JPH09258331A - 投写スクリーン及びその製造方法 - Google Patents

投写スクリーン及びその製造方法

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JPH09258331A
JPH09258331A JP8067760A JP6776096A JPH09258331A JP H09258331 A JPH09258331 A JP H09258331A JP 8067760 A JP8067760 A JP 8067760A JP 6776096 A JP6776096 A JP 6776096A JP H09258331 A JPH09258331 A JP H09258331A
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JP
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light
weight
parts
resin
projection screen
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JP8067760A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Murayama
義明 村山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面レンチキュラーレンズの位置合わせ精度
が高く、難燃性で、ファインピッチ化が可能で、耐衝撃
性や寸法安定性に優れ、レンズ形状の形成と同時に表面
の艶消し処理を行うことができ、透過率低下を招くこと
なく光学特性に優れ、外光の写り込みが少なく視認性に
優れた投写スクリーンを提供する。 【解決手段】 透光性ストランド1が多数本並列配置さ
れ接合されてシート状に一体化されている。ストランド
1は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対し重量
平均粒子径0.5〜20μmの透光性樹脂粒子1〜20
重量部とポリカーボネート系樹脂とは異なる屈折率の光
拡散材5重量部以下とを含有する樹脂組成物からなり、
その自由表面は透光性樹脂粒子及び光拡散材による多数
の突起が形成されて光散乱性を付与されている。一方の
面側において、隣接ストランド間には光吸収部2が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投写スクリーン技
術に属するものであり、特にプロジェクションテレビジ
ョンやマイクロフィルムリーダ等の表示画面として用い
られる透過型または反射型のスクリーン及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透過型スクリーンあるいは反射型スクリ
ーン等の投写スクリーンは、テレビジョン画像やマイク
ロフィルム像等を投写し、目的とする表示を実現するた
めに広く用いられている。この種の投写スクリーンは、
観察者が観察する際に明るく、視野角が拡大する様に入
射面及び出射面に所定の微小レンズ形状が付されてお
り、一般には両面レンチキュラーレンズが利用されてい
る。
【0003】両面レンチキュラーレンズを用いた投射ス
クリーンでは、両面のレンズの光軸のずれがスクリーン
特性に悪影響を及ぼすために、良好なスクリーン特性を
得るためには、両面のレンチキュラーレンズの位置合わ
せを正確に行うことが必要となってくる。両面レンチキ
ュラーレンズの製造方法としては、押出し成形法、セル
キャストによる注型法あるいは加熱プレス法等がある
が、これらはいずれも金属製等の母型を直接的または間
接的に樹脂板に転写する方式であり、母型の寸法精度や
成形時の型温度制御や両面母型の位置合わせ等を全て良
好且つ正確に行うことは難しく、従って両面レンチキュ
ラーレンズの位置合わせ精度を十分に向上させることは
困難であった。
【0004】一方、大型テレビジョンの高精細度化への
要求が高まってきており、投写スクリーンのレンチキュ
ラーレンズもファインピッチ化が要求されてきている。
しかし、上記の様な従来の製造方法では、1メートル四
方程度の両面レンチキュラーレンズを表裏両面のレンズ
位置のずれを少なくしてファインピッチ化することは容
易ではなく、ファインピッチ化の要求に十分に対応する
ことができなかった。
【0005】そこで、本出願人は、特開平3−2009
48号公報に記載されている様に、隣接するストランド
形成用のオリフィスを小間隔をおいて近接配置し、溶融
樹脂がオリフィスから紡出した直後に膨大化する現象
(ベーラス効果またはダイスウェル)によって、隣接す
る透光性ストランドどうしを融着させる投写スクリーン
の製造方法を提案した。
【0006】この様な投写スクリーンにおいては、プラ
スチック系ストランドの材質として、透明性が良好で加
工性に優れたポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が用いられてい
る。なかでも、透明性及び成形加工性に優れたポリメチ
ルメタクリレートが広く利用されている。しかるに、近
年、飛行機等の乗物や公共の場所等に設置される投写ス
クリーンには、防災上の観点から難燃化が要求される様
になってきている。また、レンチキュラーレンズのファ
インピッチ化に伴い、シートが薄肉化しており、割れ等
に対する耐衝撃性の向上が要求されている。そこで、次
第に、耐衝撃性等の力学的特性に優れ、耐熱性、耐水性
及び寸法安定性に優れたポリカーボネート樹脂が使用さ
れる様になってきている。
【0007】一方、室内の蛍光灯等の外光が投写スクリ
ーンへ写り込むのを防止し映像の視認性を向上させるた
めに、投写スクリーンの出射面側のレンズには一般にエ
ンボス形状の付与等により艶消し処理が施されている。
この様な艶消し処理は、押出し成形、セルキャスト法及
び加熱プレス法等により投写スクリーンを製造する場合
には、予め金属製等の母型にサンドブラストやケミカル
エッチング等により表面処理を行ってエンボス形状を付
与し、この形状を成形過程にて転写付与することによ
り、容易に実施することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平3−200948号公報記載の様な製造方法におい
ては、投写スクリーンのレンズ形状は樹脂がノズルから
紡出せしめられた後に形成されるため、レンズ形状の形
成と同時にストランド表面の艶消し処理を行うことはで
きず、従って後工程において艶消し処理を行う必要があ
った。
【0009】そこで、本発明は、両面レンチキュラーレ
ンズの位置合わせ精度が高く、難燃性で、レンチキュラ
ーレンズのファインピッチ化が可能で、薄肉化しても耐
衝撃性や寸法安定性に優れ、レンズ形状の形成と同時に
表面の艶消し処理を行うことのできる投写スクリーンを
提供することを目的とするものである。
【0010】また、本発明は、更に、透過率低下を招く
ことなく光学特性に優れ、且つ外光の写り込みが少なく
視認性に優れた投写スクリーンを提供することを目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するものとして、透光性を有するプラスチック
系ストランドが多数本並列して配置され、隣接するスト
ランドが接合されてシート状に一体化されてなる投写ス
クリーンにおいて、前記ストランドは、ポリカーボネー
ト系樹脂100重量部に対し屈折率がポリカーボネート
系樹脂と略同一で重量平均粒子径0.5〜20μmの透
光性樹脂粒子1〜20重量部を含有する樹脂組成物から
なり、その自由表面は前記透光性樹脂粒子による多数の
突起が形成されていることを特徴とする、投写スクリー
ン、が提供される。
【0012】更に、本発明によれば、上記目的を達成す
るものとして、ポリカーボネート系樹脂100重量部に
対し屈折率がポリカーボネート系樹脂と略同一で重量平
均粒子径0.5〜20μmの透光性樹脂粒子1〜20重
量部を含有する樹脂組成物を多数のオリフィスから溶融
状態で吐出させて多数の透光性ストランドを形成し、前
記溶融状態の透光性ストランドを隣接するものどうし融
着させてシート状に一体化し、前記透光性ストランドの
自由表面に前記透光性樹脂粒子による多数の突起を形成
し、その後、前記透光性ストランドを冷却固化させる、
ことを特徴とする、投写スクリーンの製造方法、が提供
される。
【0013】本発明の一態様においては、前記透光性ス
トランドを冷却固化前に伸長させる。
【0014】本発明の一態様においては、前記樹脂組成
物はポリカーボネート系樹脂100重量部に対しポリカ
ーボネート系樹脂とは異なる屈折率を有する光拡散材を
5重量部以下含有する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。もちろん、本発明はこれら
の実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】図1は本発明による投写スクリーンの一実
施形態を示す部分斜視概略図である。
【0017】1は透光性ストランドであり、該透光性ス
トランド1は略円形の断面形状をなしている。複数の透
光性ストランド1は互いに平行に配置されており、隣接
するものどうしが側部どうしを融着されシート状に一体
化されている。そして、隣接する透光性ストランド1の
間には、シートの上面側において光吸収部2が形成され
ている。
【0018】透光性ストランド1は、ポリカーボネート
系樹脂100重量部に対し屈折率がポリカーボネート系
樹脂と略同一で重量平均粒子径0.5〜20μmの透光
性樹脂粒子例えば架橋ポリスチレン系樹脂粒子1〜20
重量部を含有する樹脂組成物からなる。この樹脂組成物
は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対しポリカ
ーボネート系樹脂とは異なる屈折率を有する光拡散材を
5重量部以下含有していてもよい。
【0019】ポリカーボネート系樹脂は、特に限定され
るものではなく、例えば米国特許第3989672号に
記載されている方法で製造されたものを使用することが
できる。これらのポリカーボネート系樹脂の屈折率は
1.57〜1.59である。また、直鎖状、分枝状、ま
たは共重合成分を有するものを単独で使用したり、また
はブレンドして使用することが可能である。
【0020】屈折率がポリカーボネート系樹脂と略同一
の透光性樹脂粒子としては、架橋ポリスチレン系樹脂粒
子の他に、ポリメチルスチレン系樹脂粒子、ポリカーボ
ネート系樹脂粒子、エポキシ系樹脂粒子等を用いること
ができる。
【0021】架橋ポリスチレン系樹脂粒子としては、ス
チレンモノマーから懸濁重合等により製造された粒子を
使用することができる。また、屈折率を調節するために
共重合成分を添加したものを使用することも可能であ
る。耐熱性や耐光性等が要求される用途においては、ジ
ビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官
能ビニル化合物を用いて架橋させることが可能であり、
本発明においては、架橋ポリスチレン樹脂粒子が好適に
用いられる。該架橋ポリスチレン樹脂粒子は、架橋度が
例えば2〜40%であり、屈折率が約1.59程度であ
る。
【0022】本発明においては、透光性樹脂粒子はポリ
カーボネート系樹脂100重量部に対して1〜20重量
部の範囲で含有され、好ましくは4〜15重量部の範囲
である。透光性樹脂粒子の量が少なすぎると、透光性ス
トランドの表面への透光性樹脂粒子の浮き出しによる突
起が少なくなり、透光性ストランドの自由表面が平滑に
なって艶消し効果が得にくくなりがちである。透光性樹
脂粒子の量が多すぎると、透光性ストランドの溶融剪断
粘度が上昇し、ノズル圧力の上昇によってノズルに亀裂
が生じたり、欠け、割れ等を招いたり、また耐衝撃性や
難燃性の低下を招いたりしがちである。
【0023】透光性樹脂粒子の重量平均粒子径は0.5
〜20μmの範囲であり、好ましくは2〜15μmの範
囲である。粒子径が小さすぎると、樹脂粒子の浮き出し
による突起が微細すぎて艶消し効果が低下しがちであ
る。粒子径が大きすぎると、樹脂粒子の浮き出しによる
突起が大きすぎて投写映像にギラツキを感ずる様にな
り、また表示画像が荒れ、解像度が低下する様になりが
ちである。
【0024】光拡散材としては、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、シリカ等の無機微粉末や、スチレン系モノマ
ーとアクリル系モノマーとの共重合体樹脂粒子等の有機
系光拡散材を任意に使用することができる。光拡散材の
添加量は、透光性ストランド表面での突起形成の艶消し
効果による表面散乱因子を考慮し、目的とするスクリー
ンゲインが得られる様に適宜調節することができるが、
ポリカーボネート系樹脂100重量部に対し5重量部以
下が好ましい。光拡散材の添加量が多すぎると、透過率
が低下しがちである。光拡散材の粒子径は、3〜12μ
mの範囲であるのが好ましく、更に好ましくは5〜10
μmの範囲である。この粒子径が小さすぎると、光の波
長に近づくため散乱角が大きくなりすぎる傾向にあり、
粒子径が大きすぎると、拡散特性が低下する傾向にあ
る。
【0025】尚、本発明においては、屈折率が略同一と
は屈折率差が0.01以下であることを意味し、屈折率
が異なるとは屈折率差が0.01を越えることを意味す
る。
【0026】図2は、以上の様な透光性ストランド1の
拡大部分断面図である。図示されている様に、ポリカー
ボネート系樹脂1a中に透光性樹脂粒子1bと光拡散材
1cとが分散されて透光性ストランド1が形成されてお
り、該ストランド1の自由表面に一部の透光性樹脂粒子
1bと一部の光拡散材1cとが浮き出して突起が形成さ
れている。この突起によりストランド1の表面は光散乱
性を付与されている。
【0027】本発明においては、透光性ストランド1
は、適宜の着色材を混入させた有色透明のものでもよい
し、透光性樹脂粒子1bや光拡散材1cは全体に均一に
分布していてもよいし層状に(表面部に重点的に)混入
させたものでもよい。更に、透光性ストランド1には、
必要に応じて光安定剤、難燃剤、耐熱劣化防止剤等の添
加剤を添加してもよい。
【0028】図1に示されている上記光吸収部2は、例
えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等に染料
系またはカーボンブラック系の光吸収材を含有させたも
のからなる。尚、光吸収部2においても、透光性ストラ
ンド1と同様に透光性樹脂粒子を混入することによっ
て、外光の写り込みを一層低減することができる。
【0029】図3〜5は、本発明による投写スクリーン
の製造方法の一実施形態の説明図である。
【0030】図3において、3は押出し機であり、4は
ノズルを備えたノズルホルダである。ノズルは多数のオ
リフィスを備えており、該オリフィスからは溶融したポ
リカーボネート系樹脂と透光性樹脂粒子と光拡散材との
混合物が吐出せしめられる。吐出の向きは上向き及び下
向きのいずれでもよいが、図3に示されている様に上向
きに吐出させるほうが、透光性ストランドの均一化やピ
ッチ設定などの点で好ましい。
【0031】図4はノズル11の平面図を示し、図5は
その部分拡大図を示す。円形のノズル11としては、多
数のオリフィス12を馬蹄形に配置し、更にその外方に
てオリフィス13を馬蹄形に配置したものを使用するこ
とができる。オリフィス12からは透光性ストランド1
を形成する樹脂組成物が吐出され、オリフィス13から
は光吸収部2を形成する光吸収材含有樹脂が吐出され
る。吐出時の透光性ストランド1を形成する樹脂組成物
1’及び光吸収部2を形成する光吸収材含有樹脂2’の
断面形状及び寸法は、図6(a)に示されている様に、
いずれもノズル11のオリフィス12,13のものと同
一である。
【0032】オリフィス12から吐出された樹脂組成物
1’からなるストランド1は、図6(b)に示されてい
る様に、吐出直後に径方向に膨大化するベーラス効果に
よって隣接するものどうしが融着により接合されシート
5として一体化される。該シート5の一方の表面側に
は、隣接ストランド1間の溝に光吸収部2が充填付与さ
れる。尚、吐出直後のシート5は、オリフィス12,1
3の配置形態に従って、断面環状に形成される。
【0033】その後、シート5を環状ガイド6の内壁に
沿って引き上げ、更に鏝状ガイド7及び棒状ストレート
ガイド8によって環状のシートを平面状に広げ、同時に
棒状ストレートガイド8でシート5の進行方向を変え
て、ニップローラ9で引き取り、リール10に巻取る。
この巻取りまでの間に、シート5は自然放冷または強制
冷却により冷却され、固化せしめられる。これにより得
られる投写スクリーンの透光性ストランド1の自由表面
には、上記図2に関し述べた様に、透光性樹脂粒子と光
拡散材とが浮き出して突起が形成されている。
【0034】尚、必要に応じて、冷却固化に先立って、
シート5に対し加熱伸長処理を施してもよい。この場
合、図6(c)に示されている様に、断面における寸法
が小さくなり、断面形状も若干変化した上で、冷却固化
される。これにより、得られる投写スクリーンの透光性
ストランド1の表層部において透光性樹脂粒子の突出が
大きくなり、それによる表面の凹凸の度合いが、加熱伸
長処理を施さない場合に比べて高められる。
【0035】以上の様にして得られる投写スクリーンの
透光性ストランド1の断面形状は、オリフィス断面形状
や紡出条件等によって、略円形、略卵形あるいは略だる
ま形等の種々の形状を適宜選択することができる。ま
た、透光性ストランド1の大きさは、スクリーンの用途
や目的によっても異なるが、概ね0.1〜1.5mm程
度であり、スクリーンのファインピッチ化にも十分に対
応することができる。更に、透光性ストランド1の自由
表面の光沢の程度は、透光性樹脂粒子及び更には光拡散
材の添加量によって、適宜設定することが可能である。
【0036】本発明の投写スクリーンは、単一のシート
から構成したものが好ましいが、複数のシートを連結し
て構成したものであってもよい。また、本発明の投写ス
クリーンを透過型スクリーンとして使用する場合には、
光源側にフレネルレンズシートあるいはフレネルレンズ
と横レンチキュラーレンズとを組合せたレンズシートを
併用した構成として使用することができる。
【0037】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【0038】実施例1:図4及び図5に示したノズル1
1を用いて、図3に示した装置により、以下の様にし
て、投写スクリーンを製造した。尚、ノズル11は、透
光性ストランド1用の孔径1mmのオリフィス12が
1.25mmのピッチで1000個環状に配列され、こ
のオリフィス12の隣接するものどうしの間に光吸収部
2用の孔径0.5mmのオリフィス13が同ピッチで同
数配列されたものである。
【0039】予め、屈折率1.59のポリカーボネート
樹脂(三菱瓦斯化学社製ユーピロンH−3000)10
0重量部と屈折率1.585の架橋ポリスチレン系樹脂
粒子(重量平均粒子径8μm、積水化成品工業社製SB
X−8)15重量部と光拡散材としての屈折率1.55
の架橋スチレン−アクリル共重合樹脂粒子(重量平均粒
子径8μm、積水化成品工業社製MSH−8)2重量部
とをブレンドし、30mmφ同方向2軸押出し機を用い
て、シリンダヘッド温度260℃、スクリュー回転数1
50rpmの条件にてペレット化した。
【0040】次に、図3の装置において、上記ペレット
の溶融物を1つのオリフィス12当たり0.2g/分供
給し、オリフィス13にはポリメチルメタクリレート
(三菱レイヨン社製VH)100重量部に無機シリカ4
重量部とカーボンブラック2重量部とを添加した光吸収
材含有アクリル系樹脂溶融物を1オリフィス当たり0.
02g/分供給し、ノズル温度260℃で上向きに押出
した。その時のノズル内圧力は85kg/cm2 であっ
た。
【0041】押出した後、隣接する透光性ストランド1
の融着により形成された環状シート5を、環状ガイド6
の内壁に沿って1.3m/分の速度で引上げながら、鏝
状ガイド7及び棒状ストレートガイド8によって平面状
に展開し、ニップローラ9で引き取り、リール10に巻
取った。尚、各ガイド内には40℃の温水を通してシー
ト5の冷却を行った。得られたシート5は、ピッチ0.
4mmで1000本の透光性ストランド1が完全に融着
一体化され平面状に均一に配置されるとともに、片面側
には隣接ストランド1間に光吸収部2が形成されてい
た。
【0042】実施例2:実施例1と同様のノズル及び装
置を用いて、オリフィス12に屈折率1.59のポリカ
ーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製ユーピロンH−30
00)100重量部と屈折率1.585の架橋ポリスチ
レン系樹脂粒子(重量平均粒子径5μm、積水化成品工
業社製SBX−5)15重量部と光拡散材としての屈折
率1.55の架橋スチレン−アクリル共重合樹脂粒子
(重量平均粒子径8μm、積水化成品工業社製MSH−
8)2重量部とからなるペレットの溶融物を供給した以
外は、実施例1と同様の方法で、投写スクリーンを製造
した。
【0043】比較例1:実施例1と同様のノズル及び装
置を用いて、オリフィス12に屈折率1.59のポリカ
ーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製ユーピロンH−30
00)100重量部と光拡散材としての屈折率1.55
の架橋スチレン−アクリル共重合樹脂粒子(重量平均粒
子径8μm、積水化成品工業社製MSH−8)2.3重
量部とからなるペレットの溶融物を供給した以外は、実
施例1と同様の方法で、投写スクリーンを製造した。
【0044】比較例2:実施例1と同様のノズル及び装
置を用いて、オリフィス12に屈折率1.59のポリカ
ーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製ユーピロンH−30
00)100重量部と屈折率1.585の架橋ポリスチ
レン系樹脂粒子(重量平均粒子径30μm、積水化成品
工業社製SBX−30)15重量部と光拡散材としての
屈折率1.55の架橋スチレン−アクリル共重合樹脂粒
子(重量平均粒子径8μm、積水化成品工業社製MSH
−8)2重量部とからなるペレットの溶融物を供給した
以外は、実施例1と同様の方法で、投写スクリーンを製
造した。
【0045】比較例3:実施例1と同様のノズル及び装
置を用いて、オリフィス12に屈折率1.59のポリカ
ーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製ユーピロンH−30
00)100重量部と屈折率1.585の架橋ポリスチ
レン系樹脂粒子(重量平均粒子径8μm、積水化成品工
業社製SBX−8)30重量部と光拡散材としての屈折
率1.55の架橋スチレン−アクリル共重合樹脂粒子
(重量平均粒子径8μm、積水化成品工業社製MSH−
8)2重量部とからなるペレットの溶融物を供給した以
外は、実施例1と同様の方法で、投写スクリーンの製造
を試みた。しかし、ノズル内圧力が急激に上昇したた
め、製造を中止した。
【0046】比較例4:実施例1と同様のノズル及び装
置を用いて、オリフィス12に屈折率1.59のポリカ
ーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製ユーピロンH−30
00)100重量部と光拡散材としての屈折率1.44
のシリコーン樹脂粒子(重量平均粒子径4.5μm、東
芝シリコーン社製トスパール145)1.3重量部とか
らなるペレットの溶融物を供給した以外は、実施例1と
同様の方法で、投写スクリーンを製造した。
【0047】上記実施例1及び2ならびに比較例1,2
及び4で得られた投写スクリーンについて、スクリーン
ゲイン(Go)、全光線透過率(Tt)及び光沢値を測
定した結果ならびに50インチプロジェクションテレビ
ジョン(パイオニア社製SD−P5010)に取付け、
明室下で外光の写り込みを観察した結果を、以下の表1
に示す。
【0048】
【表1】 以上の結果を比較すると、実施例1及び2では、透光性
樹脂粒子の添加されていない比較例1と比べても全光線
透過率を低下させることなく光沢値が低下し、明室下で
も外光の写り込みが殆どなく、且つ解像度の低下もない
ものであった。透光性樹脂粒子の重量平均粒子径が大き
い比較例2では解像度が低下していた。透光性樹脂粒子
の添加量の多い比較例3では押出しの際にノズル圧の急
激な上昇が見られ、環状シートを得ることができなかっ
た。ポリカーボネート系樹脂との屈折率差の大きい光拡
散材のみを添加した比較例4では光沢値を低下させるこ
とができなかった。
【0049】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ポ
リカーボネート系樹脂100重量部に対し屈折率がポリ
カーボネート系樹脂と略同一で重量平均粒子径0.5〜
20μmの透光性樹脂粒子1〜20重量部を含有し更に
必要に応じてポリカーボネート系樹脂とは異なる屈折率
を有する光拡散材5重量部以下を含有する樹脂組成物か
らなる透光性ストランドを用い、その自由表面に透光性
樹脂粒子や光拡散材による多数の突起を形成して光散乱
性を付与することにより、両面レンチキュラーレンズの
位置合わせ精度が高く、難燃性で、レンチキュラーレン
ズのファインピッチ化が可能で、薄肉化しても耐衝撃性
や寸法安定性に優れ、レンズ形状の形成と同時に表面の
艶消し処理を行うことができ、透過率低下を招くことな
く光学特性に優れ、且つ外光の写り込みが少なく視認性
に優れた投写スクリーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投写スクリーンの一実施形態を示
す部分斜視概略図である。
【図2】透光性ストランドの拡大部分断面図である。
【図3】本発明による投写スクリーンの製造に使用する
装置の概略図である。
【図4】本発明による投写スクリーンの製造に使用する
ノズルの平面図である。
【図5】本発明による投写スクリーンの製造に使用する
ノズルの部分拡大図である。
【図6】本発明による投写スクリーンの製造方法の一実
施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 透光性ストランド 1a ポリカーボネート系樹脂 1b 透光性樹脂粒子 1c 光拡散材 1’ 樹脂組成物 2 光吸収部 2’ 光吸収材含有樹脂 3 押出し機 4 ノズルホルダ 5 シート 6 環状ガイド 7 鏝状ガイド 8 棒状ストレートガイド 9 ニップローラ 10 リール 11 ノズル 12,13 オリフィス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有するプラスチック系ストラン
    ドが多数本並列して配置され、隣接するストランドが接
    合されてシート状に一体化されてなる投写スクリーンに
    おいて、前記ストランドは、ポリカーボネート系樹脂1
    00重量部に対し屈折率がポリカーボネート系樹脂と略
    同一で重量平均粒子径0.5〜20μmの透光性樹脂粒
    子1〜20重量部を含有する樹脂組成物からなり、その
    自由表面は前記透光性樹脂粒子による多数の突起が形成
    されていることを特徴とする、投写スクリーン。
  2. 【請求項2】 前記樹脂組成物はポリカーボネート系樹
    脂100重量部に対しポリカーボネート系樹脂とは異な
    る屈折率を有する光拡散材を5重量部以下含有すること
    を特徴とする、請求項1に記載の投写スクリーン。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート系樹脂100重量部に
    対し屈折率がポリカーボネート系樹脂と略同一で重量平
    均粒子径0.5〜20μmの透光性樹脂粒子1〜20重
    量部を含有する樹脂組成物を多数のオリフィスから溶融
    状態で吐出させて多数の透光性ストランドを形成し、 前記溶融状態の透光性ストランドを隣接するものどうし
    融着させてシート状に一体化し、前記透光性ストランド
    の自由表面に前記透光性樹脂粒子による多数の突起を形
    成し、 その後、前記透光性ストランドを冷却固化させる、こと
    を特徴とする、投写スクリーンの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記透光性ストランドを冷却固化前に伸
    長させることを特徴とする、請求項3に記載の投写スク
    リーンの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記樹脂組成物はポリカーボネート系樹
    脂100重量部に対しポリカーボネート系樹脂とは異な
    る屈折率を有する光拡散材を5重量部以下含有すること
    を特徴とする、請求項3〜4のいずれかに記載の投写ス
    クリーンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100784647B1 (ko) * 2005-06-28 2007-12-12 옥은호 삼원색 투명 섬유 스크린의 제조 방법

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