.47〜1.50mmの延伸糸(延伸されたモノフィラメント)を得た。
[実施例3〜6]
ホモポリマー(2)/コポリマー(1)のパウダーを50/50の混合比でブレンドし、ペレット化したものを原料として用いた。
この組成物を押出機に投入し、押出温度230〜290℃にて溶融混練して押出した後、80〜105℃の冷媒中で急冷し、未延伸糸を得た。次いで、75〜100℃の加熱グリセリン中で予熱を行った後、165〜167℃の加熱グリセリン中を通して5.8〜6.4倍に延伸した。さらに80〜160℃の加熱グリセリン中にて7〜10%の緩和熱処理を行い、直径0.83〜1.81mmの延伸糸を得た。
[実施例7]
原料をホモポリマー(2)/コポリマー(1)=40/60にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[実施例8]
原料をホモポリマー(2)/コポリマー(1)=30/70にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[実施例9]
原料をホモポリマー(2)/コポリマー(2)=50/50にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[実施例10]
原料をホモポリマー(2)/コポリマー(2)=30/70にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[実施例11]
原料をコポリマー(2)にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[実施例12]
原料をホモポリマー(1)/コポリマー(1)=75/25にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[参考例1]
原料をコポリマー(3)にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[参考例2]
原料をコポリマー(3)にし、表2に記載の紡糸延伸条件にて延伸糸を得た。
[比較例1]
コポリマー(1)のペレットを原料として用いた。この組成物を押出機に投入し、押出温度230〜290℃にて溶融混練して押出した後、105℃のグリセリン中で急冷し、未延伸糸を得た。次いで、77.5℃の加熱グリセリン中で予熱を行った後、160℃の加熱グリセリン中を通して6.2倍に延伸した。さらに130℃の加熱グリセリン中にて9%の緩和熱処理を行い、直径1.48mmの延伸糸を得た。
[比較例2]
原料をホモポリマー(1)にし、表2に記載の延伸紡糸条件にて試作を試みたが、紡糸延伸状態の糸を冷却固化する際に縦に連通した空洞が発生し、延伸を行うことができなかった。
[比較例3]
原料をホモポリマー(1)/コポリマー(2)=50/50にし、表2に記載の延伸紡糸条件にて試作を試みたが、紡糸延伸状態の糸を60℃に急冷したため、未延伸糸内部に大きな空洞が発生し、延伸を行うことができなかった。
表1に、実施例1〜12、参考例1〜2、及び比較例1〜3における原料配合比、樹脂粘度、コモマー含有量を掲示した。
表2に、実施例1〜12、参考例1〜2、及び比較例1〜3における紡糸条件を掲示した。
表3に、実施例1〜12、参考例1〜2、及び比較例1〜3における、空洞の発生結果を掲示した。
表4に、引張破断強伸度の測定結果及び仕掛け破断強伸度の測定結果を掲示した。
Figure 0004728146
Figure 0004728146
Figure 0004728146
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[実施例と比較例の結果の考察]
以上の各実施例及び各比較例を対照することにより、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントにおいては、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分とし、ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)の成分質量比を25/75〜75/25として、フッ化オレフィンの含有量が1質量%以上6質量%未満であり、固有粘度が好ましくは1.3dl/g以上であるポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)により形成されているので、あるいは、フッ化オレフィンの含有量が1質量%以上6質量%未満であり、固有粘度が好ましくは1.3dl/g以上であるフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)により形成されているので、フィラメント径を通常より格段に大径にして引張破断強度を格別に高めても、引張破断伸度が適度なものが得られ、さらに、大径のフィラメントにしても成形時に内部空洞が殆んど生じ難く、空洞が発生しても微小なもので、均質な繊維構造が得られ、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、マグロやカジキなどの大型魚類を確実に効率よく捕獲するために普遍的な漁法の釣糸に好適に利用することができ、また、仕掛け破断強伸度も良好であることが、明らかにされている。
具体的には、実施例1〜12(なお、実施例11,参考例1,2は、段落0022に記載の通り、ポリフッ化ビニリデン樹脂ホモポリマーを含まずにコモノマー(B)のみから形成されている。)では、全てにおいて、引張破断強度及び仕掛け破断強度が格別に高く、引張破断伸度及び仕掛け破断伸度は適度なものであって、空洞が殆んど生じ難く、空洞が発生しても微小なものである。
比較例1のフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン樹脂のコポリマーのみから形成され、コモノマー含有量が6重量%なので、空洞が殆んど生じ難く、空洞が発生しても微小なものではあるが、引張破断強度及び仕掛け破断強度が大物釣用としては低く、引張破断伸度及び仕掛け破断伸度は過度なものであって、大型魚類を釣り上げる際にフィラメントが白化し細くなってしまうので、大物釣用の使用には適さない。
比較例2では、ポリフッ化ビニリデン樹脂のホモポリマーを使用しているので、連通した空洞が発生して、延伸時に破断が起こり延伸糸を得ることができない。
比較例3では、フィラメントの紡糸条件が本発明の要件を満たさないので、空洞の発生が多くて、延伸時に破断が起こり延伸糸を得ることができない。
以上のデータ結果と考察からして、本発明の構成要件の合理性と有意性が実証され、本発明が従来技術に比べて顕著な卓越性を有していることが明確であるといえる。

Claims (6)

  1. ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分とし、フッ化オレフィンの含有量が1質量%以上6質量%未満であるポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)により形成され、糸径が0.60〜2.7mmであり、条件の(i)〜(ii)を満たすことを特徴とするポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸
    (i)略直径0.5mm以上の空洞の発生が未延伸糸10mあたり1個以下である。
    (ii)未延伸糸における空洞の発生に起因する、延伸糸における繊維軸方向の略直径0.5mm以上の空洞の広がりが無く、引張破断強度が600MPa以上で引張破断伸度が15〜35%である。
  2. ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)の成分質量比を25/75〜75/25とし、固有粘度が1.3dl/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載されたポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸
  3. フッ化オレフィンの含有量が1質量%以上6質量%未満である、フッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)により形成され、固有粘度が1.3dl/g以上であり糸径が0.60〜2.7mmであり、条件の(i)〜(ii)を満たすことを特徴とする、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸
    (i)略直径0.5mm以上の空洞の発生が未延伸糸10mあたり1個以下である。
    (ii)未延伸糸における空洞の発生に起因する、延伸糸における繊維軸方向の略直径0.5mm以上の空洞の広がりが無く、引張破断強度が600MPa以上で引張破断伸度が15〜35%である。
  4. フッ化オレフィンがヘキサフルオロプロピレンであることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載されたポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸
  5. 仕掛け破断強度が600MPa以上で仕掛け破断伸度が20〜30%であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載された、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸。
  6. ポリフッ化ビニリデン樹脂(a)、及びフッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(b)を組成成分としたポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物(A)、又は、フッ化ビニリデンとフッ化オレフィンの共重合体(B)を溶融押出しして、70〜150℃の冷媒中で急冷し、次いで70℃以上の媒体中で予熱をなした後に、延伸し緩和をなすことから構成される、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された、ポリフッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメントからなる大型魚類捕獲用釣糸を製造する方法。
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