JPH09256228A - 紡機のドラフト方法及びドラフト装置 - Google Patents

紡機のドラフト方法及びドラフト装置

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JPH09256228A
JPH09256228A JP9205196A JP9205196A JPH09256228A JP H09256228 A JPH09256228 A JP H09256228A JP 9205196 A JP9205196 A JP 9205196A JP 9205196 A JP9205196 A JP 9205196A JP H09256228 A JPH09256228 A JP H09256228A
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JP
Japan
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roller
apron
spinning
cradle
tensor
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Application number
JP9205196A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Ashizaki
哲也 芦崎
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09256228A publication Critical patent/JPH09256228A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長繊維の紡出に適した4線式のドラフト装置
を使用して、トップ側の部品交換を含む簡単な作業で短
繊維の獣毛の紡出に対応できるようにする。 【解決手段】 ボトムテンサーバー8とセカンド及びサ
ードボトムローラ3,4間にボトムエプロン7が巻き掛
けられたドラフト装置1で繊維束のドラフトが行われ
る。長繊維紡出の場合はトップテンサーバー23と、セカ
ンドボトムローラ3と対向する位置に配置されるウエイ
トローラ28と、サードボトムローラ4と対向する位置に
配置されるミドルトップローラ13との間にトップエプロ
ン25を巻き掛けた状態でドラフトが行われる。短繊維紡
出の場合はトップテンサーバーと、セカンドボトムロー
ラ3と対向するミドルトップローラとの間にトップエプ
ロンを巻き掛けた状態、即ちトップエプロンによる繊維
の把持長さが短い状態でドラフトが行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紡機のドラフト方法
及びドラフト装置に係り、詳しくは特に羊毛、カシミ
ア、キャメル繊維等の獣毛繊維の紡出に好適なエプロン
ドラフト方式のドラフト方法及びドラフト装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に羊毛の紡出には長繊維の紡出に対
応したドラフト装置として、4線式のドラフト装置が使
用されている。そして、4線式のドラフト装置として図
7に示すように、フロントボトムローラ51とバックボ
トムローラ52との間に配設されたボトムテンサー5
3、セカンドボトムローラ54及びサードボトムローラ
55間にボトムエプロン56が巻き掛けられ、ボトムエ
プロン56の上方にトップクレードル57が配置された
ものがある。トップクレードル57にはトップテンサー
58、ウエイトローラ59及びミドルトップローラ60
が支持され、トップエプロン61がトップテンサー58
及びミドルトップローラ60間に巻き掛けられている。
ウエイトローラ59はトップクレードル57の両側壁5
7a,57b間に挿通された支軸62に遊挿され、ウエ
イトローラ59の自重によりトップエプロン61が加圧
されて適切な繊維の把持状態を確保するようになってい
る。そして、この種のウエイトローラ59を備えたエプ
ロン装置は各錘毎にそれぞれ独立して取り付けられてい
た。
【0003】この種の4線式ドラフト装置は、フロン
ト、ミドル及びバックの3本のボトムローラを備えると
ともに、テンサーとミドルローラとの間にエプロンが巻
き掛けられた3線式のドラフト装置に比較して、繊維長
対応範囲が広く、通常の羊毛の紡出ではローラゲージを
変更する必要は余りない。しかし、カシミアやキャメル
繊維のように平均繊維長が30mm以下の短い獣毛繊維
の場合は、繊維の制御が難しく、結果として細ムラが多
くなるという問題があった。
【0004】そこで、従来は短い獣毛繊維を紡出する場
合は3線式のドラフト装置を装備した別の精紡機を使用
したり、4線式のドラフト装置の改造、即ちボトム側及
びトップ側のローラ交換やエプロンの長さの変更を伴う
大幅な変更を行うことにより対処していた。
【0005】また、特開平3−76830号公報には、
4線式あるいは3線式のドラフト装置において、バック
ローラゲージを固定するとともに、トップエプロンに圧
電振動子を設け、紡出時に圧電振動子を振動させて紡出
する繊維束を断続的に把持することにより、繊維長の短
い浮遊繊維を繊維長の長い繊維束に交絡させる装置が開
示されている。圧電振動子の振動数は紡出する繊維束の
繊維長に合わせて変更される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】長繊維紡出用と短繊維
紡出用とにそれぞれ別のドラフト装置を装備した精紡機
を準備しておくのは、精紡機の設置スペースを余分に必
要とするばかりでなく、長繊維紡出時には短繊維紡出用
の機台が停止し、短繊維紡出時には長繊維紡出用の機台
が停止し、全体として精紡機の稼働率が低下する。
【0007】一方、4線式のドラフト装置を3線式に改
造する場合、従来の方法では、ボトム側のローラ交換や
エプロンの変更を伴うため、その改造に多大な工数及び
労力が必要となる。なぜならば、ボトム側のエプロンは
精紡機機台の長手方向に沿って延びるセカンド及びサー
ドボトムローラに巻き掛けられているため、ボトムエプ
ロンを取り外す場合には、ボトムエプロンをボトムロー
ラに沿って長い距離移動させる必要がある。また、新た
なエプロンを巻き掛ける場合には、ボトムエプロンをボ
トムローラの端部から所定位置までボトムローラに沿っ
て長い距離移動させる必要がある。
【0008】また、特開平3−76830号公報に開示
されたドラフト装置では、紡出する繊維束の繊維長に合
わせて圧電振動子の振動数を変更することによりバック
ローラゲージを繊維長に合わせて移動させずに種々の繊
維長の原料に対応できる。しかし、種々の繊維長に対応
可能といっても、4線式ドラフト装置あるいは3線式ド
ラフト装置それぞれの繊維長対応範囲が広くなるだけ
で、本願発明で問題としているように4線式ドラフト装
置では良品質の糸の紡出が難しく、短繊維に適した3線
式のドラフト装置を必要とする程度の繊維長の変更に対
しては対応できない。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は長繊維の紡出に適した4線式の
ドラフト装置を使用して、簡単な作業で長繊維の紡出及
び短繊維の紡出に対応できる紡機のドラフト方法及びド
ラフト装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、ボトムテンサーとセカ
ンド及びサードボトムローラ間にボトムエプロンが巻き
掛けられた4線式ドラフト装置を備えた紡機のドラフト
方法であって、ボトムローラ及びボトムエプロンを交換
せずに、長繊維紡出の場合はトップテンサーと、セカン
ドボトムローラと対向する位置に配置される押圧手段
と、サードボトムローラと対向する位置に配置されるミ
ドルトップローラとの間にトップエプロンを巻き掛けて
ドラフトを行い、短繊維紡出の場合はトップテンサー
と、セカンドボトムローラと対向するミドルトップロー
ラとの間にトップエプロンを巻き掛けた状態でドラフト
を行なうようにした。
【0011】請求項2に記載の発明では、短繊維紡出の
場合にはセカンド以降のボトムローラを長繊維紡出の場
合より前側に移動させ、対向するトップ側の各ローラの
位置も前側に移動させてドラフトを行うようにした。
【0012】請求項3に記載の発明では、ボトムテンサ
ーとセカンド及びサードボトムローラ間にボトムエプロ
ンが巻き掛けられた4線式ドラフト装置を備えた紡機の
ドラフト装置であって、基端においてサードボトムロー
ラと対向する位置に配置されるミドルトップローラの支
軸に支持されるとともに、トップテンサー及びセカンド
ボトムローラと対向する位置に配置される押圧手段を装
備した第1のクレードルと、第1のクレードルを前記ミ
ドルトップローラの支軸に支持した状態でトップテンサ
ー及び当該ミドルトップローラ間に前記押圧手段と係合
する状態で巻き掛けられる第1のトップエプロンと、基
端においてセカンドボトムローラと対向するミドルトッ
プローラの支軸に支持されるとともにトップテンサーを
装備した第2のクレードルと、第2のクレードルをセカ
ンドボトムローラと対向するミドルトップローラの支軸
に支持した状態でトップテンサー及び当該ミドルトップ
ローラ間に巻き掛けられる第2のトップエプロンとを備
え、長繊維紡出時には第1のクレードル及び第1のトッ
プエプロンを使用し、短繊維紡出時には第2のクレード
ル及び第2のトップエプロンを使用するようにした。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記第1のクレードルにはトップテ
ンサー、押圧手段、ミドルトップローラ及び第1のトッ
プエプロンがユニット化され、前記第2のクレードルに
はトップテンサー、ミドルトップローラ及び第2のトッ
プエプロンがユニット化されている。
【0014】請求項5に記載の発明では、請求項3又は
請求項4に記載の発明において、前記第1及び第2のク
レードルはウエイティングアームに支持される2錘一体
型である。
【0015】請求項1〜請求項5に記載の発明では、ボ
トムテンサーとセカンド及びサードボトムローラ間にボ
トムエプロンが巻き掛けられた4線式ドラフト装置で繊
維束のドラフトが行われる。長繊維紡出時と短繊維紡出
時とでボトムローラ及びボトムエプロンを交換せずに、
トップ側のミドルローラ及びエプロンの構成が変更され
る。長繊維紡出の場合は通常の4線式ドラフト装置とし
ての構成の、トップテンサーと、セカンドボトムローラ
と対向する位置に配置される押圧手段と、サードボトム
ローラと対向する位置に配置されるミドルトップローラ
との間にトップエプロンを巻き掛けた状態でドラフトが
行われる。短繊維紡出の場合はトップテンサーと、セカ
ンドボトムローラと対向するミドルトップローラとの間
にトップエプロンを巻き掛けた状態、即ちトップエプロ
ンによる繊維の把持長さが短い状態でドラフトが行われ
る。
【0016】請求項2に記載の発明では、短繊維紡出の
場合にはセカンド以降のボトムローラが長繊維紡出の場
合より前側に移動され、対向するトップ側の各ローラの
位置も前側に移動された状態でドラフトが行われる。
【0017】請求項3〜請求項5に記載の発明では、長
繊維紡出時にはサードボトムローラと対向する位置に配
置されたミドルトップローラの支軸に支持される第1の
クレードルが使用される。そして、第1のトップエプロ
ンが第1のクレードルに支持されたトップテンサーと前
記ミドルトップローラとの間に、セカンドボトムローラ
と対向する位置に配置される押圧手段と係合する状態で
巻き掛けられて使用される。短繊維紡出時には第2のク
レードルの基端が、セカンドボトムローラと対向する位
置に配置されるミドルトップローラの支軸に支持され
る。そして、第2のトップエプロンが第2のクレードル
に支持されたトップテンサーと、前記ミドルトップロー
ラ間に巻き掛けられて使用される。
【0018】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、第1及び第2ののクレードルがそれ
ぞれエプロン装置としてミドルトップローラとユニット
化されているため、長繊維紡出の状態と短繊維紡出の状
態との変更作業の際の工数が少なくなる。また、保管や
取扱が便利になる。
【0019】請求項5に記載の発明では、第1及び第2
のクレードルはウエイティングアームに支持される2錘
一体型のため、交換時の作業の手間が単錘型に比較して
半分となる。また、ウェイティングアームが加圧位置
(紡出位置)に配置されると、トップエプロンが所定の
押圧力でボトムエプロン側に押圧される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を2錘一体型のエプ
ロンドラフト装置に具体化した一実施の形態を図1〜図
6に従って説明する。図1は長繊維紡出用に適用する場
合を示す側面図である。図1に示すように、ドラフト装
置1はフロントボトムローラ2、セカンドボトムローラ
3、サードボトムローラ4及びバックボトムローラ5を
備えた4線式の構成となっている。セカンド、サード及
びバックの各ボトムローラ3〜5はローラスタンド6に
対して前後方向に位置調整可能に固定された支持ブラケ
ット3a,4a,5aを介して支持されている。支持ブ
ラケット3a,4a,5aはローラスタンド6に形成さ
れた長孔(図示せず)を貫通するボルト3b,4b,5
b及びナット3c,4c,5cにより所定位置に締め付
け固定されている。
【0021】ボトムエプロン7はボトムテンサーとして
のボトムテンサーバー8と、セカンドボトムローラ3
と、サードボトムローラ4とに巻き掛けられている。ボ
トムテンサーバー8は断面ほぼL字状に形成されるとと
もに、複数錘共通となる長さを有し、ボトムローラと平
行に配設されている。
【0022】ウエイティングアーム9は下方が開放され
て断面逆U字状に形成されたフレーム10を備え、フレ
ーム10はその基端において支軸11を介してローラス
タンド6に回動可能に支持されている。フレーム10に
はフロントトップローラ12、ミドルトップローラ13
及びバックトップローラ14が、それぞれフロントボト
ムローラ2、サードボトムローラ4及びバックボトムロ
ーラ5と対応する位置にトップローラ支持部材(以下、
単に支持部材と記す)15〜17を介してそれぞれ支持
されている。各トップローラ12〜14は2錘1組とし
て支軸12a〜14aの両端に装備され、支軸12a〜
14aの中央が支持部材15〜17の下部に着脱可能に
支持されている。
【0023】フレーム10の上方にはレバー18が加圧
位置と解放位置とに回動可能に配設されている。レバー
18が図1に示すフレーム10と当接する加圧位置に配
置された状態では、フレーム10がウェイティングアー
ム9に支持された各トップローラ12〜14をボトムロ
ーラ2,4,5側に押圧する加圧位置(紡出位置)にロ
ック状態で保持される。また、レバー18が図1に示す
状態から上方の解放位置に回動された状態では、前記ロ
ック状態が解除されるようになっている。
【0024】図5に示すように、フレーム10の上壁1
0aには長孔20a,20bが形成され、ミドルトップ
ローラ13及びバックトップローラ14を支持する支持
部材16,17が長孔20a,20bに嵌挿されたボル
ト19を介してフレーム10に固定されている。支持部
材16,17はその上部に雌ねじ部が形成され、ボルト
19が雌ねじ部に螺合されることによりフレーム10の
下面に締付け固定されている。なお、ミドルトップロー
ラ13用の支持部材16と対応する長孔20aは、セカ
ンド及びサードボトムローラ3,4と対応する位置にミ
ドルトップローラ13を支持可能な範囲にわたるように
長く形成されている。両支持部材16,17はボルト1
9を弛めた状態で支持部材16,17をボルト19とと
もに所定位置に移動配置した後、ボルト19を締付ける
ことにより所定位置に固定されるようになっている。
【0025】図2はボトムテンサーバー8と第1のクレ
ードル21の関係を示す一部破断概略平面図であり、図
3は図2のIII −III 線断面図である。図2及び図3に
示すように、長繊維紡出時に使用される第1のクレード
ル21は、金属板の屈曲形成により一対の側壁22a,
22bと両側壁22a,22bを連結する上壁22cと
が形成され、上壁22cの前部には2錘共通のトップテ
ンサーとしてのトップテンサーバー23が、その中央部
にて支持されている。両側壁22a,22bの後端(基
端)には下方が開放された溝24が形成され、第1のク
レードル21は支持部材16に支持されるミドルトップ
ローラ13の支軸13aに溝24が係合する状態で、そ
の基端において支軸13aに支持されている。そして、
第1のトップエプロン25がトップテンサーバー23及
びミドルトップローラ13間に巻き掛けられている。上
壁22cの前寄り中央部にはウェイティングアーム9が
加圧位置(紡出位置)に配置されたとき、トップテンサ
ーバー23をボトムエプロン7側に付勢する板ばね26
が固定されている。
【0026】第1のクレードル21には支軸27がセカ
ンドボトムローラ3と対応する位置において、両側壁2
2a,22bを貫通する状態で固定されている。支軸2
7の両端部、即ち自由端には押圧手段としてのウエイト
ローラ28が、その周面の一部が第1のトップエプロン
25の内面と当接する状態でそれぞれ着脱可能に遊挿さ
れている。ウエイトローラ28の内面には環状の係合凹
部29が形成されている。係合凹部29は断面形状が台
形状に形成されている。支軸27の外周面には前記係合
凹部29のローラ軸方向の端部と係合可能な係止部30
が複数個突設されている。ウエイトローラ28の最小内
径部、即ち係合凹部29以外の箇所の径が、支軸27の
最大外径部、即ち係止部30の位置における径より大き
く形成されている。ウエイトローラ28はその自重によ
り第1のトップエプロン25をボトムエプロン7側に加
圧するようになっている。第1のクレードル21、トッ
プテンサーバー23、ウエイトローラ28、ミドルトッ
プローラ13及び第1のトップエプロン25はユニット
化されたエプロン装置を構成している。
【0027】上壁22cの後寄り上面には、第1のトッ
プエプロン25の幅方向の移動を規制するガイド部31
aを左右一対備えたガイド片31が固定されている。ト
ップテンサーバー23の前端中央部にはテンサーゲージ
調整手段としての樹脂製のテンサーゲージ調整ピース3
2が取り外し可能に嵌着されている。トップテンサーバ
ー23の左右両側の下面には、第1のトップエプロン2
5及びボトムエプロン7の幅方向の移動を規制するガイ
ド部としてのガイド片33が一対ずつ固定されている。
第1のトップエプロン25及びボトムエプロン7は同じ
幅に形成され、対をなすガイド片33は第1のトップエ
プロン25及びボトムエプロン7の幅より若干広い間隔
をおいて平行に突設されている。そして、ガイド片33
は、ウェイティングアーム9が加圧位置に配置されたと
き、即ち第1のトップエプロン25が紡出位置に配置さ
れたときに、ボトムテンサーバー8に形成された長孔8
aを貫通するとともに、その前面が長孔8aの前端に当
接する状態となるように、長孔8aとの位置関係が設定
されている。
【0028】次に短繊維紡出時に使用する第2のクレー
ドル34を図4に従って説明する。第2のクレードル3
4も第1のクレードル21と同様に2錘一体型に形成さ
れ、第2のトップテンサーとしてのトップテンサーバー
35とミドルトップローラ36及び第2のトップエプロ
ン37がユニット化されている。第2のクレードル34
はその基端がミドルトップローラ36の支軸36aの中
央部において支持されている。トップテンサーバー35
は2錘共通に形成され、第2のクレードル34の前部に
支持されている。第2のトップエプロン37はトップテ
ンサーバー35及びミドルトップローラ36間に巻き掛
けられている。
【0029】短繊維紡出時にはフロントボトムローラ2
とセカンドボトムローラ3との距離(ゲージ)が、長繊
維紡出時よりも短い方がムラのない均斉なドラフトを行
い易くなる。従って、この実施の形態では短繊維紡出時
にはセカンドボトムローラ3の位置を長繊維紡出時より
前側に移動させた状態にセットする。従って、第2のク
レードル34はそれに合わせた長さに構成されている。
また、この実施の形態では、短繊維紡出時には図4及び
図6に示すように、ボトムテンサーバー8として長繊維
紡出の場合と形状の異なるものが使用される。
【0030】第2のクレードル34はウエイティングア
ーム9が加圧位置に配置された際、セカンドボトムロー
ラ3と対向する位置にミドルトップローラ36が位置す
るトップローラ支持部材38を介して支持される。ミド
ルトップローラ36は支軸36aの中央においてトップ
ローラ支持部材38に支持される。
【0031】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。長繊維(例えば一般の羊毛)の紡出を行う場
合は、図1に示すように、第1のクレードル21が使用
される。即ち、ウエイティングアーム9には支持部材1
6が所定位置に固定され、ウエイティングアーム9が加
圧位置に配置された際にサードボトムローラ4と対向す
る位置にミドルトップローラ13が配置される状態で、
ミドルトップローラ13とともに第1のクレードル21
が支持部材16に支持される。
【0032】ウエイティングアーム9が加圧位置に配置
されると、フロントトップローラ12がフロントボトム
ローラ2に、ミドルトップローラ13がサードボトムロ
ーラ4と対向する位置で第1のトップエプロン25の内
面に、バックトップローラ14がバックボトムローラ5
に、それぞれ所定の加圧力で圧接される。また、板ばね
26がウェイティングアーム9の下面と係合して、第1
のクレードル21は板ばね26を介して斜め前方向への
押圧力を受ける。そして、各ガイド片33がボトムテン
サーバー8の長孔8aの前端と係合し、テンサーゲージ
調整ピース32がボトムテンサーバー8の上面に当接し
た所定の位置に第1のクレードル21が保持される。
【0033】第1のトップエプロン25はミドルトップ
ローラ13がサードボトムローラ4側へ押圧される力
と、第1のクレードル21が板ばね26を介してボトム
エプロン7側に押圧される力と、ウェイトローラ28の
自重による押圧力と、第1のトップエプロン25の張力
とによりボトムエプロン7に圧接される。サードボトム
ローラ4の回転によりボトムエプロン7が回動され、第
1のトップエプロン25はボトムエプロン7との間の接
圧によりボトムエプロン7と同期して回動され、ボトム
エプロン7と共同して繊維束(図示せず)を移送する。
第1のトップエプロン25のボトムエプロン7に対する
圧接力はテンサーゲージ調整ピース32及びウエイトロ
ーラ28の少なくとも一方を変更することにより、紡出
条件に対応した適正な値に設定される。
【0034】両エプロン7,25が互いに圧接される
側、すなわち繊維束を把持して移送する側は、エプロン
の弛み側となるため、ボトムテンサーバー8とサードボ
トムローラ4との間が長いと中間部に弛みが発生して繊
維束の規制力が弱くなる。しかし、中間部にセカンドボ
トムローラ3が存在するため、ボトムエプロン7はボト
ムテンサーバー3とサードボトムローラ4との間が長く
ても弛みが発生しない。また、第1のトップエプロン2
5もセカンドボトムローラ3と対応する位置に配設され
たウエイトローラ28によりボトムエプロン7側に押圧
されるので、繊維束の規制力に悪影響を及ぼすような弛
みは発生しない。従って、ムラのない均斉なドラフトが
行われる。
【0035】紡出繊維の繊維長の多少の変更や紡出番手
などの変更のためテンサーゲージ調整ピース32やウエ
イトローラ28の交換を行う場合は、ウエイティングア
ーム9の加圧状態を解除して第1のトップエプロン25
がボトムエプロン7から離間した状態で行う。ウエイト
ローラ28はその最小内径部の径が支軸27の最大外径
部の径より大きいため、ウエイトローラ28をその中心
が支軸27の中心と一致する位置へ移動させた状態で、
支軸27の自由端側に移動させると、支軸27から簡単
に取り外せる。ウエイトローラ28の支軸27への取付
けは逆の手順によって簡単に行われる。また、テンサー
ゲージ調整ピース32はトップテンサーバー23を挟持
する状態で嵌着されているため、簡単に着脱できる。従
って、紡出条件に対応したテンサーゲージ調整ピース3
2及びウエイトローラ28との交換が容易となる。
【0036】カシミア、キャメル繊維等のような平均繊
維長が30mm以下の短繊維の獣毛の紡出を行う場合
は、図4に示すように、第1のクレードル21に代えて
第2のクレードル34が使用される。即ち、ウエイティ
ングアーム9には、ウエイティングアーム9が加圧位置
に配置された際にセカンドボトムローラ3と対向する位
置でミドルトップローラ36を支持する支持部材38が
固定される。そして、ミドルトップローラ36の支軸3
6aに第2のクレードル34が支持される。また、サー
ドボトムローラ4と対向する位置には支持部材16に支
持されたミドルトップローラ39が配設される。ミドル
トップローラ39はトップエプロン25が巻き掛けられ
るミドルトップローラ13より若干大径に形成されてい
る。
【0037】長繊維紡出の状態から短繊維紡出の状態に
変更する場合は、ボトム側の変更として、セカンド以降
の各バックボトムローラ3〜5の位置を変更する。各バ
ックボトムローラ3〜5の位置変更は、ウエイティング
アーム9を解放位置に配置した状態でナット3c〜5c
を弛め、ブラケット3a〜5aを所定位置まで移動させ
た後、ナット3c〜5cを締め付けて固定する。各バッ
クボトムローラ2〜5間のゲージは繊維長によって異な
るが、フロントボトムローラ2とセカンドボトムローラ
3間が45〜65mm、セカンドボトムローラ3とサー
ドボトムローラ4間が60〜80mm、サードボトムロ
ーラ4とバックボトムローラ5間が60〜80mmの範
囲に設定される。また、ボトムテンサーバー8を短繊維
紡出により適した形状のものと交換する。
【0038】次にウエイティングアーム9を解放位置に
配置した状態で、ユニット化された第1のクレードル2
1をミドルトップローラ13とともに支持部材16から
取り外す。そして、別のミドルトップローラ39の支軸
39aを支持部材16に装着した後、支持部材16の位
置をミドルトップローラ39がサードボトムローラ4と
対応する位置へ変更する。支持部材16の位置調整はボ
ルト19を弛めた後、支持部材16をフレーム10に沿
って移動させ、所定の位置でボルト19を締め付ける。
【0039】次に、支持部材38の上部をフレーム10
に嵌挿し、ボルト19を長孔20aの上側から貫通した
状態で雌ねじ部に螺合させる。そして、ミドルトップロ
ーラ36をセカンドボトムローラ3と対向する位置で支
持する所定位置まで摺動させ、ボルト19を締め付けて
支持部材38を固定する。次にミドルトップローラ36
の支軸36aを支持部材38に装着して、ユニット化さ
れた第2のクレードル34を支持部材38に支持する。
即ち、長繊維紡出の状態から短繊維紡出の状態への変更
時に、セカンド以降のボトムローラ3〜5及びボトムエ
プロン7の交換を必要としない。
【0040】短繊維紡出の場合に均斉なドラフトを行う
ためには、セカンドボトムローラ3と対応する位置にお
ける両エプロンの把持圧が重要となる。しかし、第1の
クレードル21を使用した場合には、セカンドボトムロ
ーラ3と対応する位置における両エプロン7,25の把
持圧はウエイトローラ28の自重程度の比較的弱い加圧
力に対応するものとなる。第1のクレードル21を使用
した状態でセカンドボトムローラ3と対応する位置にお
ける両エプロン7,25の把持圧を短繊維紡出に対して
適正な値とした場合は、長繊維紡出の場合には不適切な
値となる。従って、第1のクレードル21を長繊維紡出
及び短繊維紡出に兼用して良好なドラフトを行うことは
できない。
【0041】しかし、短繊維紡出の場合に第2のクレー
ドル34を使用すると、第2のトップエプロン37はセ
カンドボトムローラ3と対応するミドルトップローラ3
6とトップテンサーバー35間に巻き掛けられる。そし
て、第2のトップエプロン37にはウエイティングアー
ム9によりミドルトップローラ36を介して必要な加圧
力が加えられ、セカンドボトムローラ3と対応する位置
における両エプロン7,37の把持圧が短繊維紡出に対
して適正な値となる。その結果、繊維束はムラのない均
斉なドラフト作用を受ける。
【0042】また、サードボトムローラ4と対応する位
置にはミドルトップローラ39がボトムエプロン7に圧
接された状態に保持され、ミドルトップローラ39とボ
トムエプロン7間で繊維束が把持される。サードボトム
ローラ4とバックボトムローラ5との間はブレークドラ
フトゾーンと呼ばれ、この区間で1.1〜1.3倍程度
にドラフトすることにより繊維束に適度な張り与えら
れ、フロントボトムローラ2とセカンドボトムローラ3
との間でのドラフトが良好に行われ、均等な糸が紡出さ
れる。
【0043】短繊維紡出の状態から長繊維紡出の状態に
変更する場合は、先ずミドルトップローラ36とともに
第2のクレードル34を支持部材38から取り外した
後、支持部材38をウエイティングアーム9から取り外
す。そして、セカンド以降のボトムローラ3〜5を支持
するブラケット3a〜5aの位置を所定の位置へ移動さ
せるとともに、ボトムテンサーバー8を長繊維紡出に適
したものに変更する。次にミドルトップローラ39を支
持部材16から取り外し、第1のクレードル21にユニ
ット化されたミドルトップローラ13の支軸13aを支
持部材16に装着する。
【0044】この実施の形態は以下の効果を有する。 (イ) ボトム側のローラやエプロンを交換せずにトッ
プ側のエプロン構成を変更するという比較的簡単な作業
で、セカンドボトムローラと対応する位置におけるトッ
プ及びボトム両エプロンの繊維束の把持圧を長繊維ある
いは短繊維に適切な値に設定でき、長繊維及び短繊維の
いずれの場合も均斉なドラフトが可能となる。そして、
長繊維用の4線式のドラフト装置で平均繊維長30mm
以下の獣毛繊維の均斉なドラフトが可能となる。
【0045】(ロ) 短繊維紡出の場合にセカンド以降
のボトムローラ及びサードボトムローラを長繊維紡出の
場合より前側に移動し、対向するトップ側の各ローラの
位置も前側に移動した状態でドラフトを行うことによ
り、短繊維紡出時により適切な状態でドラフトが行わ
れ、ムラがより発生し難くなる。
【0046】(ハ) 短繊維紡出の場合にサードボトム
ローラ4と対向する位置にミドルトップローラ39を配
設して、サードボトムローラ4とバックボトムローラ5
との間でブレークドラフトを行うため、フロントボトム
ローラ2とセカンドボトムローラ3との間でのドラフト
が良好に行われ、均斉な糸が紡出される。
【0047】(ニ) 第1及び第2のクレードル21,
34にミドルトップローラ13,36等がユニット化さ
れているため、長繊維紡出の状態と短繊維紡出の状態と
に変更する場合、作業が容易になる。
【0048】(ホ) 第1及び第2のクレードル21,
34が2錘一体型に形成されているため、交換時の作業
の手間が単錘型に比較して半分となる。 (ヘ) 短繊維紡出時にボトムテンサーバー8を短繊維
紡出に適した形状のものに変更することにより、より品
質の良い糸の紡出が可能となる。
【0049】(ト) 長繊維紡出用の長いトップエプロ
ン25の使用時に、第1のクレードル21の一対のガイ
ド片33により、第1のトップエプロン25及びボトム
エプロン7が各ローラ軸と直交する方向に規制される。
その結果、両エプロン7,25の平行度が高い状態に保
持されて、両エプロン7,25の回転のばらつきが少な
くなってドラフトムラの発生が抑制され、紡出糸の糸質
が向上する。
【0050】(チ) 第1のトップエプロン25をセカ
ンドボトムローラ3側へ押圧する押圧手段として支軸2
7に遊挿されたウエイトローラ28が使用されているた
め、ばねを使用する場合に比較して耐久性が良い。
【0051】(リ) 第1のトップエプロン25がトッ
プテンサーバー23とトップローラ13間に巻き掛けら
れた状態のまま、ウエイトローラ28の支軸27に対す
る着脱を行うことができるため、ウエイトローラ28の
交換及び堆積風綿の除去を簡単に行うことができる。
【0052】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 短繊維紡出時に繊維長、紡出番手及び紡出速度
等の紡出条件によっては、セカンド以降の各ボトムロー
ラ3〜5の位置を長繊維紡出時の位置のまま行ってもよ
い。この場合、長繊維紡出の状態と短繊維紡出の状態と
の変更作業が簡単となる。
【0053】(2) 第1及び第2のクレードル21,
34にミドルトップローラ13,36をユニット化せず
に、ミドルトップローラ13,36を第1及び第2のク
レードル21,34に共用可能に構成してもよい。長繊
維紡出の状態から短繊維紡出の状態に変更する際は、第
1のクレードル21とともにミドルトップローラ13を
支持部材16から取り外した後、ミドルトップローラ1
3を第1のクレードル21から取り外す。そして、その
ミドルトップローラ13に第2のクレードル34を取り
付けた後、そのミドルトップローラ13の支軸13aを
支持部材38に支持する。短繊維紡出の状態から長繊維
紡出の状態に変更する際は、第2のクレードル34から
取り外したミドルトップローラ13に第1のクレードル
21を取り付けて使用する。この場合、ミドルトップロ
ーラ13,36を共用でき、部品点数が少なくなる。
【0054】(3) 短繊維紡出時にサードボトムロー
ラ4と対応する位置のミドルトップローラ39を省略し
てもよい。この場合、ミドルトップローラ13及び支持
部材16を第2のクレードル34を支持するミドルトッ
プローラ36及び支持部材38として使用可能に第2の
クレードル34を形成すれば、第1のクレードル21と
第2のクレードル34でミドルトップローラ及びトップ
ローラ支持部材を共用でき、全体として必要な部品点数
が減少するとともに、保管スペースを小さくできる。
【0055】(4) 長繊維紡出の状態と短繊維紡出の
状態とで同じ形状のボトムテンサーバー8を使用しても
よい。短繊維紡出時にセカンド以降のボトムローラ3〜
5を前側に移動させる場合は、セカンドボトムローラ3
と干渉しない形状とする。ボトムテンサーバー8として
鋭角状に屈曲形成したものや平板状のものを使用しても
よい。
【0056】(5) ウエイトローラ28は必ずしも第
1のトップエプロン25の内面に上下両側で接触する必
要はなく、第1のトップエプロン25の下側内面とのみ
接触する構成であってもよい。
【0057】(6) 押圧手段として支軸27に遊挿さ
れるウエイトローラ28に代えて、両側壁22a,22
bに沿って上下方向に移動可能に支承された支軸にウエ
イトローラを固定してもよい。
【0058】(7) 押圧手段としてウエイトローラ2
8に代えて、第1のトップエプロン25の内側にトップ
エプロン25に当接してトップエプロン25をボトムエ
プロン7側に押圧する板ばねを設けたり、トップエプロ
ン25に当接する係合片を板ばねやコイルスプリング等
でボトムエプロン7側に押圧する構成を設けてもよい。
【0059】(8) テンサーゲージ調整手段として交
換可能なテンサーゲージ調整ピース32に代えて、トッ
プテンサーバー23,35にその下面からの突出量を調
整可能なねじと、ねじの下端に固着された当接部と、ね
じの上側に一体回動可能に固定されたノブを備えたゲー
ジ調整装置を設けてもよい。この構成ではノブを回動し
てねじの突出量を調整することによりトップテンサーバ
ー23,35とボトムテンサーバー8とのゲージ調整が
でき、複数種のテンサーゲージ調整ピース32を準備す
る必要がない。
【0060】(9) テンサーゲージ調整手段をトップ
テンサーバー23,35の中央に設ける代わりに、トッ
プテンサーバー23,35の両端に設けてもよい。 (10) ウェイティングアーム9がセッティング位置
に配置された状態において、第1のクレードル21をボ
トムエプロン7側に付勢する付勢手段として、板ばね2
6に代えてコイルスプリング等の他のばねを使用しても
よい。
【0061】(11) 第1及び第2のクレードルを単
錘用としてもよい。前記実施の形態及び変更例から把握
できる請求項記載以外の発明について、以下にその効果
とともに記載する。
【0062】(1) 請求項1〜請求項5に記載の発明
において、短繊維紡出時と長繊維紡出時とで、ボトムテ
ンサーを各繊維の紡出に適した形状のものと交換する。
この場合、より品質の良い糸の紡出が可能となる。
【0063】(2) 請求項3に記載の発明において、
短繊維紡出時にサードボトムローラと対向する位置に配
置されるミドルトップローラを省略し、長繊維紡出時に
使用するミドルトップローラ及び対応するトップローラ
支持部材を、短繊維紡出時にセカンドボトムローラと対
向する位置に配置されるミドルトップローラ及びトップ
ローラ支持部材として使用する。この場合、第1のクレ
ードル及び第2のクレードルでミドルトップローラ及び
トップローラ支持部材を共用でき、全体として必要な部
品点数が減少するとともに、保管スペースを小さくでき
る。
【0064】(3) 請求項1〜請求項5に記載の発明
において、押圧手段として第1のトップエプロンの内側
にトップエプロン及びボトムエプロンの対向面と交差す
る方向へ移動可能な状態で、第1のトップエプロンの内
面と少なくともボトムエプロン側において当接するウエ
イトローラを設ける。この場合、押圧手段とトップエプ
ロンとの摩擦抵抗が小さくなり、板ばね等でトップエプ
ロンを直接押圧する構成に比較して耐久性が向上する。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項5
に記載の発明によれば、長繊維の紡出に適した4線式の
ドラフト装置を使用して、平均繊維長が30mm以下の
獣毛、例えばカシミア、キャメル繊維等のドラフトを均
斉に行うことができる。また、長繊維紡出の状態と短繊
維紡出の状態との変更をボトムローラ及びボトムエプロ
ンの交換をせずに、トップ側の部品変更で行うことがで
き、変更作業の工数が少なく、しかも作業も簡単とな
る。
【0066】請求項2に記載の発明では、短繊維紡出時
により適切な状態でドラフトが行われ、ムラがより発生
し難くなる。請求項4に記載の発明では、第1及び第2
のクレードルにトップテンサー、ミドルトップローラ及
びトップエプロンがユニット化されているため、長繊維
紡出の状態と短繊維紡出の状態とに変更する場合、作業
が容易になる。
【0067】請求項5に記載の発明では、第1及び第2
のクレードルが2錘一体型に形成されているため、交換
時の作業の手間が単錘型に比較して半分となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の長繊維紡出の場合の側面図。
【図2】 第1のクレードルを示す一部省略一部破断平
面図。
【図3】 図2のIII −III 線断面図。
【図4】 短繊維紡出の場合の側面図。
【図5】 トップローラ支持部材の支持状態を示す部分
断面図。
【図6】 図4の部分拡大図。
【図7】 従来装置の概略側面図。
【符号の説明】
1…ドラフト装置、3…セカンドボトムローラ、4…サ
ードボトムローラ、7ボトムエプロン、8…ボトムテン
サーとしてのボトムテンサーバー、13,36,39…
ミドルトップローラ、13a,36a…支軸、16,3
8…トップローラ支持部材、21…第1のクレードル、
23,35…トップテンサーとしてのトップテンサーバ
ー、25…第1のトップエプロン、28…押圧手段とし
てのウエイトローラ、34…第2のクレードル、37…
第2のトップエプロン。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボトムテンサーとセカンド及びサードボ
    トムローラ間にボトムエプロンが巻き掛けられた4線式
    ドラフト装置を備えた紡機のドラフト方法であって、 ボトムローラ及びボトムエプロンを交換せずに、 長繊維紡出の場合はトップテンサーと、サードボトムロ
    ーラと対向する位置に配置されるミドルトップローラと
    の間にトップエプロンを巻き掛けるとともに、セカンド
    ボトムローラと対向する位置に押圧手段が配置されるエ
    プロン装置を使用してドラフトを行い、 短繊維紡出の場合はトップテンサーと、セカンドボトム
    ローラと対向するミドルトップローラとの間にトップエ
    プロンを巻き掛けたエプロン装置を使用してドラフトを
    行なう紡機のドラフト方法。
  2. 【請求項2】 短繊維紡出の場合にはセカンド以降のボ
    トムローラを長繊維紡出の場合より前側に移動させ、対
    向するトップ側の各ローラの位置も前側に移動させてド
    ラフトを行う請求項1に記載の紡機のドラフト方法。
  3. 【請求項3】 ボトムテンサーとセカンド及びサードボ
    トムローラ間にボトムエプロンが巻き掛けられた4線式
    ドラフト装置を備えた紡機のドラフト装置であって、 基端においてサードボトムローラと対向する位置に配置
    されるミドルトップローラの支軸に支持されるととも
    に、トップテンサー及びセカンドボトムローラと対向す
    る位置に配置される押圧手段を装備した第1のクレード
    ルと、 第1のクレードルを前記ミドルトップローラの支軸に支
    持した状態でトップテンサー及び当該ミドルトップロー
    ラ間に前記押圧手段と係合する状態で巻き掛けられる第
    1のトップエプロンと、 基端においてセカンドボトムローラと対向するミドルト
    ップローラの支軸に支持されるとともにトップテンサー
    を装備した第2のクレードルと、 第2のクレードルをセカンドボトムローラと対向するミ
    ドルトップローラの支軸に支持した状態でトップテンサ
    ー及び当該ミドルトップローラ間に巻き掛けられる第2
    のトップエプロンとを備え、 長繊維紡出時には第1のクレードル及び第1のトップエ
    プロンを使用し、短繊維紡出時には第2のクレードル及
    び第2のトップエプロンを使用するようにした紡機のド
    ラフト装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のクレードルにはトップテンサ
    ー、押圧手段、ミドルトップローラ及び第1のトップエ
    プロンがユニット化され、前記第2のクレードルにはト
    ップテンサー、ミドルトップローラ及び第2のトップエ
    プロンがユニット化されている請求項3に記載の紡機の
    ドラフト装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のクレードルはウエイ
    ティングアームに支持される2錘一体型である請求項3
    又は請求項4に記載の紡機のドラフト装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014530965A (ja) * 2011-09-21 2014-11-20 ラインハルト ケーニグ 紡績編機用折り畳み練条システム
CN105297200A (zh) * 2015-11-16 2016-02-03 山东德信羊绒科技有限公司 一种半精纺细纱机
CN107012549A (zh) * 2017-05-31 2017-08-04 李岚 一种段彩纺牵伸机构及细纱机

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JP2014530965A (ja) * 2011-09-21 2014-11-20 ラインハルト ケーニグ 紡績編機用折り畳み練条システム
CN105297200A (zh) * 2015-11-16 2016-02-03 山东德信羊绒科技有限公司 一种半精纺细纱机
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