JPH09255796A - 摩耗特性に優れた樹脂製摺動用機構部品 - Google Patents

摩耗特性に優れた樹脂製摺動用機構部品

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JPH09255796A
JPH09255796A JP7261696A JP7261696A JPH09255796A JP H09255796 A JPH09255796 A JP H09255796A JP 7261696 A JP7261696 A JP 7261696A JP 7261696 A JP7261696 A JP 7261696A JP H09255796 A JPH09255796 A JP H09255796A
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JP
Japan
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resin
sliding
talc
thermoplastic resin
molded product
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JP7261696A
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Inventor
Katsumi Nabeshima
勝己 鍋島
Toshiaki Ozeki
寿朗 大関
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種OA機器や家電機器などに有用な、摩耗
特性に優れた樹脂製摺動用機構部品を提供する。 【解決手段】 タルクを1〜35重量%含有することを
特徴とする、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどの
熱可塑性樹脂組成物で構成して成る樹脂製摺動用機構部
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のOA機器や
家電機器等に用いられる、樹脂製摺動用機構部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂製摺動用機構部品、特
に、複写機(PPC、ジアゾ式複写機)、プリンター
(LBP、BJ、ドット式プリンター)、ファックス
(LB式、熱感式)、通信機器等や、DVD(デジタル
ビデオディスク)、CD−ROM、FD(フロッピーデ
ィスク)、HD(ハードディスク)、LD(レーザーデ
ィスク)、MD(ミニディスク)等を情報媒体として用
いる情報記憶媒体機器、特に、コンピューター、パソコ
ン等のOA機器、及びゲーム機、音楽プレイヤー、AV
機器等の家電機器の樹脂製内部機構部品としてシャー
シ、トレイ、ピックアップベース(トラバースベー
ス)、ガイドレール、ギア等がある。特に、シャーシと
トレイに関しては摺動性、剛性、外観(トレイのみ)が
要求されており、これらの要求を満足するために、種々
の潤滑剤、オイル、グリース等を摺動面に塗布したり、
熱可塑性樹脂組成物中にテフロンやガラス等の充填剤を
配合する場合が多い。
【0003】しかし、これらの方法は生産上の手間やコ
ストがかかる場合が多く、またガラス充填剤に関しては
摺動性を著しく悪くするだけでなく、外観も悪くなるた
めトレイなどにはあまり適さない。上記要求特性の中で
も摺動性、特に、トレイの出し入れでシャーシとトレイ
が摺動することによって起こる摩耗の問題は深刻で、こ
れによりトレイの出し入れが困難になったり、摩耗粉が
読み取りレンズに付くことによって起こるデータ読み取
りエラー等の不具合が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価で、尚
且つ剛性を保持し、外観も良好で摩耗特性を改善した樹
脂製摺動用機構部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、耐摩耗特性
を必要とする内部機構部品にタルクを含有した熱可塑性
樹脂を使用した樹脂製摺動用機構部品が、従来のものに
比し、剛性、外観、摩耗特性のバランスに優れているこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、タルクが1〜35重量%
含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物で構成し
て成る樹脂製摺動用機構部品、特に、OA機器及び家電
機器機構部品に関するものであり、さらに、上記熱可塑
性樹脂組成物中に、ポリフェニレンエーテル樹脂、また
はポリスチレン系樹脂、またはポリカーボネート樹脂、
またはポリブチレンテレフタレート樹脂を含有する樹脂
製摺動用機構部品である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる樹脂製摺動用機構部品とは、一般に一次加工
(射出成形、押出成形、ブロー成形等)、及び/もしく
は切削、組立、表面装飾等の二次加工を施した樹脂成形
体のことを言う。樹脂成形体とは、本発明で言う特性に
加え適当な耐熱性、成形性、コストパフォーマンス等を
有した熱可塑性樹脂組成物から成り、例えば、液晶ポリ
マーや、非晶性樹脂としてはポリフェニレンエーテル樹
脂(PPE樹脂)、ポリスチレン系樹脂(PS系樹
脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ポリアリレ
ート樹脂(PAR樹脂)等が好適に使用でき、結晶性樹
脂としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT
樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹
脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹
脂)、ポリアミド樹脂(PA樹脂)、ポリエチレン樹脂
(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、ポリ
アセタール樹脂(POM樹脂)等が好適に使用できる。
中でも、内部機構部品のシャーシやトレイの要求特性を
最も満足する樹脂として、PPE樹脂、PS系樹
脂、PC樹脂、PBT樹脂、が好ましい。
【0008】また、上記した熱可塑性樹脂樹脂は、本発
明に用いられる熱可塑性樹脂組成物中に単独、あるいは
2種以上の組み合わせで含有していても良い。例えば、
2種以上の特に好ましい組み合わせの例として、PPE
/PS系樹脂、PPE/PA樹脂、PPE/PE樹脂、
PPE/PP樹脂、PC/PS系樹脂、PC/PBT樹
脂、PC/POM樹脂、PBT/PS系樹脂、PBT/
POM樹脂等が挙げられ、これらの組み合わせの配合比
は、本発明の特性を損なわない範囲で好適に配合でき
る。
【0009】のPPE樹脂とは、下記一般式(I−
1)、(I−2)を繰り返し単位とし、構成単位が下記
一般式(I−1)、(I−2)からなる単独重合体、あ
るいは共重合体である。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R5 、R6 、R7 、R8 、R9
10は炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、水素で
あり、R5 、R6は同時に水素ではない。) 本発明で用いるPPE樹脂の製造方法は特に限定の必要
はなく、例えば、米国特許第3306874号、同第3
306875号、同第3257357号、同第3257
358号明細書、特公昭52−178802628号公
報、特開昭50−51197号、同63−152628
号公報等に記載されているような公知の方法で製造でき
る。
【0013】のPS系樹脂とは、一般にビニル芳香族
重合体、ゴム変性ビニル芳香族重合体のことである。ビ
ニル芳香族重合体としては、スチレン(GP)の他、o
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置換ス
チレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチル
スチレンなどのα−アルキル置換スチレン等の重合体、
及び、これら一種以上と他のビニル化合物の少なくとも
一種以上との共重合体が挙げられる。ビニル芳香族化合
物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽
和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物など
が上げられる。これらの重合体の中で特に好ましい重合
体は、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重
合体(AS樹脂)である。
【0014】また、ゴム変性ビニル芳香族重合体に用い
るゴムとしては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン
共重合体、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体な
どを挙げることができる。特に、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン共重合体が好ましく、ゴム変性芳香族
重合体としては、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、
ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS
樹脂)が好ましい。
【0015】のPC樹脂とは、下記一般式(II−
1)で表される繰り返し単位を有する重合体である。
【0016】
【化3】
【0017】ここで、Zは単なる結合を示すか、あるい
は炭素数1〜8のアルキレン、炭素数2〜8のアルキリ
デン、炭素数5〜15のシクロアルキレン、SO2 、S
O、O、CO、または、下記式(II−2)で表される
基を意味し、また、Xは水素、または、1〜8個の炭素
原子を有する飽和アルキル基を示し、a及びbは0〜4
の整数を示す。
【0018】
【化4】
【0019】のPBT樹脂とは、主たる繰り返し単位
がブチレンテレフタレートであるポリエステルを意味
し、具体的には、1,4−ブタンジオールとテレフタル
酸、もしくはその低級アルコールエステルとを縮合して
得られるポリエステルであり、ポリブチレンテレフタレ
ートを主体とする共重合体であっても良い。本発明で用
いるタルクとは、例えば、特公昭58−83053号公
報、特公昭60−90255号公報、特公昭63−26
142号公報、特公平4−80249号公報に開示され
ているようなものであり、従来から、樹脂材料に配合す
ることにより剛性、強度、寸法精度を向上させる充填剤
として知られていた。
【0020】本発明は、タルクを熱可塑性樹脂組成物中
に特定量含有させることにより、従来の特性を保持した
まま摩耗特性にも優れるといったものである。この摩耗
特性により、摺動する相手材(樹脂成形体)及び自身の
トータル摩耗量が従来に比べ著しく少なくなるため、O
A器機や家電機器の機能に支障を来す可能性が大幅に減
少する。
【0021】本発明で用いられるタルクの含有量は、熱
可塑性樹脂組成物中に1〜35重量%含まれていること
が好ましく、中でも5〜30重量%含まれていることが
更に好ましい。タルクの含有量が1重量%未満である
と、樹脂製摺動用機構部品として使用するに足るだけの
剛性、及び摩耗特性が上がらず、逆に35重量%を越え
ると剛性、強度、摩耗特性が下がるだけでなく、樹脂成
形体として使用できるだけの靭性が保持できなくなり、
実用上使用するのは困難である。また、タルクの粒径に
関しては、特に制限はなく、従来より慣用されている粒
径、例えば、平均粒径として0.1μ〜30μ程度が適
当である。
【0022】本発明で用いられる熱可塑性樹脂組成物中
には、上記樹脂、タルクの他に、摺動特性を更に向上さ
せるために、フッ素系樹脂、例えば、四フッ化エチレン
樹脂(PTFE)やシリコンオイル等を所望に応じて配
合させることも当然可能である。また、本発明の樹脂製
摺動用機構部品の摺動面にグリースやフッ素系コーティ
ング剤を塗布することも可能である。この場合のフッ素
系コーティング剤とは、揮発性の高い溶剤、例えば、低
級パーフロロカーボンやビス(トリフルオロメチル)ベ
ンゼン等にフッ素樹脂、例えば、四フッ化エチレン樹
脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレ
ン共重合樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ
化ビニル樹脂等を半溶解させたもの等である。ここで用
いられる揮発性の高い溶剤は、主に摺動面に塗布する際
にフッ素系樹脂等の分散性を良くするためのものであ
り、塗布した後、大部分の液体は速やかに揮発しなけれ
ばならない。フッ素系樹脂としては、上記した中で最も
低摩擦性に優れているPTFEが最も良く、その量は、
コーティング剤中1重量%以上90重量%以下が好まし
い。更に潤滑性を上げるために、コーティング剤にオイ
ル、例えば、フッ素オイル、シリコンオイル等を配合さ
せると、より耐久性が出て効果的である。このオイルの
量および粘度等は特に限定されるものではない。
【0023】上記したフッ素系コーティング剤を成形体
摺動部に塗布する方法は、特に限定の必要がなく、相対
する摺動面の少なくとも一方に、例えば、刷毛等で塗布
するだけで良い。本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物中
には、所望に応じて熱可塑性エラストマーを含有させる
ことができる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン部分の一
部または全てが水素添加されたスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、エチレン−プロピレンエラストマー、
スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、
熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオ
ノマー樹脂、ゴム状のコアと非ゴム状ポリマーのシェル
からなるコア・シェルポリマーなどであり、特に、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、及び、ブタジエン
部分の一部または全てが水素添加された、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体が好ましい。
【0024】また、本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物
中には、機械的特性、寸法精度、耐熱性等をより向上さ
せるために、充填剤を配合することが可能である。この
充填剤は、樹脂製摺動用機構部品の要求特性を満足する
ものであれば、特に限定の必要はなく、従来熱可塑性樹
脂に慣用されているもの、例えば、無機塩、ガラス、カ
ーボン、金属、セラミックス、マイカ、木粉、アスベス
ト等の中から任意のものを要求特性に応じて適宜選択し
て用いることができる。また、その形態についても特に
限定の必要はないが、好ましくは、粉末状、粒状、繊維
状、鱗片状、ウィスカ状等のいずれであってもよく、所
望に応じてシラン系カップリング剤による表面処理や収
束剤による収束処理が施された充填剤も用いることがで
きる。
【0025】また、本発明の目的を損なわない範囲で熱
可塑性樹脂組成物中に他の添加剤、例えば、難燃剤、可
塑剤、離型剤、発泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光
安定剤、帯電防止剤、及び染顔料等を含有させることも
できる。本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物を製造する
方法は、例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、バン
バリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することが
できる。
【0026】さらに、前記樹脂組成物から本発明の樹脂
製摺動用機構部品を成形する方法に関しては、通常行わ
れている射出成形法、例えば、溶融プレス、射出プレス
による方法等が用いられる。また射出成形の際、ガスア
シストによる成形方法は、反り、ヒケ、寸法精度の面で
有効である。さらに上記成形法により成形された樹脂製
摺動用機構部品に塗装を施すことも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を具
体的に説明する。本発明の効果を示すために、下記の2
点を中心に評価を行った。 (1) 摩耗量 往復動摩擦摩耗試験機〔東測精密工業(株)製〕におい
て、成形品Aを成形品Bの上に載せ、図3に示すように
0.5kgの荷重を加え、30mm/sの速度で左右に
片道10mmずつスライドさせた。この時、成形品Aの
足の部分と成形品Bの任意の表面部分が相対する摺動面
となる。そして、10000回往復運動終了後に、三次
元表面粗さ形状測定機〔サーコム570A−3D:東京
精密(株)製〕を用い、成形品A、成形品Bの摺動面の
摩耗量の指標として摩耗最高深さを測定した。 (2) 外観 成形品A、成形品Bの外観を目視観察し、特にフローマ
ークやフィラーの浮き等の外観不良を良、可、不可の3
段階で評価した。尚、成形品は全て射出成形機(IS8
0EPN:東芝機械(株)製)で得た。
【0028】
【実施例1】PPE樹脂を含有する熱可塑性樹脂は、ク
ロロホルム中30℃で測定した極限粘度〔η〕が、0.
52であるポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
エーテル(以下PPEと略称する。)40重量%、ポリ
スチレン樹脂〔旭化成ポリスチレン685〕(以下GP
と略称する。)30重量%、HIPS〔旭化成ポリスチ
レンH9405〕20重量%、平均粒子径3.2μのタ
ルク〔日本タルク(株)製 ミクロエースK−1〕10
重量%、及び前記樹脂組成物100重量部に対して安定
剤としてオクタデシル−3−(3−3−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.2重量
部をシリンダー温度290℃に設定したPCM−30二
軸押出機〔池貝鉄工(株)製〕にて溶融混練し、ペレッ
トを得た。このペレットを用いてシリンダー温度280
℃、金型温度70℃にて射出成形を行い成形品を得た。
この成形品を用いて評価を行い、結果を表1に示した。
【0029】
【実施例2、実施例3】実施例2は各成分の配合比を変
えた以外は実施例1と同様にペレタイズした後、成形し
評価を行った。実施例3は実施例1の成分にタルク以外
のフィラーとして繊維径13μ、平均カット長2mmの
ガラス繊維(以下GFと略称する。)5重量%、真比重
2.85、硬度2.8のマイカ5重量%を加えて同様に
評価を行った。結果を表1に示した。
【0030】
【比較例1〜4】各成分の配合比を変えた以外は実施例
1〜3と同様にペレタイズし、評価を行った。結果を表
1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1にある成形品Aは、ABS樹脂〔トヨ
ラック824V−F01 東レ(株)製〕をシリンダー
温度220℃、金型温度40℃にて成形し得た。表1か
ら、実施例1〜3は比較例1〜4に比べ摩耗特性に優
れ、樹脂製摺動用機構部品に適している。
【0033】
【実施例4、比較例5】実施例4は、PC樹脂〔レキサ
ンLGK3020 日本GE(株)製〕90重量%、実
施例1と同様のタルク10重量%を、シリンダー温度2
90℃に設定した実施例1と同様の二軸押出機にて溶融
混練しペレットを得た。このペレットを用いてシリンダ
ー温度290℃、金型温度80℃にて射出成形を行い成
形品を得た。この成形品を用いて評価を行い、結果を表
2に示した。比較例5は、前記と同様のPC樹脂を実施
例4と同様に射出成形し、得られた成形品を評価した。
【0034】
【実施例5、比較例6】実施例5は、ABS樹脂〔スタ
イラックABS VA20 旭化成工業(株)製〕85
重量%、実施例1と同様のタルク15重量%を、シリン
ダー温度240℃に設定した実施例1と同様の二軸押出
機にて溶融混練しペレットを得た。このペレットを用い
てシリンダー温度230℃、金型温度40℃にて射出成
形を行い成形品を得た。この成形品を用いて評価を行
い、結果を表2に示した。比較例6は、前記と同様のA
BS樹脂を実施例5と同様に射出成形し、得られた成形
品を評価した。
【0035】
【実施例6、比較例7】実施例6は、PS樹脂〔旭化成
ポリスチレンVS124 旭化成工業(株)製〕80重
量%、実施例1と同様のタルク20重量%を、シリンダ
ー温度230℃に設定した実施例1と同様の二軸押出機
にて溶融混練しペレットを得た。このペレットを用いて
シリンダー温度210℃、金型温度40℃にて射出成形
を行い成形品を得た。この成形品を用いて評価を行い、
結果を表2に示した。比較例7は、前記と同様のPS樹
脂を実施例6と同様に射出成形し、得られた成形品を評
価した。
【0036】
【実施例7、比較例8】実施例7は、PBT樹脂〔ジュ
ラネックス751SA ポリプラスチック(株)製〕9
0重量%、実施例1と同様のタルク10重量%を、シリ
ンダー温度270℃に設定した実施例1と同様の二軸押
出機にて溶融混練しペレットを得た。このペレットを用
いてシリンダー温度250℃、金型温度70℃にて射出
成形を行い成形品を得た。この成形品を用いて評価を行
い、結果を表2に示した。比較例8は、前記と同様のP
BT樹脂を実施例7と同様に射出成形し、得られた成形
品を評価した。
【0037】
【表2】
【0038】表2にある成形品Aは、変性PPE樹脂
〔ザイロンX1509 旭化成工業(株)製〕をシリン
ダー温度260℃、金型温度70℃にて成形し得た。表
2から、実施例4、5、6、7はそれぞれ比較例5、
6、7、8に比べ摩耗特性に優れている。従ってタルク
を配合させることにより、PC樹脂、PS系樹脂、PB
T樹脂についても樹脂製摺動用機構部品に適していると
言える。
【0039】
【実施例8〜10】タルクの平均粒子径を1.5μ〔日
本タルク(株)製 ミクロエースP−4〕、1.8μ
〔日本タルク(株)製 ミクロエースL−1〕、2.3
μ〔日本タルク(株)製 ミクロエースP−2〕に変え
た以外は実施例1と同様に成形し、それぞれ実施例8、
9、10として評価した。結果を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】表3にある成形品Aは、変性PPE樹脂
〔ライネックスP FT31V 旭化成工業(株)製〕
をシリンダー温度260℃、金型温度70℃にて成形し
得た。表3から、タルクの粒径に関係なく摩耗特性に優
れていることが分かる。
【0042】
【実施例11〜13】実施例1と同様の成形品Bに、潤
滑剤ドライサーフMD−2000〔ハーベス社製〕、ハ
ナールFL−95M〔関東化成(株)製〕、グリースモ
リコートEM−30L〔ダウコーニング(株)製〕を刷
毛で塗布した物をそれぞれ実施例11、12、13とし
て評価した。結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】表4にある成形品Aは、PC/ABS樹脂
〔マルチロンTS3814 帝人化成(株)製〕をシリ
ンダー温度250℃、金型温度60℃にて成形し得た。
表4から、本発明の樹脂組成物から成る成形品の摺動面
のどちらか一方に潤滑剤もしくはグリース等を塗布する
ことによって、更に摩耗特性が向上することが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明の樹脂製摺動用機構部品は、従来
の樹脂製摺動用機構部品よりも摩耗特性が特に優れてお
り、さらに、安価で、かつ剛性に優れ、外観も良好であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂製摺動用内部機構部品であるトレイ及びガ
イドレールを想定したモデル成形品Aの斜視図である。
【図2】樹脂製摺動用内部機構部品であるトラバースベ
ース(ピックアップベース)、及びシャーシを想定した
平板型モデル成形品Bの斜視図である。
【図3】樹脂製摺動用内部機構部品をセットアップした
時の状態を想定した図であり、成形品A、Bを側面から
見た図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 KKH C08L 69/00 KKH 71/12 LQN 71/12 LQN 101/00 101/00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タルクを1〜35重量%含有することを
    特徴とする熱可塑性樹脂組成物で構成して成る樹脂製摺
    動用機構部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物で構
    成して成る樹脂製OA機器機構部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物で構
    成して成る樹脂製家電機器機構部品。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂組成物中にポリフェニレン
    エーテル樹脂を含有する請求項1記載の樹脂製摺動用機
    構部品。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂組成物中にポリスチレン系
    樹脂を含有する請求項1記載の樹脂製摺動用機構部品。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂組成物中にポリカーボネー
    ト樹脂を含有する請求項1記載の樹脂製摺動用機構部
    品。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂組成物中にポリブチレンテ
    レフタレート樹脂を含有する請求項1記載の樹脂製摺動
    用機構部品。
JP7261696A 1996-03-27 1996-03-27 摩耗特性に優れた樹脂製摺動用機構部品 Pending JPH09255796A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7381763B2 (en) 2002-03-27 2008-06-03 Teijin Chemicals, Ltd. Flame retardant aromatic polycarbonate resin composition
JP2009543656A (ja) * 2006-07-18 2009-12-10 サーモロン コリア カンパニー,リミテッド 加熱調理容器のコーティング層構造

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US7381763B2 (en) 2002-03-27 2008-06-03 Teijin Chemicals, Ltd. Flame retardant aromatic polycarbonate resin composition
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