JP2873863B2 - 投写スクリーン - Google Patents

投写スクリーン

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JP2873863B2 JP2142538A JP14253890A JP2873863B2 JP 2873863 B2 JP2873863 B2 JP 2873863B2 JP 2142538 A JP2142538 A JP 2142538A JP 14253890 A JP14253890 A JP 14253890A JP 2873863 B2 JP2873863 B2 JP 2873863B2
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憲一 作永
瑞夫 岡田
正三 斎藤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プロジエクシヨンテレビやマイクロフイル
ムリーダー等の画面として用いられる透過型あるいは反
射型の投写スクリーンに関するものである。
(従来の技術) 投写スクリーンは、フイルム広告、投影されたテレビ
ジヨン画像、マイクロフイルム像等の表示目的のために
広く用いられる。この種の投写スクリーンは、観察側か
ら見たときに明るいように、また視野角が拡大するよう
に入射面あるいは出射面に所定のレンズを備えているの
が通常である。例えば、両面レンチキユラーレンズまた
はフライアイ等を用いることは、特開昭58−59436号、
実公昭52−4932号、特開昭57−81254号、特開昭57−812
55号および特開昭58−108523号等の公報に開示されてい
る。
しかし、この種のスクリーンの特性を所望のものにす
るには、これら両面のレンチキユラーレンズまたはフラ
イアイの相互の位置関係を正確に制御することが必須条
件である。例えばレンチキユラーレンズのピツチが1mm
程度のものについては、両面の軸ずれ、板厚変動ともに
±2%以内つまり±20μ程度の位置精度を要する。この
範囲内に誤差をおさめないと、カラーバランスの悪化、
視野範囲の狭さく化、画面内の色ムラ発生等の不都合が
生ずることになる。
現在実用化されている両面レンチキユラーレンズはほ
とんどメタクリル系樹脂の成形品であつて、その成形手
法としては、 押出板のロール賦形法、 セルキヤストによる注型法、 加熱プレスによる圧縮成形法 等の技術が応用され、いずれも金属製の母型を直接また
は間接的に樹脂板に転写する方式が採用されている。
両面レンチキユラーレンズを正確につくるためには、 A、両側の母型自体の寸法精度が高いこと、 B、成形時の型温度が均一で、樹脂の成形収縮も一様な
こと、 C、両面の位置合せが正確でガタつきのないこと、 が要求されるが、例えば1メートル角のスクリーンピツ
チ1mm、厚さ1mmの両面レンチキユラーレンズを形成し、
その横ずれ、板厚の許容精度がそれぞれ±2%以内とす
ると、両面レンチキユラーレンズ相互の位置精度は上記
A,B,C全誤差要因を合せて、横方向にも、板厚方向にも
±20μ以内におさめなければならないことになる。
ところが金属の線膨張係数を調べて見ると、 鋼 :1.1×10-5 1/℃ アルミニウム:1.7×10-5 〃 黄 銅 :1.8×10-5 〃 であつて、長さ1m当り、温度が1℃変化すると、それだ
けで鋼11μ、アルミニウム17μ、黄銅18μも伸縮する計
算になるので、型の工作精度(工場の温調精度含む)、
成形温度制御および両面型の位置合わせには極めて高度
の設備と技術が必要になることになる。
近年、大型テレビの高精細度化への指向が強まり、ス
クリーンのレンチキユラーレンズもフアインピツチ化を
求められているが、上記のように現在の工業技術水準で
は、例えば1メートル四方もあるプラスチツク製レンチ
キユラーレンズ板の表裏両面の位置ずれを上記の値以上
に格段に高精度化するのは容易ではない。
このため、入射面と出射面のレンチキユラーレンズ単
位が一体化した透明の円柱状体をレンズ単位に用いれ
ば、少なくとも両面のレンチキユラーレンズ相互間の位
置関係は確保しやすいと考えられる。例えば、特開昭47
−28925号、実開昭59−121647号、実開昭59−121648号
および実開昭59−123850号にその具体的な提案がなされ
ている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記提案のスクリーンを試作してみると、
直ちにわかることであるが、いずれの場合も円柱状レン
ズ相互の隙間が必ず発生し、そこからもれてくる直進光
線が透過型スクリーンとしては、はなはだ不具合(シー
スル、ホツトバンド等が発生する)で、良好な特性を有
するスクリーンを提供することが実用上不可能となつて
しまう。
これは、現在入手可能な透明フアイバー状の円柱体の
直径の精度は少なくとも±数%程度のバラツキが生じて
おり、単にこれを並べただけでは必ず隙間が生ずるから
である。また、たとえ前記円柱状体を互いに押しつける
力を加えながら並べたとしても、それらを強固に固定す
る手段がなければやはり結果として隙間ができてしまう
のである。
また特開昭47−28925号公報において、円柱状の細長
いレンズを層状に並列し、該層一面に暗色塗装を行い、
非塗装部を設けて光を散乱出射させる記述があるが、そ
の具体的方法は明示されておらず、当業界においてこの
種の製品が実用化されていない点を考えるとその具体的
製法は確立されておらず、隙間からの光で実現不可能だ
つたものと考えられる。
本発明はこのような状況に鑑み、多数本の透光性スト
ランドをその外表面で融着してシート状に一体化して隙
間のないものとし、かつスクリーンの出射側の面を平面
状とし外光吸収層の形成に便利にしたものである。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明は上記の課題を解決するためになされ
たもので、多数本のプラスチック系透光性ストランドが
並列状に配されて構成されたシートを用いた投写スクリ
ーンであって、該シートが、透光性ストランド相互が隣
接する個々のストランド外表面で融着されてシート状に
一体化され、各透光性ストランドの隣接部に軸方向に延
びる外光吸収層が形成され、このシートの単一または複
数によってスクリーン体が構成され、その入射面が凸の
曲面でありかつ出射面の全体が平面であることを特徴と
する投写スクリーンにある。
以下、本発明を図面に従つて説明する。
第2図は本発明の投写スクリーンの例を示しており、
図中(1)がスクリーン体、(1A)がプラスチツク系の
透光性ストランドである。第1図はコンジユゲート紡糸
により一体的に外光吸収層(3)を形成した例である。
これらの隣接する透光性ストランド(1A)の外表面は、
第2図に示すように融着(1B)されて一体化されてお
り、この結果シート状となつてい投写スクリーンが構成
されている。本発明の投写スクリーンは以上のようにし
て一体化したシート単一からなるものがより望ましい
が、必ずしも単一で構成する場合に限られるものではな
く2ないし数枚のシートを連結して構成してもよい。こ
のように複数枚のシートを連結する場合でも1本ずつの
ストランドを単純に配列する場合に比較してピツチ精度
が大幅に向上する。
本発明の透光性ストランド(1A)は光通過性の良いプ
ラスチツク、例えばアクリル系ポリマー、ポリカーボネ
ートポリマー、ポリアクリレート等の熱可塑性ポリマー
や、架橋型シリコンポリマー、架橋型アクリレートポリ
マー、イオン架橋型ポリマー等の架橋硬化型ポリマー等
によつて製作される。このときの透光性ストランド(1
A)の太さは、スクリーンの大きさや用途、目的によつ
ても異なるが概ね0.1〜1.5mm程度のものが選ばれ、スク
リーンのフアインピツチ化に十分寄与することとなる。
またこの透光性ストランド(1A)は適宜な着色剤によつ
て着色されていてもよいし、光拡散剤が混入されていて
もよい。
このような投写スクリーンは溶融紡糸の手法によつて
製作しうるが、以下第3図および第4図を参照して本発
明の製造方法を説明する。すなわち図において(4)が
押出し機、(5)がノズルを備えたダイであり、溶融し
たプラスチツクをオリフイスより吐出させる。オリフイ
スの配置は多数本のストランドを引取るのに好都合なも
のとすればよい。このとき吐出量の安定性を確保するた
めに定量ポンプを設置してもよい。
吐出されたストランドは、ノズルの直下位置に設けら
れた引揃えガイド(6)によつて、非接触の状態としス
トランドの姿勢を制御し次工程に供給する。このためこ
の引揃えガイド(6)は、第4図に示すように溝を備え
たものがよい。引続きストランドは、中央部が徐々に凹
んだ融着ガイド(4)を通ることにより、中央に寄せら
れ隣接するストランド相互の外表面を融着させる。この
ときシートの片側をガイドに当接して、一方の面を平面
状とする。これによつて紡糸したストランドを所定通り
第2図の如くシート状に一体化して、投写スクリーンと
することができる。なお図中(7)は引取りロール、
(8)は捲取りリールである。
図示の例においては、透光性ストランド(1A)を一旦
溶融紡糸し、紡糸直下位においてシートに引取つて一体
化させているが、入口側が別々で吐出口の直前位置また
は直後位置において合流するダイスを用い、これによつ
てシート状に連結させて一体化して製造することも可能
である。
また、本発明は単一のポリマーを用いて透光性ストラ
ンドを製作する場合だけでなく、光フアイバーのように
異なるポリマーを用いて芯−鞘2重構造のストランドと
してもよい。なお本発明の投写スクリーンを製造する場
合、スクリーンの全幅にわたり単一のシートとすること
が望ましいが、装置の関係上制約があるときは、ユニツ
トとなる所定幅のシートを製作し、これを接着剤や粘着
テープを用いて連結してもよい。
(実施例) 以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
第3図ないし第5図の如き装置を用い、ほぼ第1図に示
す如き投写スクリーンを製作した。
ダイスは400ホールのオリフイスを有し、各オリフイ
スは透光性ストランドの主体となるホールと外光吸収層
となる小ホールの対で構成されたものを用いた。そして
このダイスの主体となるホールに、ポリメチルメタクリ
レート溶融物を1ホール当り0.3g/分供給すると共に、
外光吸収層となる小ホールに5%のカーボンブラツクを
含有するポリメチルメタクリレート溶融物を1ホール当
り0.02g/分供給し、ダイス温度250℃で紡糸した。
これを2.4m/分の速度で引取りながら、引揃えガイド
によつてシート状にすると共に、引揃えガイドの平面部
に外光吸収層の位置する面を当接し平面状にし、20℃の
水浴中を通して冷却し、捲取りリールに捲取つた。
このようにして得られたシートは、透光性ストランド
の直径が0.4mmで直線状に均一に配列され、ストランド
間に幅0.1mmの外光吸収層が均一に配置されたものであ
つて、幅が160mm、400本間の単一ストランド糸班は400
±10μの範囲内にある優れたものであつた。
次にこのシートを第5図の装置によつて広幅のものと
し、透過型の投写スクリーンを製作した。すなわちクリ
ールスタンドにセツトした捲取りリール(8)から6本
のシートを第1ニツプロール(9)を用いて引取り、第
1遠赤外線ヒーター(10)を通して捲きぐせをとり、次
いで第2遠赤外線ヒーター(11)を通して加熱し、直ち
に湾曲バー状の屈曲ガイド(12)で互いのシートを近接
させながら融着し、第2ニツプロール(13)によつて2m
/分の速度で引取り、最後にカツター(14)により1mの
長さに切断した。
得られた投写スクリーンは、長さ1m、幅約1mであり、
これをカラープロジエクシヨンテレビに取付けて観察し
たところ、正面のみならず斜方向から見ても明るく鮮明
で、色調ならびにコントラストも良好な画面が得られ
た。
(発明の効果) 本発明は以上詳述した如き構成からなるものであるか
ら、精度が高く、十分にフアインピツチ化が可能であ
り、しかも外光吸収層の形成し易い投写スクリーンを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第2図は本発明の投写スクリーンの一部を
示す断面図、第3図は本発明を製造するための装置の概
略的な側面図、第4図は同じく正面図、第5図は実施例
に用いたシートを接合する装置の概略的な側面図であ
る。 (1)……スクリーン体 (1A)……透光性ストランド (2),(3)……外光吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 21/60 G03B 21/62

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数本のプラスチック系透光性ストランド
    が並列状に配されて構成されたシートを用いた投写スク
    リーンであって、該シートが、透光性ストランド相互が
    隣接する個々のストランド外表面で融着されてシート状
    に一体化され、各透光性ストランドの隣接部に軸方向に
    延びる外光吸収層が形成され、このシートの単一または
    複数によってスクリーン体が構成され、その入射面が凸
    の曲面でありかつ出射面の全体が平面であることを特徴
    とする投写スクリーン。
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