JPH09256260A - 刺繍ミシン - Google Patents

刺繍ミシン

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Publication number
JPH09256260A
JPH09256260A JP9629196A JP9629196A JPH09256260A JP H09256260 A JPH09256260 A JP H09256260A JP 9629196 A JP9629196 A JP 9629196A JP 9629196 A JP9629196 A JP 9629196A JP H09256260 A JPH09256260 A JP H09256260A
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JP
Japan
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embroidery
sewing machine
head
needle
needles
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Application number
JP9629196A
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English (en)
Inventor
Hisato Sakakibara
久人 榊原
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Barudan Co Ltd
Original Assignee
Barudan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刺繍ミシンを大形化させることなく、刺繍加
工のみならずプリント加工をも施し、さらに、刺繍加工
とプリント加工とを高精度に切り換えて、精度の高いプ
リント加工を可能とする刺繍ミシンを提供することであ
る。 【解決手段】 刺繍ミシン1は、刺繍ヘッド9に少なく
とも2本の針4が間隔をおいて設けられるとともに、該
針4を同時に移動させることにより、針4から選択され
る1本の針4を縫製位置に選択的に配置する色換機構1
9が設けられたものであって、針4のうちの少なくとも
1本に代えて、着色材料を加工布13に付着させるプリ
ントヘッド8を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工布に、刺繍加
工のみならずプリント加工をも施すための刺繍ミシンに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加工布に刺繍加工とインクのプリ
ント加工とを施す刺繍ミシンとしては、特開平5−27
2086号公報に記載されたものがある。この刺繍ミシ
ン80では、図12及び図13に示すように、テーブル
81の上方にフレーム82が水平に設けられ、該フレー
ム82の前面に三つの刺繍ヘッド83が配設され、該フ
レーム82の後面には、各刺繍ヘッド83と各々対応す
る位置にインクヘッド84が配設されている。また、テ
ーブル81には、上面がテーブル81と面一になったベ
ッド86が組み込まれ、該テーブル81及びベッド86
の直上には一枚の物の加工布87が展張された刺繍枠8
5が設けられている。そして、刺繍加工時には、刺繍ヘ
ッド83の下方で柄データに基づき刺繍枠85が駆動さ
れ、刺繍ヘッド83により刺繍加工が施される。また、
プリント加工時には、インクヘッド84の下方で柄デー
タに基づき刺繍枠85が駆動され、インクヘッド84に
よりプリント加工が施されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記刺繍ミ
シン80は、刺繍ヘッドとは別にインクヘッドを設けて
いたため、刺繍ヘッドのみ備えた刺繍ミシンと比較し
て、枠駆動機構による刺繍枠の可動範囲を広くする必要
があり、刺繍ミシンが大形化してしまうという欠点があ
った。
【0004】また、筒形の加工布に対して刺繍加工する
には、該加工布の加工部を刺繍枠に展張して残部を垂れ
下げる必要があるため、前記テーブルを切り欠くととも
に、前記ベッドを筒形にして加工布の内部に入り込める
ようにしなければならない。このため、刺繍枠及び加工
布の可動範囲は、筒形の加工布とこれに入り込んだ筒形
のベッドとが干渉しない範囲に制限される。従って、上
記刺繍ミシン80のように、刺繍ヘッドの後方にインク
ヘッドを設けた場合には、筒形ベッドを刺繍ヘッドの下
方からインクヘッドの下方にまで長く設ける必要があ
り、実現困難であった。
【0005】そこで、本発明の目的は、刺繍ミシンを大
形化させることなく、刺繍加工のみならずプリント加工
をも施し、さらに、刺繍加工とプリント加工とを高精度
に切り換えて、精度の高いプリント加工を可能とする刺
繍ミシンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の刺繍ミシンは、刺繍ヘッドに少なくとも
2本の針が間隔をおいて設けられるとともに、前記針を
同時に移動させることにより、前記針から選択される1
本の針を縫製位置に選択的に配置する色換機構が設けら
れた刺繍ミシンにおいて、前記針のうちの少なくとも1
本に代えて、着色材料を加工布に付着させるプリントヘ
ッドを設けた。
【0007】また、請求項2の刺繍ミシンは、刺繍ヘッ
ドに少なくとも2本の針が間隔をおいて設けられるとと
もに、前記針を同時に移動させることにより、前記針か
ら選択される1本の針を縫製位置に選択的に配置する色
換機構が設けられた刺繍ミシンにおいて、前記針のうち
の最側端にある針の側方位置であって、且つ前記針の移
動軌跡の延長上位置に、着色材料を加工布に付着させる
プリントヘッドを設けた。
【0008】上記のように構成した刺繍ミシンにおいて
は、次のような作用がある。すなわち、前記色換機構
は、もともと高精度で針の位置決めするように厳密に管
理されている。従って、プリントヘッドを色換機構の針
に代えて設けた場合も、色換機構の最側端にある針の側
方位置であって、且つ前記針の移動軌跡の延長上位置に
設けた場合も、それだけでプリントヘッドの位置制御が
高精度になされる。
【0009】ここで、少なくとも2本の針の配列の態様
としては、円弧上に間隔をおいて配列しているものや、
直線上に間隔をおいて配列しているもの等がある。色換
機構の駆動手段としては、モータ、ロータリソレノイ
ド、流体シリンダ等を例示できる。
【0010】また、複数の刺繍ヘッドを設けた場合に
は、該刺繍ヘッドの各色換機構どうしを駆動力伝達手段
を介して連結することができる。この駆動力伝達手段と
してはロッド等を採用できる。
【0011】プリントヘッドは、高精度でプリント加工
するために、プリント加工時に加工布に十分接近する一
方、刺繍加工時に刺繍枠に干渉しないように加工布から
離れて退避するように構成することが好ましい。この構
成態様としては、以下のものを例示することができる。 (1)加工布にインクを噴射するインク噴射機構を備え
た可動ヘッドをプリントヘッドの下部に設け、該可動ヘ
ッドがプリントヘッドに内蔵された上下駆動機構によっ
て上下に駆動される態様。 (2)プリントヘッド自体が刺繍ヘッドに設けられた針
の上下駆動機構を利用して上下駆動される態様。
【0012】プリントヘッドの種類は、特に限定され
ず、インク・ジェット方式(圧電素子の変形力又は加熱
されたインクの発泡圧力によって、インクを噴射して加
工布に当て、ドットの集まりとして文字、図形、記号等
を描くもの)や、熱転写方式を例示できる。着色材料の
種類はプリントヘッドの種類によって異なり、特に限定
されないが、インク・ジェット方式の場合は、染料イン
ク、顔料インク等を例示でき、熱転写方式の場合は、ワ
ックス等の結合材を含む染料インク、顔料インク等をフ
ィルム等に塗布してなる溶融転写シートを例示できる。
【0013】着色材料による加工布の着色方法として
は、目的とする色の着色材料のみを付着させる方法や、
シアン、マゼンタ、イエローの三色を組み合わせて付着
させることで種々の色を表わす減法混色法を例示するこ
とができる。後者の場合、前記三色にブラックを加え、
黒色の部分については、該ブラックを使用することによ
り、より鮮やかさがでるようにすることが好ましい。
【0014】なお、本発明において「加工布」とは、繊
維製の布に限定されるものではなく、天然・合成皮革及
び樹脂シートをも含む広い概念である。
【0015】
【発明の実施の形態】
《第一実施形態》以下、本発明を実施した2頭式の多針
刺繍ミシンの形態例について、図1〜図8を参照して説
明する。図1に示すように、多針刺繍ミシン1は、テー
ブル12上に連設された2つの刺繍ヘッド9A,9B
と、該刺繍ヘッド9A,9Bの下方において、テーブル
12上に載置された刺繍枠7と、テーブル12の右側に
おいて、刺繍又はプリント加工する図形データ、刺繍ミ
シン1の動作指示等を入力するためのコントローラ10
と、該コントローラ10への入力を解析し、刺繍ミシン
1の刺繍動作を制御するドライバーユニット11とを備
えている。
【0016】図2及び図3に示すように、各刺繍ヘッド
9は、色換機構19を備え、該色換機構19において
は、エプロン16が前面に止着された縫針装置44の前
面周縁部に、7つの針棒案内穴55が円弧状に所定の間
隔をおいて設けられ、最多で7本の針棒2を挿着するこ
とができるようになっている。いま、最も右の針棒案内
穴55を除く六本の針棒案内穴55には針棒2が挿着さ
れ、該針棒2には針止め3により針4が止着され、各々
の針4には、挿通孔5を備えた布押え6が設けられてい
る。また、最も右の針棒案内穴55には、針棒2に代え
て、加工布13に染料インクを噴射するインクジェット
方式のプリントヘッド8が止着されており、該プリント
ヘッド8には、刺繍ヘッド9から電源及び制御信号がケ
ーブル14により送られるようになっている。
【0017】色換機構19によって、刺繍加工時には、
上下駆動されるべき針4が刺繍ヘッド9の正面中央に逐
次来るように円弧移動され、刺繍データに基づいてX−
Y方向に駆動される刺繍枠7と連動して針4を上下駆動
し刺繍加工する。図2に二点鎖線で示すように、プリン
ト加工時には、プリントヘッド8が刺繍ヘッド9の正面
中央に円弧移動され、プリントデータに基づきX−Y方
向に駆動される刺繍枠7と連動しプリント加工するよう
になっている。
【0018】色換機構19の詳細について説明すると、
図1及び図3に示すように、右側の刺繍ヘッド9Aには
色換機構19とその駆動手段とが組み込まれており、左
側の刺繍ヘッド9Bには色換機構19のみが組み込まれ
ている。そして、両刺繍ヘッド9A,9Bの各色換機構
19どうしは駆動力伝達手段としての2本のロッド4
0,41で連結されており、同時に切換動作を行なうよ
うになっている。
【0019】刺繍ミシン1では、所定の針4又はプリン
トヘッド8が選択されて、刺繍加工又はプリント加工を
行なっている間は、ロックレバー46の掛止突起46a
は回転円盤45の凹部45aに嵌合状態となっており、
駆動軸42に回転自在に軸支された回転円盤45は回転
が阻止されたロック状態となっている。
【0020】そして、針4又はプリントヘッド8を切り
換える場合には、まず、刺繍ヘッド本体50にネジ止め
されたロータリソレノイド49が作動し、連結レバー5
1及びリンクプレート52を介してロックレバー46を
スプリング48の付勢力に抗して回動させ、回転円盤4
5のロック状態を解除する。この状態のときに、モータ
(図示略)を駆動し、伝達部材(図示略)を介して回転
円盤45を回動させる。この回転円盤45の回動ととも
に縫針装置44も同時に回動する。
【0021】回転円盤45を適宜回動させ、所望の針4
又はプリントヘッド8を選択した後は、ロータリソレノ
イド49への通電を停止する。これにより、ロックレバ
ー46は上記と逆方向に回動し、掛止突起46aが凹部
45aに嵌合して回転円盤45は再度ロック状態にな
る。
【0022】こうして、複数の針4又はプリントヘッド
8のうちの所望のものを選択して切り換えを行なう。ま
た、ロックレバー46にロッドクランプ47を介して連
結されているロッド41と色換レバー53にロッドクラ
ンプ54を介して連結されているロッド40とにより、
左側の刺繍ヘッド9Bは、同時に同様の針4又はプリン
トヘッド8が選択されて、切換動作が行なわれる。
【0023】上記色換機構19においては、針4を縫製
位置に高精度で位置決めするように、針棒案内穴55の
間隔は、1/100mmオーダの高精度で厳密に管理さ
れている。従って、該針棒案内穴55の一つに針4が止
着された針棒2に代えてプリントヘッド8を止着してい
るため、プリントヘッド8の位置決めは高精度になされ
る。
【0024】プリントヘッド8について説明すると、図
2に示すように、下端部に可動ヘッド15を備え、該可
動ヘッド15は上下駆動機構(図示略)によって、刺繍
加工時には上昇して退避し、プリント加工時には図2に
二点鎖線で示すように下降して加工布13に接近するよ
うになっている。可動ヘッド15には、シアン、マゼン
タ、イエローの三色のインク(染料インク又は顔料イン
ク)をそれぞれ充填した三つのカートリッジ(図示略)
と、各カートリッジから供給されるインクを加工布13
に対してドットマトリクス状に噴射する三つのインク噴
射機構17とを備えている。
【0025】各インク噴射機構17C,17M,17Y
は、図4に示すように、2〜1024個(例示であっ
て、これに限定されるものではない)から選ばれる所定
数(同図では図示簡略化のため下限に近い4つで表して
いる)の各ノズル18C,18M,18Yが平行三列に
配されている。各ノズル18C,18M,18Yは、そ
れぞれシアン、マゼンタ及びイエローのインクを噴射す
るようになっており、これら三色による減法混色法によ
って加工布13に種々の色でプリント加工するようにな
っている。
【0026】この実施形態における刺繍データ及びプリ
ントデータの作成方法は、図5に示すような手順で進行
する。
【0027】(1)図形データの入力(ステップS3
5) 刺繍加工又はプリント加工する図形の輪郭データを、コ
ントローラ10に入力する。
【0028】(2)各図形データに対する属性データ入
力(ステップS36) 刺繍加工する各図形に対して、その属性データとして、
針及びステッチの指定を入力する。また、プリント加工
する各図形に対しては、その属性データとして、色及び
模様の指定を入力し、さらにそれが下地模様かどうかを
入力する。
【0029】(3)刺繍データ、プリントデータの作成
(ステップS37) コントローラ10への上記入力は、ドライバーユニット
11に渡され、該ドライバーユニット11は、刺繍加工
の指定がされた図形に対しては、その輪郭データ及びス
テッチより、公知方法によって一針データを作成する。
また、プリント加工の指定がされた図形に対しては、そ
の輪郭データ、色及び模様より、インク噴射機構17の
プリント解像度に合わせたドットの集まりによって表わ
したビットマップ形式に変換する。そして、このビット
マップ形式のデータをY方向にノズル数分のドット幅を
持つ帯状のデータに分割することによって刺繍枠の水平
移動毎のプリントデータを作成する。
【0030】刺繍ミシン1は、このように作成された刺
繍データ及びプリントデータに基づいて、まず下地プリ
ント加工し、続いて刺繍加工し、最後に残りのプリント
加工を行なう。
【0031】次に、加工布13にプリント加工する場合
のインク噴射機構17の作動の細部について説明する
と、図6は、右方向に移動される刺繍枠上に展張された
加工布13にインク噴射機構17がインクを噴射する様
子を〜に時系列的に示したものであり、に二点鎖
線で示す略長方形範囲27をシアン、マゼンタ、イエロ
ーを一定の割合で混合した一色でプリント加工する場合
を示す。
【0032】まず、に示すように、左側のインク噴射
機構17Cが略長方形範囲27の右端の位置となるよう
に、刺繍枠7を移動する。そして、この位置で左側のイ
ンク噴射機構17Cによりシアン・インクを噴射する
と、直線状にシアン・インクがプリント加工される(左
下がりのハッチング)。
【0033】次に、左側のインク噴射機構17Cにより
インクを噴射しながら刺繍枠を右方向に移動して行き、
に示すように、中央のインク噴射機構17Mが略長方
形範囲27の右端の位置となると、中央のインク噴射機
構17Mによってもマゼンタ・インクが噴射され、左側
のインク噴射機構17Cによりプリント加工されたシア
ン・インクに重ねられ、混合され、又は、分散されてマ
ゼンタ・インクがプリント加工される(右下がりのハッ
チング)。
【0034】以上と同様にして、右側のインク噴射機構
17Yによってもイエロー・インクが噴射され(水平の
ハッチング)、に示すように、三色のインクが重ねら
れ、混合され、又は、分散されて所望の色がプリント加
工されてゆく。
【0035】さらに刺繍枠が右方向に移動され、左側の
インク噴射機構17Cが略長方形範囲27の左端に到達
すると、左側のインク噴射機構17Cによるシアン・イ
ンクの噴射が停止される。そして、に示すように、他
のインク噴射機構17M,17Yも同様にしてインクの
噴射が停止され、一連のプリント加工動作が完了する。
なお、刺繍枠を左方向に移動させてプリント加工するこ
ともでき、これは上記の右方向に移動させる場合を左右
対称にしたものであるため説明を省略する。
【0036】このように、刺繍枠をX方向に水平移動さ
せる毎に、インク噴射機構17によって、Y方向にノズ
ル数分のドット幅を持つ帯状のプリント加工をすること
ができる。従って、刺繍枠をY方向に該ドット幅毎にず
らしながら、この水平移動を繰り返して所望の図形を加
工布13にプリント加工する。例えば、塗り潰された円
をプリント加工する場合には、インク噴射機構17は、
加工布13の上で図7に示す軌跡を描くようになってい
る。
【0037】次に、本実施形態の刺繍ミシン1が、実際
に刺繍加工及びプリント加工する場合の一連の作動を、
加工布13に図8に示す柄を施す場合を例にとって説明
する。図8の柄は、略正方形の下地プリント柄20と、
該下地プリント柄20の一部に設けられた花形の刺繍柄
21,22とよりなり、刺繍柄21の中央には円形のプ
リント柄24が設けられている。
【0038】まず、下地プリント柄20のプリント加工
であるが、図2に示すように、プリントヘッド8が刺繍
ヘッド9の正面中央に移動され、プリントヘッド8の可
動ヘッド15が下降されて、インク噴射機構17が加工
布13の上に位置される。そして、プリントデータに基
づき刺繍枠7がX−Y方向に駆動され、それと同期して
インク噴射機構17によりインクが噴射されることによ
り、下地プリント柄20がプリント加工される。プリン
ト加工が終了すると、可動ヘッド15が元の位置まで上
昇される。
【0039】次に、刺繍柄21,22の刺繍加工である
が、図2に示すように、刺繍データで指定された針4が
刺繍ヘッド9の正面中央に移動される。そして、刺繍柄
21,22の刺繍データに基づいて刺繍枠7がX−Y方
向に駆動され、それと同期して針4が上下駆動されるこ
とにより、刺繍柄21,22が順次加工される。
【0040】刺繍柄21の中央に施されたプリント柄2
4は、刺繍柄21の刺繍糸に対してプリント加工するこ
とにより、刺繍糸を色付けしたものであり、上記下地プ
リント柄20のプリント加工と同様に行なう。
【0041】このように構成された本実施形態の刺繍ミ
シン1によれば、針4が止着された針棒2に代え、針棒
案内穴55にプリントヘッド8を止着することにより、
刺繍加工時の縫製位置において、プリント加工時にイン
クを噴射するようにし、縫製位置とインク噴射位置とを
一致させている。このため、刺繍加工時とプリント加工
時との刺繍枠7の駆動範囲を一致させることができる。
従って、刺繍加工専用の刺繍ミシンと同様の刺繍枠7の
駆動範囲で、刺繍加工とプリント加工とを行なうことが
できる。
【0042】また、本刺繍ミシン1の各インク噴射機構
17は複数のノズル18を備え、ノズル数分のドット幅
のプリント加工を一度に行なえるため、刺繍枠7の移動
が少なく、高速にプリント加工を行なうことができる。
【0043】また、本刺繍ミシン1は、プリント加工機
能を併せ持つため、刺繍加工とプリント加工とを加工布
13の張り替えなしに行なえる。そして、既存の色換機
構19の移動範囲を広げることなく、そのまま利用する
ことにより、刺繍加工とプリント加工とを高精度に切り
換えているため、刺繍柄とプリント柄とが組み合わされ
た柄を、これら相互の柄位置が狂うことなく柄データ通
りに正確に作成することができる。
【0044】さらに、刺繍柄をプリント加工によって色
付けすることもできるため、刺繍ミシンが備える針数以
上の多色を使用した絵柄の刺繍を容易に実現することが
できる。従って、刺繍ヘッドが2針式であっても、一方
の針によって白色の糸で刺繍を施し、この刺繍の上から
他方の針に代えて止着したプリントヘッドによってプリ
ント加工を施すことにより、擬似的に多針式の刺繍ミシ
ンと同様の多色の刺繍を行なうことができる。
【0045】《第二実施形態》次に、図9は、本発明を
具体化した第二実施形態の刺繍ミシン28を示し、次の
点においてのみ、第一実施形態と相違している。従っ
て、第一実施形態と同様の部分については、図9に示す
ように、同一の番号を伏して重複説明を避ける。
【0046】刺繍ミシン28の刺繍ヘッド29には、針
駆動機構(図示略)により上下駆動される五本の針棒
(図示略)が、直線状に所定の間隔をおいて設けられて
いる。該針棒には針止め3により針4が止着され、各々
の針4には挿通孔5を備えた布押え6が設けられてい
る。また、最も右の針4の右側位置であって、且つ該針
4の移動軌跡の延長上位置に、プリントヘッド30が設
けられている。そして、刺繍加工時には上下駆動される
べき針4が刺繍ヘッド29の正面中央に逐次来るように
直線移動され、図9に二点鎖線で示すように、プリント
加工時にはプリントヘッド8が刺繍ヘッド29の正面中
央に直線移動されるようになっている。
【0047】この刺繍ミシン28によれば、次の点を除
き、第一実施形態同様の効果を得ることができる。 (1)上記位置に設けられたプリントヘッド30が刺繍
ヘッド29の正面中央に移動できるように、既存の色換
機構の移動範囲を少し広げている。 (2)既存の針に代えるのではなく、追加的にプリント
ヘッドを設けたため、刺繍加工とプリント加工とを同時
に行なう場合にも使用可能な針数は減らない。
【0048】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しな
い範囲で適宜変更して具体化することもできる。 (1)ノズル18の数を増減させること。 (2)図10に示すように、可動ヘッド32の底面に各
インク噴射機構17を一直線状に配置すること。
【0049】(3)図11(a)に示すように、可動ヘ
ッド33の底面に三つのノズル18を近接して配設し、
各ノズル18をシアン、マゼンタ、イエローのインク用
に用いて、図11(b)に破線で示すように、各ノズル
18からインクが一点に向けて噴射するようにするこ
と。こうすると、プリントデータの1ドット分の加工が
同時に行なえるため、各ノズル18からのインク噴射先
の位置を別々にした場合と比較して刺繍枠の移動を少な
くすることができる。
【0050】さらに、プリント加工が一点ずつなされる
ため、刺繍加工用の一針データを用いて刺繍枠を駆動し
てプリント加工することもできる。特に、線描き模様の
プリント加工をする場合は、直接線描き模様をなぞるよ
うに(例えば、曲線であれば曲線)、刺繍枠が移動され
るため、図5に示す方法により作成されたプリントデー
タを用いて全行を順になぞるように移動する場合と比較
して、刺繍枠の移動が少なく、高速にプリント加工をす
ることができる。
【0051】(4)ノズルをX方向に直線状に配設した
インク噴射機構とし、刺繍枠をY方向に移動させながら
ノズルからインクを噴射すること。 (5)ノズルを加工布面と垂直方向の軸を中心に回転可
能とし、柄の形状に応じて刺繍枠の移動が最も小さくな
るようにノズルの角度を回転させて、刺繍枠を駆動する
こと。例えば、45度回転させて描かれた直線をプリン
ト加工する場合には、ノズルを45度回転させ、刺繍枠
を45度方向に駆動することによって行なう。
【0052】(6)縫製位置と、プリントヘッドのイン
ク噴射位置との間にずれを設けること。 (7)プリントヘッドに可動ヘッドを設けず、プリント
ヘッド自体が針駆動機構を利用して上下駆動されるよう
にすること。 (8)第一実施形態において、第二実施形態と同様に、
針棒案内穴を刺繍ヘッドの正面に直線状に一定間隔をお
いて設け、刺繍加工時には上下駆動されるべき針が刺繍
ヘッドの正面中央に逐次来るように直線移動され、プリ
ント加工時にはプリントヘッドが刺繍ヘッドの正面中央
に直線移動されるようにすること。 (9)第二実施形態において、第一実施形態と同様に、
針及びプリントヘッドを刺繍ヘッドの正面に円弧状に一
定間隔をおいて設け、刺繍加工時には上下駆動されるべ
き針が刺繍ヘッドの正面中央に逐次来るように円弧移動
され、プリント加工時にはプリントヘッドが刺繍ヘッド
の正面中央に円弧移動されるようにすること。
【0053】
【発明の効果】本発明の刺繍ミシンは、上記の通り構成
されているので、請求項1及び請求項2のいずれの発明
によっても次のような優れた効果を奏する。
【0054】(1)加工布に対する刺繍加工時の縫製位
置とプリント加工時のインク噴射位置とを一致させ、刺
繍加工時とプリント加工時との刺繍枠の駆動範囲を一致
させるようにし、もって、刺繍ミシンを大形化させるこ
となく、刺繍加工のみならずプリント加工をも施すこと
ができる。
【0055】(2)新しく専用の切換機構を設けること
なく、既存の色換機構をそのまま(又は移動範囲を少し
広げて)利用することにより、刺繍加工とプリント加工
とを高精度に切り換え、もって、精度の高いプリント加
工をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態の刺繍ミシン
の概略構成を示す全体斜視図である。
【図2】同刺繍ミシンの要部を示す斜視図である。
【図3】同刺繍ミシンの色換機構を示す要部横断面図で
ある。
【図4】同刺繍ミシンのプリントヘッドの底面図であ
る。
【図5】同刺繍ミシンの刺繍データ及びプリントデータ
の作成方法を示すフローチャートである。
【図6】同刺繍ミシンのプリント加工時におけるインク
噴射機構の作動の一例を示す平面図である。
【図7】同インク噴射機構の作動の別例を示す平面図で
ある。
【図8】同刺繍ミシンにより施された柄を示す平面図で
ある。
【図9】本発明を具体化した第ニ実施形態の刺繍ミシン
の要部を示す斜視図である。
【図10】本発明を具体化した第一又は第二実施形態の
刺繍ミシンのプリントヘッドの変更例の底面図である。
【図11】(a)は同刺繍ミシンのプリントヘッドの別
の変更例の底面図、(b)は該プリントヘッドからの染
料の噴射の様子を示す説明図である。
【図12】従来例の刺繍ミシンの平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図であ
る。
【符号の説明】
1 刺繍ミシン 4 針 8 プリントヘッド 9 刺繍ヘッド 13 加工布 19 色換機構 28 刺繍ミシン 29 刺繍ヘッド 30 プリントヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍ヘッドに少なくとも2本の針が間隔
    をおいて設けられるとともに、前記針を同時に移動させ
    ることにより、前記針から選択される1本の針を縫製位
    置に選択的に配置する色換機構が設けられた刺繍ミシン
    において、 前記針のうちの少なくとも1本に代えて、着色材料を加
    工布に付着させるプリントヘッドを設けたことを特徴と
    する刺繍ミシン。
  2. 【請求項2】 刺繍ヘッドに少なくとも2本の針が間隔
    をおいて設けられるとともに、前記針を同時に移動させ
    ることにより、前記針から選択される1本の針を縫製位
    置に選択的に配置する色換機構が設けられた刺繍ミシン
    において、 前記針のうちの最側端にある針の側方位置であって、且
    つ前記針の移動軌跡の延長上位置に、着色材料を加工布
    に付着させるプリントヘッドを設けたことを特徴とする
    刺繍ミシン。
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