JPH09257056A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JPH09257056A
JPH09257056A JP8067920A JP6792096A JPH09257056A JP H09257056 A JPH09257056 A JP H09257056A JP 8067920 A JP8067920 A JP 8067920A JP 6792096 A JP6792096 A JP 6792096A JP H09257056 A JPH09257056 A JP H09257056A
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piston
pressure plate
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Shogo Matsumoto
章吾 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カム機構を用いたクラッチ装置のレスポンス
を、簡単な構成で、コストをかけずに改善することを目
的とする。 【解決手段】 トランスミッションケース500と一体
に形成されたB3 ハウジング101とリヤプラネタリキ
ャリヤK2 に連結されたクラッチディスク108の間に
カム面152を有するB3 ピストン102と、カム面1
53を有するB33 プレッシャプレート103をカム
ローラ104を介して、軸方向に対面させるとともに、
始動スプリング105によって、カム力が作用する方向
にB3 ピストン102とB3 プレッシャプレート103
との間に相対的な付勢力を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッチ装置、特に
自動変速機の内部に用いられるクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は先に特願平7−66252
において、円周方向に相対回転する部材間にカム機構を
設け、このカム機構により前記部材間の相対回転によっ
て生ずる円周方向の力を軸方向の推力に変換し、これを
クラッチ係合力として用いるクラッチ装置を出願してい
る。上記装置は、カム機構の倍力機能や一方向性を利用
することで、クラッチディスクの枚数の低減、ワンウェ
イクラッチの廃止によってクラッチ装置全体の小型化を
可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のクラッチ装置で
は、カム力の発生は、油圧によって作動されるピストン
で、カム機構を一体に回転部材に押しつけ、ピストンか
ら遠い方のカムを回転部材で引きずって回転させ、それ
によって、カム部材どうしの相対回転を誘起することに
よっておこなわれる。しかしながら、ピストンが作動し
てから、上記の引きずりが生じるまでには、各構成部材
の間のガタにより、時間がかかり、レスポンスが悪いと
いう問題がある。この問題を解決するためには、予め、
上記のカム作用が発生しない程度の弱い油圧をピストン
に作用させておくことも考えられるが、そのためには、
油圧回路にリリーフバルブ、レギュレータバルブ、アキ
ュムレータ等の調圧装置を付設することが必要であり、
油圧回路の複雑化、部品点数の増加によるコスト上昇が
さけられないという問題がある。
【0004】本発明は上記問題に鑑み、カム機構を用い
たクラッチ装置のレスポンスを、簡単な構成で、コスト
をかけず改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、共通の軸線上に離間配置され相対回転する一対の部
材の間に、一対のカム部材を配設し、初動手段によっ
て、前記一対のカム部材の一方を前記相対回転する一対
の部材の一方に押圧して、所定方向に相対回転させてカ
ム力を発生せしめ、該カム力によって前記相対回転する
部材を係合するクラッチ装置において、前記初動手段が
流体力を用いない機械力で前記一対のカム部材の一方を
押圧するようにしたクラッチ装置が提供される。
【0006】上記のように構成された、クラッチ装置で
は、共通の軸線上に離間配置され相対回転する一対の部
材のの間に配設された一対のカム部材の一方が、機械力
によって相対回転する一対の部材の一方に押圧されて所
定方向に相対回転せしめらて発生するカム力によって相
対回転する一対の部材が係合せしめられる。
【0007】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、初動手段の発生する機械力をバネ部材による
付勢力としたクラッチ装置が提供される。
【0008】上記のように構成されたクラッチ装置で
は、一対のカム部材の一方が、バネ部材の付勢力によ
り、相対回転する一対の部材の一方に押圧され、その結
果一対のカム部材が所定方向に相対回転せしめらてカム
力を発生し、このカム力によって相対回転する一対の部
材が係合せしめられる。
【0009】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
において、初動手段の発生する機械力を同じ状態にある
一対のカム部材の一方を他方に対して移動することによ
って得られる慣性力としたクラッチ装置が提供される。
【0010】上記のように構成されたクラッチ装置で
は、一対のカム部材の一方が、同じ状態にある一対のカ
ム部材の一方を他方に対して移動することによって得ら
れる慣性力により、相対回転する一対の部材の一方に押
圧され、その結果一対のカム部材が所定方向に相対回転
せしめらてカム力を発生し、このカム力によって相対回
転する一対の部材が係合せしめられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施の形態を説明する。まず、図1は本発明の実施の形
態が従来の自動変速機の全体の中のどの部位に適用され
るのかを説明するために従来の自動変速機の全体を模式
的に現したものである。図1において、ATは従来の自
動変速機の変速機構の全体を示すが、変速機構ATは、
基本的には、3個のプラネタリギヤユニットと、それら
のリングギヤ、サンギヤ、キャリヤ等の各要素の断接を
行う摩擦係合要素から成る。その詳細は以下の通りであ
る。
【0012】なお、説明中、回転方向はインプットシャ
フトXi の側から見たものであって、右回転は時計回り
の回転を意味し、左回転は反時計回りの回転を示してい
る。Xi はインプットシャフトであって、トルクコンバ
ータ(図示しない)のアウトプットシャフト(図示しな
い)と結合されている。PG1 、PG2 、PG3 はそれ
ぞれフロントプラネタリギヤユニット、リヤプラネタリ
ギヤユニット、OD(ODはオーバードライブの略)プ
ラネタリギヤユニットである。
【0013】R1 、R2 、R3 はそれぞれフロントプラ
ネタリリングギヤ、リヤプラネタリリングギヤ、ODプ
ラネタリリングギヤである。K1 、K2 、K3 はそれぞ
れフロントプラネタリキャリヤ、リヤプラネタリキャリ
ヤ、ODプラネタリキャリヤである。S12は前記フロン
トプラネタリギヤユニット、リヤプラネタリギヤユニッ
トに共通のフロント&リヤプラネタリサンギヤであり、
3 は、ODプラネタリサンギヤである。
【0014】C1 は第1クラッチであって、インプット
シャフトXi とフロントプラネタリリングギヤR1 を断
接する。C2 は第2クラッチであって、インプットシャ
フトXi とフロント&リヤプラネタリサンギヤS12を断
接する。C3 は第3クラッチであって、ODプラネタリ
キャリヤK3 とODプラネタリサンギヤS3 を断接す
る。
【0015】B1 は第1ブレーキであって、フロント&
リヤプラネタリサンギヤS12をロックする。B2 は第2
ブレーキであって、後述する第1ワンウェイクラッチF
1 を介してフロント&リヤプラネタリサンギヤS12の左
回転をロックする。B3 は第3ブレーキであって、リヤ
プラネタリキャリヤK2 の回転(運転条件により右回転
と左回転がある)をロックする。B4 は第4ブレーキで
あって、ODプラネタリサンギヤS3 の回転(運転条件
により右回転と左回転がある)をロックする。
【0016】F1 は第1ワンウェイクラッチであって、
第2ブレーキB2 が作用している時フロント&リヤプラ
ネタリサンギヤS12の左回転をロックする。F2 は第2
ワンウェイクラッチであって、リヤプラネタリキャリヤ
2 の左回転をロックする。F3 は第3ワンウェイクラ
ッチであって、ODプラネタリサンギヤS3 に対するO
DプラネタリキャリヤK3 の左回転をロックする。な
お、CG1 はカウンタドライブギヤ、CG2 はカウンタ
ドリブンギヤであってエンジン出力を後段の機構に導く
ためのものであって、変速そのものには関係ない。
【0017】以下に説明する第1〜第4の実施の形態の
装置は上記の内の第3ブレーキB3と第2ワンウェイク
ラッチF2 の役をおこなうものであって、Dレンジ、2
レンジ、Lレンジの第1速段の駆動走行中のリヤプラネ
タリキャリヤK2 の左回転をロックし、Lレンジの第1
速段の被駆動走行(エンジンブレーキ状態)中のリヤプ
ラネタリキャリヤK2 の右回転をロックし、また、Rレ
ンジの駆動走行中のリヤプラネタリキャリヤK2 の右回
転をロックし、被駆動走行中の左回転をロックすること
が必要であり、また、Dレンジ、2レンジ、Lレンジの
第1速段から第2速段への変速時には、リヤプラネタリ
キャリヤK2 の分担トルクの方向が反転すると同時にリ
ヤプラネタリキャリヤK2 を左回転ロック状態から右回
転空転状態に直ちに移行させ、第2速段から第1速段へ
の変速時には、リヤプラネタリキャリヤK2 が右回転か
ら左回転へ反転したと同時にリヤプラネタリキャリヤK
2をロックすることが要求される。
【0018】図3は本発明のクラッチ装置の第1の実施
の形態を組み込んだ第3ブレーキB 3 部分の自動変速機
の断面図である。図3において、B3 ハウジング101
がトランスミッションケース500に一体的に形成さ
れ、B3 ハウジング101の環状の凹部内にB3 ピスト
ン102が軸方向摺動自在に配設され、B3 ピストン1
02に軸方向で対面するようにB3プレッシャプレート
103が配設されている。B3 ピストン102とB3
レッシャプレート103の対向する側には、それぞれ円
周方向の複数の箇所にカム面152とカム面153が形
成され、両者の間にはカムローラ104が介装されてい
る。
【0019】また、B3 ピストン102とB3 プレッシ
ャプレート103の間には、回転方向に伸縮する初動ス
プリング105が配設されていて、後述するように、こ
の初動スプリング105によって、油圧力を用いないで
カム力を得るきっかけをつくることができる。また、B
3 ピストン102は軸方向に伸縮するリターンスプリン
グ106によって、常時、図中左方に付勢され、また、
ストッパ107によって回転方向の動きが規制されてい
る。
【0020】一方、B3 クラッチディスク108がリヤ
プラネタリギヤPG2 のリヤプラネタリキャリヤK2
一体に回転する連結部材109に軸方向摺動自在に取り
付けられ、また、B3 セパレータプレート110がミッ
ションケース500に対して軸方向摺動自在、回転不能
に取り付けられている。ただし、図中、最も右側のもの
は右方向への移動は規制されている。したがって、B3
クラッチディスク108とB3 セパレータプレート11
0はクラッチ装置1が軸方向に伸長せしめられた時に互
いに係合し、B3 クラッチディスク108は停止しリヤ
プラネタリキャリヤK2 の回転をロックする。
【0021】また、後述するように、カム力が発生しな
い場合にもB3 クラッチディスク108とB3 セパレー
タプレート110を係合させる必要があり、そのために
3ピストン102とB3 プレッシャプレート103の
間に形成される油室111に作動油を供給するための油
路101aがクラッチハウジング101の内部に形成さ
れている。なお、作動油の油圧による係合力を高めるた
めに、B3 ハウジング101とB 3 ピストン102の間
に、倍力カムを設けてもよい。
【0022】図4はB3 プレッシャプレート103をイ
ンプットシャフトXi 側から見た図であって、初動スプ
リング105の実際の配置の様子がわかるように部分断
面図にしてある。すなわち、初動スプリング105はB
3 プレッシャプレート103の内部に回転方向に沿って
形成された凹部103aの回転方向の壁面103bと、
3 ピストン102に一体に形成された突起102aの
間に配置されている。
【0023】次に、上記のように構成された第1の実施
の形態のクラッチ装置の作動についてカムの部分の動き
を中心に説明する。まず、図5はPレンジ、あるいはN
レンジのようにリヤプラネタリキャリヤK 2 が回転しな
い場合、すなわちB3 クラッチディスク108が停止し
ている場合、のカムの部分の様子を示したものであっ
て、図4のV-V 線に沿って見た、すなわち、軸中心から
半径方向外側に見た断面を模式的に示している。なお、
このクラッチ装置はいわゆる湿式クラッチであって、B
3 クラッチディスク108とB3 セパレータプレート1
10はオイルが充満した空間内に配置されており、B3
プレッシャプレート103とB3 クラッチディスク10
8の接触面の間には油膜が存在する。
【0024】このPレンジ、あるいはNレンジの場合に
は、油室111には作動油は供給しない。したがって、
3 ピストン102はリターンスプリング106の付勢
力によってB3 クラッチケーシング101に押しつけら
れている。一方、B3 プレッシャプレート103は初動
スプリング105によって図中左方に押され、B3 プレ
ッシャプレート103のカム面153がカムローラ10
4を介してB3 ピストン102のカム面152を上り、
その結果、B3 プレッシャプレート103の背面103
cはB3 クラッチディスク108に押しつけられるが、
初動スプリング105の力は弱く設定されているので、
その押圧力は小さい。
【0025】次に、前記のPレンジあるいはNレンジか
ら、Dレンジ、2レンジ、Lレンジのいずれかにシフト
され第1速段で発進する場合を考える。シフトされると
リヤプラネタリキャリヤK2 には左回転しようとする力
が作用する。これは、図5においては、B3 クラッチデ
ィスク108が図中左方向に移動しようとすることを意
味する。
【0026】そうすると、B3 プレッシャプレート10
3は油膜を介してB3 クラッチディスク108に引きず
られて左方向に移動し、B3 プレッシャプレート103
のカム面はカムローラ104を介してB3 ピストン10
2のカム面を上り、B3 ピストン102とB3 プレッシ
ャプレート103を軸方向で離間させようとするカム力
が発生する。その結果、B3 プレッシャプレート103
はB3 クラッチディスク108に強く押しつけられる。
その結果、複数のB3 クラッチディスク108は回転し
ないB3 セパレータプレート110と互いに密着係合し
停止する。したがって、前述した要求される機能の一つ
であるリヤプラネタリキャリヤK2 の左回転のロックが
おこなわれる。ここで、この本発明の第1の実施の形態
では、始動スプリング105がPレンジあるいはNレン
ジ状態からB3 プレッシャプレート103がB3 クラッ
チディスク108に押しつけられているので、作動が確
実であり応答も速い。
【0027】なお、上記の係合は、B3 クラッチディス
ク108を回そうとする力が大きくなるにつれて増大す
るので、自縛的な係合である。上記のカム作用による押
圧力をFとすると、F=T/(r×tanθ)である。
但し、TはB3 プレッシャプレート103の入力トル
ク、rはカムの作用半径、θはカム面153が回転軸に
垂直な面となす角度である。
【0028】次に、上述のリヤプラネタリキャリヤK2
の左回転のロックがおこなわれている第1速段から第2
速段に変速する場合を考える。ここで、第2速段では、
リヤプラネタリキャリヤK2 は右回転する。したがっ
て、変速に際しては、第1速段の左回転を停止された状
態から、右回転の空転状態にスムーズに移行できること
が要求される。
【0029】ここで、リヤプラネタリキャリヤK2 の右
回転は、図5においてB3 クラッチディスク108が右
に動くことを意味する。リヤプラネタリキャリヤK2
右回転し、B3 クラッチディスク108が図5において
右方向に動くと、B3 プレッシャプレート103はB3
クラッチディスク108に引きずられて右方向に移動
し、その結果、B3 プレッシャプレート103のカム面
153はカムローラ104を介してB3 ピストン102
のカム面152を降り、その結果、カム力は無くなる。
【0030】この際、B3 プレッシャプレート103に
は初動スプリング105の付勢力が作用し、B3 プレッ
シャプレート103はB3 クラッチディスク108に押
圧されるが、その力は弱く、リヤプラネタリキャリヤK
2 は右回転の空転を続けることができる。また、湿式ク
ラッチであることからB3 プレッシャプレート103と
3 クラッチディスク108の間には油膜が存在し、ま
た、B3 クラッチディスク108の回転が速いこともあ
り、B3 プレッシャプレート103とB3 クラッチディ
スク108の間にジャダーが発生することはない。この
ように、第1速段の状態から、B3 クラッチディスク1
08を右回転に反転させるだけで、第2速段に変速する
ことができ、その状態を維持することができる。
【0031】逆に、第2速段から第1速段への変速は、
リヤプラネタリキャリヤK2 を右回転から左回転に反転
するだけで得ることができる。この場合は図5において
右方向に移動しているB3 クラッチディスク108が左
方向への移動に反転し、その結果、初動スプリング10
5によって、B3 クラッチディスク108に上述したよ
うに摺接していたB3 プレッシャプレート103が即座
にB3 クラッチディスク108と係合して、カム力が発
生してその力により、B3 クラッチディスク108は係
止せしめられ第1速段が得られる。この場合も、初動ス
プリング105があることによって作動油の給排の操作
を不要にしている。
【0032】一方、Lレンジ第1速段で被駆動走行(エ
ンジンブレーキ状態)した場合には、リヤプラネタリキ
ャリヤK2 が右回転しようとするのをロックさせなけれ
ばならない。リヤプラネタリキャリヤK2 を右回転させ
る力がかかり、図5においてB3 クラッチディスク10
8が右方向に移動しても、第2速段の走行中と同じであ
るので、カム力を得ることはできない。したがって、こ
の場合は、油室111に作動油を供給して油圧の力によ
って、B3 クラッチディスク108の回転を停止させる
ことが必要である。前述したように、B3 ハウジング1
01とB3 ピストン102の間に倍力カムを設ければ、
小さな油圧で大きな力を得る事ができオイルポンプの負
荷を軽減することができる。
【0033】図6は上記のように油室111に作動油を
供給した場合のようすを示す図であって、B3 ピストン
102のカム面152はカムローラ104を介してB3
プレッシャプレート103のカム面を滑りおりB3 ピス
トン102とB3 プレッシャプレート103は最も接近
した状態となり、油圧力によってB3 ピストン102と
3 プレッシャプレート103が一体となって、B3
ラッチディスク108を押圧し、B3 クラッチディスク
108、およびそれに連結されたリヤプラネタリキャリ
ヤK2 は係止される。
【0034】上記のようにして、第1の実施の形態は要
求される機能、すなわち、リヤプラネタリキャリヤK2
の左回転のロック、右回転の空転、左回転のロックから
右回転の空転への移行、右回転の空転から左回転のロッ
クへの移行、右回転のロックをおこなうことができ、変
速に際して作動油の給排の操作を必要としない。
【0035】図7は第2の実施の形態の構造を模式的に
示した図である。この第2の実施の形態は初動スプリン
グ105を引っ張りタイプに置き換えたもので、その他
の構造は第1の実施の形態と同じである。作用も第1の
実施の形態と同じであるので省略する。この、第2の実
施の形態ではB3 プレッシャプレート103の凹部10
3aの壁面103bとB3 ピストン102の間にスプリ
ングが配設されていないので、非作用方向にトルクが掛
かってカムが戻った時の戻り過ぎを防ぐストッパ113
を、例えば、破線で示す様に容易に配設することができ
るという利点がある。
【0036】図8は第3の実施の形態の構造を模式的に
示した図である。この第3の実施の形態ではカムローラ
104を緩く保持するローラケージ114を配設し、こ
のローラケージ114に一体に形成したスプリング座1
14aと、B3 プレッシャプレート103の内部に回転
方向に沿って形成された凹部103aの回転方向の壁面
103bの間に初動スプリング105を配設したもので
ある。その他の構造は第1の実施の形態と同じである。
作用も第1の実施の形態と同じであるので省略する。こ
の第3の実施の形態では、初動スプリング105の伸縮
量は第1、第2の実施の形態に比べると半分になる。こ
れは、第1、第2の実施の形態では、初動スプリング1
05の端面が両方とも離反する方向に移動するのに対し
て、この第3の実施の形態においては、ローラケージ1
14の方は移動しないからである。
【0037】図9は第4の実施の形態の構造を模式的に
示した図である。この第4の実施の形態は第3の実施の
形態の変形例であって、B3 ピストン102の内部に回
転方向に沿って凹部102aを形成し、ローラケージ1
14に一体に形成したスプリング座114bをこの凹部
102a側に突出せしめ、凹部102aの回転方向の壁
面102bとスプリング座114bの間に初動スプリン
グ105を配設したものである。その他の構造は第1の
実施の形態と同じである。作用も第1の実施の形態と同
じであるので省略する。
【0038】次に、第5の実施の形態について説明す
る。この第5の実施の形態は図1に示した内の第3クラ
ッチC3 と第3ワンウェイクラッチF3 の役をおこなわ
せるものである。そして、また、P、Nレンジの状態か
らD,2,Lレンジにシフトされたときに右回転するO
DプラネタリキャリヤK3 にODプラネタリサンギヤS
3 を即座に接続せしめ、Dレンジの第4速段を除く前進
速段においては前記のように接続された状態を保ち、第
3速段から第4速段への変速に際してはODプラネタリ
キャリヤK3 とODプラネタリサンギヤS3 の接続を即
座に解除してODプラネタリキャリヤK3 の右回りの空
転を可能ならしめ、一方、P、Nレンジの状態からRレ
ンジにシフトされたときには左回転するODプラネタリ
キャリヤK3 にODプラネタリサンギヤS3 を即座に接
続せしめ、Rレンジ走行ではこの接続状態を保つことが
要求される。なお、上記の回転の方向は第1の実施の形
態の説明で定義したのと同様にインプットシャフトXi
から見て、右回転(時計回り回転)する場合が右回転、
左回転(反時計回り回転)する場合が左回転である。
【0039】図10は、この第5の実施の形態を組み込
んだ第3クラッチC3 部分の断面図である。図10にお
いて、トランスミッションケース500に対してC3
ウジング201が回転自在に係合され、ODサンギヤS
3 と結合されている。202はC3 ピストン、203は
3 プレッシャプレート、204はカムローラである。
3 ピストン202は、C3 ハウジング201にスプラ
イン結合されていて、C3 ハウジング201に内部に形
成される環状のシリンダ部を図中左右に移動する。ま
た、C3 ピストン202の内面にはカム面252が、プ
レッシャプレート203の内面にはカム面253が円周
方向の数カ所において形成されていてカムローラ204
を挟んで対面している。
【0040】リターンスプリング205は右端位置がC
3 ハウジング201に対し固定されていてC3 ピストン
202を常時図中左方に付勢している。しかしながら、
この第5の実施の形態は係合のきっかけを慣性力によっ
て得るので、第1〜第4の実施の形態のような初動スプ
リングは有していない。C3 ピストン202とC3 ハウ
ジング201の間の油室206には油路201aから作
動油圧が供給される。
【0041】また、207はODキャリヤK3 に対して
スプライン結合されているC3 クラッチディスク、20
8はC3 ハウジング201にスプライン結合されている
3セパレータプレートである。なお、この第3クラッ
チC3 も所謂湿式クラッチであって、C3 クラッチディ
スク207とC3 セパレータプレート208はオイルが
充満した空間内に配置されており、C3 プレッシャプレ
ート203とC3 クラッチディスク207の接触面の間
にも油膜が存在する。
【0042】一方、C3 ハウジング201の外周側に
は、B4 ピストン301により、トランスミッションケ
ース500にスプライン結合されているB4 セパレータ
プレート303と選択的に摩擦係合されるB4 クラッチ
ディスク302がスプライン結合されている。
【0043】次に、上記のように構成された第5の実施
の形態のクラッチ装置の作動についてカムの部分の動き
を中心に説明する。まず、図11はPレンジ、あるいは
NレンジのようにODプラネタリキャリヤK3 が回転し
ない場合、すなわちC3 クラッチディスク207が停止
している場合、のカムの部分の様子を軸中心側から見た
ものを模式的に示したものである。
【0044】以下、各運転状態におけるカム部分の作動
を説明する。Pレンジ、Nレンジでは、油路201aか
ら、油室206に作動油が供給され、カム部分は図11
に示されるような状態にある。この状態から、Dレン
ジ、2レンジ、Lレンジにシフトされると、ODプラネ
タリキャリヤK3 は右回転を始めるが、この時、ODプ
ラネタリリングギヤR3は車軸に連結されているので固
定された状態にある。これは、遊星歯車機構における、
リングギヤ固定下でのキャリヤ入力でありサンギヤがキ
ャリヤよりも速く回転する場合である。したがって、O
DプラネタリサンギヤS3 はODプラネタリキャリヤK
3 よりも速い速度で同方向に回転する。したがって、図
11においてODプラネタリサンギヤS3 に結合されて
いるC 3 ピストン202はODプラネタリキャリヤK3
に結合されているC3 クラッチディスク207よりも先
行して右方向に移動を始める。
【0045】すると、C3 ピストン202のカム面25
2はカムローラ204を介してC3プレッシャプレート
203のカム面253を上り、カム力が発生し、C3
レッシャプレート203とC3 ピストン202とはその
距離が拡げられC3 ハウジング201とC3 クラッチデ
ィスク207の間で突っ張り、図12に示されるような
状態となる。したがって、C3 ハウジング201、C3
ピストン202、C3 プレッシャプレート203はC3
クラッチディスク207と一緒に右方向に移動するよう
になる。このようにして、C3 ピストン202に接続さ
れているODプラネタリサンギヤS3 はODプラネタリ
キャリヤK3 と同様に右回転する。
【0046】Dレンジの第3速段までは、上記の状態を
保つ。そして、第3速段から第4速段への変速は、上記
の状態から第4ブレーキB4 を作動させてODプラネタ
リサンギヤS3 を係止することによって得られる。OD
プラネタリサンギヤS3 に制動をかけると、車軸に結合
されたODプラネタリリングギヤR3 は今までの速度で
回転しようとするのでODプラネタリキャリヤK3 も減
速されるが、その減速される度合いはODプラネタリサ
ンギヤS3よりも小さい、したがって、ODプラネタリ
キャリヤK3 はODプラネタリサンギヤS3 よりも速い
回転速度で回転する。したがって、図12においてOD
プラネタリキャリヤK3 に連結されたC3 クラッチディ
スク207はODプラネタリサンギヤS3 に連結された
3 ピストン202に対して先行して右に移動する。
【0047】よって、図12において、C3 クラッチデ
ィスク207と一緒に回転するC3プレッシャプレート
203に対して、C3 ピストン202は右方向に先行し
て移動する、その結果、C3 ピストン202のカム面2
52がカムローラ204を介してC3 プレッシャプレー
ト203のカム面253を下り、図13に示されるよう
な状態となり係合が解除される。その後C3 ピストン2
02は停止する。したがって、C3 クラッチディスク2
07のみ左方向に動くようになる。よって、ODプラネ
タリキャリヤK3 のみ右回転し、ODプラネタリサンギ
ヤS3 が停止して第4速段が得られる。このようにし
て、第4速段では、ODプラネタリサンギヤS3 は第4
ブレーキB4 によって係止され、ODプラネタリキャリ
ヤK3 が右回転している。
【0048】次に、この第4速段から第3速段への変速
を考える。これは、上記とは逆に第4ブレーキB4 を解
放することによって得られる。上記の状態から、第4ブ
レーキB4 を解放するとODプラネタリサンギヤS
3は、ODプラネタリピニオンギヤを介してODプラネ
タリリングギヤR3 と噛合しているので、解放と同時
に、右回転する。したがって、図13において、C3
ウジング201とC3 ピストン202は右方向に動く、
すると、C3 プレッシャプレート203は慣性によっ
て、もとの位置に留まろうとするので、C3 プレッシャ
プレート203のカム面253はカムローラ204を介
してC3 ピストン202のカム面252を上り、やが
て、C 3 プレッシャプレート203はC3 クラッチディ
スク207に当接する。すると、C3 プレッシャプレー
ト203はC3 クラッチディスク207に引きずられて
図中左方向に動き、カム力により自縛係合する。その結
果、C3 クラッチディスク207とC3 プレッシャプレ
ート203は一体で回転するようになりODプラネタリ
サンギヤS3 とODプラネタリキャリヤK3 は係合状態
となり、第3速段が得られる。
【0049】また、Pレンジ、Nレンジから後進段にシ
フトすると、左回転するODプラネタリキャリヤK3
ODプラネタリサンギヤS3 を噛合しなければならな
い。ODプラネタリキャリヤK3 が左回転するとODプ
ラネタリサンギヤS3 は右回転の場合と同様にODプラ
ネタリキャリヤK3 よりも速い速度で左回転する。した
がって、図13においてC3 ピストン202が左方向に
先行して移動して、カム力は発生しないので、油室20
6に作動油を供給して、その油圧で、C3 ピストン20
2をC3 プレッシャプレート203を介してC3 クラッ
チディスク207に係合することが必要である。
【0050】このように、第5の実施の形態では、第3
速段と第4速段の変速時において、慣性力によって、係
合のきっかけを得ることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明の各請求項によれば、カム機構を
用いて相対回転する部材を係合せしめるクラッチ装置に
おいて油圧力を用いないのでレスポンス良く係合、解放
をおこなうことができ、また、アキュムレータ等を含む
複雑な油圧回路を必要としないのコストが安く、信頼性
も高い。特に、請求項3のようにすれば、何等付加物を
必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による自動変速機の構造を模式的に現
した図である。
【図2】図1の自動変速機において各速度段を得るため
の各摩擦係合要素の作動の組み合わせを示す図である。
【図3】第1の実施の形態の全体構造を示す図である。
【図4】B3 プレッシャプレート103を軸方向から見
た図である。
【図5】第1の実施の形態のカム部分の構造、作動を示
す図である。
【図6】第1の実施の形態のカム部分の構造、作動を示
す図である。
【図7】第2の実施の形態のカム部分の構造を示す図で
ある。
【図8】第3の実施の形態のカム部分の構造を示す図で
ある。
【図9】第4の実施の形態のカム部分の構造を示す図で
ある。
【図10】第5の実施の形態の全体構造を示す図であ
る。
【図11】第5の実施の形態のカム部分の構造、作動を
示す図である。
【図12】第5の実施の形態のカム部分の構造、作動を
示す図である。
【図13】第5の実施の形態のカム部分の構造、作動を
示す図である。
【符号の説明】
3 …第3ブレーキ K2 …リヤプラネタリキャリヤ 101…B3 ハウジング 101a…油路 102…B3 ピストン 103…B3 プレッシャプレート 104…カムローラ 105…初動スプリング 106…リターンスプリング 107…ストッパ 108…B3 クラッチディスク 109…連結部材 110…B3 セパレータプレート 111…油室 C3 …第3クラッチ K3 …ODプラネタリキャリヤ 201…C3 ハウジング 201a…油路 202…C3 ピストン 203…C3 プレッシャプレート 204…カムローラ 205…スプリング 206…油室 207…C3 クラッチディスク 208…連結部材 210…C3 セパレータプレート B4 …第4ブレーキ 301…B4 ピストン 302…B4 クラッチディスク 303…B4 セパレータプレート 500…トランスミッションケース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通の軸線上に離間配置され相対回転す
    る一対の部材の間に、一対のカム部材を配設し、 初動手段によって、前記一対のカム部材の一方を前記相
    対回転する一対の部材の一方に押圧して、所定方向に相
    対回転させてカム力を発生せしめ、該カム力によって前
    記相対回転する部材を係合するクラッチ装置であって、 前記初動手段が流体力を用いない機械力で前記一対のカ
    ム部材の一方を押圧することを特徴とするクラッチ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記初動手段の前記機械力がバネ部材の
    付勢力であることを特徴とする請求項1に記載のクラッ
    チ装置。
  3. 【請求項3】 前記初動手段の前記機械力が同じ状態に
    ある一対のカム部材の一方を他方に対して移動すること
    によって得られる慣性力であることを特徴とする請求項
    1に記載のクラッチ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100461434B1 (ko) * 2002-11-11 2004-12-10 현대자동차주식회사 자동변속기의 피스톤 장치
JP2013133840A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Honda Motor Co Ltd 変速機用クラッチ

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