JPH09257813A - プローブ走査型近接場光学顕微鏡 - Google Patents

プローブ走査型近接場光学顕微鏡

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JPH09257813A
JPH09257813A JP6876796A JP6876796A JPH09257813A JP H09257813 A JPH09257813 A JP H09257813A JP 6876796 A JP6876796 A JP 6876796A JP 6876796 A JP6876796 A JP 6876796A JP H09257813 A JPH09257813 A JP H09257813A
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Umamahesuwari Rajiyagoparan
ウママヘスワリ ラジャゴパラン
Genichi Otsu
元一 大津
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体試料等を液体中で観測することができ、
しかも、測定精度の高いプローブ走査型近接場光学顕微
鏡を提供する。 【構成】 波長の異なる2種類の照明光を発生する第1
の照明光源1と第2の照明光源2と、上記第1の照明光
源1からの第1の波長の照明光を導いて試料板3上の試
料4に照射する光学系5と、光ファイバからなる光プロ
ーブ6と、上記試料板3を3次元方向に移動させるピエ
ゾ移動台7と、このピエゾ移動台7を制御するNOM制
御部8と、このNOM制御部8に各検出出力を供給する
第1及び第2の光検出部9,10を備える。上記NOM
制御部8は、各光検出部9,10の一方の検出出力とし
て得られる散乱光強度が所定値となるように上記光プロ
ーブ6の検出端部6Bと上記試料4表面との相対距離を
制御しながら上記検出端部6Bで上記試料4表面を走査
するように上記ピエゾ移動台7を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体表面に局在す
るエバネッセント場の散乱光を検出して物体の形状を測
定するプローブ走査型近接場光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物体の表面形状を高分解能で測定
する顕微鏡としては、物体表面の光の波長より小さい領
域にに局在するエバネッセント場の散乱光を検出して物
体の形状を測定するプローブ走査型の近接場光学顕微鏡
(NOM:Near-field OpticalMicroscope)が、従来の
光学顕微鏡の回折限界を超えた分解能をもつ超高分解能
光学顕微鏡として知られている。
【0003】原理的には、例えば図5に示すように、全
反射条件下で光波長以下の大きさの試料30の裏面から
試料表面を照射すると試料表面には表面形状に応じてエ
バネッセント場が発生する。プローブ走査型近接場光学
顕微鏡では、このエバネッセント場の光強度を測定する
エバネッセント光の波長以下の開口をもつ検出端部31
を形成した光プローブ32で検出することにより、従来
の光学顕微鏡の回折限界を超えた分解能を得ることがで
きる。
【0004】従来のプローブ走査型近接場光学顕微鏡
は、図6に示すように、半導体レーザ40からのレーザ
光を試料30の裏面から照射させる光学系41と、試料
30の表面に局在するエバネッセント場を散乱させてそ
の散乱光を集光する光プローブ32と、光プローブ32
からの光を検出する第1の光検出器45と、NOM制御
器48による制御に基づいて試料板42を3次元方向に
移動させるピエゾ移動台49と、上記光プローブ32を
振動させるピエゾ振動子50と、上記光プローブ32の
検出端部31と試料30との間で作用する原子間力によ
る上記光プローブ32の振動量の変化を光学的に検出す
るためのガス(He−Ne)レーザ51及び第2の光検
出器52などを備えていた。
【0005】上記ピエゾ振動子50により振動される上
記光プローブ32は、その検出端部31と試料30との
間で原子間力が作用することにより、上記検出端部31
と試料30との距離に応じて剪断応力が変るので振動量
も変化する。上記第2の光検出器52は、上記ガス(H
e−Ne)レーザ51から上記光プローブ32に照射さ
れた測定用のレーザ光を検出することにより、上記光ロ
ーブ32の振動量に応じた検出出力を得て、この検出出
力を上記NOM制御器48に供給する。そして、上記N
OM制御器48は、上記第2の光検出器52により得ら
れる検出出力に基づいて、上記光プローブ32の振動量
が所定量すなわち上記光プローブ32の検出端部31と
試料30との間で一定の原子間力が作用する距離を保持
するように、上記ピエゾ移動台49により上記試料板4
2の高さ位置を制御しながら、上記試料板42を2次元
方向に移動させる制御を行う。これにより、上記光プロ
ーブ32は、その検出端部31と試料30との間で一定
の原子間力が作用する距離を保持した状態で、上記試料
30の表面を走査することになる。
【0006】一方、第1の光検出器45は、上記光プロ
ーブ32により集光された散乱光を検出して、上記散乱
光の強度を表わす光強度信号を上記NOM制御器48に
供給する。そして、上記NOM制御器48は、上記光プ
ローブ32による試料30の走査位置を示す座標情報と
上記光強度信号とから、上記散乱光の強度を上記走査位
置の関数として表わすことにより、上記試料の形状や構
造を示す画像情報を生成して、この画像情報を画像表示
部60に表示する。
【0007】上述の図5に示したプローブ走査型近接場
光学顕微鏡の原理的な動作は、試料30の表面に局在す
るエバネッセント場を光プローブ32の検出端部31で
散乱させ、その散乱光を集光して第1の光検出器45で
検出することから、Collection mode(Cモード)と呼
ばれる。
【0008】このCモードに対し、図7に示すように、
光プローブにより照明光を検出端部に導くことにより、
上記照明光の波長以下の大きさに先鋭化された上記検出
端部の表面にエバネッセント場を発生し、このエバネッ
セント場を試料で散乱させ、その散乱光の強度を測定す
るようにしたプローブ走査型近接場光学顕微鏡の原理的
な動作も知られている。この動作は、エバネッセント場
で試料を照明するのでIllumination mode(Iモード)
と呼ばれる。
【0009】上記エバネッセント場の光強度は、試料表
面から遠ざかるにつれて減少する。ミー散乱理論による
と、その減少の度合いを示す「しみだしの厚み」は試料
が光波長以下の大きさであれば、波長には依存せず、試
料の大きさに依存する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プローブ走査型近接場光学顕微鏡では、上記光プローブ
32の検出端部31で試料30を走査するにあたり、上
記光プローブ32の検出端部31と試料30との間で一
定の原子間力が作用する距離を保持するように、上記試
料板42の高さ位置を制御していたが、上記検出端部3
1と試料30との間で一定の原子間力が作用する距離
は、エバネッセント場の光強度が一定となる距離とは必
ずしも一致しないので、試料の観測結果を画像解析する
のに、複雑な処理を必要とするという問題点があった。
また、上記光プローブ32を振動させて、その振動量を
光学的に検出することにより、上記光プローブ32の検
出端部31と試料30との間に作用する原子間力を検出
していたので、上記振動量を光学的に検出するための照
明光の漏成分がエバネッセント場の光強度を検出するた
めの散乱光の集光成分に混入して雑音となってしまうと
いう問題点があった。さらに、上記光プローブ32の検
出端部31を液体中に挿入した場合には、上記液体の粘
性により光プローブ32を十分に振動させることができ
ず、上記光プローブ32の検出端部31と試料30との
距離を制御することができないので、生体試料等を液体
中で観測できないという問題点があった。
【0011】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたものであり、測定精度の高いプローブ走査型近接
場光学顕微鏡を提供することを目的とする。また、本発
明の他の目的は、生体試料等を液体中で観測することが
できるプローブ走査型近接場光学顕微鏡を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプローブ走
査型近接場光学顕微鏡は、第1の波長の照明光を発生す
る第1の照明光源と、第2の波長の照明光を発生する第
2の照明光源と、上記第1の照明光源からの第1の波長
の照明光を導いて試料に照射し、上記第1の波長の照明
光によるエバネッセント場を上記試料表面に発生させる
光学系と、先端を先鋭化させた検出端部を有し、上記試
料表面に発生する上記第1の波長の照明光によるエバネ
ッセント場を上記検出端部で散乱させて、その散乱光を
集光するとともに、上記第2の照明光源からの第2の波
長の照明光を導いて上記検出端部表面に上記第2の波長
の照明光によるエバネッセント場を発生し、該第2の波
長の照明光によるエバネッセント場で上記試料を照明す
る光プローブと、上記光プローブにより集光された上記
第1の波長の照明光によるエバネッセント場の散乱光を
検出する第1の光検出手段と、上記第2の波長の照明光
によるエバネッセント場の上記試料による散乱光を集光
して検出する第2の光検出手段と、上記第1又は第2の
光検出手段の一方の検出出力として得られる散乱光強度
が所定値となるように上記光プローブの検出端部と上記
試料表面との相対距離を制御しながら上記検出端部で上
記試料表面を走査するように上記試料と光プローブとの
相対位置関係を変化させる走査手段と、上記第1又は第
2の光検出手段の他方の検出出力として得られる散乱光
強度を上記走査手段による走査位置の関数として画像表
示する画像表示信号を生成する画像処理手段とを備えこ
とを特徴とする。
【0013】本発明に係るプローブ走査型近接場光学顕
微鏡において、上記光学系は、例えば偏光素子を備え
る。また、本発明に係るプローブ走査型近接場光学顕微
鏡は、例えば、上記試料が載置される上記第1の波長の
照明光に対して透明な試料板と、上記試料を囲むように
上記試料板上に載置された環体とを備え、 上記環体内
側に液体を満たし、該液体中に上記試料を位置させて、
試料の観測を行う。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプローブ走査
型近接場光学顕微鏡の好適な実施の形態について図面を
参照しながら詳細に説明する。本発明に係るプローブ走
査型近接場光学顕微鏡は、例えば図1に示すように構成
される。
【0015】この図1に示したプローブ走査型近接場光
学顕微鏡は、物体表面に局在するエバネッセント場を検
出して物体の形状を測定するものであって、波長の異な
る2種類の照明光を発生する第1の照明光源1と第2の
照明光源2と、上記第1の照明光源1からの第1の波長
の照明光を導いて試料板3上の試料4に照射する光学系
5と、光ファイバからなる光プローブ6と、上記試料板
3を3次元方向に移動させるピエゾ移動台7と、このピ
エゾ移動台7を制御するNOM制御部8と、このNOM
制御部8に各検出出力を供給する第1及び第2の光検出
部9,10を備える。
【0016】上記第1の照明光源1は、例えば波長が6
85nmのレーザ光を発生する半導体レーザ1Aやレン
ズ1Bなどからなる。この第1の照明光源1により発生
された波長が685nmのレーザ光すなわち第1の波長
の照明光は、上記光学系5に入射され、この光学系5を
介して上記試料板3の下側から該試料板3上の試料4に
照射される。これにより、上記試料板3の表面には、上
記第1の波長の照明光によるエバネッセント場は発生す
る。
【0017】すなわち、上記光学系5は、上記第1の照
明光源1からの第1の波長の照明光を導いて試料に照射
し、上記第1の波長の照明光によるエバネッセント場を
上記試料4の表面に発生させる。また、上記第2の照明
光源2は、例えば波長が488nmのレーザ光を発生す
るガス(Ar+ )レーザ2Aや音響光学変調器(AO
M:Acoustc Optic Modulator )2B、開口板2C、レ
ンズ2Dなどからなる。この第2の照明光源2により発
生された波長が488nmのレーザ光すなわち第2の波
長の照明光は、ダイクロイックミラー11を介して上記
光プローブ6の基端側開口6Aから該光プローブ6に入
射され検出端部6Bに導かれる。
【0018】上記光プローブ6は、その検出端部6Bが
上記第1及び第2の照明光の各波長よりも小さい形状に
先鋭化されており、上記第1の波長の照明光による上記
試料4表面に発生したエバネッセント場を上記検出端部
6Bで散乱させ、その散乱光を上記検出端部6Bの開口
を介して集光する。そして、この光プローブ6は、集光
した上記第1の波長の照明光によるエバネッセント場の
散乱光を上記基端側開口6Aに導いて、該基端側開口6
Aから出射する。さらに、この光プローブ6は、その基
端側開口6Aから入射された第2の波長の照明光を上記
検出端部6Bに導くことにより、上記第2の波長の照明
光によるエバネッセント場を上記検出端部6Bの表面に
発生させ、このエバネッセント場で上記試料を照明す
る。
【0019】上記第1の光検出部9は、上記光プローブ
6の基端側開口6Aからの入射光すなわち該光プローブ
6の検出端部6Bにより集光された上記第1の波長の照
明光によるエバネッセント場の散乱光が上記ダイクロイ
ックミラー11を介して導かれる。すなわち、上記ダイ
クロイックミラー11は、この第2の照明光源2により
発生された第2の波長の照明光を透過し、上記第1の波
長の照明光によるエバネッセント場の散乱光を反射する
ようになっている。そして、上記第1の光検出部9は、
上記第1の波長の照明光をレンズ9Aで集光して光検出
器9Bで検出することにより、上記第1の波長の照明光
によるエバネッセント場の光強度を示す検出出力を上記
NOM制御部8に供給するようになっている。
【0020】また、上記第2の光検出部10は、上記光
プローブ6の検出端部6Bの表面に発生した上記第2の
波長の照明光によるエバネッセント場の上記試料4によ
る散乱光をレンズ10Aで集光して光検出器10Bで検
出することにより、上記第2の波長の照明光によるエバ
ネッセント場の光強度を示す検出出力を上記NOM制御
部8に供給するようになっている。
【0021】ここで、上記各光検出器9B,10Bとし
ては、例えば光電子倍増管(PMT:PHTOMULTIPLIER T
UBE)が使用される。このプローブ走査型近接場光学顕
微鏡では、上記各光検出器9B,10Bの一方の検出出
力が上記試料4の表面から上記光プローブ6の検出端部
6Bまでの距離の制御に用いられ、他方の検出出力が上
記試料の観測に用いられる。
【0022】すなわち、このプローブ走査型近接場光学
顕微鏡において、Iモードで試料の観測を行う場合に
は、上記NOM制御部8は、上記試料4の表面に発生し
た上記第1の波長の照明光によるエバネッセント場の光
強度を示す上記第1の光検出部9による検出出力により
上記試料4の表面から上記光プローブ6の検出端部6B
までの距離を測定し、上記第1の光検出部9による検出
出力が所定レベルとなるように、上記ピエゾ移動台7に
より上記試料板4の高さ位置を帰還制御しながら、上記
試料板3を2次元方向に移動させる制御を行う。これに
より、上記光プローブ6は、上記試料4の表面に発生し
た上記第1の波長の照明光によるエバネッセント場の光
強度となる一定の高さ位置に上記検出端部6Bを保持し
た状態で、上記試料4の表面を走査することになる。
【0023】そして、上記NOM制御部8は、上記光プ
ローブ6の検出端部6Bで上記試料4の表面を走査する
ことにより上記第2の光検出部10に得られる検出出
力、すなわち上記第2の波長の照明光によるエバネッセ
ント場の光強度を示す検出出力と、上記光プローブ6に
よる試料4の走査位置を示す座標情報とから、上記エバ
ネッセント場の光強度を上記走査位置の関数として表わ
すことにより、上記試料4の形状や構造を示す画像情報
を生成し、この画像情報を画像表示部12で表示する。
【0024】また、このプローブ走査型近接場光学顕微
鏡において、Cモードで試料の観測を行う場合には、上
記NOM制御部8は、上記試料4を照明する上記第2の
波長の照明光によるエバネッセント場の光強度を示す上
記第2の光検出部10による検出出力に基づいて上記試
料4の表面から上記光プローブ6の検出端部6Bまでの
距離を測定し、上記第2の光検出部10による検出出力
が所定レベルとなるように、上記ピエゾ移動台7により
上記試料板3の高さ位置を帰還制御しながら、上記試料
板3を2次元方向に移動させる制御を行う。これによ
り、上記光プローブ6は、上記第2の波長の照明光によ
るエバネッセント場の光強度が一定となる高さ位置に上
記検出端部6Bを保持した状態で、上記試料4の表面を
走査することになる。
【0025】そして、上記NOM制御部8は、上記光プ
ローブ6で上記試料4の表面を走査することにより上記
第2の光検出部10に得られる検出出力、すなわち上記
第1の波長の照明光により上記試料の表面に発生したエ
バネッセント場の光強度を示す検出出力と、上記光プロ
ーブ6による試料4の走査位置を示す座標情報とから、
上記エバネッセント場の光強度を上記走査位置の関数と
して表わすことにより、上記試料4の形状や構造を示す
画像情報を生成し、この画像情報を画像表示部12で表
示する。
【0026】このような構成のプローブ走査型近接場光
学顕微鏡では、上記試料4の表面から上記光プローブ6
の検出端部6Bまでの距離を上記第1の波長の照明光に
よるエバネッセント場又は上記第2の波長の照明光によ
るエバネッセント場の光強度を利用して測定して、一定
の距離を保持するように上記ピエゾ移動台7により上記
試料板3の高さ位置を帰還制御した状態で上記試料4の
表面を走査するので、高い観測精度を確保することがで
き、試料の観測結果を画像解析するのに、複雑な処理を
必要としない。
【0027】なお、上記ピエゾ移動台7は、上記試料板
3を3次元方向に移動させる代わりに、上記光プローブ
6の検出端部6Bを3次元方向に移動させるようにして
もよい。また、上記第2の光検出部10は、上記第2の
波長の照明光によるエバネッセント場の上記試料4によ
る散乱光を上記試料板3の下側で検出する代わりに、試
料4の上側で後方散乱光を検出するようにしてもよい。
この場合、上記試料板3は、上記第1の波長の照明光に
対して透明であればよい。
【0028】また、上記プローブ走査型近接場光学顕微
鏡において、Cモードで試料の観測を行う場合には、図
1に示すように、試料4の光学的特性に対応する偏光素
子5Aを上記光学系5中に挿入して、入射光の偏光を変
えて上記試料4の観測を行うようにしてもよい。
【0029】また、このプローブ走査型近接場光学顕微
鏡では、上記試料4の表面から上記光プローブ6の検出
端部6Bまでの距離を検出するのに、上記光プローブ6
を振動させる必要がないので、上記試料4として生体試
料等を液体中で観測することができる。
【0030】ここで、上記試料4として生体試料等を液
体中で観測する場合には、図2に示すように、例えば、
上記試料4が載置される試料板3上に上記試料4を囲む
ように環体12を載置し、この環体12内側に例えば水
などの液体13を満たし、該液体13中に上記試料4を
位置させる。
【0031】このように環体12内側に液体13を満た
すことによって、上記液体13の表面張力に抗して上記
光プローブ6の検出端部6Bを上記液体13中に容易に
挿入することができる。なお、試料は照明光の波長以下
の大きさであるから、試料板上に試料を含む液体を滴下
して、その液体中に試料を位置させることもできるので
あるが、試料板上に滴下した液体は、その表面張力によ
り球形状になり、その液体中に上記光プローブ6の検出
端部6Bを挿入しようとしても、上記液体表面張力によ
り挿入を拒まれてしまう。
【0032】ここで、上記エバネッセント場の光強度を
利用して、上記試料4の表面から上記光プローブ6の検
出端部6Bまでの距離を測定した結果を図3に破線で示
し、また、従来の原子間力を利用して測定した結果を図
3中に実線で示す。さらに、上記光プローブ6の検出端
部6Bに異物が付着した異常状態での、上記試料4の表
面から上記光プローブ6の検出端部6Bまでの距離を測
定した結果を図4に示す。この図4から明らかなよう
に、上記光プローブ6の検出端部6Bに異物が付着した
異常状態において、上記エバネッセント場の光強度を利
用した測定結果は、従来の原子間力を利用した測定結果
と比較して感度が極端に落ちてしまい、上述の位置制御
を行うことができなくなるので、異常状態を容易に判別
することができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るプロ
ーブ走査型近接場光学顕微鏡では、試料の表面から光プ
ローブの検出端部までの距離を第1の波長の照明光によ
るエバネッセント場又は第2の波長の照明光によるエバ
ネッセント場の光強度を利用して測定して、走査手段に
より、試料の表面から光プローブの検出端部までの距離
を一定に保持するように帰還制御した状態で上記試料の
表面を走査するので、高い観測精度を確保することがで
きる。従って、試料の観測結果を画像解析するのに、複
雑な処理を必要としない。
【0034】また、このプローブ走査型近接場光学顕微
鏡では、上記試料の表面から上記光プローブの検出端部
までの距離を検出するのに、上記光プローブを振動させ
る必要がないので、上記試料として生体試料等を液体中
で観測することができる。さらに、試料として生体試料
等を液体中で観測する場合には、上記試料が載置される
上記第2の波長の照明光に対して透明な試料板上に上記
試料を囲むように環体を載置し、この環体内側に液体を
満たし、該液体中に上記試料を位置させることによっ
て、上記液体の表面張力に抗して上記光プローブの検出
端部を上記液体中に容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプローブ走査型近接場光学顕微鏡
の構造を示すブロック図である。
【図2】上記プローブ走査型近接場光学顕微鏡により液
体中で生体試料を観測する場合の腰部構造を示す側面図
である。
【図3】エバネッセント場の光強度を利用して、試料の
表面から光プローブの検出端部までの距離を測定した結
果と、従来の原子間力を利用して測定した結果を示す図
である。
【図4】上記光プローブの検出端部に異物が付着した異
常状態での、上記試料の表面から上記光プローブの検出
端部までの距離を測定した結果を示す図である。
【図5】プローブ走査型近接場光学顕微鏡のCモードの
動作原理を模式的に示す図である。
【図6】従来のプローブ走査型近接場光学顕微鏡の構造
を示す図である。
【図7】プローブ走査型近接場光学顕微鏡のIモードの
動作原理を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 第1の照明光源、2 第2の照明光源、3 試料
板、4 試料、5 光学系、6 光プローブ、6B 検
出端部 7 ピエゾ移動台、8 PSTM制御部、9
第1の光検出部、10 第2の光検出部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の波長の照明光を発生する第1の照
    明光源と、 第2の波長の照明光を発生する第2の照明光源と、 上記第1の照明光源からの第1の波長の照明光を導いて
    試料に照射し、上記第1の波長の照明光によるエバネッ
    セント場を上記試料表面に発生させる光学系と、 先端を先鋭化させた検出端部を有し、上記試料表面に発
    生する上記第1の波長の照明光によるエバネッセント場
    を上記検出端部で散乱させて、その散乱光を集光すると
    ともに、上記第2の照明光源からの第2の波長の照明光
    を導いて上記検出端部表面に上記第2の波長の照明光に
    よるエバネッセント場を発生し、該第2の波長の照明光
    によるエバネッセント場で上記試料を照明する光プロー
    ブと、 上記光プローブにより集光された上記第1の波長の照明
    光によるエバネッセント場の散乱光を検出する第1の光
    検出手段と、 上記第2の波長の照明光によるエバネッセント場の上記
    試料による散乱光を集光して検出する第2の光検出手段
    と、 上記第1又は第2の光検出手段の一方の検出出力として
    得られる散乱光強度が所定値となるように上記光プロー
    ブの検出端部と上記試料表面との相対距離を制御しなが
    ら上記検出端部で上記試料表面を走査するように上記試
    料と光プローブとの相対位置関係を変化させる走査手段
    と、 上記第1又は第2の光検出手段の他方の検出出力として
    得られる散乱光強度を上記走査手段による走査位置の関
    数として画像表示する画像表示信号を生成する画像処理
    手段とを備えことを特徴とするプローブ走査型近接場光
    学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 上記光学系は偏光素子を備えることを特
    徴とする請求項1記載のプローブ走査型近接場光学顕微
    鏡。
  3. 【請求項3】 上記試料が載置される上記第1の波長の
    照明光に対して透明な試料板と、上記試料を囲むように
    上記試料板上に載置された環体とを備え、 上記環体内側に液体を満たし、該液体中に上記試料を位
    置させることを特徴とする請求項1記載のプローブ走査
    型近接場光学顕微鏡。
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