JPH09255645A - 1−アジドインダン−2−オール誘導体 - Google Patents
1−アジドインダン−2−オール誘導体Info
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- JPH09255645A JPH09255645A JP7026396A JP7026396A JPH09255645A JP H09255645 A JPH09255645 A JP H09255645A JP 7026396 A JP7026396 A JP 7026396A JP 7026396 A JP7026396 A JP 7026396A JP H09255645 A JPH09255645 A JP H09255645A
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Abstract
オール誘導体の提供。 【解決手段】式(I) 【化1】 (I)(式中、R1は水素、または炭素数1〜10の直鎖
または分枝アルキル基、アリ−ル基、アシル基、ベンゾ
イル基、置換ベンゾイル基、スルホニル基、シリル基を
表す。)で表されるトランス−1−アジドインダン−2
−オール誘導体。 式(II) 【化2】 (II)(式中、R1は水素、または炭素数1〜20の直
鎖または分枝アルキル基、アリ−ル基、アシル基、ベン
ゾイル基、置換ベンゾイル基、スルホニル基、シリル基
を表す。)で表されるシス−1−アジドインダン−2−
オール誘導体。 【効果】 本発明の化合物は、種々の生理活性物質の合
成中間体、あるいは不斉合成に用いられるキラル配位子
の合成中間体として有用である。
Description
るトランス−1−アジドインダン−2−オール誘導体、
及びシス−1−アジドインダン−2−オール誘導体に関
する。これらの化合物は、HIV−1プロテア−ゼ阻害
剤をはじめとする種々の生理活性物質の合成中間体とし
て有用な化合物であり、また不斉合成に用いられるキラ
ル配位子の合成中間体としても有用である。
の生理活性物質の合成中間体として有用な化合物を提供
することにある。
明は下記のとおりである。 (1)式(I)
0の直鎖または分枝アルキル基、アリ−ル基、アシル
基、ベンゾイル基、置換ベンゾイル基、スルホニル基、
シリル基を表す)で表されるトランス−1−アジドイン
ダン−2−オール誘導体。 (2)式(II)
0の直鎖または分枝アルキル基、アリ−ル基、アシル
基、ベンゾイル基、置換ベンゾイル基、スルホニル基、
シリル基を表す)で表されるシス−1−アジドインダン
−2−オール誘導体。
ン−2−オール誘導体、及びシス−1−アジドインダン
−2−オール誘導体は、本発明者らによって初めて合成
された新規化合物である。これら新規化合物は、種々の
生理活性物質の合成中間体として広範に利用できる有用
な化合物である。例えば、本発明の化合物から誘導され
る(−)−(1S,2R)−シス−1ーアミノインダン
ー2ーオールは、HIV−1プロテア−ゼ阻害剤(AI
DS治療薬)として開発中のL−735,524、L−
754,394等の鍵中間体として有用である(Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 1994,
91,4096.)。また、本発明の化合物は不斉合成
に用いられるキラル配位子の合成中間体としても非常に
有用であり、例えば上述の(−)−(1S,2R)−シ
ス−1ーアミノインダンー2ーオールをキラル配位子と
して不斉合成を行った例が多数報告されている(Tet
rahedron Lett.1995,36,219
5、Tetrahedron Lett.1995,3
6,7619、Tetrahedron:Asymme
try,1995,6,301.)。
る。本発明のトランス−1−アジドインダン−2−オー
ル誘導体(I)及びシス−1−アジドインダン−2−オ
ール誘導体(II)は、以下の反応工程に従って製造する
ことができる。
ンデン(IV)を出発物質として3工程で合成することが
できる。すなわち、インデン(IV)をブロモヒドリン化
することによりブロモヒドリン(V)が得られる。ブロ
モヒドリン化の方法としては、例えば水性テトラヒドロ
フラン中、N−ブロモコハク酸イミドを作用させる方法
が挙げられる。次いでブロモヒドリン(V)に塩基を作
用させることにより閉環し、エポキシド(VI)を得る。
塩基の例としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等の水酸化物が代表的なものである。最
後にエポキシド(VI)にアジ化物を作用させることによ
りトランス−1−アジドインダン−2−オール(Ia)を
得ることができる。アジド化の方法としては、例えば水
性アルコール中、塩化アンモニウム存在下にてアジ化ナ
トリウムと反応させる方法が挙げられる。
a)で表される化合物を、リパ−ゼを用いて脂肪酸ビニ
ルとエステル交換反応することにより光学分割し、得ら
れる((ー)ーIb)と((+)ーIa)の混合物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー等の方法を用いて分離することに
より得ることができる。リパ−ゼとしては、次表に示し
た市販のリパ−ゼを用いることができる。
る微生物であれば、その種類を問わずにそのリパ−ゼを
使用することができる。かかる微生物の例として、シュ
ウドモナス(Pseudomonus)属、クロモバクテリウム(C
hromobacterium)属、アルスロバクタ−(Arthrobacte
r)属、アクロモバクタ−(Acromobacter)属、アルカ
リゲネス(Alcaligenes)属、アスペルギルス(Aspergi
lius)属、カンジダ(Candida)属、ムコ−ル(Mucor)
属、リゾプス(Rhizopus)属、等に属するものが挙げら
れる。これらの中で特に好ましいのは、シュウドモナス
属由来のものである。
ピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル
等が挙げられる。脂肪酸ビニルは基質に対して0.1〜
50当量用いることができるが、特に好ましくは0.5
〜10当量である。反応溶媒としては、ヘプタン、ヘキ
サン等の炭化水素系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素系溶媒、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチ
ルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒が
代表的なものであるが、リパ−ゼ活性を阻害しない有機
溶媒であれば広く用いることができる。
特に好ましくは20〜50℃である。反応時間は1〜3
00時間であり、好ましくは10〜100時間である。
また、式((ー)ーIb)で表される化合物は、塩基性条件下
の加水分解または加アルコール分解により、式((-)ーI
a)で表される化合物に容易に導くことができる。加水
分解に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の水酸化物が挙げられる。加アルコ−ル
分解の代表的な方法としては、例えば、炭酸カリウム−
メタノール等の方法が挙げられる。
知の方法により、短工程で水酸基が立体反転した式
((+)-IIb)または式((-)-IIc)で表される化合物に変
換することができる。具体的な方法を挙げると、((+)ー
Ia)にピリジン、トリエチルアミン等の塩基の存在下、
塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル等
を作用させることによりスルホン酸エステル化して式
((+)ーId)で表される化合物に導き、次いで18ークラ
ウンー6等のクラウン化合物の存在下、酢酸セシウムと
反応させることにより、式((+)-IIb)で表される化合
物を得ることができる(Chem.Lett.,198
4,1555.)。酢酸セシウムの代わりにジメチルホ
ルムアミド中、酢酸ーフッ化セシウムと反応させてもよ
い。
は、((+)ーIa)にトリフェニルホスフィン、安息香酸
類、アゾジカルボン酸ジエステルを作用させる光延反応
により得ることができる(Synthesis,198
1,1.)。反応に用いられる安息香酸類の例としては
安息香酸、フェニル基にアルキル基、アルコキシル基、
ハロゲノ基、ニトロ基等が置換した安息香酸が挙げられ
る。またアゾジカルボン酸ジエステルのエステル基の例
としては、メチル、エチル、イソプロピル、ベンジルエ
ステル等が挙げられる。
れる化合物は、塩基性条件下の加水分解または加アルコ
ール分解により、式((+)ーIIa)で表される化合物に容
易に導くことができる。加水分解に用いられる塩基とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物
が挙げられる。加アルコ−ル分解の代表的な方法として
は、例えば、炭酸カリウム−メタノール等の方法が挙げ
られる。
物から式((ー)ーIIa)で表される化合物を導くことがで
きる。以上の操作により、トランス−1−アジドインダ
ン−2−オール誘導体、及びシス−1−アジドインダン
−2−オール誘導体を効率的に製造することが出来る。
((ー)ーIIa)で表される化合物は、既知の方法によって
アジド基をアミノ基に還元することにより式((-)ーII
I)及び式((+)ーIII)で表される化合物に容易に変換す
ることができる。還元の方法としては、例えばパラジウ
ム、白金等の金属系触媒を用いる接触水素添加による方
法、または水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素
ナトリウム等の金属水素錯化合物を用いる方法等を挙げ
ることができる。
−2−オール誘導体、及びシス−1−アジドインダン−
2−オール誘導体は、種々の生理活性物質等の合成中間
体として有用な化合物である。例えば、本化合物はHI
V−1プロテア−ゼ阻害剤(AIDS治療薬)として開
発中のL−735,524、L−754,394等の鍵
中間体として有用である(−)−(1S,2R)−シス
−1ーアミノインダンー2ーオールに容易に誘導され
る。また、本発明の化合物は不斉合成に用いられるキラ
ル配位子の合成中間体としても非常に有用である。
本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
よって制限されるものではない。 実施例1 (±)−トランス−1−アジドインダン−
2−オールの合成: 工程1:(±)−トランス−2−ブロモインダン−1−
オールの合成 インデン(11.6g、0.1mol)を50%水性テ
トラヒドロフラン(200ml)に溶解し、N−ブロモ
コハク酸イミド(19.58g、0.11mol)を少
量ずつ加えて室温で12時間攪拌した。有機相を分離
し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて5
%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮し
た。濃縮残さをエタノ−ルから再結晶し、(±)−トラ
ンス−2−ブロモインダン−1−オール(17.45
g、82.3%)を無色針状結晶として得た。
1−オール(6.36g、30mmol)をエ−テル
(100ml)に溶解し、粉末状の水酸化ナトリウム
(3.0g、75mmol)を加えて室温で4時間攪拌
した。反応混合物に水(40ml)を加えて有機相を分
離し、水相をエ−テルで抽出した。有機相を合わせて飽
和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾
過、減圧濃縮し、粗製の(±)−エポキシインダン
(3.56g、89.9%)を得た。 工程3:(±)−トランス−1−アジドインダン−2−
オールの合成 工程2で得た(±)−エポキシインダン(3.56g、
27.0mmol)、塩化アンモニウム(2.25g、
42mmol)、アジ化ナトリウム(2.73g、42
mmol)、80%水性エタノ−ル(90ml)の混合
物を2時間加熱還流した。冷却後、反応混合物に水(3
0ml)を加えて酢酸エチルで抽出した。有機相を合わ
せて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥、
濾過、減圧濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/5(v/
v))を用いて精製し、(±)−トランス−1−アジド
インダン−2−オール(4.39g、93.0%)を得
た。
J=6.71Hz),7.23−7.33(m,3
H),4.70(d,1H,J=4.88Hz),4.
47−4.53(m,1H),3.31(dd,1H,
J=15.87,6.71Hz),2.87(dd,1
H,J=15.87,6.11Hz),2.19(br
s,1H) MS:m/z=175(M+),91(100%) 実施例2 (+)−トランス−1ーアジドインダンー
2ーオール及び(ー)−トランス−1ーアジドインダン
ー2ーオールの合成:実施例1で得た(±)−トランス
−1ーアジドインダンー2ーオール(4.35g、2
4.9mmol)をtert−ブチルメチルエ−テル
(150ml)に溶解し、酢酸ビニル(13.6ml、
147.5mmol)、リパ−ゼPS(天野製薬、25
0mg)を順次加えて、室温下で55時間攪拌した。反
応混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃
縮残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(酢酸エ
チル/ヘキサン=1/8→1/4(v/v))を用いて
精製し、無色油状の(−)−(1R,2R)−トランス
−2ーアセトキシ−1−アジドインダン(2.62g、
48.6%)と(+)−(1S,2S)−トランス−1
ーアジドインダンー2ーオール(2.09g、48.1
%)を得た。
アセトキシ−1−アジドインダン:[α]D 29 −9
1.6゜(c=2.6,CHCl3) IR(film):ν=2102,1745cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.39(d,1H,
J=7.32Hz),7.29−7.37(m,2
H),7.27(d,1H,J=4.88Hz),5.
35(ddd,1H,J=6.71,4.88,4.2
7Hz),4.87(d,1H,J=4.27Hz),
4.87(d,1H,J=4.27Hz),3.49
(dd,1H,J=16.48,6.71Hz),2.
89(dd,1H,J=16.48,4.27Hz),
2.09(s,3H) MS:m/z=175(M+−42),43(100
%) このものの光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキサン=5/9
5)を用いたHPLCにより測定したところ、98.4
%eeであることが判明した。 (+)−(1S,2S)−トランス−1ーアジドインダ
ンー2ーオール:[α]D 30 +78.3゜(c=1.
9,CHCl3) IR(film):ν=3364,2096cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.37(d,1H,
J=6.71Hz),7.23−7.33(m,3
H),4.70(d,1H,J=4.89Hz),4.
47−4.54(m,1H),3.31(dd,1H,
J=15.87,6.71Hz),2.88(dd,1
H,J=15.87,6.11Hz),2.18(br
s,1H) MS:m/z=175(M+),91(100%) このものの光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキサン=5/9
5)を用いたHPLCにより測定したところ、99%e
e以上であることが判明した。(−)−(1R,2R)
−トランス−2ーアセトキシ−1−アジドインダン
(3.93g、18.1mmol)をメタノ−ル(10
0ml)に溶解し、炭酸カリウム(7.51g、54.
4mmol)を加えて室温で2.5時間攪拌した。反応
混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮
残さに水(30ml)を加えて酢酸エチルで抽出した。
有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1
/4(v/v))を用いて精製し、無色油状の(−)−
(1R,2R)−トランス−1ーアジドインダンー2ー
オール(3.08g、97.2%)を得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=5/95)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、98.2%eeであることが判明した。 [α]D 30 −77.9゜(c=2.8,CHCl3) 実施例3 (−)−(1S,2R)−シス−1ーアジ
ド−2−(4−ニトロベンゾイルオキシ)インダンの合
成:実施例2で得た(+)−(1S,2S)−トランス
−1ーアジドインダンー2ーオール(1.91g、1
1.2mmol)、4−ニトロ安息香酸(3.74g、
22.4mmol)、テトラヒドロフラン(20ml)
の混合物中に、0℃にてトリフェニルホスフィン(5.
89g、22.4mmol)(テトラヒドロフラン20
mlに溶解)及びアゾジカルボン酸ジエチル(3.91
g、22.4mmol)(テトラヒドロフラン20ml
に溶解)を同時に20分間かけて滴下し、同温度で30
分間、室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃
縮し、濃縮残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(酢酸エチル/ヘキサン=1/8(v/v))を用いて
精製し、(−)−(1S,2R)−シス−1ーアジド−
2−(4−ニトロベンゾイルオキシ)インダン(2.7
1g、74.6%)を無色プリズム状結晶として得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:133.5−134.0℃ [α]D 31 −42.87゜(c=0.9,CHCl3) IR(Nujol):ν=2086,1720,152
4,1350cmー1 1HーNMR(CDCl3):δ=
8.29(d,2H,J=9.15Hz),8.25
(d,2H,J=9.16Hz),7.46(d,1
H,J=7.32Hz),7.32−7.42(m,3
H),5.80(dt,1H,J=6.71,5,50
Hz),5.02(d,1H,J=6.11Hz),
3.40(dd,1H,J=16.48,6.72H
z),3.30(dd,1H,J=16.48,5.5
0Hz) MS:m/z=282(M+−42),1
50(100%) 実施例4 (+)−(1S,2R)−シス−1ーアジ
ドインダンー2ーオールの合成:メタノ−ル(20m
l)に金属ナトリウム(230mg、10mg原子)を
加えることにより調製したナトリウムメトキシドのメタ
ノ−ル溶液中に、実施例3で得た(−)−(1S,2
R)−シス−1ーアジド−2−(4−ニトロベンゾイル
オキシ)インダン(1.086g、3.35mmol)
(塩化メチレン15mlに溶解)を滴下して室温で1時
間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、濃縮残さに飽和
食塩水(20ml)を加えて塩化メチレンで抽出した。
有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、
減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/6(v/v))を用
いて精製し、無色油状の(+)−(1S,2R)−シス
−1ーアジドインダンー2ーオール(565mg、9
6.4%)を得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=5/95)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 [α]D 27 +85.85゜(c=2.0,CHCl3) IR(film):ν=3394,2102cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.25−7.43
(m,4H),4.79(d,1H,J=5.49H
z),4.55−4.65(m,1H),3.17(d
d,1H,J=15.93,6.32Hz),2.95
(dd,1H,J=15.93,6.04Hz),2.
36(d,1H,J=7.97Hz) MS:m/z=175(M+),130(100%) 実施例5 (+)−(1S,2R)−シス−2−アセ
トキシ−1ーアジドインダンの合成: 工程1:(+)−(1S,2S)−トランス−1ーアジ
ド−2−メタンスルフォニルオキシインダンの合成 実施例2で得た(+)−(1S,2S)−トランス−1
ーアジドインダンー2ーオール(1.07g、6.1m
mol)を塩化メチレン20mlに溶解し、0℃にてト
リエチルアミン(1.7ml、12.2mmol)、塩
化メタンスルフォニル(0.71ml、9.2mmo
l)を滴下して同温度で30分間、室温で12時間攪拌
した。反応混合物を塩化メチレンで希釈した後、5%塩
酸、5%重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機相を
硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残
さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル
/ヘキサン=1/6(v/v))を用いて精製し、得ら
れた結晶を更にベンゼン−ヘキサンから再結晶して
(+)−(1S,2S)−トランス−1ーアジド−2−
メタンスルフォニルオキシインダン(1.46g、9
4.5%)を無色針状結晶として得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:73-74℃ [α]D 31 +71.84゜(c=1.0,CHCl3) IR(Nujol):ν=2098,1332cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.40(d,1H,
J=6.71Hz),7.31−7.39(m,2
H),7.27(d,1H,J=8.55Hz),5.
19(ddd,1H,J=6.72,5.49,4.8
8Hz),5.02(d,1H,J=4.88Hz),
3.51(dd,1H,J=16.48,6.72H
z),3.17(dd,1H,J=16.48,5.4
9Hz),3.13(s,3H) MS:m/z=211(M+−42),129(100
%) 工程2:(+)−(1S,2R)−シス−2−アセトキ
シ−1ーアジドインダンの合成 工程1で得た(+)−(1S,2S)−トランス−1ー
アジド−2−メタンスルフォニルオキシインダン(25
3mg、1mmol)、フッ化セシウム(760mg、
5mmol)、酢酸(300mg、5mmol)、ジメ
チルホルムアミド10mlの混合物を、100℃にて1
時間加熱攪拌した。冷却後、反応混合物を氷水中に注
ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%重曹水、飽和
食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾
過、減圧濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/8(v/
v))を用いて精製し、淡黄色油状の(+)−(1S,
2R)−シス−2−アセトキシ−1−アジドインダン
(42mg、19.4%)を得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 参考例1 (−)−(1S,2R)−シス−1ーアミ
ノインダンー2ーオールの合成:実施例4で得た(+)
−(1S,2R)−シス−1ーアジドインダン−2−オ
ール(550mg、3.14mmol)をエタノ−ル
(15ml)に溶解し、10%パラジウム−炭素(30
mg)を加えて2時間水素化を行った。触媒を濾過によ
り除去した後、濾液を減圧濃縮し、(−)−(1S,2
R)−シス−1ーアミノインダンー2ーオール(460
mg、98.3%)を無色プリズム状結晶として得た。
(m,1H),7.24(brd,3H,J=2.45
Hz),4.39(dt,1H,J=5.50,3.0
5Hz),4.34(d,1H,J=5.49Hz),
3.09(dd,1H,J=16.48,5.50H
z),2.95(dd,1H,J=16.48,3.0
6Hz),2.22(brs,3H D2O交換) 実施例6 (+)−(1R,2S)−シス−1ーアジ
ド−2−(4−ニトロベンゾイルオキシ)インダンの合
成:実施例3と同様にして、実施例2で得た(−)−
(1R,2R)−トランス−1ーアジドインダンー2ー
オールから(+)−(1R,2S)−シス−1ーアジド
−2−(4−ニトロベンゾイルオキシ)インダン(8
0.8%)を得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:134−135℃ [α]D 30 +42.72゜(c=1.1,CHCl3) 実施例7 (−)−(1R,2S)−シス−1ーアジ
ドインダンー2ーオールの合成:実施例4と同様にし
て、実施例6で得た(+)−(1R,2S)−シス−1
ーアジド−2−(4−ニトロベンゾイルオキシ)インダ
ンから(−)−(1R,2S)−シス−1ーアジドイン
ダンー2ーオール(96.7%)を得た。
CHCl3) 実施例8 (−)−(1R,2S)−シス−2−アセ
トキシ−1ーアジドインダンの合成: 工程1:(−)−(1R,2R)−トランス−1ーアジ
ド−2−メタンスルフォニルオキシインダンの合成 実施例4と同様にして、実施例2で得た(−)−(1
R,2R)−トランス−1ーアジドインダンー2ーオー
ルから(−)−(1R,2R)−トランス−1ーアジド
−2−メタンスルフォニルオキシインダン(89.4
%)を無色針状結晶として得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:71.5−72.0℃ [α]D 30 −69.06゜(c=1.1,CHCl3) 工程2:(−)−(1R,2S)−シス−2−アセトキ
シ−1ーアジドインダンの合成 工程1で得た(−)−(1R,2R)−トランス−1ー
アジド−2−メタンスルフォニルオキシインダン(75
9mg、13mmol)、酢酸セシウム(2.88g、
15mmol)、18−クラウン−6(1.32g、3
mmol)、及びトルエン(25ml)の混合物を20
時間加熱還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで
希釈した後、飽和食塩水で洗浄した。有機相を硫酸マグ
ネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/8(v/v))を用いて精製し、淡黄色油状の
(−)−(1R,2S)−シス−2−アセトキシ−1−
アジドインダン(415mg、63.7%)を得た。
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 [α]D 30 −25.54゜(c=1.5,CHCl3) IR(film):ν=2102,1742cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.40(d,1H,
J=7.33Hz),7.27−7.38(m,3
H),5.53(q,1H,J=6.11Hz),4.
87(d,1H,J=5.49Hz),3.23(d
d,1H,J=16.48,6.72Hz),3.13
(dd,1H,J=16.48,5.50Hz),2.
15(s,3H) MS:m/z=175(M+−42),43(100
%) 参考例2 (+)−(1R,2S)−シス−1ーアミ
ノインダンー2ーオールの合成:参考例1と同様にし
て、実施例8で得た(−)−(1R,2S)−シス−1
ーアジドインダン−2−オールから(+)−(1R,2
S)−シス−1ーアミノインダンー2ーオール(94.
0%)を得た。
Claims (2)
- 【請求項1】式(I) 【化1】 (I) (式中、R1は水素、または炭素数1〜20の直鎖また
は分枝アルキル基、アリ−ル基、アシル基、ベンゾイル
基、置換ベンゾイル基、スルホニル基、シリル基を表
す)で表されるトランス−1−アジドインダン−2−オ
ール誘導体。 - 【請求項2】式(II) 【化2】 (II) (式中、R1は水素、または炭素数1〜20の直鎖また
は分枝アルキル基、アリ−ル基、アシル基、ベンゾイル
基、置換ベンゾイル基、スルホニル基、シリル基を表
す)で表されるシス−1−アジドインダン−2−オール
誘導体。
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