JPH11338055A - 透過型スクリーン - Google Patents

透過型スクリーン

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JPH11338055A
JPH11338055A JP10146890A JP14689098A JPH11338055A JP H11338055 A JPH11338055 A JP H11338055A JP 10146890 A JP10146890 A JP 10146890A JP 14689098 A JP14689098 A JP 14689098A JP H11338055 A JPH11338055 A JP H11338055A
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JP
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light
lens
energy ray
active energy
side lens
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JP10146890A
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Inventor
Yoshiaki Murayama
義明 村山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面レンチキュラーレンズ型の透過型スクリ
ーンにおいて、ファインピッチ化が容易で、金型を変更
することなくカラーバランス及び視野角特性の設定の容
易な透過型スクリーンを提供する。 【解決手段】 透光性基板3の一方の面に第1の紫外線
硬化型樹脂からなる光入射側レンズ層1が形成されてお
り、透光性基板3の他方の面に第2の紫外線硬化型樹脂
からなる光出射側レンズ層2が形成されている。第1の
紫外線硬化型樹脂の屈折率は第2の紫外線硬化型樹脂の
屈折率と異なる。光入射側レンズ層1には複数の入射側
レンズが形成されており、光出射側レンズ層2には複数
の入射側レンズに対応する複数の出射側レンズが形成さ
れている。入射側レンズのそれぞれに入射した光を透光
性基板3を経て対応する出射側レンズから出射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示技術の分
野に属するものであり、特に、プロジェクションテレビ
やマイクロフィルムリーダーなどのスクリーンとして好
適な透過型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】透過型スクリーンは、フィルム広告、投
影されたテレビジョン画像、ゲームスコアその他の表示
目的のために広く用いられている。この種の透過型スク
リーンは、観察側から見た時に明るいように、また視野
角が拡大するように入射面(光源側の面)あるいは出射
面(観察側の面)に所定のレンズを備えているのが通常
である。このようなレンズとして、例えば、両面レンチ
キュラーレンズまたはフライアイレンズなどを用いるこ
とは既に公知である。そのような技術に関する文献とし
ては、例えば特開昭58−59436号公報、実公昭5
2−4932号公報、実公昭55−130366号公
報、特開昭57−81254号公報、特開昭57−81
255号公報、特開昭58−108523号公報などが
ある。これらの文献では、入射面、出射面ともに断面が
円、楕円、放物線、高次曲線などの一部で形成された凸
レンチキュラーレンズまたはフライアイレンズが用いら
れている。
【0003】また、単に出射面を平面または多角面で構
成した製品も一部で実用されてはいるが、凸レンチキュ
ラーレンズまたはフライアイレンズを用いたものよりカ
ラーバランスが劣ることが知られている。
【0004】また、図2に示すように青色(B)、緑色
(G)、赤色(R)の3本のブラウン管(CRT)10
0,101,102を横一列に(即ち水平方向に)並べ
て、各CRTの画面をそれぞれレンズ103,104,
105を用いて投写して、スクリーン106上で合成す
る方式のいわゆるプロジェクションテレビにおいては、
青色、緑色、赤色の3色の光が別々の角度からスクリー
ンに照射される構成がとられている。このような構成で
は、緑色のブラウン管を中央にして青色と赤色のブラウ
ン管が両側に配置されているため、青色光と赤色光とは
それぞれ緑色光と角度差をもってスクリーン106に入
射される。その角度差は、スクリーンの中心点Oで緑色
光と青色光との間(図2においてθ1)及び緑色光と赤
色光との間(図2においてθ2)ともに8度前後の場合
が多い。
【0005】このようなスクリーンでは、スクリーンの
中心Oから離れるに従って緑色光と青色光との間の第1
の角度差θ1と、緑色光と赤色光との間の第2の角度差
θ2との差(ずれ)が大きくなる。このため、スクリー
ン上の画像を観察する位置によって、またスクリーン上
の画像の観察される部分によって、色調に変化を生じ易
い。つまりカラーバランスの保持が難しい。例えば、純
白の画像情報に基づく画面をスクリーン上に投写して検
査すると、見る位置(観察者の位置)によって画面が純
白ではなく紫色の部分が生じたり、赤や青系統の色が画
面の一部または全面に生じたりすることが起こる。
【0006】図4は上記のカラーバランスの問題点を解
決するために設計された透過型スクリーンの一構成例を
示す断面図である。
【0007】図4において、5は光入射面側に形成され
た断面楕円形状の入射側レンズ、50はスクリーン基
材、6は光出射面側(観察側)に形成された出射側レン
ズ、7は光出射面における非集光領域に形成された突条
であり、その突条7の上部(観察側の頂部)に外光吸収
層8が形成されている。断面楕円形状の入射側レンズ5
及び出射側レンズ6の形状、基材50の屈折率、両レン
ズの配置等の構成は使用するスクリーンに要求される特
性に応じて決定される。例えば、特開昭58−5943
6号公報においては、入射面側のレンチキュラーレンズ
をその離心率がレンズ媒質の逆数に等しい楕円面の長軸
方向の凸面の一部にて形成し、かつ入射側レンズから遠
い方の前記楕円面の焦点の位置に出射側レンズを設け、
該出射側レンズを前記入射側レンチキュラーレンズとほ
ぼ同じ離心率の楕円面にて形成したスクリーンが開示さ
れている。
【0008】一方、この種のスクリーンの特性を所望の
ものにするためには、これら両面のレンチキュラーレン
ズまたはフライアイレンズ等の相互の位置関係を正確に
制御することが必須条件である。例えばレンチキュラー
レンズのピッチが1mm程度のものについては、両面側
での対応レンチキュラーレンズどうしの軸ズレ、板厚変
動ともに±2%以内つまり±20μm程度の位置精度を
要する。この範囲内に誤差をおさめないとカラーバラン
スの悪化、視野範囲の狭さく化、画面内の色ムラ発生な
どの不具合を生じがちになる。
【0009】現在実用化されている両面レンチキュラー
レンズのほとんどがメタクリル樹脂やその共重合樹脂の
成形品であって、その成形手法としては、押出し板の
ロール賦形法、セルキャスト法による注型法、熱盤
プレスによる圧縮成形法などの技術が応用され、いずれ
も金属型の母型の表面形状を直接的または間接的に樹脂
板の表面に転写する方式がとられている。
【0010】両面レンチキュラーレンズを正確に作製す
るためには、a)両側の母型自体の寸法精度が高いこ
と、b)成形時の型温度が均一で、樹脂の成形収縮も一
様なこと、c)両面の位置合わせが正確でガタツキの無
い事、が要求されるが、例えばピッチ1mm、厚さ1m
mの1メートル角の両面レンチキュラーレンズを形成
し、その横ずれ、板厚の許容精度がそれぞれ±2%以内
とすると、両面レンチキュラーレンズ相互の位置精度は
上記a)〜c)の全誤差要因を合わせて、横方向にも板
厚方向にも±20μm以内におさめなければならない事
になる。ところが、金属の線膨張係数は、 鋼 :1.1×10-5/℃ アルミニウム :1.7×10-5/℃ 黄銅 :1.8×10-5/℃ であって、長さ1m当たり、温度が1℃変化すると、そ
れだけで鋼11μm、アルミニウム17μm、黄銅18
μmも伸縮する計算になるので、型の工作精度(工場の
温調精度含む)、成形温度制御及び両面型の位置合わせ
には極めて高度の設備と技術が必要になることになる。
【0011】近年、ハイビジョンディスプレイの普及
等、大型テレビの高精細度化への指向が強まり、スクリ
ーンのレンチキュラーレンズもファインピッチ化を求め
られているが、前述の〜の成形手法にあっては、熱
可塑性樹脂をそのガラス転移点温度(Tg)以上に加熱
して成形するものであり、例えばメタクリル樹脂では1
00℃以上に母型の温度を加熱して成形する必要があ
り、1メートル四方もあるプラスチック製レンチキュラ
ーレンズシートの表裏両面のレンズの位置ずれを上記の
要求を満たす程度に高精度化するのは容易ではない。
【0012】また、入射側レンチキュラーレンズと出射
側レンチキュラーレンズとの距離(レンズ間距離)は一
般にレンチキュラーレンズピッチの約1.2倍程度がカ
ラーバランス及び視野角の確保の上で望ましいとされて
いる。しかしながら、現在最も汎用的に行われている
の押出し板のロール賦形法にあっては、レンチキュラー
レンズのピッチを例えば0.2〜0.4mm程度のファ
インピッチにすると、そのレンズ間距離は0.24〜
0.48mm程度に設定されることになる。ところが、
押出し成形においてレンズ間距離を制御するためには、
入射面側、出射面側の各レンチキュラーレンズの形状が
形成された金属ロール間のギャップを、前述のようなT
g以上の温度でコントロールすることになり、このギャ
ップでは、押出し機による樹脂の吐出量変動等によって
は各金属ロールが接触し、高価なパターンロールを損傷
するおそれがある。現在、市場で汎用的に使用されてい
る両面レンチキュラーレンズのピッチが0.5mm程度
以上であるのはこの理由のためと考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下で、
活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた両面レンチキュラ
ーレンズシートの製造方法が、特開平1−159627
号公報、特開平2−22637号公報、特開平3−64
701号公報、特開平3−127041号公報、特開平
4−163113号公報で開示されている。これらの活
性エネルギー線硬化型樹脂を用いた両面レンチキュラー
レンズシートの製造方法においては、金属母型を加熱す
る必要が無く、両面のレンズのずれの制御が前述の〜
の手法に比較して容易となり、よりファインピッチの
両面レンチキュラーレンズシートの製造が可能となるも
のと考えられる。
【0014】上記の特開平1−159627号公報、特
開平3−64701号公報及び特開平4−163113
号公報ではこのような両面レンチキュラーレンズシート
の製造方法について、また、特開平2−22637号公
報では、2軸延伸されたメタクリル樹脂シートを芯材と
し、その表面に紫外線硬化された樹脂からなるレンズ状
凹凸を設けたスクリーンが記載されており、強度を改善
した基材が開示されている。さらに特開平3−1270
41号公報では、同様に基材層の光出射面側に低反射層
を設けることが記載されており、外光の影響を無くし、
コントラストを高める手法が開示されている。
【0015】しかしながら、これら先行技術において
は、主として製造方法における技術的改良が開示されて
いるが、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いて製造した
両面レンチキュラーレンズシートのカラーバランス及び
視野角特性等の光学特性については言及されていない。
【0016】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
に鑑み、両面にレンチキュラーレンズなどのレンズを形
成した透過型スクリーンにおいて、ファインピッチ化が
容易で、金型を変更することなく光学特性特にカラーバ
ランス及び視野角特性の設定の容易な透過型スクリーン
を提供することを目的とするものである。
【0017】特に、本発明は、カラーバランス及び視野
角特性に優れた透過型スクリーンを提供することを目的
とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の
ような目的を達成するものとして、透光性基板の一方の
面に第1の活性エネルギー線硬化型樹脂からなる光入射
側レンズ層が形成されており、前記透光性基板の他方の
面に第2の活性エネルギー線硬化型樹脂からなる光出射
側レンズ層が形成されており、前記第1の活性エネルギ
ー線硬化型樹脂の屈折率と前記第2の活性エネルギー線
硬化型樹脂の屈折率とは異なり、前記光入射側レンズ層
には複数の入射側レンズが形成されており、前記光出射
側レンズ層には前記複数の入射側レンズに対応する複数
の出射側レンズが形成されており、前記入射側レンズの
それぞれに入射した光を前記透光性基板を経て対応する
出射側レンズから出射させるようにされていることを特
徴とする、透過型スクリーン、が提供される。
【0019】本発明の一態様においては、前記入射側レ
ンズ及び前記出射側レンズはいずれも凸レンチキュラー
レンズである。
【0020】本発明の一態様においては、前記第1の活
性エネルギー線硬化型樹脂の屈折率と前記第2の活性エ
ネルギー線硬化型樹脂の屈折率との差は0.01〜0.
22である。
【0021】本発明の一態様においては、前記複数の入
射側レンズの配列ピッチ及び前記複数の出射側レンズの
配列ピッチはいずれも0.5mm以下である。
【0022】このような本発明は、前記カラーバランス
及び視野角特性の問題を検討した結果、主に以下のよう
な事項を見い出したことに基づき、なされたものであ
る。
【0023】即ち、一般に、光入射面側レンズ形状及び
光出射面側レンズ形状を製造するための金属母型は、金
属の切削加工により製造されるため非常に高価である。
ところが、スクリーンのカラーバランス及び視野角特性
は形成するレンチキュラーレンズの形状(曲率)、レン
ズ間距離及び基材の屈折率等に依存するため、一つの金
属母型から得られるレンチキュラーレンズは当然の如く
一つの断面形状しか有し得ず、したがって基材の屈折率
及びレンズ間距離が決まるとカラーバランス及び視野角
特性も或る決まった特性値をとることとなる。一方では
視野角を若干狭くしてもカラーバランスを向上させたい
という要求があり、また他方では逆の要求(カラーバラ
ンスを若干犠牲にしても視野角を広くしたいという要
求)もあって、これらの要求に対応するためには、それ
ぞれの要求に応じて高価なレンズ金型(金属母型)を作
らなければならなかった。
【0024】一方、活性エネルギー線硬化型樹脂は、一
般に1以上の官能基を有するモノマー及びオリゴマーを
複数ブレンドすることによって、屈折率や光線透過率と
いった光学特性や、伸び、衝撃強度等の機械的物性や、
基板との密着性を制御することが可能である。したがっ
て、ブレンドするモノマー及びオリゴマーの種類を適宜
選択することにより、所望の光学特性や機械的物性など
を得ることが可能である。
【0025】本発明は、以上のような技術的事項に基づ
き、高価なレンズ金型の使用数を極力低減し尚且つ幅広
い光学特性値の選択を可能とする透過型スクリーンの構
成として、光入射面側レンズ層と光出射面側レンズ層と
を別々の活性エネルギー線硬化型樹脂により構成するよ
うにし、特に光入射面側レンズ層を構成する活性エネル
ギー線硬化型樹脂と光出射面側レンズ層を構成する活性
エネルギー線硬化型樹脂とに使用される活性エネルギー
線硬化性組成物の配合を相違させることにより、光入射
面側レンズ層と光出射面側レンズ層との間で屈折率差を
設け、この屈折率差を調整することによって入射側レン
ズや出射側レンズのレンズ形状やレンズ間距離を変化さ
せることなく、所望のカラーバランスを有する透過型ス
クリーンを得ることができるようにしたものである。ま
た、入射側レンズと出射側レンズとのレンズ間距離を大
きくすることなくカラーバランスを向上させることがで
きるため、透過型スクリーンの視野角特性を損なうこと
なくカラーバランスを向上させることができるものであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の具体的な実施の形態を説明する。
【0027】図1は、本発明による透過型スクリーンの
一実施形態の構成を示す模式的部分断面図である。図1
において、透光性基板3の光入射側の表面(いわゆる光
源側の面:図1における左側の面)には紫外線や電子線
等の活性エネルギー線の照射により硬化せしめられた硬
化型樹脂からなる光入射側レンズ層1が付されている。
また、透光性基板3の光出射側の表面(いわゆる観察側
の面:図1における右側の面)には活性エネルギー線硬
化型樹脂からなる光出射側レンズ層2が付されている。
図示されているように、光入射側レンズ層1には図1の
紙面と垂直の方向に延びた入射側凸レンチキュラーレン
ズが形成されており、光出射側レンズ層2には図1の紙
面と垂直の方向に延びた出射側凸レンチキュラーレンズ
が形成されている。各入射側レンチキュラーレンズと各
出射側レンチキュラーレンズとは1:1に対応して(即
ち光軸を共有するようにして)配置されており、入射側
レンチキュラーレンズの配列ピッチと出射側レンチキュ
ラーレンズの配列ピッチとはほぼ等しくなるように設定
されている。入射側レンチキュラーレンズによる収束作
用を受けた光は透光性基板3を経て出射側レンチキュラ
ーレンズの光軸近傍部分に集光し、出射する。出射側レ
ンチキュラーレンズの非集光部及び出射側レンチキュラ
ーレンズ間の領域には、印刷などによりブラックストラ
イプ層4が付されている。尚、光入射側レンズ層1及び
光出射側レンズ層2に形成される入射側レンズ及び出射
側レンズとして、凸レンチキュラーレンズ以外に、凹レ
ンチキュラーレンズ、柱状プリズム、フライアイレンズ
などを用いることも可能である。
【0028】光入射側レンズ層1及び光出射側レンズ層
2の担持手段としても機能している透光性基板3として
は、所要の強度を有し、透明性に優れ、活性エネルギー
線透過性のあるプラスチックシートまたはフィルムを適
宜選択して使用することが可能である。例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン等の樹脂からなる
ものが例示される。また、光入射側レンズ層1や光出射
側レンズ層2を構成する活性エネルギー線硬化型樹脂と
の密着性を向上させるために、透光性基板3の一方の面
または両方の面にプライマー層を形成したりヘアライン
等による凹凸を付与したりすることもできる。
【0029】光入射側レンズ層1や光出射側レンズ層2
を構成する活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外
線、電子線等の活性エネルギー線で硬化させたものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエス
テル類、エポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が
挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート系樹脂がそ
の光学特性の観点から特に好ましい。このような硬化型
樹脂に使用される活性エネルギー線硬化性組成物として
は、取扱い性や硬化性等の点で、多価アクリレート及び
/または多価メタクリレート{以下、多価(メタ)アク
リレートと記載する}、モノアクリレート及び/または
モノメタクリレート{以下、モノ(メタ)アクリレート
と記載する}、及び活性エネルギー線による光重合開始
剤を主成分とするものが好ましい。代表的な多価(メ
タ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メタ)ア
クリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、
エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独あるい
は2種以上の混合物として使用される。また、モノ(メ
タ)アクリレートとしては、モノアルコールのモノ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ(メタ)ア
クリル酸エステル等が挙げられるが、後者の場合には、
遊離の水酸基の影響であると思われるが、金属型との離
型性が悪くなるので金属型を使用する場合には多量には
使用しないほうがよい。また、(メタ)アクリル酸及び
その金属塩についても、高い極性を有していることか
ら、金属型を使用する場合には多量には使用しないほう
がよい。これら活性エネルギー線硬化性組成物は、光入
射側レンズ層1や光出射側レンズ層2に要求される屈折
率に応じて適宜組合せて使用することができる。
【0030】光入射側レンズ層1及び光出射側レンズ層
2を構成する各々の活性エネルギー線硬化型樹脂の屈折
率には、種々光学特性を変化させるために、少なくとも
0.01以上、より好ましくは0.02以上の差を設け
ることが望ましい。この屈折率差を0.01以上とする
ことによって、光入射側レンズや光出射側レンズのレン
ズ形状やレンズ間距離を変化させることなく、所望のカ
ラーバランスを有する透過型スクリーンを得ることがで
きるとともに、光入射側レンズと光出射側レンズとのレ
ンズ間距離を大きくすることなくカラーバランスを向上
させることができるため、透過型スクリーンの視野角特
性を損なう(視野角度を狭くする)ことなくカラーバラ
ンスを向上させることができる。また、活性エネルギー
線硬化型樹脂の屈折率を考慮すると、汎用的に使用され
るものの屈折率が1.46〜1.68程度であるため、
屈折率差は最大でも0.22程度となるが、活性エネル
ギー線硬化型樹脂のコストを考慮すると、屈折率差は
0.1以下の範囲とするのが好ましい。また、光入射側
レンズ層1及び光出射側レンズ層2のどちらの屈折率を
高くするか若しくは低くするかについては、目的とする
光学特性値を発現させるように適宜選択することができ
るが、光出射側レンズ層2の屈折率を光入射側レンズ層
1の屈折率より高くする方が、カラーバランスの向上効
果が大きく好ましい。
【0031】また、光入射側レンズ層1や光出射側レン
ズ層2中には光拡散材を含有させることができる。この
ような光拡散材としては、ガラス、シリカ、タルク、硫
酸バリウム等からなる無機系微粒子やアクリル樹脂、ス
チレン樹脂、ポリエチレン、ナイロンやポリカーボネー
ト等の有機系微粒子を単独または併用して使用すること
ができ、要求される光学特性値に応じて、粒子径や形状
を適宜選択して使用することができる。
【0032】次に、本発明に関わる両面にレンチキュラ
ーレンズを形成した透過型スクリーンの製造方法の一例
について、図3を参照して説明する。
【0033】図3において、25,25’は、レンチキ
ュラーレンズ単位が刻印されたレンズパターンを有する
レンズ型であり、該レンズ型としては、アルミニウム、
黄銅、鋼等の金属製の金属型や、シリコン樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、
ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂製の樹脂型、Ni
電鋳法等で作製した電鋳型等が使用される。
【0034】第1のレンズ型25には、そのレンズパタ
ーン形成面に沿って透光性基板3が供給されており、第
1のレンズ型25と透光性基板3の第1面との間に、樹
脂タンク20から供給管27及びノズル21を経て、第
1の活性エネルギー線硬化性組成物18が連続的に供給
される。透光性基板3の外側(第2面側)には、供給さ
れた第1の活性エネルギー線硬化性組成物18の層の厚
さを均一にさせるためのニップロール16が設置されて
いる。ニップロール16としては、金属製ロール、ゴム
製ロール等が使用される。このニップロール16は、活
性エネルギー線硬化性組成物18の厚さを正確に調整す
るために、圧力機構(位置調整機構)19によって操作
され位置調整されるようになっている。この圧力機構1
9としては、油圧シリンダー、空気圧シリンダー、各種
ネジ機構等を使用することができる。第1の活性エネル
ギー線硬化性組成物18を第1のレンズ型25と透光性
基板3との間に供給した後、第1の活性エネルギー線硬
化性組成物18が第1のレンズ型25と透光性基板3と
の間に挟まれた状態で、活性エネルギー線照射装置22
から活性エネルギー線を透光性基板3を通して活性エネ
ルギー線硬化性組成物18に照射して、第1の活性エネ
ルギー線硬化性組成物18を重合硬化させ、レンズ型2
5に形成されたレンズパターンの転写を行い、透光性基
板3の第1面に第1のレンチキュラーレンズ付きの活性
エネルギー線硬化型樹脂層を形成する。活性エネルギー
線照射装置22としては、化学反応用ケミカルランプ、
低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、可視光ハロゲンランプ等が使用される。
【0035】次いで、以上のようにして第1面に第1の
レンチキュラーレンズ付きの活性エネルギー線硬化型樹
脂層の形成された透光性基板3は、第2のレンズ型2
5’のレンズパターン形成面に沿って第2面が当接する
ように供給される。前記と同様にして、樹脂タンク2
0’から供給管27’及びノズル21’を経て、第2の
活性エネルギー線硬化性組成物18’が連続的に供給さ
れる。透光性基板3の外側(第1面側)には、供給され
た第2の活性エネルギー線硬化性組成物18’の層の厚
さを均一にさせるためのニップロール16’が設置され
ている。ニップロール16’は、活性エネルギー線硬化
性組成物18’の厚さを正確に調整するために、圧力機
構(位置調整機構)19’によって操作され位置調整さ
れるようになっている。第2の活性エネルギー線硬化性
組成物18’を第2のレンズ型25’と透光性基板3と
の間に供給した後、第2の活性エネルギー線硬化性組成
物18’が第2のレンズ型25’と透光性基板3との間
に挟まれた状態で、活性エネルギー線照射装置22’か
ら活性エネルギー線を第1のレンチキュラーレンズ付き
活性エネルギー線硬化型樹脂層及び透光性基板3を通し
て活性エネルギー線硬化性組成物18’に照射して、第
2の活性エネルギー線硬化性組成物18’を重合硬化さ
せ、レンズ型25’に形成されたレンズパターンの転写
を行い、透光性基板3の第2面に第2のレンチキュラー
レンズ付きの活性エネルギー線硬化型樹脂層を形成す
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の透過型スクリーンについて具
体的な実施例に基づき詳細に説明する。
【0037】入射側レンチキュラーレンズの形状 入射側レンチキュラーレンズ及び出射側レンチキュラー
レンズの断面形状を次式(1)で表す: Y=CX2 /{1+√(1−[K+1]C22 )}・・・・・(1) 式中、Cは曲率、Kは円錐定数である。
【0038】入射側レンチキュラーレンズではK=−
0.43、C=1.16とし、出射側レンチキュラーレ
ンズではK=−0.8、C=−1.37とし、入射側レ
ンチキュラーレンズ及び出射側レンチキュラーレンズの
双方においてピッチを0.38mmとして、図1に示す
如き両面レンチキュラーレンズシートの形態を有する透
過型スクリーンを製造するための金属母型を作製した。
【0039】両面レンチキュラーレンズシートの製造 光入射側レンズ層1を構成する活性エネルギー線硬化型
樹脂や光出射側レンズ層2を構成する活性エネルギー線
硬化型樹脂中に、光拡散材として架橋アクリルビーズ
(積水化成品工業(株)製、商品名MBX−5)を各々
5重量%づつ含有させ、透光性基板3として厚み0.1
88mm、屈折率1.60のポリエチレンテレフタレー
ト樹脂からなるものを使用し、入射側レンチキュラーレ
ンズと出射側レンチキュラーレンズとのレンズ間距離が
0.47mmになるように、前述の金属母型を用いて、
常法により図1に示す如き両面レンチキュラーレンズシ
ートを製造した。尚、光出射側レンズ層2の表面におけ
る非集光部には印刷によりブラックストライプ層4を形
成した。
【0040】活性エネルギー線硬化型樹脂の屈折率 光入射側レンズ層1を構成する活性エネルギー線硬化型
樹脂の組成及び光出射側レンズ層2を構成する活性エネ
ルギー線硬化型樹脂の組成を適宜選択することで、光入
射側レンズ層1の屈折率(n1)と光出射側レンズ層2
の屈折率(n2)との組合せを選択した。
【0041】以上のようにして得られた種々のn1−n
2の組合せの両面レンチキュラーレンズシートの光学的
特性を、以下の表1に示す:
【0042】
【表1】 表1中、Goはスクリーンゲイン、αHはGoが1/2
になる時の視野角度、βHはGoが1/3になる時の視
野角度、γHは同様に1/10になる時の視野角度を示
している。測定には、(株)村上色彩技術研究所製、ゴ
ニオフォトメーターを使用し、青色及び赤色の光のレン
チキュラーレンズシートへの入射角を±8°とした。ま
たカラーバランスについては、得られた測定結果より下
記式(2)での計算結果dbをもって示しており、この
dbの数値が小さいほどカラーバランスが良いことを示
している: db=10.0×Log10(G光源の+
35°でのゲイン/B光源の+35°でのゲイン)・・
・・・(2) また、全光線透過率(Tt)は、(株)村上色彩技術研
究所製、ヘーズメーター、HR−100を用いて測定し
た。
【0043】表1に示されているように、光入射側レン
ズ層1と光出射側レンズ層2とで屈折率を異ならせる事
によって(No.2〜No.7)、同一レンズ形状を有
する金属母型を用いても、光入射側レンズ層1と光出射
側レンズ層2とで屈折率が同一の場合(No.1)に比
べて、視野角度を殆ど低下させずにカラーバランスを改
善することが可能であることが判る。また、必要に応じ
てレンズ間距離を増減すれば、さらにカラーバランス及
び視野角特性を改善することができる。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の透過型スク
リーンによれば、同一のレンズ形状を有する金属母型を
用いても、光入射側レンズ層の屈折率と光出射側レンズ
層の屈折率とを異ならせることによって、カラーバラン
ス及び視野角特性を所望のように制御することが可能と
なる。これにより、高価な金属母型を複数作製する必要
がなくなり、透過型スクリーン製造におけるコストを大
幅に低下させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過型スクリーンの一実施形態の
構成を示す模式的部分断面図である。
【図2】3管式プロジェクションテレビの構成を示す模
式図である。
【図3】本発明による透過型スクリーンの製造工程を示
す概略図である。
【図4】両面にレンチキュラーレンズが設けられた構成
の従来の透過型スクリーンの構成を示す模式的部分断面
図である。
【符号の説明】
1 光入射側レンズ層 2 光出射側レンズ層 3 透光性基板 4 ブラックストライプ層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板の一方の面に第1の活性エネ
    ルギー線硬化型樹脂からなる光入射側レンズ層が形成さ
    れており、前記透光性基板の他方の面に第2の活性エネ
    ルギー線硬化型樹脂からなる光出射側レンズ層が形成さ
    れており、前記第1の活性エネルギー線硬化型樹脂の屈
    折率と前記第2の活性エネルギー線硬化型樹脂の屈折率
    とは異なり、前記光入射側レンズ層には複数の入射側レ
    ンズが形成されており、前記光出射側レンズ層には前記
    複数の入射側レンズに対応する複数の出射側レンズが形
    成されており、前記入射側レンズのそれぞれに入射した
    光を前記透光性基板を経て対応する出射側レンズから出
    射させるようにされていることを特徴とする、透過型ス
    クリーン。
  2. 【請求項2】 前記入射側レンズ及び前記出射側レンズ
    はいずれも凸レンチキュラーレンズであることを特徴と
    する、請求項1に記載の透過型スクリーン。
  3. 【請求項3】 前記第1の活性エネルギー線硬化型樹脂
    の屈折率と前記第2の活性エネルギー線硬化型樹脂の屈
    折率との差は0.01〜0.22であることを特徴とす
    る、請求項1〜2のいずれかに記載の透過型スクリー
    ン。
  4. 【請求項4】 前記複数の入射側レンズの配列ピッチ及
    び前記複数の出射側レンズの配列ピッチはいずれも0.
    5mm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の透過型スクリーン。
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