JPH09255738A - 熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた電気機器用コイル - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた電気機器用コイル

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JPH09255738A
JPH09255738A JP7156896A JP7156896A JPH09255738A JP H09255738 A JPH09255738 A JP H09255738A JP 7156896 A JP7156896 A JP 7156896A JP 7156896 A JP7156896 A JP 7156896A JP H09255738 A JPH09255738 A JP H09255738A
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JP
Japan
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weight
thermosetting resin
coil
styrene
resin composition
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JP7156896A
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English (en)
Inventor
Hisashi Nishigaki
寿 西垣
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気機器をワニス処理した場合のコア下部へ
のワニス付着量及び硬化物からのスチレン揮発量が少な
く、絶縁性の高い熱硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)重量平均分子量2,000〜6
0,000の植物油変性不飽和ポリエステル20〜60
重量部及び(B)スチレン40〜70重量部とメタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル60〜30重量部との混合物
80〜40重量部からなり、(A)成分と(B)成分の
合計が100重量部である熱硬化性樹脂組成物及びこの
組成物を用いて絶縁処理された電気機器用コイル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物及びこれを用いて電気機器用コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】エアコン用ファン、扇風機等の密閉型モ
ータ、小型アダプター用トランスなどの絶縁処理に用い
られるワニスは、電気絶縁性、硬化性、経済性などの点
から、不飽和ポリエステルをスチレン又はその誘導体な
どの架橋性単量体に溶解させたものが用いられている。
しかし、モータやトランスなどをワニスに浸漬し、引き
上げた後、加熱して硬化させると、これらのコア(鉄
心)下部にワニス硬化物が多く付着(ワニスだまり)
し、削り取り作業が必要であった。また、生産性向上を
目的として、ワニスの硬化時間短縮が望まれているが、
乾燥性が劣り、短時間硬化が困難であった。また、不飽
和ポリエステル系ワニスは、特性、経済性、希釈性など
の点から、架橋性単量体としてスチレンを用いており、
これを用いて電気機器用コイルを絶縁処理すると、電気
機器を稼動させた時に未反応のスチレンが揮発し、環境
汚染を引き起こすこともあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気機器を
ワニス処理した場合のコア下部へのワニス付着量及び硬
化物からのスチレン揮発量の少ない熱硬化性樹脂組成物
を提供するとともに、ワニスだまりが少なく、また、稼
動中に発生するスチレン揮発量の少ない電気機器用コイ
ルを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)重量平
均分子量2,000〜60,000の植物油変性不飽和
ポリエステル20〜60重量部及び(B)スチレン40
〜70重量部とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル60
〜30重量部との混合物80〜40重量部からなり、
(A)成分と(B)成分の合計が100重量部である熱
硬化性樹脂組成物及びこの組成物を用いて絶縁処理され
た電気機器用コイルに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物に
(A)成分として用いられる重量平均分子量2,000
〜60,000の植物油変性不飽和ポリエステルは、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、グリセリン等のアルコール成分、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸、フタル
酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の飽和
酸及び大豆油、その脂肪酸、亜麻仁油、その脂肪酸等の
植物油をエステル化反応させて得られるものである。ま
た、これらの他にジシクロペンタジエンを併用してもよ
い。
【0006】植物油変性不飽和ポリエステルの油長は2
0〜40%(重量)が好ましい。油長が短すぎると表面
乾燥性が劣るようになり、油長が長すぎると硬化物が柔
らかくなりすぎる。植物油変性不飽和ポリエステルを合
成するに当たり、不飽和酸は酸成分中20〜70モル%
が好ましく、飽和酸は酸成分中10〜40モル%使用す
ることが好ましい。不飽和酸が多すぎると硬化物が硬く
なりすぎクラックが発生しやすくなり、不飽和酸が少な
すぎると硬化性が劣るようになる。ジシクロペンタジエ
ンは、植物油変性不飽和ポリエステルの原料の総量に対
して0〜30重量%使用することが好ましい。ジシクロ
ペンタジエンが多すぎると硬化物が硬くなりすぎクラッ
クが発生しやすくなる。
【0007】植物油変性不飽和ポリエステルの重量平均
分子量は、電気機器用コイルのコアへのワニスだまりを
低減させるために2,000〜60,000とされ、好
ましくは2,000〜50,000、より好ましくは
2,000〜30,000である。重量平均分子量が6
0,000を超えると、コアへのワニスだまりが多くな
り、2,000より低いと、ワニスの乾燥性が低下する
とともに、硬化物からのスチレン揮発量が多くなる。な
お、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによって測定し、標準ポ
リスチレンの検量線を用いて換算した値である。
【0008】また、(B)成分として用いるスチレンと
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとの混合物は、
(A)成分の植物油変性不飽和ポリエステルに対する架
橋性単量体として使用されるものであり、スチレン40
〜70重量部とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル60
〜30重量部との混合物である。架橋性単量体がスチレ
ン単独であると、コアへのワニス付着量が多く、また、
硬化物からのスチレン揮発量も多い。他方、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチルが多くなると、電気機器用コイ
ルに用いているエナメル線の絶縁被膜を膨潤させ、絶縁
性が低下する。
【0009】本発明の熱硬化性樹脂組成物において、成
分の配合割合は、(A)成分の植物油変性不飽和ポリエ
ステル20〜60重量部及び(B)成分の架橋性単量体
混合物80〜40重量部の範囲とされ、これらの合計が
100重量部とされる。(A)成分が少なすぎると、電
気機器用コイルへの付着量が少なくなり、接着性が低下
しやすくなる。また、(A)が多すぎると樹脂組成物の
粘度が高くなり、電気機器の下部のワニスだまりが多く
なり、また、コイル内部への浸透性が劣るようになる。
【0010】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、各種の添加物を配合
することができる。例えば、本発明の熱硬化性樹脂組成
物100重量部に対してナフテン酸マンガン、ナフテン
酸コバルト等の金属石けんを0.05〜3.0重量部の
範囲で、また、硬化剤としてベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエート等の一般的過酸化物を
0.2〜5.0重量部の範囲で配合することができる。
金属石けんと硬化剤は、添加量が少ないと硬化性が劣
り、また、多すぎても硬化性の著しい改善がない。した
がって、本発明の熱硬化性樹脂組成物100重量部に対
して、金属石けんは0.1〜1重量部、硬化剤は0.5
〜3重量部使用することが好ましい。
【0011】電気機器用コイルは、モータのステータ及
びアーマチュア、小型トランスなどに用いられ、コア
(鉄心)にエナメル線を巻いたコイルからなる。本発明
の電気機器用コイルは、本発明の熱硬化性樹脂組成物で
絶縁処理されたものであり、この絶縁処理は、本発明の
熱硬化性樹脂組成物に電気機器用コイルを3〜5分間浸
漬し、引き上げた後、110〜130℃で1〜2時間加
熱硬化させることによって行われる。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、下記の例中の「部」は、特に断らない限り、「重
量部」を意味する。
【0013】実施例1〜4 エチレングリコール11モル、無水マレイン酸5モル、
無水フタル酸4モル、大豆油脂肪酸1モルを合成釜に入
れ、210℃で時間を変動させて反応させ、重量平均分
子量が2,600、10,000、28,000及び5
5,000の植物油変性不飽和ポリエステル(以下、そ
れぞれ不飽和ポリエステルA、B、C及びDと称する)
を得た。この不飽和ポリエステルを表1に示した配合で
溶解させて、熱硬化性樹脂組成物を調製し、各々の特性
を評価し、その結果を表1に示した。
【0014】比較例1〜3 実施例3で得た不飽和ポリエステルCを表2に示した配
合で溶解させて、熱硬化性樹脂組成物を調製し、各々の
特性を評価し、その結果を表2に示した。
【0015】比較例4及び5 実施例に用いたのと同じ材料を同じ配合量で配合し、2
10℃で時間を変動させて反応させ、重量平均分子量が
1,200及び80,000の植物油変性不飽和ポリエ
ステル(以下、それぞれ不飽和ポリエステルE及びFと
称する)を得た。表2に示す配合で熱硬化性樹脂組成物
を調製し、特性を評価し、その結果を表2に示した。
【0016】比較例6 エチレングリコール11モル、無水マレイン酸5モル及
び無水フタル酸4モルを合成釜に入れ、210℃で反応
させ、重量平均分子量が31,000の未変性不飽和ポ
リエステル(以下、不飽和ポリエステルGと称する)を
得た。表2に示す配合で熱硬化性樹脂組成物を調製し、
特性を評価し、結果を表2に示した。
【0017】なお、特性は、下記の方法で評価した。 乾燥時間 JIS−C2105の乾燥時間の試験方法に準じて12
0℃での乾燥時間を求めた。 トランスのコアのワニスだまり EI−48型トランス(コアの寸法:48×40×20
mm)を各々のワニスに3分間浸漬し、引き上げた後、1
10℃で1時間加熱硬化させる。硬化後に、コアの下部
のワニスだまり状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○;ワニスだまり無し。 ○〜△;0.5〜1.0mm厚のワニスだまり有り。 ×;2〜3mm厚のワニスだまり有り。 ××;5mm厚のワニスだまり有り。
【0018】 トランスからのスチレン揮発量 トランスのワニスだまり評価に用いたトランスを500
mlのビーカーに入れ、ポリエチレンフィルムで密閉し、
60℃で5時間放置した後、スチレン濃度計(新コスモ
ス電機製、XP−316型)で測定した。 エナメル線の絶縁破壊電圧 直径0.5mmのエナメル線を用いて、JIS−C300
3に準じてツイストペアを作製し、試験管(内径18m
m、長さ170mm)に入れ、次いで、各々のワニスを高
さ150mmまで注入した後、110℃で1時間加熱硬化
させる。硬化後にツイストペアの絶縁破壊電圧を測定し
た。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1及び表2に示した結果から明らかなと
おり、本発明の実施例で調製した熱硬化性樹脂組成物を
用いれば、いずれも乾燥性が良く、ワニスだまり及びス
チレン揮発量が少なく、高い絶縁性を示すコイルが得ら
れた。他方、実施例3と同じ植物油変性不飽和ポリエス
テルを用いたが、架橋性単量体としてスチレンのみを用
いた比較例1及び2の組成物を用いた場合には、ワニス
だまり及びスチレン揮発量が著しく多く、架橋性単量体
のスチレン量が少なすぎる比較例3の組成物を用いた場
合には、絶縁性が極めて低い。また、重量平均分子量が
低すぎる植物油変性不飽和ポリエステルを用いた比較例
4の組成物を用いた場合には、スチレン揮発量が多く、
重量平均分子量が高すぎる植物油変性不飽和ポリエステ
ルを用いた比較例5の組成物を用いた場合には、ワニス
だまりが厚くなり、植物油で変性されていない不飽和ポ
リエステルを用いた比較例6の組成物を用いた場合に
は、乾燥性が悪化し、スチレン揮発量が多くなった。
【0022】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、優れた
絶縁性を有するとともに、コイルの絶縁処理に用いた場
合、コア下部へのワニスだまり及び硬化物からのスチレ
ン揮発量を著しく低減することができる。したがって、
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて絶縁処理した電機
機器用コイルは、高い絶縁性を有するとともに、ワニス
だまりが少なく、後削り作業を省略でき、また、稼動中
のスチレン揮発量も少なく、環境汚染防止に有効であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重量平均分子量2,000〜6
    0,000の植物油変性不飽和ポリエステル20〜60
    重量部及び(B)スチレン40〜70重量部とメタクリ
    ル酸2−ヒドロキシエチル60〜30重量部との混合物
    80〜40重量部からなり、(A)成分と(B)成分の
    合計が100重量部である熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物を用
    いて絶縁処理された電気機器用コイル。
JP7156896A 1996-03-27 1996-03-27 熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた電気機器用コイル Pending JPH09255738A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107123493A (zh) * 2017-04-27 2017-09-01 广东粤特变压器有限公司 一种绝缘和导热性能好的SiO2纳米粒子改性植物绝缘油及制备方法

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CN107123493A (zh) * 2017-04-27 2017-09-01 广东粤特变压器有限公司 一种绝缘和导热性能好的SiO2纳米粒子改性植物绝缘油及制备方法

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