JPH09256356A - 地下壁体およびその構築方法 - Google Patents

地下壁体およびその構築方法

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JPH09256356A
JPH09256356A JP6688496A JP6688496A JPH09256356A JP H09256356 A JPH09256356 A JP H09256356A JP 6688496 A JP6688496 A JP 6688496A JP 6688496 A JP6688496 A JP 6688496A JP H09256356 A JPH09256356 A JP H09256356A
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JP
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pile
steel pipe
underground wall
ground
wall body
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Application number
JP6688496A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kazama
広志 風間
Fusao Kawakami
房男 川上
Yasuhiko Shigeta
安彦 重田
Hisashi Takenaka
久 竹中
Minoru Imai
實 今井
Kazuto Shimizu
一都 清水
Yukihiro Shimomura
幸寛 下村
Kenji Matsuda
賢二 松田
Atsuo Onoe
篤生 尾上
Hiroyuki Kubo
裕之 久保
Yoshiaki Shinoda
善朗 篠田
Makoto Hasegawa
誠 長谷川
Yoshihiko Akao
嘉彦 赤尾
Yoshihiko Shimizu
良彦 清水
Hidetake Ishizaki
秀武 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径の鋼管を使用することが困難であるた
め、大規模な橋脚基礎等に利用することが不可能であっ
た。 【解決手段】杭体15を連続させて地盤4に設置するこ
とにより地下壁体11を構築するに際し、上端を地盤4
の上方に位置させた状態で下端が中間層4bに達する鋼
管、鋼矢板16を地盤4に打設し、鋼管16Aの内側を
掘削し、その下端から下方に向けてさらに地盤4を掘削
し、鋼管16Aの径よりも拡大された径を有して中間層
4bから支持層4cに達する掘削孔19を設け、鋼管1
6Aの内側から掘削孔19にかけて補強材20を配した
後、鋼管16Aの内側と掘削孔19とにコンクリート1
7を打設し、鋼管16Aと鋼矢板16Bとで囲まれる断
面分銅形の内部を掘削し、その中にコンクリート17を
打設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下壁体およびそ
の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水域中に立杭や橋脚の基礎等を構成する
ための大口径の地下壁体とその構築方法が、特願平3−
288974号(特開平5−125891号公報)とし
て先に出願されている。図11はその地下壁体の立断面
図である。
【0003】図において、1は連続した環状の地下壁
体、2は海水、3は海底面、4は海底面3の地盤、4a
は地盤4の上部の軟弱層、4bは軟弱層4aの下方に位
置する中間層(粘土、砂層等)、4cは中間層4bの更
に下方に位置する支持層(土丹、岩盤等)である。この
地下壁体1は、多数の杭体5を水平方向に環状に連設す
ることにより、全体として水平断面略円形に形成されて
いる。杭体5は、少なくとも軟弱層4aよりも下方に達
した上部鋼管杭部5aと、この上部鋼管杭部5aから下
方に延出され下端が支持層4cに達した下部延出部5b
とから構成されている。
【0004】上部鋼管杭部5aは、鋼管6と、その内部
に打設されたコンクリート7とからなる。鋼管6として
は、図12に示すように、断面円形の鋼管6Aと、断面
鼓形の異形鋼管6Bとが用いられている。円形鋼管6A
と異形鋼管6Bは交互に設けられ、鼓形の異形鋼管6B
の凹所に円形鋼管6Aの円弧の一部が嵌合され、それに
より一体性および鋼管6間の止水性が高められている。
各鋼管6は、互いの接点部に沿って上下方向に延在する
鋼管ジョイント9をそれぞれ備え、隣接する鋼管6どう
しが鋼管ジョイント9を相互に係合することにより連結
されている。この鋼管ジョイント9は、鋼管6の上下方
向の相対スライドを許すもので、必要に応じてモルタル
等が充填されることで、各鋼管6間の止水性を確保して
いる。
【0005】下部延出部5bは、上部鋼管杭部5aの下
端から延出したコンクリート7を主体とするもので、図
11に示すように、円形鋼管6Aの下部に位置するもの
だけが、外周に小径鋼管10を有している。小径鋼管1
0は、円形鋼管6Aの内部を通して設置されたものであ
る。
【0006】この地下壁体1を構築する場合、上部鋼管
杭部5aを構成する円形鋼管6Aおよび異形鋼管6B
を、水域中の地下壁体構築位置に交互に環状に設置し、
それらの下端を少なくとも軟弱層4aに到達させるとと
もに、上端部を海面上に突出させて鋼管6により環状の
連続壁8を構成する。ついで、連続壁8を構成している
円形鋼管6A内に小径鋼管10を挿入し、小径鋼管10
の下端の地盤を、円形鋼管6Aおよび小径鋼管10内を
通して掘削しながら、小径鋼管10を押し込み、小径鋼
管10を地盤内に沈めていき、支持層4cの内部まで到
達させる。そして、掘削土砂を排除して、小径鋼管10
内および円形鋼管6A内にコンクリート7を打設する。
次に、異形鋼管6Bの下方の地盤を、小径鋼管10を案
内部材として利用しながら掘削し、掘削土砂を排除した
後、コンクリートを打設する。これにより地下壁体1の
構築を完了する。
【0007】この地下壁体1は、水域中に杭体5を環状
に設置することにより構成されているので、大水深条件
下でも大口径に構築することができる。また、水中部分
を鋼管杭構造としたので、上部鋼管杭部5aとしてあら
かじめ設置した鋼管6をガイドとし、かつ同鋼管6の剛
性を利用しながら、さらにその下側の下部延出部5bの
小径鋼管10を設置することができる。したがって、精
度良くかつ容易に小径鋼管10を沈めていくことがで
き、大水深条件下においても、大規模な立杭または橋脚
基礎を精度良く効率的に構築することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の地下
壁体1を構築する場合、下部延出部5bを構成する小径
鋼管10を、支持層4cに達するまで打設しているが、
打設する鋼管の径を大きくすると、支持層4cにおいて
鋼管に加わる抵抗が増加して径の大きな鋼管の打設が困
難になるため、従来のものよりもさらに大口径の地下壁
体を構築することが不可能であり、結果的に当該地下壁
体1をさらに大規模な橋脚基礎等に利用することが不可
能であった。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、大口径の鋼管を使用して従来よりも大規模な橋
脚基礎等に利用することができる地下壁体を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された地
下壁体は、杭体を連続させて地盤に設置することにより
構築されるものであって、前記杭体は、上端を地盤の上
方に位置させた状態で下端が地盤の中間層に達するまで
打設された管状体の内側と、該管状体の下端から管状体
の径よりも拡大された径を有して支持層に達するまで設
けられた掘削孔とに、コンクリートが打設されてなるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項2に記載された地下壁体は、請求項
1に記載された地下壁体において、隣り合って設置され
た杭体のうち、掘削孔にコンクリートが打設されること
によって形成される部分について、一方に凹部を設ける
とともに他方にそれに係合する凸部とを設けてなること
を特徴とする。
【0012】請求項3に記載された地下壁体の構築方法
は、請求項1または2に記載された地下壁体の構築方法
であって、杭体を地盤に設置するに際し、上端を地盤の
上方に位置させた状態で下端が地盤の中間層に達する管
状体を地盤に打設し、該管状体の内側を掘削し、管状体
の下端から下方に向けてさらに地盤を掘削し、管状体の
径よりも拡大された径を有して中間層から支持層に達す
る掘削孔を設け、管状体の内側と掘削孔とにコンクリー
トを打設することによって杭体を設置することを特徴と
する。
【0013】請求項4に記載された地下壁体の構築方法
は、請求項3に記載された地下壁体の施工方法におい
て、管状体を連続させて地盤に打設し、該管状体につい
てひとつおきに先に杭体を設置し、先に設置された杭体
の間に残された管状体について杭体を設置する際、先に
設置された杭体の掘削孔に打設されたコンクリートの間
に掘削孔を設けることによって先に設置された杭体と後
から設置された杭体とを係合させることを特徴とする。
【0014】請求項5に記載された地下壁体の構築方法
は、請求項3または4に記載された地下壁体の構築方法
において、隣り合う管状体の間に、一対の断面円弧状の
板状体をその凹面を向い合せて地下壁体の両側にそれぞ
れ打設して管状体と連結し、管状体の側面と一対の板状
体の凹面とで仕切られた断面分銅形の区画を掘削し、該
掘削空間にコンクリートを打設することを特徴とする。
【0015】請求項6に記載された地下壁体の構築方法
は、請求項5に記載された地下壁体の構築方法におい
て、断面分銅形の区画を形成する管状体の側面と一対の
板状体の凹面とに突出部を設けておき、該突出部をコン
クリートに埋設させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の地下壁体およびその構築
方法の実施の形態を図1ないし図10に示して説明す
る。図1において、11は連続した環状の地下壁体であ
る。この地下壁体11は、多数の杭体15を水平方向に
環状に連設することにより、全体として水平断面略円形
に形成されている。杭体15は、上端を水位上方に位置
させた状態で下端が中間層4bに達した上部鋼管杭部1
5aと、この上部鋼管杭部15aの下端からさらに下方
に延出され中間層4bから支持層4cに達した下部場所
打杭部15bとから構成されている。
【0017】上部鋼管杭部15aは、鋼管16と、その
内部に打設されたコンクリート17とからなる。鋼管1
6としては、図2(II−II線矢視断面図)に示すよ
うに、断面円形の円形鋼管矢板16Aと、断面円弧形の
弓形鋼矢板16Bとが用いられている。円形鋼管矢板1
6Aと弓形鋼矢板16Bは交互に設けられ、隣り合う円
形鋼管矢板16Aの間に一対の弓形鋼矢板16Bが凹面
どうしを向い合せて固定されている。ここで、隣り合う
円形鋼管矢板16Aどうしの離間距離は自身の直径より
も小さく設定され、この間隙を塞ぐように一対の弓形鋼
矢板16Bが固定されており、隣り合う円形鋼管矢板1
6Aの側面と一対の弓形鋼矢板16Bの凹面とによって
形成された断面分銅形の空間にもコンクリート17が打
設されている。これにより、円形鋼管矢板16Aによっ
て構成された上部鋼管杭部15aと弓形鋼矢板16Bに
よって構成された上部鋼管杭部15bとは互いにラップ
した状態となって一体性および鋼管16、鋼矢板16間
の止水性が高められている。
【0018】さらに、各鋼管16は、互いの当接部に沿
って上下方向に延在する鋼管ジョイント18をそれぞれ
備え、隣接する鋼管16Aと弓形鋼矢板16Bとが鋼管
ジョイント18を相互に係合することにより連結されて
いる。この鋼管ジョイント18は、鋼管、鋼矢板16の
上下方向の相対スライドを許すもので、必要に応じてモ
ルタル等の硬化充填材が充填されて各鋼管、鋼矢板16
間の止水性が確保されている。
【0019】下部場所打杭部15bは、円形鋼管矢板1
6Aの下端から下方に向けて掘削された掘削孔19に打
設されたコンクリート17が主体とされ、その内部には
補強材20が配設されて上部鋼管杭部15aとの結合強
度が高められている。また、下部場所打杭部15bは円
形鋼管矢板16Aの外径よりも拡径されており、隣り合
って重なり合う部分については、図3(III−III
線矢視断面図)に示すように、ひとつおきに円周に沿っ
た凸部Tと断面鼓形の凹部Oとが配置されることによっ
て隣り合う下部場所打杭部15bどうしが互に噛み合わ
されている。
【0020】次に、上記の地下壁体11を、海上にて大
規模な橋脚等の基礎を築造するための地下連続壁として
用いる場合の構築方法を説明する。まず、上部鋼管杭部
15aを構成する鋼管、鋼矢板16を、地盤4に所定の
間隔を空けて環状に設置する。各鋼管、鋼矢板16は、
波や潮位の変動による海面の上昇を考慮して上端を水位
上方に位置させた状態とし、さらに下端が中間層4a
(N値:20ないし30の地点)に達するようにする。
ここで、これら鋼管、鋼矢板16の設置は、円形鋼管矢
板16Aと弓形鋼矢板16bとを順次交互に打設して行
なっても、円形鋼管矢板16Aをすべて打設してから弓
形鋼矢板16Bを打設して行なっても良い。また、その
手順を組み合わせて各部位ごとに行なっても良い。
【0021】隣り合う円形鋼管矢板16Aの側面と一対
の弓形鋼矢板16Bの凹面とによって仕切られた断面分
銅形の区画に残された土砂をエアージェットで切削し、
切削された土砂をエアーリフト等によって排出すること
により地盤を掘削し、断面分銅形の内側を洗浄する。そ
して、必要に応じて断面分銅形の区画に補強鉄筋を配設
してから、コンクリートを打設することによって円形空
鋼管矢板16Aと弓形鋼矢板16Bとを一体化する。
【0022】環状に連設された円形鋼管矢板16Aを、
図4(IV−IV線矢視断面図)に示すように、ひとつ
おきに設置された半数のグループと、それ以外のひとつ
おきに残された半数のグループとに分け、一方のグルー
プを先行グループS、他方を後行グループKとする。
【0023】まず、先行グループSに属する各円形鋼管
矢板16ASについて、その内側に掘削機を入れ、残さ
れた土砂を排出することにより地盤4を掘削し、円形鋼
管矢板16ASの内側の掘削を終えたら、円形鋼管矢板
16ASの下端からさらに下方に向けて地盤4を掘削
し、中間層4bから支持層4cに達する掘削孔19S
形成する。このとき、掘削孔19Sは円形鋼管矢板16
Sの外径よりも拡径されるものとする。なお、円形鋼
管矢板16ASの内側を掘削する掘削機と、円形鋼管矢
板16ASの下方の地盤4を掘削する拡径掘削機とは、
双方を兼用しても良いし、それぞれ専用の掘削機を入れ
替えて使用しても良い。
【0024】円形鋼管矢板16ASの内側および掘削孔
19Sに、鉄筋、鋼管、H鋼材等の補強材20を配設し
てからコンクリート17Sを打設することによって、先
行グループSに属する円形鋼管矢板16ASを含めた上
部鋼管杭部15aSと下部場所打杭部15bSとを構築す
る。
【0025】次に、後行グループKに属する各円形鋼管
矢板16AKについて、先行グループSのものと同じ要
領で円形鋼管矢板16AK内側の地盤の掘削、掘削孔1
Kの形成を行なう。ところで、円形鋼管矢板16AK
下方に位置する地盤4には先行グループSに属する下部
場所打杭部15bSが両側から張り出しているので、掘
削孔19Kはこれらをそのまま残して断面分銅形に形成
する。
【0026】円形鋼管矢板16AKの内側および掘削孔
19Kに、鉄筋、鋼管、H鋼材等の補強材20を配設し
てからコンクリート17Kを打設することによって、後
行グループKに属する円形鋼管矢板16AKを含めた上
部鋼管杭部15aKと下部場所打杭部15bKとを構築す
る。
【0027】なお、掘削孔19Kの掘削には、図5およ
び図6(VI−VI線矢視断面図)に示す掘削機30を
使用する。この掘削機30は、サポート鋼管31によっ
て吊り下げ支持されたフレーム32に、先端に掘削ビッ
ト33を有する掘削アーム34と、水平方向に延在して
両端にそれぞれ車輪35を有するジャッキ36と、同様
に水平方向に延在して両端にそれぞれ押圧板37を有す
るジャッキ38と、掘削された土砂を排除する土砂輸送
ライン39とを備えている。掘削に際しては、両側から
張り出している下部場所打杭部15bSの側面に車輪3
5を当接させて走行させるとともに、押圧板37を掘削
壁面に押し当ててフレーム32を支持するものとし、掘
削機30の移動はサポート鋼管31をその軸方向に移動
させることによって行う。
【0028】上記のような構築方法により施工された地
下壁体11においては、鋼管、鋼矢板16を支持層4c
にまで打設する必要がないため、従来に比べてさらに大
口径の円形鋼管矢板16Aを用いた施工が可能になる。
また、中間層4bまで打設された円形鋼管矢板16Aの
下端から支持層4cに達する掘削孔19を設け、円形鋼
管矢板16Aの内側と掘削孔19とにコンクリート17
を打設することによって杭体15を設置しており、特に
杭体15は、下部場所打杭部15bを上部鋼管杭部15
aよりも拡径するとともに、双方の間に補強材20を配
しているので、固く締まった支持層4cに杭体15が支
持され、安定した地下壁体11を構築することができ
る。したがって、大口径の鋼管を使用して、従来よりも
大規模な橋脚基礎等に利用可能な地下壁体11を構築す
ることができる。
【0029】杭体15のうち、上部鋼管杭部15aは、
円形鋼管矢板16Aと弓形鋼矢板16Bとが鋼管ジョイ
ント18によって連結されるとともに、円形鋼管矢板1
6Aと弓形鋼矢板16Bとによって形成された断面分銅
形の空間に打設されたコンクリート17によって杭体1
5どうしが互いにラップした状態となって一体化されて
いる。また、下部場所打杭部15bは、図4に示すよう
に、先行グループSに属する断面円形の下部場所打杭部
15bSと後行グループKに属する断面分銅形の下部場
所打杭部15bKとがひとつおきに設置されてお互いに
噛み合うことによって隣接する下部場所打杭部15bど
うしが一体化されている。詳しくは、橋脚等の基礎とな
る杭体15に横荷重やモーメントが作用した場合には、
下部場所打杭部15bSと下部場所打杭部15bKとの間
に互いに押し合う力、すなわち軸力が生まれ、この軸力
によって下部場所打杭部15bSと下部場所打杭部15
Kとが一体化しているかのごとく挙動するものであ
る。したがって上部鋼管杭部15a、下部場所打杭部1
5bがそれぞれ高い剛性を備え、かつ双方の間には補強
材20を配しているので、地下壁体11全体に高い剛性
を与えることができる。
【0030】本実施の形態に加えて、上部鋼管杭部15
aの一体化をさらに強めるための手段として、図7およ
び図8に示すように断面分銅形の空間を形成する円形鋼
管矢板16Aの側面と弓形鋼矢板16Bの凹面とに複数
のジベル(突出部)40を立設しておき、このジベル4
0をコンクリート17に埋設させることによって、円形
鋼管矢板16Aおよび弓形鋼矢板16Bとコンクリート
17との結合強度を高めることも可能である。また、図
9に示すように、ジベル40に代えて円形鋼管矢板16
Aおよび弓形鋼矢板16Bの長さ方向に沿って立設する
リブ41を設け、さらにこのリブ41の上縁にフランジ
42を設けることによって、弓形鋼矢板16Bとコンク
リート17との結合強度を高めかつ弓形鋼矢板16Bの
曲げ強度をも高めることも可能である。
【0031】ところで、円形鋼管矢板16Aの内側面に
も同様のジベルやリブを立設し、円形鋼管矢板16Aの
内側に打設されるコンクリート17との結合強度を高め
ることも可能である。この場合には、円形鋼管矢板16
Aの打設と地盤の掘削とを同時に進め、ジベルやリブが
鋼管打設の支障にならないようにすることが肝心であ
る。
【0032】なお、本実施の形態においては、先に設置
された下部場所打杭部15bSを断面円形として残し、
後から設置される下部場所打杭部15bKを断面分銅形
として双方を噛み合わせたが、先に設置された下部場所
打杭部15bSの張り出し部分を、掘削孔19Kの掘削時
に地盤とともに切除することによって下部場所打杭部1
5bSを断面分銅形とし、後から設置される下部場所打
杭部15bKを断面円形として双方を噛み合わせても構
わない。
【0033】また、本実施の形態においては管状の地下
壁体11を構築したが、本発明における地下壁体は、管
状に限らず、例えば図10に示すように矩形として構築
し、ビルの基礎とすることも可能である。特に本発明に
おける地下壁体は、曲げ強度が高いために超高層ビルの
基礎として有効である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた地下壁体によれば、管状体を中間層に達するまでの
長さとし、支持層までは打設されないので、大口径の管
状体を用いることが可能となる。また、杭体は、中間層
まで打設された管状体の下端から支持層に達する掘削孔
を設け、管状体の内側と掘削孔とにコンクリートを打設
することによって設置されているので、固く締まった支
持層に杭体を支持させて安定させることができる。した
がって、大口径の鋼管を使用して従来よりも大規模な橋
脚基礎等に利用することができる。
【0035】請求項2に記載された地下壁体によれば、
杭体どうしを係合させることによって、地下壁体に横荷
重やモーメントが働いた場合に、係合した杭体どうしが
一体化されるので、地下壁体全体として高い剛性を確保
することができる。
【0036】請求項3に記載された地下壁体の構築方法
によれば、支持層まで管状体を打設しないので、大口径
の管状体を用いることが可能となる。また、中間層まで
打設された管状体の下端から支持層に達する掘削孔を設
け、管状体の内側と掘削孔とにコンクリートを打設する
ので、固く締まった支持層にまで杭体を設置することが
できる。
【0037】請求項4に記載された地下壁体の構築方法
によれば、隣り合う杭体の中間層から支持層に達する部
分をそれぞれ断面円形と断面分銅形に形成し、お互いに
噛み合わせることによって、地下壁体に横荷重やモーメ
ントが働いた場合に杭体どうしを一体化し、地下壁体全
体としての剛性を高めることができる。
【0038】請求項5に記載された地下壁体の構築方法
によれば、隣り合う管状体どうしを一対の断面円弧状の
板状体で連結するとともに、隣り合う管状体の側面と一
対の板状体の凹面とで仕切られた断面分銅形の空間にコ
ンクリートを打設することによって各杭体どうしの連結
強度を高めることができる。
【0039】請求項6に記載された地下壁体の構築方法
によれば、管状体の側面と一対の板状体の凹面とに設け
られた突出部を、断面分銅形の空間に打設されるコンク
リートに埋設することによって、管状体および板状体と
コンクリートとの結合強度を高め、これによって杭体ど
うしの連結強度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下壁体の構築方法の実施の形態
による地下壁体を地盤とともに示す側方断面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図3】図1におけるIII−III線矢視断面図であ
る。
【図4】図1におけるIV−IV線矢視断面図である。
【図5】掘削機とともに断面分銅形の地盤掘削の様子を
示す側方断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線矢視断面図である。
【図7】上部鋼管杭部の一体化を強めるための手段の例
を示す横断面図である。
【図8】図7における弓形鋼矢板の側面図である。
【図9】上部鋼管杭部の一体化を強めるための手段のそ
の他の例を示す横断面図である。
【図10】本発明に係る地下壁体の構築方法によって平
面視矩形の地下連続壁を構築した場合の平面図である。
【図11】従来の地下壁体の一例を示す側方断面図であ
る。
【図12】図11におけるXII−XII線矢視断面図
である。
【符号の説明】
4 地盤 4b 中間層 4c 支持層 11 地下壁体 15 杭体 15a 上部鋼管杭部 15b 下部場所打杭部 16 鋼管、鋼矢板 17 コンクリート 18 鋼管ジョイント 19 掘削孔 20 補強材 O 凹部 T 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 久 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 今井 實 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 清水 一都 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 下村 幸寛 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 松田 賢二 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 尾上 篤生 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 久保 裕之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 篠田 善朗 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 長谷川 誠 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 赤尾 嘉彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 清水 良彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 石崎 秀武 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭体を連続させて地盤に設置することに
    より構築される地下壁体であって、 前記杭体は、上端を地盤の上方に位置させた状態で下端
    が地盤の中間層に達するまで打設された管状体の内側
    と、該管状体の下端から管状体の径よりも拡大された径
    を有して支持層に達するまで設けられた掘削孔とに、コ
    ンクリートが打設されてなることを特徴とする地下壁
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された地下壁体におい
    て、 隣り合って設置された杭体のうち、掘削孔にコンクリー
    トが打設されることによって形成される部分について、
    一方に凹部を設けるとともに他方にそれに係合する凸部
    とを設けてなることを特徴とする地下壁体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載された地下壁体
    の構築方法であって、杭体を地盤に設置するに際し、上
    端を地盤の上方に位置させた状態で下端が地盤の中間層
    に達する管状体を地盤に打設し、 該管状体の内側を掘削し、 管状体の下端から下方に向けてさらに地盤を掘削し、管
    状体の径よりも拡大された径を有して中間層から支持層
    に達する掘削孔を設け、 管状体の内側と掘削孔とにコンクリートを打設すること
    によって杭体を設置することを特徴とする地下壁体の構
    築方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された地下壁体の構築方
    法において、 管状体を連続させて地盤に打設し、 該管状体についてひとつおきに先に杭体を設置し、 先に設置された杭体の間に残された管状体について杭体
    を設置する際、先に設置された杭体の掘削孔に打設され
    たコンクリートの間に掘削孔を設けることによって先に
    設置された杭体と後から設置された杭体とを係合させる
    ことを特徴とする地下壁体の構築方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載された地下壁体
    の構築方法において、 隣り合う管状体の間に、一対の断面円弧状の板状体をそ
    の凹面を向い合せて地下壁体の両側にそれぞれ打設して
    管状体と連結し、 隣り合う管状体の側面と一対の板状体の凹面とで仕切ら
    れた断面分銅形の区画を掘削し、 該掘削空間にコンクリートを打設することを特徴とする
    地下壁体の構築方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された地下壁体の構築方
    法において、 断面分銅形の区画を形成する管状体の側面と一対の板状
    体の凹面とに突出部を設けておき、該突出部をコンクリ
    ートに埋設させることを特徴とする地下壁体の構築方
    法。
JP6688496A 1996-03-22 1996-03-22 地下壁体およびその構築方法 Pending JPH09256356A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102425156A (zh) * 2011-09-08 2012-04-25 广东省基础工程公司 变截面地下连续墙及其施工方法
JP2016536488A (ja) * 2014-08-29 2016-11-24 サムボ シー・エム・シー・カンパニー・リミテッド 海底地盤の掘削工法

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