WO2005100663A1

WO2005100663A1 - プリント機能付き刺繍ミシン

Info

Publication number: WO2005100663A1
Application number: PCT/JP2005/001109
Authority: WO
Inventors: Masakazu Kuki; Hiroshi Kitazawa
Original assignee: Brother Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2004-03-30
Filing date: 2005-01-27
Publication date: 2005-10-27
Also published as: US7715939B2; JP2007236398A; US20080011212A1

Abstract

　本発明は、ベッド部（１０）と脚柱部（１１）とアーム部（１２）とを有し縫製手段（９９）により加工布（Ｗ）に縫製可能なミシン本体（２）と、縫製に供する加工布（Ｗ）を保持する布保持枠（３）と、この布保持枠（３）を水平面において相互に直交する２方向へ独立に移動させる枠駆動装置（４）と、前記布保持枠（３）に保持された加工布（Ｗ）にプリントするプリントヘッド（６１）を有するインクジェット式のプリンタ（５）とを備えたプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、前記枠駆動装置（４）は、前記布保持枠（３）を前記ベッド部（１０）の長さ方向と平行な第１方向へ移動させる第１駆動機構（４５）と、前記布保持枠（３）を第１方向と直交する第２方向へ移動させる第２駆動機構（３０）とを有し、前記プリンタ（５）のプリントヘッド（６１）は、複数のインクジェットノズル（６１ｂ）を前記第１方向と平行に配列したノズル列（６１ｃ～６１ｆ）を有して構成されていると共に、前記プリンタ（５）は、前記第２駆動機構（３０）により前記布保持枠（３）を第２方向へ移動させながら加工布（Ｗ）にプリントすることにより、プリント可能領域Ｋを増大させるように構成したプリント機能付き刺繍ミシン（１）である。

Description

明細書

プリント機能付き刺繍ミシン

技術分野

[0001] この発明は、インクジェット式のプリント装置によって加工布に対してプリント可能なプリント機能付き刺繍ミシンに関する。

背景技術

[0002] 従来より、刺繍ミシンは、ミシン本体、加工布を伸張して保持する布保持枠、この布保持枠を水平面において相互に直交する 2方向へ独立に移動させる枠駆動装置などを備えて構成されている。前記ミシン本体のアーム部には、針棒を上下動させる針棒上下駆動機構が設けられている。また、ミシン本体のベッド部には、各種の糸輪捕捉器が設けられている。また、家庭用ミシンの分野にあっても、ミシン本体のベッド部に、枠駆動装置が組込まれた家庭用刺繍ミシンが実用化されてレ、る。

ところで、近年、刺繍ミシンにプリンタの機能を付加し、加工布に対する刺繍と共に、プリントを施すことを可能とすることが考えられている。このものは、枠駆動装置に連結された布保持枠に保持された加工布の上面近傍に、インクジェット式のプリントへッドを配置し、前記枠駆動装置により布保持枠を水平方向へ移動させながら、プリントヘッドにより種々の模様や図形などを前記加工布に直接プリントするという構成である。

[0003] 例えば日本国特開平 9—256260号公報には、次のような刺繍ミシンが開示されている（特に、第 3頁一第 4頁、図 2及び図 3参照）。この刺繍ミシンは、 2台の刺繍ミシンを備えた多頭ミシンである。各刺繍ミシンの色換機構には複数の針棒と 1つのプリントヘッドが設けられている。そして、針棒を選択すると共に、刺繍データを入力すると、これに伴い縫針が駆動し、更に矩形状の刺繍枠が X— Y方向に移動される。これにより所望の刺繍模様を縫製できる。そして、プリントヘッドを選択することで、入力されたプリントデータに基づいて刺繍枠が X— Y方向に移動され、これによりシアン、マゼンタ、イェローからなるカラープリントを行えるように構成されている。具体的には、プリンタを行うにあたっては、刺繍枠 (加工布）を X方向に片道ずつ往復移動させながら、その移動に同期してプリントヘッドからインクを噴出させ、 1プリント行（片道）分のプリントが行われると刺繍枠 (加工布）を Y方向に 1プリント行だけ送ることが、繰り返されるようになつている。

特許文献 1：特開平 09 - 256260号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 上記日本国特開平 9-256260号公報に記載された刺繍ミシンには、前記刺繍枠を X (左右)方向に往復駆動する X方向駆動機構、及び Y (前後)方向に往復駆動する Y方向駆動機構が夫々設けられている。各機構は、夫々 X方向駆動モータ及び Y 方向駆動モータを駆動源としており、これらには一般的に駆動制御が簡単なステツピングモータが採用されている。このステッピングモータを脱調させないように往復回転駆動させる場合、駆動方向の切替時に、回転速度が変化する加減速状態を設ける必要がある。このため、上記構成のプリンタでは、この加減速状態に対応した加減速領域においてはプリントが乱れてしまうことになる。これに対処するためには、ステツピングモータの加減速領域では、プリンタによる加工布に対するプリントを行わないようにすることが必要となる。

[0005] ところが、このようにステッピングモータの加減速領域でプリントを行わないようにすると、その分、プリント可能領域が小さくなつてしまう問題が生ずる。し力、しながら、上記従来の刺繍ミシンでは、そのようなステッピングモータの加減速領域に起因するプリント可能領域の減少に対して、何ら考慮されることはなく、工夫等が施されていなかつた。特に、家庭用の刺繍ミシンの場合は、縫針と、脚柱部との間の距離、つまりべッド部の長さ方向と平行な方向の距離に制約があり、プリント可能領域が大幅に小さくなる虞がある。

従って、本発明の目的は、プリント可能領域を十分に確保することができるプリント機能付き刺繍ミシンを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明のプリント機能付き刺繍ミシンは、ベッド部と脚柱部とアーム部とを有し縫製手段により加工布に縫製可能なミシン本体と、縫製に供する加工布を保持する布保持枠と、この布保持枠を水平面において相互に直交する 2方向へ独立に移動させる枠駆動装置と、前記布保持枠に保持された加工布にプリントするプリントヘッドを有するインクジェット式のプリンタとを備えたプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、前記枠駆動装置は、前記布保持枠を前記ベッド部の長さ方向と平行な第 1方向へ移動させる第 1駆動機構と、前記布保持枠を第 1方向と直交する第 2方向へ移動させる第 2 駆動機構とを有し、前記プリンタのプリントヘッドは、複数のインクジェットノズルを前記第 1方向と平行に配歹 1Jしたノズル列を有して構成されていると共に、前記プリンタは、前記第 2駆動機構により前記布保持枠を第 2方向へ移動させながら加工布にプリントするように構成されてレ、ることを特徴とする。

また、上記の場合、前記第 2駆動機構はステッピングモータを駆動源として構成され、前記加工布に対するプリント時に、前記ステッピングモータの回転速度が変化する加減速領域が、前記布保持枠内うちの前記第 2方向の両端部に来るように設定され、前記プリンタは前記加減速領域を除く領域においてプリントを実行するように構成するとよい。

[0007] このような構成によれば、布保持枠の第 1方向に関しては、脚注部の存在より移動可能距離に制限があるが、布保持枠の第 2方向への移動可能距離を第 1方向に比ベて大きくとることができる。布保持枠の形状についても、第 2方向に長さ寸法を、第 1方向に比べて十分に大きくすることが可能である。そして、プリンタは、布保持枠の長手方向である第 2方向に移動させながら加工布にプリントを行うので、布保持枠の第 2方向両端部に、プリントが実行できない加減速領域が設定されるとしても、第 1方向に移動させながらプリントを行う場合と比べて、第 2方向に関するプリント可能領域を大きく確保することができる。しかも、プリント方向を長手方向とし、短い方向が布送り方向となるので、ステッピングモータの駆動方向の切替回数も少なく済ませることができ、この点でも全体としての加減速領域を小さくする、言い換えればプリント可能領域を大きくすることが可能となる。

発明の効果

[0008] 以上のように、本発明のプリント機能付き刺繍ミシンによれば、布保持枠内のプリント可能領域を十分に確保することができるようになる。図面の簡単な説明

[0009] [図 1]図 1は、本発明の実施例に係るプリント機能付き刺繍ミシンの正面図である。

[図 2]図 2は、本発明の実施例に係るプリント機能付き刺繍ミシンの側面図である。

[図 3]図 3は、本発明の実施例に係るプリント機能付き刺繍ミシンの平面図である。

[図 4]図 4は、布保持枠の平面図である。

[図 5]図 5は、布保持枠を装着したときの X方向駆動機構と Y方向駆動機構の平面図である。

[図 6]図 6は、パージユニットが退避位置のときのプリンタの要部横断平面図である。

[図 7]図 7は、ヘッド面の底面図である。

[図 8]図 8は、プリントヘッドが退避位置のときのプリンタの要部縦断正面図である。

[図 9]図 9は、プリントヘッドがプリント位置のときの図 8相当図である。

[図 10]図 10は、パージユニットがパージ位置のときのプリンタの要部横断平面図である。

[図 11]図 11は、プリント機能付き刺繍ミシンの制御系のブロック図である。

符号の説明

[0010] 1はプリント機能付き刺繍ミシン、 2はミシン本体、 3は布保持枠、 4は枠駆動装置、 5 はプリンタ、 10はベッド部、 11は脚柱部、 12はアーム部、 30は Y方向駆動機構（第 2 駆動機構）、 45は X方向駆動機構 (第 1駆動機構）、 61はプリントヘッド、 61Bはインクジェットノズル、 61c— 61fはノズル歹 lj、 63はパージユニット（パージ機構）、 80はへッドキャップ（キャップ機構）、 99は縫製手段、 Wは加工布、 Jは加減速領域である。発明を実施するための最良の形態

[0011] 本発明をより詳細に説述するために、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。

図 1一図 3に示すように、本実施例に係るプリント機能付き刺繍ミシン 1は、加工布 W (図 8参照）を縫製することが可能なミシン本体 2を有している。このミシン本体 2には、枠駆動装置 4が取付けられており、この枠駆動装置 4には前記加工布 Wを保持する矩形枠状の布保持枠 3が着脱可能に装着されている。詳しくは後述するが、前記枠駆動装置 4は、図 3に示すように、布保持枠 3ひいては加工布 Wを、ベッド部 10 の長さ方向と平行な第 1方向である X方向（左右方向）と、それとは直交する第 2方向である Y方向（前後方向）とに独立して移動させるためのものである。また、これも後述するように、ミシン本体 2には、前記加工布 Wにプリント可能なインクジェット式のプリンタ 5がー体的に設けられている。

[0012] 次に、ミシン本体 2について説明する。図 1一図 3に示すように、ミシン本体 2は、ベッド部 10と、ベッド部 10の右端部から上方に立設する脚柱部 11と、脚柱部 11の上端部からベッド部 10と対向するように左方へ延びるアーム部 12となどを有してレ、る。脚柱部 11及びアーム部 12には、ミシンモータ 93 (図 11参照）の駆動力を主軸（図示せず）に伝達する駆動力伝達機構（図示せず）が設けられている。アーム部 12の頭部（図 1中、アーム部 12の左部分）内には、針棒 13を上下動させる針棒上下動機構（図示せず）、上糸を引き上げる天秤（図示せず)を駆動する天秤駆動機構（図示せず）、布押え（図示せず）を操作レバー 14の操作で昇降させる押え駆動機構（図示せず）などが設けられている。これらは、一般的な公知の技術であるため、その詳細な説明を省略する。

[0013] ベッド部 10には、縫針 15の上下動と同期して縫目を形成する糸輪捕捉器（図示せず）と、ミシンモータ 93からの回転駆動力を前記糸輪捕捉器に伝達する下軸となどを有している。また、縫製終了時に上糸及び下糸を切断する糸切り機構（図示せず)などが設けられている。ベッド部 10に形成された被装着部（図示せず）に、後述する枠駆動装置 4の装着部 25a (図 3参照）が連結されている。この場合、前記被装着部には、図 1に示すように、枠駆動装置 4の装着部 25aに設けられた雄型コネクタ 27に接続可能な雌型コネクタ 16が設けられている。なお、縫製手段 99は、針棒 13、縫針 15 、ミシンモータ 93、針棒上下動機構、糸輪捕捉器等から構成されている。

[0014] 次に、刺繍縫いに供する加工布を保持する布保持枠 3について説明する。

図 3、図 4に示すように、布保持枠 3は平面視にて略矩形枠状（略楕円系）に形成されており、図 4に示すように、 Y方向の長さ寸法力 ¾方向の長さよりも長尺に形成されている。この布保持枠 3は、図 4に示すように、左側外枠部 20aと右側外枠部 20bとからなる外枠 20と、この外枠 20に内嵌される内枠 21とを有している。左側外枠部 20a には、止めネジ 20cを有する止めネジ部と、ネジ受け部 20dと、前記枠駆動装置 4に着脱可能に連結される連結部 20e (連結部 20eについては後述する）とが設けられている。右側外枠部 20bには、止めネジ 20fを有する止めネジ部と、ネジ受け部 20gとが設けられている。布保持枠 3により加工布 Wを保持する場合には、まず左右の外枠部 20a、 20bの止めネジ 20c、 20fを緩める。そして、外枠 20の全体に加工布 Wを載置してセットする。その後、加工布 Wを挟み込むように内枠 21を外枠 20に上側から押し込むように内嵌させ、加工布 Wが伸張した状態で止めネジ 20c、 20fを締め付けるようにする。

[0015] ここで、前述の連結部 20eについて説明する。図 4に示すように、連結部 20eは、布保持枠 3の左側外枠部 20aと平行に所定の長さを有する構成となっている。この連結部 20eには、第 1及び第 2位置決め凹部 20h、 20iが夫々形成されている。第 1位置決め凹部 20hを、枠駆動装置 4の連結レバー 41の位置決め凸部 41 a (夫々後述する )に係合させると、ミシン本体 2の縫針 15の位置を基準とした縫製基準位置 HPc (図 3 参照）に対して、布保持枠 3の刺繍領域基準位置 Sc (図 4参照）がー致するように構成されている。また、第 2位置決め凹部 20iを、連結レバー 41の位置決め凸部 41a ( 夫々後述する）に係合させると、プリンタ 5のプリントヘッドのプリント基準位置 PPc (図 7参照）に対して、布保持枠 3のプリント可能領域基準位置 Pc (図 4参照）がー致するように構成されている。

[0016] 次に、布保持枠 3を、 X方向と Y方向とに夫々独立に移動させる枠駆動装置 4について説明する。

図 5、図 3に示すように、枠駆動装置 4は、平面視略矩形状の本体ケース 25を有している。この本体ケース 25は、当該本体ケース 25に一体的に設けられた装着部 25a を介してミシン本体 2のベッド部 10 (図 1参照）に着脱自在に装着される構成となっている。この本体ケース 25上には、 Y方向（前後方向）に長い可動ケース 26が設けられている。この可動ケース 26は、 X方向駆動機構（第 1駆動機構) 45によって、本体ケース 25に対して X方向（左右方向）に往復駆動可能となっている。この可動ケース 26 内には、 Y方向駆動機構 (第 2駆動機構） 30が設けられている。

[0017] ここで、 X方向駆動機構 45及び Y方向駆動機構 30において、まず Y方向駆動機構

30について、図 5を参照しながら説明する。 Y方向駆動機構 30において、前記可動ケース 26の内部には、前後方向（図 5中、上下方向）に延びるガイド軸 31とガイド部材 32とが架設されている。これらガイド軸 31及びガイド部材 32には、当該ガイド軸 3 1及びガイド部材 32に沿って移動可能なキャリッジ 33が支持されている。可動ケース 26の両端部にはピニオンギヤ 34、 35が回転可能に枢支されており、これら両ピニォンギヤ 34、 35には無端状のタイミングベルト 36が掛け渡されている。キャリッジ 33は、このタイミングベルト 36に対して一箇所で連結されている。

[0018] 手前側（図 5中、下側）のピニオンギヤ 35には、同軸上に大径のギヤ 37が装着されている。一方、ステッピングモータからなる Y方向駆動モータ 38の駆動軸には、駆動ギヤ 39が装着されており、この駆動ギア 39とギア 37とは嚙合されている。タイミングベノレト 36は、 Y方向駆動モータ 38の駆動によるピニオンギア 35の駆動によって移動し、これによりキャリッジ 33は前記ガイド軸 31及びガイド部材 32に沿って前後方向に移動されるようになっている。

このキャリッジ 33には、前後方向（図 5中、上下方向）に所定の長さを有する連結部材 40が固定されている。連結部材 40の 1個所に連結レバー 41が設けられ、この連結レバー 41の先端部には、布保持枠 3の第 1及び第 2位置決め凹部 20h、 20iに択一的に係合する位置決め凸部 41aが形成されている。従って、布保持枠 3を当該布保持枠 3の連結部 20eを介してキャリッジ 33の連結部材 40に取付けられれば、前記布保持枠 3はキャリッジ 33の動作と同期して前後方向、つまり Y方向に移動される。

[0019] 次に、 X方向駆動機構 45について説明する。 X方向駆動機構 45において、本体ケース 25の内部には、左右方向（図 5中、左右方向）に延びるガイド軸 46が配設されている。このガイド軸 46には、当該ガイド軸 46に沿って移動可能な可動体 47が支持されている。この可動体 47の前端部は、前記 Y方向駆動機構 30の可動ケース 26の下側に連結されている。本体ケース 25内の両端部には、ピニオンギヤ 48、 49が回転可能に枢支されており、これら両ピニオンギヤ 48、 49には無端状のタイミングベルト 50 が掛け渡されている。可動体 47は、このタイミングベルト 50に対して一箇所で連結されている。

[0020] 右側（図 5中、右側）のピニオンギヤ 49には、同軸上に大径のギヤ 51が装着されている。一方、ステッピングモータからなる X方向駆動モータ 52の駆動軸には、駆動ギャ 53が装着されており、この駆動ギア 53とギヤ 51とは嚙合されている。タイミングべノレト 50は、 X方向駆動モータ 52によるピニオンギア 49の駆動によって移動し、これにより可動体 47は前記ガイド軸 46に沿って左右方向に移動されるようになっている。従つて、布保持枠 3が前記キャリッジ 33の連結部材 40に取付けられれば、前記布保持枠 3は可動体 47の動作と同期して左右方向、つまり X方向に移動される。

ここで、図 3に示すように、枠駆動装置 4の装着部 25aには、雄型コネクタ 27 (図 1や図 11も参照）が設けられている。一方で、ミシン本体 2には、雌型コネクタ 16 (図 1や図 11も参照）が設けられている。従って、枠駆動装置 4の装着部 25aをミシン本体 2 の被装着部に装着したとき、前記装着部 25aの雄型コネクタ 27と被装着部の雌型コネクタ 16とが電気的に接続されるように構成されている。この状態で、図 11に示すように、ミシン本体 2の制御ユニット 90から枠駆動装置 4 駆動モータ 38 52を駆動するための駆動データが送信される。更に、枠駆動装置 4の位置検出センサ 95 96 力の検出信号が制御ユニット 90に送信される。

次に、布保持枠 3に保持されている加工布 Wに、 4色のインクを用いてカラープリントするプリンタ 5について、図 2、図 6、図 8 図 10を参照して説明する。

図 2に示すように、プリンタ 5は、ミシン本体 2のアーム部 12の後側（図 2中、左側）に固定されたプリンタケース 60の内部に設けられている。プリンタ 5は、図 8及び図 9に示すように、下向きに配設されたプリントヘッド 61を有している。このプリントヘッド 61 は、ヘッド位置切換え機構 62によって、加工布 Wに上側から接近したプリント位置（図 9参照）と、このプリント位置から上方へ退避させた退避位置（図 8参照）とに位置されるように構成されている。また、プリンタ 5は、パージユニット 63 (図 6及び図 8参照）を有し、このパージユニット 63は移動機構 64によって前後に移動させるようになっている。更に、プリンタ 5には、排出された不要なインクを吸収するインク吸収部材 65などが備えられている。プリンタ 5は、プリントヘッド 61に配列された複数のインクジェットノズノレ 61b (図 7参照、なお図 7は、インクジェットノズノレ 61bの下面図を示している）から 4色のインクを噴射して、布保持枠 3に保持された加工布 Wにカラープリント可能となっている。

ここで、プリントヘッド 61について説明する。なお、プリントヘッド 61は、一般的に使用されている公知のインクジェット式のカラープリントヘッドであるため、その説明は簡単なものとする。

[0022] 図 6に示すように、プリントヘッド 61は、プリンタケース 60内の略前部分（図 6中、下部分）に位置し、上下動可能に構成されている。プリントヘッド 61のヘッド面 61aには、図 7に示すように、 4つのノズノレ列 61c 61fが Y方向（第 2方向）に並んで複数形成され、夫々マゼンダ（M)、イェロー（Y)、シアン（C)、ブラック（B)の 4色のインクを噴射可能となっている。ここでは、詳しく図示しないが、各ノズノレ歹 1J61 C 61fは、所定個数 (例えば、 75個）のインクジェットノズル 61bを X方向（第 1方向）と平行に千鳥状に配列することによりノズル列として構成されている。各インクジェットノズル 61bには、圧電セラミックァクチユエータ（図示せず）が設けられている。圧電セラミックァクチユエータは、図 11に示すように、制御ユニット 100からのプリント駆動信号を受けることによって橈むように構成されており、これによりインクジェットノズル 61b (各ノズル列 61c— 61f)から微量のインクが下向きに噴射されるようになっている。なお、図 7に示す符号 PPcは、プリントヘッド 61のプリント基準位置を示している。

[0023] プリントヘッド 61の上側には、図 8に示すように、マゼンダ（M)、イェロー（Y)、シァン（C)、ブラック（B)のインクを貯留した 4つのインクカートリッジ（図示略）を収容するカートリッジケース 66が設けられている。これにより、消耗したインクのインクカートリツジだけを個別に交換可能になっている。なお、プリントヘッド 61は、圧電セラミックァクチユエータタイプ以外のプリントヘッドを採用することも可能である。

[0024] ところで、図 5に示すように、縫針 15により刺繍縫いするときの縫製基準位置 HPcと、プリントヘッド 61によりプリントするときのプリント基準位置 PPcとは、距離 Lだけ異なつている。し力、しながら、本実施例では、前述した第 1位置決め凹部 20hと第 2位置決め凹部 20iとの離隔距離を Lに設定してある。このため、第 1位置決め凹部 20hにより、縫製基準位置 HPcを刺繍領域基準位置 Scに対応させることができ、第 2位置決め凹部 20iにより、プリント基準位置 PPcをプリント可能領域基準位置 Pcに対応させることができるように構成されてレ、る。

ヘッド位置切換え機構 62は、図 6に示すように、プリンタケース 60内のプリントへッド 61の前側（図 6中、下側）に設けられている。このヘッド位置切換え機構 62は、図 6 、図 8及び図 9に示すように、プリントヘッド 61をプリント位置と退避位置とに昇降自在に案内する前後 1対の縦向きのガイドロッド 70を有している。更に、ヘッド位置切換え機構 62は、プリントヘッド 61を下側のプリント位置と上側の退避位置とに高さ位置を切換えるヘッド昇降機構 71を有している。

[0025] このヘッド昇降機構 71は、図 8及び図 9に示すように、枢支ピン 72によりプリンタケース 60に水平軸心回りに回転可能に枢着されたクランク部材 73を有している。クランク部材 73の一端部には、セクタ一ギヤ 73aが形成されている。このセクタ一ギヤ 73a には、ヘッド昇降モータ 75の駆動軸に装着された駆動ギヤ 76が嚙合されている。また、クランク部材 73の他端部には、当該クランク部材 73とプリントヘッド 61に対して夫々回動可能なリンク部材 74が連結されてレ、る。

[0026] 図 8に示す状態からヘッド昇降モータ 75を駆動させると、駆動ギヤ 76の駆動がセクターギヤ 73aに伝達され、これにより図 9に示すように、プリントヘッド 61が下側のプリント位置に移動する。逆にこの状態からヘッド昇降モータ 75を駆動させると、プリントヘッド 61が上側の退避位置に移動する。

[0027] ここで、図 8に示すように、プリントヘッド 61が退避位置に上昇した場合、後述するパージユニット 63がパージ位置に前進し、プリントヘッド 61が下側からパージ（その詳細は後述する）される。このパージユニット 63は、箱状をなしており、上端部にはへッドキャップ 80とワイパー 81 (図 6参照）とが夫々設けられている。パージユニット 63 の内部には、パージユニット昇降モータ 82と、吸引ポンプ 83と、インク受け部材 84 ( 図 6参照）となどが設けられている。

[0028] 前記ヘッドキャップ 80は、プリントヘッド 61のヘッド面 61aに下側から密着可能なゴム製のキャップにて構成されている。このヘッドキャップ 80は、プリントヘッド 61が退避位置に上昇し、パージユニット 63が前方のパージ位置（図 4の U位置参照）に移動した状態となるとパージユニット昇降モータ 67にて上昇させられ、これにより、ヘッドキヤップ 80の外周部がヘッド面 61aに下側から密着して蓋をするようになっている。このように、ヘッドキャップ 80でヘッド面 61aを密閉（蓋）することにより、プリントを行っていないときには、これら多数のインクジェットノズル 61bの乾燥を防止できると共に、後述するパージが実行される。なお、この場合、ヘッドキャップ 80を上昇させるのではなく、ヘッド昇降モータ 75を駆動させてプリントヘッド 61をヘッドキャップ 80の位置まで下降させることにより、ヘッド面 61aにヘッドキャップ 80を密着させるような構成としてもよレ、。

[0029] 次に、前記パージについて簡単に説明する。パージは、プリントヘッド 61が退避位置に上昇し、パージユニット 63がパージ位置に前進した状態に行われる。このとき、パージユニット昇降モータ 82が駆動されると、前述したようにヘッドキャップ 80が上昇してプリントヘッド 61のヘッド面 61aが密閉された状態となる。この状態で、吸引ボンプ 83の駆動によりヘッドキャップ 80の内部を負圧にすると、プリントヘッド 61のインクジェットノズル 61bから少量のインクと共に気泡やゴミが吸引され取り除かれるようになる。なお、ワイパー 81は、ゴム製のブレードからなり、プリントヘッド 61のヘッド面 61a より若干高く設けられている。

[0030] 次に、パージ機構 63を前後方向に移動させる移動機構 64について説明する。図 8 に示すように、移動機構 64は、プリンタケース 60内の前後方向（図 8中、紙面に直交する方向）に延びる上下 2本の平行なガイドレール 87を有している。これらガイドレーノレ 87には、パージユニット 63が前後移動可能に支持されている。ガイドレール 87の右側にパージユニット移動モータ 88が配設され、パージユニット移動モータ 88の出力軸にはピニオンギヤ 92が装着されている。このピニオンギヤ 92は、パージユニット 63の上面に形成されたラックギヤ 63aと嚙合している。これにより、パージユニット移動モータ 88が駆動されると、パージユニット 63は、後方の退避位置（図 6参照）と、前方のパージ位置（図 10参照）とに移動されるように構成されている。

[0031] なお、パージユニット 63がパージ位置に移動してプリントヘッド 61がパージされた後、パージユニット移動モータ 88によりパージユニット 63が後方の退避位置に移動する。この際には、ワイパー 81の上端部によりプリントヘッド 61のヘッド面 61aが払拭される。これにより、ヘッド面 61aに残ったインクが綺麗にクリーニングされる。

[0032] また、プリントヘッド 61によって加工布 Wにプリントされている途中であっても、所定時間以上インクが噴射されない場合がある。この場合には、プリント可能領域以外の所定のフラッシング位置（図 4参照）にてフラッシング (インクの空噴射）を行い、インクジェットノズノレ 61bの正常化が図られる。なお、プリントヘッド 61 (インクジェットノズノレ 6 lb)がフラッシング位置（図 4の V位置参照）に移動した場合は、インク受け部材 84がヘッド面 61aの下側に配置されるように構成されている。これにより、インクジェットノズノレ 61bからフラッシングされたインク力インク受け部材 84に一旦受けられ、その後はインク吸収部材 65に排出されるようになっている。

[0033] インク吸収部材 65は、フェルトなどからなり、図 8及び図 9に示すように、プリンタケース 60内の右側（図 8及び図 9右側）の下端部において、前後方向（図 8及び図 9では、紙面と直交する方向）の全長に延びるように配設されている。これにより、前述したパージゃフラッシングされた不要なインクを吸収して貯留するようになつている。なお、パージ機構は、ヘッドキャップ 80を有するパージユニット 63と、吸引ポンプ 83と、パージユニット昇降モータ 82などから構成されている。また、キャップ機構は、ヘッドキャップ 80を有するパージユニット 63と、パージユニット昇降モータ 82などから構成されている。

[0034] 次に、プリント機能付き刺繍ミシン 1の制御系について、図 11に基づいて説明する。まず、ミシン本体 2について説明する。ミシン本体 2には、 CPUや ROM及び RAM などを有する制御ユニット 90と、各刺繍模様選択スィッチなどの各種操作スィッチ 91 と、主軸の回転位相を検出する主軸位相検出センサ 92と、ミシンモータ 93を駆動する駆動回路 94などが設けられてレ、る。

また、枠駆動装置 4には、キャリッジ 33の Y方向位置を検出する Y方向位置検出センサ 95と、可動ケース 26の X方向位置を検出する X方向位置検出センサ 96と、 Y方向駆動モータ 38を駆動する駆動回路 97と、 X方向駆動モータ 52を駆動する駆動回路 98などが設けられている。

プリンタ 5には、 CPUや ROM及び RAMなどを有する制御ユニット 100と、プリントヘッド 61を駆動する駆動回路 101と、ヘッド昇降モータ 75を駆動する駆動回路 102 と、パージユニット昇降モータ 82を駆動する駆動回路 103と、パージユニット移動モータ 88を駆動する駆動回路 104などが設けられている。

[0035] ここで、枠駆動装置 4をミシン本体 2に装着した場合、前述のように枠駆動装置 4の装着部 25aに設けた雄型コネクタ 27と、ミシン本体 2の被装着部に設けた雌型コネクタ 16とが電気的に接続される。すると、枠駆動装置 4は、制御ユニット 90から送信される各種の移動制御信号に基づいてキャリッジ 33を移動制御するようになる。また、プリンタ 5をミシン本体 2と制御ユニット 90との接続は、ミシン本体 2に設けられた雌型コネクタ 28と、プリンタ 5に設けられた雄型コネクタ 67とにより行われる。すると、プリンタ 5は、制御ユニット 90から送信される各種のプリント制御信号に基づいてプリント制卸するようになる。

[0036] さて、このプリンタ 5による加工布 Wに対するプリント動作は、プリント位置に変位されたプリントヘッド 61に対して、加工布 Wを保持した布保持枠 3を布駆動装置 4により Υ方向に片道ずつ往復移動させながら、その移動に同期してプリントヘッド 61からィンクを噴出させ、 1プリント行（片道）分のプリントが行われると布保持枠 3 (加工布 W) を X方向に 1プリント行だけ送ることが、繰り返されるようになつている。

ところで、枠駆動装置 4の Υ方向駆動機構 30と X方向駆動機構 45とは、前述したようにステッピングモータを駆動源としているため、回転方向を切替える際の脱調を避けるため、各駆動モータ 38、 52が停止状態から所定回転速度に達するまでの加速時間、及び所定回転速度から停止するまでの減速時間を確保する必要がある。ここで、各駆動モータ 38、 52は、回転開始時と回転停止時とにおいて、速度が安定しない加減速状態となってしまう。この加減速状態においてプリント動作を実行するとプリントが乱れてしまう。従って、前記加減速状態に対応する加減速領 (図 4中、 J参照 )を除いた領域（図 4中、プリント可能領域 K参照）において加工布 Wのプリントを実行するようになつている。

[0037] このとき、図 3に示すように、布保持枠 3の X方向（図 3中、左右方向）の駆動においては、脚柱部 11が存在することから、布保持枠 3の X方向における移動可能距離は制限される。しかし、布保持枠 3の Y方向（図 3中、上下方向）の駆動においては、この方向に何ら障害となるものが存在しないため、布保持枠 3の Y方向における移動可能距離は十分に確保できる。従って、図 4に示すように、プリンタ 5の加工布 Wに対するプリント方向を Y方向に設定し、布保持枠 3内の（プリント可能領域の）うち、 Y方向の両端部に前記加減速領¾を夫々設けることで、プリント可能領域 Kの X方向の領域を減少させないようにしてある。なお、図 4に示すように、 Y方向の刺繍可能領域 N は変化しない。 [0038] 上記の場合、プリント可能領域 Kのうち X方向のプリント可能領域 (この場合、刺繍可能領域をも含む） Μは減少しないが、 Υ方向の領域は、その両端部の加減速領¾1 の分だけ減少してしまう。しかしながら、 Υ方向駆動機構 30の Υ方向移動可能距離と、布保持枠 3の Υ方向の寸法とを大きくして対応してあるため、 Υ方向の実際のプリント可能領域は減少しないように構成されている。し力、も、プリント方向を Υ方向（長手方向）とし、短い方向である X方向が布送り方向となるので、 Υ方向駆動モータ 38の駆動方向の切替回数も少なく済ませることができ、この点でも、プリント方向を X方向とした場合に比べて、全体としての加減速領域、つまり刺繍可能領域のうちプリントができなくなる領域を小さくすることができる。

この結果、布保持枠 3の大きさに対するプリント可能領域 Κは最大限に確保されている。なお、図 4において、符号 Scは刺繍可能領域の中心であって刺繍領域基準位置を示し、符号 Pcはプリント可能領域の中心であってプリント可能領域基準位置を示している。

[0039] 次に、このように構成されたプリント機能付き刺繍ミシン 1の作用及び効果について説明する。

枠駆動装置 4を駆動させながら加工布 Wを刺繍縫いに供する場合、まず加工布 W を有する布保持枠 3の第 1位置決め凹部 20hを枠駆動装置 4の位置決め凸部 41aに係合させて連結する。このとき、図 4及び図 5に示すように、縫製基準位置 HPcが刺繍領域基準位置 Scに対応するようになる。その後は、ミシンモータ 93の駆動による縫針 15の上下動に調時して枠駆動装置 4が駆動され、これにより布保持枠 3に保持された加工布 Wに刺繍模様が形成される。なお、刺繍縫目は、図 4に示すように、左下がりの斜線で示す刺繍可能領域（図 4の Nも参照）に形成される。

[0040] 一方で、プリンタ 5により加工布 Wに対してプリントする場合、まず加工布 Wを有する布保持枠 3の第 2位置決め凹部 20iを枠駆動装置 4の位置決め凸部 41aに係合させて連結する。このとき、図 4及び図 5に示すように、プリント基準位置 PPcがプリント可能領域基準位置 Pcに対応するようになる。なお、プリントは、図 4に示すように、左下がり且つ右下がりの斜線で示すプリント可能領域（図 4中、 Kも参照）に形成される上記プリントに際しては、まず図 4に示すように、布保持枠 3が Y方向（図 4中、下方向）に移動されることに伴レ、、プリントヘッド 61 (図 6参照）が相対的に Y方向（図 4中、上方向）に移動する。これにより、第 1プリント走査 Prlに沿って、且つ加減速領域（図 4中、 J参照）に到達するまで加工布 Wにプリントが行われる。プリントヘッド 61が加減速領域に達するとプリントは一端中断されると共に、布保持枠 3も減速され一端停止する。その後、布保持枠 3が第 1布送り移動 Grlに沿って X方向に微小距離だけ移動される。そして、次に布保持枠 3は加速されて、第 2プリント走查 Pr2に沿って移動し、第 2布送り移動 Gr2、第 3プリント走查 Pr3、第 3布送り移動 Gr3を順次経て、最終的に第 6布送り移動 Gr6、第 7プリント走查 Pr7を実行してプリントが終了される。

[0041] 以上のように、本実施例のプリント機能付き刺繍ミシンは、まずステッピングモータからなる Y方向駆動モータ 38の加減速領域を、布保持枠 3の内部の刺繍可能領域（図 4中、 N参照）のうちの Y方向の両端部に夫々設け、これら加減速領域以外をプリントする（即ち、加減速領域ではプリントしない）ようにした力 S、 Y方向におけるプリント可能領域の Y寸法を加減速領域に応じて長くするように構成した。このため、プリント可能領域の Y寸法 (X寸法は加減速領域を有しないので減少しなレ、）が短くなることがなぐ布保持枠 3に対するプリント可能領域を十分に確保することができる。

また、プリンタ 5においてプリントヘッド 61は、複数色のインクを噴射可能な複数のノズル列 61c— 61fを有するように構成した。これにより、複数色のカラープリントを可能とすることができる。

また、プリントヘッド 61は、パージを行うパージ機構と、プリントヘッド 61のヘッド面 6 laをヘッドキャップ 80にて用いて覆うキャップ機構とを有する構成とした。このため、パージ機構によるパージにより、インクジェットノズル 61b内の気泡やゴミを除去できると共に、プリント処理しない場合に、ヘッドキャップ 80によりインクの乾燥を防止することができる。

[0042] また、ミシン本体 2とプリンタ 5とを一体的に設けた。このため、布保持枠 3をミシン本体 2に着脱するような作業がなくなると共に、布保持枠 3を枠駆動装置 4に連結した状態で、刺繍縫い及びプリントの両方を行うことが可能となる。この場合、刺繍縫いを行うときと、プリントを行うときに、加工布 Wを布保持枠 3から取り外さないため、刺繍縫目に対するプリント位置の精度を高めることもできる。

また、布保持枠 3において、その形状は、 Y方向の方力方向よりも長尺になっているが、プリンタ 5は、 Y寸法のプリント可能領域を一気に往復プリントする構成とした。このため、 X方向にプリントする場合と比べて、プリントヘッド 61の Y方向への移動を一旦停止させてから X方向に布送りさせる布送り回数が少なくなり、プリント処理時間を短縮すること力 Sできる。

[0043] なお、本発明は上記し、また図面に示した実施例に限定されるものではなぐ次のような変形或いは拡張が可能である。

まず、ミシン本体 2に対してプリンタ 5を着脱可能に構成し、必要に応じて装着するようにしてもよい。

また、プリンタ 5には、制御ユニット以外に、プリントデータを記憶するプリントデータ記憶メモリや刺繍データを記憶する刺繍データ記憶メモリなどを設けてもより。この場合、プリンタ 5を枠駆動装置 4に装着可能に構成し、予め作成した刺繍データをプリンタ 5から枠駆動装置 4に送信しながら、布保持枠 3に保持した加工布 Wにプリントするようにするとよレヽ。

また、プリンタ 5は黒、シアンなど、 1色でプリントする単色用であってもよい。

また、パージユニット 63の移動方向などは要旨を逸脱しない範囲で適宜調整可能である。

産業上の利用可能性

[0044] 以上のように、本発明のプリント機能付き刺繍ミシンは、家庭用の刺繍ミシンにプリント機能を付加したものに有効である。

Claims

請求の範囲

[1] ベッド部（10)と脚柱部（11)とアーム部（12)とを有し縫製手段（99)により加工布（ W)に縫製可能なミシン本体（2)と、

縫製に供する加工布 (W)を保持する布保持枠（3)と、

この布保持枠（3)を水平面にぉレ、て相互に直交する 2方向へ独立に移動させる枠駆動装置 (4)と、

前記布保持枠（3)に保持された加工布 (W)にプリントするプリントヘッド（61)を有するインクジェット式のプリンタ（5)とを備えたプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、前記枠駆動装置 (4)は、前記布保持枠 (3)を前記ベッド部（10)の長さ方向と平行な第 1方向へ移動させる第 1駆動機構 (45)と、前記布保持枠 (3)を第 1方向と直交する第 2方向へ移動させる第 2駆動機構（30)とを有し、

前記プリンタ（5)のプリントヘッド（61)は、複数のインクジェットノズル（61b)を前記第 1方向と平行に配歹 1Jしたノズル列（61c— 61f)を有して構成されていると共に、前記プリンタ（5)は、前記第 2駆動機構（30)により前記布保持枠 (3)を第 2方向へ移動させながら加工布 (W)にプリントするように構成されていることを特徴とするプリント機能付き刺繍ミシン（1)。

[2] 請求項 1のプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、

前記第 2駆動機構はステッピングモータを駆動源として構成され、前記加工布に対するプリント時に、前記ステッピングモータの回転速度が変化する加減速領域が、前記布保持枠内うちの前記第 2方向の両端部に来るように設定され、前記プリンタは前記加減速領域を除く領域においてプリントを実行するように構成されている。

[3] 請求項 1のプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、

前記プリントヘッドは、複数のノズル列を前記第 2方向に並んで備えて構成されている。

[4] 請求項 1のプリント機能付き刺繍ミシンにぉレ、て、

前記布保持枠は、前記第 2方向の長さ寸法が前記第 1方向の長さ寸法よりも大きく構成されている。

[5] 請求項 1のプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、前記プリンタは、プリントヘッドに対してパージを行うパージ機構と、プリントヘッドをキャップを用いて覆うキャップ機構とを有してレ、る。

[6] 請求項 1のプリント機能付き刺繍ミシンにおいて、

前記ミシン本体とプリンタとは一体的に設けられている。