JPH09256445A - 温水タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温水タンク３０は、タンク本体４０から供給
できる温水の量を増加させる。 【解決手段】 温水タンク３０は、タンク本体４０と、
タンク本体４０内に設置された電熱ヒータ７０とを備
え、電熱ヒータ７０の加熱により所定温度の温水にす
る。また、タンク本体４０内には、移動板９２が配置さ
れている。移動板９２は、ガイド部材９１によりガイド
されて昇降可能に配置されている。移動板９２は、止水
時にタンク本体４０の下方に位置し、入水管５０から送
られる給水圧を受けて、出水管６０側へ移動する。この
とき、移動板９２は、入水管５０から供給された水を温
水から分離して温水だけを出水管６０から吐水させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洋式便器に搭載さ
れる衛生洗浄装置等に使用される温水タンクに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、衛生洗浄装置において、人体の局
部に向けて洗浄用ノズルから温水を吐水するために、電
熱ヒータの通電加熱により所定温度に沸かした温水を貯
湯した温水タンクを用いたものが知られている（特開平
４−９７０３０号公報）。

【０００３】図６は従来の温水タンク２００を示す断面
図である。図６において、温水タンク２００は、洋式便
器上における衛生洗浄装置の袖部に設置されており、樹
脂製のタンク本体２１０を備えている。タンク本体２１
０の下部には、給水源に接続された入水管２２０の入水
口２２０ａが配置され、タンク本体２１０の上部に出水
管２３０の取水口２３０ａが配置されている。また、タ
ンク本体２１０には、その下部に電熱ヒータ２４０の発
熱部２４０ａが設置されると共に、その中程にサーミス
タ２５０が設けられている。このサーミスタ２５０は、
図示しない電子制御装置に接続されている。電子制御装
置は、操作部により設定された設定温度に向かうよう
に、サーミスタ２５０からの検出信号に基づいて電熱ヒ
ータ２４０の通電量をフィードバック制御している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】こうしたタイプの温水
タンク２００では、タンク本体２１０内の温水を、入水
管２２０から入水される冷水によって上方へ押し上げる
方式を採用しているが、上記温水を入水管２２０からの
水で混ぜないために、入水管２２０の形状を下方に向け
て末広がり形状にして、水流を弱めてタンク本体２１０
内に給水させている。ところで、近年、タンク本体をコ
ンパクトにして、洋式便器上に設置したいというデザイ
ン上の要請から、タンク本体を浅くして横長形状にする
ことが検討されている。しかし、タンク本体２１０を浅
くすると、タンク本体２１０の入水管２２０の入水口２
２０ａから出水管２３０の取水口２３０ａまでの水平方
向の距離が、従来よりも大きくなるために、温水を冷水
で均一に押し上げることが困難となり、タンク本体２１
０内の温水が撹拌されて、出水管からの吐水の温度が吐
水中に低下したり、上下動したりする問題があった。

【０００５】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るものであり、横長のタンク本体の形状であっても、入
水管から供給される水をタンク本体内の温水に混ぜない
で、出水管から所定温度の温水を長い時間吐出させるこ
とができる温水タンクを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた第１の発明は、電熱ヒ
ータにより加熱された温水をタンク本体の外部へ吐水す
る温水タンクにおいて、給水源に接続され、該給水源か
ら供給される水をタンク本体の下部から入水する入水管
と、タンク本体の上部に配置され、給水源からの給水圧
を受けたタンク本体内の水圧の上昇により該タンク本体
の上部の温水を外部へ出水する出水管と、タンク本体内
に配置され、吐水時にタンク本体の下方に位置し、入水
管からの給水圧を受けて出水管へ移動すると共に、入水
管側の水と出水管側の温水との混合を抑制する移動板
と、を備えたことを特徴とする。

【０００７】第１の発明において、タンク本体内の水
は、電熱ヒータにより加熱されてタンク本体内に溜めら
れる。給水源から供給される水は、タンク本体の下部に
入水口を有する入水管からタンク本体内へ供給される。
タンク本体内に給水源からの水が供給されると、その水
圧は、移動板に加わり、移動板を出水管側へ移動させ
る。移動板は、タンク本体内の温水を給水源により供給
された水から分離し、つまり、温水と水との混合を抑制
するから、出水管から適温の温水だけが吐出される。そ
して、移動板は、給水が停止されると、タンク本体内の
入水管側の元の位置に戻り、次の吐水動作のために待機
する。したがって、温水タンクは、温水に水を混ぜるこ
となく、適温の温水を長時間にわたって吐水できる。

【０００８】移動板を移動させる好適な態様としては、
タンク本体内にガイド部材を配置し、このガイド部材に
より移動板を水平状態に保持しつつガイドする構成を採
ることができる。また、他の好適な態様として、移動板
の一端で、該移動板を回動可能に支持するヒンジ部を設
け、移動板を水圧で回動させる構成を採ることができ
る。さらに、入水が停止してから移動板を元の位置に戻
すような付勢手段を備えることもできる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施の形態に係
る温水タンクを装着した衛生洗浄装置付き洋式便器の外
観図である。図１に示すように、衛生洗浄装置１０は、
洋式便器１１に装着されるものであり、ケース本体１２
と、ケース本体１２の袖部の設けられた操作部１３と、
ケース本体１２に回動自在に支持された便座１５及び便
蓋１６と、温水を吐水する吐水機構２０と、を備えてい
る。なお、洋式便器１１の後部には、水洗タンク１７が
設置されている。

【００１０】図２は衛生洗浄装置１０の吐水機構２０を
示す構成図である。吐水機構２０は、給水源２１に接続
された入水通路２２と、この入水通路２２に設けられた
減圧弁２３ａ、電磁弁２３ｂと、入水通路２２の下流側
に接続された温水タンク３０と、温水タンク３０で加熱
した温水を吐出通路２４を介して供給されると共に該温
水を噴出する洗浄用ノズル２５と、洗浄用ノズル２５へ
の温水を吐水又は止水する流量調節弁２６と、電子制御
装置２８とを備えている。電子制御装置２８は、操作部
１３の操作指令に基づいて、電磁弁２３ｂ及び流量調節
弁２６に駆動信号を送って開弁し、洗浄用ノズル２５か
ら温水を人体の局部に向けて噴出する。なお、給水源２
１は、水道管に接続されて水圧を加える構成のほか、ポ
ンプで給水する構成であってもよい。

【００１１】図３は温水タンク３０を示す断面図、図４
は図３のＡ−Ａ線に付近の概略断面図である。図３及び
図４において、温水タンク３０は、タンク本体４０と、
入水管５０と、出水管６０と、電熱ヒータ７０と、サー
ミスタ８０とを備えている。

【００１２】タンク本体４０は、洋式便器１１の後端部
上であり水洗タンク１７に近接して設置され、ポリアミ
ド６６（ＰＡ６６）、アクリルニトリルブタジエンスチ
レンガラスファイバ（ＡＢＳＧＦ）、ポリプロピレンガ
ラスファイバ（ＰＰＧＦ）等の樹脂から形成されてお
り、天板部４０ａと、側壁部４０ｂと、底壁部４０ｃと
により囲まれて、その縦横比がほぼ１：１〜３の横長の
形状となっている。入水管５０は、上流側が給水源２１
に接続され、下流側がタンク本体４０内の下部に配置さ
れている。

【００１３】電熱ヒータ７０は、シーズヒータであり、
タンク本体４０の側壁部４０ｂで絶縁部材７２を介して
固定されており、発熱部７０ａを有している。この発熱
部７０ａは、タンク本体４０の底壁部４０ｃに平行に配
置されている。

【００１４】サーミスタ８０は、タンク本体４０の天板
部４０ａからタンク本体４０内に貫通挿入されており、
その下端部の検出部８０ａにて、タンク本体４０内の温
水の温度を検出している。サーミスタ８０からの検出信
号は、電子制御装置２８（図２）に入力され、電子制御
装置２８は、操作部１３にて設定された温度に向かうよ
うに電熱ヒータ７０への通電量をフィードバック制御す
る。

【００１５】また、タンク本体４０内には、温水分離機
構９０が設けられている。温水分離機構９０は、タンク
本体４０の底壁部４０ｃのコーナーに立設された４本の
ガイド部材９１と、これらのガイド部材９１により水平
状態を保ちつつタンク本体４０内を昇降可能に支持され
た移動板９２と、を備えている。移動板９２は、タンク
本体４０の水平断面形状より小さい長方形の樹脂板であ
り、その周囲には、タンク本体４０の側壁部４０ｂとの
間にスペースを有している。また、移動板９２は、下方
の位置にあるときに、タンク本体４０の底壁部４０ｃか
ら立設された下支持突起９３により支持可能になって、
電熱ヒータ７０と接触するのを防止されており、上方の
位置にあるとき、タンク本体４０の天板部４０ａから立
設されたストッパ９４により出水管６０と接触するのを
防止している。

【００１６】この温水分離機構９０の構成により、移動
板９２は、入水管５０から供給される水による圧力を受
けると上昇し、一方、その圧力がなくなると、自重で下
降する。このとき、移動板９２の周囲でありかつタンク
本体４０との間のスペースに、温水が流れることによ
り、移動板９２が昇降するのを可能にしている。

【００１７】次に、衛生洗浄装置１０の洗浄用ノズル２
５からの吐水動作について説明する。いま、使用者が操
作部１３を操作すると、電子制御装置２８を介して吐水
開始指令が出力され、電磁弁２３ｂ及び流量調節弁２６
が開弁する。これらの開弁により、給水源２１からの水
が入水管５０を経てタンク本体４０内に入り、その水圧
でタンク本体４０内の温水を押し上げる。その水圧は、
移動板９２に加わり、移動板９２を出水管６０側へ移動
させる。移動板９２は、タンク本体４０内の温水を給水
源２１により供給された水から分離し、つまり、温水に
水を混ぜないから、出水管６０から適温の温水だけが吐
出される。そして、移動板９２は、給水が停止される
と、タンク本体４０内の入水管５０側の元の位置に戻
り、次の吐水動作のために待機する。したがって、温水
タンク３０は、タンク本体４０内に貯えた温水と、入水
管５０から供給される水が混ぜられことなく、適温の温
水を長時間にわたって吐水できる。

【００１８】図５は他の実施の形態にかかる温水タンク
３０Ｂを示す断面図である。図５において、温水タンク
３０Ｂのタンク本体４０Ｂは、天板部４０Ｂａ、側壁部
４０Ｂｂ、傾斜壁４０Ｂｄ及び底壁部４０Ｂｃにより囲
まれたほぼ直角三角形であり、下部に入水管５０Ｂが取
り付けられ、上部に出水管６０Ｂが取り付けられてい
る。このタンク本体４０Ｂ内には、温水分離機構９０Ｂ
が取り付けられている。温水分離機構９０Ｂは、移動板
９２Ｂを備えている。この移動板９２Ｂは、その一端部
でタンク本体４０Ｂに固定されたヒンジ部９６Ｂにより
回動自在に支持され、他端部でタンク本体４０Ｂの底壁
部４０Ｂｃから立設された下支持突起９７で支持可能に
なっている。

【００１９】この温水分離機構９０Ｂの構成により、移
動板９２Ｂは、入水管５０Ｂから供給される水による圧
力を受けると、ヒンジ部９６Ｂを中心に回動して、タン
ク本体４０Ｂ内に溜められている温水を出水管６０Ｂか
ら吐水させ、一方、入水管５０Ｂからの水圧がなくなる
と、自重で元の位置まで回動して戻る。この温水分離機
構９０Ｂによっても、図３の温水分離機構９０と同様
に、貯えた温水と入ってきた水が混ぜられることなく、
適温の温水を長時間にわたって吐水させることができ
る。

【００２０】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。

【００２１】上記実施の形態にかかる温水分離機構９
０，９０Ｂにおいて、移動板９２，９２Ｂに吐水終了位
置から吐水開始位置の方向へ付勢するバイアスバネ等を
設けることにより、移動板９２，９２Ｂが元の位置に戻
る速度を速めて、吐水可能な位置に迅速に復帰できる構
成をとってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態にかかる温水タンク付き
衛生洗浄装置を搭載した洋式便器を示す斜視図。

【図２】衛生洗浄装置の吐水機構を示す概略構成図。

【図３】温水タンクを示す断面図。

【図４】図３のＡ−Ａ線に沿った模式的な構成で示す断
面図。

【図５】他の実施の形態に係る温水タンクを示す断面
図。

【図６】従来の温水タンクを示す断面図。

【符号の説明】

１０…衛生洗浄装置 １１…洋式便器 １２…ケース本体 １３…操作部 １５…便座 １６…便蓋 １７…水洗タンク ２０…吐水機構 ２１…給水源 ２２…入水通路 ２３ａ…減圧弁 ２３ｂ…電磁弁 ２４…吐出通路 ２５…洗浄用ノズル ２６…流量調節弁 ２８…電子制御装置 ３０…温水タンク ３０Ｂ…温水タンク ４０…タンク本体 ４０Ｂ…タンク本体 ４０Ｂａ…天板部 ４０Ｂｂ…側壁部 ４０Ｂｃ…底壁部 ４０Ｂｄ…傾斜壁 ４０ａ…天板部 ４０ｂ…側壁部 ４０ｃ…底壁部 ５０…入水管 ５０Ｂ…入水管 ６０…出水管 ６０Ｂ…出水管 ７０…電熱ヒータ ７０ａ…発熱部 ７２…絶縁部材 ８０…サーミスタ ８０ａ…検出部 ９０，９０Ｂ…温水分離機構 ９１…ガイド部材 ９２，９２Ｂ…移動板 ９２Ｂ…移動板 ９３…下支持突起 ９４…ストッパ ９６Ｂ…ヒンジ部 ９７…下支持突起

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電熱ヒータにより加熱された温水をタン
   ク本体の外部へ吐水する温水タンクにおいて、 給水源に接続され、該給水源から供給される水をタンク
   本体の下部から入水する入水管と、 タンク本体の上部に配置され、給水源からの給水圧を受
   けたタンク本体内の水圧の上昇により該タンク本体の上
   部の温水を外部へ出水する出水管と、 タンク本体内に配置され、吐水時にタンク本体の下方に
   位置し、入水管からの給水圧を受けて出水管側へ移動す
   ると共に、入水管側の水と出水管側の温水との混合を抑
   制する移動板と、 を備えたことを特徴とする温水タンク。
2. 【請求項２】 請求項１において、タンク本体内に配設
   され上記移動板を水平位置を保持しつつ昇降するように
   ガイドするガイド部材を備えた温水タンク。
3. 【請求項３】 請求項１において、上記移動板は、一端
   で回動可能にヒンジ部で支持されており、給水圧を受け
   たときにヒンジ部を中心に出水管側へ回動し、給水圧が
   取り除かれたときに、元の位置に復帰するように設けら
   れている温水タンク。
4. 【請求項４】 請求項２または請求項３において、上記
   移動板に対して、吐水終了位置から吐水開始位置の方向
   へ付勢する付勢手段を備えている温水タンク。