JPH09256341A - 埋設型枠及びその施工法 - Google Patents

埋設型枠及びその施工法

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JPH09256341A
JPH09256341A JP8708696A JP8708696A JPH09256341A JP H09256341 A JPH09256341 A JP H09256341A JP 8708696 A JP8708696 A JP 8708696A JP 8708696 A JP8708696 A JP 8708696A JP H09256341 A JPH09256341 A JP H09256341A
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JP
Japan
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sheet pile
formwork
embedded
steel sheet
receiving frame
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JP8708696A
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English (en)
Inventor
Akihiro Kirino
秋弘 桐野
Koji Nakanishi
孝司 中西
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OZAWA CONCRETE KOGYO KK
T&D Corp
Original Assignee
OZAWA CONCRETE KOGYO KK
T&D Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配筋の手間を省くと共に、工期を著しく短縮
な埋設型枠を安価に提供し、また、この埋設型枠を用い
た壁体の施工法を提供する。 【解決手段】 型枠本体3の前面側に形成した表面部2
と、型枠本体3の内部に埋設状に配設した内部鉄筋4及
び型枠本体3の背面側に延出して上記内部鉄筋4と一体
的に構成される構造用鉄筋5と、型枠本体3の下縁に位
置して、壁状に列設した鋼管矢板61の形状に対応する
半円形の矢板嵌入部71を有すると共に鋼管矢板61の
前面との間に形成される間隙の下端を閉塞する下枠とし
て機能する受枠部7とを備える埋設型枠1を、壁状に列
設した鋼管矢板61の前面側に臨ませて矢板嵌入部に嵌
合させ、構造用鉄筋5と鋼管矢板61とを接合部材81
によって連結して支保工となし、受枠部71をコンクリ
ート打設空間の下枠とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋設型枠及びその
施工法に関し、特に岸壁や河川等の護岸工事、擁壁工事
等に好適な埋設型枠及びその施工法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、岸壁や河川等の護岸工事
においては、鋼矢板を地盤に打ち込んで止水及び土止め
を行っている。しかしながら、鋼矢板が露出した状態の
ままでは体裁が悪い。特に、都市部の河川において水辺
の小段や天端を遊歩道や公園等として利用する場合に
は、景観のよい護岸が要求されている。そこで、列設し
た鋼矢板をコンクリートで被覆した被覆護岸が構成さ
れ、被覆時に化粧用の型枠を用いることにより表面に化
粧模様を形成することが行われている。また、コンクリ
ート面に化粧板を取り付けるなどして化粧処理を施す場
合もある。更に、鋼矢板に特殊なブラケットを設け、こ
のブラケットを利用して列設した鋼矢板に化粧板を取り
付けるようにしたものも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼矢板
をコンクリートで被覆するために、施工現場において型
枠を組み立ててコンクリートを打設し、養生後に型枠を
脱型することは、非常に手間が掛かる作業であって工期
が長引く原因になっている。特に、コンクリート打設空
間の下側を閉塞する下枠の形成作業は水面下で行うた
め、非常に困難な作業であるばかりでなく、潜水作業員
や水中溶接機等、特殊な機材及び技術が必要であり、コ
スト高を招いている。そして、上記潜水作業を必要とす
る下枠を含めて型枠の組立及び脱型は、化粧用の型枠を
利用する場合も必要な煩雑で厄介な作業である。一方、
特殊なブラケットを利用して化粧板を取り付ける場合
は、コストが上昇すると共に、鋼矢板の打込に精度が要
求されている。しかも、施工現場で鉄筋を配筋するの
は、面倒であると共に作業空間を確保し難い厄介な作業
である。本発明は上記に鑑み提案されたもので、型枠の
組立、脱型及び配筋の手間を省くと共に、工期を著しく
短縮可能な埋設型枠を安価に提供し、また、この埋設型
枠を用いた壁体の施工法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した発明は、製造工場においてコン
クリートを打設して生産する埋設型枠であって、型枠本
体の前面側に形成した表面部と、型枠本体の内部に埋設
状に配設した内部鉄筋及び型枠本体の背面側に延出する
構造用鉄筋と、型枠本体の下縁に位置して、壁状に列設
する鋼矢板の形状に対応する矢板嵌入部が形成され、鋼
矢板の前面との間に形成される間隙の下端を閉塞する受
枠部と、を備えてなり、壁状に列設した鋼矢板を矢板嵌
入部に嵌合させて当該鋼矢板の前面側に臨ませると共
に、上記型枠本体と鋼矢板とを接合手段によって連結し
て支保工をなし、上記受枠部をコンクリート打設空間の
下枠とするようにした埋設型枠である。請求項2に記載
した発明は、表面部に化粧を施して化粧部を形成した埋
設型枠である。請求項3に記載した発明は、構造用鉄筋
を内部鉄筋と一体的に構成して型枠本体の背面側に露出
させた埋設型枠である。請求項4に記載した発明は、製
造工場においてコンクリートを打設して生産され、型枠
本体の前面側に形成した表面部と、型枠本体の内部に埋
設状に配設した内部鉄筋及び型枠本体の背面側に延出す
る構造用鉄筋と、型枠本体の下縁に位置して、壁状に列
設する鋼矢板の形状に対応する矢板嵌入部が形成され、
鋼矢板の前面との間に形成される間隙の下端を閉塞する
受枠部と、を備える埋設型枠を、壁状に列設した鋼矢板
を矢板嵌入部に嵌合させて当該鋼矢板の前面側に臨ま
せ、上記型枠本体と鋼矢板とを接合手段によって連結し
て支保工をなし、上記受枠部をコンクリート打設空間の
下枠とすると共に、当該埋設型枠と鋼矢板とで囲まれる
空間にコンクリートを打設して養生させることにより、
壁体を構築する埋設型枠の施工法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した一実施の
形態について説明する。図1は、本発明に係る埋設型枠
の正面図、図2は施工状態の端面図、図3は一部を欠截
した側面図、図4は一部を欠截した平面図、図5は背面
図、図6は施工状態の平面図、図7は背面側から見た斜
視図、図8は受枠部を示す底面側から見た斜視図であ
る。
【0006】本発明に係る埋設型枠1は、製造工場にお
いて予め生産されるコンクリート製品であり、型枠本体
3の前面側に形成した表面部2と、型枠本体3の内部に
埋設状に配設した内部鉄筋4及び型枠本体3の背面側に
延出して上記内部鉄筋4と一体的に構成される構造用鉄
筋5と、型枠本体3の下縁に位置して、壁状に列設した
鋼矢板6の形状に対応する矢板嵌入部71を有すると共
に鋼矢板6の前面との間に形成される間隙の下端を閉塞
する下枠として機能する受枠部7とを備えている。
【0007】また、本発明に係る埋設型枠1は、製造時
に、内面側に凹凸状の装飾模様を形成した枠材を用いる
ことにより、型枠本体3の表面部2に、例えば石積み模
様等を模した化粧部21を形成することができ、化粧付
の埋設型枠1とすることができる。
【0008】一方、型枠本体3を形成するための枠材の
内部空間には内部鉄筋4を配設する。この内部鉄筋4
は、型枠本体3内を縦方向に走る下端筋41及び格子状
に配設したメッシュ筋42、或は上記下端筋41と後述
する上端筋43とを斜めに連結する山形のラチス筋4
4、並びに上記下端筋41と上端筋43とラチス筋44
とが構成するトラス筋等を総称する。尚、上記上端筋4
3やラチス筋44或はトラス筋は、後工程で打設するコ
ンクリートとの定着を良くするための付着筋或はアンカ
ー筋として作用する。また、これらの鉄筋は、埋設型枠
1を吊り込む時にクレーンワイヤーを引っ掛ける吊り金
具として利用したり、支保工や構造用鉄筋を形成するフ
ックを係止させるをベース金具として機能する利用価値
の高いものである。
【0009】そして、上記内部鉄筋4には構造用鉄筋5
を連接し、型枠本体3の背面側へ当該構造用鉄筋5を延
出させる。この構造用鉄筋5は、前記した下端筋41か
ら延出する曲げ筋45,46、或はこの曲げ筋45に添
設したL型鉄筋52、並びに後述する対向する他の埋設
型枠から延出する曲げ筋と当該埋設型枠1の曲げ筋46
とを定着するための添え材51等、コンクリート躯体の
構造断面内に埋設される鉄筋を総称する。
【0010】上記構造用鉄筋5は、一部を枠体内に埋設
してもよいし、型枠本体3の背面側に露出させてもよ
い。また、この構造用鉄筋5は、工場で配筋しておいて
もよいし、施工現場において配筋してもよい。施工現場
において配筋する場合であっても、型枠を設置する前に
充分な作業スペースのあるところで配筋作業を行うこと
ができるので、作業が容易で且つスピーディーに完了す
る。尚、各鉄筋の定着接合には溶接等、適宜な手段を利
用する。
【0011】型枠本体3の下縁部分には、打設するコン
クリートの下枠として機能する受枠部7を形成する。こ
の受枠部7は、図示の実施の形態においては、所定形状
の鋼板と形鋼とで構成して、型枠本体3の下縁部分に固
定状に取り付けている。この受枠部7の取付作業は、施
工現場で行ってもよいし、工場で予め行っておいてもよ
い。
【0012】受枠部7には、鋼矢板6の形状に対応する
矢板嵌入部71を形成する。即ち、図面に示す実施の形
態では、鋼管矢板61を用いているので、半円形の矢板
嵌入部71が形成してある。更に詳しく説明すると、受
枠部7は、各鋼管矢板61に対応するように、鋼管矢板
61の直径より若干幅広な鋼板材の一側に、鋼管矢板6
1の半径とほゞ同じ大きさの半円形の切欠部を形成した
受枠部材72と、該受枠部材72の下面側に配設する支
持部材73と、複数の受枠部材72を型枠本体3とほゞ
同じ長さに連結する継手部材74とからなる。上記継手
部材74は、例えば、山形鋼からなり、隣接する受枠部
材72の継目に位置し、溶接等の結合手段によって隣接
する受枠部材72を結合すると共に補強している。ま
た、支持部材73は、型枠本体3の長手方向に沿う長尺
な溝形鋼からなる。
【0013】上記のような受枠部7は、予め型枠本体3
の下面に雌ネジ部材31をインサートしておき、支持部
材73の取付孔に通したボルト32を上記雌ネジ部材3
1に螺合させて当該支持部材73を型枠本体3に対して
固定する。また、この支持部材73に、矢板嵌入部71
を形成した受枠部材72を溶接したり、或はネジ止め等
の止着手段によって取り付ける。
【0014】本発明における受枠部7の取付作業は、施
工現場における現場作業としてもよいし、製造工場にお
ける製造工程の一部としてもよい。また、長尺な支持部
材73を鋼板からなる受枠部材72を挟み込むようにし
て、受枠部材72を型枠本体3に固定するようにしても
よい。更に、支持部材73として山形鋼を利用してもよ
く、この場合には当該支持部材73を、型枠本体3の側
面に取り付けるようにする。
【0015】上記した実施の形態では、打設するコンク
リートの下枠として機能する受枠部7を、鋼材による後
付け部材として構成しているが、本発明における受枠部
7はコンクリートで構成することもできる。即ち、所望
の形状の受枠部7をコンクリートで成形して取り付けて
もよいし、型枠本体3と一体にL字型に成形してもよ
い。何れにしても、コンクリートの打設、養生、或は脱
型等は、生産工場において一貫して行う。従って、安定
したコンクリート製品を安価に提供可能である。
【0016】また、上記した受枠部7を合成樹脂により
成形して取り付けることもできる。そして、受枠部7を
どのような材質で構成する場合であっても、生産工場或
は施工現場の地上において容易に作業することができ、
後述するように下枠を構築するための水中作業が不要に
なる。
【0017】一方、型枠本体3の背面側には接合手段を
構成する接合部材81の受部82を設けておく。即ち、
図示の実施の形態では、上接合部材81aと中接合部材
81bと下接合部材81cとを配置して支保工を構成し
ているので、上受部82aと中受部82bと下受部82
cとを設けている。そして、各受部82は、各々所定の
向きで止着した短尺な溝形鋼によって形成してある。
【0018】上受部82aは溝形鋼を横向きに設けてな
り、この側面に上接合部材81aが斜めに結合されて、
埋設型枠1の所定位置を保持する。
【0019】中受部82bは溝形鋼を下向きに設けてな
り、この下面に中接合部材81bが当接して埋設型枠1
の高さ位置を決定する。即ち、鋼管矢板61の所定の高
さに水平方向に配置した中接合部材81bの上面に、中
受部82bの下面を載置することにより、埋設型枠1の
鉛直方向の位置決めを行うのである。
【0020】下受部82cは溝形鋼を横向きに設けてな
り、この側面に下接合部材81cが斜めに結合されて、
埋設型枠1の所定位置を保持する。尚、下接合部材81
cは、この下受部82cに予め回動可能に軸着されてお
り、この下接合部材81cの先端側を鋼管矢板61に先
ず固定することにより、埋設型枠1の位置を保持するよ
うになっている。また、この下接合部材81cを予め下
受部82cに軸着しておけば、埋設型枠1を吊り下げた
後、作業空間がなくなって、取付作業が困難になること
もない。しかも、下接合部材81cの先端の位置を実際
の止着点よりも上昇させているので、この先端を固定す
る際に、水面下に潜って作業する必要がなくなる。従っ
て、潜水作業員や水中溶接機等の特殊機材や特殊技術が
不要で、一般作業員による通常の溶接等によって固定可
能である。
【0021】上記のようにして埋設型枠1を鋼管矢板6
1の前面側に固定すると、受枠部7がコンクリート打設
空間の下端部分を閉塞する。即ち、矢板嵌入部71に鋼
管矢板61が嵌入して、埋設型枠1と壁状に列設した鋼
管矢板61との間の空間の下端が閉塞される。
【0022】このため、本発明によれば、従来のように
コンクリート打設空間の下枠を形成するために水中に潜
って行っていた潜水作業が一切不要となり、コストの著
しい削減が可能となる。
【0023】上記のような構成を有する本発明に係る埋
設型枠1は、例えば幅約5.2m、高さ約2.5m、厚
さ約12cm程度のものであり、これをクレーンで吊り
下げながら施工する。尚、各埋設型枠1の連結には、型
枠本体3の端部に延設した定着用鉄筋47を互いに溶接
して行う。また、表面部2に化粧を施す場合の化粧部2
1の厚さは、約3.5cm程度である。
【0024】次ぎに、本発明による施工法を説明する。
先ず、施工現場に、鋼矢板6を壁状に打ち込み、打ち込
んだ鋼矢板6の上端付近の所定の高さに、例えば溝形鋼
からなる腹起こし91を設けて側面の通りを調整する。
また、壁状に列設した鋼矢板6の内側、即ち護岸の場合
には陸側に、砂利、砕石、土砂等を充填してズリを形成
する。尚、図示の実施の形態では、円筒形の鋼管矢板6
1を示しているが、π形等、他の形状の鋼矢板6であっ
てもよい。
【0025】上記腹起こし91の上面に、例えば溝形鋼
からなる中接合部材81bを水平に配置する。この中接
合部材81bは、前記したように、埋設型枠1の高さの
基準となる。尚、上記腹起こし91はタイロッド96で
緊張してある。
【0026】そして、埋設型枠1を壁状に列設した鋼管
矢板61の前面側に吊り下げて当該埋設型枠1の下縁部
分に設けた受枠部7を鋼管矢板61に臨ませ、半円形の
矢板嵌入部71を鋼管矢板61の外周面に合わせて嵌合
させると共に、所定の高さに吊り込む。このとき、前記
したように、所定の高さに固定した中接合部材81bの
上面に中受部82bを載置すればよい。尚、型枠本体3
の上縁には、吊り下げ金具33を埋め込んでおく。
【0027】埋設型枠1の位置が決ったら当該埋設型枠
1を接合手段によって支保工する。即ち、先ず、回動可
能な下接合部材81cを鋼管矢板61の側面に溶接等の
固定手段によって固定する。この場合、下接合部材81
cの基端が既に埋設型枠1に止着されているので、自由
端側を固定すればよく、作業が極めて簡単となり、一旦
位置が決定すれば、以後の作業も極めて能率的となる。
【0028】次いで、上接合部材81aを鋼管矢板61
に結合する。そして、これらの作業は、前記したように
全て水面上で可能であって水中作業は一切不要である。
【0029】このように、3点の接合部材81a,81
b,81cによって支保工を構成すれば、上接合部材8
1a及び下接合部材81cが斜材として機能するので、
埋設型枠1に側圧が加わっても、前傾や後傾を起こすこ
とがない。
【0030】また、図示の実施の形態では、受枠部7の
先端付近、換言すると張り出し量の大きなところを、中
接合部材81bからロッド92によって吊っている。こ
のようにすれば、下枠として機能する受枠部7の先端部
分がコンクリートの打設時に、下がることもない。
【0031】更に、構造用鉄筋5を適宜に配設する。即
ち、型枠本体3から延出する曲げ筋45,46等を躯体
の鉄筋とする。尚、図示の実施の形態では、上記曲げ筋
46を後述する対向位置の埋設型枠1aから延出する曲
げ筋46aに添え材51を介して連結している。
【0032】そして、上記のようにして形成した受枠部
7を底部とすると共に埋設型枠1と鋼管矢板61とで囲
まれる空間に、コンクリートを打設して養生させるので
ある。
【0033】一方、図面に示す施工例では、鋼管矢板6
1の背面側にも埋設型枠を設けている。この埋設型枠
も、本発明に係る埋設型枠1を適用してもよい。即ち、
前記した実施の形態による埋設型枠1の化粧部21を省
略したものを利用すればよい。換言すると、本発明に係
る埋設型枠1は、化粧部21がなくてもよいのである。
しかし、図面に示す施工例では、この背面側の埋設型枠
1は、陸側に位置するため、受枠部7も不要である。そ
こで、受枠部7を省略した埋設型枠1aを用いている。
【0034】即ち、背面側の埋設型枠1aは、型枠本体
3内に埋設状に配設された内部鉄筋4aと、この内部鉄
筋4aに曲げ筋46aとして一体的に構成された構造用
鉄筋5aとを備えている。そして、この埋設型枠1aを
所定の位置に吊込んで、当該陸地側の埋設型枠1aから
延出する構造用鉄筋5aと前記した水面側に配置した化
粧付の埋設型枠1から延出する構造用鉄筋5としての曲
げ筋46とをほゞ水平に延ばした状態で添え材51を介
して結合する。また、水面側の化粧付の埋設型枠1及び
陸側の埋設型枠1aの上端筋43,43a或は両埋設型
枠に設ける係止部に夫々係止させたフックロッド95を
ターンバックル93で緊張させる。更に、鋼管矢板61
の側面に設けたフック94,94aを水面側の化粧付の
埋設型枠1及び陸側の埋設型枠1aの上端筋43或は係
止部に夫々係止させる。尚、埋設型枠1aの下縁側の曲
げ筋45aにはL型鉄筋52aが添設されている。そし
て、上記各鉄筋或はロッド等を構造用鉄筋として作用さ
せる。
【0035】上記のようにして鋼管矢板61の前後を埋
設型枠1,1aで囲むと共に水面側の下端を受枠部7に
より閉塞すれば、水中に下枠を形成する必要がなくな
り、コンクリートを打設する空間を極めて容易に形成す
ることができる。
【0036】そして、水面側に位置する底部を閉塞した
化粧付の埋設型枠1と鋼管矢板61との間の空間、及び
水面側の埋設型枠1と陸地側の埋設型枠1aとの間の空
間にコンクリートを打設して護岸の立上り部を形成す
る。
【0037】上記のような本発明に係る施工法によって
施工する護岸によれば、下枠を形成する水中作業を伴う
ことなく極めて容易に型枠を構成することができる。ま
た、立ち上がり部分の前面側に化粧部21を有する埋設
型枠1が位置して景観のよい護岸を構築することができ
る。しかも、型枠材として合板等を使用しないので、南
洋材等の木材資源を消費することがなく、自然環境の保
護にも有効である。
【0038】以上本発明を図面の実施の形態について説
明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しな
い限り適宜に実施できる。例えば、図示の実施の形態で
は護岸工事について説明したが、本発明は護岸工事ばか
りではなく、土止め工事等にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、型枠本体
が埋設状の内部鉄筋を備え、この型枠本体の前面側に表
面部を設けると共に、背面側に上記内部鉄筋に連絡する
構造用鉄筋を設けた埋設型枠を製造工場において一貫生
産できるので、品質の安定した埋設型枠を安価に提供可
能である。また、本発明による埋設型枠は、下枠として
機能する受枠部を備えているので、施工現場における厄
介な下枠の構築が不要となる。特に、護岸工事の場合に
は、下枠を構築するための潜水作業が不要となるので、
通常の機材及び作業員により容易に作業可能であってコ
ストの上昇を抑制できる。しかも、埋設型枠であるの
で、施工現場における型枠の構築及び撤去が不要で手間
の削減及び工期の短縮が可能であると共に、木材を消費
することがなく自然環境の保護にも寄与することができ
る。また、前面側に化粧部を設けることができるので、
この埋設型枠を並設したときに、景観のよい壁体を容易
に構築可能である。更に、背面側に構造鉄筋を備えてい
るので、施工現場における配筋作業が不要となり、しか
も支保工が容易になる。従って、本発明は、現場におけ
る作業工数を著しく低減することができ、コストの削減
と工期の短縮が可能で、均一な品質を保った信頼性の優
れた埋設型枠を提供する実用的価値が極めて高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る埋設型枠の一例の正面図である。
【図2】本発明に係る埋設型枠の施工状態の端面図であ
る。
【図3】本発明に係る埋設型枠の一部を欠截した側面図
である。
【図4】本発明に係る埋設型枠の一部を欠截した平面図
である。
【図5】本発明に係る埋設型枠の配筋状態を示す背面図
である。
【図6】本発明に係る埋設型枠の施工状態を示す平面図
である。
【図7】本発明に係る埋設型枠を背面側から見た斜視図
である。
【図8】本発明に係る埋設型枠の受枠部を示す底面側か
ら見た斜視図である。
【符号の説明】 1 埋設型枠 2 表面部 3 型枠本体 4 内部鉄筋 5 構造用鉄筋 6 鋼矢板 7 受枠部 21 化粧部 71 矢板嵌入部 81 接合部材 82 受部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造工場においてコンクリートを打設し
    て生産する埋設型枠であって、 型枠本体の前面側に形成した表面部と、型枠本体の内部
    に埋設状に配設した内部鉄筋及び型枠本体の背面側に延
    出する構造用鉄筋と、型枠本体の下縁に位置して、壁状
    に列設する鋼矢板の形状に対応する矢板嵌入部が形成さ
    れ、鋼矢板の前面との間に形成される間隙の下端を閉塞
    する受枠部と、を備えてなり、 壁状に列設した鋼矢板を矢板嵌入部に嵌合させて当該鋼
    矢板の前面側に臨ませると共に、上記型枠本体と鋼矢板
    とを接合手段によって連結して支保工をなし、上記受枠
    部をコンクリート打設空間の下枠とするようにしたこと
    を特徴とする埋設型枠。
  2. 【請求項2】 表面部に化粧を施して化粧部を形成した
    請求項1に記載の埋設型枠。
  3. 【請求項3】 構造用鉄筋を内部鉄筋と一体的に構成し
    て型枠本体の背面側に露出させた請求項1または請求項
    2に記載の埋設型枠。
  4. 【請求項4】 製造工場においてコンクリートを打設し
    て生産され、型枠本体の前面側に形成した表面部と、型
    枠本体の内部に埋設状に配設した内部鉄筋及び型枠本体
    の背面側に延出する構造用鉄筋と、型枠本体の下縁に位
    置して、壁状に列設する鋼矢板の形状に対応する矢板嵌
    入部が形成され、鋼矢板の前面との間に形成される間隙
    の下端を閉塞する受枠部と、を備える埋設型枠を、 壁状に列設した鋼矢板を矢板嵌入部に嵌合させて当該鋼
    矢板の前面側に臨ませ、 上記型枠本体と鋼矢板とを接合手段によって連結して支
    保工をなし、 上記受枠部をコンクリート打設空間の下枠とすると共
    に、当該埋設型枠と鋼矢板とで囲まれる空間にコンクリ
    ートを打設して養生させることにより、壁体を構築する
    ことを特徴とする埋設型枠の施工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020007736A (ja) * 2018-07-04 2020-01-16 株式会社大本組 セパレータの接続具と接続構造

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