JP3470769B2 - レンチキュラーレンズシートの製造方法 - Google Patents

レンチキュラーレンズシートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、プロジェクションテレ
ビやマイクロフィルムリーダー等の画面として用いられ
る投写スクリーンに使用されるレンチキュラーレンズシ
トの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは高
いコントラストを有し高品位の画像を提供できるととも
に、視野角の広い投写スクリーンを提供できるレンチキ
ュラーレンズシートの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】透過型スクリーンあるいは反射型スクリ
ーン等の投写スクリーンは、テレビジョン画像、マイク
ロフィルム像等を投写し、目的とする表示を実現するた
めに広く用いられている。この種の投写スクリーンは、
観察者が観察する際に明るく、視野角が拡大するように
入射面および/または出射面に所定のレンズ形状が付さ
れているレンチキュラーレンズシートが使用されてお
り、一般には入射面および出射面にレンチキュラーレン
ズが形成された両面レンチキュラーレンズシートが利用
されている。 【0003】両面レンチキュラーレンズシートを用いた
投写スクリーンでは、両面のレンズの軸のずれがスクリ
ーン特性に悪影響を及ぼすために、良好なスクリーン特
性を得るためには、両面のレンチキュラーレンズの位置
合わせを正確に行うことが必要となってくる。しかし、
両面レンチキュラーレンズシートの製造方法としては、
押出し成形法、セルキャストによる注型法あるいは加熱
プレス法等が行われているが、これらはいずれも金属製
等の母型を直接的または間接的に樹脂板に転写する方式
であり、母型の寸法精度、成形時の型温度制御や両面母
型の位置合わせ等を全て正確に行うことは難しく、両面
のレンチキュラーレンズの位置合わせ精度を十分向上さ
せることは困難であった。 【0004】一方、大型テレビジョンの高精細度化への
要求が高まってきており、投写スクリーンのレンチキュ
ラーレンズシートにおいてもファインピッチ化が求めら
れてきている。しかし、上記のような従来の製造方法で
は、1メートル四方程度の両面レンチキュラーレンズシ
ートを表裏両面のレンズ位置のずれを少なくしてファイ
ンピッチ化することは容易でなく、ファインピッチ化の
要求に十分に対応することができなかった。そこで、本
出願人は特開平3−200948号公報のように、隣接
する透光性ストランド形成用のオリフィスを小間隔を置
いて近接させ、溶融樹脂がオリフィスから紡出した直後
に径方向に膨大化する現象(ベーラス効果)によって、
隣接する透光性ストランドを融着させ、図8に示したよ
うに、透光性を有するプラスチック系ストランド1が多
数本並列して配置され、隣接する透光性ストランド1が
接合されてシート状に一体化されてなる両面レンチキュ
ラーレンズシートを提案している。。 【0005】また、両面レンチキュラーレンズシートの
ように光入射面側にレンチキュラーレンズを形成したも
のでは、光出射面側から入射する外光が光入射面側レン
チキュラーレンズにより一部反射されて、光出射面側か
ら出射して表面画像を白っぽくしコントラストを低下さ
せたり、光入射面側から入射する正規の画像光のうち一
部が光出射面側レンチキュラーレンズで反射され、この
反射光がさらに光入射面側レンチキュラーレンズにより
一部反射されて光出射面側から出射して画像のにじみ、
二重像、三重像等の多重像やフレア等を生じることがあ
る。このような画像表示上の問題点を解決するために、
各透光性ストランド1間にカーボンブラック等の黒色顔
料や染料等からなる光吸収剤を樹脂に混入した光吸収体
2を形成している。この光吸収体2は、透光性ストラン
ド2と同時に溶融紡糸され、各透光性ストランド1間に
融着配置して形成されるため、その断面形状は略円形を
している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の両面
レンチキュラーレンズシートでは、断面が略円形の光吸
収体2が各透光性ストランド1間に接合して形成されて
いるために、レンチキュラーレンズシート表面に占める
光吸収体部の割合(BS率)が35〜45%程度のもの
しか得られず、十分に高いコントラストを有する投写ス
クリーンを得ることができないという問題点を有してい
た。また、光吸収体2が、透光性ストランド1表面より
大きく突出して配置されているため、透光性ストランド
1から出射した光の一部が光吸収体2によって遮られ、
水平方向の視野角が損なわれる場合があった。さらに、
図8に示したように、光吸収体2が隣接する透光性スト
ランド1の両表面と接した状態で融着され、光吸収体2
と透光性ストランド1との間に間隙18が生じ迷光等の
原因となる場合もあった。本発明は、高いコントラスト
を有し、解像度の高い高品位の画像を提供できるととも
に、視野角の広いレンチキュラーレンズシートおよびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決させるための手段】すなわち、本発明のレ
ンチキュラーレンズシートの製造方法は、入射面および
出射面に透光性ストランドからなるレンチキュラーレン
ズを有し、出射面に形成されたレンチキュラーレンズ間
の凹部に光吸収体が形成された両面レンチキュラーレン
ズシートを、レンチキュラーレンズシートの光吸収体が
形成されている側の表面を加熱加圧処理して、光吸収体
の表面部を押圧し透光性ストランド間に光吸収体を充填
させるとともに、光吸収体の表面が緩やかな曲面状また
は平坦となり、光吸収体の表面がレンチキュラーレンズ
の表面よりも突出しているように押圧変形することを特
徴とするものである。 【0008】本発明のレンチキュラーレンズシートは、
図1〜図に示したように隣接する透光性ストランド1
が接合され多数の透光性ストランド1が並列に配置され
て、シート状に一体化された入射面と出射面の両方の面
にレンチキュラーレンズを有する両面レンチキュラーレ
ンズシートと、出射面のレンチキュラーレンズを構成す
る各透光性ストランド1の間にアクリル系樹脂等に顔料
系、染料系、カーボンブラック系の光吸収剤を含有して
なる光吸収体2が形成されている。本発明においては、
光吸収体2が、その表面が緩やかな曲面状または平坦と
なるように形成されていることが必要である。このよう
な表面形状の光吸収体2を各透光性ストランド1間に配
置することによって、投写スクリーンのBS率を高める
ことができ、高いコントラストの画像を提供できるとと
もに、透光性ストランド1から出射した光を遮断するこ
とがないため、十分な水平方向の視野角を確保するこが
できるものである。 【0009】また、光吸収体2は、図1および2に示し
たように、透光性ストランド1の先端から突出するよう
に形成されるが、光吸収体2が透光性ストランド1の先
端から大きく突出しないことが、水平方向の十分な視野
角を確保するために好ましい。さらに、光吸収体2を加
熱加圧等の手段によって押圧して、光吸収体2の表面を
緩やかな曲面状または平坦に変形させるとともに、光吸
収体2を透光性ストランド1の間に埋め込み、十分に充
填するとともに、光吸収体2が透光性ストランド1の表
面を覆うようにすることが好ましい。これは、透光性ス
トランド1の間に光吸収体2が十分に充填されることに
よって、透光性ストランド1と光吸収体2との間に生じ
た間隙をなくすことができ、迷光等による画像の劣化を
抑制できるとともに、投写スクリーンのBS率を高め、
コントラストを向上させる効果が大きいためである。光
吸収体2は、BS率が50%以上となるように、透光性
ストランド1の表面を覆うように押圧することが好まし
い。 【0010】このような光吸収体2は、アクリル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン等の熱可塑性樹脂等を基材樹脂とし、光吸収剤を
0.1〜3重量%の範囲で含有したものであり、光吸収
剤としては顔料系、染料系のもの、カーボンブラック系
のもの、あるいはこれらの混合系ものが使用できる。な
お、光吸収体2には難燃剤、艶消剤等の添加剤を必要に
応じて添加してもよい。 【0011】光吸収体2の基材樹脂としてはアクリル系
樹脂が好ましく、特に、透光性ストランド1がポリカー
ボネート系樹脂からなる場合には、アクリル系樹脂を基
材とすることが好ましい。これは、光吸収体2のアクリ
ル系樹脂と透光性ストランド1のポリカーボネート系樹
脂との間で適切な相互作用を示し、ポリカーボネート系
樹脂の固化過程でのレンズ形状形成への影響が少ないと
ともに、透光性ストランドと光吸収体との接着強度も十
分なものとなるためである。アクリル系樹脂としては、
メチルアクリレートあるいはメチルメタクリレートの単
独重合体、メチルアクリレートとメチルメタクリレート
との共重合体、メチルアクリレートあるいはメチルメタ
クリレートと(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクルリロニトリルとの共重合
体等が挙げられる。中でも、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルメタクリレートとエチルアクリレートあ
るいはメチルアクリレートの共重合体が特に好ましい。 【0012】ポリメチルメタクリレートとエチルアクリ
レートあるいはメチルアクリレートとの共重合体として
は、エチルアクリレートおよび/またはメチルアクリレ
ートの共重合量が0〜15重量%の範囲のものが好まし
く、この範囲で共重合量をコントロールすることによっ
て、溶融状態から固化までのストランドおよび光吸収体
の構成形成の変化を適宜選択でき、レンチキュラーレン
ズの形状制御や光吸収体の高さ制御等の点で好ましいも
のである。エチルアクリレートおよび/またはメチルア
クリレートの共重合量が15重量%を越えると、ポリカ
ーボネート系樹脂との相互作用性が損なわれるととも
に、耐熱性に劣るため好ましくない。 【0013】透光性ストランド1としては、透明性が良
好で加工性に優れたポリメチルメタクリレート等のアク
リル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、架橋型シリコン樹
脂、架橋型アクリル型樹脂、イオン架橋型樹脂等の架橋
硬化型樹脂等が用いられている。中でも、透明性および
加工性の観点からはポリメチルメタクリレートが好まし
く、耐衝撃性等の力学的性質、耐熱性、耐水性および寸
法安定性の観点からはポリカーボネート系樹脂が好まし
い。 【0014】本発明においては、透光性ストランド1に
光安定剤、耐熱劣化防止剤、拡散剤、ティント剤等の添
加剤を混入することもできる。また、多量の拡散剤やテ
ィント剤等を混入できない場合には、透光性ストランド
1には光安定剤や耐熱劣化防止剤等の添加剤のみを混入
し、拡散剤やティント剤等を混入した透光性前面板をレ
ンチキュラーレンズシートの観察側に配置することもで
きる。 【0015】透光性前面板としては、透明性に優れた種
々の材料が使用でき、例えば、ガラス、メタクリレート
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂、架橋型シリコン系樹
脂、架橋型アクリル系樹脂、イオン架橋型樹脂等の架橋
硬化型樹脂等が挙げられ、これらの材料を押出成形ある
いは鋳込成形等の通常の方法によって板状に製作された
ものが使用できる。このような透光性前面板15の厚さ
は特に限定されるものではないが、投写スクリーンに機
械的強度を付与するために、ガラス製のものでは2〜8
mm程度の厚さ、プラッスチック製ものでは2〜10m
m程度の厚さが好ましい。投写スクリーンの重量を考慮
すると、いずれも2〜5mm程度の厚さのものが好まし
い。また、ガラス製の前面板では、割れた場合のガラス
の飛散を防止するためにセミ強化処理が施されているも
のが好ましく、プラスチック製の前面板では、表面のキ
ズ防止のためにハードコート処理を施されているものが
好ましい。 【0016】また、垂直方向の指向性を拡げるために透
光性前面板15に光拡散手段を設けることが好ましい。
光拡散手段としては、透光性前面板15の表面へのマッ
ト処理あるいはヘアライン処理、横レンチキュラーレン
ズの形成、拡散剤の混入、拡散剤層の形成等が挙げられ
る。中でも、画像のボケ等の画質低下を避けるために、
マット処理、ヘアライン処理あるいは横レンチキュラー
レンズの形成等の光拡散手段を施すことが好ましい。こ
れら光拡散手段は、特に限定されるものではなく、一般
に行われている方法を使用することができるが、投写ス
クリーンとしてのゲイン(G0 )が3〜7程度、垂直指
向性(αV)が5〜20度程度となるようにすることが
好ましい。また、マット処理、ヘアライン処理あるいは
横レンチキュラーレンズの形成等の光拡散手段は、透光
性前面板15の光源側に配置される面に施し、観察側の
表面は平滑面とすることが、投写スクリーンの表面に平
面性を付与し、投写スクリーンの画質や外観を向上させ
ることができるために好ましい。 【0017】さらに、透光性前面板15には、コントラ
ストを高める目的で、カーボンブラック、波長別選択吸
収剤、ティント剤等を含有させることもできる。さら
に、映込み防止、キズ防止あるいはゴミの付着防止等の
目的で、透光性前面板15の表面に無反射コート処理、
ハードコート処理あるいは帯電防止処理等の種々の表面
処理を施すことができる。 【0018】本発明のレンチキュラーレンズシートは、
原理的には溶融押出の手法によって製造されるが、以下
図4〜図6を参照して本発明の投写スクリーンの製造例
について説明する。図4において、3は押出機、4はノ
ズルを備えたノズルホルダーであり、溶融したポリカー
ボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂をオリフィスから吐出
させる。吐出方向は、上向き、下向きのいずれでもよい
が、上向きに吐出させるほうが透光性ストランドの均一
化やピッチの設定等の点で好ましい。ノズルは、例え
ば、図5および図6(図4の部分拡大図)に示したよう
なオリフィス12および13を略馬蹄型に配置したもの
を使用する。オリフィス12は透光性ストランド形成用
の熱可塑性樹脂を吐出し、オリフィス13は光吸収体用
のアクリル系樹脂等と光吸収剤の混合物を吐出する。 【0019】吐出された透光性ストランド1は、溶融さ
れた熱可塑性樹脂がオリフィス12から紡出した直後に
径方向に膨大化するベーラス効果によって、隣接する透
光性ストランド1が融着一体化され、その一方の表面の
各透光性ストランド1間に光吸収部2が形成された環状
シート5となる。この環状シート5は、環状ガイド6の
内壁に沿って引き上げられ、鏝状ガイド7および棒状ス
トレートガイド8によって環状のシートを平面状シート
に広げ、同時に棒状ストレートガイド8でシートの進行
方向を変えて、ニップローラー9で引き取り、リール1
0に捲き取られる。なお、必要に応じて、シートに若干
の加熱伸長を施してもよい。 【0020】得られた両面レンチキュラーレンズシート
の透光性ストランド1の断面形状は、ノズル断面形状や
紡出条件によって、略卵形、円形あるいはだるま形等の
種々の形状を適宜選択できる。また、透光性ストランド
1の大きさは、投写スクリーンの用途や目的によっても
異なり、概ね0.1〜1.5mm程度のものが得られる
が、投写スクリーンのファインピッチ化への対応から
0.1〜0.5mm程度のもが好ましい。 【0021】光吸収体2を、その表面が緩やかな曲面状
または平坦となるように、透光性ストランド1間に形成
する方法としては、レンチキュラーレンズシートの製造
過程で、押圧ガイド等を用いて断面略円形の光吸収体2
を加熱状態で押圧して変形させてもよいし、図1に示し
たような従来のレンチキュラーレンズシートを加熱加圧
処理することによって、断面略円形の光吸収体2を押圧
して変形させてもよい。以下、後者の場合の方法につい
て、一例を挙げて具体的に説明する。 【0022】図7は、図1に示したようなレンチキュラ
ーレンズシート14の加工方法を示した概略図であり、
加熱ロール15とゴムロール16が対向して配置されて
いる。これら加熱ロール15とゴムロール16の間を、
レンチキュラーレンズシート14の透光性ストランド1
の長手方向とロール15、16とが直角となるように、
レンチキュラーレンズシート14を通過させる。この
際、レンチキュラーレンズシート14の光吸収体2を加
熱ロール15と接触させ、加熱加圧することによって、
断面略円形の光吸収体2の表面部を押圧して、透光性ス
トランド14間に押し込み十分に充填させるとともに、
光吸収体2の表面を緩やかな曲面状または平坦に変形さ
せ、光吸収体2が透光性ストランド1の表面を覆うよう
にする。 【0023】加熱ロール15とゴムロール16との間隔
は、レンチキュラーレンズシート14、弾性シート17
等の厚さによって適宜設定されるが、レンチキュラーレ
ンズシート14がロール15、16間を通過するとき
に、加熱ロール15が透光性ストランド1と接触しない
程度とすることが好ましい。また、加熱ロール15は、
光吸収体2の基材樹脂の種類によってロール温度を適宜
設定するが、光吸収体2の基材樹脂がアクリル系樹脂の
場合には概ね140〜250℃のロール温度に設定する
ことが好ましい。さらに、加熱ロール15として、その
表面をマット加工したものを使用したり、加熱ロール1
5の表面にマットフィルムなどを巻付けて使用すること
によって、光吸収体2の表面をマット化することがで
き、光吸収体2表面での反射や照りを抑止することもで
きる。また、ゴムロール16とレンチキュラーレンズシ
ート14との間には、シリコンラバーシート等の弾性シ
ート17を介在させることによって、光吸収体2の適度
な変形を行うことができる。ロール速度は、特に限定さ
れるものではないが、0.5〜5m/分程度の速度とす
ることが好ましい。 【0024】このようにして得られた本発明のレンチキ
ュラーレンズシート14は、投写スクリーンとして使用
する場合には、光源側にフレネルレンズあるいはフレネ
ルレンズと横レンチキュラーレンズを組合わせたフレネ
ルレンズシートと、さらに観察側に光拡散手段等を施し
た透光性前面板と併用した構成として使用できる。 【0025】 【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。レンチキュラーレンズシート :図5および図6に示した
ノズルを用いて、図4の装置でレンチキュラーレンズを
製作した。ノズルには、透光性ストランド1用の孔径1
mmのオリフィス12が1.15mmピッチで1000
個環状に配列され、このオリフィス12の間に光吸収体
2用の孔径0.5mmのオリフィス13を同数配列して
ある。 【0026】オリフィス12にはポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学社製ユーピロン#2000)に4重量%
の無機シリカを混入した混合溶融物を1つのオリフィス
当たり0.2g/分供給し、オリフィス13にはポリメ
チルメタクリレート(三菱レイヨン社製VH)に無機シ
リカ4重量%とカーボンブラック2重量%を添加した混
合溶融物を1オリフィス当たり0.02g/分供給し、
ノズル温度260℃で上向きに押し出した。押し出した
後、隣接する透光性ストランド1の融着により形成され
た環状シート5を環状ガイド6の内壁に沿って、1.3
m/分の速度で引き上げながら、鏝状ガイド7と棒状ス
トレートガイド8によって平面状のシートに展開して、
リール10に捲き取った。なお、各ガイド内には40℃
の温水を通してシートの冷却を行った。得られた両面レ
ンチキュラーレンズシート14は、図8に示すような断
面形状を有しており、ピッチ0.41mmで1000本
の透光性ストランド1が平面状に均一に配置されるとと
もに、各透光性ストランド1間に光吸収体2が形成され
たものであった。 【0027】フレネルレンズシート:紫外線硬化型樹脂
組成物を、ピッチ0.12mmのサーキュラーフレネル
レンズパターンを形成したニッケルスタンパーからなる
レンズ型に延展し、その上から厚さ0.5mmのポリカ
ーボネートシートを重ね合わせ後、加圧ロールにより余
剰の紫外線硬化型樹脂組成物を除去し、320〜390
nmの紫外線を積算紫外線照射量で1000mJ/cm
2 照射して、紫外線硬化型樹脂組成物を重合硬化しポリ
カーボネートシートと一体となったフレネルレンズシー
トを得た。 【0028】透光性前面板:厚さ3mmの透明ポリメチ
ルメタクリレート樹脂板(三菱レイヨン社製#001)
を加熱プレス成形機を用いて、サンドブラスト処理を行
ったステンレス板とともに、温度180℃、圧力50K
g/cm2 でプレス成形を行い、表面光沢値20の片面
マットの透明性前面板を得た。 【0029】実施例1 得られた両面レンチキュラーレンズシート14を、図7
に示したような加工装置を用いて光吸収体2の加工を行
った。加熱ロール15は、表面にポリイミド製のマット
フィルムを巻付け、ロール温度を190℃に設定した。
加熱ロール15とゴムロール16の間隔を2mmに設定
し、ロール速度を0.7/分とした。両面レンチキュラ
ーレンズシート14の光吸収体2と加熱ロール15が接
触するように配置し、裏面側に厚さ3mmのシリコンラ
バーシートを介在させて、加熱ロール15とゴムロール
16の間を、透光性ストランド1の長手方向とロール1
5、16とが直角となるようにして、両面レンチキュラ
ーレンズシート14を通過させた。得られた両面レンチ
キュラーレンズシート14は、図2のような断面形状を
有していた。 【0030】光源側にフレネルレンズシートを、観察側
に透光性前面板を、両者の間に両面レンチキュラーレン
ズシート14がくるように配置して、投写スクリーンを
構成した。この投写スクリーンを50インチのプロジェ
クションテレビ(パイオニア製SD−P50BS4)に
取付けて映像を観察したところ、BS率が52%、水平
方向の視野角が70度であり、高いコントラストを有
し、水平方向の視野角も広く、高い解像度で高品質の画
像が得られた。なお、水平方向の視野角は、プロジェク
ションテレビのスクリーン面に対して直角方向を基準位
置(0度)とし、左右に90度までの範囲で画像が鮮明
に観察できる最大の角度とした。 【0031】比較例1 図8に示したような断面形状の加熱加圧等の処理を行っ
ていない両面レンチキュラーレンズシート14を使用し
て、光源側にフレネルレンズシートを、観察側に透光性
前面板を、両者の間に両面レンチキュラーレンズシート
14がくるように配置して、投写スクリーンを構成し
た。この投写スクリーンを50インチのプロジェクショ
ンテレビ(パイオニア製SD−P50BS4)に取付け
て映像を観察したところ、BS率が40%、水平方向の
視野角が55度であった。 【0032】 【発明の効果】本発明のレンチキュラーレンズシート
製造方法は、光吸収体を押圧変形させ、その表面を緩や
かな曲面状または平坦とするとともに、光吸収体が透光
性ストランドの表面から大きく突出することなく、透光
性ストランド間に十分に充填され、透光性ストランドの
表面を覆うように形成されることによって、高いコント
ラストを有し、水平方向の視野角も広く、高い解像度で
高品質の画像が得られる投写スクリーンを提供できるも
のである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のレンチキュラーレンズシートの一部を
示す拡大断面図である。 【図2】本発明のレンチキュラーレンズシートの一部を
示す拡大断面図である。 【図4】本発明のレンチキュラーレンズシートの製造に
使用する装置の概略的な側面図である。 【図5】本発明のレンチキュラーレンズシートの製造に
使用するノズルの概略的な吐出面図である。 【図6】本発明のレンチキュラーレンズシートの製造に
使用するノズルの一部分を示す概略的な拡大吐出面図で
ある。 【図7】本発明のレンチキュラーレンズシートの加工方
法を示す概略的な断面図である。 【図8】従来のレンチキュラーレンズシートの一部を示
す拡大断面図である。 【符号の説明】 1 透光性ストランド 2 光吸収体 3 押出機 4 ノズルホールダー 5 透光性ストランドの環状シート 6 環状ガイド 7 鏝状ガイド 8 棒状ストレートガイド 9 ニップローラー 10 リール 11 ノズル 12 透光性ストランド用オリフィス 13 光吸収体用オリフィス 14 レンチキュラーレンズシート 15 加熱ロール 16 ゴムロール 17 シリコンラバーシート 18 間隙

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 入射面および出射面にレンチキュラーレ
    ンズを有し、出射面に形成された透光性ストランドから
    なるレンチキュラーレンズ間の凹部に光吸収体が形成さ
    れた両面レンチキュラーレンズシートを、レンチキュラ
    ーレンズシートの光吸収体が形成されている側の表面を
    加熱加圧処理して、光吸収体の表面部を押圧し透光性ス
    トランド間に光吸収体を充填させるとともに、光吸収体
    の表面が緩やかな曲面状または平坦となり、光吸収体の
    表面がレンチキュラーレンズの表面よりも突出している
    ように押圧変形することを特徴とするレンチキュラーレ
    ンズシートの製造方法。
JP17724794A 1994-07-28 1994-07-28 レンチキュラーレンズシートの製造方法 Expired - Fee Related JP3470769B2 (ja)

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